JP7342272B2 - 負圧把持要素及び負圧把持装置 - Google Patents

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Description

本発明は、負圧を加えると搬送される部品を吸着又は保持する負圧把持要素及び負圧把持装置に関するものである。
最新の加工センターでは、ワークや部品の搬送がしばしば完全に自動化されている。部品、特に曲げ加工品やプロファイルの操作には、真空グリッパの使用が広く定着している。これらのグリッパは、特に特製品の生産のために、又は少量生産においても、特別に設計し、調達し、組み付けなければならない。これらの必要な措置によって、単価は不利な影響を受ける。更に、これに伴い納期が長いことも、これらの製造の非経済性の一因となっている。
部品やワークを操作するために、共通のグリッパヘッドに複数の吸着カップを付けた吸着グリッパが当業者に知られている。これについて先行技術は多数の吸着グリッパを記載しているが、これらは特製品や少量品のグリッパとして使用するにはあまり適していない。特製品や少量品においてグリッパの経済性を高めるために、先行技術によれば負圧把持要素をフランジプレートと接続するための構造的に複雑な様々な方策が知られている。
例えば、特許文献1は、エジェクタを備えた吸着装置を開示しており、保持ボルトがロックプレートと係合する溝を有し、ロックプレートはロック要素を備えて、ロック要素が溝と係合すると、保持ボルトがアダプタプレートの側に引っ張られ、吸着グリッパがアダプタプレートと保持ボルトの間に保持されるようになっている。更に、この保持ボルトは、吸着パッドの内部と連通するとともに、エジェクタの負圧発生部と連通する負圧通路を有する。
特許文献2では、吸盤を有する吸着ユニットと差込み接続ユニットから構成された吸着グリッパを有する真空クランプ装置が提案されている。吸着ユニットは管状の固定スリーブを備えていて、それにより吸着ユニットを差込み接続ユニットに挿入でき、それぞれ解除可能に固定することができる。挿入された固定スリーブは、少なくとも一つのばね弾性可動締め付け要素によって保持され、解除手段の手動操作によって再び取り外すことができる。
特許文献3~5から、カップ状のシール要素を変更するための機構を有する吸着要素の様々な装置が当業者に知られている。
独国特許出願公開第102012006590(A1)号明細書 独国特許出願公開第102012003192(A1)号明細書 実開平07-29311号公報 実開昭57-122388号公報 台湾登録実用新案第492901号公報
本発明の課題は、先行技術の欠点を克服し、利用者が、特に部品が少数しかないか、又は特製品を製造又は操作する場合にも、板状部品の取り扱いをできるだけ経済的に設計することができる装置を提供することであった。
この課題は、特許請求の範囲に記載された負圧把持要素及び負圧把持装置によって解決される。
本発明による負圧把持要素は、負圧を加えると搬送される部品を吸着又は保持するために働きをする。負圧把持要素は、
少なくとも一つの負圧供給路を備えた本体と、
本体と接続され、搬送される部品と密封当接するために設けられた可撓性のあるシール要素と、
負圧把持要素を支持装置に固定するために本体に設けた第1固定手段と、を有し、本体とシール要素は負圧把持要素の主軸に沿って配置されている。
更に、第1固定手段は、ラッチカップリングにより必要に応じて負圧把持要素を支持装置に対して嵌合接続及び解除するために形成されており、又は、本体は、第1本体部分と第2本体部分とを有し、第1本体部分は第1固定手段により必要に応じて支持装置に対して嵌合接続及び解除するようにされ、第2本体部分は可撓性のあるシール要素と接続され、第2固定手段はラッチカップリングにより必要に応じて第1本体部分を第2本体部分に対して嵌合接続及び解除するために形成されている。
これによって達成される利点は、このように構成された負圧把持要素によって、少量部品又は特製品を経済的に製造する可能性が提供されることにある。特に、先行技術と比較して部品又はコンポーネントの数が少なく、構造的に単純であるが機能的に信頼性の高い負圧把持要素の設計は、非常に効率的な組付け及び取外しを可能にし、その結果として負圧把持要素は迅速に使用できるようになる。
また、負圧把持要素が少数のコンポーネントで形成されているという事情は、再調達時間が短縮され、効率的な在庫管理に著しく寄与する。
好ましくは手動で操作可能なラッチカップリングにより、必要に応じて負圧把持要素を支持装置に対して嵌合接続及び解除するために形成された第1固定手段を備えた負圧把持要素の構成は、負圧把持要素を支持要素に効率的に組み付け及び取り外すことが、容易に、場合によっては工具なしで及び/又は自動的に行えるという大きな利点を有する。更に、経験の浅い組付け作業者も効率的な組付け及び取外しを比較的迅速に誤りなく行うことができる。
本体が第1本体部分と第2本体部分とを有し、第1本体部分は、第1固定手段により必要に応じて支持装置に対して嵌合接続及び解除するようにされた負圧把持要素の構成も有利である。第2本体部分は、可撓性のあるシール要素と接続している。第2固定手段は、ラッチカップリングにより必要に応じて第1本体部分を第2本体部分に対して嵌合接続及び解除するために形成されている。この構成の利点は、第1本体部分を支持装置に事前に組み組み付けること、及び第2本体部分はラッチカップリングによって効率的に組み付け及び取り外せることである。
ラッチカップリングの機構は、更に組付け作業者や操作者の安全性の向上にも寄与する。なぜなら、組付け又は取外しを迅速かつ容易に行うことができ、それにより個々のコンポーネントや負圧把持要素全体が落下するという望ましくない事態をほぼ防ぐことができるからである。
更に、本体が、中空円筒状の固定部を有し、その中又は外にラッチカップリングが形成されていると好都合である。中空円筒状のワークは、標準的な製造方法で容易に製造するのが有利である。これにより負圧把持要素を支持装置に固定することが廉価かつ簡単に可能になる。更に、中空円筒状の固定部が負圧供給路の構成要素を画定でき、それによってコンパクトで多機能な構成が提供されている。更に、固定部を中空円筒状に形成することにより、周囲に対して容易にシール可能である。単純で効果的かつ廉価なシールは、例えばシールリングによって実現できる。
更に、ラッチカップリングは、操作要素とばね要素と少なくとも一つのラッチ要素とを有し、ばね要素が操作要素を終端位置に押し付けて、少なくとも一つのラッチ要素が操作要素によってロック位置に押し付けられているようにすることができる。ラッチカップリング内に少数の構造部品しか設けないことは、一般的に単純な機構は故障安全性が高く、又は故障やエラーが起こりにくいという利点がある。ばね要素が操作要素を終端位置に押し付けるという特性は、それにより負圧把持要素又はラッチカップリングがロックする終端位置を傾向的に標準状態として目指すという利点がある。また、ばね要素は通常、構造的に単純で廉価な標準部品である。更に、ラッチ要素が操作要素によってロック位置に押し付けられていると、操作要素をその終端位置で追加的に強く保持することができる。したがってこの構成により、負圧把持要素は、好ましくはその終端位置に留まることになる。このようにして負圧把持要素を安定して確実に、それにもかかわらず比較的少ない組付けの手間と労力で支持装置と接続することができる。
更に、少なくとも一つのラッチ要素は、主軸に対して半径方向に移動可能であるように支持されている。これにより、第1固定手段又は第2固定手段が、ラッチカップリングにより必要に応じて負圧把持要素を支持装置に対して嵌合接続及び解除するために形成される可能性が提供される。ラッチ要素の半径方向の、例えば負圧把持要素の中空円筒状の固定部内の半径方向孔内の移動可能性は、ラッチ要素が迅速にそのロック位置を取ることができ、又はこのロック位置から再び迅速に出すことができるという積極的な効果ももたらす。
少なくとも一つのラッチ要素が球として形成され、特に中空円筒状の固定部の円周上に配設された少なくとも3個、好ましくは5個の球によって形成することができるという構成形態も有利である。球はばね要素と同様に標準部品であり、従って廉価であると同時に簡単かつ迅速に調達することができる。中空円筒状の固定部の円周上に配設することは、負圧把持要素と支持装置との間の接続を安定して確実に実現できるという利点をもたらす。特に中空円筒状の固定部の円周上に球が均一に分布していることは、力の均一な力の分布を生じさせるので好ましい。
発展形態によれば、操作要素は、中空円筒状の固定部の内部に配置され、主軸に沿って移動可能に支持されていることが可能である。この構造は、操作要素の簡素化とその機能性に寄与することができる。
更に、操作要素はスライダー又はピストンの形態で設計されており、その操作要素外側面に、主軸に対して傾斜した、少なくとも一つのラッチ要素との接触面を有すると好都合であろう。スライダー又はピストンの形態は、操作要素の機能性に関して有利であろう。主軸に対して傾斜した操作要素の、少なくとも一つのラッチ要素との接触面は、接触面の傾斜角とラッチ要素の形状に応じて必要な締付け作用を調整でき、又は機能的に確実なセルフロッキングを達成できるという望ましい効果をもたらすことができる。
発展形態によれば、第2本体部分の内側面に、少なくとも一つのラッチ要素を受容するための環状溝形状の内周切り欠き部が形成されていることが可能である。この発展形態は、この内周切り欠き部内に少なくとも一つのラッチ要素を受容することにより、必要に応じて第1本体部分と第2本体部分に嵌合接続及び解除することを容易にすることができる。
更に、中空円筒状の固定部は、軸方向端面を起点としてシール要素に向かって少なくとも一つの停止面によって限定されているようにすることができる。停止面は、有利には支持装置との接触に用いられ、支持装置に対する明確な相対的位置決めを保証する。このようにして締付け作用を強化し、負圧把持要素と支持装置との間に安定した確実な接続を形成することができる。
更に、ばね要素の操作要素に対する力の作用は、本体の自由な軸方向端面を起点としてシール要素に向かって働くようにすることができる。このようにばね要素が操作要素をシール要素に向かって動かして又は押して、操作要素をそれぞれの軸方向終端位置に保持する可能性が提供される。このことは、負圧把持要素を支持装置に組み付けることが容易になるという点で特に有利である。
特別な構成形態によれば、ばね要素の操作要素に対する力の作用は、シール要素から本体の自由な軸方向端面の方向に働くことが可能である。これにより、ばね要素が操作要素をシール要素から離れる方向に動かし又は押す可能性が提供される。この構成形態は、負圧把持要素を簡単又は簡便に取り外せるという利点をもたらす。
特に、操作要素は、構造的に分離されたピン状操作工具から圧力を加えるために設けられた操作面を有すると有利であろう。このピン状操作工具は、操作者による手動操作だけでなく、例えばマニピュレータによる自動操作にも用いることができるように構成されている。
ピン状操作工具は、例えばドライバーなどの安定した物体であることができる。しかしまた、操作面に圧力を加えるために柔軟な物体を使用することも考えられ、かつ有利である。ここで、ホース片、特に空気圧用のホース片を使用することが考えられる。
ピン状操作工具は、マニピュレータによって自動的に案内されるが、手動で案内される操作工具も平坦領域又は板状領域も持つことができる。このことは特にばね要素の操作要素に対する力の作用が、本体の自由な軸方向端面を起点としてシール要素に向かって働く場合に有利であろう。操作面はシール要素から軸方向の自由端面の方向に操作されなければならない。ピン状操作工具の平坦領域又は板状領域がシール要素と接触することができ、それによってシール要素は加圧されて下方に押される。ピン状操作工具の平坦領域又は板状領域は負圧供給管を備えることができ、この負圧供給管を介してシール要素に負圧を加えることができる。こうして操作面の操作は、支持装置から負圧把持要素を制御して持ち上げるのと組み合わせて同時に行うことができる。必要に応じて、負圧供給管は負圧発生装置、特に負圧ポンプと接続できる。シール要素とピン状操作工具の平坦領域又は板状領域との間に負圧が存在できるようにするために、ピン状操作工具のピン状領域が本体内の負圧供給路をシールするように形成されていると有利であろう。このシール効果は、例えばピン外周のシーリングによって達成することができる。ピン状操作工具の案内がマニピュレータによって自動的に行われる場合、同時に複数の負圧把持要素を支持装置から取り外すことができれば更に好都合であろう。
総じて、操作面を有する操作要素によって、単純であるが効果的な構造形態が実現でき、例えば中空円筒状のスライドスリーブと比較して、廉価で扱いやすい構造が提供される。
有利な発展形態によれば、操作要素は、負圧供給路を限定する作用面を有し、この作用面は、負圧供給路内に負圧が存在すると、操作要素がその終端位置に向かって強く押し付けられているように寸法設定されている。これにより、ばねの閉鎖力が作用面を介して増大する効果が達成される。これは一方では、使用時に負圧把持要素によって操作又は搬送される部品との確実で安定した接続が得られることにつながる。他方では、負圧を取り除くと全閉鎖力が再びこの力成分だけ減少する。こうすることによって組付け又は取外しに必要な力はこの同じ力成分だけ減少し、したがって楽に行うことができる。
更に、負圧供給路内に遮断弁、特に負圧供給路内に負圧が存在すると、負圧供給路をシール要素に向かって閉じる逆流防止弁が形成されていると有利であろう。これにより、自動的又は半自動的に取り外す可能性が得られる。逆流防止弁は反応すると、シール要素又は負圧把持要素を周囲に対して気密又はほぼ気密に閉じる。その結果として負圧供給路内、およびまたシール要素内に形成される過圧により、シール要素が搬送される部品又は補助取外し工具からも離れる。
別の実施形態では、操作要素は、負圧供給路を限定する作用面を有し、この作用面は、負圧供給路内に過圧が存在すると、操作要素が少なくとも一つのラッチ要素を作動停止する位置に向かって押し付けられているように寸法設定されているようにすることができる。特に上述した遮断弁と組み合わせることで、ここで負圧把持要素を支持装置から自動的又は半自動的に取り外す可能性が得られる。過圧は遮断弁を通って逃げることができないので、過圧は操作要素の作用面に力の作用を及ぼし、それによって操作要素をその終端位置又はロック位置から少なくとも一つのラッチ要素の解放位置へと移動させ、それによってラッチカップリングの制御されたロック解除を起こすことができる。
更に、主軸を基準にして中空円筒状の固定部とシール要素との間に供給部が形成されていることが好都合であろう。供給部は特に負圧及び/又は過圧を供給するために用いられる。供給部を固定部とシール要素との間に構成することは、そうすることによって負圧供給要素間の空気圧ホース接続の組付け又は取外しが、簡単かつ容易にアクセスして行うことができるという利点をもたらす。
更に、負圧把持要素に負圧を供給するための供給部が、第1本体部分に形成することができる。この対策により、組付け及びまた取外しを有利な仕方で簡単にすることができる。例えば、負圧発生装置と接続するためのホースカップリング又はホースを、既に第1本体部分の組付け時に設けておき、第2本体部分を組み付ける過程で最終組付けを特に迅速かつ複雑でなく行うことができるようにすることが考えられる。
特別な構成形態によれば、負圧把持要素に負圧を供給するための供給部が、第2本体部分に形成されていることが可能である。この方策も、組付け及びまた解を有利な仕方で簡単にすることができる。特にこの構成形態は、第1本体部分を容易かつ迅速に組み付けることができるという積極的な効果をもたらすことができる。なぜなら、万一必要となるホースカップリング及び/又はホースは、その後の第2本体部分の最終組付けにおいて初めて設けられるからである。更に、供給部内に負圧供給接続部、特に少なくとも一つの工具なしで操作可能なホースカップリングが形成され、負圧供給路と流体接続しているようにすること、及び負圧供給接続部はホースを介して負圧発生装置と必要に応じて接続可能であるようにすることができる。この発展形態は、簡便で確実な組付け又は取外しに有利な仕方で寄与する。
有利な発展形態によれば、負圧供給路は、第1本体部分を第2本体部分に対してラッチカップリングにより嵌合接続した後で流体密になるように形成することができる。この発展形態は、両本体部分の嵌合接続によって流体密な負圧供給路が1回の作業工程で、特に直接形成されるという利点をもたらすことができる。このことは、組付けて時間にも積極的な影響を及ぼすことができる。
更に、第1固定手段は、第1本体部分の外側面に設けた環状溝形状の外周切り欠き部内に配置されたばねリングによって形成することができる。ばねリングは廉価な部品であり、取扱いが簡単で実用的である。組付け及び取外し時には、ばねリングはそのばね作用によりその外周が圧縮され、それによってばねリングを一時的に環状溝形状の外周切り欠き部内に入れることができる。このようにして、ばねリングと支持装置との間の締付け作用を短時間不作動にして、組付け又は取外しを容易にすることができる。
更に、第1固定手段は、第1本体部分の外側面に配置されたねじ部によって形成されていると好都合であろう。ねじ部は安定した確実な固定手段である。特に、第1本体部分の外側面に雄ねじ、支持装置内の開口部の内側面に雌ねじを設けることにより、迅速かつ確実な固定を実現することができる。更に、この接続を確保するために、第1本体部分の支持装置を超えて延びる部分にナットを追加でねじ込むと好都合であろう。
更に、第1本体部分は、シール要素から軸方向端面に向かって少なくとも一つのフランジ面によって限定されているようにすることができる。このフランジ面は停止面として作用し、第1固定手段と支持装置との固定の安定性に寄与することができる。このフランジ面は、例えばナット上に形成することができ、又は第1本体部分に構造的に固定された部分に形成することができる。
有利な発展形態によれば、負圧把持装置は、負圧を加えると搬送される部品を吸着又は保持するように構成されているようにすることができる。
負圧把持装置は、
支持装置と、この支持装置と必要に応じて解除可能に接続された少なくとも一つの負圧把持要素、特に上述した構成による負圧把持要素とを有する。
負圧把持要素は、
少なくとも一つの負圧供給路を備えた本体と、
本体と接続され、搬送される部品と密封当接するために設けられた可撓性のあるシール要素と、
負圧把持要素を支持装置に固定するために本体に設けた第1固定手段と、を有し、本体とシール要素とは負圧把持要素の主軸に沿って配置されている。
更に、第1固定手段が、ラッチカップリングにより必要に応じて負圧把持要素を支持装置に対して嵌合接続及び解除するために形成されており、又は、本体が第1本体部分と第2本体部分とからなり、第1本体部分は、第1固定手段により必要に応じて支持装置に対して嵌合接続及び解除するように設けられており、及び、第2本体部分は可撓性のあるシール要素に接続されており、第2固定手段はラッチカップリングにより第2本体部分に対して第1本体部分を必要に応じて嵌合接続及び解除するために形成されている。
このようにすることによって達成される利点はとりわけ、そのように構成された負圧把持要素により少量の部品や特製品も経済的に製造できることである。特に、負圧把持要素を先行技術に比べて少ない部品又はコンポーネントで、構造的に単純でありながら機能的に確実に設計することにより、効率的な組付け及び取外しが可能であるため、負圧把持要素は迅速に使用可能な状態になる。
負圧把持要素が少数のコンポーネントから形成されているという事情により、再調達の時間も少なくてすみ、在庫の効率化にも大きく寄与する。
ラッチカップリングにより必要に応じて負圧把持要素を支持装置に対して嵌合接続及び解除するために形成された第1固定手段を備えた負圧把持要素の構成は、効率的な組付け及び取外しを、簡単に、場合によっては工具なしで及び/又は自動的に行うことができるという大きな利点を有している。更に、経験の浅い組付け作業者でも効率的な組付け及び取外しを行うことができる。
また、本体は、第1本体部分と第2本体部分とを有し、第1本体部分は第1固定手段により必要に応じて支持装置に対して嵌合接続及び解除するように設けられている負圧把持要素の構成も有利である。第2本体部分は、可撓性のあるシール要素と接続されている。第2固定手段は、ラッチカップリングにより必要に応じて第1本体部分を第2本体部分に対して嵌合接続及び解除するために形成されている。この構成の利点は、第1本体部分を事前に支持装置に組み付けることが可能であること、及び第2本体部分はラッチカップリングによって効率的に組付け及び取外し可能である点である。更にまた、ラッチカップリングの機構は、組付け及び取外しが迅速かつ容易に行えるため、個々の部品や負圧把持要素全体の不所望な落下をほぼ防ぐことができ、組付け作業者の安全性の向上にも寄与する。
更に、支持装置は、少なくとも一つの負圧把持要素の中空円筒状の固定部を受容するための少なくとも一つの開口部を有する。開口部を設けることによって、負圧把持要素又はラッチカップリングの支持装置への挿入を簡略又は容易にすることができる。
更に、少なくとも一つの開口部が円形孔であるようにすることができる。負圧把持要素を受容するための孔が持つ積極的な効果は、孔は簡単で慣用的な技術的方法で製造できることである。孔は通常、十分に狭い公差で製造できるため、負圧把持要素又はそのラッチカップリングを受容するのに適している。
更に、円形孔は、第1本体部分を受容するためのねじ部を有すると好都合であろう。この発展形態は、特に第1本体部分の外側面に雄ねじ、支持装置内の開口部の内側面に雌ねじを設けることによって、迅速かつ確実な固定に寄与することができる。
支持装置が中央部に必要に応じてマニピュレータと接続するための連結手段を有する構成形態も有利である。支持装置が連結可能であることは、支持装置の使用方法の柔軟性又は可変性の点で有利である。マニピュレータは、例えば産業用ロボットであることができる。
別の発展形によれば、支持装置は、板状支持要素を有し、この板状支持要素は平坦に形成されているか又は断面がトップハット状レール型又はC字型であることが可能である。板状支持要素は特に簡単で廉価に製造でき、それにもかかわらず多様な形で使用することができる。トップハット状レール型の断面を持つ板状支持要素は、複雑な形状の部品の製造を容易にする。C字型の断面を持つ板状支持要素の設計は、特に負圧把持装置では小型部品の搬送に適している。
更に、負圧把持要素の主軸は板状支持要素に対して直角に配置されていると好都合であろう。この構成形態は負圧把持要素の支持装置への組付け及び取外しを容易にするだけでなく、構造部品の計画及び製造も容易にする。
本発明をより良く理解するために、以下の図面に基づいて詳細に説明する。
図は、それぞれ著しく簡略化された模式的表現で示されている。
図1は、個の負圧把持要素と、平坦な板状支持要素を有する支持装置とを備えた負圧把持装置の第1の実施形態の立体分解図である。 図2は、6個の負圧把持要素と、トップハット状レール型の板状支持要素を有する支持装置とを備えた負圧把持装置の第2の実施形態の立体分解図である。 図3は、6個の負圧把持要素と、C字型の板状支持要素を有する支持装置とを備えた負圧把持装置の第3の実施形態の立体分解図である。 図4は、支持装置に組み付けた負圧把持要素の第1の実施形態の縦断面図である。 図5は、操作工具を使って支持装置への組付け又は取外しを行う際の負圧把持要素の第1の実施形態の縦断面図である。 図6は、支持装置に組み付けた負圧把持要素の第2の実施形態の縦断面図である。 図7は、操作工具を使って支持装置への組付け又は取外しを行う際の負圧把持要素の第2の実施形態の縦断面図である。 図8は、操作工具を使って支持装置に組み付けた負圧把持要素の第3の実施形態の縦断面図である。 図9は、負圧把持要素の第4の実施形態の立体図である。 図10は、負圧把持要素と空気圧接続部を有する負圧把持装置の第4の実施形態の立体詳細図である。 図11は、6個の負圧把持要素と、平坦な板状支持要素を有する支持装置とを備えた負圧把持装置の第5の実施形態の立体分解図である。 図12は、支持装置に組み付けた負圧把持要素の第5の実施形態の縦断面図である。 図13は、操作工具を使って組付け又は取外しを行う際の負圧把持要素の第5の実施形態の縦断面図である。 図14は、組付け前又は取外し後の負圧把持要素の第5の実施形態の縦断面図である。 図15は、支持装置に組み付けた負圧把持要素の第6の実施形態の縦断面図である。
最初に確認しておくと、記載された異なる実施形態において同じ要素には同じ参照符号又は同じ部品名称を付す。説明全体に含まれている開示内容は同じ参照符号又は同じ部品名称を有する同じ要素に準用できるものとする。説明の中で選択された位置を表す言葉、例えば上、下、横なども直接説明及び表示された図を基準としており、これらの位置を表す言葉は位置が変化した場合には新しい位置に準用されるものとする。
図1は、6個の負圧把持要素1と支持装置6とを備えた負圧把持装置24の第1の実施形態の立体分解図を示す。負圧把持装置24は、図示されているように、支持装置6と、この支持装置6と必要に応じて解除可能に接続された例えば6個の負圧把持要素を有することができる。しかしながら、搬送及び/又は保持される部品の大きさや重量に応じて、別の形状の支持装置も考えられる。負圧把持要素の大きさ、数及び位置も、搬送又は操作される部品の特定の要件に適合させることができる。
負圧把持装置24の第1の実施形態において、支持装置6は、特別に円形孔26として形成された6個の開口部25を備えた平坦な板状支持要素28を有する。支持装置6、特に支持要素28は中央部に、必要に応じてマニピュレータと接続するための連結手段27を有する。連結手段27は、言うまでもなく様々なロボットカップリングの要件に適合させることができ、そのため開口部又は孔のみ示されている。
図1に示された6個の同一構造の負圧把持要素1は、実質的に本体2とシール要素4からなる。シール要素4は図示の例では、プラスチック製の可撓性のある弾性吸盤である。略示された本体2は、固定部9と供給部20を備える。供給部20には、(図示されない)負圧供給接続部21、特に工具を使わずに操作できるホースカップリング22を形成することができる。これらは図10に示されている。固定部9は中空円筒状に形成されていて、嵌合作用するラッチカップリング8の形態の第1固定手段5を有する。ラッチカップリング8の外径は孔26より少し小さいか同じ大きさに形成されているので、簡単な組付け及び取外しが可能でありながら、望ましくない大きい遊びはなく、又は不都合に大きい隙間は生じない。図示された6個の負圧把持要素は、好ましくは負圧把持要素1の主軸7を基準にして板状支持要素28に対して直角に配置されている。
図2及び図3には、負圧把持装置24の別の2つの、場合によってはそれ自体で独立した実施形態が示されており、先の図1と同じ部品には同じ参照符号又は部品名称が使用される。不必要な繰り返しを避けるため、この箇所で先の図1における詳細な説明の参照を求め、又はこれに準拠する。
図2は、例えば6個の負圧把持要素1と支持装置6を有する負圧把持装置24の第2の実施形態の立体分解図を示す。図示された負圧把持装置24の第2の実施形態において、支持装置6は簡単に作製できる特別に円形孔26として形成された6個の開口部25を備えたトップハット状レール型の板状支持要素28を有する。
図3は、例えば6個の負圧把持要素1と支持装置6を有する負圧把持装置24の第3の実施形態の立体分解図を示す。図示された負圧把持装置24の第2の実施形態において、支持装置6は特別に円形孔26として形成された6個の開口部25を備えたC字型の板状支持要素28を有する。
図4、図5、図6、図7及び図8は、支持装置に組み付けた負圧把持要素1の様々な実施形態の縦断面を示す。以下の段落では、構造及び共通の構造部品について詳細に説明する。不必要な繰り返しを避けるため、後の箇所で特に個々の実施形態の機能的又は構造的な相違が強調される。このため以下においてはこの詳細な一般的説明の参照を求め、又はこれに準拠する。
図4、図5、図6、図7及び図8は、支持装置6に組み付けた負圧把持要素1の縦断面図を示す。負圧把持要素1は、負圧を加えると搬送される部品を吸着又は保持するように構成されている。このために負圧把持要素1は、実質的に中空円筒状の本体2からなり、その中に負圧供給路3が形成されている。更に、弾性的で可撓性のあるシール要素4が形成されており、これは本体2と接続されていて、搬送される部品と密封当接するために設けられている。更に、本体2には、負圧把持要素1を支持装置6に固定するように構成された第1固定手段5が設けられている。本体2とシール要素4は、主軸7に沿って配置されている。第1固定手段5は、迅速かつ容易に作動及び作動停止できるラッチカップリングにより、必要に応じて負圧把持要素を支持装置6に対して嵌合接続及び解除するために形成されている。
本体2はその自由な軸方向端面15の領域で中空円筒状の固定部9を有することができ、その中にラッチカップリング8が形成されている。ラッチカップリング8は、操作要素10、ばね要素11、及び少なくとも一つのラッチ要素12を含むことができる。図示の実施例では、ラッチカップリング8は5個のラッチ要素12を有するが、縦断面ではそのうち2個しか見えていない。また、ラッチ要素12は球13として形成されていることも図示されている。これらの球13は、中空円筒状の固定部9の円周上に均一に配設することができる。代替的に、ラッチ要素12をボルト状に設計することも考えられる。ばね要素11は、操作要素を軸方向終端位置に押し付けることができ、その際にラッチ要素12は操作要素10によってロック位置に押し付けられることができる。ばね要素11は、好ましくは圧縮ばね、特にコイルばねとして設計されている。
更に、図4、図5、図6、図7及び図8から、ラッチ要素12が主軸7に対して半径方向に移動可能に支持できることが明らかとなる。操作要素10は、中空円筒状の固定部9の内部に配置することができ、主軸7に沿って移動可能に支持することができる。操作要素10はスライダー又はピストンの形態に設計することができ、その操作要素外側面33には主軸7に対して傾いたラッチ要素12又は球13との接触面14を有することができる。中空円筒状の固定部9は、その軸方向端面15を起点としてシール要素4に向かって、好ましくは半径方向に周状に延びる停止面16によって限定できる。この停止面は、図示されているように、組み付けられた状態で支持要素28と直接接触することができる。
操作要素10は、更に、構造的に分離されたピン状操作工具18から圧力を加えるために設けられた操作面17を有することができる。ピン状操作工具18は、図5、図7及び図8に示されており、それぞれの箇所で詳細に説明する。
操作要素10において負圧供給路3を限定する負圧作用面19を形成することができる。この負圧作用面19は、負圧供給路3内に負圧が存在すると、操作要素10が軸方向終端位置に向かって強く押し付けられ、その位置で少なくとも一つのラッチ要素12が操作要素10によってロック位置に押し付けられているように寸法設定されている。
主軸7を基準として、中空円筒状の固定部9とシール要素4との間に供給部20を形成できる。供給部20には、負圧供給接続部21、特に工具なしで操作可能なホースカップリング22を形成することができる。図示の実施例では、2個の負圧供給接続部21が形成されているが、他の変形例も考えられる。これらの負圧供給接続部21は負圧供給路3と流体接続されている。必要に応じて負圧供給接続部21はホース23を介して負圧発生装置、特に真空ポンプと接続可能である。空気圧ホース接続部の詳細図が以下の図10に示され、詳細に説明する。
図4は、支持装置6に組み付けた負圧把持要素1の第1の実施形態の縦断面図を示す。特に、負圧把持要素1は支持要素28と取外し可能に接続されている。
ばね要素11は、本体2の自由な軸方向端面15を起点としてシール要素4に向かって力の作用を及ぼす。したがって操作要素10をその終端位置に向かって押し付けることができる。その結果、この組み付けられた状態においてラッチカップリング8と支持要素28との間に係止又は締付け作用が生じることができる。特に、ラッチ要素12又は球13と支持要素28との間に嵌合係止又は締付け作用が生じる。図示のようにスライダー又はピストンの形態に設計できる操作要素10がシールリング29を有すると好都合であろう。このシールリング29は、供給部20と固定部9との間に気密接続又はほぼ気密接続を可能にする。負圧供給路3内の負圧により、操作要素10はその負圧作用面19を介して、ばね力の作用に加えて、図では下方のロックする終端位置の方向に引っ張られる。
図5は、同様にこの負圧把持要素1の第1の実施形態の縦断面を示すが、組み付ける際に、或いはまた取り外す際にロックを解除した位置で示している。
図5では、操作要素10の操作は、別個のピン状操作工具18を使って操作面17に手動で圧力を加えることによって行われる。操作工具18は操作者によりシール要素4から供給部20又は負圧供給路3を通って本体2の自由な軸方向端面15の方向に動かされる。操作工具18が操作面17に到達するとすぐに、操作者はばね力に相当する操作力を加えて、操作要素10をばね力に抗して自由な軸方向端面15の方向に動かす。それによってばね要素11が圧縮される。
このようにして締付け作用又はばね力は一時的に克服されて、ラッチ要素12又は球13は主軸7に向かって半径方向内側に移動できる。続いてラッチカップリング8の外径は、支持要素28の開口部25又は孔26内に挿脱できる程度に縮小される。
図4及び図5に示されているこの第1の実施形態は、組み付け時の取り扱いが特に容易である。その理由は、操作面17を操作する際に力が組付け方向又は挿入方向に加えられることにある。
図に示されていない発展形態において、負圧供給路3に遮断弁、特に逆流防止弁が形成されて、負圧供給路3内に過圧が存在すると、負圧供給路3をシール要素4に向かって閉じることが追加的に可能である。続いて、操作要素は負圧供給路3を限定する負圧作用面を有することができる。この過圧作用面は、負圧供給路3内に過圧が存在すると、操作要素10が少なくとも一つのラッチ要素12を作動停止する位置に向かって押し付けられているように寸法設定されている。このようにして、負圧把持要素1の支持装置6からの離脱が自動的に行われる。
図6は、支持装置6に組み付けた負圧把持要素1の第2の実施形態の縦断面図を示す。特に、負圧把持要素1は支持要素28と取外し可能に接続されている。
この負圧把持要素1の第2の実施形態が、図4及び図5に示された第1の実施形態と異なるのは、操作要素10に及ぼす圧力ばね要素11の力の作用が、シール要素4を起点として本体2の自由な軸方向端面15の方向に働く点である。それによって操作要素10は、ばね要素11から出るばね力によってその終端位置に引っ張られる。したがってこの組み付けられた状態で、ラッチカップリング8と支持要素28との間に係止作用又は締付け作用が生じることができる。特にラッチ要素又は球13と支持要素28との間に締付け作用が生じる。中空円筒状の固定部9が、図6及び図7に示されているように、供給部と空間的に分離され、従ってまた供給部から気密に閉じられていると好都合であろう。
図7は、この第2の実施形態の負圧把持要素の縦断面を、組付け又は取外しを行う際にロックが解除された状態で示す。
図7では、操作要素10の操作は、ピン状操作工具18を使って操作面17に手動で圧力を加えることによって行われる。操作工具18は操作者によって自由な軸方向端面15を起点として中空円筒状の固定部9を通ってシール要素4に向かって動かされる。操作工具18が操作面17に到達するとすぐに、操作者はばね力に相当する操作力を加えて、操作要素10をばね力に抗してシール要素4に向かって動かすことができる。これによりばね要素11が圧縮される。
このようにして締付け作用又はばね力は一時的に克服されて、ラッチ要素12又は球13は主軸7に向かって半径方向内側に移動できる。続いてラッチカップリング8の外径は、支持要素28の開口部25又は孔26内に挿脱できる程度に縮小される。
この第2の実施形態は、図6及び図7に示すように、取外し時の取り扱いが特に容易である。その理由は、操作面17を操作する際に力が、負圧把持要素1の取外し方向もしくは連結解除方向に加えられるからである。
図8には、支持装置6に組み付けた負圧把持要素の第3の実施形態と操作工具18の縦断面が示されている。この第3の実施形態は、図4及び図5に示された第1の実施形態の変形例である。
図8の表現では、操作工具18は操作要素10の操作面17に力を及ぼす。このことは、ばね要素11が圧縮されて、ラッチ要素12が主軸7に向かって半径方向内側に移動していることから認識できる。
操作要素10の操作面17の加圧は、基本的に図5に説明したように機能する。但し、この第3の実施形態では、操作要素10の操作は、ロボットで動かされるピン状操作工具18を使って操作面17に自動的に圧力が加えることによって行う。
ロボットで動かされるピン状操作工具18は、シール要素4から供給部20又は負圧供給路3を通って本体2の自由な軸方向端面15の方向に動かされる。操作工具18が操作面17に到達するとすぐに、ロボットはばね力に相当する操作力を加えて、操作要素10をばね力に抗して自由な軸方向端面15の方向に動かす。それによってばね要素11が圧縮される。
このようにして締付け作用又はばね力は一時的に克服されて、ラッチ要素12又は球13は主軸7に向かって半径方向内側に移動できる。続いてラッチカップリング8の外径は、支持要素28の開口部25又は孔26内に挿脱できる程度に縮小される。
この第3の実施の形態によれば、操作面17を操作するために操作工具18のピン状部に加えて、板状の平坦部がシール要素4に適用される。自由な軸方向端面の方向に力が作用することにより、平面部はシール要素上に載っているか、又は平坦部が可撓性シール要素を押圧している。操作工具18の板状平坦部は、負圧供給管40を備え付けることができ、この負圧供給管40を経由してシール要素4内に負圧を発生させることができる。必要に応じて負圧供給管40は、負圧発生装置、特に負圧ポンプと接続することができる。シール要素4と、ピン状操作工具18の板状の平坦部との間に負圧が存在できるようにするためには、ピン状操作工具のピン状領域が本体2内の負圧供給路をシールするように形成されていると有利であろう。このシール効果は、例えばピン外周のシーリングによって達成することができる。
ばね要素11として少なくとも一つの圧縮ばねを形成する代わりに、少なくとも一つの引張ばねを設けることも言うまでもなく可能である。操作要素10に対して、又はラッチ要素12に対して、それぞれの力の方向を、それぞれ調整するだけである。
図8に示されたこの第3の実施形態は、特に組付け時だけでなく、取外し時の取り扱いも容易である。
上述した実施形態の理解を深めるために、図9に負圧把持要素1の第4の実施形態の立体図を示す。ここで負圧把持要素1は本体2と、弾性的で可撓性のあるシール要素4を有する。本体2に設けた第1固定手段5は、負圧把持要素1を支持装置6に固定するために形成されており、好ましくは単に薄板材で作られた板状の支持装置6は図9には示されていない。本体2とシール要素4は、主軸7に沿って配置されている。第1固定手段5はラッチカップリング8によって形成されている。
特に、本体2は中空円筒状の固定部9を有することができる。ラッチカップリング8は、特別に球13として形成されたラッチ要素12を含むことができる。中空円筒状の固定部の円周上に配設された4個の球13が見える。中空円筒状の固定部9は、その軸方向端面15を起点としてシール要素4に向かって停止面16によって限定できる。主軸7を基準として中空円筒状の固定部9とシール要素4との間に供給部20を形成できる。また、図9は、供給部20に負圧供給接続部21、特に工具を使わずに操作できるホースカップリング22を形成できることを示している。特に互いに反対側の2個の負圧供給接続部21を形成できる。
図10は、空気圧接続部と支持装置6を備えた負圧把持要素1を有する負圧把持装置24の第4の実施形態の立体詳細図を示す。負圧把持要素1は、支持装置と取外し可能に接続されている。
図10を説明するために、先の図1と同じ部品には同じ参照符号又は部品名称が使用されている。不必要な繰り返しを避けるため、この箇所で先の図1における詳細な説明の参照を求め、又はこれに準拠する。図1に加えて、図10は空気圧ホース管の考えられる配置を示す。負圧供給接続部21は、工具なしで操作可能なホースカップリング22によって形成され、負圧供給路3と流体接続されている。更に、負圧供給接続部21は、必要に応じてホース23、特に空気圧ホースを介して負圧発生装置や電空バルブと接続可能である。
図11には、負圧把持装置の別の、場合によってはそれ自体で独立した実施形態が示されており、先の図1と同じ部品には同じ参照符号又は部品名称が使用されている。不必要な繰り返しを避けるため、この箇所で先の図1の詳細な説明の参照を求め、又はこれに準拠する。
図11は、例えば6個の負圧把持要素1と支持装置6とを備えた負圧把持装置24の第5の実施形態の立体分解図を示す。図示された負圧把持装置24の第5の実施形態において、支持装置6は特別に作製しやすい円形孔26として形成された6個の開口部25を備えた平坦な板状支持要素28を有する。
図11に示された6個の同一構造の負圧把持要素1は、実質的に第1本体部分30、第2本体部分31、及びシール要素4からなる。シール要素4は、プラスチック製の可撓性のある弾性吸盤である。第1本体部分30は、第1固定手段5によって支持装置6と嵌合接続されている。略示された本体2は、固定部9と供給部20を有する。必要に応じて第1本体部分30を第2本体部分31に対して嵌合接続及び解除するための第2固定手段32は、ラッチカップリング8’によって形成されている。固定部9は中空円筒状に形成されている。第1本体部分30の外径は、孔と同じ大きさかわずかに小さくなるように形成されているので、簡単な組付け及び取外しが可能でありながら、望ましくない大きい遊びはなく、又は不都合に大きい隙間は生じない。図示された6個の負圧把持要素1は、好ましくは負圧把持要素1の主軸7を基準にして板状支持要素28に対して直角に配置されている。
図12、図13、図14及び図15は、支持装置に組み付けた負圧把持要素の2つの別の実施形態の縦断面を示す。以下の段落では、構造及び共通の構造部品について詳細に説明する。不必要な繰り返しを避けるため、後の箇所で特に個々の実施形態の機能的又は構造的な相違が強調される。このため以下においてはこの詳細な一般的説明の参照を求め、又はこれに準拠する。
図12、図13、図14、図15は、負圧把持要素1の縦断面図を示す。負圧把持要素1は、負圧を加えると搬送される部品を吸着又は保持するように構成されている。このために負圧把持要素1は、実質的に中空円筒状の本体2からなり、本体2は第1本体部分30と第2本体部分31とを含み、その中に負圧供給路が形成されている。更に、弾性的で可撓性のあるシール要素4が形成されており、これは第2本体部分31と接続されていて、搬送される部品と密封当接するために設けられている。また、必要に応じて第1本体部分30を支持装置6に嵌合接続及び解除するように構成された第1固定手段5が設けられている。本体2とシール要素4は、主軸7に沿って配置されている。第2固定手段32は、迅速かつ容易に作動及び作動停止できるラッチカップリング8’により、必要に応じて第1本体部分30を第2本体部分31に対して嵌合接続及び解除するために形成されている。
本体2はその自由な軸方向端面15の領域で中空円筒状の固定部9を有することができ、その中にラッチカップリング8’が形成されている。ラッチカップリング8’は、操作要素10、ばね要素11、及び少なくとも一つのラッチ要素12を含むことができる。図示の実施例では、ラッチカップリング8’は5個のラッチ要素12を有するが、縦断面ではそのうち2個しか見えていない。また、ラッチ要素12は球13として形成されていることも図示されている。これらの球13は、中空円筒状の固定部9の円周上に均一に配設することができる。代替的に、ラッチ要素12をボルト状に設計することも考えられる。ばね要素11は操作要素10を軸方向終端位置に押し付けることができ、その際にラッチ要素12は操作要素10によってロック位置に押し付けられることができる。ばね要素11は、好ましくは圧縮ばね、特にコイルばねとして設計されている。
また、図12、図13、図14、及び図15から、ラッチ要素12が主軸7に対して半径方向に移動可能に支持できることが明らかとなる。操作要素10は、中空円筒状の固定部9の内部に配置でき、主軸7に沿って移動可能に支持することができる。操作要素10はスライダー又はピストンの形態で設計することができ、その操作要素外側面33には主軸7に対して傾いたラッチ要素12又は球13との接触面14を有することができる。第2本体部分31の内側面34には、少なくとも一つのラッチ要素12を受容するための環状溝形状の内周切り欠き部35を形成することができる。
操作要素10は、更に、構造的に分離されたピン状操作工具18から圧力を加えるために設けられた操作面17を有することができる。ピン状操作工具18は、図13に示されており、当該箇所で詳細に説明する。
操作要素10において負圧供給路3を限定する負圧作用面19を形成することができる。この負圧作用面19は、負圧供給路3内に負圧が存在すると、操作要素10が軸方向終端位置に向かって強く押し付けられ、その位置で少なくとも一つのラッチ要素12が操作要素10によってロック位置に押し付けられているように寸法設定されている。
主軸7を基準として、中空円筒状の固定部9とシール要素4との間に供給部20を形成できる。供給部20は、図12、図13及び図14に示されているように、負圧把持要素1に負圧を供給するために第2本体部分31に設けることができる。代替的に、供給部20は、図15に示されているように、負圧把持要素1に負圧を供給するために第1本体部分30に設けることができる。供給部20には、負圧供給接続部21、特に工具なしで操作可能なホースカップリング22を形成することができる。図示の実施例では、2個の負圧供給接続部21が形成されているが、他の変形例も考えられる。これらの負圧供給接続部21は負圧供給路3と流体接続されている。必要に応じて負圧供給接続部21はホース23を介して負圧発生装置、特に負圧ポンプと接続可能である。空気圧ホース接続部の詳細図が図10に示されている。
負圧供給路3は、第1本体部分30を第2本体部分31に対してラッチカップリング8’により嵌合接続した後で流体密になるように形成されていると好都合であろう。第1固定手段5は、第1本体部分30の外側面37に設けた環状溝形状の外周切り欠き部36内に配置されたばねリング38によって形成することができる。図示されていないが、代替的又は追加的に、第1固定手段5は、第1本体部分30の外側面37に配置されたねじによって形成することができる。更に、第1本体部分30がシール要素から軸方向端面15に向かって少なくとも一つのフランジ面39によって限定されていると、固定の安定性を改善することができる。
図12は、支持装置6に組み付けた負圧把持要素1の第5の実施形態の縦断面を示す。特に、負圧把持要素1、より正確には第1本体部分は、支持要素28と取外し可能に接続されている。
ばね要素11は、本体2の自由な軸方向端面15を起点としてシール要素4に向かって力の作用を及ぼす。したがって操作要素10をその終端位置に向かって押し付けることができる。その結果、この組み付けられた状態においてラッチカップリング8’と第2本体部分31との間に係止又は締付け作用が生じることができる。特に、ラッチ要素12又は球13と第2本体部分31との間に嵌合係止又は締付け作用が生じる。ラッチ要素12又は球13は、内側面34に設けた環状溝形状の内周切り欠き部35に受容される。図示のようにスライダー又はピストンの形態に設計できる操作要素10が、シールリング29を有すると好都合であろう。このシールリング29は、供給部20と固定部9との間に気密接続又はほぼ気密接続を可能にする。負圧供給路3内の負圧により、操作要素10はその負圧作用面19を介して、ばね力の作用に加えて、図では下方のロックする終端位置の方向に引っ張られる。
図13は、同様にこの負圧把持要素1の第1の実施形態の縦断面を示すが、組み付ける際に、或いはまた第2本体部分31を第1本体部分30から取り外す際にロックを解除した位置で示している。
図13では、操作要素10の操作は、別個のピン状操作工具18を使って操作面17に手動で圧力を加えることによって行われる。操作工具18は操作者によりシール要素4から供給部20又は負圧供給路3を通って本体2の自由な軸方向端面15の方向に動かされる。操作工具18が操作面17に到達するとすぐに、操作者はばね力に相当する操作力を加えて、操作要素10をばね力に抗して自由な軸方向端面15の方向に動かす。それによってばね要素11が圧縮される。
このようにして締付け作用又はばね力は一時的に克服されて、ラッチ要素12又は球13は主軸7に向かって半径方向内側に移動できる。続いてラッチカップリング8’の外径は、第2本体部分31を第1本体部分30から取り外すことを可能にする程度に縮小される。
図14は同様に組付け前又は取外し後の負圧把持要素の第5の実施形態の縦断面図を示している。特に、第2本体部分31が第1本体部分30から取り外されている。
図15は、支持装置6に組み付けた負圧把持要素の第6の実施形態の縦断面を示す。特に、負圧把持要素1、より正確には第1本体部分30は支持要素28と取外し可能に接続されている。
主軸7を基準として、中空円筒状の固定部9とシール要素4との間に供給部20を形成できる。供給部20は、負圧把持要素に負圧を供給するために、第1本体部分30に形成できる。負圧は、操作要素内の、例えば円形の通路を介して、負圧供給路3とシール要素4との間に伝播することができる。ピン状操作工具18は、操作面を効率的に操作するために操作面17の形状に適合させることができる。
第1本体部分30を支持装置6に対して組み付け及び/又は取り外すために、開口部25の輪郭は、第1本体部分を挿入できるように形成されていると好都合であろう。更に、フランジ面は、第1本体部分30上にねじ込むことができるナットによって形成できる。
以上の実施例は可能な実施態様を示すものであり、この箇所で注記すると、本発明は特別に図示された本発明の実施態様に制限されておらず、むしろ個々の実施態様を互いに種々組み合わせることが可能であり、この変形可能性は本発明による技術的行為に関する教示に基づき当該技術分野に従事する当業者の能力の範囲内にある。
保護の範囲は請求項によって規定されている。しかしながら請求項を解釈するために詳細な説明と図面が援用される。図示及び説明された種々の実施例に基づく個別特徴又は特徴の組合せは、それ自体で独自の発明による解決をなすことができる。独自の発明による解決の根底にある課題は、詳細な説明から読み取ることができる。
本発明の説明において値の範囲に関するすべての指示は、当該範囲内のすべての任意の部分範囲を含むものと理解すべきである。例えば1~10という指示には、下限1を起点として上限10に至るまでのすべての部分範囲が含まれていると理解すべきである。即ち、すべての部分範囲は、例えば1~1.7又は3.2~8.1又は5.5~10のように、下限の1又はそれ以上から始まって上限の10又はそれ以下で終わる。
最後に形式的に指摘しておくと、構造を理解しやすくするために、要素は一部縮尺通りではなく、及び/又は拡大して、及び/又は縮小して表現されている。
1 負圧把持要素
2 本体
3 負圧供給路
4 シール要素
5 第1固定手段
6 支持装置
7 主軸
8 ラッチカップリング
8’ ラッチカップリング
9 中空円筒状の固定部
10 操作要素
11 ばね要素
12 ラッチ要素
13 球
14 接触面
15 自由な軸方向端面
16 停止面
17 操作面
18 ピン状操作工具
19 負圧作用面
20 供給部
21 負圧供給接続部
22 ホースカップリング
23 ホース
24 負圧把持装置
25 開口部
26 孔
27 連結手段
28 支持要素
29 シールリング
30 第1本体部分
31 第2本体部分
32 第2固定手段
33 操作要素外側面
34 内側面
35 環状溝形状の内周切り欠き部
36 環状溝形状の外周切り欠き部
37 外側面
38 ばねリング
39 フランジ面
40 負圧供給管

Claims (26)

  1. 負圧を加えると搬送される部品を吸着又は保持するように構成された負圧把持要素(1)であって、
    少なくとも一つの負圧供給路(3)を備えた本体(2)と、
    該本体(2)と接続され、搬送される部品と密封当接するために設けられた可撓性を有する弾性的なシール要素(4)と、
    前記負圧把持要素(1)を支持装置(6)に固定するために前記本体(2)に設けた第1固定手段(5)と、を有し、
    前記本体(2)とシール要素(4)は前記負圧把持要素(1)の主軸(7)に沿って配置されている負圧把持要素(1)において、
    前記第1固定手段(5)は、ラッチカップリング(8)により必要に応じて前記負圧把持要素(1)を前記支持装置(6)に対して嵌合接続及び解除するために形成され、又は、
    前記本体(2)は、第1本体部分(30)と第2本体部分(31)とを有し、前記第1本体部分(30)は前記第1固定手段(5)により必要に応じて前記支持装置(6)に対して嵌合接続及び解除するように設けられ、前記第2本体部分(31)は可撓性のあるシール要素(4)と接続され、必要に応じて前記第2本体部分(31)に対して前記第1本体部分(30)を嵌合接続及び解除するための第2固定手段(32)がラッチカップリング(8’)により形成され
    前記本体(2)は中空円筒状の固定部(9)を有し、その中に前記ラッチカップリング(8、8’)が形成され、
    前記ラッチカップリング(8、8’)は、操作要素(10)とばね要素(11)と少なくとも一つのラッチ要素(12)とを有し、前記ばね要素(11)は前記操作要素(10)を終端位置に押し付けて、前記少なくとも一つのラッチ要素(12)は前記操作要素(10)によってロック位置に押し付けられ、
    前記操作要素(10)は、前記中空円筒状の固定部(9)の内部に配置され、前記主軸(7)に沿って移動可能に支持され、
    操作要素(10)は、構造的に分離されたピン状操作工具(18)から圧力を加えるために設けられた操作面(17)を有する、
    ことを特徴とする負圧把持要素(1)。
  2. 前記少なくとも一つのラッチ要素(12)は、前記主軸(7)に対して半径方向に移動可能であることを特徴とする、請求項に記載の負圧把持要素(1)。
  3. 前記少なくとも一つのラッチ要素(12)が球(13)として形成され、特に前記中空円筒状の固定部(9)の円周上に配設された少なくとも3個、好ましくは5個の球(13)によって形成されていることを特徴とする、請求項又はに記載の負圧把持要素(1)。
  4. 前記操作要素(10)はスライダー又はピストンの形態で形成され、操作要素外側面(33)に、前記主軸(7)に対して傾斜した、前記少なくとも一つのラッチ要素(12)との接触面(14)を有することを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載の負圧把持要素(1)。
  5. 前記第2本体部分(31)の内側面(34)に、前記少なくとも一つのラッチ要素(12)を受容するための環状溝形状の内周切り欠き部(35)が形成されていることを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載の負圧把持要素(1)。
  6. 前記中空円筒状の固定部(9)は、軸方向端面(15)を起点として前記シール要素(4)に向かって少なくとも一つの停止面(16)によって限定されていることを特徴とする、請求項1~5の何れか一項に記載の負圧把持要素(1)。
  7. ばね要素(11)の操作要素(10)に対する力の作用は、前記本体(2)の自由な軸方向端面(15)を起点として前記シール要素(4)に向かって働くことを特徴とする、請求項1~6の何れか一項に記載の負圧把持要素(1)。
  8. ばね要素(11)の操作要素(10)に対する力の作用は、前記シール要素(4)から前記本体(2)の自由な軸方向端面(15)の方向に働くことを特徴とする、請求項1~7の何れか一項に記載の負圧把持要素(1)。
  9. 操作要素(10)は、前記負圧供給路(3)を限定する負圧作用面(19)を有し、該負圧作用面(19)は、前記負圧供給路(3)内に負圧が存在すると、前記操作要素(10)が軸方向終端位置に向かって強く押し付けられ、少なくとも一つのラッチ要素(12)が前記操作要素(10)によってロック位置に押し付けられているように寸法設定されていることを特徴とする、請求項1~8の何れか一項に記載の負圧把持要素(1)。
  10. 遮断弁、特に逆流防止弁が前記負圧供給路(3)内に形成され、前記遮断弁は、前記負圧供給路(3)内に負圧が存在すると、前記負圧供給路(3)を前記シール要素(4)に向かって閉じることを特徴とする、請求項1~9の何れか一項に記載の負圧把持要素(1)。
  11. 操作要素(10)は、前記負圧供給路(3)を限定する過圧作用面を有し、該過圧作用面は、前記負圧供給路(3)内に過圧が存在すると、前記操作要素(10)が少なくとも一つのラッチ要素(12)を作動停止する位置に向かって押し付けられるように寸法設定されていることを特徴とする、請求項10に記載の負圧把持要素(1)。
  12. 前記主軸(7)を基準にして中空円筒状の固定部(9)と前記シール要素(4)との間に供給部(20)が形成されていることを特徴とする、請求項1~11の何れか一項に記載の負圧把持要素(1)。
  13. 前記負圧把持要素(1)に負圧を供給するための前記供給部(20)は、前記第1本体部分(30)に形成されていることを特徴とする、請求項12に記載の負圧把持要素(1)。
  14. 前記負圧把持要素(1)に負圧を供給するための前記供給部(20)は、前記第2本体部分(31)に形成されていることを特徴とする、請求項12に記載の負圧把持要素(1)。
  15. 負圧供給接続部(21)、特に工具なしで操作可能な少なくとも一つのホースカップリング(22)が、前記供給部(20)内に形成され、前記負圧供給路(3)に流体接続し、前記負圧供給接続部(21)はホース(23)を介して負圧発生装置と必要に応じて接続可能であることを特徴とする、請求項12~14の何れか一項に記載の負圧把持要素(1)。
  16. 前記負圧供給路(3)は、前記第1本体部分(30)を前記第2本体部分(31)に対してラッチカップリング(8’)により嵌合接続した後で流体密になるように形成されていることを特徴とする、請求項1~15の何れか一項に記載の負圧把持要素(1)。
  17. 前記第1固定手段(5)は、前記第1本体部分(30)の外側面(37)に設けた環状溝形状の外周切り欠き部(36)内に配置されたばねリング(38)によって形成されていることを特徴とする、請求項1~16の何れか一項に記載の負圧把持要素(1)。
  18. 前記第1固定手段(5)は、前記第1本体部分(30)の外側面(37)に配置されたねじによって形成されていることを特徴とする、請求項1~17の何れか一項に記載の負圧把持要素(1)。
  19. 前記第1本体部分(30)は、前記シール要素(4)から軸方向端面(15)に向かって少なくとも一つのフランジ面(39)によって限定されていることを特徴とする、請求項1~18の何れか一項に記載の負圧把持要素(1)。
  20. 負圧を加えると搬送される部品を吸着又は保持するように構成された負圧把持装置(24)であって、
    支持装置(6)と、該支持装置(6)に必要に応じて解除可能に接続された請求項1~19の何れか一つに記載の負圧把持要素(1)の少なくとも一つと、を有し、
    前記負圧把持要素(1)は、
    少なくとも一つの負圧供給路(3)を備えた本体(2)と、
    該本体(2)に接続され、搬送される部品と密封当接するために設けられた可撓性を有するシール要素(4)と、
    前記負圧把持要素(1)を前記支持装置(6)に固定するために前記本体(2)に設けた第1固定手段(5)と、を有し、
    前記本体(2)と前記シール要素(4)は前記負圧把持要素(1)の主軸(7)に沿って配置されている負圧把持装置(24)において、
    前記第1固定手段(5)は、ラッチカップリング(8)により必要に応じて前記負圧把持要素(1)を前記支持装置(6)に対して嵌合接続及び解除するために形成され、又は、
    前記本体(2)は第1本体部分(30)と第2本体部分(31)とを有し、前記第1本体部分(30)は前記第1固定手段(5)により必要に応じて前記支持装置(6)に対して嵌合接続及び解除するように設けられ、前記第2本体部分(31)は可撓性を有するシール要素(4)と接続され、必要に応じて前記第2本体部分(31)に対して前記第1本体部分(30)を嵌合接続及び解除するための第2固定手段(32)がラッチカップリング(8’)により形成され
    前記本体(2)は中空円筒状の固定部(9)を有し、その中に前記ラッチカップリング(8、8’)が形成され、
    前記ラッチカップリング(8、8’)は、操作要素(10)とばね要素(11)と少なくとも一つのラッチ要素(12)とを有し、前記ばね要素(11)は前記操作要素(10)を終端位置に押し付けて、前記少なくとも一つのラッチ要素(12)は前記操作要素(10)によってロック位置に押し付けられ、
    前記操作要素(10)は、前記中空円筒状の固定部(9)の内部に配置され、前記主軸(7)に沿って移動可能に支持され、
    前記操作要素(10)は、構造的に分離されたピン状操作工具(18)から圧力を加えるために設けられた操作面(17)を有する、
    ことを特徴とする負圧把持装置(24)。
  21. 前記支持装置(6)は、少なくとも一つの負圧把持要素(1)の中空円筒状の固定部(9)を受容するための少なくとも一つの開口部(25)を有することを特徴とする、請求項20に記載の負圧把持装置(24)。
  22. 前記少なくとも一つの開口部(25)は円形孔(26)であることを特徴とする、請求項21に記載の負圧把持装置(24)。
  23. 前記円形孔(26)は前記第1本体部分(30)を受容するためのねじを有することを特徴とする、請求項22に記載の負圧把持装置(24)。
  24. 前記支持装置(6)は、中央部に必要に応じてマニピュレータと接続するための連結手段(27)を有することを特徴とする、請求項20~23の何れか一項に記載の負圧把持装置(24)。
  25. 前記支持装置(6)は板状支持要素(28)を有し、該板状支持要素(28)は平坦に形成されているか又は断面がトップハット状レール型又はC字型であることを特徴とする、請求項20~24の何れか一項に記載の負圧把持装置(24)。
  26. 前記負圧把持要素(1)の前記主軸(7)は板状支持要素(28)に対して直角に配置されていることを特徴とする、請求項25に記載の負圧把持装置(24)。
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