JP7338598B2 - 柱梁接合部の構造および外ダイアフラムの施工方法 - Google Patents

柱梁接合部の構造および外ダイアフラムの施工方法 Download PDF

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特許法第30条第2項適用 令和2年3月1日発行の2019年度(第90回)日本建築学会関東支部研究報告集CDROM版にて発表 令和2年7月20日発行の2020年度日本建築学会大会(関東)学術講演梗概集・建築デザイン発表梗概集DVDにて発表
本発明は、建築物等の構造物の柱梁接合部の構造に関し、特に角形鋼管柱に外ダイアフラムを介して鉄骨梁を接合する柱梁接合部の構造および外ダイアフラムの施工方法に関する。
鉄骨造やコンクリート充填鋼管(CFT)構造の構造物において、鋼管等の中空の鋼材が柱に用いられる場合、構造物に地震力等の水平力が作用すると、柱梁接合部においては、H形鋼等からなる梁の端部から柱に対して曲げモーメントが作用する。このとき、梁の上部および下部のフランジから柱の表面に対して押圧力または引張力が作用し、柱を構成する中空の鋼材表面に面外変形が発生する。この面外変形が大きくなると、構造物の柱や梁等の主要構造部が本来有する耐力を十分発揮する前に、柱梁接合部の降伏が先行して発生し、構造物の層間変形角が過大となる結果、構造物全体の剛性が低下して早期に崩壊するおそれがある。
そこで、上記のような構造物の柱梁接合部においては、柱を構成する中空の鋼材表面の面外変形を抑制して柱梁接合部に十分な耐力を備えるべく、ダイアフラムと呼ばれる鋼板が水平方向に設けられ、梁のフランジから作用する押圧力または引張力がこのダイアフラムを介して柱に伝達されるようになっている。
ダイアフラムの主な方式としては、内ダイアフラム方式、通しダイアアラム方式、外ダイアフラム方式がある。このうち、柱の外側にダイアフラムが接合される外ダイアフラム方式では、柱の内側にダイアフラムが接合される内ダイアフラム方式や、ダイアフラムが柱の断面を貫通するように設けられる通しダイアフラム方式と比べて、ダイアフラムを柱に接合するための溶接量を低減することができる。
一方、外ダイアフラム方式において、ダイアフラムを一枚の鋼板で製作すると、環状のダイアフラムを柱の端部からダイアフラムの接合位置まで柱の材軸方向に挿入する必要が生じるため、柱が長い場合には施工が困難となる。このため、例えば図9~図11に示す柱梁接合部8A~8Cの構造のように、外ダイアフラム9A~9Cを二以上に分割した形状を有する分割ダイアフラム91~93を組み合わせて、外ダイアフラム9A~9Cが構成されることが多い。分割ダイアフラム91~93の各々は、溶接などにより柱2に接合されるとともに、分割ダイアフラム91~93相互間で応力を伝達できるように、分割ダイアフラム91~93同士の境界も、溶接Wやボルト接合等により接合される。このように構成された外ダイアフラム9A~9Cに、鉄骨梁3が接合される。
外ダイアフラム形式の柱梁接合部に関して、特許文献1に開示される技術では、外ダイアフラムを構成する鋼板同士の接合面を柱の角部に設け、この接合部を隅肉溶接により接合することにより、角形鋼管柱の面外方向の引張力に対する外ダイアフラムの耐力を向上させている。
また、特許文献2に開示される技術では、外ダイアフラムを、角形鋼管柱の柱面に接合される鉄骨梁の位置で四分割した分割ダイアフラムで編成し、これら分割ダイアフラムをボルト接合により鉄骨梁のフランジ幅内で一体化することで、外ダイアフラムを構成している。この構成により、外ダイアフラムにおける応力集中部となる、角形鋼管柱の角部近傍の部分に溶接を施さないようにして、強度及び靭性を確保している。
また、特許文献3に開示される技術では、外ダイアフラムを分割した分割ダイアフラムの各々に、柱と当接する柱プレートを設けるとともに、柱プレートの両端部に設けられた引張接合部において分割ダイアフラム同士をボルト接合している。この構成により、柱プレートと柱との摩擦力で外ダイアフラムが柱に固定され、溶接を使用しないようにしている。
特開2019-163632号公報 特開2002-173978号公報 特開2017-206823号公報
しかし、特許文献1~特許文献3に開示されるような技術では、外ダイアフラムを構成する分割ダイアフラム同士を溶接やボルト接合等により十分に拘束して、分割ダイアフラム相互間の回転を制限することを必要としている。よって、分割ダイアフラムに溶接用の開先またはボルト接合用のボルト孔を加工し、溶接材料や高力ボルトを用いて分割ダイアフラム同士を溶接またはボルト接合により接合する作業が発生しており、柱梁接合部に外ダイアフラムを設けるための費用や時間が十分に削減されているとは言えなかった。
上記課題を解決すべく、本発明は、外ダイアフラムを二以上に分割した形状を有する分割ダイアフラムを組み合わせて外ダイアフラムが構成される場合に、柱梁接合部に必要な耐力を確保しつつ、外ダイアフラムを設けるための費用や時間を大幅に削減することのできる、合理的な柱梁接合部の構造および外ダイアフラムの施工方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の特徴を有する。
[1] 角形鋼管柱に外ダイアフラムを介して鉄骨梁が接合されてなる柱梁接合部の構造であって、前記外ダイアフラムは、前記角形鋼管柱の角部で二以上に分割された形状を有する分割ダイアフラムが、該分割ダイアフラムの分割面で互いに接触する状態に組み合わされて構成され、前記分割ダイアフラムの各々は、前記角形鋼管柱の側面に溶接され、前記分割面において前記分割ダイアフラム同士は接合されていないことを特徴とする柱梁接合部の構造。
ここで、上記角形鋼管柱は、角部に曲率を有する角形鋼管柱だけでなく、角部が直角となる溶接組立四面ボックス柱をも含むものとする。
[2] 角形鋼管柱に外ダイアフラムを介して鉄骨梁が接合されてなる柱梁接合部の構造であって、前記外ダイアフラムは、前記角形鋼管柱の角部で二以上に分割された形状を有する分割ダイアフラムが、該分割ダイアフラムの分割面で互いに接触する状態に組み合わされて構成され、前記分割ダイアフラムの各々は、前記角形鋼管柱の側面に溶接され、前記分割面において前記分割ダイアフラム同士は、溶接深さが板厚の50%以下の溶接により接合されていることを特徴とする、柱梁接合部の構造。
[3] 前記角形鋼管柱はコンクリート充填角形鋼管柱であることを特徴とする[1]または[2]に記載の柱梁接合部の構造。
[4] 角形鋼管柱の側面を延長した平面と、該側面に溶接される前記分割ダイアフラムの分割面とのなす角度が、26度以上64度以下であることを特徴とする[1]~[3]のいずれかに記載の柱梁接合部の構造。
[5] 角形鋼管柱に外ダイアフラムを取り付ける外ダイアフラムの施工方法であって、前記外ダイアフラムが前記角形鋼管柱の角部で二以上に分割された形状を有する分割ダイアフラムを用意し、前記分割ダイアフラムを分割面で互いに接触する状態に組み合わせ、この状態で該分割ダイアフラムの各々を前記角形鋼管柱の側面に溶接し、前記分割面において前記分割ダイアフラム同士を接合しないことを特徴とする外ダイアフラムの施工方法。
[6] 角形鋼管柱に外ダイアフラムを取り付ける外ダイアフラムの施工方法であって、前記外ダイアフラムが前記角形鋼管柱の角部で二以上に分割された形状を有する分割ダイアフラムを用意し、前記分割ダイアフラムを分割面で互いに接触する状態に組み合わせ、この状態で該分割ダイアフラムの各々を前記角形鋼管柱の側面に溶接し、前記分割面において前記分割ダイアフラム同士を、溶接深さが板厚の50%以下の溶接により接合することを特徴とする外ダイアフラムの施工方法。
角形鋼管柱に外ダイアフラムを介して鉄骨梁が接合されてなる柱梁接合部の構造では、鉄骨梁のフランジから外ダイアフラムに入力する力の大部分は、鉄骨梁のフランジと角形鋼管柱との間の外ダイアフラムを経由して、角形鋼管柱の角部へと流れる。よって、角形鋼管柱の両側の外ダイアフラム内をそのまま柱梁接合部の反対側へと流れる応力伝達はほとんど生じない。
本発明の柱梁接合部の構造および外ダイアフラムの施工方法では、分割ダイアフラムは、外ダイアフラムが角形鋼管柱の角部で二以上に分割された形状を有し、この分割ダイアフラムが分割面で互いに接触する状態に組み合わされて、外ダイアフラムが構成されている。よって、鉄骨梁のフランジから角形鋼管柱の角部への応力伝達経路上に、分割ダイアフラムの分割面が存在しない。したがって、分割ダイアフラムの分割面において、分割ダイアフラム同士が接合されていなくても、鉄骨梁と角形鋼管柱との間の応力伝達が支障なく行われる。
そして、本発明の柱梁接合部の構造および外ダイアフラムの施工方法では、分割ダイアフラムの分割面において、分割ダイアフラム同士が接合されていない場合には、分割ダイアフラム同士を接合するための溶接用の開先またはボルト接合用のボルト孔を加工したり、溶接材料や高力ボルトを用いて分割ダイアフラム同士を溶接またはボルト接合により接合したりする作業が不要となり、溶接材料やボルト量の使用量も削減される。また、分割ダイアフラムの分割面において、分割ダイアフラム同士が溶接深さが板厚の50%以下の溶接により接合されている場合も、完全溶込み溶接やボルト接合により接合されている場合に比べると、より簡易で施工性が良い。
このように、本発明の柱梁接合部の構造および外ダイアフラムの施工方法によれば、柱梁接合部に必要な耐力を確保しつつ、外ダイアフラムを設けるための費用や時間を大幅に削減することができる。
また、前記角形鋼管柱がコンクリート充填鋼管柱である場合には、鉄骨梁のフランジから外ダイアフラムに作用する圧縮力の大部分は、鉄骨梁のフランジと角形鋼管柱との間の外ダイアフラムを経由して、角形鋼管柱内部の充填コンクリートへと流れる。よって、角形鋼管柱の両側の外ダイアフラム内をそのまま柱梁接合部の反対側へと流れる応力伝達はほとんど生じない。よって、したがって、角形鋼管柱の角部で分割された分割ダイアフラムの分割面において、分割ダイアフラム同士が接合されていなくても、鉄骨梁と角形鋼管柱との間の応力伝達が支障なく行われる。
また、鉄骨梁のフランジから外ダイアフラムに引張力が作用する場合には、分割ダイアフラムのうち鉄骨梁が取り付く部分は大きな引張力を受け、分割ダイアフラムのうち鉄骨梁が取り付かない両側部分は引張力を受けないため、分割ダイアフラムはその板面内で曲げ変形して、分割ダイアフラムの両側部分には回転角が生じる。これにより、分割ダイアフラムのうち、角形鋼管柱よりも突出する両側部分が、隣接する他の分割ダイアフラム側に押し付けられるので、分割ダイアフラム同士が接合されていなくても、支圧力によって分割ダイアフラム間での応力伝達が支障なく行われる。
さらに、角形鋼管柱の側面を延長した平面と、該側面に溶接される前記分割ダイアフラムの分割面とのなす角度を、arctan0.5以上arctan2以下、すなわち26度以上64度以下の範囲内とすることにより、鉄骨梁が角形鋼管柱に対して偏心して配置されている場合にも、分割ダイアフラムの両側の、角形鋼管柱の両側面よりも突出する部分が、隣接する他の分割ダイアフラム側に押し付けられるようにすることができる。よって、分割ダイアフラム同士が接合されていなくても、支圧力によって分割ダイアフラム間での応力伝達が支障なく行われる。
本発明の第一の実施形態の柱梁接合部の構造および外ダイアフラムの施工方法により施工された外ダイアフラムを示す平面図である。 本発明の第一の実施形態の柱梁接合部の構造および外ダイアフラムの施工方法により施工された外ダイアフラムを示す側面図である。 本発明の第一の実施形態の柱梁接合部の構造および外ダイアフラムの施工方法により施工された外ダイアフラムの作用を示す側面図である。 本発明の第一の実施形態の柱梁接合部の構造および外ダイアフラムの施工方法により施工された外ダイアフラムの作用を示す平面図である。 本発明の第二の実施形態の柱梁接合部の構造および外ダイアフラムの施工方法により施工された外ダイアフラムを示す平面図である。 本発明の第二の実施形態の柱梁接合部の構造および外ダイアフラムの施工方法により施工された外ダイアフラムの作用を示す平面図である。 本発明の第三の実施形態の柱梁接合部の構造および外ダイアフラムの施工方法により施工された外ダイアフラムを示す平面図である。 本発明の第三の実施形態の柱梁接合部の構造および外ダイアフラムの施工方法により施工された外ダイアフラムの作用を示す平面図である。 従来の柱梁接合部の構造を示す平面図である。 従来の柱梁接合部の構造を示す平面図である。 従来の柱梁接合部の構造を示す平面図である。
以下、図面を参照して、本発明の柱梁接合部および外ダイアフラムの施工方法の実施形態について、詳細に説明する。
本発明の第一の実施形態の柱梁接合部の構造の平面図および側面図を、図1および図2にそれぞれ示す。本実施形態の柱梁接合部1の構造では、角形鋼管柱2に外ダイアフラム5を介して鉄骨梁3が接合されている。外ダイアフラム5は、角形鋼管柱2の角部位置で四つに分割された形状を有する分割ダイアフラム51が、分割ダイアフラム51の分割面で互いに接触する状態に組み合わされて構成されている。分割ダイアフラム51の各々は、角形鋼管柱2の側面2Sに溶接され、この状態で分割ダイアフラム51同士は分割面において互いに接触しているが、接合されてはいない。
あるいは、これに代えて、分割ダイアフラム51の各々が角形鋼管柱2の側面2Sに溶接された状態で、分割ダイアフラム51同士が、溶接深さが板厚の50%以下、好ましくは30%以下、さらに好ましくは10%以下の溶接により接合されている。
ここで、角部位置とは、分割ダイアフラムの分割面5Sと、この分割ダイアフラム51が溶接される角形鋼管柱2の側面2Sを延長した平面とのなす角度θとのなす角度が0~90°となるような位置を指す。
本実施形態では、分割ダイアフラム51の分割面5Sと、この分割ダイアフラム51が溶接される角形鋼管柱2の側面2Sを延長した平面とのなす角度θは、45度に設定されている。
また、分割ダイアフラム51が、分割ダイアフラム51の分割面で互いに接触する状態に組み合わされて構成されているとは、柱梁接合部1および外ダイアフラム5の製作時および施工時の許容差として、分割ダイアフラム51の分割面に3mm以下の隙間が生じている状態をも含むものとする。
また、本実施形態の外ダイアフラムの施工方法は、角形鋼管柱2に外ダイアフラム5を取り付ける外ダイアフラムの施工方法である。まず、上述のとおり、外ダイアフラム5が角形鋼管柱2の角部で二以上に分割された形状を有する分割ダイアフラム51を用意する。そして、分割ダイアフラム51を分割面で互いに接触する状態に組み合わせ、この状態で分割ダイアフラム51の各々を角形鋼管柱2の側面に溶接する。分割面において、分割ダイアフラム51同士は接合しないか、または、分割ダイアフラム51同士を、溶接深さが板厚の50%以下、好ましくは30%以下、さらに好ましくは10%以下の溶接により接合する。
分割ダイアフラム51同士を接合する上記溶接としては、分割ダイアフラム51の各々を角形鋼管柱2の側面に溶接した後、外ダイアフラム5の外側から角形鋼管柱2の角部まで延びるように、分割ダイアフラム51の各分割面に開先を形成して、2パス以下、好ましくは1パスの被覆アーク溶接またはガスシールドアーク溶接を行うことが好ましい。被覆アーク溶接またはガスシールドアーク溶接は、半自動溶接やロボット溶接としてもよい。開先深さは1パスあたり6mm程度とし、溶接材料の強度は、外ダイアフラム5を構成する鋼材の強度と同等以上とすることが好ましい。また、外ダイアフラム5の外側から10mm程度の範囲には開先を設けずに溶接を省略して、溶接時の溶け落ちを防ぐようにしてもよい。
本実施形態の柱梁接合部1の構造、および本実施形態の外ダイアフラムの施工方法により施工された外ダイアフラム5の作用を、図3の側面図および図4の平面図を参照して説明する。図3に示すように、柱梁接合部1を有する構造物に、地震力等の水平外力が作用すると、鉄骨梁3から柱梁接合部1には、白矢印で示すように、曲げモーメントがかかり、鉄骨梁3のフランジから外ダイアフラム5には、圧縮力または引張力が作用する。このとき、図4に示すように、鉄骨梁3のフランジから外ダイアフラム5に入力する力の大部分は、黒矢印で示すように、鉄骨梁3のフランジと角形鋼管柱2との間の外ダイアフラム5を経由して、角形鋼管柱の角部へと流れる。よって、角形鋼管柱2の両側の外ダイアフラム5内をそのまま柱梁接合部の反対側へと流れる応力伝達はほとんど生じない。
本実施形態の柱梁接合部1の構造および外ダイアフラムの施工方法では、分割ダイアフラム51は、外ダイアフラム5が角形鋼管柱2の角部で四つに分割された形状を有し、この分割ダイアフラム51が分割面で互いに接触する状態に組み合わされて、外ダイアフラム5が構成されている。よって、鉄骨梁3のフランジから角形鋼管柱2の角部への応力伝達経路上に、分割ダイアフラム51の分割面5Sが存在しない。したがって、分割ダイアフラム51の分割面5Sにおいて、分割ダイアフラム51同士が接合されていなくても、鉄骨梁3と角形鋼管柱2との間の応力伝達が支障なく行われる。
そして、本実施形態の柱梁接合部1の構造および外ダイアフラムの施工方法では、分割ダイアフラム51の分割面5Sにおいて、分割ダイアフラム51同士が接合されていない場合には、分割ダイアフラム51同士を接合するための溶接用の開先またはボルト接合用のボルト孔を加工したり、溶接材料や高力ボルトを用いて分割ダイアフラム51同士を溶接またはボルト接合により接合したりする作業が不要となり、溶接材料やボルト量の使用量も削減される。また、分割ダイアフラム51の分割面において、分割ダイアフラム51同士が溶接深さが板厚の50%以下の溶接により接合されている場合も、完全溶込み溶接やボルト接合により接合されている場合に比べると、より簡易で施工性が良い。
このように、本実施形態の柱梁接合部1の構造によれば、柱梁接合部1に必要な耐力を確保しつつ、外ダイアフラム5を設けるための費用や時間を大幅に削減することができる。
本発明の第二の実施形態の柱梁接合部の構造の平面図を、図5に示す。第二の実施形態の柱梁接合部1Aの構造では、図5に示すように、角形鋼管柱2Aは、その内部にコンクリート2Cが充填されたコンクリート充填角形鋼管柱である。その他の点では、第二の実施形態の柱梁接合部1Aの構造は、第一の実施形態の柱梁接合部1と同様に構成されている。
本実施形態の柱梁接合部1Aの構造、および本実施形態の外ダイアフラムの施工方法により施工された外ダイアフラム5の作用を、図6の平面図を参照して説明する。柱梁接合部1Aを有する構造物に、地震力等の水平外力が作用するとき、鉄骨梁3のフランジから外ダイアフラム5に作用する圧縮力(図6の右側の白矢印)の大部分は、鉄骨梁3のフランジと角形鋼管柱2Aとの間の分割ダイアフラム51を経由して、角形鋼管柱2A内部の充填コンクリート2Cへと流れる。よって、角形鋼管柱2Aの両側(図6では角形鋼管柱2Aの上側と下側)の分割ダイアフラム51を経由して柱梁接合部1Aの反対側(図6では角形鋼管柱2Aの左側)へと流れる応力伝達はほとんど生じない。したがって、角形鋼管柱2Aの角部で分割された分割ダイアフラム51の分割面において、分割ダイアフラム51同士が接合されていなくても、鉄骨梁3と角形鋼管柱2Aとの間の応力伝達が支障なく行われる。
また、鉄骨梁3のフランジから外ダイアフラム5に引張力(図6の左側の白矢印)が作用する場合には、分割ダイアフラム51のうち鉄骨梁3が取り付く部分は大きな引張力を受け、鉄骨梁3が取り付かない両側部分は引張力を受けないため、分割ダイアフラム51の曲げモーメント分布は符号51Mで示すとおりとなり、分割ダイアフラム51は板面内で曲げ変形して、分割ダイアフラム51の両側部分には回転角が生じる。これにより、分割ダイアフラム51のうち、角形鋼管柱2Aよりも突出する両側部分が、隣接する他の分割ダイアフラム51側に押し付けられるので、分割ダイアフラム51同士が接合されていなくても、支圧力によって分割ダイアフラム51間での応力伝達が支障なく行われる。
ここで、柱梁接合部1および外ダイアフラム5の製作時および施工時の許容差として、分割ダイアフラム51の分割面に3mm以下の隙間が生じている場合も、鉄骨梁3のフランジから外ダイアフラム5に引張力が作用すると、この隙間が閉じて分割ダイアフラム51の分割面が接触するので、上述のとおり支圧力によって分割ダイアフラム51間での応力伝達が支障なく行われる。
本発明の第三の実施形態の柱梁接合部の構造の平面図を、図7に示す。本実施形態の柱梁接合部1Bの構造では、図7に示すように、角形鋼管柱2Aに外ダイアフラム6を介して鉄骨梁3が、角形鋼管柱2Aの中心から偏心する状態に接合されている。外ダイアフラム6は、角形鋼管柱2Aの角部位置で四つに分割された形状を有する分割ダイアフラム61~63が、分割ダイアフラム61~63の分割面6S1、6S2で互いに接触する状態に組み合わされて構成されている。分割ダイアフラム61~63の各々は、角形鋼管柱2Aの側面2Sに溶接され、この状態で分割ダイアフラム61~63同士は分割面において互いに接触しているが、接合されてはいない。
本実施形態の柱梁接合部1Bの構造および外ダイアフラムの施工方法では、四つの分割ダイアフラム61~63のうち、角形鋼管柱2Aの中心から偏心する鉄骨梁3が接合される分割ダイアフラム61は、非対称に形成されている。
具体的には、図7に示すように、分割ダイアフラム61が他の分割ダイアフラム62、63と接触する分割面6S1、6S2のうち、鉄骨梁3に近い側の分割面6S1が、この分割ダイアフラム61が溶接される側の角形鋼管柱2Aの側面を延長した平面に対してなす角度θ1は、arctan0.5、すなわち26度に設定されている。
また、分割ダイアフラム61の分割面6S1、6S2のうち、鉄骨梁3から遠い側の分割面6S2が、この分割ダイアフラム61が溶接される側の角形鋼管柱2Aの側面2Sを延長した平面に対してなす角度θ2は、arctan2、すなわち64度に設定されている。
その他の点については、第三の実施形態の柱梁接合部1Bの構造および外ダイアフラムの施工方法は、第二の実施形態の柱梁接合部1Aおよび外ダイアフラムの施工方法と同様に構成されている。
本実施形態の柱梁接合部1Bの構造、および本実施形態の外ダイアフラムの施工方法により施工された外ダイアフラム6の作用を、図8の平面図を参照して説明する。柱梁接合部1Bを有する構造物に、地震力等の水平外力が作用するとき、鉄骨梁3のフランジから外ダイアフラム6に作用する圧縮力(図8の右側の白矢印)の大部分は、鉄骨梁3のフランジと角形鋼管柱2Aとの間の分割ダイアフラム61を経由して、角形鋼管柱2A内部の充填コンクリート2Cへと流れる。よって、角形鋼管柱2Aの両側(図8では角形鋼管柱2Aの上側と下側)の分割ダイアフラム62、63を経由して柱梁接合部1Bの反対側(図8では角形鋼管柱2Aの左側)へと流れる応力伝達はほとんど生じない。したがって、角形鋼管柱2Aの角部で分割された分割ダイアフラム61~63の分割面6S1、6S2において、分割ダイアフラム61~63同士が接合されていなくても、鉄骨梁3と角形鋼管柱2Aとの間の応力伝達が支障なく行われる。
また、鉄骨梁3のフランジから外ダイアフラム6に引張力(図8の左側の白矢印)が作用する場合には、分割ダイアフラム61のうち鉄骨梁3が取り付く部分は大きな引張力を受け、鉄骨梁3が取り付かない両側部分は引張力を受けないため、分割ダイアフラム61の曲げモーメント分布は符号61Mで示すとおりとなり、分割ダイアフラム61は板面内で曲げ変形して、分割ダイアフラム61の両側部分には回転角が生じる。
そして、分割ダイアフラム61が他の分割ダイアフラム62、63と接触する分割面6S1、6S2のうち、鉄骨梁3に近い側の分割面6S1が、角形鋼管柱2Aの側面を延長した平面に対してなす角度θ1を、arctan0.5、すなわち26度に設定するとともに、鉄骨梁3から遠い側の分割面6S2が、角形鋼管柱2Aの側面2Sを延長した平面に対してなす角度θ2を、arctan2、すなわち64度に設定することにより、本実施形態のように鉄骨梁3が角形鋼管柱2Aに対して偏心して配置されていても、分割ダイアフラム61のうち、角形鋼管柱2Aよりも突出する両側部分の曲げモーメント分布は、図8に符号61Mで示すとおりとなり、分割ダイアフラム61の両側部分が隣接する他の分割ダイアフラム62、63側に押し付けられるようにすることができる。よって、分割ダイアフラム61~63同士が接合されていなくても、支圧力によって分割ダイアフラム61~63間での応力伝達が支障なく行われる。
また、本発明の柱梁接合部の構造および外ダイアフラムの施工方法は、上記各実施形態のように、外ダイアフラム5、6に鉄骨梁3のフランジを溶接接合するリング型に限られず、外ダイアフラムに鉄骨梁のフランジをボルト接合する突出型としてもよい。
また、本発明の柱梁接合部の構造および外ダイアフラムの施工方法において、複数の鉄骨梁が段違いに取り付く場合には、分割ダイアフラムを組み合わせて構成される外ダイアフラムを、それぞれの鉄骨梁のフランジの高さに設けてもよい。
1、1A、1B 柱梁接合部
2、2A 角形鋼管柱
2C コンクリート
2S 角形鋼管柱の側面
5、6 外ダイアフラム
51、61~63 分割ダイアフラム
5S、6S1、6S2 分割ダイアフラムの分割面
θ、θ1、θ2 角形鋼管柱の側面と分割ダイアフラムの分割面とのなす角度

Claims (4)

  1. 角形鋼管柱に外ダイアフラムを介して鉄骨梁が接合されてなる柱梁接合部の構造であって、
    前記外ダイアフラムは、前記角形鋼管柱の角部で二以上に分割された形状を有する分割ダイアフラムが、該分割ダイアフラムの分割面で互いに接触する状態に組み合わされて構成され、
    前記分割ダイアフラムの各々は、前記角形鋼管柱の側面に溶接され、
    前記分割面において前記分割ダイアフラム同士は接合されていないこと
    を特徴とする柱梁接合部の構造。
  2. 前記角形鋼管柱はコンクリート充填角形鋼管柱であることを特徴とする請求項に記載の柱梁接合部の構造。
  3. 前記角形鋼管柱の側面を延長した平面と、該側面に溶接される前記分割ダイアフラムの分割面とのなす角度が、26度以上64度以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の柱梁接合部の構造。
  4. 角形鋼管柱に外ダイアフラムを取り付ける外ダイアフラムの施工方法であって、
    前記外ダイアフラムが前記角形鋼管柱の角部で二以上に分割された形状を有する分割ダイアフラムを用意し、
    前記分割ダイアフラムを分割面で互いに接触する状態に組み合わせ、この状態で該分割ダイアフラムの各々を前記角形鋼管柱の側面に溶接し、
    前記分割面において前記分割ダイアフラム同士を接合しないこと
    を特徴とする外ダイアフラムの施工方法。
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