JPH06130170A - 可燃性ガス濃度静的低減装置 - Google Patents

可燃性ガス濃度静的低減装置

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JPH06130170A
JPH06130170A JP4278332A JP27833292A JPH06130170A JP H06130170 A JPH06130170 A JP H06130170A JP 4278332 A JP4278332 A JP 4278332A JP 27833292 A JP27833292 A JP 27833292A JP H06130170 A JPH06130170 A JP H06130170A
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hydrogen gas
pressure
pipe
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省三 山成
Takashi Nakayama
高史 仲山
Hitoshi Tate
等 楯
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧力抑制型原子炉格納容器のような比較的小
型の格納容器について、格納容器内の水素ガス濃度を、
動力や電力を使用せずに低減する。 【構成】 上部ドライウエル7から冷却プール15を経
て圧力抑制室10内の圧力抑制プール11に至る配管A
18を設置してあり、圧力抑制プール11内の配管A1
8の下端は、ベント管水中開口部14における最上の開
口部よりも水深の浅い箇所に位置させてある。この配管
A18には冷却プール15内に熱交換器17、上部ドラ
イウエル7側の配管A18の端部に、例えば触媒型水素
反応材からなる水素ガス濃度低減材21を用いた水素ガ
ス濃度低減材収納箱20が取り付けてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可燃性ガス濃度静的低
減装置に係り、特に軽水型原子力発電所における圧力抑
制型格納容器の可燃性ガス濃度静的低減装置に関する。
【0002】
【従来の技術】原子炉圧力容器に接続する原子炉1次冷
却系配管等が万一破断した場合、原子炉格納容器のドラ
イウエルに高温・高圧の原子炉1次冷却材が放出され、
ドライウエル内の圧力・温度が急激に上昇する。
【0003】ドライウエルに放出された高温・高圧の原
子炉1次冷却材は、ドライウエル内の気体と混合して、
ベント管を通って圧力抑制プールの水中に放出されて冷
却され、原子炉圧力容器から放出されるエネルギの多く
は圧力抑制プール中に吸収される。すなわち、ベント管
は、事故直後のドライウエルから圧力プールへの気体の
大きな流れに対して機能する。しかし、ベント管が機能
するのは水素ガスの発生がほとんどない事故直後の短期
的事象間である。
【0004】原子炉1次冷却材が放出されて原子炉水位
が低下し、かつ燃料温度が上昇する長期的事象下で水素
ガスが発生する。
【0005】すなわち、原子炉圧力容器内には、非常用
炉心冷却系により圧力抑制プール水が注水されて炉心が
冷却され、この注入水が長期的には炉心から崩壊熱を吸
収し、破断口からドライウエルに流出し続け、このた
め、ドライウエル内の圧力・温度は常に圧力抑制室より
も高い状態となる。
【0006】上記の長期的事象下において、軽水型原子
力発電所の原子炉内では、冷却材である水は放射線分解
され、水素ガスと酸素ガスとが発生する。更に、燃料被
覆管が温度上昇する場合は、水蒸気と燃料被覆管のジル
コニウムとの間で反応が行われ、水素ガスが発生する。
【0007】これらの水素ガスは、原子炉1次冷却材の
配管の破損部などから格納容器内に放出され、したがっ
て、格納容器内の水素ガス濃度は次第に上昇する。
【0008】この状態をそのままに放置して、水素ガス
濃度が4vol%以上、かつ酸素ガス濃度が5vol%以上と
なった場合は、気体は可燃状態となり、更に水素ガス濃
度がそれ以上に上昇した場合は、爆発の危険性が生じ
る。
【0009】したがって、軽水炉型原子力発電所では、
その対策として、格納容器から水素ガスを含む気体をブ
ロアで引き、電気ヒータで昇温させて水素と酸素とを水
に再結合させ、残りの気体をクーラで冷却してから格納
容器に戻す再結合式可燃性ガス濃度低減装置を使用して
いる。
【0010】また、大型の格納容器を有する原子力発電
所では、イグナイターと呼ばれる強制点火方式を採用し
ているものもある。
【0011】すなわち、従来ではブロアやヒータなどの
強制駆動力や電気を使用しているが、最近では、これら
を使用しないものとして、特開昭62−202802号
公報又は特開平1−176045号公報に、触媒型水素
反応材を密閉容器内にスパイラル状に巻いたり、又はス
ダレ状のものをたたんで格納容器空中に吊り下げて置
き、必要な時に密閉容器を開放して、触媒型水素反応材
を格納容器内の気体中に垂れ下げたり、又はスダレ状の
ものを下方に広げたり、あるいは巻上げブランドのよう
に吊り下げるものが開示されている。
【0012】また、International Topical Meeting
of the A.N.S Portland/Oregon USA,July
21−25−1991のSafety of ThermalReactors
における発表の中で、天井吊り下げ方式の触媒型水素吸
着材を使用した大型ドライ格納容器用水素ガス濃度抑制
器が開示されている。
【0013】このように、動力や電力を使わない可燃性
ガス濃度静的低減装置として、最近の例では、上下方向
に広いスペースを必要とするものや、天井から常時吊り
下げる方式のものが開示されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらのもの
は、大型格納容器には設置できるが、圧力抑制型格納容
器のような小型の格納容器には、スペースがないために
設置できないという欠点がある。
【0015】また、吊り下げ方式の場合は、定期検査時
などにおいて、特に小型の格納容器では、作業時に邪魔
になるという欠点がある。
【0016】本発明は、このような事情によりなされる
ものであり、圧力抑制型原子炉格納容器のような比較的
小型の格納容器に適合でき、動力や電力を使用せずに、
より効果的に水素ガス濃度を低減する可燃性ガス濃度静
的低減装置を提供することを目的にしている。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的は、次のように
して達成することができる。
【0018】(1)圧力容器を取り囲むドライウェル、
圧力抑制プールを有する圧力抑制室、及びドライウェル
と圧力抑制プールとを連通するベント管が内在する圧力
抑制型格納容器の可燃性ガス濃度静的低減装置におい
て、圧力抑制プールへの出口をベント管の圧力抑制プー
ルへの出口より浅く位置させて、ドライウェルの内部の
水素ガスを圧力抑制プールへ流出させるためのドライウ
ェルと圧力抑制プールとの間を連通する配管を設置し、
配管の任意の位置に水素ガス濃度低減器を設置するこ
と。
【0019】(2)(1)において、配管を、ドライウ
エルの内部から圧力抑制型格納容器の外部を経由して圧
力抑制プールの内部へ到達させ、配管の任意の位置に水
素ガス濃度低減器を設置すること。
【0020】(3)圧力容器を取り囲むドライウェル、
圧力抑制プールを有する圧力抑制室、ドライウェルと圧
力抑制プールとを連通するベント管、冷却プール、及び
ドライウェルの内部の水素ガスを圧力抑制プールへ流出
させるためのドライウェルと圧力抑制プールとの間を連
通する配管が内在し、圧力抑制プールへの配管の出口
を、ベント管の圧力抑制プールの出口より浅い位置に設
定した冷却系を有する圧力抑制型格納容器の可燃性ガス
濃度静的低減装置において、配管のドライウェルの内部
に位置する任意の箇所に、水素ガス濃度低減器を設置す
ること。
【0021】(4)圧力容器を取り囲むドライウェル、
圧力抑制プールを有する圧力抑制室、及びドライウェル
と圧力抑制プールとを連通するベント管が内在し、圧力
抑制室の空間部から圧力抑制型格納容器の外部に気体を
放出する放出ベント管を有する圧力抑制型格納容器の可
燃性ガス濃度静的低減装置において、放出ベント管の任
意の箇所に水素ガス濃度低減器を設置すること。
【0022】(5)(1)〜(4)のいずれかにおい
て、水素ガス濃度低減器には、触媒型水素反応材又は水
素吸収材を用いること。
【0023】(6)圧力容器を取り囲むドライウェル、
圧力抑制プールを有する圧力抑制室、及びドライウェル
と圧力抑制プールとを連通するベント管が内在し、圧力
抑制室の空間部から圧力抑制型格納容器の外部に気体を
放出する放出ベント管を有する圧力抑制型格納容器の可
燃性ガス濃度静的低減装置において、ドライウェルの内
部、又は圧力抑制室の空間部のうちの少なくとも一箇所
に、流体の流れ方向に対して平行に多層の棚状を形成す
る棚型水素ガス濃度低減装置を設置し、棚型水素ガス濃
度低減装置は流体の流れを回避できる箇所への収納が可
能であること。 (7)圧力容器を取り囲むドライウェル、圧力抑制プー
ルを有する圧力抑制室、及びドライウェルと圧力抑制プ
ールとを連通するベント管が内在し、圧力抑制室の空間
部から圧力抑制型格納容器の外部に気体を放出する放出
ベント管を有する圧力抑制型格納容器の可燃性ガス濃度
静的低減装置において、水素ガスの流れ方向に対して直
角かつ水平方向に位置する固定軸A、一端部に設けた孔
Aを固定軸Aに滑合状態で嵌め込み、固定軸Aのまわり
を回る支持構造物A、固定軸Aとは水素ガスの流れ方向
に適当な間隔を保って固定軸Aに平行に位置する固定軸
B、及び一端部に設けた孔Bを固定軸Bに滑合状態で嵌
め込み、固定軸Bのまわりを回る支持構造物Bを有し、
支持構造物A及び支持構造物Bに、それぞれ適当な間隔
を置いて同じ向きに複数個の回転支持軸A及び回転支持
軸Bを横設し、支持構造物A及び支持構造物Bの長手方
向がそれぞれ水素ガスの流れ方向に対して直角の状態に
ある場合に、両端部に孔C及び孔Dを設けてある複数個
の触媒型水素反応板又は水素吸収板の孔C及び孔Dを、
それぞれ支持構造物A及び支持構造物Bの上部から順次
に回転支持軸A及び回転支持軸Bに滑合状態で嵌め込
み、複数個の触媒型水素反応板又は水素吸収板を適当な
間隔を置いて水素ガスの流れ方向に対して平行に多層の
棚状に形成させてなる棚型水素ガス濃度低減装置を、ド
ライウェルの内部、又は圧力抑制室の空間部のうちの少
なくとも一箇所に設置すること。
【0024】(8)(7)の棚型水素ガス濃度低減装置
において、固定軸A、及び固定軸Bが平行移動するガイ
ド孔を有するガイドを、ドライウェルの内壁面、又は圧
力抑制室の空間部の内壁面のうちの少なくとも一箇所に
固定し、支持構造物A及び支持構造物Bが、それぞれ固
定軸A及び固定軸Bのまわりを回り、支持構造物A及び
支持構造物Bの長手方向が、共に内壁面に平行状態にあ
る場合に、複数個の触媒型水素反応板又は水素吸収板が
折り畳み状になり、重なり合って、ドライウェルの内壁
面、又は圧力抑制室の空間部の内壁面のうちの少なくと
も一箇所に近接して収納される構成になっていること。
【0025】(9)(8)の棚型水素ガス濃度低減装置
において、内壁面にロック機構を固設し、ロック機構に
より長手方向が内壁面に平行状態にある支持構造物A及
び支持構造物Bをロックし、ロックの解除は手動又は自
動操作により行い、ロックの解除により、支持構造物A
又は支持構造物Bが、自重又はバネの力により、ドライ
ウェルの内壁面、又は圧力抑制室の空間部の内壁面のう
ちの少なくとも一箇所とあらかじめ設定した角度をなす
位置まで、固定軸A及び固定軸Bのまわりをそれぞれ回
る構成にすること。
【0026】(10)(9)の棚型水素ガス濃度低減装
置において、ロックの解除を、ドライウェルの圧力高信
号、又は圧力容器水位低信号(LOCA信号)が出され
た後、あらかじめ設定した時間遅れをもって行うロック
の時限付き解除機構を有すること。
【0027】(11)(7)〜(10)のいずれか記載
の棚型可燃性ガス濃度静的低減装置において、固定軸A
を端部管壁の一部を削除してなる配管とし、支持構造物
Aに支持構造物Aの一端部に設けた孔Aと連通する空洞
を設け、支持構造物Aが固定軸Aのまわりを回って、支
持構造物Aが内壁面に対して垂直又は水平の状態にある
とき、空洞と配管の管内とが連絡する構造にし、かつ支
持構造物Aに水素ガスの流れ方向に向い合って空洞に通
じる複数個の孔を設置することにより、棚型水素ガス濃
度低減装置を配管連通式棚型水素ガス濃度低減装置に替
えること。
【0028】(12)(11)において、支持構造物A
があらかじめ設定された任意の傾き状態において、空洞
と配管とが連通する構造にすること。
【0029】(13)圧力容器を取り囲むドライウェ
ル、圧力抑制プールを有する圧力抑制室、及びドライウ
ェルと圧力抑制プールとを連通するベント管が内在する
圧力抑制型格納容器の可燃性ガス濃度静的低減装置にお
いて、圧力抑制プールへの出口をベント管の圧力抑制プ
ールへの出口より浅く位置させて、ドライウェル内の水
素ガスを圧力抑制プールへ流出させるためのドライウェ
ルと圧力抑制プールとの間を連通する配管を設置し、配
管の任意の位置に水素ガス濃度低減器を設置し、ドライ
ウェル内、又は圧力抑制室の空間部のうちの少なくとも
一箇所に、(7)〜(10)のいずれかに記載の棚型水
素ガス濃度低減装置を設置すること。
【0030】(14)圧力容器を取り囲むドライウェ
ル、圧力抑制プールを有する圧力抑制室、ドライウェル
と圧力抑制プールとを連通するベント管、冷却プール、
及びドライウェル内の水素ガスを圧力抑制プールへ流出
させるためのドライウェルと圧力抑制プールとの間を連
通する配管が内在し、圧力抑制プールへの配管の出口
を、ベント管の圧力抑制プールの出口より浅い位置に設
定した冷却系を有する圧力抑制型格納容器の可燃性ガス
濃度静的低減装置において、配管のドライウェル内に位
置する任意の箇所に水素ガス濃度低減器を設置し、ドラ
イウェル内、又は圧力抑制室の空間部のうちの少なくと
も一箇所に、(7)〜(10)のいずれかに記載の棚型
水素ガス濃度低減装置を設置すること。
【0031】(15)圧力容器を取り囲むドライウェ
ル、圧力抑制プールを有する圧力抑制室、及びドライウ
ェルと圧力抑制プールとを連通するベント管が内在し、
圧力抑制室の空間部から圧力抑制型格納容器の外部に気
体を放出する放出ベント管を有する圧力抑制型格納容器
の可燃性ガス濃度静的低減装置において、放出ベント管
の任意の箇所に水素ガス濃度低減器を設置し、圧力抑制
室の空間部に、(7)〜(10)のいずれかに記載の棚
型水素ガス濃度低減装置を設置すること。
【0032】(16)圧力容器を取り囲むドライウェ
ル、圧力抑制プールを有する圧力抑制室、及びドライウ
ェルと圧力抑制プールとを連通するベント管が内在する
圧力抑制型格納容器の可燃性ガス濃度静的低減装置にお
いて、圧力抑制プールへの出口をベント管の圧力抑制プ
ールへの出口より浅く位置させて、ドライウェル内の水
素ガスを圧力抑制プールへ流出させるためのドライウェ
ルと圧力抑制プールとの間を連通する配管を設置し、ド
ライウエル内に、(11)又は(12)記載の配管連通
式棚型水素ガス濃度低減装置を設置し、配管連通式棚型
水素ガス濃度低減装置における支持構造物Aの空洞と配
管とを連通させること。
【0033】(17)圧力容器を取り囲むドライウェ
ル、圧力抑制プールを有する圧力抑制室、ドライウェル
と圧力抑制プールとを連通するベント管、冷却プール、
及びドライウェル内の水素ガスを圧力抑制プールへ流出
させるためのドライウェルと圧力抑制プールとの間を連
通する配管が内在し、圧力抑制プールへの配管の出口
を、ベント管の圧力抑制プールの出口より浅い位置に設
定した冷却系を有する圧力抑制型格納容器の可燃性ガス
濃度静的低減装置において、ドライウエル内に、(1
1)又は(12)記載の配管連通式棚型水素ガス濃度低
減装置を設置し、配管連通式棚型水素ガス濃度低減装置
における支持構造物Aの空洞と配管とを連通させるこ
と。
【0034】(18)圧力容器を取り囲むドライウェ
ル、圧力抑制プールを有する圧力抑制室、及びドライウ
ェルと圧力抑制プールとを連通するベント管が内在し、
圧力抑制室の空間部から圧力抑制型格納容器の外部に気
体を放出する放出ベント管を有する圧力抑制型格納容器
の可燃性ガス濃度静的低減装置において、圧力抑制室の
空間部に、(11)又は(12)記載の配管連通式棚型
水素ガス濃度低減装置を設置し、配管連通式棚型水素ガ
ス濃度低減装置における支持構造物Aの空洞と放出ベン
ト管とを連通させること。
【0035】
【作用】本発明における作用は、下記のとおりである。
【0036】(1)ドライウエルと圧力抑制プールとを
連通する配管、及びドライウエルと水中プールと圧力抑
制プールとを連通する配管は、圧力抑制プールの水中に
位置する下端を、圧力抑制プールの水中に位置するベン
ト管の下端よりも浅いように設置してあるので、万一の
原子炉1次系の配管破断事故後、ドライウエルから圧力
抑制室への気体の流れは、これらの管内を必ず経由す
る。
【0037】(2)配管破断事故直後のドライウエルか
ら圧力抑制プールへの気体の大きな流れに対してはベン
ト管が機能し、上記の配管は、長期的な崩壊熱による気
体の流量に対応できる流路であればよいので、大きな流
路面積は必要としない。
【0038】(3)ドライウエルと圧力抑制プールとを
連通する配管では、ドライウエル内における端面、又は
任意の位置、また配管が圧力抑制型格納容器の外部を経
由する場合はその外部の位置、ドライウエルと水中プー
ルと圧力抑制プールとを連通する配管では、ドライウエ
ル内における端面、特に水中プールの近くに水素ガス濃
度低減器を設置しているので、原子炉1次系の配管破断
事故後、圧力抑制型格納容器内に水素ガスが発生した場
合、水素ガス濃度を効果的に低減することができる。
【0039】(4)ドライウエルと水中プールと圧力抑
制プールとを連通する配管では、水中プールに熱交換器
を設置しているので、熱交換器を流れる気体中に含まれ
ている水蒸気の凝縮効果が高められ、配管への気体の吸
い込み流量が増大するため、水素ガス濃度が一層効果的
に低減される。
【0040】また、ドライウエルと圧力抑制プールとを
連通する配管において、ドライウエルから圧力抑制プー
ルへ到達するのに、圧力抑制型格納容器の外部を経由す
る場合は、外部に位置する配管部が熱交換器の機能を有
することになるので、この配管部を流れる気体中に含ま
れている蒸気の凝縮効果が高められ、配管への気体の吸
い込み流量が増大し、水素ガス濃度が一層低減される。
【0041】(5)炉内の核分裂生成物が圧力抑制プー
ルの水中に放出された場合、圧力抑制プールの水中にお
いて放射線水分解により水素ガスと酸素ガスとが発生
し、水素ガスと酸素ガスとは、圧力抑制プール水面から
圧力抑制室空間部に移行するため、圧力抑制室内の水素
ガス濃度が上昇する。
【0042】また、圧力抑制型格納容器の内圧が過大と
なる事態が発生し、圧力抑制型格納容器から圧力抑制室
の空間部に気体が流入する場合においても、圧力抑制室
内の水素ガス濃度が上昇する。
【0043】しかし、圧力抑制室の空間部から圧力抑制
型格納容器外に気体を放出する放出ベント管の圧力抑制
室の空間部に位置する箇所、又は放出ベント管の任意の
位置に、水素ガス濃度低減器を設置しているので、放出
ベント管から圧力抑制型格納容器外に放出される気体中
の水素ガスの濃度が低減され、放出ベント管から圧力抑
制型格納容器外に放出される水素ガスが外気中の酸素と
混合して爆発する危険性が回避される。
【0044】(6)ドライウエル内、又は圧力抑制室の
空間部内のうちの少なくとも一箇所に、複数の触媒型水
素反応板又は水素吸収板(以後、この両板を合わせて水
素ガス濃度低減板と略称)を気体の自然循環流に平行に
多層の棚状に設置しているので、気体の自然循環流が効
果的に水素ガス濃度低減板と接触し、気体中の水素ガス
が水素ガス濃度低減板に吸収され、気体中の水素ガスの
濃度の低減が図られる。
【0045】(7)原子炉1次系配管破断直後、ドライ
ウエル内及び圧力抑制室内とも、高温・高圧流体のジェ
ット力が作用し、圧力抑制室内では圧力抑制プールのス
ウェル現象が発生する。このため、ドライウエル内及び
圧力抑制室内に突起物などがあれば、それらに対して大
きな荷重が加わることになる。
【0046】しかし、水素ガス濃度低減板は、使用して
いない場合、すなわち、原子炉1次系配管破断直後など
では、折りたたみ、重ね合わせて、ドライウエル内、又
は圧力抑制室の空間部内の天井壁面又は横壁面などの内
壁面に近接して収納できるようにしているので、スウェ
ル現象が発生した場合でも支障を来すことはない。
【0047】(8)ドライウエル内に設置した水素ガス
濃度低減板の間に、気体の自然循環流を流して、水素ガ
スを抑制した気体を、配管内を通して圧力抑制プールに
流すので、圧力抑制室内の気体の水素ガスの濃度は大幅
に低減する。
【0048】(9)圧力抑制室の空間部内に設置した水
素ガス濃度低減板の間を、気体の自然循環流を流して、
水素ガスの濃度を大幅に低減した気体を、放出ベント管
を通して圧力抑制型格納容器外に流すので、圧力抑制型
格納容器外での水素ガスによる爆発の危険性は大きく減
少する。
【0049】
【実施例】本発明の実施例を図1〜図11に基づいて説
明する。
【0050】まず、本発明の第1実施例について説明す
る。図1は第1実施例の模式縦断面図である。
【0051】図1に示すように、圧力抑制型格納容器1
に内在し、内部に原子炉2及び原子炉1次冷却水3を有
する圧力容器4から、原子炉1次系配管5が上部ドライ
ウェル7を水平方向に貫通しており、原子炉1次系配管
5には、隔離弁A6を取り付けている。
【0052】圧力容器4の下方には下部ドライウェル8
があり、下部ドライウェル8は圧力容器4の側部の隙間
を介して上部ドライウェル7と連絡している。
【0053】上部ドライウェル7の下方にはダイヤフラ
ム床9があり、ダイヤフラム床9の下方は圧力抑制プー
ル11と圧力抑制室空間部12とを有する圧力抑制室1
0となっている。
【0054】上部ドライウェル7と圧力抑制プール11
とはベント管13によって連通してあり、ベント管13
のベント管水中開口部14は、水平方向に縦方向3段に
分かれて開口している。
【0055】上部ドライウェル7の上方には冷却水16
を蓄えてある冷却プール15を、また、上部ドライウェ
ル7の上方壁を貫通し、冷却水16中に取り付けている
熱交換器17を介して圧力抑制プール11内に延びる配
管A18を、それぞれ設置している。
【0056】圧力抑制プール11の水中における配管A
18の下端の水深は、ベント管水中開口部14の最上開
口部の水深よりも浅く設定している。
【0057】配管A18の上部ドライウェル7における
端面、すなわち気体吸入口19には、水素ガス濃度低減
材収納箱20を設置してあり、水素ガス濃度低減材収納
箱20には水素ガス濃度低減材21を収納している。
【0058】上記のような構成において、万一、原子炉
1次系配管5が破断した場合、圧力容器4から放出され
る高温・高圧の水や水蒸気のために、上部ドライウェル
7及び下部ドライウェル8の内圧が上昇する。
【0059】配管破断事故後約10分以降の時点では、
上部ドライウェル7内の気体(主に窒素ガス)のほとん
どは、破断口からの水や水蒸気によって、ベント管13
を介して圧力抑制室空間部12に押し出されている状態
となる。
【0060】そして、原子炉2の崩壊熱によって蒸発し
た原子炉1次冷却水3が破断口から連続的に上部ドライ
ウェル7内に放出されることにより、上部ドライウェル
7内の圧力が高くなる。この場合、上部ドライウェル7
内の気体は配管A18を通って連続的に圧力抑制プール
11内に押し出される。
【0061】更に、配管A18内の水蒸気は熱交換器1
7によって冷却されて凝縮し、このため流入した気体は
減圧されるので、上部ドライウェル7からの気体の吸込
み量が増大する。
【0062】気体の減圧後は、圧力抑制室空間部12の
内圧と配管A18の圧力抑制プール11の水中への水浸
水頭圧とがバランスを保つ状態で、最終的には圧力抑制
プール11内に気体が移行する。この時点の熱交換器1
7の冷却効率は、配管A18内の流体に非凝縮性ガスが
多いほど低く、熱交換器17の性能低下の大きな要因と
なる。
【0063】このため、本実施例では、配管破断事故直
後以降、上部ドライウェル7内で継続して発生する水素
ガスを、配管A18から熱交換器17に流入する前に、
水素ガス濃度低減材21を収納した水素ガス濃度低減材
収納箱20により効果的に吸収・低減するようにしてあ
り、したがって、熱交換器17の性能が大きく向上して
いる。
【0064】以上のように、本実施例では、圧力容器4
内に発生した水素ガスは、上部ドライウェル7の内圧と
圧力抑制室空間部11との内圧の差により生じる駆動力
により、他の駆動源を使用しなくとも、配管A18内を
必ず流れることになる。また、水素ガスの流れる箇所に
水素ガス濃度低減材収納箱20を設置しているので、水
素ガス濃度が大幅に低減し、熱交換器17の冷却性能が
向上している。
【0065】本発明の第2実施例を説明する。図2は第
2実施例の模式縦断面図である。
【0066】図2に示すように、上部ドライウェル7か
ら圧力抑制プール11の水中に伸びる配管B22が、上
部ドライウェル7から圧力抑制型格納容器1の外部に一
部引き出された形をしており、また配管B22の圧力抑
制プール11の水中における下端の水深を、ベント管水
中開口部14の最上開口部の水深よりも浅く設定してい
る。
【0067】また、配管B22の圧力抑制型格納容器1
外への引回し部には、水素ガス濃度低減材21を収納し
た水素ガス濃度低減材収納箱20を設置している。
【0068】本実施例は、第1実施例と同様に、原子炉
2の崩壊熱によって蒸発した原子炉1次冷却水3が破断
口から連続的に上部ドライウェル7内に放出され、上部
ドライウェル7内の圧力が高い状態の場合である。
【0069】このような状態において、上部ドライウェ
ル7内の気体は、配管B22により連続的に圧力抑制プ
ール11内に押し出され、上部ドライウェル7内の気体
に含まれる水素ガスの濃度は、水素ガス濃度低減材21
によって大幅に低減する。
【0070】また、本実施例では、水素ガス濃度低減材
収納箱20を圧力抑制室格納容器1の外部に設置し、狭
い上部ドライウェル7内に水素ガス濃度低減材収納箱2
0を設置する必要がないため、水素ガス濃度低減材収納
箱20の維持管理が容易となり、水素ガス濃度低減につ
いての信頼性及び作業性を向上させることができる。
【0071】以上のように、本実施例では、第1実施例
と同様に、圧力容器4内で発生した気体に含まれる水素
ガスの濃度を大幅に低減することができる。また、水素
ガス濃度低減材収納箱20の設置に、上部ドライウェル
7内を利用する必要がないので、スペース上有利とな
り、更に水素ガス濃度低減材収納箱20の維持管理が容
易になる。
【0072】本発明の第3実施例を説明する。図3は第
3実施例の正面図、図4は第3実施例の側面図、図5は
第3実施例の水素ガス濃度低減板収納についての説明図
である。
【0073】本実施例は、水素ガス濃度低減板を上部ド
ライウエルの天井壁面に近接させて収納することができ
る棚型水素ガス濃度低減装置を、上部ドライウエル内に
設置した場合である。
【0074】図3に示すように、棚型水素ガス濃度低減
装置23は、次のような構成になっている。すなわち、
固定軸26が壁24を貫通して天井壁面25から垂直に
突出し、固定軸26の下端が、固定軸26及び気体の流
れ方向に対してそれぞれ直角になるように曲がり、その
曲った部分の固定軸26の外周面に、一端が円孔を有す
る円筒状をなしている低減板支持構造物27のその円孔
の内周面を滑合状態で嵌め込んでいる。
【0075】また、低減板支持構造物27とは気体の流
れ方向に、一定の間隔をおいて、低減板連結棒28を併
設し、低減板連結棒28の一端に連結棒回転軸29を取
り付けて、連結棒回転軸29は天井壁面25に突設して
あるガイド30の溝31内を移動できるようにしてい
る。
【0076】低減板支持構造物27には一定の間隙37
を保持して複数個の低減板回転支持軸A32を横設して
あり、また、低減板連結棒28には、低減板支持構造物
27と同様に、一定の間隙37を保持して低減板回転支
持軸B33を横設している。更に、低減板回転支持軸A
32及び低減板回転支持軸B33に滑合可能に嵌め込む
ことができる孔を両端部に有する複数個の水素ガス濃度
低減板34を準備し、それらの孔を上方から順次、低減
板回転支持軸A32及び低減板回転支持軸B33に嵌め
込み、水素ガス濃度低減板34を、低減板支持構造物2
7と低減板連結棒28とに連結させている。
【0077】図4は、図3を側面から見た図である。軸
受38により、低減板支持構造物27における円筒状の
両端部を滑合状態で支持しており、低減板連結棒28は
2個設置している。
【0078】図5は、図3の状態の低減板支持構造物2
7を、気体の流れ方向に逆らって約90度回した状態を
示している。この場合は、連結棒回転軸29はガイド3
0の溝31内を移動し、低減板連結棒28も約90度回
ることになる。したがって、水素ガス濃度低減板34
は、折りたたみ状となり、重なり合って、天井壁面25
に近接して収納される。
【0079】この収納は、複数個設置されているうち、
最下端に位置している水素ガス濃度低減板34に隣接し
て設置されているカバー35に設置したフック36を、
天井壁面25に突設してあるロック機構39でロックす
ることにより行っている。
【0080】ロック機構39の解除は、手動、又は簡単
な自動解除装置(記入せず)により行っており、配管破
断事故発生後、ある時間経過して行われるこの解除の時
間設定には、タイマーを用いている。
【0081】ロック機構39を解除した場合、低減板支
持構造物27及び低減板連結棒28などは、バネ機構4
0又は自重により垂直状態まで下がり、水素ガス濃度低
減板34は、図3に示したような水平状態で停止する。
【0082】すなわち、図3及び図4は、気体の流れが
水平状態の場合であるが、その他の場合でも、水素を含
む気体が水素ガス濃度低減板34に最も接触しやすいよ
うに、低減板支持構造物27及び低減板連結棒28など
を下げる場合、ストッパーを用いて天井壁面25に対し
て最適の角度で停止させることができる。
【0083】本実施例では、通常の定期検査などにおい
て、上部ドライウェル7内で作業などをする場合、水素
ガス濃度低減板34は、図5のように天井壁面25に近
接させて格納することができるので、空間的に余裕があ
り、作業性に優れている。
【0084】通常の原子炉の運転中では、水素ガス濃度
低減板34を、図5に示すような状態としているので、
カバー35の効果と相まって、ほこり及び油ダストなど
の附着による水素ガス濃度低減板34の性能低下を防止
することができる。
【0085】また、カバー35にはフック36を設置し
ているため、ロック機構39により、水素ガス濃度低減
板34及び低減板支持構造物27などを天井壁面25に
近接させて、確実に保持することができる。
【0086】原子炉1次系配管5が破断した場合、圧力
容器4から放出される高温・高圧の水や水蒸気のため、
上部ドライウェル7及び下部ドライウェル8の内圧が上
昇し、上部ドライウェル7及び下部ドライウェル8の気
体は、ベント管13を通って圧力抑制プール11の水中
に放出される。この時点では、上部ドライウェル7内
に、破断口から放出される水や水蒸気のジェット流など
の過大な外力が発生する。
【0087】しかし、この場合でも、上記のように、水
素ガス濃度低減板34及び低減板支持構造物27などを
天井壁面25に近接させて収納することができるので、
過大な外力の衝突を避け、破断口から放出される水や水
蒸気のジェット流などを効果的に圧力抑制プール11に
流出させることができ、また、プールスウェルによる水
素ガス濃度低減板34などへの被害を回避することがで
きる。
【0088】破断口からの原子炉1次冷却水3の放出が
続いた場合、圧力容器4の内圧も低下し、上部ドライウ
ェル7、下部ドライウェル8、圧力抑制プール11及び
圧力抑制室空間部12における過激な気体の流動現象も
収まり、温度差による自然循環による気体の対流現象へ
と移行する。
【0089】この時点から、圧力容器4内及び圧力抑制
室空間部12における水素ガス濃度が、水の放射線分解
や、炉心内における水−金属反応によって徐々に上昇す
る。そのため、破断事故発生後およそ1日程度の時点で
水素ガス又は酸素ガスの濃度を低減するための対応が必
要となる。
【0090】本実施例では、運転員を煩わせないという
観点から、上部ドライウェル7及び下部ドライウェル8
の内圧上昇、又は圧力容器4内の原子炉1次冷却水3の
水位低下(LOCA信号)などを検知して、タイマーに
より上部ドライウェル7、下部ドライウェル8及び圧力
抑制室空間部12における過激な流動現象が終了した時
点で自動的にロック機構39を解除させるシステムを採
用しており、これにより、運転員の負担を軽減し、フュ
ーマンエラーを回避できるようにしている。
【0091】ロック機構39が解除された場合、軸受3
8を支点に低減板支持構造物27が重力、又はバネ機構
40のバネ力によって回り、同時に低減板連結棒28が
回ることによって、水素ガス濃度低減板34は間隙37
を有して天井壁面25に平行な角度で天井壁面25から
離れて数段に配置される。
【0092】通常、上部ドライウェル7内の気体は、天
上壁面25や横壁面に沿って自然循環するので、図3及
び図4のように、天上壁面25に平行に、何段にも水素
ガス濃度低減板34を配置した場合、気体の流れを妨げ
ず、かつ水素ガス濃度低減板34が気体と多く接触する
ことになるので、気体中に含まれる水素ガスの濃度を大
幅に低減ことができる。
【0093】なお、壁や天井の形状によっては、必ずし
も気体の流れが天井壁面や横壁面に平行になるとは限ら
ない。しかし、このような場合でも、気体の流れに対し
て水素ガス濃度低減板34が平行となるように調整する
ことが可能である。
【0094】更に、意図的に気体の流れに平行とせずに
一定の角度をもって、気体の流れの向きを変えたり、又
は流れに衝突するように、水素ガス濃度低減板34を配
置することも可能である。
【0095】以上のように、本実施例によれば、狭く特
に高さのない上部ドライウェル7内において、定期検査
時の作業性が向上し、万一の事故時には上部ドライウェ
ル7内で発生する気体の自然循環流を活用して、効果的
に気体中の水素ガスを水素ガス濃度低減板34に接触さ
せ、気体中の水素ガス濃度を大幅に低減することができ
る。
【0096】なお、水素ガス濃度低減板34を圧力抑制
室空間部12に設置する場合もあるが、これは上記の上
部ドライウエル7の場合と同じ手法で行い、同様の効果
を得ることができる。また水素ガス濃度低減板34を横
壁面に近接させて収納する場合もあるが、これは天井壁
面25に近接させて収納する場合と同じ手法で可能であ
る。
【0097】本発明の第4実施例を図6〜図9により説
明する。図6は第4実施例の模式縦断面図であり、第4
実施例が第1実施例と異なる点は、配管Aに、第1実施
例では水素ガス濃度低減材収納箱20を設置しているの
に対し、第4実施例では配管連通式棚型水素ガス濃度低
減装置41を設置していることである。
【0098】図7〜図9は配管連通式棚型水素ガス濃度
低減装置41に関する図面であり、それぞれ、この装置
の正面図、側面図、及び水素ガス濃度低減板収納につい
ての説明図である。また、図7の(b)は図7の(a)
のA部拡大図であり、図9の(b)は図9の(a)のB
部拡大図である。
【0099】第4実施例の配管連通式棚型水素ガス濃度
低減装置41が、第3実施例の棚型水素ガス濃度低減装
置23と比べて異なる点は、配管連通式棚型水素ガス濃
度低減装置41では、棚型水素ガス濃度低減装置23に
おける固定軸26を配管A18に、また低減板支持構造
物27を、低減板支持構造物27の内部を空洞化し、こ
の空洞内に気体が流入するように開口部43を設置した
空洞式低減板支持構造物42に、それぞれ替えているこ
とである。
【0100】そして、図7の(b)に示すように、水素
ガス濃度低減板34が気体に接触しやすいように、水素
ガス濃度低減板34が水平状態で、空洞式低減板支持構
造物42が垂直状態の場合、及び図9の(b)に示すよ
うに、空洞式低減板支持構造物42が水平状態となり、
水素ガス濃度低減板34が天上壁面25に近接して収納
されている場合とも、上部ドライウェル内の気体は配管
A18に流入するようにしている。
【0101】すなわち、水素ガス濃度低減板34が天井
壁面25に近接して収納された状態においても、上部ド
ライウェル7内の気体は配管A18内に流入する構造に
していることから、配管破断事故後の水素ガス濃度低減
板34の開放が遅れる場合があっても、上部ドライウェ
ル7内の気体を配管A18を通して圧力抑制プール11
内に流すことが可能である。
【0102】また、図9のロック機構39のロック解除
により、水素ガス濃度低減板34を上部ドライウェル7
内に開放するが、この機構などについては、実施例3の
場合と同じである。
【0103】すなわち、本実施例では、上部ドライウェ
ル7内に配管破断事故後に継続して発生する水素ガス
を、配管A18に吸込む前に、配管連通式棚型水素ガス
濃度低減装置41により吸収し、水素ガスの濃度を大幅
に低減した気体を、配管A18を通して圧力抑制プール
11内に流すようにしている。
【0104】また、配管連通式棚型水素ガス濃度低減装
置41を使用していない時は、第3実施例の棚型水素ガ
ス濃度低減装置23の場合と同様に、図9に示すよう
に、天井壁面25に近接させて配管連通式棚型水素ガス
濃度低減装置41を収納し、破断事故直後に発生するジ
ェット流や過大な外力の衝突を避け、破断口から放出さ
れる水や水蒸気のジェット流などを妨げずに圧力抑制プ
ール11に流出させることができる。
【0105】以上のように、本実施例によれば、上部ド
ライウェル7内の水素ガスを、配管連通式棚型水素ガス
濃度低減装置41により抑制し、水素ガスの濃度が大幅
に低減された気体を配管A18を通して圧力抑制プール
11に流出させる効果が得られる。
【0106】本発明の第5実施例を図10により説明す
る。図10は第5実施例の模式縦断面図である。
【0107】本実施例は、上部ドライウエル7から圧力
抑制型格納容器1の側壁内を経由して、ダイヤフラム床
9を貫通させ、圧力抑制プール11内に達する配管B2
2を設置してあり、上部ドライウエル7における配管B
22の端面に配管連通式棚型水素ガス濃度低減装置41
を取り付けた場合である。
【0108】この場合、圧力抑制プール11における配
管B22の出口は、圧力抑制プール11の水中における
複数のベント管水中開口部14のうちの最上位放出口よ
りも浅い水深の位置で開口している。
【0109】本実施例では、水素ガス濃度低減板34は
稼働時において横に開いた垂直状態にあり、配管連通式
棚型水素ガス濃度低減装置41は、圧力抑制型格納容器
1の横壁面に近接して収納され、この点は第4実施例の
場合と異なるが、機構的な点は同じである。
【0110】また、水素ガス濃度低減板34は稼働時に
おいて垂直状態になっているが、上部ドライウエル7内
における水素ガスは自然循環流となっている。すなわ
ち、配管連通式棚型水素ガス濃度低減装置41の設置箇
所では、自然循環流は水素ガス濃度低減板34に平行に
流れるので、水素ガス濃度の低減については、第4実施
例の場合と同様の効果がある。
【0111】以上のように、本実施例によれば、第4実
施例の場合と同様の効果を得ることができる。
【0112】第6実施例を図11により説明する。図1
1は第6実施例の模式縦断面図である。
【0113】図11に示すように、圧力抑制型格納容器
1の側壁を貫通し、圧力抑制室空間部12内の気体を圧
力抑制型格納容器1の外部に放出する放出ベント管44
の圧力抑制室空間部12における端部に、水素ガス濃度
低減板34が横に開いた垂直状態で配管連通式棚型水素
ガス濃度低減装置41を設置したものである。なお、放
出ベント管44の圧力抑制型格納容器1の外部に位置す
る箇所に隔離弁B45を設置している。
【0114】配管破断事故直後、放射性物質を含んだ原
子炉1次冷却水3は、上部ドライウェル7内に放出さ
れ、ベント管13を通って圧力抑制プール11内に流出
する。この流出量は少ないが、圧力抑制プール11の水
中で放射線水分解により水素ガスが発生する。
【0115】このように、圧力抑制プール11で水素ガ
スが発生しているときは、圧力抑制室空間部12内の圧
力が上部ドライウェル7内のものよりも低い状態にある
ので、発生した水素ガスは圧力抑制室空間部12に溜る
ことになる。更に、この場合、圧力抑制プール11の水
温は上昇しているので、圧力抑制室空間部12には、大
きな気体の自然循環流が発生する。
【0116】このような状態において、本実施例では、
図11のように、配管連通式棚型水素ガス濃度低減装置
41を設置しているので、圧力抑制室空間部12の気体
中の水素ガスの濃度は大幅に低減される。
【0117】また、配管破断事故後、何らかの原因によ
り圧力抑制プール11の冷却系(図示せず)がすべて作
動せずに、圧力抑制プール11の水温が異常に上昇する
苛酷事故が発生した場合は、圧力抑制室空間部12の圧
力が上昇し、更には上部ドライウェル7及び下部ドライ
ウェル8の圧力が異常に上昇する。
【0118】そして、圧力抑制型格納容器1内の水素ガ
ス濃度が高くなり、放出ベント管44から大気中に放出
する水素ガスの濃度が4vol%以上で、かつ酸素ガスの
濃度が5vol%以上の場合は可燃領域となり、燃焼・爆
発の可能性も生じる。
【0119】このような場合、原子炉2が破壊しておら
ず、かつ圧力抑制型格納容器1内の放射能も異常に高く
ないことを確認した上で、放出ベント管44の隔離弁B
45を開けて、圧力抑制型格納容器1内の圧力を低下さ
せる必要が出てくる。
【0120】本実施例は、この燃焼・爆発の防止に顕著
な効果を有している。すなわち、図11に示すように、
放出ベント管44の圧力抑制室空間部12の端部、すな
わち吸込み部に配管連通式棚型水素ガス濃度低減装置4
1を設置してあり、これによって、放出ベント管44が
気体を吸込むときに、気体中の水素ガスの濃度が大幅に
低減されるので、水素ガスによる圧力抑制型格納容器1
外での燃焼・爆発を抑制することができる。
【0121】以上のように、本実施例によれば、圧力抑
制室空間部12内に配管連通式棚型水素ガス濃度低減装
置41を設置することにより、圧力抑制室空間部12内
の気体中の水素ガスの濃度を自然循環流を活かして大幅
に低減でき、圧力抑制型格納容器1外に放出する気体中
の水素ガスによる爆発の危険性を大きく回避することが
できる。
【0122】
【発明の効果】本発明によれば、圧力抑制型原子炉格納
容器のような比較的小型の格納容器に適合でき、動力や
電力を使用せずに、水素ガス濃度を大幅に低減する可燃
性ガス濃度静的低減装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の模式縦断面図である。
【図2】本発明の第2実施例の模式縦断面図である。
【図3】本発明の第3実施例の要部の正面図である。
【図4】本発明の第3実施例の要部の側面図である。
【図5】本発明の第3実施例の水素ガス濃度低減板収納
についての説明図である。
【図6】本発明の第4実施例の模式縦断面図である。
【図7】本発明の第4実施例の要部の正面図である。
【図8】本発明の第4実施例の要部の側面図である。
【図9】本発明の第4実施例の水素ガス濃度低減板収納
についての説明図である。
【図10】本発明の第5実施例の模式縦断面図である。
【図11】本発明の第6実施例の模式縦断面図である。
【符号の説明】
1…圧力抑制型格納容器、2…原子炉、3…原子炉1次
冷却水、4…圧力容器、5…原子炉1次系配管、6…隔
離弁A、7…上部ドライウェル、8…下部ドライウェ
ル、9…ダイヤフラム床、10…圧力抑制室、11…圧
力抑制プ−ル、12…圧力抑制室空間部、13…ベント
管、14…ベント管水中開口部、15…冷却プール、1
6…冷却水、17…熱交換器、18…配管A、19…気
体吸入口、20……水素ガス濃度低減材収納箱、21…
水素ガス濃度低減材、22…配管B、23…棚型水素ガ
ス濃度低減装置、24…壁、25…天井壁面、26…固
定軸、27…低減板支持構造物、28…低減板連結棒、
29…連結棒回転軸、30…ガイド、31…溝、32…
低減板回転支持軸A、33…低減板回転支持軸B、34
…水素ガス濃度低減板、35…カバー、36…フック、
37…間隙、38…軸受、39…ロック機構、40…バ
ネ機構、41…配管連通式棚型水素ガス濃度低減装置、
42…空洞式低減板支持構造物、43…開口部、44…
放出ベント管、45…隔離弁B。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧力容器を取り囲むドライウェル、圧力
    抑制プールを有する圧力抑制室、及び前記ドライウェル
    と前記圧力抑制プールとを連通するベント管が内在する
    圧力抑制型格納容器の可燃性ガス濃度静的低減装置にお
    いて、前記圧力抑制プールへの出口を前記ベント管の前
    記圧力抑制プールへの出口より浅く位置させて、前記ド
    ライウェルの内部の水素ガスを前記圧力抑制プールへ流
    出させるための前記ドライウェルと前記圧力抑制プール
    との間を連通する配管を設置し、前記配管の任意の位置
    に水素ガス濃度低減器を設置してあることを特徴とする
    可燃性ガス濃度静的低減装置。
  2. 【請求項2】 前記配管を、前記ドライウエルの内部か
    ら前記圧力抑制型格納容器の外部を経由して前記圧力抑
    制プールの内部へ到達させ、前記配管の任意の位置に前
    記水素ガス濃度低減器を設置してある請求項1記載の可
    燃性ガス濃度静的低減装置。
  3. 【請求項3】 圧力容器を取り囲むドライウェル、圧力
    抑制プールを有する圧力抑制室、前記ドライウェルと前
    記圧力抑制プールとを連通するベント管、冷却プール、
    及び前記ドライウェルの内部の水素ガスを前記圧力抑制
    プールへ流出させるための前記ドライウェルと前記圧力
    抑制プールとの間を連通する配管が内在し、前記圧力抑
    制プールへの前記配管の出口を、前記ベント管の前記圧
    力抑制プールの出口より浅い位置に設定した冷却系を有
    する圧力抑制型格納容器の可燃性ガス濃度静的低減装置
    において、前記配管の前記ドライウェルの内部に位置す
    る任意の箇所に、水素ガス濃度低減器を設置してあるこ
    とを特徴とする可燃性ガス濃度静的低減装置。
  4. 【請求項4】 圧力容器を取り囲むドライウェル、圧力
    抑制プールを有する圧力抑制室、及び前記ドライウェル
    と前記圧力抑制プールとを連通するベント管が内在し、
    前記圧力抑制室の空間部から圧力抑制型格納容器の外部
    に気体を放出する放出ベント管を有する前記圧力抑制型
    格納容器の可燃性ガス濃度静的低減装置において、前記
    放出ベント管の任意の箇所に水素ガス濃度低減器を設置
    してあることを特徴とする可燃性ガス濃度静的低減装
    置。
  5. 【請求項5】 前記水素ガス濃度低減器には、触媒型水
    素反応材又は水素吸収材を用いてある請求項1〜4のい
    ずれか1項に記載の可燃性ガス濃度静的低減装置。
  6. 【請求項6】 圧力容器を取り囲むドライウェル、圧力
    抑制プールを有する圧力抑制室、及び前記ドライウェル
    と前記圧力抑制プールとを連通するベント管が内在し、
    前記圧力抑制室の空間部から前記圧力抑制型格納容器の
    外部に気体を放出する放出ベント管を有する前記圧力抑
    制型格納容器の可燃性ガス濃度静的低減装置において、
    前記ドライウェルの内部、又は前記圧力抑制室の空間部
    のうちの少なくとも一箇所に、流体の流れ方向に対して
    平行に多層の棚状を形成する棚型水素ガス濃度低減装置
    を設置し、前記棚型水素ガス濃度低減装置は前記流体の
    流れを回避できる箇所への収納が可能であることを特徴
    とする可燃性ガス濃度静的低減装置。
  7. 【請求項7】 圧力容器を取り囲むドライウェル、圧力
    抑制プールを有する圧力抑制室、及び前記ドライウェル
    と前記圧力抑制プールとを連通するベント管が内在し、
    前記圧力抑制室の空間部から前記圧力抑制型格納容器の
    外部に気体を放出する放出ベント管を有する前記圧力抑
    制型格納容器の可燃性ガス濃度静的低減装置において、
    前記水素ガスの流れ方向に対して直角かつ水平方向に位
    置する固定軸A、一端部に設けた孔Aを前記固定軸Aに
    滑合状態で嵌め込み、前記固定軸Aのまわりを回る支持
    構造物A、前記固定軸Aとは前記水素ガスの流れ方向に
    適当な間隔を保って前記固定軸Aに平行に位置する固定
    軸B、及び一端部に設けた孔Bを前記固定軸Bに滑合状
    態で嵌め込み、前記固定軸Bのまわりを回る支持構造物
    Bを有し、前記支持構造物A及び前記支持構造物Bに、
    それぞれ適当な間隔を置いて同じ向きに複数個の回転支
    持軸A及び回転支持軸Bを横設し、前記支持構造物A及
    び前記支持構造物Bの長手方向がそれぞれ前記水素ガス
    の流れ方向に対して直角の状態にある場合に、両端部に
    孔C及び孔Dを設けてある複数個の触媒型水素反応板又
    は水素吸収板の前記孔C及び前記孔Dを、それぞれ前記
    支持構造物A及び前記支持構造物Bの上部から順次に前
    記回転支持軸A及び前記回転支持軸Bに滑合状態で嵌め
    込み、前記複数個の触媒型水素反応板又は水素吸収板を
    適当な間隔を置いて前記水素ガスの流れ方向に対して平
    行に多層の棚状に形成させてなる棚型水素ガス濃度低減
    装置を、前記ドライウェルの内部、又は前記圧力抑制室
    の空間部のうちの少なくとも一箇所に設置してあること
    を特徴とする可燃性ガス濃度静的低減装置。
  8. 【請求項8】 前記棚型水素ガス濃度低減装置におい
    て、前記固定軸A、及び前記固定軸Bが平行移動するガ
    イド孔を有するガイドを、前記ドライウェルの内壁面、
    又は前記圧力抑制室の空間部の内壁面のうちの少なくと
    も一箇所に固定し、前記支持構造物A及び前記支持構造
    物Bが、それぞれ前記固定軸A及び前記固定軸Bのまわ
    りを回り、前記支持構造物A及び前記支持構造物Bの長
    手方向が、共に前記内壁面に平行状態にある場合に、前
    記複数個の触媒型水素反応板又は水素吸収板が折り畳み
    状になり、重なり合って、前記ドライウェルの内壁面、
    又は前記圧力抑制室の空間部の内壁面のうちの少なくと
    も一箇所に近接して収納される構成になっている請求項
    7記載の可燃性ガス濃度静的低減装置。
  9. 【請求項9】 前記棚型水素ガス濃度低減装置におい
    て、前記内壁面にロック機構を固設し、前記ロック機構
    により長手方向が前記内壁面に平行状態にある前記支持
    構造物A及び前記支持構造物Bをロックし、前記ロック
    の解除は手動又は自動操作により行い、前記ロックの解
    除により、前記支持構造物A又は前記支持構造物Bが、
    自重又はバネの力により、前記ドライウェルの内壁面、
    又は前記圧力抑制室の空間部の内壁面のうちの少なくと
    も一箇所とあらかじめ設定した角度をなす位置まで、前
    記固定軸A及び前記固定軸Bのまわりをそれぞれ回る構
    成になる請求項8記載の可燃性ガス濃度静的低減装置。
  10. 【請求項10】前記ロックの解除を、前記ドライウェル
    の圧力高信号、又は圧力容器水位低信号(LOCA信
    号)が出された後、あらかじめ設定した時間遅れをもっ
    て行う前記ロックの時限付き解除機構を有してなる請求
    項9記載の可燃性ガス濃度静的低減装置。
  11. 【請求項11】 前記棚型水素ガス濃度低減装置におい
    て、前記固定軸Aを端部管壁の一部を削除してなる配管
    とし、前記支持構造物Aに前記支持構造物Aの一端部に
    設けた前記孔Aと連通する空洞を設け、前記支持構造物
    Aが前記固定軸Aのまわりを回って、前記支持構造物A
    が前記内壁面に対して垂直又は水平の状態にあるとき、
    前記空洞と前記配管とが連絡する構造にし、かつ前記支
    持構造物Aに水素ガスの流れ方向に向い合って前記空洞
    に通じる複数個の孔を設置することにより、前記棚型水
    素ガス濃度低減装置を配管連通式棚型水素ガス濃度低減
    装置に替えてなる請求項7〜10のいずれかに記載の可
    燃性ガス濃度静的低減装置。
  12. 【請求項12】 前記支持構造物Aがあらかじめ設定さ
    れた任意の傾き状態において、前記空洞と前記配管とが
    連通する構造にしてある請求項11記載の可燃性ガス濃
    度静的低減装置。
  13. 【請求項13】 圧力容器を取り囲むドライウェル、圧
    力抑制プールを有する圧力抑制室、及び前記ドライウェ
    ルと前記圧力抑制プールとを連通するベント管が内在す
    る圧力抑制型格納容器の可燃性ガス濃度静的低減装置に
    おいて、前記圧力抑制プールへの出口を前記ベント管の
    前記圧力抑制プールへの出口より浅く位置させて、前記
    ドライウェルの内部の水素ガスを前記圧力抑制プールへ
    流出させるための前記ドライウェルと前記圧力抑制プー
    ルとの間を連通する配管を設置し、前記配管の任意の位
    置に水素ガス濃度低減器を設置し、前記ドライウェルの
    内部、又は前記圧力抑制室の空間部のうちの少なくとも
    一箇所に、請求項7〜10のいずれかに記載の棚型水素
    ガス濃度低減装置を設置してある可燃性ガス濃度静的低
    減装置。
  14. 【請求項14】 圧力容器を取り囲むドライウェル、圧
    力抑制プールを有する圧力抑制室、前記ドライウェルと
    前記圧力抑制プールとを連通するベント管、冷却プー
    ル、及び前記ドライウェルの内部の水素ガスを前記圧力
    抑制プールへ流出させるための前記ドライウェルと前記
    圧力抑制プールとの間を連通する配管が内在し、前記圧
    力抑制プールへの前記配管の出口を、前記ベント管の前
    記圧力抑制プールの出口より浅い位置に設定した冷却系
    を有する圧力抑制型格納容器の可燃性ガス濃度静的低減
    装置において、前記配管の前記ドライウェルの内部に位
    置する任意の箇所に水素ガス濃度低減器を設置し、前記
    ドライウェルの内部、又は前記圧力抑制室の空間部のう
    ちの少なくとも一箇所に、請求項7〜10のいずれかに
    記載の棚型水素ガス濃度低減装置を設置してある可燃性
    ガス濃度静的低減装置。
  15. 【請求項15】 圧力容器を取り囲むドライウェル、圧
    力抑制プールを有する圧力抑制室、及び前記ドライウェ
    ルと前記圧力抑制プールとを連通するベント管が内在
    し、前記圧力抑制室の空間部から前記圧力抑制型格納容
    器の外部に気体を放出する放出ベント管を有する前記圧
    力抑制型格納容器の可燃性ガス濃度静的低減装置におい
    て、前記放出ベント管の任意の箇所に水素ガス濃度低減
    器を設置し、前記圧力抑制室の空間部に、請求項7〜1
    0のいずれかに記載の棚型水素ガス濃度低減装置を設置
    してある可燃性ガス濃度静的低減装置。
  16. 【請求項16】 圧力容器を取り囲むドライウェル、圧
    力抑制プールを有する圧力抑制室、及び前記ドライウェ
    ルと前記圧力抑制プールとを連通するベント管が内在す
    る圧力抑制型格納容器の可燃性ガス濃度静的低減装置に
    おいて、前記圧力抑制プールへの出口を前記ベント管の
    前記圧力抑制プールへの出口より浅く位置させて、前記
    ドライウェルの内部の水素ガスを前記圧力抑制プールへ
    流出させるための前記ドライウェルと前記圧力抑制プー
    ルとの間を連通する配管を設置し、前記ドライウエルの
    内部に請求項11又は12記載の配管連通式棚型水素ガ
    ス濃度低減装置を設置し、前記配管連通式棚型水素ガス
    濃度低減装置における前記支持構造物Aの空洞と前記配
    管とを連通してある可燃性ガス濃度静的低減装置。
  17. 【請求項17】 圧力容器を取り囲むドライウェル、圧
    力抑制プールを有する圧力抑制室、前記ドライウェルと
    前記圧力抑制プールとを連通するベント管、冷却プー
    ル、及び前記ドライウェルの内部の水素ガスを前記圧力
    抑制プールへ流出させるための前記ドライウェルと前記
    圧力抑制プールとの間を連通する配管が内在し、前記圧
    力抑制プールへの前記配管の出口を、前記ベント管の前
    記圧力抑制プールの出口より浅い位置に設定した冷却系
    を有する圧力抑制型格納容器の可燃性ガス濃度静的低減
    装置において、前記ドライウエルの内部に請求項11又
    は12記載の配管連通式棚型水素ガス濃度低減装置を設
    置し、前記配管連通式棚型水素ガス濃度低減装置におけ
    る前記支持構造物Aの空洞と前記配管とを連通してある
    可燃性ガス濃度静的低減装置。
  18. 【請求項18】 圧力容器を取り囲むドライウェル、圧
    力抑制プールを有する圧力抑制室、及び前記ドライウェ
    ルと前記圧力抑制プールとを連通するベント管が内在
    し、前記圧力抑制室の空間部から前記圧力抑制型格納容
    器の外部に気体を放出する放出ベント管を有する前記圧
    力抑制型格納容器の可燃性ガス濃度静的低減装置におい
    て、前記圧力抑制室の空間部に、請求項11又は12記
    載の配管連通式棚型水素ガス濃度低減装置を設置し、前
    記配管連通式棚型水素ガス濃度低減装置における前記支
    持構造物Aの空洞と前記放出ベント管とを連通してなる
    可燃性ガス濃度静的低減装置。
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