JP2021085716A - 水素処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】水素に対する耐性を高めつつ、事故に対する原子炉格納容器の耐性を維持させることを課題とする。【解決手段】原子炉格納容器1に備えられる水素処理システムZであって、導入された気体中に含まれる水蒸気を水として凝縮させる熱交換器12と、少なくとも原子炉格納容器1の外に設置され、水素及び水蒸気を選択的に外部へ排出させる水素排出器17と、を有し、熱交換器12の上流側は、ドライウェルガス引込管13によって、ドライウェル4と接続され、熱交換器12の下流側は、凝縮水排出管14によって、原子炉格納容器1の内部と接続されるとともに、第1の非凝縮性ガス排出管15aによって水素排出器17の上流側に接続され、水素排出器17の下流側は、第2の非凝縮性ガス排出管15bによって圧力抑制プール5bに接続され、第2の非凝縮性ガス排出管15bの出口端は、ベント管10の位置より高い位置に配置されることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、原子炉格納容器に備えられる水素処理システムの技術に関する。
極めて稀なケースではあるものの、主蒸気管破断事故等の冷却材喪失事故と、非常用炉心冷却系による原子炉圧力容器への注水機能が喪失する事態とが重畳することが生じ得る。このような事態が生じると、炉心に装荷された燃料(炉心燃料)から発生する崩壊熱によって冷却水が沸騰することで原子炉圧力容器内の水位が徐々に低下する。これにより、炉心燃料の一部が水面上に露出して冷却不全に陥る可能性がある。
炉心燃料が水面上に露出すると、炉心燃料の被覆管材のジルコニウムが高温水蒸気と反応(水-金属反応)し、ジルコニウムが酸化すると同時に水が還元されて水素が発生する。一般に水-金属反応は発熱反応のため、発熱によって水蒸気及び被覆管の温度が上昇することで水-金属反応速度及び水素発生量が増加する。
このような状況に陥っても、通常は可搬式注水設備等による原子炉圧力容器注水によって炉心燃料が除熱されて事故は収束する、しかし、万一、原子炉圧力容器への注水が行われずに、さらに事象が進展した場合、炉心燃料が破損もしくは溶融し、破損・溶融した炉心が原子炉圧力容器の下部プレナムに落下して堆積する。下部プレナムに堆積した炉心燃料への注水を行えない状況が、さらに継続すると、堆積した炉心燃料から放出される崩壊熱によって下部プレナム下方を支持する圧力バウンダリ(下部ヘッド)を破損する。その結果、炉心燃料が原子炉格納容器内に落下する。
原子炉圧力容器下方の原子炉格納容器床は一般にコンクリートでできている。そのため、落下した高温炉心燃料に含まれる金属(ジルコニウムや鉄)と、コンクリート中に含まれる水分とが水-金属反応を起こすことで水素が追加発生する。
沸騰水型軽水炉の場合、以上の機構によって原子炉圧力容器内もしくは原子炉格納容器内で発生した水素は、不活性ガス(窒素)で満たされた原子炉格納容器内に保持される。そのため、水素と酸素の反応(水素燃焼)は発生しないが、水素は分子径が小さく、原子炉格納容器のペネトレーション等から原子炉建屋に若干漏洩する。原子炉建屋は空気雰囲気のため、高温の漏洩水素と酸素とが燃焼反応を起こすことで、原子炉建屋が破損する虞がある。原子炉建屋の破損を防止するには、原子炉格納容器内で発生する水素を選択的に原子炉建屋外に放出する方法が有効である。
放射性物質や、水蒸気を通さず水素のみを選択的に透過する膜(水素透過膜)として、PdやNbをベースとする金属膜が存在する。しかしながら、金属膜は、水素固溶量が増加すると水素脆化によって膜が破損するリスクが高くなることが知られている。例えば、Pd膜に低温で水素を固溶させると相変態を起こし、2種類の水素化物相が共存する状態となる。ここで、2種類の水素化物相の格子定数が異なるため、Pd膜に歪みが生じ、Pd膜が破壊されることが知られている。そのため、Pd膜を水素透過膜として用いる際には、ヒータ等を用いた予備加熱によって水素脆化を防止する必要がある。
特許文献1には、「冷却水喪失事故時で全交流電源が喪失しているとき、原子炉圧力容器に接続された配管の破断箇所から水素、放射性核種及び水蒸気が原子炉格納容器内に放出される。触媒式水素処理装置2はケーシング3内に触媒層22及び熱交換器4の伝熱管5を設置する。水素及び放射性核種を含む高温の水蒸気が、伝熱管5内に供給されてケーシング3内に供給される後述のガスを加熱する。水蒸気が伝熱管5内で凝縮されてミストを生成する。ミストは放射性核種と共にミストセパレータ6で除去される。ミストセパレータ6からケーシング3内に供給された水素を含むガスが、上記の水蒸気により加熱され、触媒層22内に導かれる。水素は触媒層22内で酸素と結合されて水蒸気になる」原子力プラントのガス処理設備が開示されている(要約参照)。
特開2014−48043号公報
従来技術によれば、水素透過膜によって放射性物質や水蒸気を原子炉格納容器に閉じ込めつつ、水素を選択的に原子炉建屋外に放出することが可能となる。しかしながら、水素ガスへの伝熱量が不十分で水素透過膜が十分に予備加熱されない場合、水素脆化によって水素透過膜が破損するリスクがある。
特許文献1には、熱交換器を用いて水素ガス温度を上昇させることで水素透過膜の脆化破損を防止する方法が記載されている。しかしながら、水などの液体と比べて気体は断熱性能が高く、熱交換器の伝熱管から水素ガスへの伝熱量が限定されるため、水素ガスが十分に昇温されずに水素透過膜が破損するリスクが残る。
このような背景に鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、水素に対する耐性を高めつつ、事故に対する原子炉格納容器の耐性を維持させることを課題とする。
前記した課題を解決するため、本発明は、複数の燃料集合体を装荷した炉心燃料を内包する原子炉圧力容器と、前記原子炉圧力容器の周囲のドライウェル空間と、前記ドライウェル空間と気密壁で区分された空間である圧力抑制室と、前記圧力抑制室の内部に水を貯留することで形成されている圧力抑制プールと、前記ドライウェル空間と前記圧力抑制プールとを接続するベント管と、を内包する原子炉格納容器に備えられる水素処理システムであって、前記原子炉格納容器の外側に設置され、除熱プール水中に浸漬されることで、導入された気体中に含まれる水蒸気を水として凝縮させる水凝縮器と、前記原子炉格納容器の外に設置され、予備加熱が不要であり、水素及び前記水蒸気を選択的に外部へ排出させる排出器と、を有し、前記水凝縮器の上流側は、ドライウェルガス引込管によって、前記ドライウェル空間と接続され、前記水凝縮器の下流側は、凝縮水排出管によって、前記原子炉格納容器の内部と接続されるとともに、第1の非凝縮性ガス排出管によって前記排出器の上流側に接続され、前記排出器の下流側は、第2の非凝縮性ガス排出管によって前記圧力抑制プールに接続され、前記第2の非凝縮性ガス排出管の出口端は、前記ベント管の位置より高い位置に配置されることを特徴とする。
その他の解決手段は、実施形態中において適宜記載する。
本発明によれば、水素に対する耐性を高めつつ、事故に対する原子炉格納容器の耐性を維持させることができる。
第1実施形態における原子炉格納容器及び水素処理システムのシステム系統図である。 第1実施形態における水素排出器の外観を示す図である。 第2実施形態における原子炉格納容器及び水素処理システムのシステム系統図である。 第3実施形態における原子炉格納容器及び水素処理システムのシステム系統図である。 第4実施形態における原子炉格納容器及び水素処理システムのシステム系統図である。 第5実施形態における原子炉格納容器及び水素処理システムのシステム系統図である。 第5実施形態における水素排出器の外観を示す図である。 第6実施形態における原子炉格納容器及び水素処理システムのシステム系統図である。 第7実施形態における原子炉格納容器及び水素処理システムのシステム系統図である。 第8実施形態における原子炉格納容器及び水素処理システムのシステム系統図である。 第9実施形態における原子炉格納容器及び水素所システムのシステム系統図である。 第10実施形態における原子炉格納容器及び水素処理システムのシステム系統図である。
次に、本発明の水素処理システムZの実施の形態(「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
(水素処理システムZ)
図1は、第1実施形態における原子炉格納容器1及び水素処理システムZのシステム系統図である。
水素処理システムZは、原子炉格納容器1に備えられ、熱交換器12、水素排出器17を有する。熱交換器12の上流側は、ドライウェルガス引込管13によって、原子炉格納容器1のドライウェル4と接続している。また、熱交換器12の下流側は、凝縮水排出管14によって圧力抑制プール5bの水中に接続されている。さらに、水素排出器17の上流側は、第1の非凝縮性ガス排出管15aによって熱交換器12の下流側に接続されている。そして、水素排出器17の下流側は、第2の非凝縮性ガス排出管15bによって、圧力抑制プール5bの水中に接続されている。なお、第1の非凝縮性ガス排出管15aと、第2の非凝縮性ガス排出管15bを合わせて非凝縮性ガス排出管15と適宜称する。
ここで、ドライウェルガス引込管13は、原子炉圧力容器3もしくは原子炉格納容器1内で炉心燃料2を除熱する際に発生する水蒸気を熱交換器12に導くためのものである。凝縮水排出管14は、熱交換器12で凝縮した水を圧力抑制室5内の圧力抑制プール5bに排出するためのものである。非凝縮性ガス排出管15は、熱交換器12で凝縮させることができない非凝縮性ガスである水素排出器上流側ガスを圧力抑制プール5bに排出するものである。
熱交換器12は、縦型の熱交換器で、熱交換器上部ヘッダ12a、熱交換器伝熱管12b、熱交換器下部ヘッダ12cから構成される。そして、熱交換器12は、除熱プール16に貯留される除熱プール水16aに浸漬されている。
非凝縮性ガス排出管15の出口端は、3つある水平ベント管10aの最上段のものよりも上方で圧力抑制プール5bに接続される。本実施形態では、水素排出器17は、中空糸膜17aを有している。水素排出器17は、中空糸膜17a内を流れる水素や水蒸気のようなサイズの小さい分子を、膜前後の分圧差を駆動力として選択的に膜外に排出する。それとともに、水素排出器17は、窒素、揮発性の放射性物質(CsやI等)、放射性希ガス(KrやXe等)のような相対的に水素や水蒸気よりもサイズの大きな分子を透過させず、非凝縮性ガス排出管15内に留めることができる。つまり、水素排出器17は、水素及び水蒸気を系外に逃がし、それ以外の窒素、揮発性の放射性物質、放射性希ガスを系内に留める。ここで、「系外」とは、少なくとも原子炉格納容器1の外、望ましくは原子炉建屋Bの外である。つまり、図1に示すように、水素排出器17は、少なくとも原子炉格納容器1の外、望ましくは、原子炉建屋Bの外に設置される。水素排出器17が、原子炉建屋Bの外に設置されることで、水素排出器17から排出された水素を、原子炉建屋Bの外の大気に排出することができる。
また、「系内」とは、原子炉格納容器1の内部、及び、水素処理システムZの内部である。また、中空糸膜17aに適用可能な膜として、ポリイミドを主成分とした高分子膜、ケイ素を成分の一つとして含むセラミック膜、炭素を主成分とした酸化グラフェン膜が候補として挙げられる。これらの成分で構成される中空糸17aが用いられることで、予備加熱不要な、水素に対して耐性を有する水素排出器17を構成することができる。なお、中空糸膜17aは、これらと同様の機能を持つ膜であればよい。また、本実施形態では、水素排出器17が中空糸膜17aで構成されているものとしているが、平膜等の他の種類の膜も適用可能である。
(原子炉格納容器1)
続いて、本実施形態における改良型沸騰水型軽水炉の原子炉格納容器1におけるシステム構成を説明する。本実施形態では、原子炉格納容器1内に、炉心燃料2を内包する原子炉圧力容器3が設置されている。原子炉圧力容器3には、原子炉圧力容器3内で発生した水蒸気をタービン(図示せず)に送る主蒸気管8が接続されている。
原子炉格納容器1は、鉄筋コンクリート製のダイヤフラムフロア6及びペデスタル7によってドライウェル4と圧力抑制室5に区画されている。圧力抑制室5は、気相部(ウェットウェル5a)と冷却水プール部(圧力抑制プール5b)から構成される。ドライウェル4と圧力抑制室5はベント管10及び真空破壊弁11によって相互に接続されている。
ベント管10とドライウェル4との接続部は垂直方向に開口している。また、ベント管10と圧力抑制プール5bとの接続部は、ベント管10において、1本あたり3本の水平ベント管10aとして水平方向に開口している。真空破壊弁11は、ドライウェル4とウェットウェル5a間を接続する逆止弁である。真空破壊弁11は、ドライウェル4からウェットウェル5a方向へのガスの流れを阻害しつつ、ウェットウェル5aの圧力がドライウェル4の圧力より大きくなった場合に、ウェットウェル5a内のガスをドライウェル4に排出する。
そして、原子炉圧力容器3の過圧防止や減圧を目的として主蒸気逃し安全弁9が主蒸気管8に複数個設置されている。主蒸気逃し安全弁9は原子炉圧力容器圧力が圧力高設定値以上に増加すると自動的に開く。これにより、原子炉圧力容器3内の余剰水蒸気が主蒸気逃し安全弁排気管9a、主蒸気逃し安全弁クエンチャ9bを介して、圧力抑制プール5bに排出される。排出された余剰水蒸気は圧力抑制プール水によって凝縮される。なお、「自動的」とは、主蒸気逃し安全弁9の構造により機械的に開閉するという意味である。
主蒸気逃し安全弁9は、原子炉圧力容器圧力が圧力低設定値以下に低下すると自動的に閉止する。これにより、原子炉圧力容器圧力がほぼ一定レベルに保たれ、原子炉圧力容器3の過圧を防止できる。また、複数ある主蒸気逃し安全弁9の一部の弁は自動減圧機能を有している。自動減圧機能は主蒸気逃し安全弁9を継続的に開き続ける機能で、非常用炉心冷却系(不図示)の一つである低圧炉心注水系(不図示)等による原子炉圧力容器3への注水を行うために原子炉圧力容器圧力を下げる必要がある時に用いられる。また、ドライウェル4の下部に、ドライウェル4と圧力抑制プール5bを接続する溶融弁27が設置されている。万一、高温の溶融炉心燃料(炉心燃料2)が原子炉圧力容器3の下部ヘッド32を破損させてドライウェル4に落下した時、ドライウェル4が高温環境となることで溶融弁27が溶融して自動的に開く。これにより、圧力抑制プール5bの水がドライウェル4に供給され、落下した高温の溶融炉心(炉心燃料2)を冷却することができる。なお、「自動的」とは、溶融弁27の構造により機械的に開閉するという意味である。
(主蒸気管8の破断時)
以下、主蒸気管8の破断時における、本実施形態における原子炉格納容器1における水素処理システムZ動作について説明する。主蒸気管8が破断すると、高温の水蒸気が破断口を介して原子炉圧力容器3からドライウェル4に流出する。また、これと同時に、原子炉圧力容器3から冷却水が失われ、原子炉圧力容器3の水位が低下する。この時、通常は、高圧炉心注水系(不図示)や、低圧注水系等の非常用炉心冷却系(不図示)による原子炉圧力容器3への注水が行われることで原子炉圧力容器3内の水位が一定以上に保たれる。このため、炉心燃料2が水面上に露出して冷却不全に陥ることはない。
また、原子炉格納容器1からの除熱も、非常用炉心冷却系の一つである残留熱除去系(不図示)で行える。そのため、エネルギが蓄積することによる原子炉格納容器1の過圧破損や過温破損発生を防止することができる。
しかしながら、万一、の非常用炉心冷却系(不図示)の不作動時(注水や除熱が行われない場合)を想定すると、炉心燃料2から発生する崩壊熱によって原子炉圧力容器3の内部における冷却材(水)が沸騰することで、原子炉圧力容器3内の水位が低下し続け、炉心燃料2が水面上に露出して冷却不全に陥る。炉心燃料2が水面上に露出すると、炉心燃料の被覆管材(ジルコニウム)と水蒸気との水−金属反応によって水素が発生する。
以下、非常用炉心冷却系(不図示)の不作動を仮定した場合の事故進展を詳細に説明する。原子炉圧力容器3内で発生する水蒸気が主蒸気管8の破断口を介してドライウェル4に流入し、ドライウェル4の内部圧力が上昇する。主蒸気管8の破断発生直後は、主蒸気管8の破断口からドライウェル4に流入する水蒸気流量が大きい。そのため、ドライウェル4に流入する水蒸気、及び、ドライウェル4に予め充填されている非凝縮性ガス(窒素)が、ドライウェル4と圧力抑制室5との圧力差を駆動源としてベント管10の内部の水位を押し下げる。これによって、ベント管10の水位が水平ベント管10aの高さ以下まで押し下げられることで、ドライウェル4のガス(ドライウェルガス;窒素、水素、水蒸、揮発性の放射性物質、放射性希ガス)が水平ベント管10aから圧力抑制室5内の圧力抑制プール5b中に排出される。
水平ベント管10aから排出されるドライウェルガスのうち、窒素はウェットウェル5aに蓄積され、水蒸気は圧力抑制プール5bの水によって凝縮される。圧力抑制プール5bによる水蒸気凝縮機能により、原子炉格納容器1内の圧力上昇が効果的に抑制される。しかし、水蒸気が持つエネルギが圧力抑制プール5bに蓄積されることで、圧力抑制プール5bの水温、及び、原子炉格納容器1の内部圧力が徐々に上昇する。本実施形態では非常用炉心冷却系(不図示)の不作動を仮定しているため、主蒸気管8の破断発生からある程度の時間が経過すると、炉心燃料2が水面上に露出して水素が発生する。
また、非常用炉心冷却系(不図示)の不作動を仮定しているため、原子炉圧力容器3の水位低下が継続することで炉心燃料2が破損する。これによって、燃料ペレット(炉心燃料2)や、燃料被覆管内に保持されていたCs、I等の揮発性の放射性物質や、Kr、Xe等の放射性希ガスも原子炉圧力容器3内に放出される。
一方、水蒸気発生量は、崩壊熱の低下や水位低下に伴う炉心燃料2に接する冷却水量の低下によって徐々に減少する。全体として、主蒸気管8の破断口を介して原子炉圧力容器3からドライウェル4に流出する水蒸気、水素、揮発性の放射性物質、放射性希ガスの総量が徐々に減少することで、ドライウェル4と圧力抑制室5の圧力差が減少する。これによって、大量の水蒸気発生によって押し下げられていたベント管10の水位が上昇する。ベント管10の水位が上昇することによって、水平ベント管10aが水没し、ベント管10を介するドライウェル4から圧力抑制室5へのドライウェルガスの流入が停止する。
(主蒸気管8の破断時における水素処理システムZの動作)
ベント管10を介した圧力抑制室5へのドライウェルガスの流入が停止した後、本実施形態の水素処理システムZが本格的に動作を開始する。水素処理システムZの駆動源は、ベント管10と同じくドライウェル4と圧力抑制室5の圧力差である。しかし、図1に示すように、圧力抑制プール5b中での非凝縮性ガス排出管15の開口高さが、水平ベント管10aよりも高い位置に設定されている。そのため、非凝縮性ガス排出管15において、圧力抑制プール5bに浸漬している部分の水位を押し下げて、水素排出器下流側ガスを圧力抑制プール5bに排出するために必要となるドライウェル4と圧力抑制室5との圧力差が、ベント管10の内部をおしさげる圧力差よりも小さい。このため、ベント管10が動作しないドライウェル4と圧力抑制室5との圧力差でもドライウェル4から圧力抑制プール5bにドライウェルガス(窒素、水素、水蒸、揮発性の放射性物質、放射性希ガス)を排出することができる。
以下、本実施形態の水素処理システムZの動作について説明する。ドライウェルガスは、ドライウェルガス引込管13を介して熱交換器12に導かれる(実線矢印)。ドライウェルガス中の水蒸気は、熱交換器伝熱管12bを通過する際、除熱プール水16aによって除熱され凝縮水となる。これにより、ドライウェルガス中の水蒸気を除熱用に再利用することができる。熱交換器下部ヘッダ12cには、凝縮水、水素、窒素、凝縮されなかったわずかな水蒸気、揮発性の放射性物質・放射性希ガスが流入するが、凝縮水は熱交換器下部ヘッダ12cの下部に溜まり、重力によって凝縮水排出管14を介して圧力抑制プール5bに排出される(一点鎖線矢印)。ドライウェルガス中の熱交換器12によって凝縮した凝縮水以外の物質である、窒素、凝縮されなかったわずかな水蒸気、揮発性の放射性物質、放射性希ガスを含むガス(水素排出器上流側ガス)は、ドライウェル4と圧力抑制室5との圧力差を駆動力として非凝縮性ガス排出管15の内部を圧力抑制プール5b側に流れる(破線矢印)。
水素排出器上流側ガスが水素排出器17に流入すると、水素、及び、わずかな量の水蒸気は、中空糸膜17aを介して水素排出器17の外側に選択的に排出される。そして、水素や、水蒸気に対して相対的に分子サイズが大きい窒素、揮発性の放射性物質、放射性希ガスは、中空糸膜17aを透過せず、第2の非凝縮性ガス排出管15bの出口端から圧力抑制プール5bに排出される(破線矢印)。このようにすることで、揮発性の放射性物質、放射性希ガスが原子炉建屋Bの内部や、原子炉格納容器1の内部に充満することを防ぐことができる。
本実施形態で使用する水素排出器17は、Pd膜等の水素透過膜と異なり予備加熱不要だが、水素だけでなく炉心燃料2の冷却に必要となる、分子サイズが小さい水蒸気も系外に放出する性質を有する。このように、水素排出器17は水素だけでなく、水蒸気も透過し、系外に排出する。しかし、水蒸気は除熱に用いることができるため、系外に排出させないことが望ましい。
そこで、本実施形態では、水素排出器17を熱交換器12の下流側の非凝縮性ガス排出管15に設置することで、大部分の水蒸気を熱交換器12で凝縮させた後の、ほとんど水蒸気を含まない水素排出器上流側ガスだけを選択的に水素排出器17に通すことが可能となる。つまり、熱交換器12でドライウェルガス中の水蒸気は、除かれているため、水素排出器17には、水蒸気がほとんど含まれない水素排出器上流側ガスが導入される。結果として、水素だけを選択的に系外へ排出することができると同時に、揮発性の放射性物質・放射性希ガスを原子炉格納容器1の内部に閉じ込めることによって、周辺環境への放射線影響を最小化することができる。
また、熱交換器12によって生じた凝縮水を圧力抑制プール5bに供給することで、原子炉格納容器1を除熱できるため、エネルギ蓄積による原子炉格納容器1の破損リスクを低減することができる。さらに、水素排出器上流側ガスは、熱交換器12で除熱されることでドライウェルガスより低温となることから、水素排出器17の中空糸膜17aの高温破損リスクを低減することができる。
以上、本実施形態によれば、主蒸気管8が破断しても、電動ポンプ等の動的機器や低温環境下で水素脆化する可能性のある水素透過膜を使用することなく、水素を系外に排出することができる。
(全交流動力電源喪失時)
ここまで、主蒸気管8の破断時における水素処理システムZの動作について説明したが、本実施形態の水素処理システムZは、全交流動力電源喪失時にも、原子炉格納容器1の水素排出処理を実現できる。以下、全交流動力電源喪失時における水素処理システムZの動作について説明する。
主蒸気管8の破断が要因となって、全交流動力電源喪失が発生すると、主蒸気管8に設置される隔離弁(図示せず)が閉止することで原子炉圧力容器3が隔離される。その結果、原子炉圧力容器3の圧力が上昇する。原子炉圧力容器3の圧力が主蒸気逃し安全弁9の圧力高設定値以上に達すると、主蒸気逃し安全弁9が自動的に開く。これにより、主蒸気逃し安全弁排気管9a、主蒸気逃し安全弁クエンチャ9bを介して、原子炉圧力容器3の内部に存在する水蒸気が圧力抑制プール5b中に放出され、凝縮される。
放出された水蒸気のエネルギを吸収することで圧力抑制プール5bにおける水温が上昇する。これにより、圧力抑制室5の圧力がドライウェル4の圧力より大きくなるため、真空破壊弁11を介してウェットウェル5aのガス(窒素、及び、飽和圧力の水蒸気)がドライウェル4に流入し、ドライウェル4とウェットウェル5aとがほぼ均圧化する。この時点では、ドライウェル4と圧力抑制室5との圧力差がなく、原子炉格納容器1の水素処理システムZは動作しない。
一方、全交流動力電源喪失では非常用ディーゼル発電機を含む、すべての交流電源の喪失を仮定するため、原子炉圧力容器3の内部に存在する高圧蒸気を駆動力として動作する原子炉隔離時冷却系(不図示)を除く、すべての非常用炉心冷却系(不図示)が機能を喪失する。原子炉隔離時冷却系による原子炉注水量は直流電源によって制御されるため、直流電源が確保できている間、原子炉圧力容器3への注水を継続できるが、直流電源が枯渇すると原子炉隔離時冷却系が機能を喪失する。
原子炉隔離時冷却系が機能を喪失すると、主蒸気逃し安全弁9を介して原子炉圧力容器3の内部の水蒸気が圧力抑制プール5bに流出することで原子炉圧力容器3の水位が徐々に低下する。この結果、炉心燃料2が水面上に露出して冷却不全に陥る。
水−金属反応によって発生する水素、及び、水面下の炉心燃料2の崩壊熱によって発生する水蒸気は、主蒸気逃し安全弁9を介して圧力抑制プール5bに流入する。このとき、水蒸気は凝縮するが、非凝縮性ガスである水素はウェットウェル5aに流入し、ウェットウェル5aの窒素、水素、飽和圧力の水蒸気が真空破壊弁11を介してドライウェル4に流入する。これにより、ドライウェル4とウェットウェル5aの均圧状態が維持される。
図示しない可搬設備等による原子炉圧力容器3への注水が行われずに、さらに事象が進展すると、炉心燃料2が破損もしくは溶融し、炉心部33から原子炉圧力容器3の下部プレナム31に落下して堆積する。下部プレナム31に堆積した炉心燃料2に注水できない状況が継続すると、堆積した炉心燃料2から放出される崩壊熱によって下部ヘッド32が破損し、炉心燃料2がドライウェル4に落下する。
このとき、高温の溶融炉心燃料(炉心燃料2)によってドライウェル4の雰囲気温度が上昇し、溶融弁27が自動的に開いて圧力抑制プール5bの水がドライウェル4に堆積した溶融炉心燃料(炉心燃料2)上に注水される。これにより、溶融炉心燃料が冷却されるとともに大量の水蒸気がドライウェル4で発生し、ドライウェル4の圧力が圧力抑制室5の圧力より高くなる。
以降、前記して説明した主蒸気管8の破断時同様、ドライウェル4と圧力抑制室5との圧力差で駆動する水素処理システムZが動作を開始する。これにより、水蒸気を熱交換器12で凝縮することで生じる凝縮水を圧力抑制プール5bに供給することで、原子炉格納容器1を除熱することができる。これに加えて、水素排出器17から系外に水素を排出することで原子炉格納容器1の過圧を防止することができる。
以上のように、水素処理システムZは、全交流動力電源喪失が生じた場合、溶融炉心燃料がドライウェル4に落下した後において、原子炉格納容器1の除熱を維持するとともに、原子炉格納容器1の過圧を防止することができる。
具体的には、揮発性放射性物質や放射性希ガスを原子炉格納容器1の内部に閉じ込めつつ、原子炉格納容器1の過圧要因となる水素のみを系外に放出することができる。低コストかつ周辺への放射線影響を最小化できることから、実用化すれば沸騰水型軽水炉全体に適用される可能性が見込まれる。つまり、低温で水素脆化を起こす可能性のある金属膜(水素透過膜)の代わりに、低温耐性の高い中空糸膜17aを用いて、換言すれば、予備加熱なしで用いることができる中空糸膜17aを用いて、水素だけを系外に排出することができる。この結果、原子炉格納容器1の破損リスクを大幅に低減することが可能となる。
図2は、第1実施形態における水素排出器17の外観を示す図である。
水素排出器17は、図2に示すように、フランジ17bによるフランジ接続で第1の非凝縮性ガス排出管15a及び第1の非凝縮性ガス排出管15aのそれぞれに設置する方法が望ましい。このような設置方法を採ることで、劣化状態に応じて水素排出器17(中空糸膜17a)を容易に交換できる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態に係る水素処理システムZaについて図3を用いて説明する。なお、図3において、図1に示す符号と同符号のものは同一部分であるので、その詳細な説明は省略し、相違点に着目して説明する。
図3は、第2実施形態における原子炉格納容器1及び水素処理システムZaのシステム系統図である。
図1における水素処理システムZと、図3における水素処理システムZaとの相違点は、原子炉圧力容器3に、原子炉圧力容器3とドライウェル4とを接続する原子炉圧力容器減圧配管19a、及び、原子炉圧力容器減圧配管19aに原子炉圧力容器減圧弁19が備えられている点にある。原子炉圧力容器減圧弁19が開くことで、原子炉圧力容器減圧配管19aを介して原子炉圧力容器3の内部圧力をドライウェル4へ逃がすことができる。なお、原子炉圧力容器減圧弁19には、作動信頼性の高い爆破弁や、事故時の高温環境で自動的に開く溶融弁等の適用が考えられる。
以下、本実施の形態における原子炉格納容器1の水素処理システムZaの動作について説明する。
第1実施形態に示した通り、原子炉格納容器1の水素処理システムZaは、ドライウェル4と圧力抑制室5との圧力差を駆動力として動作するため、全交流動力電源喪失時において、動作開始時刻が主蒸気管8の破断時よりも遅れ、溶融炉心燃料(炉心燃料2)がドライウェル4に落下した後となる。
これに対して、第2実施形態の構成では、以下に記載する動作により、全交流動力電源喪失に対しても速やかに原子炉格納容器1の水素処理システムZaを動作させることができる。具体的には、万一、何らかの不具合による原子炉隔離時冷却系の起動失敗や、直流電源枯渇による原子炉隔離時冷却系の機能喪失等によって原子炉圧力容器3への注水ができなくなった場合、原子炉圧力容器減圧弁19を開くことで、主蒸気管8の破断時同様、原子炉圧力容器3の水蒸気をドライウェル4に放出する。その結果、ドライウェル4と圧力抑制室5との圧力差を確保することができる。これにより、第1実施形態において主蒸気管8の破断について説明した通り、原子炉格納容器1の水素処理システムZaを動作させることができる。
以上、第2実施形態によれば、全交流動力電源喪失等の、ドライウェル4と圧力抑制室5との圧力差が速やかに発生しない事故事象に対しても、水素処理システムZaを速やかに起動することが可能となる。
[第3実施形態]
以下、原子炉格納容器1の水素処理システムZbの第3実施形態を、図4を用いて説明する。なお、図4において、図1に示す符号と同符号のものは同一部分であるので、その詳細な説明は省略し、相違点に着目して説明する。
図4は、第3実施形態における原子炉格納容器1及び水素処理システムZbのシステム系統図である。
図1と図4との相違点は、水素排出器17が垂直ダクト18の内部に設置されている点にある。第1実施形態(図1参照)では、水素排出器17から排出される水素が、水素排出器17の周辺に滞留すると、中空糸膜17aの膜前後の水素分圧差が小さくなり、水素排出器17の水素除去性能が低下する可能性がある。一方、第3実施形態によれば、垂直ダクト18の内側が水素排出器17から排出される相対的に軽い水素となり、垂直ダクト18の外側が相対的に重い空気となる。その結果、垂直ダクト18の内外における気体の密度差を駆動力とする自然循環流れが発生する。具体的には、軽い水素が垂直ダクト18の上方から排出される(矢印101)。そして、これにともない、空気が垂直ダクト18の下方から垂直ダクト18の内部に進入する(矢印102)。これにより、水素排出器17から排出される水素を中空糸膜17a近傍から効果的に除去することができる。加えて、水素排出器17から排出される水素を高所から排出できるので、地上付近での水素燃焼発生による緊急作業従事者の負傷や原子力発電プラント設備の破損リスクを低減することができる。
以上、第3実施形態によれば、第1実施形態に示す効果に加えて、水素排出器17から排出される水素が中空糸膜17aの近傍に滞留することによる水素排出器17の性能劣化を防止することができる。さらに、水素が高所から排出されることで地上付近での水素燃焼による緊急作業従事者の負傷や原子力発電プラント設備の破損リスクを低減することができる。
なお、第3実施形態に示す水素処理システムZbでは、垂直ダクト18が用いられているが、垂直ダクト18の代わりに、図6で後記する排気筒24が用いられても、同等の適用効果を得ることができる。
[第4実施形態]
以下、水素処理システムZcの第4実施形態を、図5を用いて説明する。なお、図5において、図1に示す符号と同符号のものは同一部分であるので、その詳細な説明は省略し、相違点に着目して説明する。
図5は、第4実施形態における原子炉格納容器1及び水素処理システムZcのシステム系統図である。
図1と図5との相違点は、以下の点である。
(A1)第1の非凝縮性ガス排出管15aに上流側隔離弁20aが備えられている。また、第2の非凝縮性ガス排出管15bに下流側隔離弁20bが備えられている。なお、上流側隔離弁20a及び下流側隔離弁20bを合わせて、隔離弁20と適宜称する。
(A2)上流側隔離弁20aのさらに上流側と、下流側隔離弁20bのさらに下流側とを非凝縮性ガスバイパス管21で接続し、非凝縮性ガスバイパス管21に非凝縮性ガスバイパス弁22が設置されている。
図1に示す第1実施形態の構成で、万一、水素排出器17(中空糸膜17a)が破損した場合を説明する。図1の構成において、ドライウェルガス引込管13、凝縮水排出管14、及び非凝縮性ガス排出管15のそれぞれに図示しない緊急隔離弁を設けることが考えられる。この緊急隔離弁は、前記した隔離弁20、非凝縮性ガスバイパス弁22とは別のものである。
図1の構成において、万一、水素排出器17(中空糸膜17a)が破損した場合、中空糸膜17aの破損箇所からの揮発性放射性物質及び放射性希ガスを含むドライウェルガスが系外へ流出することを防止するために、図示しない、これらの緊急隔離弁を閉止することが考えられる。しかしながら、これら3つの緊急隔離弁を閉止すると、水素排出器17に加えて、熱交換器12が使用できなくなる。
対して、第4実施形態では、水素排出器17の破損時に、上流側隔離弁20a、下流側隔離弁20bが閉止し、非凝縮性ガスバイパス弁22が開く。これにより、水素排出器17へ導入される水素排出器上流側ガスの流れは止まるものの、非凝縮性ガスバイパス管21を介したガスの流れは維持される。つまり、熱交換器12の使用を維持することができる。このように、第4実施形態では、水素排出器17の破損時において、水素排出器17からの水素除去機能は喪失するものの、熱交換器12による原子炉格納容器1の除熱機能を維持することができる。なお、隔離弁20、非凝縮性ガスバイパス弁22の開閉は、人手によって行われてもよいし、図示しない制御装置によって制御されてもよい。
以上、第4実施形態によれば、第1実施形態に示す効果に加えて、万一、水素排出器17が破損しても、周辺環境に放出される放射性物質量を最小化しつつ、熱交換器12による除熱を継続することができる。これにより、原子炉格納容器1の過圧及び過温破損リスクを低減することができる。
[第5実施形態]
以下、水素処理システムZdの第5実施形態を、図6及び図7を用いて説明する。なお、図6において、図1に示す符号と同符号のものは同一部分であるので、その詳細な説明は省略し、相違点に着目して説明する。
図6は、第5実施形態における原子炉格納容器1及び水素処理システムZdのシステム系統図である。
図1と、図6との相違点は、以下の点である。適宜、図7も参照する。
(B1)図6及び図7に示すように、水素排出器17Tの水素・水蒸気透過側がユニットカバー17cによって覆われている。
(B2)ユニットカバー17cから水素排出管23が延出している(図6及び図7参照)。そして、図6に示すように、この水素排出管23は、排気筒24に接続されている。
(B3)水素排出管23の排気筒24側の端部に、排気筒24側から水素排出器17Tへの空気の流入や水素の逆流を防止するための水素排出管逆止弁25が設置されている。
なお、水素排出管逆止弁25の上流側(水素排出器17T側)には予め大気圧の窒素を充填しておく。
第1実施形態では、万一、津波によって水没する等の理由で水素排出器17Tが機能を喪失する虞がある。水素排出器17を高所配置とすることで水没を防止する等、ユニットカバー17cがなくても対策を講じることは可能だが、第5実施形態では、水素排出器17Tがユニットカバー17cで覆われており、かつ、水素排出管逆止弁25が設けられている。このようにすることで、津波等の外的事象の影響が水素排出器17Tに及ばないようにすることができる。また、このような構成を有することで、水素排出器17を高所配置とする必要がなくなり、水素排出器17Tの配置位置の自由度を高めることができる。
また、水素排出管23に水素排出管逆止弁25を設けることで、水素排出器17Tの機能を阻害する可能性のある外部環境影響(水分や煤煙等)が水素排出管23に流入することを防ぐことができる。これによって、水素排出器17Tの機能を阻害する可能性のある外部環境影響(水分や煤煙等)の影響を排除することができる。
また、水素排出管逆止弁25と水素排出器17Tとの間に窒素を充填することで、水素排出器17Tの機能を阻害する可能性のある外部環境影響(水分や煤煙等)の影響の排除効果を高めることができる。さらに、第5実施形態では、中空糸膜17aから系外に放出される水素が排気筒24内に排出される。このとき、排気筒24の内側が相対的に軽い水素、外側が相対的に重い空気となり、排気筒24の内外における気体の密度差を駆動力とする自然循環流れが発生するため、水素を効率よく高所から排出することができる。具体的には、軽い水素が垂直ダクト18の上方から排出される(矢印201)。そして、これにともない、空気が垂直ダクト18の下方から垂直ダクト18の内部に進入する(矢印202)。
以上、第5実施形態によれば、第1実施形態に示す効果に加えて、水素を高所から排出することで地上付近での水素燃焼による緊急作業従事者の負傷や原子力発電プラント設備の破損リスクを低減することができる。さらに、水素排出管逆止弁25が設けられることにより、水素排出器17Tの機能を阻害する可能性のある外部環境影響が水素排出管23を介して水素排出器17Tを防護することができる。
図7は、第5実施形態における水素排出器17Tの外観を示す図である。
図7に示すように、第5実施形態に示す水素排出器17Tと、水素排出管23とは、フランジ17bで接続(フランジ接続)されることが望ましい。このように接続されることで、劣化状態に応じて中空糸膜17aを容易に交換することができる。
[第6実施形態]
以下、水素処理システムZeの第6実施形態を、図8を用いて説明する。なお、図8において、図6に示す符号と同符号のものは同一部分であるので、その詳細な説明は省略し、相違点に着目して説明する。
図8は、第6実施形態における原子炉格納容器1及び水素処理システムZeのシステム系統図である。
図6と、図8との相違点は、水素排出管23に透過ガス隔離弁20cが設置されている点にある。
以下、第5実施形態(図6参照)をベースとして第6実施形態の効果を説明する。第5実施形態でも、第1実施形態と同様、万一、水素排出器17Tが破損した場合に備えて、ドライウェルガス引込管13、凝縮水排出管14、及び非凝縮性ガス排出管15のそれぞれに緊急隔離弁(不図示)を設けることが考えられる。そして、万一、水素排出器17Tが破損した場合、これらの緊急隔離弁(図示せず)が閉じることで、揮発性放射性物質及び放射性希ガスを含むドライウェルガスが系外へ流出することを防止することができる。しかしながら、これら3つの緊急隔離弁(図示せず)を閉止すると、水素排出器17Tに加えて、熱交換器12が使用できなくなる。
対して、第6実施形態では、万一における水素排出器17Tの破損時に、透過ガス隔離弁20cが閉じることで、揮発性の放射性物質・放射性希ガスの周辺環境への放出を防止することができる。このように、第6実施形態によれば、万一における水素排出器17Tの破損時に、揮発性放射性物質・放射性希ガスを原子炉格納容器1に閉じ込めながら、熱交換器12による原子炉格納容器1の除熱機能を維持することができる。なお、透過ガス隔離弁20cの開閉は、人手で行われてもよいし、図示しない制御装置によって制御されてもよい。
以上、第6実施形態によれば、第5実施形態に示した効果に加えて、万一の水素排出器17Tの破損時においても、周辺環境に放出される放射性物質量を最小化しつつ、熱交換器12による除熱を継続することができる。これにより、万一の水素排出器17Tの破損時においても、原子炉格納容器1の過圧・過温破損リスクを低減することができる。
[第7実施形態]
以下、水素処理システムZfの第7実施形態を、図9を用いて説明する。なお、図9において、図6に示す符号と同符号のものは同一部分であるので、その詳細な説明は省略し、相違点に着目して説明する。
図9は、第7実施形態における原子炉格納容器1及び水素処理システムZfのシステム系統図である。
図6と、図9との相違点は、図6に示すように水素排出管23の排気筒24側の端部に水素排出管逆止弁25を配置する代わりに、水素排出管23の出口端をスクラビングプール28の水中に開口させている点にある。なお、第7実施形態では、スクラビングプール28は密閉型とし、スクラビングプール28から延出しているガス放出管29の出口端は、排気筒24中に開口している。また、ガス放出管29には予め大気圧の窒素を充填しておく。
以下、第5実施形態(図6)をベースとして第6実施形態の効果を説明する。第5実施形態では、水素排出管23に水素排出管逆止弁25を設け、水素排出管逆止弁25と水素排出器17Tとの間に窒素を充填している。これにより、第5実施形態では、水素排出器17Tの機能を阻害する可能性のある外部環境影響(水分や煤煙等)が水素排出器17Tに流入することを防ぐことができる。従って、水素排出器17Tの機能を阻害する可能性のある外部環境影響(水分や煤煙等)を排除することができる。第7実施形態でも、ガス放出管29の出口端をスクラビングプール28に貯留されている水で水封し、ガス放出管29内に窒素を充填することで、第5実施形態と同様の効果を得ることができる。また、万一、水素排出器17Tが破損して揮発性の放射性物質・放射性希ガスが水素排出管23に流出したとしても、水素排出器上流側ガスに含まれるエアロゾルやCsI等の水溶性の放射性物質の大部分をスクラビングプール28の水中に取り込めることができる。これにより、放射性希ガスによる土壌汚染等の周辺環境への長期的な影響を抑制することができる。
以上、第7実施形態によれば、第5実施形態に示す効果に加えて、万一の水素排出器17Tの破損時においても、周辺環境に放出される放射性物質量を最小化することができる。さらに、万一の水素排出器17Tの破損時において、水素排出器17Tによる水素除去、及び熱交換器12による除熱を継続することができる。これにより、原子炉格納容器1の過圧・過温破損リスクを大幅に低減することができる。
なお、第7実施形態では、スクラビングプール28が水素排出管23の導入部、及び、ガス放出管29以外が密閉されている密閉型としている。しかしながら、これに限らず、スクラビングプール28の上部が開放している開放型とすることも可能である。
[第8実施形態]
以下、水素処理システムZgの第8実施形態を、図10を用いて説明する。なお、図10において、図6に示す符号と同符号のものは同一部分であるので、その詳細な説明は省略し、相違点に着目して説明する。
図10は、第8実施形態における原子炉格納容器1及び水素処理システムZgのシステム系統図である。
図6と、図10との相違点は、水素排出管23の出口端が気密性を有する水素貯蔵空間26に開口している点にある。水素貯蔵空間26には、予め不活性ガス(窒素)を充填しておく。また、水素排出管23の出口端と、水素貯蔵空間26の入口端とが、水素排出管逆止弁25を介して接続している。
以下、第5実施形態(図6)をベースとして第8実施形態の効果を説明する。第6実施形態で説明した通り、第5実施形態の構成では、万一、水素排出器17Tが破損した場合に備えて、ドライウェルガス引込管13、凝縮水排出管14、及び非凝縮性ガス排出管15のそれぞれに緊急隔離弁(不図示)を設けることが考えられる。そして、万一、水素排出器17Tが破損した場合、これらの緊急隔離弁(図示せず)が閉じることで、揮発性放射性物質及び放射性希ガスを含むドライウェルガスの系外への流出を防止することができる。しかし、前記したように、緊急隔離弁(図示せず)を閉止すると、水素排出器17T及び熱交換器12が使用できなくなり、熱・水素共に系外へ放出できなくなる。
対して、第8実施形態では、水素排出器17がT破損しても、揮発性の放射性物質及び放射性希ガスを含む水素排出器上流側ガスは気密性を有する水素貯蔵空間26に蓄積される。これにより、周辺環境に与える放射線影響を最小化することができる。また、気密性を有する水素貯蔵空間26に窒素等の不活性ガスを予め充填しておくことで、水素燃焼による建屋や設備の破損を防止することができる。
以上、第8実施形態によれば、第5実施形態の効果に加えて、万一、水素排出器17Tが破損したとしても、揮発性の放射性物質及び放射性希ガスを含む水素排出器上流側ガスを水素貯蔵空間26に閉じ込めることができる。これにより、周辺環境に対する放射線影響を最小化しつつ、水素燃焼を確実に防止することができる。
なお、水素貯蔵空間26に窒素ガスを充填する代わりに、水素貯蔵空間26内に図示しない電気式水素燃焼装置(イグナイタ301)、もしくは、図示しない静的触媒式水素再結合装置302が設置されてもよい。この場合、水素貯蔵空間26の内部が空気雰囲気となってもよい。この場合、水素排出器17Tを介して水素貯蔵空間26内に放出される水素は、イグナイタ301によって計画的に燃焼させるか、もしくは、静的触媒式水素再結合装置302によって計画的に酸素と水素を再結合させて水に戻すか、いずれかの方法によって除去される。これにより、水素燃焼による建屋や設備の破損を防止することができる。
[第9実施形態]
図11は、第9実施形態における原子炉格納容器1及び水素所システムZhのシステム系統図である。
なお、図11において、図1に示す符号と同符号のものは同一部分であるので、その詳細な説明は省略し、相違点に着目して説明する。
図1と、図11との相違点は、ドライウェルガス引込管13のドライウェル4側の開口部手前に、活性炭や銀ゼオライトのようなヨウ素除去装置30が設置されている点である。このようにすることで、腐食性の高いヨウ素ガス(I)が、水素所システムZhに流入する前に除去される。このようにすることで、中空糸膜17aへのヨウ素沈着による水素透過性能の劣化リスクや腐食による膜破損リスクを低減することができる。
[第10実施形態]
図12は、第10実施形態における原子炉格納容器1及び水素処理システムZiのシステム系統図である。
なお、図12において、図1に示す符号と同符号のものは同一部分であるので、その詳細な説明は省略し、相違点に着目して説明する。
図1と、図12との相違点は以下の点である。第1実施形態(図1)に水素処理システムZでは、凝縮水排出管14の出口端が圧力抑制プール5bに配置されている。対して、第10実施形態では、凝縮水排出管14aの出口端が原子炉圧力容器3の下方配置されているドライウェル4の空間内に配置されている。このような配置とすることにより、主蒸気管8の破断時に熱交換器12で凝縮した凝縮水を原子炉圧力容器3の下方のドライウェル4の床上に戻すことができる。また、原子炉圧力容器3の下部ヘッド32の破損前に、原子炉圧力容器3の下方のドライウェル4に水プール(ドライウェルプール(不図示))を形成することができる。このように、予めドライウェルプールを形成しておくことで、溶融弁27より早く溶融炉心燃料(炉心燃料2)を除熱し始めることができる。これにより、溶融炉心燃料に含まれる金属(ジルコニウムや鉄)とコンクリート中に含まれる水分とが水-金属反応を起こすことで発生する水素発生を効果的に抑制することができる。
各実施形態において、水素処理システムZ,Za〜Ziでは、縦型の熱交換器12を用いて説明したが、凝縮水と、水素排出器上流側ガスを分離可能な熱交換器下部ヘッダ12cもしくは同等の機能を有する気水分離空間を熱交換器伝熱管12bの下流側に設置した、横型の熱交換器12を用いることも可能である。
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を有するものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 原子炉格納容器
3 原子炉圧力容器
4 ドライウェル(ドライウェル空間)
5 圧力抑制室
5b 圧力抑制プール
10 ベント管
11 真空破壊弁
12 熱交換器(水凝縮器)
13 ドライウェルガス引込管
14 凝縮水排出管
15a 第1の非凝縮性ガス排出管
15b 第2の非凝縮性ガス排出管
17 水素排出器(排出器)
17b フランジ(フランジ接続を実現)
17c ユニットカバー(カバー)
18 垂直ダクト(ダクト)
19 原子炉圧力容器減圧弁(減圧弁)
19a 原子炉圧力容器減圧配管
20a 上流側隔離弁(第1の制止弁)
20b 下流側隔離弁(第1の制止弁)
20c 透過ガス隔離弁(第2の制止弁)
21 非凝縮性ガスバイパス管(バイパス管)
22 非凝縮性ガスバイパス弁(第1の制止弁)
23 水素排出管
24 排気筒
25 水素排出管逆止弁(第1の逆止弁、第2の逆止弁)
26 水素貯蔵空間
27 溶融弁
28 スクラビングプール
29 ガス放出管
30 ヨウ素除去装置
301 イグナイタ(電気式水素燃焼装置)
302 静的触媒式水素再結合装置
Z,Za〜Zi 水素処理システム

Claims (15)

  1. 複数の燃料集合体を装荷した炉心燃料を内包する原子炉圧力容器と、
    前記原子炉圧力容器の周囲のドライウェル空間と、
    前記ドライウェル空間と気密壁で区分された空間である圧力抑制室と、前記圧力抑制室の内部に水を貯留することで形成されている圧力抑制プールと、
    前記ドライウェル空間と前記圧力抑制プールとを接続するベント管と、
    を内包する原子炉格納容器に備えられる水素処理システムであって、
    前記原子炉格納容器の外側に設置され、除熱プール水中に浸漬されることで、導入された気体中に含まれる水蒸気を水として凝縮させる水凝縮器と、
    前記原子炉格納容器の外に設置され、予備加熱が不要であり、水素及び前記水蒸気を選択的に外部へ排出させる排出器と、
    を有し、
    前記水凝縮器の上流側は、ドライウェルガス引込管によって、前記ドライウェル空間と接続され、
    前記水凝縮器の下流側は、凝縮水排出管によって、前記原子炉格納容器の内部と接続されるとともに、第1の非凝縮性ガス排出管によって前記排出器の上流側に接続され、
    前記排出器の下流側は、第2の非凝縮性ガス排出管によって前記圧力抑制プールに接続され、
    前記第2の非凝縮性ガス排出管の出口端は、前記ベント管の位置より高い位置に配置される
    ことを特徴とする水素処理システム。
  2. 前記凝縮水排出管の出口端は、前記圧力抑制プールに開口している
    ことを特徴とする請求項1に記載の水素処理システム。
  3. 前記凝縮水排出管の出口端は、前記ドライウェル空間に開口している
    ことを特徴とする請求項1に記載の水素処理システム。
  4. 前記排出器、フランジ接続によって、前記第1の非凝縮性ガス排出管、及び、前記第2の非凝縮性ガス排出管のそれぞれに接続している
    ことを特徴とする請求項1に記載の水素処理システム。
  5. 前記ドライウェルガス引込管の入り口端にヨウ素除去装置が備えられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の水素処理システム。
  6. 前記原子炉圧力容器の内部と、前記ドライウェル空間と、を接続する原子炉圧力容器減圧配管と、
    前記原子炉圧力容器減圧配管に備えられる減圧弁を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の水素処理システム。
  7. 上部及び下部を大気に対して開放した筒状のダクトを備え、
    前記排出器が、前記ダクトの内部に設置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の水素処理システム。
  8. 前記第1の非凝縮性ガス排出管、及び、前記第2の非凝縮性ガス排出管を接続するバイパス管を有し、
    前記第1の非凝縮性ガス排出管において、前記第1の非凝縮性ガス排出管と前記バイパス管との接続部より前記排出器の側、前記第2の非凝縮性ガス排出管において、前記第2の非凝縮性ガス排出管と前記バイパス管との接続部より前記排出器の側、及び、前記バイパス管のそれぞれに、第1の制止弁が備えられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の水素処理システム。
  9. 前記排出器において、少なくとも前記水素及び前記水蒸気が排出される箇所が、外部に対して密封されるように設置されるカバーと、
    前記カバーの内部空間と、排気筒の内部空間とが水素排出管によって接続されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の水素処理システム。
  10. 前記水素排出管の出口端に、前記排出器から前記排気筒から気体が流動するよう第1の逆止弁が設置されている
    ことを特徴とする請求項9に記載の水素処理システム。
  11. 前記水素排出管に第2の制止弁が備えられている
    ことを特徴とする請求項9に記載の水素処理システム。
  12. 前記排出器において、少なくとも前記水素及び前記水蒸気が排出される箇所が、外部に対して密封されるように設置されるカバーと、
    内部に水が貯留されているスクラビングプールと、
    排気筒と、
    を備え、
    前記カバーの内部空間と、前記スクラビングプールの水中とが水素排出管によって接続され、
    前記スクラビングプールから延出しているガス放出管が、前記排気筒の内部空間に接続している
    ことを特徴とする請求項1に記載の水素処理システム。
  13. 内部に密閉された所定の空間を有する水素貯蔵空間を備え、
    前記排出器は、前記排出器において、少なくとも前記水素及び前記水蒸気が排出される箇所が、外部に対して密封されるように設置されるカバーを備え、
    前記カバーの内部空間と、前記水素貯蔵空間の内部とが水素排出管によって接続され、
    前記水素排出管の出口端が、第2の逆止弁を介して、前記水素貯蔵空間に接続しており、
    前記第2の逆止弁は、前記排出器から、前記水素貯蔵空間へ気体が流動するよう設置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の水素処理システム。
  14. 前記水素貯蔵空間は、
    内部に電気式水素燃焼装置、又は、静的触媒式水素再結合装置が設置されている
    ことを特徴とする請求項13に記載の水素処理システム。
  15. 前記排出器は、中空糸膜によって、前記水素及び前記水蒸気が外部へ排出されるよう構成されており、
    前記中空糸膜は、高分子膜、セラミック膜、又は、酸化グラフェン膜で構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の水素処理システム。
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