JP7339878B2 - 原子力発電プラント - Google Patents

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Description

本発明は、原子炉と、原子炉を格納する原子炉格納容器を備えた原子力発電プラントに関する。
原子力発電所の設計では、炉心損傷を伴うような事故(シビアアクシデント)が発生した場合においても、設計した安全対策設備によって格納容器の破損を防止し、放射性物質が環境へ大規模に放出しないことを解析によって確認している。
この格納容器破損防止に関する有効性評価では、格納容器の過温・過圧破損を防止するために、代替循環冷却系(循環冷却シナリオ)または格納容器圧力逃がし装置(ベントシナリオ)を用いて格納容器除熱を行い、プラントの安定状態を達成している。
ベントシナリオでは、特許文献1に示されているようなベント設備によって、格納容器内のガスを外部に放出し、格納容器の過温・過圧破損を回避する。
循環冷却シナリオでは、特許文献2の図1に示すような原子炉補機冷却系が使用できない場合に、特許文献2の図3に示されているような代替の熱交換器(代替Hx.)をラインナップして構成される代替循環冷却系によって、ウェットウェルからの抽水を熱交換器で除熱する。その後、再び原子炉または原子炉格納容器に注水し、原子炉格納容器の過温・過圧破損を回避する。
特開平9-197085号公報 特開2017-67725号公報
しかしながら、ベントシナリオで想定しているマネジメントでは、ベント開始を可能な限り遅らせるために、外部水源による格納容器へのスプレイを長期に渡って実施しており、ベント実施時にはウェットウェル内の真空破壊弁が水没した状態になる可能性がある。
このとき、深層防護の観点で、仮にウェットウェルベントに失敗しドライウェルベントを実施することを想定した場合、ウェットウェル気相部はドライウェルから隔離された状態となるため、水の放射線分解によって蓄積する可燃性ガスである水素及び酸素を外部に放出することができず、局所的な水素燃焼の発生が懸念される。
また、循環冷却シナリオでは、原子炉格納容器の除熱には成功するが、可燃性ガス濃度制御系が使用できないため、可燃性ガス濃度を制御するために非凝縮性ガスである窒素を注入して、可燃性ガス濃度を希釈させることになる。このため、事故が長期に及ぶと、注入した窒素は非凝縮性ガスであるため、格納容器圧力が徐々に上昇し、最終的にはウェットウェルベントを実施することになる。したがって、真空破壊弁の水没後に代替循環冷却系を起動している場合には、ベントシナリオと同様に、ウェットウェルにおける水素燃焼の発生が懸念される。
本発明は、長期に及ぶシビアアクシデントにおいて、原子炉格納容器内に局所的に蓄積する可燃性ガスを処理することができ、格納容器雰囲気を可燃限界以下に制御することを可能とする原子力発電プラントを提供するものである。
また、本発明の上記の目的及びその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって、明らかにする。
本発明の原子力発電プラントは、原子炉と、原子炉を格納する原子炉格納容器と、を備え、原子炉格納容器のウェットウェル内における水素の燃焼を防止するための水素燃焼防止設備をさらに備える。
そして、水素燃焼防止設備は、原子炉格納容器のウェットウェルとドライウェルとの間で気体を通過させるように構成された連通管を有する、可燃性ガス濃度制御系を備える。
第1の本発明の原子力プラントは、さらに、可燃性ガス濃度制御系が、ドライウェルから吸気する吸込み配管と、吸気した水素を再結合させる再結合器と、再結合した水をウェットウェルに排水する戻り配管と、吸込み配管と戻り配管を接続するドレンラインとを有し、連通管は、ドレンラインによって構成されている。
第2の本発明の原子力プラントは、さらに、可燃性ガス濃度制御系が、ドライウェルから吸気する吸込み配管と、吸気した水素を再結合させる再結合器と、再結合した水をウェットウェルに排水する戻り配管とを有し、連通管は、吸込み配管と戻り配管を再結合器に対して並列に接続するバイパス配管によって構成されている。
第3の本発明の原子力プラントは、さらに、可燃性ガス濃度制御系が、ドライウェルから吸気する吸込み配管と、吸気した水素を再結合させる再結合器と、再結合した水をウェットウェルに排水する戻り配管とを有し、連通管は、ドライウェルとウェットウェルとを直接接続する配管によって構成されている。
上述のそれぞれの本発明によれば、原子炉格納容器のウェットウェル内における水素の燃焼を防止するための水素燃焼防止設備を備えている。
これにより、シビアアクシデント発生時において、外部水源を用いた原子炉注水や原子炉格納容器へのスプレイによって真空破壊弁が水没し、且つ、その後のウェットウェルベントに失敗してしまった場合においても、水素燃焼防止設備によって、ウェットウェルに局所的に蓄積した可燃性ガスを適切に処理することができる。そして、併せてドライウェルベントを実施することで、原子炉格納容器の破損を防止することが可能となる。
また、真空破壊弁の水没後に原子炉補機冷却系が復旧できた場合、原子炉格納容器の圧力を低下させた上で、(ドライウェルの可燃性ガス濃度を制御する)可燃性ガス濃度制御系を用いれば、ドライウェル及びウェットウェルの可燃性ガスを処理することができる。
これにより、長期のシナリオにおいて窒素を注入する必要がなく、ベントを実施せずにプラントを静定させることが可能となる。
なお、上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
可燃性ガス濃度制御系が設置された原子力発電プラントの概略構造図である。 実施例1の原子力発電プラントの概略構成図である。 実施例2の原子力発電プラントの概略構成図である。 実施例3の原子力発電プラントの概略構成図である。 図4の構成において、他の可燃性ガス濃度制御系も図示した概略構成図である。 実施例4の原子力発電プラントの概略構成図である。 実施例5の原子力発電プラントの概略構成図である。
以下、本発明に係る実施の形態及び実施例について、文章もしくは図面を用いて説明する。ただし、本発明に示す構造、材料、その他具体的な各種の構成等は、ここで取り上げた実施の形態及び実施例に限定されることはなく、要旨を変更しない範囲で適宜組み合わせや改良が可能である。また、本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
前述した課題を解決するために、本発明の原子力発電プラントでは、従来の可燃性ガス濃度制御系を改造する、或いは新規の構成を追加することで、ウェットウェルに局所的に蓄積する可燃性ガスを処理する水素燃焼防止設備を構成する。
水素燃焼防止設備の構成としては、ウェットウェルとドライウェルとの間で気体を通過させるように構成された連通管、ウェットウェルを吸気先及び排気先とする可燃性ガス濃度制御系、ウェットウェル内に配置した静的触媒型水素再結合器、が挙げられる。
本発明の原子力発電プラントは、原子炉と、原子炉を格納する原子炉格納容器と、原子炉と、原子炉を格納する原子炉格納容器と、を備え、原子炉格納容器のウェットウェル内における水素の燃焼を防止するための水素燃焼防止設備をさらに備える。
そして、本発明の一の原子力発電プラントは、水素燃焼防止設備を、原子炉格納容器のウェットウェルとドライウェルとの間で気体を通過させるように構成された連通管を備える、または、水素を再結合させる再結合器を有し、ウェットウェルから吸気してウェットウェルに排気する、可燃性ガス濃度制御系を備える構成とする。
また、本発明の他の原子力発電プラントは、水素燃焼防止設備を、ウェットウェルの気相部の上部に配置された静的触媒型水素再結合器で構成する。
上記の一の原子力発電プラントにおいて、さらに、ドライウェルから吸気する吸込み配管と、吸気した水素を再結合させる再結合器と、再結合した水をウェットウェルに排水する戻り配管と、吸込み配管と戻り配管を接続するドレンラインとを有する、可燃性ガス濃度制御系を備え、ドレンラインを上記の連通管とした構成とすることができる。
上記の一の原子力発電プラントにおいて、さらに、ドライウェルから吸気する吸込み配管と、吸気した水素を再結合させる再結合器と、再結合した水をウェットウェルに排水する戻り配管とを有する、可燃性ガス濃度制御系を備え、吸込み配管と戻り配管を再結合器に対して並列に接続するバイパス配管を上記の連通管とした構成とすることができる。
上記の一の原子力発電プラントにおいて、さらに、ドライウェルから吸気する吸込み配管と、吸気した水素を再結合させる再結合器と、再結合した水をウェットウェルに排水する戻り配管とを有する、可燃性ガス濃度制御系を備え、ドライウェルとウェットウェルとを直接接続する配管を上記の連通管とした構成とすることができる。
この構成において、さらに、連通管の配管は、ウェットウェルと接続する位置が、真空破壊弁の設置位置及び可燃性ガス濃度制御系の戻り配管の接続位置よりも高い位置である構成とすることができる。
上記の各原子力発電プラントにおいて、水素燃焼防止設備は、原子炉格納容器のウェットウェル内における水素の燃焼を防止するためのものである。
水素燃焼防止設備は、ウェットウェル内における水素の燃焼を防止するために、ウェットウェルと接続された配管を介して、もしくはその配管自体であって、原子炉格納容器の外に、あるいは、ウェットウェル内に、設けられる。
水素燃焼防止設備は、以下に挙げる構成とすることができる。
(1)可燃性ガス濃度制御系のドレンライン
(2)可燃性ガス濃度制御系の吸込み配管と戻り配管を、再結合器に対して並列に接続するバイパス配管
(3)ドライウェルとウェットウェルとを直接接続する配管
(4)再結合器を有し、ウェットウェルから吸気してウェットウェルに排気する可燃性ガス濃度制御系
(5)ウェットウェルの気相部の上部に配置された静的触媒型水素再結合器
可燃性ガス濃度制御系は、原子炉格納容器のドライウェルに接続された吸込み配管、可燃性ガスを再結合させて除去する再結合器、原子炉格納容器のウェットウェルに接続された戻り配管、ガス中の水を排出するためのドレンライン、等を有する。
可燃性ガス濃度制御系は、1つの原子炉格納容器に対して、通常二系統設けられる。
上記の(1)~(2)のように、可燃性ガス濃度制御系において水素燃焼防止設備を構成する場合には、二系統のうちの一方の系統の可燃性ガス濃度制御系において水素燃焼防止設備を構成し、他方の系統の可燃性ガス濃度制御系は、通常の可燃性ガス濃度制御系として使用する。
上記の(3)の直接接続する配管は、可燃性ガス濃度制御系とは別に設けられることになる。そのため、(3)では、二系統の可燃性ガス濃度制御系をいずれも通常の可燃性ガス濃度制御系として使用することができる。
上記の(4)では、水素燃焼防止設備専用の可燃性ガス濃度制御系を構成することになる。そのため、二系統のうちの一方の系統の可燃性ガス濃度制御系によって水素燃焼防止設備を構成し、他方の系統の可燃性ガス濃度制御系は、通常の可燃性ガス濃度制御系として使用する。
上記の(5)において、ウェットウェルの気相部の上部に配置する静的触媒型水素再結合器としては、従来公知の静的触媒型水素再結合器を用いることができる。
上記の各構成の原子力発電プラントによれば、原子炉格納容器のウェットウェル内における水素の燃焼を防止するための水素燃焼防止設備を備えている。これにより、シビアアクシデント発生時において、外部水源を用いた原子炉注水や原子炉格納容器へのスプレイによって真空破壊弁が水没し、且つ、その後のウェットウェルベントに失敗してしまった場合においても、水素燃焼防止設備によって、ウェットウェルに局所的に蓄積した可燃性ガスを適切に処理することができる。
そして、併せてドライウェルベントを実施することで、原子炉格納容器の破損を防止することが可能となる。
また、真空破壊弁の水没後に原子炉補機冷却系が復旧できた場合、原子炉格納容器の圧力を低下させた上で、可燃性ガス濃度制御系を用いれば、ドライウェル及びウェットウェルの可燃性ガスを処理することができる。
これにより、長期のシナリオにおいて窒素を注入する必要がなく、ベントを実施せずにプラントを静定させることが可能となる。
上記の(3)のドライウェルとウェットウェルとを直接接続する配管によって、水素燃焼防止設備を構成した場合には、可燃性ガス濃度制御系の各構成を水素燃焼防止設備に使用する必要がない。
この(3)において、さらに、配管(連通管)のウェットウェルと接続する位置が、真空破壊弁の設置位置及び可燃性ガス濃度制御系の戻り配管の接続位置よりも高い位置である構成としたときには、仮にウェットウェル内の水プールの水位が、事故時に講じられたマネジメントにより、可燃性ガス濃度制御系の戻り配管の接続位置より高くなった場合でも、連通管は冠水しないようにして、局所的な水素爆発を防止することができる。
上記の(4)の再結合器を有し、ウェットウェルから吸気してウェットウェルに排気する可燃性ガス濃度制御系によって、水素燃焼防止設備を構成した場合には、この水素燃焼防止設備用の可燃性ガス濃度制御系によってウェットウェルの可燃性ガスを処理できる。そして、これとは別に設けられた通常の可燃性ガス濃度制御系によって、ドライウェルの可燃性ガスガスを処理できる。
上記の(5)のウェットウェルの気相部の上部に配置された静的触媒型水素再結合器で水素燃焼防止設備を構成したときには、ウェットウェルとドライウェルとの間で気体を通過させるように構成された連通管を敷設しなくても、ウェットウェルに蓄積した可燃性ガスを処理し、局所的な水素爆発を防止することができる。
本発明の実施例を適用する原子力発電プラントの構成として、可燃性ガス濃度制御系が設置された原子力発電プラントの概略構造図を、図1に示す。
図1に示す原子力発電プラントは、原子炉格納容器12内に、炉心10を内包する原子炉圧力容器11が収容されている。
原子炉圧力容器11は、ペデスタル16及び原子炉圧力容器支持スカート17によって支持されている。
原子炉格納容器12は、原子炉圧力容器11が配置されているドライウェル13、及び水プールが存在するウェットウェル14によって、構成される。これらドライウェル13とウェットウェル14は、ベント管15によって空間的に接続されている。
また、ベント管15のウェットウェル14側の端部には、ドライウェル13及びウェットウェル14の差圧を制御するために、真空破壊弁18が設置されている。
原子炉格納容器12には、原子炉格納容器12内の雰囲気の過圧及び過温を防止するために、ウェットウェル14に接続されているウェットウェルベント管19と、ドライウェル13に接続されているドライウェルベント管20の、二系統のベント設備が設置されている。
また、原子炉格納容器12の右方に、水素や酸素等の可燃性ガスの濃度を制御するための、可燃性ガス濃度制御系21が設けられている。
可燃性ガス濃度制御系21は、送風機215、ヒーター216、再結合器217、冷却器218、気水分離器219を備えており、配管によって送風機215から気水分離器219までの順に接続されている。
可燃性ガス濃度制御系21は、さらに、ドライウェル13に接続された吸込み配管211と、ウェットウェル14に接続された戻り配管212と、送風機215よりも手前で吸い込み配管211と戻り配管212とを短絡するドレンライン213を備えている。
ドレンライン213の下端部(戻り配管212との接続部付近)は、U字形状に屈曲した、U字シール部214となっている。
可燃性ガス濃度制御系21の配管には、動作を制御するための電動弁26,27が設置されている。電動弁26は、吸込み配管211に設置されている。電動弁27は、送風機215の手前と気水分離器219を短絡する配管に設置されている。
原子炉格納容器12を貫通する配管には、それぞれに隔離弁22,23,24,25が設置されている。隔離弁22は、ドライウェルベントライン20に設置されている。隔離弁23は、ウェットウェルベントライン19に設置されている。隔離弁24は、吸込み配管211に設置されている。隔離弁25は、戻り配管212に設置されている。
ここで、図1に示す原子力発電プラントにおいて、配管の破断等の事故が発生したときの動作を、以下に説明する。
原子炉圧力容器11に接続された配管の破断等の事故が発生したときに、ドライウェル13内の圧力が上昇した場合には、ドライウェル13内の蒸気を、ベント管15を通じて、ウェットウェル14内の水プールに放出して凝縮し、圧力上昇を抑制する。
可燃性ガス濃度制御系21は、ドライウェル13内の可燃性ガス濃度の上昇を検知すると、ドライウェル13に接続している吸込み配管211からガスを吸気する。吸気されたガスは、送風機215を経由してヒーター216によって再結合に適した条件まで加熱された後、再結合器217によってガス内の水素及び酸素は水に再結合される。ここで、ドライウェル13から再結合器217までのガスの動きを、矢印Gで示す。
再結合器217において再結合した水は、冷却器218で冷却され、気水分離器219を通過した後、戻り配管212よりウェットウェル14に排水される。
また、吸込み配管211から吸気したガスに含まれる水、もしくは、吸込み配管211内を流動中に生成される水は、矢印Wに示すように、ドレンライン213を流動してU字シール部214を通過し、戻り配管212に排水される。
なお、図1に示す可燃性ガス濃度制御系21は、二系統ある可燃性ガス濃度制御系の内の一系統を代表して図示している。図1に示す原子力発電プラントは、実際には、後述する図5や図6の構成のように、二系統の可燃性ガス濃度制御系を備えている。
図1では、ウェットウェルベントライン19やドライウェルベントライン20を見やすくするために、これらのベントライン19,20と同じ図中左側にある、別の系統の可燃性ガス濃度制御系の図示を省略している。
図1に示す原子力発電プラントでは、原子炉格納容器12内へのスプレイを続けることによって真空破壊弁18が水没したときに、ウェットウェルベントに失敗すると、ウェットウェル14の気相部がドライウェル13から隔離される。そのため、ウェットウェル14の気相部の可燃性ガスを原子炉格納容器12の外部に放出することができず、局所的な水素燃焼の発生が懸念される。
そこで、本発明の原子力発電プラントの実施例では、上述した局所的な水素燃焼の発生を防止するため、図1に示した原子力発電プラントに、本発明に係る水素燃焼防止設備を適用する。
以下、本発明の原子力発電プラントの実施例を、図面と共に説明する。
以下の実施例では、図1に示した原子力発電プラントに、本発明に係る水素燃焼防止設備を適用して、図1に示した原子力発電プラントの構成に対して、一部の構成の変更、もしくは、新たな構成の追加を行っている。
(実施例1)
実施例1の原子力発電プラントの概略構成図を、図2に示す。
本実施例の原子力発電プラントは、図2に示すように、図1に示した原子力発電プラントの可燃性ガス濃度制御系21に対して、再結合器217側のループ(送風機215~気水分離器219)を隔離するために、電動弁28,29を追設している。
電動弁28は、吸込み配管211のうち、ドレンライン213への接続部と、弁27の配管への接続部との間に、設置されている。
電動弁29は、戻り配管212のうち、ドレンライン213への接続部と、気水分離器219との間に、設置されている。
本実施例では、戻り配管212とドレンライン213と吸込み配管211と電動弁28,29によって、本発明に係る水素燃焼防止設備を構成する。
そして、電動弁28及び電動弁29を閉じることによって、戻り配管212とドレンライン213と吸込み配管211を、水素燃焼防止設備として機能させる。
その他の構成は、図1に示した原子力発電プラントと同様であるので、同一符号を付して、重複説明を省略する。
本実施例の原子力発電プラントにおける、水素燃焼防止設備は、以下に説明するように動作する。
シビアアクシデント発生時、長時間に渡って格納容器スプレイを起動していると、ウェットウェル14に水がたまっていって、真空破壊弁18が水没する可能性がある。
さらに、ウェットウェルベントに失敗する場合を想定すると、ウェットウェル14の気相部は物理的に孤立した状況となり、水の放射線分解によって水素及び酸素が徐々に蓄積していく。
このとき、電動弁28及び電動弁29を閉状態として、可燃性ガス濃度制御系21の再結合器217側のループ(送風機215~気水分離器219)を隔離する。また、可燃性ガス濃度制御系21の隔離弁24,25及び制御用の電動弁26を開状態(図2では弁を白抜きにしている。以下の図でも同様。)とする。これにより、可燃性ガス濃度制御系21のドレンライン213によってドライウェル13とウェットウェル14とが連通するので、ウェットウェル14の孤立状態を解消できる。
この状況でドライウェルベントを実施すると、ドライウェル13とウェットウェル14に圧力差が生まれ、この圧力差を駆動力として、ウェットウェル14に蓄積した可燃性ガスをドライウェル13に放出し、最終的にはドライウェルベントライン20を介して環境に放出することで、局所的な水素爆発を防止することができる。
このときのウェットウェル14に蓄積した可燃性ガスの移動を、図2の矢印Gで示す。矢印Gで示すように、ウェットウェル14に蓄積した可燃性ガスは、戻り配管212、U字シール部214、ドレンライン213、吸込み配管211を通じて、ドライウェル13に放出され、ドライウェルベントライン20を介して原子炉格納容器12の外に放出される。
本実施例によれば、ウェットウェル14に蓄積した可燃性ガスを、戻り配管212、U字シール部214、ドレンライン213、吸込み配管211を通じて、ドライウェル13に放出し、さらに、ドライウェルベントライン20を介して、原子炉格納容器12の外に放出することができる。
これにより、シビアアクシデント発生時において、外部水源を用いた原子炉注水や原子炉格納容器へのスプレイによって真空破壊弁18が水没し、且つ、その後のウェットウェルベントに失敗してしまった場合においても、ウェットウェル14に局所的に蓄積した可燃性ガスを適切に処理することができる。そして、併せてドライウェルベントを実施することで、原子炉格納容器12の破損を防止することが可能となる。
(実施例2)
実施例2の原子力発電プラントの概略構成図を、図3に示す。
本実施例の原子力発電プラントは、図3に示すように、図1に示した原子力発電プラントの可燃性ガス濃度制御系21に対して、吸込み配管211及び戻り配管212を接続するバイパスライン30を、ドレンライン213とは別に新規に敷設し、再結合器217側のループを隔離するための電動弁31及びバイパスライン30の開閉状態を制御するための電動弁32を追設している。
バイパスライン30は、ドレンライン213よりも原子炉格納容器12側で、吸込み配管211及び戻り配管212に接続されている。
電動弁31は、戻り配管212のうち、バイパスライン30への接続部と、ドレンライン213への接続部との間に、設置されている。
電動弁32は、バイパスライン30に設置されている。
本実施例では、戻り配管212とバイパスライン30と吸込み配管211と電動弁31,32によって、本発明に係る水素燃焼防止設備を構成する。
そして、電動弁31と吸い込み配管の電動弁26を閉じて、バイパスライン30の電動弁32を開けることにより、戻り配管212とバイパスライン30と吸込み配管211を、水素燃焼防止設備として機能させる。
その他の構成は、図1に示した原子力発電プラントと同様であるので、同一符号を付して、重複説明を省略する。
実施例1では、ドライウェル13及びウェットウェル14を接続する連通管として、可燃性ガス濃度制御系のドレンライン213を使用した。
これに対して、本実施例では、新規に敷設したバイパスライン30を使用して、ウェットウェル14に蓄積した可燃性ガスをドライウェル13に放出する。
実施例1では、ドライウェル13及びウェットウェル14を連通させるために、圧力差によって形成されたガス流れがU字部214に存在する水を押し出す必要があるが、本実施例ではその必要はなく、よりシンプルな構成となっている。
本実施例の原子力発電プラントにおける、水素燃焼防止設備は、以下に説明するように動作する。
シビアアクシデント発生時、格納容器スプレイにより真空破壊弁18が水没し、さらにウェットベントに失敗した場合に、電動弁26及び電動弁31を閉状態として、可燃性ガス濃度制御系21の再結合器217側のループ(送風機215~気水分離器219)を隔離する。そして、可燃性ガス濃度制御系21の隔離弁24,25及びバイパスライン30の電動弁32を開状態として、バイパスライン30によってドライウェル13とウェットウェル14を連通させて、ウェットウェル14の孤立状態を解消する。
この状況でドライウェルベントを実施すると、ドライウェル13とウェットウェル14に圧力差が生まれ、この圧力差を駆動力として、ウェットウェル14に蓄積した可燃性ガスをドライウェル13に放出し、最終的にはドライウェルベントライン20を介して環境に放出することで、局所的な水素爆発を防止することができる。
このときのウェットウェル14に蓄積した可燃性ガスの移動を、図3の矢印Gで示す。矢印Gで示すように、ウェットウェル14に蓄積した可燃性ガスは、戻り配管212、バイパスライン30、吸込み配管211を通じて、ドライウェル13に放出され、ドライウェルベントライン20を介して原子炉格納容器12の外に放出される。
本実施例によれば、ウェットウェル14に蓄積した可燃性ガスを、戻り配管212、バイパスライン30、吸込み配管211を通じて、ドライウェル13に放出し、さらに、ドライウェルベントライン20を介して、原子炉格納容器12の外に放出することができる。
これにより、シビアアクシデント発生時において、外部水源を用いた原子炉注水や原子炉格納容器へのスプレイによって真空破壊弁18が水没し、且つ、その後のウェットウェルベントに失敗してしまった場合においても、ウェットウェル14に局所的に蓄積した可燃性ガスを適切に処理することができる。そして、併せてドライウェルベントを実施することで、原子炉格納容器12の破損を防止することが可能となる。
(実施例3)
実施例3の原子力発電プラントの概略構成図を、図4に示す。
本実施例では、実施例1及び実施例2のように図1に示した可燃性ガス濃度制御系21を改造することはなく、図4に示すように、ドライウェル13及びウェットウェル14を接続する連通管33を新規に敷設し、連通管33上には隔離弁34、35を設置する。
隔離弁34は、連通管33のウェットウェル14側に設置されている。隔離弁35は、連通管34のドライウェル13側に配置されている。
本実施例では、連通管33と隔離弁34,35によって、本発明に係る水素燃焼防止設備を構成する。
そして、隔離弁34,35を開くことによって、連通管33を、水素燃焼防止設備として機能させる。
その他の構成は、図1に示した原子力発電プラントと同様であるので、同一符号を付して、重複説明を省略する。
本実施例の原子力発電プラントにおける、水素燃焼防止設備は、以下に説明するように動作する。
シビアアクシデント発生時、格納容器スプレイにより真空破壊弁18が水没し、さらにウェットベントに失敗した場合に、隔離弁34及び35を開状態として、連通管33によってドライウェル13とウェットウェル14を連通させて、ウェットウェル14の孤立状態を解消する。
この状況でドライウェルベントを実施すると、ドライウェル13とウェットウェル14に圧力差が生まれ、この圧力差を駆動力として、ウェットウェル14に蓄積した可燃性ガスをドライウェル13に放出し、最終的にはドライウェルベントライン20を介して環境に放出することで、局所的な水素爆発を防止することができる。
このときのウェットウェル14に蓄積した可燃性ガスの移動を、図4の矢印Gで示す。矢印Gで示すように、ウェットウェル14に蓄積した可燃性ガスは、連通管33を通じてドライウェル13に放出され、ドライウェルベントライン20を介して原子炉格納容器12の外に放出される。
なお、連通管33のウェットウェル14側の接続位置を、可燃性ガス濃度制御系21の戻り配管212の接続位置よりも十分に高くすれば、仮にウェットウェル14内の水プールの水位が、事故時に講じられたマネジメントにより、可燃性ガス濃度制御系の戻り配管212の接続位置より高くなり、実施例1及び実施例2の連通管を使用できない状況下になった場合でも、本実施例の連通管33は冠水せず、局所的な水素爆発を防止することができる。
本実施例によれば、ウェットウェル14に蓄積した可燃性ガスを、連通管33を通じて、ドライウェル13に放出し、さらに、ドライウェルベントライン20を介して、原子炉格納容器12の外に放出することができる。
これにより、シビアアクシデント発生時において、外部水源を用いた原子炉注水や原子炉格納容器へのスプレイによって真空破壊弁18が水没し、且つ、その後のウェットウェルベントに失敗してしまった場合においても、ウェットウェル14に局所的に蓄積した可燃性ガスを適切に処理することができる。そして、併せてドライウェルベントを実施することで、原子炉格納容器12の破損を防止することが可能となる。
ここで、実施例3の図4の構成において、他の可燃性ガス濃度制御系も図示した概略構成図を、図5に示す。
図5に示すように、左右に設置された二系統の可燃性ガス濃度制御系21A,21Bのうち、右の可燃性ガス濃度制御系21Aの近傍に、連通管33から成る水素燃焼防止設備を構成している。
左の可燃性ガス濃度制御系21Bは、図1に示した原子力発電プラントの可燃性ガス濃度制御系21の構成と同様の構成とする。
図5に示す構成では、左の可燃性ガス濃度制御系21Bは、本来の可燃性ガス濃度制御系の機能のために使用する。
一方、右の可燃性ガス濃度制御系21Aは、水素燃焼防止設備を構成する連通管33と独立した構成であるため、本来の可燃性ガス濃度制御系専用として使用しても、水素燃焼防止設備と本来の可燃性ガス濃度制御系を兼用しても、どちらも可能である。後者の水素燃焼防止設備を兼用する場合には、水素燃焼防止設備として、連通管33と右の可燃性ガス濃度制御系21Aとを状況によって使い分けることもできる。
これに対して、実施例1又は実施例2の構成を採用した場合には、二系統ある可燃性ガス濃度制御系21A,21Bのうち、左の可燃性ガス濃度制御系21Bを本来の可燃性ガス濃度制御系の機能のために使用し、右の可燃性ガス濃度制御系21Aを水素燃焼防止設備専用として使用する。
シビアアクシデント発生時、原子炉補機冷却系の復旧が期待できるシナリオでは、原子炉格納容器12からの除熱には成功するが、事故が長期に渡ると可燃性ガス濃度が上昇することから、非凝縮性ガスである窒素を注入することになる。窒素を注入することにより、格納容器圧力は徐々に上昇し、最終的にはウェットウェルベントを実施するマネジメントになっている。
実施例1乃至実施例3の各構成では、真空破壊弁18の水没後に原子炉補機冷却系が復旧した場合、図2のドレンライン213、図3のバイパスライン30、図3の連通管33によって、ウェットウェル14に蓄積した可燃性ガスをドライウェル13に放出する。
これにより、窒素注入が不要となり、ベントを実施することなく、プラントを静定させることができる。
(実施例4)
実施例4の原子力発電プラントの概略構成図を、図6に示す。
図6では、図5と同様に、二系統の可燃性ガス濃度制御系21A,21Bを、共に図示している。
本実施例では、二系統の可燃性ガス濃度制御系21A,21Bのうち、右の可燃性ガス濃度制御系21Aにおいて、ドライウェル13内の可燃性ガスを処理し、左の可燃性ガス濃度制御系21Bにおいて、ウェットウェル14内の可燃性ガスを処理する。
右の可燃性ガス濃度制御系21Aでは、再結合器217を通過後の流体内のガスを、戻り配管212からドライウェル13に放出するために敷設する戻り配管39と、戻り配管39の開閉状態を制御する電動弁40と、戻り配管39の隔離弁41を備えている。
この右の可燃性ガス濃度制御系21Aでは、ドライウェル13から吸い込配管211を通じて吸気し、吸気したガスを再結合器217で処理して、処理後のガスを戻り配管39を通じてドライウェル13に排気する。
左の可燃性ガス濃度制御系21Bでは、ウェットウェル14のガスをウェットウェルベントライン19から可燃性ガス濃度制御系21Bの吸込み配管211に放出するために敷設する吸込み配管36と、吸込み配管36の開閉状態を制御する電動弁37と、吸込み配管36の隔離弁38を備えている。
この左の可燃性ガス濃度制御系21Bでは、ウェットウェル14から吸い込配管36を通じて吸気し、吸気したガスを再結合器217で処理して、処理後のガスを戻り配管212を通じてウェットウェル14に排気する。
本実施例の原子力発電プラントにおける、水素燃焼防止設備は、以下に説明するように動作する。
右の可燃性ガス濃度制御系21Aでは、可燃性ガス濃度制御系21Aの隔離弁24,25と、動作を制御する電動弁26,27と、新規に追設した戻り配管39の開閉状態を制御する電動弁40及び隔離弁41を全て開状態とし、ドライウェル13と可燃性ガス濃度制御系21Aでガス流れに対して閉ループを構成する。
つまり、ドライウェル13で吸気したガスは、吸込み配管211を通過して、再結合器217側のループでガス内の可燃性ガスが再結合される。
そして、再結合した水のみが、戻り配管212を経由してウェットウェル14に放出され、可燃性ガスが除去されたガスは、図中の矢印G1で示すように、新規に敷設した戻り配管39を経由してドライウェル13に放出される。
左の可燃性ガス濃度制御系21Bでは、可燃性ガス濃度制御系21Bの隔離弁25と、動作を制御する電動弁27と、新規に敷設した吸込み配管36の開閉状態を制御する電動弁37及び隔離弁38を全て開状態とし、動作を制御する電動弁26を閉状態とし、ウェットウェル14と可燃性ガス濃度制御系21Bで閉ループを構成する。
つまり、ウェットウェル14で吸気したガスは、図中の矢印G2で示すように、吸込み配管36を通過して、再結合器217側のループに流入する。
そして、ガス内の可燃性ガスが再結合器217で再結合され、再結合した水及び可燃性ガスが除去されたガスは、戻り配管212を経由してウェットウェル14に放出される。
これらの動作により、真空破壊弁18が水没後に原子炉補機冷却系が復旧する場合、ドライウェル13及びウェットウェル14の雰囲気内の可燃性ガスを、それぞれの可燃性ガス濃度制御系21A,21Bで個別に処理することができる。
本実施例によれば、ウェットウェル14に蓄積した可燃性ガスを、吸込み配管36を通じて、左の可燃性ガス濃度制御系21Bに流し、左の可燃性ガス濃度制御系21Bの再結合器217で可燃性ガスが再結合される。さらに、再結合した水及び可燃性ガスが除去されたガスは、戻り配管212を経由してウェットウェル14に放出される。即ち、ウェットウェル14内の可燃性ガスを、左の可燃性ガス濃度制御系21Bで除去することができる。
これにより、シビアアクシデント発生時において、外部水源を用いた原子炉注水や原子炉格納容器へのスプレイによって真空破壊弁18が水没し、且つ、その後のウェットウェルベントに失敗してしまった場合においても、ウェットウェル14に局所的に蓄積した可燃性ガスを適切に処理することができる。
また、本実施例によれば、ドライウェル13及びウェットウェル14の雰囲気内の可燃性ガスを、それぞれの可燃性ガス濃度制御系21A,21Bで個別に処理することができる。
これにより、原子炉格納容器12内への窒素注入が不要となり、ベントの実施を回避することができる。
(実施例5)
実施例5の原子力発電プラントの概略構成図を、図7に示す。
実施例1乃至実施例4では、孤立したウェットウェル14の気相部に蓄積する可燃性ガスを連通する配管によってドライウェル13に放出し、ドライウェルベント20で環境に放出する、又は利用できる可燃性ガス濃度制御系で再結合させていた。
これらの実施例に対し、本実施例では、ウェットウェル14の上部に、静的触媒式水素再結合器42を設置して、この静的触媒式水素再結合器42によって水素燃焼防止設備を構成する。
静的触媒式水素再結合器42により、ウェットウェル14内の可燃性ガスを再結合させて、水と可燃性ガスを含まないガスにすることができる。
本実施例によれば、ウェットウェル14に蓄積した可燃性ガスを、静的触媒式水素再結合器42により処理して、水と可燃性ガスを含まないガスにすることができる。
これにより、シビアアクシデント発生時において、外部水源を用いた原子炉注水や原子炉格納容器へのスプレイによって真空破壊弁18が水没し、且つ、その後のウェットウェルベントに失敗してしまった場合においても、ウェットウェル14に局所的に蓄積した可燃性ガスを適切に処理することができる。
そして、静的触媒式水素再結合器42を設置することにより、ドライウェル13とウェットウェル14を連通させる配管を敷設しなくても、ウェットウェル14に蓄積した可燃性ガスを処理し、局所的な水素爆発を防止することができる。
また、ドライウェル13の雰囲気内の可燃性ガスは、図1に示した構成と同様にして、可燃性ガス濃度制御系21で処理することができる。
従って、ドライウェル13及びウェットウェル14の雰囲気内の可燃性ガスを、それぞれ可燃性ガス濃度制御系21と静的触媒式水素再結合器42で個別に処理することができる。
これにより、原子炉格納容器12内への窒素注入が不要となり、ベントの実施を回避することができる。
(変形例)
上述した各実施例では、配管に電動弁26,27,28,29,31,32,37,40を設けていたが、配管に設ける弁は電動弁には限定されず、動作上の問題がない範囲であれば、その他の弁(例えば、空気操作弁)で構成することも可能である。
なお、本発明は、上述した実施の形態および実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施の形態および実施例は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
10 炉心、11 原子炉圧力容器、12 原子炉格納容器、13 ドライウェル、14 ウェットウェル、15 ベント管、16 ペデスタル、17 原子炉圧力容器支持スカート、18 真空破壊弁、19 ウェットウェルベントライン、20 ドライウェルベントライン、21,21A,21B 可燃性ガス濃度制御系、22,23,24,25,34,35,38,41 隔離弁、26,27,28,29,31,32,37,40 電動弁、30 バイパスライン、33 連通管、36 吸込み配管,39 戻り配管、42 静的触媒式水素再結合器、211 吸込み配管、212 戻り配管、213 ドレンライン、214 U字シール部、215 送風機、216 ヒーター、217 再結合器、218 冷却器、219 気水分離器

Claims (4)

  1. 原子炉と、前記原子炉を格納する原子炉格納容器と、を備えた原子力発電プラントであって、
    前記原子炉格納容器のウェットウェル内における水素の燃焼を防止するための水素燃焼防止設備をさらに備え、
    前記水素燃焼防止設備は、前記原子炉格納容器の前記ウェットウェルとドライウェルとの間で気体を通過させるように構成された連通管と、前記ドライウェルから吸気する吸込み配管と、吸気した水素を再結合させる再結合器と、再結合した水を前記ウェットウェルに排水する戻り配管と、前記吸込み配管と前記戻り配管を接続するドレンラインとを有する、可燃性ガス濃度制御系を備え、前記連通管は、前記ドレンラインによって構成されている
    原子力発電プラント。
  2. 原子炉と、前記原子炉を格納する原子炉格納容器と、を備えた原子力発電プラントであって、
    前記原子炉格納容器のウェットウェル内における水素の燃焼を防止するための水素燃焼防止設備をさらに備え、
    前記水素燃焼防止設備は、前記原子炉格納容器の前記ウェットウェルとドライウェルとの間で気体を通過させるように構成された連通管と、前記ドライウェルから吸気する吸込み配管と、吸気した水素を再結合させる再結合器と、再結合した水を前記ウェットウェルに排水する戻り配管とを有する、可燃性ガス濃度制御系を備え、前記連通管は、前記吸込み配管と前記戻り配管を前記再結合器に対して並列に接続するバイパス配管によって構成されている
    原子力発電プラント。
  3. 原子炉と、前記原子炉を格納する原子炉格納容器と、を備えた原子力発電プラントであって、
    前記原子炉格納容器のウェットウェル内における水素の燃焼を防止するための水素燃焼防止設備をさらに備え、
    前記水素燃焼防止設備は、前記原子炉格納容器の前記ウェットウェルとドライウェルとの間で気体を通過させるように構成された連通管と、前記ドライウェルから吸気する吸込み配管と、吸気した水素を再結合させる再結合器と、再結合した水を前記ウェットウェルに排水する戻り配管とを有する、可燃性ガス濃度制御系を備え、前記連通管は、前記ドライウェルと前記ウェットウェルとを直接接続する配管によって構成されている
    原子力発電プラント。
  4. 前記連通管の前記配管は、前記ウェットウェルと接続する位置が、真空破壊弁の設置位置及び前記可燃性ガス濃度制御系の前記戻り配管の接続位置よりも高い位置である請求項3に記載の原子力発電プラント。
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