特許法第30条第2項適用 (1)掲載日 令和4年3月23日 掲載アドレス https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000054834.html(2)掲載日 令和4年3月23日 掲載アドレス https://www.yourinventit.com/news/release/artpass_yuruwaku/
以下、図面を参照しながら本明細書による開示を実施するための形態を説明する。先に説明した実施形態に対応する構成要素を後続の実施形態が有する場合には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、各実施形態において構成の一部のみを説明している場合、当該構成の他の部分については先行して説明した実施形態の参照符号を使用する場合がある。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示していない場合でも、特に当該組み合わせに支障が生じなければ、実施形態同士を部分的に組み合わせることも可能である。
図1は、本実施形態で開示する予約システムの全体構成例を示す図である。本実施形態で開示する予約システムは、イベント等の予約を事前のチケットの発給によって受け付けるシステムである。
1は、チケットの予約の受け付けと発給を行うクラウドサーバである。クラウドサーバ1は、イベントの開催者等の事業者が本実施形態で開示する予約システムに依頼する予約条件のデータを事業者用端末2から受信する。なお、事業者用端末2は、本実施形態で開示する予約システムにおいては、クラウドサーバ1の一部(例えば入力装置)として構成され、又は、前記予約条件のデータを事業者用端末2から送信しない場合(たとえば、同データをクラウドサーバ1に直接登録する場合)は、必須の構成要素ではない。また、本実施の形態では、サーバをクラウドサーバ1としているが、これに限定されるものではなく、共用サーバ、専用サーバ又はVPSであってもよく、さらに、後述する機能別に、複数のサーバを接続したCSS(クラウドサーバシステム)等、分散システムの形態であってもよい。
事業者用端末2から前記予約条件を受信したクラウドサーバ1は、前記チケットの発給を要求する複数の通信端末5(通信端末5A、通信端末5B…通信端末5N)、コールセンター端末6、前記イベント会場でチケットを販売する窓口端末7と、インターネット4を介して、通信可能に接続されている。事業者用端末2は、前記予約条件を入力するためのクラウドサーバ1の入力部として機能するほか、後述する集計データの閲覧も可能である。
クラウドサーバ1から前記チケットが発給された通信端末5は、イベント会場において、前記チケットをチケット読取装置3に読み込ませる。通信端末5から、チケット読取装置3に前記チケットを読み込ませることにより、通信端末5の保有者は、前記イベント会場に入場することができる。チケット読取装置3は、インターネット4を介して、読み取ったチケットのデータをクラウドサーバ1に送信する。
コールセンター端末6は、チケットの購入希望者から取得した予約情報を受け付けて、通信端末5同様、クラウドサーバ1にチケットの発給を要求する。コールセンター端末6は、前記予約情報を通信端末5からデータとして受け付けるほか、電話等、インターネット4を介さないルートで受け付けてもよい。なお、コールセンター端末6は、前記チケットの発給要求をするとともに、前記予約条件の入力、集計データの閲覧等、事業者用端末2として機能するようにしてもよい。
窓口端末7は、前記イベント会場の窓口でチケットの購入希望者からチケットの申し込みを受け付けて、クラウドサーバ1に照会し、クラウドサーバ1を介して前記購入希望者に直接チケットを発給する。チケットの発給方法は、前記購入希望者の通信端末5にデータとして発給する方法のほか、プリンタで印刷された紙のチケットを前記購入希望者に提供する方法であってもよい。本実施の形態では、窓口端末7は、窓口のオペレータが操作してチケットを発給する形態を示しているが、前記購入希望者が、タッチパネルなどを操作してチケットを発給する自動発券式の端末でもよい。
なお、事業者用端末2、コールセンター端末6及び窓口端末7は、例えば、デスクトップパソコン、ノートパソコン、であり、通信端末5は、例えば、タブレット端末、スマートフォンである。いずれの端末も、前記のとおり、インターネット4等の通信ネットワークに接続可能であり、インターネットの場合は、ウェブブラウザを搭載し、ディスプレイによってデータ(データの表示形態は、前記通信ネットワークで配信可能なものであれば、特に限定されず、テキスト、画像、動画、音声等あらゆる形態を含む。)を表示可能なものであれば、特に限定しない。さらに、前記データは、ディスプレイによって表示されるものに限定されず、プリンタなどの出力装置によって出力された紙媒体に表示されるものであってもよい。
本明細書で開示するクラウドサーバ1の前記チケットの発給に関する各機能の詳細については後述するが、ハードウェアとしては、CPU(Central Processing Unit)、RAM(メモリ)、ROM(ストレージ)、及び必要に応じてマウス、キーボード等の入力装置、ディスプレイ、スピーカ等の出力装置を備える。そして、前記CPUは、前記入力装置等から入力される指示に従い、前記ストレージや外部記憶装置に記憶されたデータ等を読み出して、ディスプレイ等に出力するように制御する。また、クラウドサーバ1のCPUは、所定の信号を受け付けると、ストレージに格納された処理プログラムをメモリに読み出し、前記読み出された処理プログラムによって、前記データを前記出力装置(例えばディスプレイ)に出力するように制御する。
次に、図2のブロック構成図によって、クラウドサーバ1の機能を説明する。クラウドサーバ1は、少なくとも、登録部11と、受付部12と、予約処理部13と、発給部14と、エントリー処理部15を有する。さらに、集計部16、検知部17を有する構成としてもよい。
クラウドサーバ1は、所定のイベントに対するチケットの予約条件を設定し、登録する登録部11を有する。本実施の形態では、前記したとおり、前記予約条件のデータは、事業者用端末2から受信し、これを登録する。本実施の形態では、例示的に事業者用端末2が1台接続された形態を示しているが、複数の事業者用端末2が接続された形態であってもよい。すなわち、クラウドサーバ1は、複数の事業者用端末2から、異なるイベントに関する予約条件を受信して、各別に前記チケットの発給を行うようにしてもよい。
前記予約条件は、例えば、前記チケットの予約日、予約枠数である。ここで、予約日とは、前記購入希望者が、前記イベント会場に行く日のことであり、予約枠数とは、前記予約日における前記チケットの発給上限数である。ただし、後述するとおり、予約枠数は、日付単位よりも大きい括りと細かい括りと、で設定することができる。すなわち、予約枠数は、複数の異なる粒度で設定することが可能である。
受付部12は、前記チケットの購入のために使用される通信端末5(購入希望者端末)から、インターネット4を介して、予約情報を受け付ける。前記予約情報は、前記チケットの発給に必要な情報であり、例えば、前記購入希望者の特定情報と前記予約日、前記チケットの枚数、後述する前記チケットのエントリータイプ、券種等の種類の指定情報とで構成されている。受付部12は、前記予約情報を通信端末5のほか、コールセンター端末6からも受け付けることがきる。
予約処理部13は、受付部12で受け付けられた前記予約情報に基づいて、予約登録を行う。前記予約登録は、受け付けた予約情報を蓄積するデータベースを構成する。
発給部14は、前記予約登録に基づいて、前記予約情報を送信した通信端末5に対して、インターネット4を介して、前記チケットを発給する。したがって、クラウドサーバ1から発給されるチケットは、通信端末5で受信可能な形態、すなわち、コード化されたチケットになる。具体的には、例えば、二次元コードからなる電子チケットである。なお、発給部14は、窓口端末7を介して通信端末5にチケットを発給するようにしてもよい。窓口端末7は、前記イベント会場に直接来訪したチケットの購入希望者のリクエストに対応してチケットを発給する。発給方法は、前記購入希望者が持参する通信端末5に前記コード化されたチケットを発給する方法のほか、窓口端末7に接続されたプリンタで印刷された紙のチケットを購入希望者に提供する方法でもよい。
エントリー処理部15は、前記イベント会場に設置されているチケット読取装置3で、通信端末5から、発給された前記チケットを読み取って、通信端末5の保有者の前記イベント会場へのエントリーを許容するとともに、前記予約登録を抹消する。なお、窓口端末7で前記印刷された紙のチケットを購入した場合は、紙のチケットをチケット読取装置3で読み取ることによって、前記イベント会場へのエントリーが許容される。また、窓口端末7でエントリーした場合は、前記予約登録を行っていないので、前記予約登録の抹消は行わない。
集計部16は、少なくとも、予約処理部13、発給部14、エントリー処理部15で取得されたデータに基づき、前記チケットの予約数、前記イベント会場の入場数、前記チケットの売上金額、前記イベントの入場者の前記イベント会場内の滞在時間、後述する前記イベントの案内情報の視聴数などを集計する。
検知部17は、集計部16で集計された各数値データの少なくともいずれか一つに対して、上限値及び下限値の閾値を設定し、前記上限値の閾値超過又は下限値の閾値未満を検知する。
<第1実施形態>
以下、図3から図5により、第1実施形態にかかる予約システムの動作を説明する。
図3は、第1実施形態にかかる予約システムの動作例を示すフローチャート図である。
登録部11において、所定のイベントに対する前記チケットの前記予約条件を設定、登録後(S1)、受付部12において、通信端末5又はコールセンター端末6から、インターネット4を介して、予約情報を受け付ける(S2)。さらに、通信端末5又はコールセンター端末6から、登録部11で前記予約条件として設定、登録された前記チケットに対する選択(後述するエントリータイプの選択)が行われる(S3)。前記チケットの選択がなされると、予約処理部13において、前記予約登録が行われる(S4)。発給部14は、前記予約登録に基づいて、インターネット4を介して、通信端末5に前記チケットを発給する(S5)。
エントリー処理部15は、前記チケットの発給により、前記チケットを保存した通信端末5から、チケット読取装置3によって、前記チケットを読み取って前記イベント会場へのエントリーを許容する(S6)。前記エントリーの許容により、前記チケットの前記予約登録を抹消する(S7)。
図4は、図3のS4のチケットの予約登録処理において、予約番号によるチケット発給の動作例を示すフローチャート(サブルーチン)である。発給部14は、通信端末5にインターネット4を介してチケットを発給するほか(S41のY)、通信端末5に予約番号のみを通知し、前記イベント会場でチケットを発給することも可能である。前記予約登録後、直ちにチケットを発給しない場合(S41のN)、発給部14は、前記予約登録に含まれる予約番号を読み出す(S42)。読み出された前記予約番号は、インターネット4を介して通信端末5に通知される(S43)。通信端末5に通知された予約番号は、前記イベント会場に設置された窓口端末7で照合されると(S44)、前記コード化されたチケットが、通信端末5に送信されて発給される。なお、前記チケットは、前記コード化されたチケットの発給に代えて、印刷出力による紙チケットの発給であってもよい。
図5は、図3のS4のチケットの予約登録処理において、仮予約登録処理の動作例を示すフローチャート(サブルーチン)である。予約処理部13は、受付部12で受け付けた前記予約情報から、図3、図4で説明したように、直ちに前記予約登録を行うほか(S411のY)、仮予約登録を介在させることも可能である。直ちに前記予約登録を行わない場合(S411のN)、まず、仮予約登録を行い(S412)、チケットの代金の決済終了を確認後(S413)、前記仮予約登録を予約登録に変更する。
図6は、図3のS3のチケットの選択処理の動作例を示すフローチャート(サブルーチン)である。
本実施の形態では、登録部11において、少なくとも、3つのエントリータイプのチケットの設定、登録が可能である。第1のエントリータイプは、複数の指定日又は複数の指定日時で、いつでも前記エントリーが可能な期間指定チケットである。前記指定日は、連続的な複数の日(例えば、月曜日から金曜日)であっても、断続的な複数の日(いわゆる飛び石の日)であってもよい。さらに、前記複数の日の午前のみ又は午後のみというように、複数の指定日時で設定、登録してもよい。
第2のエントリータイプは、指定した日に前記エントリーが可能な日付指定チケットである。指定されているのは、日のみであるため、前記エントリー会場が、開場している時間であれば、いつでもエントリーが可能である。
第3のエントリータイプは、指定した日付及び時間又は日付及び時間帯に前記エントリーが可能な日時指定チケットである。時間帯の指定の場合は、入退場の両時が設定される。
登録部11は、前記エントリータイプの複数種類のチケットごとに、予約日及び予約枠数を割り当てて予約条件を設定する。
通信端末5又はコールセンター端末6で、期間指定チケットが選択された場合(S31のY)、通信端末5又はコールセンター端末6で選択した予約日の予約が前記期間指定チケットの予約が可能な日であることを判断し(S35のY)、さらに、設定された予約枠数の範囲内であることを判断すると(S36のY)、終了し、予約登録の処理に進む(図3のS4)。
期間指定チケットを選択せず(S31のN)、日付指定チケットが選択された場合(S32のY)、通信端末5又はコールセンター端末6で選択した予約日の予約が前記日付指定チケットの予約が可能な日であることを判断し(S35のY)、さらに、設定された予約枠数の範囲内であることを判断すると(S36のY)、終了し、予約登録の処理に進む(図3のS4)。
日付指定チケットを選択せず(S32のN)、日時指定チケットが選択された場合(S33のY)、通信端末5又はコールセンター端末6から時間(時間帯)の指定を受け付ける(S34)。通信端末5又はコールセンター端末6で選択した予約日の予約が前記日時指定チケットの予約が可能な日であることを判断し(S35のY)、さらに、設定された予約枠数の範囲内であることを判断すると(S36のY)、終了し、予約登録の処理に進む(図3のS4)。
前記日時指定チケットを選択しない場合(S33のN)、前記期間指定チケット、前記日付指定チケット、前記日時指定チケットのいずれかについて、通信端末5又はコールセンター端末6で選択した予約日の予約が、予約が可能な日でない場合(S35のN)、さらに、設定された予約枠数の範囲内でない場合(S36のN)、いずれも、選択の仕方が設定範囲外ということになるので、再度、設定の範囲内で前記チケットの選択を受け付けるステップに戻るようにすればよい(S31)。
なお、図6において、通信端末5又はコールセンター端末6による前記エントリータイプで特定されるチケットの選択の順序は例示であり、時系列的に、図6の順序に限定する趣旨ではない。
図7は、通信端末5で日時指定チケットを選択する場合の表示画面例を示した図である。本実施形態で開示する予約システムが提供する通信端末5のブラウザから、インターネット4を介して、受付部12にアクセスすると、表示画面D1が表示される。なお、本実施形態で開示する予約システムが、複数のイベントのチケットの販売を実施している場合は、表示画面D1が表示される前に、本実施形態で開示する予約システムを利用して事前予約によるチケットの購入が可能なイベントの一覧画面があり(図示せず)、その一覧画面の中で、前記購入希望者が、所望のイベントを選択すると、表示画面D1のような表示になるようにしてもよい。
本実施の形態では、「〇〇〇展」というイベントを選択した状態であり、同イベントの期間、開場、開催時間、休館日、主催、協賛、講演、問合せの電話番号、公式サイトのURLが記載されている。また、画面右上に、チケット購入ボタンがあり、これを選択すると、表示画面D2の購入画面に遷移する。表示画面D2は、前記購入希望者の属性照会画面になっている。すなわち、表示画面D2では前記購入希望者の属性として、会員、非会員の別を照会する画面になっている。
前記購入希望者の属性が、非会員の場合、「会員登録せずにチケット購入」ボタンを押下して、直接前記チケット購入画面に遷移する。一方、前記購入希望者の属性が会員の場合は、メールアドレス及びパスワードを入力し、ログインボタンを押下して会員サイトにアクセスできるようになっている。また、属性が非会員であって新規会員登録してから、前記チケットを購入する場合は、「新規会員登録してチケット購入」ボタン押下することにより、会員登録画面に遷移する(図示せず)。なお、購入希望者の属性は、非会員、会員のほか、前記購入希望者の年齢、性別、住居地域、さらには、チケット予約に関する優待受諾者、その他優先的な予約の特典を受けた者などであってもよい。
登録部11は、前記エントリータイプが同一のチケットに対して、前記のとおり、通信端末5から取得される購入希望者の前記属性に対応して、前記予約情報を受け付ける時期を時系列的に前後して前記予約条件を設定することができる。たとえば、前記会員の場合、非会員が予約できる時期よりも早く優先的に予約ができるように、前記予約条件を設定することができる。なお、図7は、通信端末5の画面表示例であるが、コールセンター端末6を介してチケットを発給する場合でも、前記購入希望者の前記属性に対応して、前記予約情報を受け付ける時期を時系列的に前後して前記予約条件を設定することができる(図示せず)。
表示画面D2の上記いずれかの操作により、前記エントリータイプで特定されるチケットを選択する表示画面D3に展開する。表示画面D3では、カレンダー形式の表が表示されており、各日別に、期間指定チケット(Cマーク)、日付指定チケット(Dマーク)、日時指定チケット(Tマーク)が付されている。本実施の形態では、期間指定チケットは、同一週の火曜日から水曜日であればいつでも、かつ、どの時間帯でも入場することが可能なチケットである。日付指定チケットは、金曜日のいずれか指定した日であれば、どの時間帯でも入場することができるチケットである。日時指定チケットは、土曜日又は日曜日のいずれかの日が選択可能になっているが、さらに、日時指定チケットを選択した場合は、表示画面D4が表示され、9時半から16時半まで、1時間ごとに刻んだ7つの時間帯のうち、いずれか一つを選択できるようになっている。
期間指定チケット、日付指定チケットについては、表示画面D3において、各々いずれかの日を選択し、「カートに進む」という表示のボタン(チケット購入ボタン)を押下し、日時指定チケットについては、表示画面D3において、いずれかの日を選択と、表示画面D4において、いずれかの時間帯を選択し、チケット購入ボタンを押下すると、発給部14は、通信端末5に対して、表示画面D5のような発給許可情報(メール)を送信する。前記発給許可情報に記載されているURL情報からアクセスすると、表示画面D6のように、二次元コード化されたチケットが表示される。
図6では、予約登録後、直ちに通信端末5にチケットが発給される例を説明したが、図4で説明した予約番号のみを通知する処理、図5で説明した仮予約登録を行う処理を介在させてもよい。
図8は、第1実施形態の予約システムにおいて、チケットの仮予約処理行うコールセンター端末6の表示画面例である。コールセンター端末6は、前記購入希望者から、通信端末5又は電話で前記チケットの予約の依頼を受け付けたコールセンターのオペレータが、依頼内容に従って予約情報を入力し、チケットの予約処理を行う。なお、登録部11は、前記購入希望者の通信端末5に割り当てる予約条件とコールセンター端末6に割り当てる予約条件とを予め分けて設定してもよい。たとえば、同じイベントの予約枠数を通信端末5からの予約を受け付ける予約枠数と、コールセンター端末6からの予約を受け付ける予約枠数とで予め別々に設定すればよい。
本実施の形態で開示する表示画面例は、図5で説明した仮予約登録を行う場合の例である。表示画面C1は、図面視で向かって左側のナビゲーション領域で「コールセンター仮予約」を選択し、図面視で向かって右側のコンテンツ領域に「コールセンター仮予約」画面を表示させた例である。前記コンテンツ領域の左上には、図7で説明した通信端末5同様、事前予約によるチケットの購入が可能なイベントの一覧画面が選択できるようにドロップダウン(プルダウン)ボタンが設定されている。表示画面C1では、「○○○展開催」が選択された状態を示している。また、選択されたイベントの表示に隣接し、仮予約登録する日付が入力できるようになっている。表示画面C1では、2023年1月8日(日)が入力されている。なお、仮予約登録する日付は、単一の日付だけでなく、一定期間を入力できるようにしてもよい。
前記イベントと日付を選択、入力し、検索ボタンを押すと、選択したイベント、入力した日付での予約リストが表示される。表示画面C1では、イベント「○○○展開催」の2023年1月8日(日)の予約リストが表示された例を示している。予約リストは、時間帯別に選択可能な予約欄が列挙されている。各予約欄は、日時、予約枠数、空き数、予約ボタンの項目で構成されている。なお、本実施の形態では、予約欄の最上段は、終日入場可能なチケットの予約欄であり、時間の表示はない。2段目以降は、10時から19時まで1時間刻みで時間帯別の予約欄になっている。予約枠数に達した予約欄については、予約不可であることを表示するようにしてもよい。本実施の形態では、予約ボタンの色を変えて予約不可であることを表示している。ほかに、予約ボタンを押すと、予約不可のメッセージ(ポップアップメッセージ、ダイアログメッセージなど)を表示させてもよい。さらに、予約欄のヘッド部分にドロップダウンボタンが設定されている。このドロップダウンボタンによって前記予約欄を展開すると、料金種別に予約枠数と空き数の内訳が表示されるようになっている。本実施の形態では、12時の予約欄で前記ドロップダウンボタンによる展開が表示されている例を示している。前記ドロップダウンボタンによって展開されると、料金種別、予約枠数、空き数の内訳が表示される。料金種別は、たとえば、後述するように、チケットの券種によって料金が異なる場合に、券種別に表示される。さらに、本実施の形態では、同一の券種について、通信端末5から予約できる券種とコールセンター端末6から予約できる券種を別々に表示している。すなわち、通信端末5から予約できる券種「大人」とコールセンター端末6から予約できる券種「大人(コールセンター)」が別々に表示されている。さらに、券種別に予約枠数と空き数が表示される。本実施の形態では、12時の時間帯の予約欄の予約ボタンは、予約不可の表示になっているので、「大人(コールセンター)」の空き数は、「0」になっている。
表示画面C1は、図7で説明したように、前記購入希望者の属性照会画面を表示するようにしてもよい。コールセンター端末6による場合、購入希望者から取得した属性の情報に基づいて、対応する予約条件を選択し、仮予約処理を行うようにすればよい(図示せず)。また、図7で説明したように、日付指定チケット、日時指定チケットのほか、期間指定チケットを前記予約欄に表示してもよい(図示せず)。
表示画面C1で前記予約ボタンを押下すると、表示画面C2に遷移し、仮予約情報(購入枚数)入力画面が表示される。仮予約情報(購入枚数)入力画面では、購入するチケットの枚数を入力すると、合計金額が自動計算され表示されるようになっている。本実施の形態では、2023年1月8日、13時からの時間帯で予約して、大人(コールセンター)のチケットの枚数が「10」と入力され、合計金額10,000円が表示されている。
表示画面C2で予約枚数入力後、「次に進む」ボタンを押下すると、表示画面C3に遷移し、仮予約情報(お客様情報)入力画面が表示される。仮予約情報(お客様情報)入力画面では、前記購入希望者から取得したお客様情報(氏名、電話番号等)を入力する。なお、仮予約情報(お客様情報)入力画面では、決済期限が自動的に表示される。
表示画面C3で「仮予約する」ボタンを押下すると、表示画面C4に遷移し、仮予約完了画面が表示される。仮予約完了画面では、受付番号が表示され、コールセンターの前記オペレータが、「OK」ボタンを押下して仮予約登録の処理を終了させるか、前記受付番号をSMS(ショートメッセージサービス)で送信するボタンを押下する。なお、前記「OK」ボタンを押下した場合は、前記仮予約情報(お客様情報)入力画面で入力されたメールアドレスに受付番号を通知すればよい。
前記受付番号を受領した前記購入希望者は、図5で説明したように、前記決済期限までにチケットの代金を支払うと、コールセンター端末6で決済終了が確認され、予約登録手続に移行する(図示せず)。
なお、コールセンター端末6を介してチケットが発給されると、図7の表示画面D5、表示画面D6と同様に、通信端末5に発給許可情報(メール)が送信され、通信端末5で前記発給許可情報に記載されているURL情報からアクセスすることにより、二次元コード化されたチケットが表示される。また、コールセンター端末6を介したチケットの発給も、図4で説明したとおり、予約番号のみを通知する処理も可能である。
以上のとおり、第1実施形態にかかる予約システムは、前記チケットの予約枠数を期間指定チケット、日付指定チケット及び日時指定チケットの3つの異なる指定粒度別に設定することができ、前記事前予約による前記チケットの柔軟な販売形態を実現することができる。
以下、第1実施形態にかかる予約システムの変形例について説明する。
<第1実施形態の第1変形例>
図9は、前記チケットの券種を複数設定し、選択されたチケットの券種の枚数が、同種、異種又は同種及び異種の場合に、グルーピングして、単一の集約チケットを発給する場合の動作例について説明するフローチャート図である。
ここで、券種とは、前記購入希望者の属性に対応して設定可能な前記チケットの種類であり、具体的な例としては、前記購入希望者の属性を「大人」「大学生」「高校生」のように分類し、各分類に対応して各別の料金を設定したチケットの種類を券種とするものである。前記チケットの券種は、登録部11によって、前記属性に対応して複数設定される。
前記グルーピングするチケットの選択処理については、図6における期間指定チケットの選択(S31)、日付指定チケットの選択(S32)、日時指定チケットの選択(S33)及び日時指定チケットの選択後の時間(時間帯)の指定(S34)、予約日の予約が、各チケットの予約が可能な日であるか否かの判断(S35)までは同一である。
前記予約日の予約が、各チケットの予約が可能な日である場合(S35のY)、受付部12は、通信端末5又はコールセンター端末6から、選択された前記チケットに対して、さらに前記券種の指定を受け付ける(S351)。券種の枚数が1枚の場合は、チケットの選択処理は終了するが(S352のN)、券種の枚数が複数枚で選択された場合(S352のY)、予約処理部13は、複数枚で選択された前記チケットのグルーピング処理を行う(S353)。前記複数枚の券種は、同種の券種、異種の券種、同種及び異種の券種のいずれの構成であってもよい。
前記グルーピングによるチケットの発給について、図10により、通信端末5の表示画面で具体的に説明する。
期間指定チケット、日付指定チケット、日時指定チケットのいずれかを指定すると、前記券種を選択する表示画面D43になる。表示画面D43では、前記券種として、「一般」「大学生」「高校生」の3つの種類が選択できるようになっており、各々の券種について、購入枚数をカウントアップするボタン(+ボタン)及び訂正する場合のカウントダウンするボタン(-ボタン)が表示されている。各々の券種について枚数を指定すると、合計枚数と合計料金が自動計算され表示される。チケット購入ボタン(「カートに進む」と表示されたボタン)を押下すると、予約処理部13において、複数枚で選択された前記券種のチケットをグルーピングして前記予約登録を行い、表示画面D61で示すとおり、発給部14により、前記グルーピングされた前記予約登録に対して単一に集約された集約チケットが発給される。なお、コールセンター端末6からも、前記購入希望者から取得した情報に基づいて、表示画面D43と同様に、券種を選択し、券種ごとに購入枚数を入力することできる。
第1実施形態にかかる予約システムは、事前予約による前記チケットの柔軟な販売形態として、前記グルーピングの処理により、同種、異種、同種及び異種にかかわらず、複数枚の券種のチケットをまとめて購入することが可能になる。
<第1実施形態の第2変形例>
図11は、前記集約チケットを分配先通信端末に分配チケットとして分配する場合の動作例について説明するフローチャート図である。
通信端末5から、チケット読取装置3に前記集約チケットを読み取らせて前記イベント会場にエントリーする場合、各券種に対応する人数全員が、同時にエントリーしなければならない。そこで、第2変形例は、前記集約チケットの前記エントリー時における煩雑性を解消するために、集約チケットを分配し、券種ごとに前記分配先通信端末にチケットを保存させ、前記分配先通信端末を保有する各人が随時エントリー可能とするものである。
前記集約チケットの発給後(S501)、受付部12は、前記集約チケットの発給を受けた通信端末5から、インターネット4を介して、前記集約チケットを前記券種の枚数に応じて、前記分配先通信端末に分配チケットとして分配する分配先情報を受け付ける(S502)。前記分配先情報は、具体的には、少なくとも、分配先通信端末に対して、分配チケットを分配(送信)するための送信先情報が含まれる。
発給部14は、前記分配先情報に基づいて前記分配チケットを発給する(S503)。受付部12が、前記分配先通信端末から、前記分配チケットの受領情報を受け付けると(S504のY)、予約処理部13は、前記分配チケットを前記予約登録するとともに(S505)、前記集約チケットの予約登録から、前記分配チケットにかかる予約登録を消去する(S506)。受付部12が、前記分配先通信端末から、前記受領情報を受け付けない場合(S504のN)、分配先情報を受け付ける処理(S502)に戻る。
前記分配チケットの発給について、図12により、通信端末5の表示画面で具体的に説明する。
集約チケットの発給を受けた表示画面D7の下方に表示されている「チケットを分配する」というボタンを押下すると、表示画面D71になり、チケットの券種別に、1枚ずつ分配ボタンが表示されている。分配を希望するチケットの分配ボタンを押下すると、分配先情報を入力する表示画面D72になる。分配先情報として、前記分配先通信端末のメールアドレス、その他、分配チケットの発給可能なSNSアカウントなどを入力し、「はい」のボタンを押下すると、前記分配先通信端末に前記分配チケットが発給される。受付部12で、前記分配先通信端末から、前記分配チケットの受領情報を受け付けると、前記のとおり、予約処理部13で、前記分配チケットを前記予約登録するとともに、前記集約チケットの予約登録から、前記分配チケットにかかる予約登録を消去する。
なお、コールセンター端末6を介して、前記分配チケットの発給を行うこともできる。この場合、コールセンター端末6は、通信端末5、分配先通信端末とクラウドサーバ1との間に介在し、通信端末5からの前記分配先情報の受け付け、分配先通信端末への分配チケットの発給、分配先通信端末からの受領情報の受け付け、クラウドサーバ1への分配チケットの予約登録及び集約チケットから消去の処理を行う。
第1実施形態にかかる予約システムは、事前予約による前記チケットの柔軟な販売形態として、前記グルーピングの処理により発給された集約チケットを通信端末5から任意に選択した券種のチケットについて、分配チケットとして前記分配先通信端末に発給することができる。
<第1実施形態の第3変形例>
図13は、発給された前記チケットを変更する場合の動作例について説明するフローチャート図である。
前記チケットは、前記説明のとおり、期間指定チケット、日付指定チケット、日時指定チケットの3つのエントリータイプから選択可能であるが、第3変形例は、別のエントリータイプへの変更はもとより、同一のエントリータイプへの変更、さらには、前記サブタイプの変更、前記券種の変更など、発給された前記チケットの多様な変更に対応するものである。
あらかじめ登録部11で、発給された前記チケットの変更条件(変更回数、変更期限、変更可能なエントリータイプ)を設定、登録し(S510)、前記チケットの発給後(S511)、受付部12が、通信端末5から、インターネット4を介して、発給された前記チケットを変更する変更情報を受け付ける(S512)。
次いで、前記変更情報が、設定された前記変更条件を満たすか否かを判断する。本実施の形態では、変更回数(S513)、変更期限(S514)、変更可能なエントリータイプ(S515)の順序で、設定された範囲内か否かを判断するが、かかる順序は例示であり、この順序に限定されない。前記変更条件は、いずれも、予約枠数の残り枚数を確定するために設定するものであり、例えば、変更回数は3回まで、変更期限は所定の期日まで、変更可能なエントリータイプは、前記期間指定チケットから前記日付指定チケット又は前記日時指定チケットのみ、というように、設定すればよい。
前記変更情報が、変更回数、変更期限、変更可能なエントリータイプの変更条件を満たす場合(S513のY、S514のY、S515のY)、変更後のチケットについて、変更後の予約日の予約が可能な日であることを判断し(S516のY)、さらに、設定された予約枠数の範囲内であることを判断すると(S517のY)、予約処理部13は、発給された前記チケットの前記予約登録を前記変更情報に基づいて変更するとともに、変更前の前記予約登録を抹消する(S518)。
発給部14は、前記変更登録に基づいて、通信端末5に、インターネット4を介して、変更後の前記チケットを発給する(S519)。
なお、記変更情報が、変更回数、変更期限、変更可能なエントリータイプの変更条件を満たさない場合(S513のN、S514のN、S515のN)、さらに、変更後の予約日の予約が可能な日でないと判断した場合(S516のN)、設定された予約枠数の範囲外であると判断した場合(S517のN)、変更情報の受け付けのステップに戻ればよい(S512)。
前記チケットの変更処理について、図14により、通信端末5の表示画面で具体的に説明する。
前記チケットの発給を受けた表示画面D7の下方に表示されている「チケットを変更する」というボタンを押下すると、表示画面D73になり、チケットの変更条件(変更可能期限、変更可能回数、変更可能タイプ及び変更希望日に空きがない場合には変更できない旨の条件)が表示され、最初に前記チケットの選択を行う画面と同じ画面(カレンダー形式の表の表示画面)が表示される。このカレンダー形式の表から、最初に予約するチケットの選択同様、所望の日を選択して、「カートに進む」という表示のボタン(チケット購入ボタン)を押下する。
なお、表示画面D73で表示する変更条件(変更可能期限、変更可能回数、変更可能タイプ)を満たさない場合、表示画面D74に進むことができず、変更条件を満たさない旨の表示画面になる(図示せず)。
また、表示画面D74で、所望の日を選択した後、予約可能な日の選択ではなかった場合、また、予約枠数がすでに上限に達している場合、予約不可の画面表示になる(図示せず)。
なお、コールセンター端末6を介して、前記チケットの変更処理を行うこともできる。この場合、コールセンター端末6は、通信端末5とクラウドサーバ1との間に介在し、通信端末5からの変更情報の受け付け、クラウドサーバ1への予約登録の変更、変更チケットの発給の処理を行う。
第1実施形態にかかる予約システムは、事前予約による前記チケットの柔軟な販売形態として、発給済みの前記チケットを前記設定された変更条件の範囲内で、自由に変更することができる。
<第1実施形態の第4変形例>
図15は、発給された前記チケットを転売する場合の動作例について説明するフローチャート図である。
発給された前記チケットの予約日に行けない場合、前記第3変形例で説明したチケットの変更処理によって予約日を変更することは可能だが、変更を希望する日に空きがない場合、さらには、変更期限を徒過している場合、登録部11で設定されているキャンセルポリシーにしたがってキャンセル処理をすることになる。しかし、一般に、予約日間近のキャンセルの場合は、キャンセル料が高額になる場合が多い。一方、高額なキャンセル料の支払を回避する方法として、チケットを転売する方法もある。しかし、個人間でのチケットの転売については、法律上の規制(特定興業入場券の不正転売の禁止等による興業入場券の適正な流通の確保に関する法律)がある。そこで、本変形例では、前記法律上の規制に従った転売条件によりチケットの転売を可能とする予約システムを開示する。
あらかじめ登録部11で、発給された前記チケットを通信端末5から他の通信端末(転売先通信端末)に転売する転売条件を設定、登録し(S520)、前記チケットの発給後(S521)、受付部12が、通信端末5から、インターネット4を介して、前記チケットを転売する要求情報を受け付ける(S522)。次いで、前記要求情報が、設定された前記転売条件を満たすか否かを判断する(S523)。
前記要求情報が、前記転売条件を満たす場合は(S523のY)、受付部12は、前記チケットを転売チケットとして、前記転売先通信端末から、インターネット4を介して、前記予約情報を受け付ける(S524)。予約処理部13は、前記転売チケットが選択されると(S525)、転売前の前記チケットの前記予約情報を修正し(S526)、発給部14は、前記要求情報に基づいて、前記転売先通信端末に、インターネット4を介して、前記転売チケットを発給する(S527)。なお、前記転売条件を満たさない場合は(S523のN)、要求情報の受け付けのステップに戻ればよい(S522)。
前記転売チケットの発給について、図16により、通信端末5の表示画面で具体的に説明する。
前記チケットの発給を受けた表示画面D7の下方に表示されている「チケットを転売する」というボタンを押下すると、表示画面D75になり、チケットごとに転売ボタンが表示される。表示画面D75では、転売条件が記載されている。転売を希望するチケットの転売ボタンを押下し、転売額を入力する。転売額が前記転売条件を満たす場合、最初に前記チケットの選択を行う画面と同じ画面(カレンダー形式の表の表示画面)が表示される。本実施の形態では、例えば、転売条件として転売額が「購入対価≧転売対価」となっているため、日時指定(一般)のチケットを転売する場合、購入対価が、2,100円であるため、転売対価として、転売額の欄に2,000円を入力すればよい。
前記転売チケットを含む日については、他の日と識別可能な表示(本実施の形態では、5日の右肩にアスタリスクを表示)が記載されている。前記転売チケットの購入を希望する前記他の通信端末が、前記転売チケットを含む日を選択して、「カートに進む」という表示のボタン(チケット購入ボタン)を押下すると、転売チケット購入画面に進み、所定の手続によって転売チケットの発給を受けることができる(図示せず)。前記転売に関する決済処理については、例えば、あらかじめ前記会員のみが前記チケットの転売可能という設定とし、会員登録時に、決済に必要なデータ(振込方法等)を提供するようにしておけばよい。
なお、コールセンター端末6を介して、前記チケットの転売処理を行うこともできる。この場合、コールセンター端末6は、通信端末5とクラウドサーバ1との間に介在し、通信端末5からの要求情報の受け付け、前記他の通信端末からの転売チケット購入の受け付け、クラウドサーバ1への転売前予約登録の修正、転売チケットの発給の処理を行う。
第1実施形態にかかる予約システムは、事前予約による前記チケットの柔軟な販売形態として、発給済みの前記チケットを前記設定された転売条件の範囲内で、自由に転売することができる。
<第1実施形態の第5変形例>
図17は、前記イベントの会場内において、単一又は複数の施設、設備の利用に関する予約を可能とするサブタイプを設定する場合の動作例について説明するフローチャート図である。
前記イベントにおいて、イベント会場内の所定エリアに入場するために、別途、チケットが必要な場合がある。例えば、展示を主とするイベントにおいて、映画、講演など、所定のエリアで行われるサブイベントに対してチケットを販売する場合などである。
前記サブイベントは、通常、前記所定のエリアの収容人数に制限があり、上映、講演等のスケジュールがあらかじめ決められるため、日時の指定が必要になる。したがって、チケットのエントリータイプとしては、日時指定チケットに付随するサブタイプとして設定される。
前記サブタイプのチケットの選択処理については、図6における期間指定チケットの選択(S31)、日付指定チケットの選択(S32)、日時指定チケットの選択(S33)及び日時指定チケットの選択後の時間(時間帯)の指定(S34)までは同一である。本実施の形態では、前記サブタイプとして指定席の選択によって特定する例を説明する。
チケットの選択処理において、前記のとおり、時間(時間帯)の指定(S34)後、通信端末5からのサブタイプの特定の有無、すなわち、指定席の選択の有無を判断する。指定席の選択がなされる場合(S341のY)、通信端末5から、指定席の指定を受け付ける(S342)。
前記指定席の選択処理について、図18により、通信端末5の表示画面で具体的に説明する。前記日時指定チケットの時間(時間帯)の指定の表示画面D41において、「特別映画鑑賞指定席」のボタンを押下すると、表示画面D42に示すとおり、前記指定席の選択画面になる。前記指定席の選択画面は、指定席を一覧する平面図になっており、各席にA1からC5の座席番号ボタンが表示されている。所望の座席番号を押下することにより、前記指定席を指定することができる。
前記チケットのエントリータイプが、日時指定チケットであり、さらに、サブタイプとして、サブイベントの指定席を指定したチケットにおいて、選択された予約日の予約が前記日時指定チケットの予約が可能な日であることを判断し(S343のY)、さらに、設定された予約枠数の範囲内であることを判断すると(S344のY)、チケットの選択処理が終了する。
前記日時指定チケットを選択しない場合(S33のN)、前記指定席を指定したチケットにおいて、選択された予約日の予約が前記日時指定チケットの予約が可能な日でない場合(S343のN)、設定された予約枠数の範囲内でない場合(S344のN)、前記期間指定チケット、前記日付指定チケット、前記日時指定チケットのいずれかについて、通信端末5で選択した予約日の予約が、予約が可能な日でない場合(S35のN)、さらに、設定された予約枠数の範囲内でない場合(S36のN)、いずれも、選択の仕方が設定範囲外ということになるので、再度、設定の範囲内で前記チケットの選択を受け付けるステップに戻るようにすればよい(S31)。
なお、コールセンター端末6を介して、前記サブタイプのチケットの選択処理を行うこともできる。この場合、コールセンター端末6は、通信端末5とクラウドサーバ1との間に介在し、通信端末5からのサブタイプの特定の有無、すなわち、指定席の選択の有無の判断、指定席の指定の受け付け、クラウドサーバ1との間で、前記チケットのエントリータイプが、日時指定チケットであり、さらに、サブタイプとして、サブイベントの指定席を指定したチケットにおいて、選択された予約日の予約が前記日時指定チケットの予約が可能な日であること、設定された予約枠数の範囲内であることを判断を行う。
第1実施形態にかかる予約システムは、事前予約による前記チケットの柔軟な販売形態として、前記日時指定チケットについては、さらに、前記サブタイプという指定粒度でチケットの購入が可能になる。
<第1実施形態の第6変形例>
図19は、第1実施形態の予約システムにおいて、前記チケットによる商品引き換え処理のフローを模式的に示した図である。
前記イベントのプロモーションなどの目的で、前記イベントに関連する商品等をイベント会場において、無償提供又は販売することがある。本変形例では、この商品等を前記イベントのチケットで受け取り可能とする。
発給部14は、前記イベントに付随して提供される商品の引換データを含めてチケットTを発給する。チケットTを受領した通信端末5は、チケット読取装置3でチケットTを読み取らせ、チケットT(通信端末5)の保有者は、イベント会場Mに入場する。前記保有者が、チケット読取装置3でチケットTを読み取らせ、イベント会場Mから退場後、チケットTを商品引換用端末8で読み取らせて、商品Gを受け取る。商品Gの受け取りによって、チケットTの商品の引換データは無効とされ、引換処理が終了する。図19では、イベント会場Mからの退場後に、商品Gの引換処理を行う構成になっているが、商品引換用端末8をイベント会場Mの入場側のチケット読取装置3の前又はイベント会場Mの内部に設置し、退場前に商品Gを引き換える構成としてもよい。なお、本変形例の商品には、サービスの提供を受けることができるチケット(例えば、飲食店での食事、他のイベント会場の入場券など)なども含む。
第6変形例の構成により、チケットTで前記商品の引き換えも可能になるため、前記商品引き換えのための別個の手続が簡略化され、前記プロモーションの効果も高くなることが期待できる。
<第1実施形態の第7変形例>
図20は、第1実施形態の予約システムにおいて、チケットによって音声ガイド端末を貸し出す処理フローを模式的に示した図である。
たとえば、展示などのイベントの場合、各展示物に関する音声ガイドを聞くために、音声ガイド端末(ヘッドホンなど)を貸し出すことがある。また、講演、演劇などのイベント会場では、外国人向けに同時通訳の音声ガイド端末を貸し出すこともある。本変形例では、この音声ガイド端末を前記イベントのチケットで貸し出し可能とする。
発給部14は、前記イベントで提供される音声ガイド端末Hの貸し出しデータを含めてチケットTを発給する。チケットTを受領した通信端末5を有する保有者は、チケット読取装置3でチケットTを読み取らせ、イベント会場Mに入場する。次いで、前記保有者は、イベント会場Mに設置された貸出管理端末9でチケットTを読み取り、音声ガイド端末Hが、前記保有者に貸し出される。前記保有者が、チケット読取装置3でチケットTを読み取らせ、イベント会場Mから退場後、音声ガイド端末Hを返却する。
なお、貸出管理端末9は、チケットTを読み取ることにより、音声ガイド端末Hの前記貸し出しの際に、貸し出した音声ガイド端末Hと通信端末5とを紐付けて管理する。この紐付けの管理は、例えば、複数準備されている音声ガイド端末Hの各々をユニークな識別データ(二次元コードなど)で特定し(図示せず)、貸出管理端末9が、音声ガイド端末Hの貸し出しの際に、貸出管理端末9で読み込まれた前記識別データと、チケットTが保存されている通信端末5とを対応させた貸出データを自動生成すればよい。また、返却時の処理は、前記保有者が、前記イベントの会場Mからの退場時に、チケットTを貸出管理端末9に読み取らせるとともに、前記保有者から音声ガイド端末Hの返却を受けた管理者が、前記識別データを貸出管理端末9で読み取らせることにより、前記貸出データに「返却済」などのデータを追加するか、当該返却にかかる貸出データを消去すればよい。
第7変形例の構成により、チケットTで音声ガイド端末Hの貸し出しも可能となり、音声ガイド端末Hの貸し出し及び返却の管理が容易になるとともに確実な管理が可能になる。
<第1実施形態の第8変形例>
図21は、第1実施形態の予約システムにおいて、チケットによる別会場のイベントの案内情報の発給処理フローを模式的に示した図である。
たとえば、2以上の異なるイベントであっても、チケットの購入希望者層(ターゲット層)が同じ場合、いずれかのイベントのチケット購入者は、購入した前記チケット以外の他のイベントのチケットを購入する可能性が高い。そこで、2以上の異なるイベントの各々のチケットに、他のイベントの告知、クーポンなどを含むチケットの案内情報を含めて2以上の異なるイベントのチケットの相互告知を可能とする。
以下、2つのイベント会場M1、M2で開催される異なるイベントを例として説明する。発給部14は、イベント会場M1で開催されるイベントのチケットTc1を通信端末5Aに発給する。チケットTc1は、インターネット4を介して受付部12にアクセス可能なイベント会場M2で開催されるイベントのチケットの案内情報が含まれる。チケットTc1を受領した通信端末5Aは、チケットTc1に含まれる前記案内情報から受付部12にアクセスし、イベント会場M2で開催されるイベントの予約情報を送信することができる。前記予約情報を送信した通信端末5Aは、イベント会場M2で開催されるイベントのチケットの予約登録ができる。
同様に、発給部14は、イベント会場M2で開催されるイベントのチケットTc2を通信端末5Aに発給する。チケットTc2は、イベント会場M2で開催されるイベントのチケットTc2に、インターネット4を介して受付部12にアクセス可能なイベント会場M1で開催されるイベントのチケットの案内情報が含まれる。チケットTc2を受領した通信端末5Bは、チケットTc2に含まれる前記案内情報から受付部12にアクセスし、イベント会場M1で開催されるイベントの予約情報を送信することができる。前記予約情報を送信した通信端末5Bは、イベント会場M1で開催されるイベントのチケットの予約登録ができる。
第8変形例の構成により、2以上の異なるイベントについて、各々のチケットに、他のイベントの告知とともに、当該他のイベントの予約登録が可能になるため、チケットの販売促進について相乗効果が期待できる。
なお、第6変形例から第8変形例について、本実施の形態では、通信端末に発給されるチケットを例として説明したが、図4で説明したように、印刷出力によって発給された紙のチケットであってもよい。
<第2実施形態>
以下、図22から図29により、第2実施形態にかかる予約システムの動作を説明する。
図22は、第2実施形態にかかる予約システムの動作例を示すフローチャート図である。
第1実施形態が、前記チケットの発給に関して、主に通信端末5(又はコールセンター端末6)からクラウドサーバ1に対するリクエストの処理に関するものであるのに対して、第2実施形態は、クラウドサーバ1からチケットの予約枠数などを機動的に設定する処理に関するものである。
登録部11により、発給部14から通信端末5に対して通知する前記エントリータイプの変更を登録する(S530)。発給部14は、前記チケットが発給済みになっている通信端末5に対して、インターネット4を介して、前記エントリータイプの変更に伴う変更通知情報を送信する(S531)。
受付部12は、前記変更通知情報を受信した通信端末5から、インターネット4を介して、前記変更通知情報に対する変更手続情報を受信する(S532)。前記変更手続情報は、具体的には、前記変更通知情報に基づいて、発給済みの前記チケットのエントリータイプを変更する手続、又は、発給済みの前記チケットのキャンセルをする手続に関する情報である。
予約処理部13は、前記変更手続情報が、発給済みの前記チケットのエントリータイプを変更する手続の場合(S533のY)、前記変更手続情報に基づいて発給済みの前記チケットの前記予約登録を変更し(S534)、発給部14から、前記変更された変更チケットを発給する(S535)。なお、前記エントリータイプの変更に伴い、日時指定チケットに変更する場合、前記変更手続情報には、通信端末5から所望の時間(又は時間帯)の指定情報が含まれる。
一方、前記変更手続情報が、発給済みの前記チケットのエントリータイプを変更する手続ではない場合(S533のN)、発給済みの前記チケットをキャンセルする手続になる(S536)。かかるキャンセル手続は、発給済みの前記チケットの予約登録をキャンセル処理するとともに、前記エントリータイプの変更のパターンに対応して、予め設定されている払い戻し処理を実行する(S537)。
図23は、図22のS537の払い戻し処理の動作例を示すフローチャート(サブルーチン)である。
本実施の形態では、予約処理部13は、前記変更通知情報が、指定範囲の大小いずれの方への変更であるか判断し(S5371)、異なる払い戻し処理が実行される。ここで、指定範囲の大小とは、前記エントリータイプで指定する粒度の大小であり、具体的には、期間、日付、日時の順で粒度が小さくなる。すなわち、日付指定チケット又は日時指定チケットから期間指定チケットへの変更、日時指定チケットから日付指定チケットへの変更は、指定範囲が大きい方への変更になり、期間指定チケットから日付指定チケット又は日時指定チケットへの変更、日付指定チケットから日時指定チケットへの変更は、指定範囲が小さい方への変更になる。
以上より、予約処理部13は、払い戻し処理において、指定範囲が大きい方への変更の場合(S5371のY)、通信端末5に対して、キャンセルに伴う払い戻しの料金を請求する処理を実行する(S5372)。一方、指定範囲が小さい方への変更の場合(S5371のN)、通信端末5に対して、キャンセルに伴う払い戻しの料金の支払をする処理を実行する(S5373)。
例えば、行政機関等からイベント会場への入場数を制限するよう要請があった場合に、本実施の形態で説明したように、前記チケットの発給者側から、通信端末5に対して、エントリータイプの変更を通知し、前記チケットの変更を要請することになるが、指定範囲が小さい方への変更の場合、予約枠数が少なくなるため、前記チケットの変更手続を希望していても、チケットの変更ができなくなり、前記チケットのキャンセルを余儀なくされる場合がある。そこで、指定範囲が小さい方への変更の場合のキャンセルは、通信端末5、すなわち、前記チケットの購入者側の負担とする設定にしている。ただし、上記図23の処理は、払い戻し処理の一例にすぎず、キャンセルポリシーの設定次第で、図23とは逆の処理としてもよく、さらには、指定範囲の大小の変更のいずれであっても、一律にキャンセル処理を請求処理又は支払処理としてもよい。
以上のとおり、第2実施形態にかかる予約システムは、エントリータイプの変更に際し、前記指定範囲の大小に応じて、変更チケットの発給と払い戻しの処理を行うことができるため、チケットの予約枠数を機動的に設定することが可能になる。
以下、図24から図28により、クラウドサーバ1の集計部16の機能について説明する。
集計部16は、予約処理部13で前記予約登録されたデータ及びエントリー処理部15で通信端末5に発給された前記チケットのデータに基づいて、以下のとおり、各種データを集計する。
図24の集計リストL1は、予約数、予約率、予約入場数及び割引券(クーポン)利用枚数を集計したリストである。集計部16は、予約処理部13で予約登録された予約情報に基づいて、前記エントリータイプの種類別に、指定した日時又は期間で、前記チケットの予約数及び前記予約枠数に対する前記予約数の割合を示す予約率を集計する。集計リストL1は、「〇〇〇展」というイベントについて、2023年2月2日の日時指定チケットの集計結果を表示している。集計結果は、予約枠数3000に対して、予約数が2100であり、予約率が70%であることが示されている。さらに、上記のとおり、集計対象のエントリータイプが日時指定チケットであるため、前記集計結果の内訳として、時間別に、少なくとも、前記予約数、チケットを予約して入場した予約入場数及びクーポンを利用した枚数のいずれかを集計する。なお、前記エントリータイプが、期間指定の場合、前記集計結果の内訳として、日付別に集計をするようにしてもよい。また、すべてのエントリータイプを集計するようにしてもよい。
図25の集計リストL2は、前記イベントの会場に入場した人数(入場数)と、予め設定された入場枠数に対する前記入場数の割合を示す入場率、前記入場数に対する前記予約入場数の割合を示す対予約入場率、前記イベントの会場から出た退場数、前記イベントの会場内の人数である場内数及び割引券(クーポン)利用枚数を集計したリストである。集計部16は、エントリー処理部15が前記エントリーの許容に基づいて、前記エントリータイプの種類別に、指定した日時又は期間で、前記入場数、前記入場率、前記対予約入場率を集計する。集計リストL2は、「〇〇〇展」というイベントについて、2023年2月2日の日時指定チケットの集計結果を表示している。集計結果は、予約枠数3500に対して、入場数が2800であり、入場率が80%、対予約入場率が71%であることが示されている。さらに、上記のとおり、集計対象のエントリータイプが日時指定チケットであるため、前記集計結果の内訳として、時間別に、少なくとも、前記入場数、前記退場数、前記場内数及び前記クーポン利用枚数のいずれかを集計する。
なお、前記入場数については、チケット読取装置3が、前記イベント会場に入場する入場者のエントリーを許容するとともに、前記データを取得し、前記入場数を計数(カウントアップ)すればよい。さらに、前記エントリーが許容された前記チケットに対してエントリー処理部15で、入場記録データを対応付けて記録することにより、退場時に前記入場記録データが対応づけられている前記チケットをチケット読取装置3で読み取って、前記退場数をカウントアップすればよい。すなわち、チケット読取装置3で前記チケットを読み取ったときに、入場記録データの有無により、入場者と退場者とを区別して各々カウントアップすることができる。ただし、入場数及び退場数の計数は、上記構成に限定するものではない。たとえば、入場時に、前記チケットを読み取らせるチケット読取装置3と退場時に読み取らせるチケット読取装置3とを別体として設置し、前者のチケット読取装置3で前記チケットを読み取った場合は、入場数としてカウントアップし、後者のチケット読取装置3で読み取った場合は、退場数としてカウントアップするように構成してもよい。
さらに、所定の計測時間における入場数と退場数との差分を算出することにより、前記計測時間における前記場内数を算定することができる。本実施の形態では、前記計測時間を1時間単位としているが、計測時間の設定は任意に設定可能である。
集計リストL2は、集計対象となるチケットとして日時指定チケットを対象としたが、集計対象は、他のエントリータイプの種類別、さらには、すべてのエントリータイプを集計したものであってもよい。
なお、エントリー処理部15は、前記エントリーの許容とともに、前記イベントの会場から一時的な入退場に使用可能なサブチケットを発行することにより(図示せず)、一時的な入場数、退場数を集計部16による集計の対象から除外可能としてもよい。たとえば、チケット読取装置3に、前記チケットを保存した通信端末5を読み取らせると、チケット読取装置3の発券口から、前記サブチケットを発券するようにすればよい。
図26の集計リストL3は、前記チケットの売上金額等を集計したリストである。集計部16は、予約処理部13で予約登録された予約情報及び前記払い戻し処理に基づいて、前記エントリータイプの種類別に、指定した日時又は期間で、少なくとも、前記チケットの売上合計額、払戻金額、前記売上合計額から払戻金額を差し引いた差引金額を集計したリストである。さらに、前記チケットの代金を決済した端末別に、前記指定した日時については時間別及び前記指定した期間については日付別に、少なくとも、前記チケットの前記売上合計金額、前記払戻金額、前記差引金額を集計する。集計リストL3は、「〇〇〇展」というイベントについて、2023年2月2日の日時指定チケットの集計結果を表示している。集計結果は、売上合計額が900,000円、払戻金額が6,000円、差引金額が894,000円である。本実施の形態では、ほかに、払戻手数料、払戻枚数(手数料負担)、払戻枚数、差引枚数、クーポン利用枚数及びクーポン適用金額も表示している。さらに、上記のとおり、集計対象のエントリータイプが日時指定チケットであるため、前記集計結果の内訳として、前記チケットの代金を決済した端末として、通信端末5による決済として「オンライン」、窓口での決済として「窓口」、コールセンター端末6による決済として「コールセンター」に分けて、時間別に、少なくとも、前記売上合計金額、前記払戻金額、前記差引金額のほか、払戻手数料、払戻枚数(手数料負担)、払戻枚数、差引枚数、クーポン利用枚数及びクーポン適用金額を集計する。
前記売上合計金額は、日付又は日時単位で集計された前記チケットの予約数に対応させて、単価を乗じて算出すればよい。なお、前記変更通知情報に基づくキャンセル処理で発生する払戻処理に伴う払戻金額、払戻手数料のほか、転売手続で発生する転売手数料なども併せて集計し、差引金額を算出するようにしてもよい(図示せず)。
集計リストL3に記載されていないが、集計リストL3は、日時単位で集計しているため、集計対象が、日時指定チケットであるが、集計対象が、期間指定チケット又は日付指定チケットの場合は、集計は、日付(期間)単位とすればよい。
図27の集計リストL4は、予約チケットごとの入退場時間及び滞在時間を集計したリストである。前記のとおり、チケット読取装置3で前記チケットを各々ユニークに特定できるデータ(例えば、予約番号)により、入場時刻と退場時刻を計測することが可能である。また、前記入場時刻と退場時刻から、前記イベント会場での滞在時間を算出することも可能である。すなわち、エントリー処理部15は、前記入場数及び前記退場数の計数とともに、入場時刻と退場時刻を計測し、集計部16は、前記エントリーが許容されたチケット別に、前記イベント会場内での滞在時間を算出し、集計リストL4を生成する。
集計リストL4は、集計対象となるチケットとして期間指定チケットを対象としたが、集計対象は、他のエントリータイプの種類別、さらには、すべてのエントリータイプを集計したものであってもよい。
図28の集計リストL5は、案内情報視聴数マップによって前記イベント内の案内情報提供箇所における視聴者数を集計したリストである。
近年、イベント会場において、持参した通信端末で展示物近傍に提示されている二次元コードを読み取ることにより、当該展示物に関する案内情報(音声/画像ガイド)を視聴することができる。かかる案内情報は、表示画面D62のように、通信端末5に発給された前記チケットに、アプリケーションのボタンが設定されており、ダウンロードして入手すればよい。さらに、通信端末5でウェブブラウザから利用可能なアプリケーション(ウェブアプリケーション)を利用するようにしてもよい(図示せず)。
すなわち、発給部14が発給する前記チケットは、前記チケットを保存した通信端末5を介して、前記イベント会場の一又は二以上の所定の場所(例えば、展示物近傍)での音声、画像、又は音声及び画像を視聴できる案内情報を提供する前記アプリケーションを取得可能であり、集計部16は、通信端末5を介して前記アプリケーションで前記案内情報を視聴する視聴数を計数する。具体的には、前記視聴数の計数は、通信端末5で前記アプリケーションを起動させ、通信端末5で前記展示物近傍に提示されている二次元コードを読み取ると、前記案内情報が通信端末5を介して提供されるようにすればよい(音声による案内情報は、図20で説明した音声ガイド端末(ヘッドホン、イヤホンなど)を介して提供してもよい)。このとき、前記アプリケーションを通じて、視聴中の通信端末5の情報を集計部16に送信することにより、視聴数を計数することができる。
集計リストL5は、A1からA10の記号が付された展示場の展示物の位置を模式的に示す図と、各展示物の前で視聴中の通信端末5の数を示す数字が表示されている。例えば、展示物A6の前では15人が視聴中だが、展示物A10の前では視聴者がいないことがわかる。かかる計数結果を所定の時間間隔で表示すれば、時々刻々変化するイベント会場内の人流を把握することができる。
図24から図28で示す集計リストL1乃至L5で得られる集計データは、前記予約枠数の調整、本実施形態で開示する予約システムによって発給するチケットとは別に前記イベント会場の窓口端末7で発給する当日入場可能なチケットの発給数の調整、前記チケットのエントリータイプの変更調整などを行うための判断に資する。上記調整は、事業者用端末2(事業者用端末2としても機能するコールセンター端末6を含む。)によって行うようにすればよい。
<第2実施形態の変形例>
図29は、第2実施形態にかかる予約枠数の自動変更処理の動作例を示すフローチャート図である。
集計部16において、集計リストL1乃至L5による集計処理を実行し(S5301)、集計された予約数、入場数、売上合計金額、滞在時間、視聴数のいずれか一つ又はいずれか二以上に対して、上限値及び下限値の閾値を設定し、検知部17で、前記集計値を検知し(S5302)、検知した集計値が、前記下限値の閾値未満の場合(S5303のY)、予約枠数の上方変更を自動的に行う(S5304)。一方、検知した集計値が、前記下限値の閾値以上の場合(S5303のN)であって、前記上限値の閾値超過の場合(S5305のY)、予約枠数の下方変更を自動的に行う(S5306)。なお、前記下限値の閾値以上の場合であって前記上限値の閾値以下の場合(S5305のN)、集計値の検知処理に戻る(S5302)。前記予約枠数の上方変更又は下方変更後、予約日の変更を行う(S5307)。すなわち、前記閾値超過又は閾値未満を検知すると、登録部11は、前記予約日又は前記予約枠数を自動的に所定の予約日又は予約枠数に変更することができる。
前記閾値は、集計された予約数、入場数、売上合計金額、滞在時間、視聴数の二以上の集計値を利用する場合は、各集計値を任意の重みづけ係数により再計算し、正規化してもよい。
なお、前記閾値超過又は閾値未満の検知による予約枠数の上方変更、下方変更は、例示的な処理であり、逆の変更、すなわち、閾値超過で予約枠数を上方変更し、閾値未満で予約枠数を下方変更してもよい。
なお、発給部14は、登録部11で、前記チケットに対して設定されている予約日及び予約枠数とは別に、前記イベントの会場の窓口端末7(例えば、窓口の自動発券機)で、当日入場可能な窓口チケットを発行し、検知部17で前記閾値超過又は閾値未満を検知した場合に、前記窓口チケットの販売枠数を自動的に増加又は制限するようにしてもよい。すなわち、前記閾値超過又は閾値未満を検知すると、集計部16から、前記自動発券機に対して、前記販売枠数を制限するデータを送信し、前記自動発券機を制御すればよい。
第2実施形態にかかる予約システムは、発給済みのチケットについて前記エントリータイプを変更することが可能であり、また、前記集計値によってチケットの予約枠数を機動的に設定することが可能になる。
この明細書で開示された技術は、前記各実施形態に制限されない。すなわち、例示的に示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。また、一つの実施形態と他の実施形態との間における構成要素の置き換え、又は組み合わせを包含する。さらに、開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。