特許法第30条第2項適用 ・ウェブサイトのURL・公開日 令和1年9月19日(1)https://www.co-nss.co.jp/ https://www.co-nss.co.jp/project/kurobe-net.html https://www.co-nss.co.jp/press/2019.html(2)https://iotnews.jp/ https://iotnews.jp/archives/133456(3)https://www.nict.go.jp/ https://www.nict.go.jp/press/2019/09/19-1.html https://twitter.com/nict_publicity(4)https://www.kurobesw.com/ https://www.kurobesw.com/各事業ページ/くろべネット事業/ https://www.kurobesw.com/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/%E5%BA%83%E5%A0%B1%E8%AA%8C%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%BC/(5)https://webun.jp/ https://webun.jp/item/7599684(6)https://this.kiji.is/-/units/437917719053894753等
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、図1~図5を用いて詳細に説明する。
(サービス提供システムの概要)
本実施形態に係るサービス提供システム1の概要について、図2を用いて説明する。図2は、サービス提供システム1の概要を示す模式図である。
サービス提供システム1は、複数のサービス事業者のそれぞれが提供する種々のサービスを、事前に配られたカードリーダ200および複数のサービスカード100を用いて利用者が利用できるシステムである。利用者は、管理サーバ300を運用する運用会社(システム事業者)に自身の個人情報等を登録することによって、サービス提供システム1の利用を開始することができる。同様に、個々のサービス事業者は、管理サーバ300に自身が運用する事業者サーバ400の連絡先等の情報を登録することによって、サービス提供システム1を用いたサービスの提供を開始することができる。管理サーバ300の運用会社は、サービス提供システム1の利用を所望する利用者へ、複数のサービス事業者のそれぞれに対応する複数のサービスカード100と、複数のサービスカード100の内容を読み取り可能なカードリーダ200とを配る。なお、カードリーダ200は管理サーバ300の運用会社が接続先等の情報を予め設定した状態で利用者に配られる。そのため、利用者はカードリーダ200を受領した後、通信環境等の設定を行うことなくサービス提供システム1の利用を開始することができる。カードリーダ200はシステム事業者が契約した携帯電話通信網を利用可能な状態で配布され、利用者はサービス提供システム1を利用するにあたり、別途通信事業者やインターネットサービスプロバイダと契約を結ぶ必要がない。
利用者は、サービス提供システム1を利用することによって、自身が提供を所望するサービスに応じたサービス事業者からサービスの提供を受けることができる。より具体的には、利用者はサービスの提供を所望するサービス事業者に対応するサービスカード100の内容をカードリーダ200に読み取らせることで、管理サーバ300へサービスの提供依頼を送信することができる。
管理サーバ300は、サービス提供システム1を提供する運用会社によって管理されるサーバである。管理サーバ300は、カードリーダ200からサービスの提供依頼を受信すると、該提供依頼の内容から、カードリーダ200が読み取ったサービスカード100に対応するサービス事業者を特定する。そして、管理サーバ300は特定したサービス事業者が有する事業者サーバ400へ依頼内容を転送する。このとき、管理サーバ300は依頼内容とともに、自身に登録済みである、依頼元の利用者の連絡先を含む個人情報を事業者サーバ400へ送信する。
サービス事業者は、種々のサービスを提供する事業を行っている。サービス事業者が提供するサービスはどのようなものであってもよく、例えば物品の購入、診察の予約、タクシーの手配等のサービスがサービス事業者によって提供されてもよい。個々のサービス事業者は、事業者サーバ400をそれぞれ運用しており、管理サーバ300を介して利用者のカードリーダ200から送信されたサービスの提供依頼を事業者サーバ400にて受け付けることができる。サービス事業者は、管理サーバ300から事業者サーバ400へ依頼内容および利用者の連絡先の情報が転送されると、依頼元である利用者へ連絡を行う。連絡手段は特に限定されないが、連絡先の情報が例えば電話番号であった場合、サービス事業者は電話で利用者へ連絡を行う。サービス事業者は利用者へ連絡を行うとともに、提供するサービスの具体的な内容や料金等について説明を行ってもよい。
なお、サービス事業者はサービス提供システム1による利用者へのサービスの提供を開始する際、システム事業者に対して事業者サーバ400の連絡先(例えばメールアドレス)等の情報を登録する必要がある。事前に登録する情報の例としては、サービス事業者がサービス提供システム1によるサービスの提供を行う際、システム事業者に支払う金額がある。サービス事業者は、例えばサービス提供システム1を用いて利用者にサービスを提供した件数に応じた金額をシステム事業者に支払う契約を結ぶ。システム事業者に支払う金額は、例えば管理サーバ300にて管理され、状況に応じて適宜更新されてもよい。
利用者は、サービス事業者から連絡を受けると、該サービス事業者からサービスの具体的な内容等について説明を受けた後、実際にサービスを受けるか否かの最終的な意思決定を行い、該サービス事業者に通知する。サービス事業者は利用者から最終的な意思決定が通知されると、その結果について事業者サーバ400を用いて管理サーバ300へ送信する。管理サーバ300は、事業者サーバ400から受信した結果について、サービスの提供に関する履歴情報として蓄積する。
このようにして、サービス提供システム1は、カードリーダ200にサービスカード100の内容を読み取らせることによって、サービス事業者から利用者に連絡を行わせてサービスを提供させることができる。カードリーダ200の操作はパソコンやスマートフォンといった汎用の情報通信端末の操作と比較して直感的かつ簡便であるため、汎用の情報通信端末に不慣れな高齢者等であっても汎用の情報通信端末を用いた場合と同等のサービスの提供を受けることができる。また、管理サーバ300が利用者の連絡先の情報を事業者サーバ400へ送信するので、従来技術とは異なり、利用者が個々のサービス事業者に対して予め個別に契約(連絡先の登録を含む)を行う必要がない。
(カードリーダおよびサービスカードの外観)
本実施形態に係るカードリーダ200およびサービスカード100について、図3を用いて説明する。図3は、カードリーダ200およびサービスカード100の外観の一例を示す模式図である。
サービスカード100は、サービス事業者ごとに発行された、カードリーダ200で読取可能な内容が記憶されたカードである。サービスカード100は、カードリーダ200で内容が読取可能であればどのような方式のカードであってもよく、例えばFeliCa(登録商標)方式に対応した非接触通信のICカードであってもよい。
カードリーダ200(識別子リーダ)は、サービスカード100を設置する領域が筐体に形成されており、該筐体の一部には操作ボタン210が押下可能に設けられている。カードリーダ200は、音声で案内するスピーカ240を備える。利用者は、サービスの提供を所望するサービス事業者に対応するサービスカード100をカードリーダ200に設置して操作ボタン210を押下する。カードリーダ200は、操作ボタン210が押下されると、筐体に設置されているサービスカード100の内容を読み取り、該内容に対応するサービス事業者に対するサービス提供依頼を管理サーバ300へ送信することができる。
カードリーダ200は、サービスカード100の内容の読み込み状況や管理サーバ300との間の通信状況等について、文字や映像で案内するディスプレイ、および/または発光で案内するLEDライト等をさらに備えてもよい。
(サービス提供システムの構成)
本実施形態に係るサービス提供システム1の構成について、図1を用いて説明する。図1は、サービス提供システム1の要部構成の一例を示すブロック図である。
サービス提供システム1は、利用者がサービスカード100およびカードリーダ200を用いることによって、事業者サーバ400を運用する、種々のサービスを提供するサービス事業者からサービスの提供を受けることができるシステムである。サービス提供システム1は、サービスカード100、カードリーダ200、管理サーバ300、および複数のサービス事業者に対応する複数の事業者サーバ400を備えている。
サービスカード100は、サービス提供システム1によるサービスの提供を行っているサービス事業者に対応付けられた、カードリーダ200で内部の情報を読み取り可能なカードである。サービスカード100は、自身に対応付けられたサービス事業者を一意に識別するためのサービス識別子であるカードID110を備えている。すなわち、本実施形態において、サービス提供システム1で使用することができる複数のサービスカード100はいずれもカードID110を備える、共通のフォーマットが適用されたカードである。サービス事業者毎にカードID110は異なる。
カードリーダ200は、サービスカード100のカードID110を読み取って、該カードIDに対応するサービス事業者へのサービス提供依頼を管理サーバ300へ送信する。カードリーダ200は、操作ボタン210、記憶部220、および制御部230を備えている。制御部230は、カード読取部231、サービス依頼部233、および出力制御部235を備えている。
操作ボタン210は、カードリーダ200の筐体に設けられたボタンである。操作ボタン210は、利用者が意図的に操作可能な構成であればどのようなものであってもよい。操作ボタン210は、例えばレバーであってもよい。
記憶部220は、カードリーダ200にて扱う各種情報を格納している。記憶部220は機器ID221を格納している。記憶部220は、例えば接続先である管理サーバ300に関する情報を格納してもよい。機器ID221は、カードリーダ200を一意に識別するためのリーダ識別子である。機器IDにより、カードリーダ200を使用する利用者を特定することができる。
制御部230は、カードリーダ200の各部を統括して制御する。制御部230は、操作ボタン210が押下されたことを検知すると、カード読取部231にサービスカード100のカードID110を読み取るよう指示を行う。制御部230は、カード読取部231がカードID110の読み取りに成功すると、サービス依頼部233にサービスの提供依頼を管理サーバ300へ送信するよう指示する。
カード読取部231は、制御部230からの指示にしたがって、カードリーダ200に設置されたサービスカード100からカードID110を取得する。カード読取部231は、取得した結果を制御部230に通知する。
サービス依頼部233は、制御部230からの指示にしたがって、カード読取部231がサービスカード100から読み取ったカードID110を機器ID221とともに管理サーバ300へ送信し、サービスの提供依頼を行う。サービス依頼部233は、送信を行った日時について、例えば図示しないタイマを用いて取得し、カードID110や機器ID221とともに送信してもよい。
出力制御部235は、スピーカ240の音声出力を制御する。
管理サーバ300は、サービス提供システム1を運用する運用会社が管理するサーバである。管理サーバ300は、記憶部310および制御部320を備えている。記憶部310は、利用者情報311、サービス事業者情報313、およびサービス履歴情報315を格納している。制御部320は依頼内容解析部321、依頼内容転送部323、履歴登録部325、および情報通知部327を備えている。
記憶部310は、管理サーバ300にて扱う各種情報を格納している。利用者情報311は、利用者がサービス提供システム1の利用を申し込んだ際に該サービス提供システム1の運用会社に登録した、利用者の個人情報を含む、該利用者に関する情報である。記憶部310には、利用者情報311として、複数の利用者の連絡先と、複数の利用者に配られた複数のカードリーダ200の機器ID221とが対応付けて記憶されている。サービス事業者情報313は、サービス提供システム1によるサービスの提供を行っているサービス事業者に関する情報である。記憶部310には、サービス事業者情報313として、複数のカードID110と、複数のサービス事業者とを対応付けて記憶されている。サービス履歴情報315は、カードリーダ200から管理サーバ300が受信したサービスの提供依頼に基づいた、サービス提供システム1におけるサービスの提供に関する履歴情報である。利用者情報311、サービス事業者情報313、およびサービス履歴情報315の具体例については、図4を用いて後述する。
制御部320は、管理サーバ300の各部を統括して制御する。制御部320は、管理サーバ300が送受信したデータの内容に応じて履歴登録部325に、送受信に関する履歴をサービス履歴情報315に登録するよう指示する。
依頼内容解析部321は、カードリーダ200からサービスの提供依頼を受信すると、受信したデータを解析することができる。より具体的には、依頼内容解析部321はカードリーダ200から受信したデータの中から、カードID110および機器ID221を解析によって抽出する。すなわち、依頼内容解析部321はカードリーダ200から、該カードリーダ200によってサービスカード100から読み取られたカードID110と機器ID221とを受信する受信部として機能する。依頼内容解析部321は、カードリーダ200から受信したデータの中に該データの送信日時を示す情報があれば、一緒に抽出してもよい。
依頼内容転送部323は、依頼内容解析部321による解析結果に基づいて、利用者がサービスの提供を所望した相手であるサービス事業者に対応する事業者サーバ400へ、依頼内容を転送する。より具体的には、依頼内容転送部323は依頼内容解析部321が抽出したカードID110に対応するサービス事業者をサービス事業者情報313から特定する。依頼内容転送部323はさらに、機器ID221に対応するカードリーダ200の配布先である利用者を利用者情報311から特定する。そして、依頼内容転送部323は、特定したサービス事業者の事業者サーバ400へ、特定した利用者の連絡先に関する情報を送信する。すなわち、カードリーダ200から受信した機器ID221に対応する利用者の連絡先を、ともに受信したカードID110に対応するサービス事業者の事業者サーバ400に送信する送信部として機能する。このとき、依頼内容転送部323は、事業者サーバ400に利用者の連絡先に電話を掛けるよう通知してもよい。依頼内容転送部323は、送信日時を図示しないタイマを用いて取得し、前述の情報とともに事業者サーバ400へ送信してもよい。
履歴登録部325は、制御部320の指示にしたがって、サービスの提供に関する処理が実行された日時や実行結果等の情報をサービス履歴情報315へ登録する。
事業者サーバ400は、依頼に応じて利用者へサービスを提供するサービス事業者が有するサーバである。事業者サーバ400は制御部410を備えており、制御部410は、依頼提示部411および結果通知部413を備えている。なお、図示の例では3つの事業者サーバ400が示されているが、事業者サーバ400の数はこれに限定されない。また、事業者サーバ400は、サービス提供システム1においてサービスを提供するための構成以外に、別の形態でサービスを提供する構成を備えていてもよい。例えば、事業者サーバ400は、パソコンやスマートフォン等の汎用の情報通信端末に対してインターネットを用いたWeb予約を受け付けるための画面等を提供する、Webサーバとして動作するための構成をさらに備えてもよい。
制御部410は、事業者サーバ400の各部を統括して制御する。制御部410は、管理サーバからサービスの提供依頼を受信すると、依頼提示部411に該提供依頼を受け付けるよう指示する。また、制御部410は、図示しない入力部によってサービス事業者から情報の入力を受け付けてもよく、図示しない表示部によって情報の出力を行ってもよい。例えば、制御部410はサービス事業者が利用者に対してサービスの提供の申し出を行い、該利用者が実際にサービスを受けることに同意したか否かに関する情報(同意の有無や申し出を行った日時等)の入力をサービス事業者から受け付けて、該情報を結果通知部413に提供してもよい。
依頼提示部411は、制御部410の指示にしたがって、管理サーバ300から受信したサービスの提供依頼をサービス事業者に提示する。より具体的には、依頼提示部411は、サービスの提供依頼を新たに受け付けたこと、および該提供依頼に含まれる、依頼元である利用者の連絡先に関する情報について、サービス事業者が把握可能な方法で提示する。提示の手段は、映像や音声によるものであってもよく、サービス事業者が携帯するスマートフォン等の携帯端末に対してメール等の手段によるものであってもよい。サービス事業者は、依頼提示部411が提示した内容からサービスの提供を所望する利用者の存在を把握し、該利用者に対して連絡およびサービスの提供を行うことができる。依頼提示部411は、管理サーバ300からサービスの提供依頼を受け付けると、受け付けが完了した旨を図示しないタイマを用いて取得した日時とともに該管理サーバ300へ返送してもよい。
サービス事業者はサービスの提供依頼に基づいて利用者へサービスの提供の申し出を行い、サービスの提供の進捗状況を事業者サーバ400に入力する。結果通知部413は、サービスの提供の進捗状況を示すサービス提供結果(受付済、提供中、完了、または未成立)を管理サーバ300へ通知する。結果通知部413は、サービス事業者が利用者に対して実際にサービスを提供した日時の情報を、提供結果とともに管理サーバ300へ通知してもよい。
(管理サーバにて管理する情報の構成例)
本実施形態に係る管理サーバ300にて管理する情報の構成例について、図4を用いて説明する。図4は、管理サーバ300において記憶部310に格納されている利用者情報311、サービス事業者情報313、およびサービス履歴情報315の構成例を示す模式図である。なお、図4はあくまでも一例であって、利用者情報311、サービス事業者情報313、およびサービス履歴情報315はどのような構成であってもよい。
図示の例において利用者情報311は、「利用者ID」、「個人情報」、および「機器ID」の3つの項目を備えており、「個人情報」はさらに「名前」、「電話番号」、「年齢」、「性別」、「住所」、および「地域」という6項目に細分化される。「利用者ID」は、管理サーバ300を運用する運用会社がカードリーダ200を配った相手、すなわちサービス提供システム1の利用者を一意に識別するための識別子(利用者識別子)である。「個人情報」には利用者の個人的な情報が設定されており、「名前」は利用者の氏名、「電話番号」は利用者の電話番号、「年齢」は利用者の現在の年齢、「性別」は利用者の性別、「住所」は利用者の現在の住所がそれぞれ設定される。「地域」には、地方(例えば、関東、近畿等)、県名、市区町村、町名、および/または丁目等を識別可能な地域識別子が設定される。「機器ID」は利用者に配ったカードリーダ200を一意に識別するための識別子である。すなわち、図示の例において「利用者ID」の値と「機器ID」の値とは1対1対応となっている。すなわち、機器IDも利用者識別子として機能する。
管理サーバ300において、利用者情報311は、例えば依頼内容転送部323が事業者サーバ400に利用者に関する情報を送信する際に参照される。より具体的には、依頼内容解析部321がサービスの提供依頼から抽出した機器ID221と、「機器ID」の値が一致するレコードが存在するか否かを依頼内容転送部323が判定する。対象のレコードが存在する場合、依頼内容転送部323は該レコードの「個人情報」の値を事業者サーバ400へ送信すべき、利用者に関する情報として設定する。サービス事業者は、事業者サーバ400が利用者に関する情報として「個人情報」の値を受信すると、例えば「電話番号」に設定されている電話番号に電話を掛けることにより、利用者に対してサービスの提供を申し出ることができる。なお、利用者の連絡先として、利用者の電話番号が用いられてもよく、住所やメールアドレス等の他の情報が用いられてもよい。
サービス事業者情報313は、「サービス事業者ID」、「サービス事業者名」、「サービス通知先」、「カードID」、および「課金データ」の5つの項目を備えている。「サービス事業者ID」は、サービス提供システム1においてサービス事業者を一意に識別するための識別子である。「サービス事業者名」はサービス事業者の名称である。「サービス通知先」は、サービス事業者に対して管理サーバ300の依頼内容転送部323がサービスの提供依頼を転送する転送先(図示の例ではメールアドレス)である。「カードID」は、「サービス事業者ID」で指定されたサービス事業者に対応するサービスカード100のカードID110と同一の値が設定される。すなわち、図示の例において「サービス事業者ID」の値と「カードID」の値とは1対1対応となっている。「課金データ」には、「サービス事業者ID」で指定されたサービス事業者がサービス提供システム1を用いたサービスの提供を行うにあたって管理サーバ300の運用会社に対して支払う料金体系が設定される。料金体系としては、サービスの提供が成立した件数に応じた従量制であってもよく、定額制等の他の内容が設定されてもよい。すなわち、記憶部310はサービス事業者情報313として、複数のサービス事業者と、サービス提供システム1を用いてサービスを提供する場合に該複数のサービス事業者が支払う金額に関する情報とを対応付けて記憶している。例えば管理サーバ300は「課金データ」およびサービス履歴情報315の内容を図示しない表示部に表示させる。システム事業者は、表示された該内容に基づいてサービス事業者ごとにサービス提供システム1の利用金額を算出し、各サービス事業者に対して請求することができる。
管理サーバ300において、サービス事業者情報313は、例えば依頼内容転送部323が事業者サーバ400に依頼内容を転送する際に参照される。より具体的には、依頼内容解析部321がサービスの提供依頼から抽出したカードID110と、「カードID」の値が一致するレコードが存在するか否かを依頼内容転送部323が判定する。対象のレコードが存在する場合、依頼内容転送部323は該レコードの「サービス通知先」の値を、提供依頼を行った利用者がサービスの提供を所望するサービス事業者の連絡先として設定する。依頼内容転送部323は、サービス事業者の連絡先として設定した転送先にメール等の方法でサービスの提供依頼を転送することにより、該サービス事業者から利用者に対してサービスの提供を申し出させることができる。
サービス履歴情報315は、「サービス管理番号」、「サービス事業者ID」、「利用者ID」、「カード読込時刻」、「サービス連絡時刻」、「サービス受付時刻」、「サービス提供時刻」、および「サービス結果」を備えている。「サービス管理番号」は、管理サーバ300がカードリーダ200から受信したサービスの提供依頼に関する履歴を一意に識別する識別子である。「サービス事業者ID」は、サービス事業者情報313の同名の項目と同様の値が設定される。「利用者ID」は、利用者情報311の同名の項目と同様の値が設定される。「カード読込時刻」は、カードリーダ200においてサービスカード100のカードID110を読み取った日時が設定される。「サービス連絡時刻」は、管理サーバ300がカードリーダ200からサービスの提供依頼を受信した日時が設定される。「サービス受付時刻」は、事業者サーバ400が管理サーバ300からサービスの提供依頼を受信した日時が設定される。「サービス提供時刻」は、サービス事業者が利用者に連絡し、サービスの提供を申し出た日時が設定される。すなわち、サービス履歴情報315にはカードリーダ200がカードID110を読み取ってからサービス事業者が利用者にサービスを提供するまでの間に、カードリーダ200、管理サーバ300、および事業者サーバ400の少なくともいずれかにおいて何らかの処理を行った時刻の履歴に関する情報を記憶されている。「サービス結果」は、サービスの提供の進捗状況を示すサービス提供結果が設定される。
サービス履歴情報315には、サービス提供システム1においてカードリーダ200、管理サーバ300、および事業者サーバ400のいずれかで実行された処理の履歴が、管理サーバ300に集約して蓄積されている。
まず、カードリーダ200から管理サーバ300に対してサービスの提供依頼がサービスカード100のカードID110を読み取った日時とともに送信される。管理サーバ300は、新たな提供依頼を受信すると、該提供依頼に対して新たなサービス管理番号を設定する。履歴登録部325は受信した提供依頼から特定された、依頼の送信元であるカードリーダ200を有する利用者の利用者IDと、カードID110に対応するサービス事業者IDを、カードID110を読み取った日時とともにサービス履歴情報315に新たなレコードとして追加する。すなわち、この時点では、「サービス管理番号」、「サービス事業者ID」、「利用者ID」、および「カード読込時刻」には値が設定されているが、「サービス連絡時刻」、「サービス受付時刻」、「サービス提供時刻」、および「サービス結果」には値が未設定である。
次に、依頼内容転送部323が事業者サーバ400へサービスの提供依頼を転送すると、履歴登録部325は値が未設定である「サービス連絡時刻」に、提供依頼を転送した日時を設定する。その後、事業者サーバ400から提供依頼を受け付けたことを示す通知を管理サーバ300が受信すると、履歴登録部325は該通知に含まれる、事業者サーバ400が提供依頼を受信した日時を値が未設定である「サービス受付時刻」に設定する。
その後、サービス事業者から利用者に連絡およびサービスの提供の申し出が行われ、サービス事業者は申し出の結果等について、事業者サーバ400を用いて管理サーバ300へ通知する。履歴登録部325は該通知に含まれる、サービスの提供を申し出た日時、および利用者が最終的にサービスの提供に同意したか否かに基づいたサービス提供の進捗状況を、「サービス提供時刻」、および「サービス結果」にそれぞれ設定する。
このようにして、履歴登録部325は、サービス提供システム1における処理の履歴をサービス履歴情報315に集約して蓄積することができる。
(処理の流れ)
本実施形態に係るサービス提供システム1における処理の流れについて、図5を用いて説明する。図5は、サービス提供システム1における処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
まず、利用者はサービスの提供を所望するサービス事業者に対応したサービスカード100をカードリーダ200に設置して操作ボタン210を押下する。カードリーダ200はサービスカード100のカードID110を読み取って、自身の機器ID221、読み取ったカードID110、およびカードIDを読み取った時刻を含むデータを管理サーバ300へ送信する(S1:サービス提供依頼)。
管理サーバ300は、カードリーダ200からサービスの提供依頼を受信すると、該提供依頼に対して新たなサービス管理番号を設定し、さらに依頼内容解析部321を用いて依頼内容を解析する(S2:依頼内容解析)。その後、管理サーバ300は依頼内容転送部323を用いて利用者の個人情報と、サービス事業者の事業者サーバ400の連絡先とを特定する。そして、管理サーバ300はS2で設定したサービス管理番号を、先ほど特定した利用者の個人情報、提供依頼を転送する日時とともに、先ほど特定したサービス事業者の事業者サーバ400の連絡先へ送信する(S3:依頼内容転送)。このとき、管理サーバ300では提供依頼の転送に関する履歴を、履歴登録部325を用いてサービス履歴情報315に追加登録する。また、管理サーバ300は、提供依頼の転送が完了すると、転送が完了した旨をカードリーダ200へ通知する(S4:転送通知)。カードリーダ200では、通知に基づいて利用者にサービスの提供依頼が事業者サーバ400へ転送されたことについて、音声等によって通知する。
サービス事業者側では、管理サーバ300から転送されたサービスの提供依頼を事業者サーバ400が受信すると、事業者サーバ400は依頼内容をサービス事業者に通知する(S5:依頼受付)。その後、事業者サーバ400はサービスの提供依頼を受け付けた日時をS3で管理サーバ300から送信されたサービス管理番号とともに、管理サーバ300へ通知する(S6:受付通知)。
管理サーバ300は、事業者サーバ400からサービスの提供依頼を受け付けた旨の通知を受けると、カードリーダ200へサービスの提供依頼が事業者サーバ400に受け付けられた旨を、S6で事業者サーバ400から送信された日時の情報とともに通知する(S7:受付完了通知)。カードリーダ200では、通知に基づいて利用者にサービスの提供依頼が事業者サーバ400へ転送されたことについて、音声等によって通知する。
S6およびS7の後、サービス事業者はS3において事業者サーバ400が管理サーバ300から受信した利用者の個人情報を用いて、該利用者に電話等の手段によって連絡を取り、サービスの提供を申し出る(S8:サービス提供)。なお、サービス事業者はS7の処理が完了したことを検知できないので、S8の処理はS7の処理の前に実施される可能性があるが、問題ない。
利用者は、S8の処理によってサービス事業者からサービスの提供の申し出を受けると、サービスの詳細な説明等を受けた後、実際にサービスを利用するか否かの意思を該サービス事業者に通知する(S9:サービス利用有無通知)。
サービス事業者は、S9の処理によって利用者からサービスの利用有無について通知を受けると、S3で管理サーバ300から該利用者の個人情報とともに受信したサービス管理番号を、サービスの提供の申し出を行った日時(サービス提供時刻)およびサービスの提供の進捗状況(サービス結果)とともに管理サーバ300へ、事業者サーバ400を用いて送信する(S10:サービス提供結果通知)。なお、S9において利用者がサービスを利用する旨をサービス事業者に通知していた場合、S10の処理はサービス事業者が利用者にサービスを提供した後に行われてもよい。このとき、サービス提供時刻は実際にサービスを提供した日時であってもよい。そして、管理サーバ300では事業者サーバ400から受信した情報について、履歴登録部325を用いてサービス履歴情報315に追加登録する。
以上の処理によって、本実施形態に係るサービス提供システム1は利用者が複数のサービスカード100から選択した特定のサービスカード100のカードID110をカードリーダ200に読み取らせると、カードID110に対応するサービス事業者の事業者サーバ400に該利用者の連絡先が送信される。これにより、利用者は特定のサービスカード100のカードID110に対応するサービス事業者から連絡を受け、該サービス事業者からサービスの提供を受けることができる。これにより、例えばパソコンやスマートフォンのような汎用の情報通信端末を用いてサービスの提供を所望するサービス事業者を選択する場合と比較して、選択したサービスカード100をカードリーダ200に読み取らせるだけでサービス事業者からサービスを受けることができる。
また、管理サーバ300にて利用者およびサービス事業者の連絡先を一元管理しているため、利用者は個々のサービス事業者と個別に契約する必要がない。そのため、利用者は新たに入手したサービスカード100をカードリーダ200に読み込ませるだけで、対応するサービス事業者から新たにサービスを受けることができる。
そして、サービス事業者はサービス提供システム1に参加するには、管理サーバ300に連絡先を登録する必要がある。そのため、例えば管理サーバ300の運用会社はサービス提供システム1に参加するサービス事業者を選定することによって利用者が安心してシステムを利用できる環境を整え、該システムのブランドイメージを向上させることができる。したがって、情報通信端末の操作に不慣れな人であっても、サービス事業者から情報通信端末を用いた場合と同等のサービスの提供を受けることができる、利便性に優れたサービス提供システムを実現することができる。
〔変形例〕
管理サーバ300の運用会社は、サービス履歴情報315に蓄積されている履歴情報に基づいてサービス事業者が管理サーバ300の運用会社に対して支払う料金体系の改定を行ってもよい。例えば、サービスの提供依頼の件数に対して実際にサービスを提供した件数の割合が高ければ、利用者がサービス提供システム1を用いたサービスの提供に満足している判断し、料金を引き下げる根拠としてもよい。
また、管理サーバ300はサービス履歴情報315に蓄積されている履歴情報を解析して、利用者ごとに利用するサービスの傾向を分析してもよい。分析結果に基づいて、例えば管理サーバ300の運用会社は利用者の傾向に応じて新たなサービス事業者に対応する新たなサービスカード100を送付してもよい。
(事業者通知情報)
事業者サーバ400の制御部410は、任意のタイミングで、特定の利用者を示す通知条件と、特定の利用者に通知したい事業者通知情報とを管理サーバ300に送信してもよい。例えば、通知条件は、特定の地域、特定の年齢、および/または特定の性別等の条件を含んでもよい。例えば、事業者通知情報は、事業者の商品の紹介であってもよい。
管理サーバ300の情報通知部327は、事業者サーバ400から、事業者通知情報と通知条件とを受信する。情報通知部327は、記憶部310に記憶されている利用者情報311を参照し、各利用者の個人情報(住所、年齢、および性別等)が通知条件を満たしているかを判断する。情報通知部327は、通知条件を満たしている利用者のカードリーダ200に、事業者通知情報を送信する。
カードリーダ200の出力制御部235は、管理サーバ300から事業者通知情報を受信する。出力制御部235は、事業者通知情報をスピーカ240から音声出力させる。なお、事業者通知情報は、音声データであっても、テキストデータであってもよい。事業者通知情報がテキストデータである場合、出力制御部235は、テキストデータを音声データに変換して、スピーカ240から音声出力させる。
(個人通知情報)
カードリーダ200は、事業者とは関係のない情報を、音声によって利用者に通知してもよい。例えば、利用者に、サービスカード100とは別に、利用者固有の個人カード(個人識別子物体)が配られる。個人カードには、利用者の利用者識別子が記録されている。カードリーダ200は、利用者が個人カードをカードリーダ200にかざし、個人カードから利用者の利用者識別子を読み取ったタイミングで、個人通知情報を音声によって利用者に通知してもよい。
具体的には、カード読取部231は、個人カードから利用者の利用者識別子を読み取る。サービス依頼部233は、利用者識別子と機器ID221とを対応付けて管理サーバ300に送信する。
管理サーバ300の情報通知部327は、利用者識別子を受け取ると、利用者情報(個人情報)を参照する。情報通知部327は、利用者が在住する地域、または予め登録された情報に基づいて、利用者に通知する個人通知情報を決定する。個人通知情報には、例えば、利用者が在住する地域の天気、該地域のニュース、利用者が服薬すべき時刻、または、現在の時刻等が含まれ得る。利用者が薬を服薬すべき時刻を、予め利用者情報として登録しておいてもよい。情報通知部327は、地域の天気、および該地域のニュース等を、事業者サーバ400ではない別のサーバから取得してもよい。情報通知部327は、利用者に通知する個人通知情報を、カードリーダ200に送信する。
カードリーダ200の出力制御部235は、管理サーバ300から個人通知情報を受信する。出力制御部235は、個人通知情報をスピーカ240から音声出力させる。なお、個人通知情報は、音声データであっても、テキストデータであってもよい。
または、カードリーダ200は、所定の時刻に、個人通知情報を音声によって利用者に通知してもよい。
具体的には、個人通知情報を通知するべき時刻(所定の時刻)が、予め管理サーバ300の記憶部310に利用者情報として記憶されている。情報通知部327は、所定の時刻になると、個人通知情報をカードリーダ200に送信する。カードリーダ200の出力制御部235は、個人通知情報をスピーカ240から音声出力させる。
なお、管理サーバ300は、個人通知情報を、任意の複数の利用者に送信してもよい。例えば、ある地域に在住する複数の利用者のカードリーダ200に対して、該地域の天気、該地域のニュース、または、該地域に関する避難情報等を送信してもよい。例えば、ある団体に所属する複数の利用者のカードリーダ200に対して、該団体に関する情報を送信してもよい。例えば、全利用者に対して、共通の情報を送信してもよい。
なお、最初にカードリーダ200に個人カードの利用者識別子を読み取らせることにより、管理サーバ300によるサービスを開始してもよい。カードリーダ200は、読み取った利用者識別子を機器ID221と対応付けて管理サーバ300に送信する。管理サーバ300は、予め記憶されている利用者情報311を参照し、利用者識別子と機器ID221との対応付けが正しいか確認する。対応付けが正しければ、管理サーバ300は、サービス提供システム1のサービスを開始する。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
図6は、サービス提供システム1aの要部構成の一例を示すブロック図である。サービス提供システム1aでは、利用者には、上述したサービスの提供を依頼するサービスカードの他に、利用者自身の健康状態を他者に連絡するためのサービスカードが配られている。他者は、例えば、遠方に住む家族、または、利用者が居住する地域の社会福祉団体の構成員(民生委員または社協職員等)であり、利用者を見守る役割を有する人物(確認者)である。利用者は、健康(元気)であることを示すサービスカードの内容をカードリーダ200に読み取らせることによって、利用者が健康(元気)であることを確認者に知らせることができる。また、サービス提供システム1aでは、例えば高齢者である利用者の見守りを行うことができる。
サービス提供システム1aは、カードリーダ200、管理サーバ300a、および複数のサービス事業者に対応する事業者サーバ400、400aを備えている。カードリーダ200および事業者サーバ400の構成は実施形態1と同様であるので、詳細な説明を省略する。サービスの提供を依頼するサービスカードがカードリーダ200によって読み取られた時の管理サーバ300aおよび事業者サーバ400の処理は、実施形態1と同様である。なお、図6では事業者サーバ400を省略している。
カードリーダ200は、健康状態を示すサービスカードから、カードIDを取得する。カードリーダ200は、サービスカードから読み取ったカードIDを機器IDとともに管理サーバ300aへ送信する。
(管理サーバの構成)
管理サーバ300aは、記憶部310aおよび制御部320aを備えている。記憶部310aは、利用者情報311、サービス事業者情報313、サービス履歴情報315、状態履歴情報316、および宛先情報317を格納している。制御部320aは依頼内容解析部321、依頼内容転送部323、履歴登録部325、結果取得部324、情報通知部327、判断部328、および第1促進通知部329を備えている。判断部328は、学習部330を備えている。
図7は、宛先情報317の構成例を示す模式図である。図7は、あくまでも一例であって、宛先情報317はどのような構成であってもよい。宛先情報317は、「利用者ID」、「カードID」、および「宛先」の項目を備えている。「宛先」は、サービス種別と確認者の通知先との情報を含む。サービス種別は、電子メール、メッセージアプリ、ショートメール等の通知手段を示す。確認者の通知先は、サービス種別に対応する確認者の通知先で、例えば、電子メールアドレス、メッセージアプリのアカウント、またはショートメールの通知先となる電話番号を示す。健康状態を示すサービスカードのカードIDは、宛先情報317に格納されている。
依頼内容解析部321は、カードリーダ200から受信したデータの中から、カードIDおよび機器IDを抽出する。依頼内容解析部321は、カードIDおよび機器IDを依頼内容転送部323に出力する。
依頼内容転送部323は、受け取ったカードIDがサービス事業者によるサービスの提供依頼を示すのか、利用者の健康状態を確認者に知らせる依頼を示すのかを判定する。具体的には、依頼内容転送部323は、受け取ったカードIDが、サービス事業者情報313に含まれるのか、宛先情報317に含まれるのかを判定する。依頼内容転送部323は、宛先情報317から、カードIDに対応する宛先を、取得する。依頼内容転送部323は、宛先に応じた事業者サーバ400aを介して、利用者情報と、利用者の健康状態とを通知する。具体的には、依頼内容転送部323は、宛先のサービス種別に対応する事業者サーバ400aに、確認者の宛先の情報と、利用者情報と、利用者の健康状態とを送信する。例えば、宛先のサービス種別がメッセージアプリであれば、事業者サーバ400aはメッセージアプリの機能を提供する事業者のサーバである。宛先のサービス種別がショートメールであれば、事業者サーバ400aはショートメール機能を提供する携帯通信事業者のサーバである。宛先のサービス種別が電子メールであれば、事業者サーバ400aは確認者の電子メールアドレスに対応する通信事業者のメールサーバである。
結果取得部324は、事業者サーバ400aの結果通知部413から、利用者を示す情報(例えば利用者ID)、利用者の健康状態の確認結果、および確認した日時を示す情報を受信する。結果取得部324は、受信した利用者を示す情報(例えば利用者ID)、利用者の健康状態の確認結果、および確認した日時を示す情報を履歴登録部325に出力する。
履歴登録部325は、利用者についてのサービス履歴を、利用者の利用者IDと対応付けて記憶部にサービス履歴情報315aとして記憶させる。サービス履歴は、利用者によるサービスの依頼の履歴またはサービス事業者による利用者へのサービスの提供の履歴を含む。
また、履歴登録部325は、利用者の健康状態を確認者に知らせる依頼の履歴を、利用者IDに対応付けて状態履歴情報316へ登録する。状態履歴情報316は、利用者の健康状態を確認者に知らせる依頼についての、利用者ID、利用者の健康状態、カード読み込み時刻、および、管理サーバ300aから事業者サーバ400aへの連絡時刻等の情報を含む。また、履歴登録部325は、確認者による利用者の健康状態の確認結果、および確認した時刻(日時)を、利用者IDに対応付けて、状態履歴情報316へ登録する。状態履歴情報316は、利用者の健康状態を確認者に知らせる依頼の履歴、および利用者の健康状態の確認結果に関する履歴を含む。
判断部328は、サービス履歴に基づいて、利用者の健康状態の確認要否を判断する。判断部328は、判断結果を第1促進通知部329に出力する。
第1促進通知部329は、健康状態の確認要と判断された場合、利用者の健康状態の確認を促す通知を確認者に対して行う。具体的には、第1促進通知部329は、宛先情報317から、利用者IDに対応する宛先を、取得する。利用者IDに対応する宛先が複数ある場合、第1促進通知部329は、複数の宛先を取得してもよい。第1促進通知部329は、宛先に応じた事業者サーバ400aに、確認者の宛先の情報と、利用者情報と、利用者の健康状態の確認を促すメッセージとを送信する。これにより、第1促進通知部329は、宛先に応じた事業者サーバ400aを介して、利用者情報と、利用者の健康状態の確認を促すメッセージとを、確認者の確認者端末500に通知する。利用者情報と該メッセージは、例えば電子メール、メッセージアプリ、またはショートメール等によって確認者に通知される。
(事業者サーバの構成)
事業者サーバ400aは制御部410を備えている。制御部410は、依頼提示部411、結果通知部413、および第2促進通知部415を備える。
依頼提示部411は、管理サーバ300aの依頼内容転送部323から確認者の宛先の情報と、利用者情報と、利用者の健康状態とを受信する。依頼提示部411は、確認者の宛先に対応する確認者端末500に、利用者情報と、利用者の健康状態とを送信する。確認者に通知される利用者情報は、「名前」の他に、例えば「電話番号」、「年齢」、「性別」、「住所」、および/または「地域」を含んでもよい。
結果通知部413は、確認者の確認者端末500から、利用者について、利用者の健康状態の確認結果および確認した日時の入力を受け付ける。結果通知部413は、利用者を示す情報(例えば利用者ID)、利用者の健康状態の確認結果、および確認した日時を示す情報を管理サーバ300aに送信する。
第2促進通知部415は、管理サーバ300aの第1促進通知部329から、確認者の宛先の情報と、利用者情報と、利用者の健康状態の確認を促すメッセージとを受信する。第2促進通知部415は、確認者の宛先に対応する確認者端末500に、利用者情報と、利用者の健康状態の確認を促すメッセージとを送信する。
図8は、管理サーバ300aの制御部320aの処理フローの一部の例を示す図である。履歴登録部325は、利用者によるサービスの依頼の履歴またはサービス事業者による利用者へのサービスの提供の履歴を、利用者の利用者IDと対応付けて記憶部310aに記憶させる(S21)。
結果取得部324は、利用者の健康状態の確認結果、および確認した日時を示す情報を事業者サーバ400aから取得する。履歴登録部325は、利用者の健康状態の確認結果、および確認した日時を示す情報を、利用者の利用者IDと対応付けて記憶部310aに記憶させる(S22)。
学習部330は、サービス履歴を入力とし、利用者の健康状態の確認結果を出力として学習を行う(S23)。なお、学習のステップS23は後述するように省略することもできる。
判断部328は、サービス履歴に基づいて、利用者の健康状態の確認要否を判断する(S24)。判断部328は、所定のタイミングで(例えば定期的に)、判断を行う。
健康状態の確認要と判断された場合(S24でYes)、第1促進通知部329は、利用者の健康状態の確認を促す通知を確認者に対して行う(S25)。
健康状態の確認要ではないと判断された場合(S24でNo)、第1促進通知部329は、利用者の健康状態の確認を促す通知を確認者に対して行わない。
(判断部の処理)
例えば、サービスの利用頻度が低下したり、サービスの利用間隔が増加したりすると、利用者の健康状態に異常が生じている可能性があると推測できる。判断部328による利用者の健康状態の確認要否の判断基準は、あらかじめ設定されていてもよいし、学習部330を用いて学習してもよい。前者の場合、判断部328は学習部330を備えなくてもよい。
例えば、利用開始間もない利用者については、サービス履歴が蓄積されていないので、判断部328は、状態履歴情報316に基づいて、利用者の健康状態の確認要否を判断してもよい。例えば、判断部328は、利用者による健康状態を示すサービスカードの使用が無い状態が、所定期間以上続いた場合、健康状態の確認要と判断してもよい。
判断部328は、例えば、第1期間における利用者のサービスの利用頻度を、第1期間より過去の第2期間における利用者のサービスの利用頻度と比較することで、利用者の健康状態の確認要否を判断してもよい。判断部328は、例えば、第2期間におけるサービスの利用頻度から第1期間におけるサービスの利用頻度を引いた値が所定値以上である場合、利用頻度が落ちていると判断し、健康状態の確認要と判断してもよい。
判断部328は、例えば、第1期間におけるサービスの利用間隔を、第1期間より過去の第2期間におけるサービスの利用間隔と比較することで、利用者の健康状態の確認要否を判断してもよい。判断部328は、例えば、第2期間におけるサービスの利用間隔の代表値(平均値または最大値等)に対して、第1期間におけるサービスの利用間隔の代表値が(平均値または最大値等)が所定値以上大きい(長い)場合、利用間隔が長くなっていると判断し、健康状態の確認要と判断してもよい。第1期間におけるサービスの利用間隔の代表値は、現在から直近のサービスの利用までの期間(すなわちサービスの利用が無い状態が現在まで継続している期間)としてもよい。
このように、判断部328は、サービス履歴に基づいて、利用者の過去のサービスの利用の特徴に比べて、直近のサービスの利用の特徴に変化があれば、健康状態の確認要と判断する。サービス履歴として、カード読み込み時刻、サービス連絡時刻、サービス受付時刻、およびサービス提供時刻のいずれを用いてもよい。
(学習を用いた判断部の処理)
学習部330は、サービス履歴を入力とし、利用者の健康状態の確認結果を出力として学習を行う。例えば、学習部330は、確認者が利用者の健康状態を確認した時刻(日時)より前の直近の期間におけるサービス履歴を入力として用いる。学習部330は、該確認における健康状態の確認結果(健康、要注意、または至急対処要等)を出力として用いる。これにより学習部330は、ある期間のサービス履歴の特徴と、その後の健康状態との関係を学習することができる(学習モデルを生成することができる)。それゆえ、学習済の学習部330は、現在の直近の期間のサービス履歴から、現在の利用者の健康状態を推測することができる。サービス履歴として、カード読み込み時刻、サービス連絡時刻、サービス受付時刻、サービス提供時刻、および、サービス事業者ID(サービスの種類(買い物、タクシー、病院等)に対応する情報)のいずれを用いてもよい。学習アルゴリズムは公知のアルゴリズムを用いて行うことができる。
判断部328は、利用者のサービス履歴を学習部330の入力として用いて、学習部330から利用者の健康状態の推定結果を得る。判断部328は、例えば、健康状態の推定結果が健康を示すものでなければ(要注意、または至急対処要等)、利用者の健康状態の確認要と判断し、健康を示すものであれば、利用者の健康状態の確認不要と判断する。例えば、健康状態の推定結果は確率で表現され得る。推定結果において健康ではない確率が所定値以上であれば、判断部328は、健康状態の推定結果が「要注意」(健康状態の確認要)であると判断してもよい。
なお、ある利用者のサービス履歴および健康状態の確認結果を用いて学習した学習モデルを、他の利用者の健康状態の推定に用いてもよい。また、ある利用者のサービス履歴および健康状態の確認結果を用いて学習した学習モデルを、他の利用者のサービス履歴および健康状態の確認結果を用いて修正(追加学習)してもよい。
なお、第1促進通知部329は、利用者の健康状態の推定結果を判断部328から取得し、事業者サーバ400aを介して確認者端末500に送信してもよい。第1促進通知部329は、利用者の健康状態の推定結果(要注意、または至急対処要等)に応じて、確認者端末500に送信されるメッセージを変更してもよい。
本実施形態のサービス提供システム1aによれば、サービス履歴に基づいて、例えば高齢者である利用者の見守りを行うことができる。例えば、確認者である民生委員または社協職員等は、適切なタイミングで効率よく利用者を訪問し、利用者の健康状態の確認を行うことができる。
〔実施形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
図9は、サービス提供システム1bの要部構成の一例を示すブロック図である。図10は、カードリーダ200bの構成の一例を示す斜視図である。サービス提供システム1bは、サービス提供システム1のカードリーダ200に代えて、カードリーダ200bを備える。また、サービス提供システム1bは、サービス提供システム1の管理サーバ300に代えて、管理サーバ300bを備える。
サービス提供システム1bは、事前に配られたカードリーダ200bおよび複数のサービスカード100を用いて、利用者が確認者へ発話情報を送信することができるシステムである。利用者は、管理サーバ300を運用する運用会社(システム事業者)に、自身の個人情報等に加えて確認者の宛先を登録することによって、サービス提供システム1の利用を開始することができる。確認者(発話情報の受け手)は、例えば、利用者の居住する地域の民生委員、社協職員、あるいは利用者の家族等である。
図9、図10に示すように、カードリーダ200bは、表示部250、およびマイク260をさらに備えている点で、カードリーダ200と相違する。また、カードリーダ200bの制御部230bは、出力制御部235、サービス依頼部233、カード読取部231、発話取得部239、および操作入力部237を備える。
出力制御部235は、テキストデータとして取得した個人通知情報を表示部250において表示してもよい。
操作入力部237は、操作ボタン210が押下されると(操作部が操作されると)、カード読取部231にカードID110を読み取るように指示を行う。また、制御部230bは、操作ボタン210が押下される(操作部が操作される)と、発話取得部239に利用者の発話を取得するように指示を行う。
ここで、操作入力部237は、操作ボタン210が押下されている間、利用者の発話を録音し続けるように、発話取得部239に指示してもよい。または、操作入力部237は、1回目に操作ボタン210が押下された時に録音を開始し、2回目に操作ボタン210が押下された時に録音を終了するように、発話取得部239に指示してもよい。または、操作入力部237は、操作ボタン210が押下されてから所定期間の間、利用者の発話を録音し続けるように、発話取得部239に指示してもよい。
カード読取部231は、操作入力部237からの指示にしたがって、サービスカード100(宛先識別物体)から宛先に対応するカードID110(宛先識別子)を読み取る。カード読取部231は、読み取ったカードID110をサービス依頼部233に出力する。
発話取得部239は、操作入力部237からの指示にしたがって、カードリーダ200bに設けられたマイク260から利用者の発話を音声データとして取得する。発話取得部239は、取得した音声データを利用者の発話を示す発話情報としてサービス依頼部233に出力する。なお、発話取得部239は、取得した音声データをテキストデータに変換し、当該テキストデータを利用者の発話を示す発話情報としてサービス依頼部233に出力してもよい。
サービス依頼部233(リーダ送信部)は、カード読取部231からカードID110を取得する。また、サービス依頼部233は、発話取得部239からカードID110と対応付けられる発話情報を取得する。サービス依頼部233は、カードID110と機器ID221とともに、発話取得部239が取得した利用者の発話を示す発話情報を送信する指示を管理サーバ300bに送信する。ここで、サービス依頼部233は、カードID110と発話情報とを対応付けて、発話情報を送信する指示を管理サーバ300bに送信する。
図9に示すように、管理サーバ300bは、記憶部310bにおいて、宛先情報317を備えている。
宛先情報317は、利用者がサービス提供システム1bの利用を申し込んだ際に該サービス提供システム1bの運用会社に登録した、複数の宛先に関する情報である。なお、ここでの宛先は、確認者が利用者の発話情報を受信するために利用するサービス種別と、当該サービス種別において登録されている確認者の通知先とを含む(図7参照)。記憶部310bには、宛先情報317として、複数のカードID110と、複数の宛先とを対応付けて記憶されている。
依頼内容解析部321は、カードリーダ200bから受信したデータの中から、カードID110と機器ID221とともに、発話情報を解析によって抽出する。
依頼内容転送部323は、依頼内容解析部321による解析結果に基づいて、確認者が利用するサービス種別に対応する事業者サーバ400へ、発話情報を送信する指示を転送する。より具体的には、依頼内容転送部323は、依頼内容解析部321が抽出したカードID110に対応する確認者の宛先(つまり、確認者が利用するサービス種別と確認者の通知先と)を宛先情報317から特定する。依頼内容転送部323はさらに、機器ID221に対応するカードリーダ200bの配布先である利用者を利用者情報311から特定する。そして、依頼内容転送部323は、特定したサービス種別に対応する事業者サーバ400に、特定した確認者の通知先、特定した利用者の連絡先に関する情報、および発話情報を送信する。
事業者サーバ400は、確認者の通知先に対して利用者の連絡先に関する情報および発話情報を送信するサーバである。制御部410は、管理サーバ300から発話情報を送信する指示を受信すると、利用者の連絡先に関する情報および発話情報を確認者の通知先に送信する。例えば、事業者サーバ400が通信会社のメールサーバである場合、制御部410は、確認者の所有する端末に対して、利用者の連絡先に関する情報および発話情報を提示するメールを送信する。
本実施形態に係る管理サーバ300bにて管理する情報の構成例について、図7を用いて説明する。図7は、管理サーバ300bにおいて記憶部に格納されている宛先情報317の構成例を示す模式図である。
宛先情報317は、「利用者ID」、「カードID」、および「確認者の宛先」の3つの項目を備えており、「確認者の宛先」はさらに「サービス種別」および「通知先」という2項目に細分化される。サービス提供システム1bの利用者を一意に識別する「利用者ID」に対して、当該利用者に配られた複数のサービスカード100に対応する複数の「カードID」が設定される。「確認者の宛先」は、利用者の発話情報を送信する宛先である。「サービス種別」は、確認者が利用者の発話情報を受信するために利用するサービス種別である。「通知先」は、事業者サーバ400に登録されている確認者の通知先である。宛先情報317により、「カードID」と「確認者の宛先」とが対応付けられており、カードID110は宛先識別子として機能する。
図7に示すように、サービス種別は、例えば、電子メール、メッセージアプリ、またはショートメールなどである。サービス種別が電子メールである場合、確認者の通知先としてメールアドレスが宛先情報317に記憶される。サービス種別がメッセージアプリである場合、確認者の通知先としてアカウントが宛先情報317に記憶される。サービス種別がショートメールである場合、確認者の通知先として電話番号が宛先情報317に記憶される。
このようにして、カードリーダ200bは、利用者の発話を示す発話情報をサービスカード100のカードID110に対応する宛先へ送信することができる。つまり、サービスカード100の読み取り、および操作ボタンの押下(操作部の操作)といった簡便な方法により、利用者は、複数の宛先の中から特定の宛先に発話情報を送信することができる。利用者は、宛先に対応したサービスカード100(宛先識別物体)を選択することにより、宛先を指定することができる。また、利用者は、シンプルな操作で送信指示と録音期間の指定の両方を行うことができ、利用者にとって理解しやすい。また、確認者は、自身が所望するサービス種別を利用して利用者の発話を示す発話情報を受信することができる。
(サービス識別物体)
ここでは、サービス識別子を有するサービス識別物体として、カード(サービスカード)を例に挙げて説明したが、サービス識別物体の形態はこれに限らない。サービス識別子を有する物体であれば、直方体、球体、コイン型の物体、環状の物体、またはキーホルダー等、任意の物体をサービス識別物体として利用できる。サービス識別物体は、無線タグ、磁気読み取り可能なコード、または光学読み取り可能なコード等の任意の形態で、サービス識別子を保持する。
なお、サービス識別物体は、サービス識別子と、利用者IDとを有していてもよい。この場合、該サービス識別物体は、該利用者専用のものとして発行される。カードリーダ200、200bは、サービス識別物体から、サービス識別子と、利用者IDとを読み取り、サービス識別子と、利用者IDとを管理サーバ300、300aに送信してもよい。管理サーバ300、300aは、機器IDの代わりに受信した利用者IDを使用して、上述の処理を行ってもよい。
〔ソフトウェアによる実現例〕
カードリーダ200、200b、管理サーバ300、300a、300b、および事業者サーバ400、400aの制御ブロック(特に制御部230、230b、320、320a、410、カード読取部231、サービス依頼部233、出力制御部235、発話取得部239、操作入力部237、依頼内容解析部321、依頼内容転送部323、結果取得部324、履歴登録部325、情報通知部327、判断部328、学習部330、第1促進通知部329、依頼提示部411、結果通知部413、第2促進通知部415)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、カードリーダ200、200b、管理サーバ300、300a、300b、および事業者サーバ400、400aは、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、前記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、前記コンピュータにおいて、前記プロセッサが前記プログラムを前記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。前記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。前記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、前記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、前記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して前記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、前記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るサービス提供システムは、利用者に、複数のサービス事業者のサービスを提供するサービス提供システムであって、前記利用者に配られる識別子リーダであって、利用者が有する複数のサービス識別物体から、該サービス識別物体のサービス識別子を読み取る識別子リーダと、管理サーバと、を含み、前記管理サーバは、前記識別子リーダから、読み取られた前記サービス識別子と、前記利用者の利用者識別子とを受信する受信部と、複数の前記利用者の連絡先と、複数の前記利用者の利用者識別子とを対応付けて記憶し、かつ、複数の前記サービス識別子と、前記複数のサービス事業者とを対応付けて記憶している記憶部と、前記識別子リーダから受信した前記利用者識別子に対応する前記利用者の連絡先を、前記識別子リーダから受信した前記サービス識別子に対応する前記サービス事業者の事業者サーバに送信する送信部とを備える構成である。
前記の構成によれば、利用者が複数のサービス識別物体から選択した特定のサービス識別物体のサービス識別子を識別子リーダに読み取らせると、該サービス識別子に対応するサービス事業者の事業者サーバに該利用者の連絡先が送信される。これにより、利用者は特定のサービス識別物体のサービス識別子に対応するサービス事業者から連絡を受け、該サービス事業者からサービスの提供を受けることができる。これにより、例えばパソコンやスマートフォンのような汎用の情報通信端末を用いてサービスの提供を所望するサービス事業者を選択する場合と比較して、選択したサービス識別物体を識別子リーダに読み取らせるだけでサービス事業者からサービスを受けることができる。
また、管理サーバにて利用者およびサービス事業者の連絡先を一元管理しているため、利用者は個々のサービス事業者と個別に契約する必要がない。そのため、例えば新たに入手したサービス識別物体を識別子リーダに読み込ませるだけで、利用者は該サービス識別物体に対応するサービス事業者から新たにサービスを受けることができる。
そして、サービス事業者はサービス提供システムに参加するには、管理サーバに連絡先を登録する必要がある。そのため、例えば管理サーバの運用会社はサービス提供システムに参加するサービス事業者を選定することによって利用者が安心してシステムを利用できる環境を整え、該システムのブランドイメージを向上させることができる。したがって、情報通信端末の操作に不慣れな人であっても、サービス事業者から情報通信端末を用いた場合と同等のサービスの提供を受けることができる、利便性に優れたサービス提供システムを実現することができるという効果を奏する。
本発明の態様2に係るサービス提供システムは、上記の態様1において、前記利用者の連絡先は、前記利用者の電話番号を含む構成としてもよい。
前記の構成によれば、利用者はサービス識別物体のサービス識別子を識別子リーダに読み取らせることにより、対応するサービス事業者から電話による連絡およびサービスの提供を受けることができる。
本発明の態様3に係るサービス提供システムは、上記の態様2において、前記送信部は、前記事業者サーバに、前記利用者の連絡先に電話を掛けるよう通知する構成としてもよい。
前記の構成によれば、サービス事業者は事業者サーバが管理サーバから受信した通知に基づいて、利用者に電話を掛けることができる。これにより、事業者サーバは自身が利用者の連絡先を保持する必要がないので、該事業者サーバに掛かるコストを抑制することができる。
本発明の態様4に係るサービス提供システムは、上記の態様1から3のいずれかにおいて、前記記憶部は、前記利用者の個人情報を記憶しており、前記管理サーバは、前記事業者サーバから事業者通知情報と通知条件とを受信し、かつ、前記通知条件を満たす前記利用者の前記識別子リーダに前記事業者通知情報を送信する情報通知部を備え、前記識別子リーダは、前記事業者通知情報を音声出力または表示する構成としてもよい。
本発明の態様5に係るサービス提供システムは、上記の態様1から4のいずれかにおいて、前記記憶部は、前記複数のサービス事業者と、前記サービス提供システムを用いてサービスを提供する場合に該複数のサービス事業者が支払う金額に関する情報とを対応付けてさらに記憶している構成としてもよい。
前記の構成によれば、サービス事業者がサービス提供システムを用いてサービスを提供する場合、サービス事業者は記憶部に記憶されている情報に基づいて所定の金額を支払う。
本発明の態様6に係るサービス提供システムは、上記の態様1から5のいずれかにおいて、前記記憶部は、前記サービス識別物体の前記サービス識別子を読み取った日時、前記事業者サーバが前記管理サーバから前記利用者に対するサービスの提供依頼を受信した日時、前記サービス事業者がサービスを提供した日時、または、サービスの提供の進捗状況に関する情報をさらに記憶している構成としてもよい。
前記の構成によれば、サービス提供システムによるサービスの提供に関する履歴を管理サーバに蓄積することができる。これにより、例えば利用者ごとの傾向等を分析し、サービス提供システムの運用に活用することができる。
本発明の態様7に係るサービス提供システムは、上記の態様1から6のいずれかにおいて、前記識別子リーダは、前記利用者固有の個人識別子物体から利用者識別子を読み取ったタイミングでまたは所定の時刻に、前記管理サーバから受信した個人通知情報を音声出力するまたは表示する構成としてもよい。
本発明の態様8に係る管理サーバは、利用者に、複数のサービス事業者のサービスを提供するための管理サーバであって、利用者が有する複数のサービス識別物体から該サービス識別物体のサービス識別子を読み取る識別子リーダから、読み取られた前記サービス識別子と、前記利用者の利用者識別子とを受信する受信部と、複数の前記利用者の連絡先と、複数の前記利用者の利用者識別子とを対応付けて記憶し、かつ、複数の前記サービス識別子と、前記複数のサービス事業者とを対応付けて記憶している記憶部と、前記識別子リーダから受信した前記利用者識別子に対応する前記利用者の連絡先を、前記識別子リーダから受信した前記サービス識別子に対応する前記サービス事業者の事業者サーバに送信する送信部とを備える構成である。
本発明の態様9に係る管理サーバは、上記の態様8において、前記利用者による前記サービス識別物体を用いたサービスの依頼の履歴または前記サービス事業者による前記利用者へのサービスの提供の履歴を含むサービス履歴を、前記利用者の利用者識別子と対応付けて前記記憶部に記憶させる履歴登録部と、前記サービス履歴に基づいて、前記利用者の健康状態の確認要否を判断する判断部とを備える構成としてもよい。
本発明の態様10に係る管理サーバは、上記の態様9において、健康状態の確認要と判断された場合、前記利用者の健康状態の確認を促す通知をする促進通知部を備える構成としてもよい。
本発明の態様11に係る管理サーバは、上記の態様9または10において、前記判断部は、第1期間における前記サービスの利用頻度を、前記第1期間より過去の第2期間における前記サービスの利用頻度と比較することで、前記利用者の健康状態の確認要否を判断する構成としてもよい。
本発明の態様12に係る管理サーバは、上記の態様9または10において、前記判断部は、第1期間における前記サービスの利用間隔を、前記第1期間より過去の第2期間における前記サービスの利用間隔と比較することで、前記利用者の健康状態の確認要否を判断する構成としてもよい。
本発明の態様13に係る管理サーバは、上記の態様9または10において、前記利用者の健康状態を確認した確認者から、前記利用者の健康状態を示す確認結果を取得する結果取得部を備え、前記判断部は、前記サービス履歴を入力とし、前記確認結果を出力として、学習を行う学習部を備え、前記判断部は、前記サービス履歴を用いて前記学習部から得られる前記利用者の健康状態の推定結果に基づき、前記利用者の健康状態の確認要否を判断する構成としてもよい。
本発明の態様14に係る識別子リーダは、利用者が有する宛先識別物体から、宛先に対応する宛先識別子を読み取る読取部と、利用者の発話を取得する発話取得部と、前記宛先に、取得した前記発話を示す発話情報を送信する指示を管理サーバに送信するリーダ送信部とを備える構成である。
本発明の態様15に係る識別子リーダは、上記の態様14において、前記リーダ送信部は、前記指示として、前記宛先識別子と前記発話情報とを対応付けて前記管理サーバに送信する構成としてもよい。
本発明の態様16に係る識別子リーダは、上記の態様14または15において、利用者の操作を受け付ける操作部を備え、前記操作部が操作されると、前記読取部による前記宛先識別子の読み取りと、前記発話取得部による前記利用者の前記発話の取得との両方を行う構成としてもよい。
本発明の態様17に係る識別子リーダは、上記の態様16において、前記操作部が操作されている間、前記発話取得部による前記利用者の前記発話の取得を行う構成としてもよい。
本発明の態様18に係る管理サーバは、利用者が有する宛先識別物体から宛先に対応する宛先識別子を読み取る識別子リーダから、読み取られた前記宛先識別子と利用者の発話を示す発話情報とを受信する受信部と、前記宛先識別子と、前記宛先とを対応付けて記憶している記憶部と、前記識別子リーダから受信した前記発話情報を、前記識別子リーダから受信した前記宛先識別子に対応する前記宛先に送信する送信部とを備える構成である。
本発明は前述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。