JP7342459B2 - 転がり軸受装置 - Google Patents
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Description
この構成によれば、第一通気穴及び第二通気穴によって、内部空間を通じて外部空間とリップ空間との間で、双方向について気体の通過を可能とさせる構成が得られる。
この構成によれば、第一通気穴及び第二通気穴を通じて、空間の圧力差を解消するために気体を通過可能とするが、異物としての液体が軸受内部に侵入するのを防止することができる。
この構成によれば、金属部材に通気材を付した状態で、その金属部材に弾性部材を接着することで、前記シールが製造される。
この構成によれば、外方部材と内方部材との間から異物が侵入したとしても、その異物を樋構造部が受けることができ、異物が第二通気穴に付着し難くなる。
図1は、転がり軸受装置の一例を示す断面図である。図1に示す転がり軸受装置は、自動車に用いられる車輪用軸受装置(ハブユニット)10である。車輪用軸受装置10は、自動車の車体が有する懸架装置(ナックル)に取り付けられ、車輪を回転可能に支持する。車輪用軸受装置10は、外方部材12と、内方部材11と、転動体である複数の玉13と、保持器14と、車両インナ側のシール15と、車両アウタ側のシール16とを備える。以下の説明では、外方部材12を「外輪部材12」と称し、内方部材11を「内軸部材11」と称する。なお、前記転動体は玉13以外にころ(円すいころ)等であってもよい。
図2は、車両アウタ側(軸方向一方側)のシール16を示す断面図である。シール16は、内部空間7の軸方向一方の開口側に設けられている。図2において、シール16の左側が内部空間7であり、シール16の右側及び径方向外側が外部空間8である。
以上より、本開示の車輪用軸受装置10は(図1参照)、玉13が設けられている内部空間7に、外部空間8から異物が侵入するのを防ぐシール16を備える。シール16は、外輪部材12に取り付けられていて、内軸部材11の接触部43に接触する二つのリップ34,35を有する。二つのリップ34,35と接触部43とによって囲まれる空間が、リップ空間9となる。そして、シール16は、通気穴50(第一通気穴51及び第二通気穴52)を有する。通気穴50は、内部空間7を通じて外部空間8とリップ空間9との間で、双方向について気体の通過を可能とさせる。
車輪用軸受装置10が回転して、車輪用軸受装置10の温度が上昇すると、リップ空間9から内部空間7へと、気体が第一通気穴51を通じて流れ、内部空間7から外部空間8へと、気体が第二通気穴52を通じて流れる。
反対に、車輪用軸受装置10が停止して、車輪用軸受装置10の温度が降下すると、外部空間8から内部空間7へと、気体が第二通気穴52を通じて流れ、内部空間7からリップ空間9へと、気体が第一通気穴51を通じて流れる。
第一通気穴51において、車輪用軸受装置10の温度が上昇すると、気体がリップ空間9から内部空間7へ流れ、反対に、その温度が降下すると、気体が内部空間7からリップ空間9へ流れる。
第二通気穴52において、車輪用軸受装置10の温度が上昇すると、気体が内部空間7から外部空間8へ流れ、反対に、その温度が降下すると、気体が外部空間8から内部空間7へ流れる。
図7は、車両インナ側(軸方向他方側)のシール15を示す断面図である。シール15は、外輪部材12の軸方向他方側の端部12bに取り付けられている。内軸部材11が備える内輪24の外周側にスリンガ60が取り付けられている。シール15は、外輪部材12の端部12bに取り付けられている金属部材63と、金属部材63に固定されているゴム製の弾性部材64とを有する。弾性部材64は、スリンガ60に接触する二つのリップ71,72を有する。
外部空間78の温度が降下すると、リップ空間74から内部空間7へと、気体が第一通気穴66を通じて流れ、内部空間7から外部空間78へと、気体が第二通気穴67を通じて流れる。
反対に、外部空間78の温度が上昇すると、外部空間78から内部空間7へと、気体が第二通気穴67を通じて流れ、内部空間7からリップ空間74へと、気体が第一通気穴66を通じて流れる。
第二通気穴67においては、外部空間78の温度が降下すると、気体が内部空間7から外部空間78へ流れ、反対に、外部空間78の温度が上昇すると、気体が外部空間78から内部空間7へ流れる。
第一通気穴66において、外部空間78の温度が降下すると、気体がリップ空間74から内部空間7へ流れ、反対に、外部空間78の温度が上昇すると、気体が内部空間7からリップ空間74へ流れる。
しかし、本開示の車輪用軸受装置10が備えるシール15は、前記のとおり通気穴65を有する。したがって、内部空間7、外部空間78、及びリップ空間74それぞれの間に圧力差が生じない。この結果、リップ71(72)が接触部75に吸着した状態とならない。よって、車輪用軸受装置10の回転トルクが高くなるのを抑えることが可能となる。
前記各形態では、シール15(16)が、外輪部材12に取り付けられていて、リップ34,35(71,72)は、内軸部材11側に接触する。図示しないが、シール15(16)が内軸部材11に取り付けられていて、リップ34,35(71,72)が外輪部材12側に接触する転がり軸受装置に対しても、本開示の通気穴50(65)を適用することができる。
Claims (4)
- 同心状に配置される外方部材及び内方部材と、前記外方部材と前記内方部材との間に設けられる複数の転動体と、前記外方部材と前記内方部材との間に形成され前記転動体が設けられている内部空間に、当該内部空間の外側となる外部空間から異物が侵入するのを防ぐシールと、を備え、
前記シールは、前記外方部材と前記内方部材との内の一方に取り付けられていて、当該外方部材と当該内方部材との内の他方の接触部に接触する少なくとも二つのリップを有し、当該二つのリップと当該接触部とによって囲まれる空間がリップ空間となり、
前記シールは、前記内部空間を通じて前記外部空間と前記リップ空間との間で、双方向について気体の通過を可能とさせるための通気穴を有し、
前記シールは、前記通気穴として、前記内部空間と前記リップ空間とを繋ぎ双方向で気体を通過可能とする第一通気穴と、前記内部空間と前記外部空間とを繋ぎ双方向で気体を通過可能とする第二通気穴と、を有し、
前記第一通気穴及び前記第二通気穴それぞれには、気体の通過を可能としかつ液体の通過を不能とする通気材が設けられていて、
前記シールは、前記外方部材と前記内方部材との内の前記一方に取り付けられている金属部材と、前記リップを含み前記金属部材に固定されている弾性部材と、を有し、
前記金属部材に前記第一通気穴及び前記第二通気穴が形成されていて、
当該第一通気穴及び当該第二通気穴それぞれを覆うようにして前記通気材が設けられていて、
前記弾性部材は、当該通気材の内の前記第一通気穴及び前記第二通気穴を覆う部分以外を覆うと共に、前記金属部材に固定されている、
転がり軸受装置。 - 同心状に配置される外方部材及び内方部材と、前記外方部材と前記内方部材との間に設けられる複数の転動体と、前記外方部材と前記内方部材との間に形成され前記転動体が設けられている内部空間に、当該内部空間の外側となる外部空間から異物が侵入するのを防ぐシールと、を備え、
前記シールは、前記外方部材と前記内方部材との内の一方に取り付けられていて、当該外方部材と当該内方部材との内の他方の接触部に接触する少なくとも二つのリップを有し、当該二つのリップと当該接触部とによって囲まれる空間がリップ空間となり、
前記シールは、前記内部空間を通じて前記外部空間と前記リップ空間との間で、双方向について気体の通過を可能とさせるための通気穴を有し、
前記シールは、前記通気穴として、前記内部空間と前記リップ空間とを繋ぎ双方向で気体を通過可能とする第一通気穴と、前記内部空間と前記外部空間とを繋ぎ双方向で気体を通過可能とする第二通気穴と、を有し、
前記第一通気穴及び前記第二通気穴それぞれには、気体の通過を可能としかつ液体の通過を不能とする通気材が設けられていて、
前記第一通気穴を覆う前記通気材と、前記第二通気穴を覆う前記通気材とは、共通するシートにより構成されている、
転がり軸受装置。 - 前記シールは、前記外方部材と前記内方部材との内の前記一方に取り付けられている金属部材と、前記リップを含み前記金属部材に固定されている弾性部材と、を有し、
前記金属部材に前記第一通気穴及び前記第二通気穴が形成されていて、
当該第一通気穴及び当該第二通気穴それぞれを覆うようにして前記通気材が設けられていて、
前記弾性部材は、当該通気材の内の前記第一通気穴及び前記第二通気穴を覆う部分以外を覆うと共に、前記金属部材に固定されている、請求項2に記載の転がり軸受装置。 - 前記シールは、更に、前記外方部材と前記内方部材との間から侵入する異物を受ける環状の樋構造部を、前記リップよりも前記外部空間側に有し、
前記第二通気穴は、前記樋構造部と、前記外部空間側に設けられている前記リップとの間に設けられていて、
前記第一通気穴は、前記外部空間側に設けられている当該リップと、前記内部空間側に設けられている前記リップとの間に設けられている、請求項1~3のいずれか一項に記載の転がり軸受装置。
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JP2019124205A JP7342459B2 (ja) | 2019-07-03 | 2019-07-03 | 転がり軸受装置 |
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