JP7336882B2 - 餅とり粉用粉末油脂組成物、及び餅生地の硬化抑制剤。 - Google Patents

餅とり粉用粉末油脂組成物、及び餅生地の硬化抑制剤。 Download PDF

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Description

本発明は、餅とり粉用粉末油脂組成物、該餅とり粉用粉末油脂組成物を含有する餅とり粉、該餅とり粉が餅生地に付着している餅生地含有食品、及び餅生地の硬化抑制剤に関するものである。
従来、餅生地の老化による硬化を抑制する方法として、餅生地中の糖質の配合量を多くする方法、穀粉をエクストルーダーで処理後、βアミラーゼで酵素処理した餅生地を用いる方法(特許文献1)、乳酸、乳酸ナトリウム、特定の還元水飴、及び有機酸を含む餅皮用日持ち向上剤を餅皮に添加する方法等が行われていた(特許文献2)。
このように、餅生地が硬くなるのを抑制するために餅生地自体を改良することは行われていたが、餅生地に付着させる餅とり粉に着目して、餅生地が硬くなるのを抑制することについては、これまで検討されていなかった。
特開昭63-49041号公報 特開2017-93356号公報
本発明は、餅生地の硬化を抑制することができる餅とり粉、及び餅生地の硬化が抑制された餅生地含有食品を提供することを目的とする。
また、本発明は、餅生地の硬化抑制剤を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を達成するために鋭意検討を行った結果、餅とり粉に特定の粉末油脂組成物を添加することで、餅生地の硬化を抑制できることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、以下の態様を含むものである。
〔1〕グリセリンの1位~3位に炭素数xの飽和の脂肪酸残基Xを有する1種以上のXXX型トリグリセリドを含む油脂成分を含有する餅とり粉用粉末油脂組成物であって、該炭素数xは18であり、該油脂成分がβ型油脂を含み、該餅とり粉用粉末油脂組成物の粒子は板状形状であり、該餅とり粉用粉末油脂組成物の平均粒径が50μm以下であり、該XXX型トリグリセリドの含量が、該油脂成分の全質量を100質量%とした場合、70質量%以上95質量%以下であることを特徴とする、餅とり粉用粉末油脂組成物。
〔2〕前記粉末油脂組成物の粒子のアスペクト比が、2.5以上であることを特徴とする〔1〕に記載の餅とり粉用粉末油脂組成物。
〔3〕前記粉末油脂組成物のゆるめ嵩密度が、0.05~0.4g/cm3であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の餅とり粉用粉末油脂組成物。
〔4〕〔1〕~〔3〕のいずれか1つに記載の餅とり粉用粉末油脂組成物と、穀粉及び/又は澱粉類とを含有することを特徴とする餅とり粉。
〔5〕〔4〕に記載の餅とり粉が、餅生地に付着していることを特徴とする餅生地含有食品。
〔6〕グリセリンの1位~3位に炭素数xの飽和の脂肪酸残基Xを有する1種以上のXXX型トリグリセリドを含む油脂成分を含有する餅とり粉用粉末油脂組成物と、穀粉及び/又は澱粉類とを含有する餅とり粉からなる餅生地の硬化抑制剤であって、該炭素数xは18であり、該油脂成分がβ型油脂を含み、該餅とり粉用粉末油脂組成物の粒子は板状形状であり、該餅とり粉用粉末油脂組成物の平均粒径が50μm以下であり、該XXX型トリグリセリドの含量が、該油脂成分の全質量を100質量%とした場合、70質量%以上95質量%以下であることを特徴とする、餅生地の硬化抑制剤。
〔7〕〔6〕に記載の餅生地の硬化抑制剤が、餅生地に付着していることを特徴とする餅生地含有食品。
本発明によれば、餅生地含有食品の餅生地の硬化を抑制することができる。
芯物質表面に餅とり粉用粉末油脂組成物を付着させたとき顕微鏡写真を模式的に示した図である。図中のAは芯物質で、Bは餅とり粉用粉末油脂組成物で、線分abの長さ(芯物質表面に付着した粒子の付着面からの垂直方向の長さ)が、この餅とり粉用粉末油脂組成物の厚さの値である。 本発明の製造例1の餅とり粉用粉末油脂組成物の顕微鏡写真(100倍)である。 本発明の製造例1の餅とり粉用粉用粉末油脂組成物の顕微鏡写真(300倍)である。 本発明の製造例1の餅とり粉用粉末油脂組成物をガラスビーズ表面上に付着させたときの顕微鏡写真(1500倍)で、粒子の厚さとして測定した部分を直線で示している(2か所)。 市販の粉末油脂の顕微鏡写真(100倍)である。 市販の粉末油脂の顕微鏡写真(300倍)である。 粉砕前の餅とり粉用粉末油脂組成物(製造例4)の外観の写真である。 粉砕前の餅とり粉用粉末油脂組成物(製造例4)の電子顕微鏡写真(200倍)である。 餅とり粉用粉末油脂組成物(製造例4)の電子顕微鏡写真(1)(1000倍)である。 餅とり粉用粉末油脂組成物(製造例4)の電子顕微鏡写真(2)(1000倍)である。 求肥生地の破断強度(最大荷重)測定結果のグラフである。 求肥生地の破断強度(50%地点荷重)測定結果のグラフである。 白玉の圧縮時の最大荷重測定結果のグラフである。
まず、本発明の餅とり粉用粉末油脂組成物について説明をする。
本発明の餅とり粉用粉末油脂組成物は、グリセリンの1位~3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有する1種以上のXXX型トリグリセリドを含む油脂成分を含有する餅とり粉用粉末油脂組成物であって、該炭素数xは12~22から選択される整数であり、該油脂成分がβ型油脂を含み、該餅とり粉用粉末油脂組成物の粒子は板状形状であり、該餅とり粉用粉末油脂組成物の平均粒径が50μm以下であることを特徴とする、餅とり粉用粉末油脂組成物である。
本発明の餅とり粉用粉末油脂組成物には、国際公開第2017/051910号に記載された粉末油脂組成物を使用することができる。
以下、本発明の餅とり粉用粉末油脂組成物について詳細に説明をする。
<油脂成分>
本発明の餅とり粉用粉末油脂組成物は、油脂成分を含有する。当該油脂成分は、少なくともXXX型トリグリセリドを含み、任意にその他のトリグリセリドを含む。
上記油脂成分はβ型油脂を含む。ここで、β型油脂とは、油脂の結晶多形の一つであるβ型の結晶のみからなる油脂である。その他の結晶多形の油脂としては、β’型油脂及びα型油脂があり、β’型油脂とは、油脂の結晶多形の一つであるβ’型の結晶のみからなる油脂である。α型油脂とは、油脂の結晶多形の一つであるα型の結晶のみからなる油脂である。油脂の結晶には、同一組成でありながら、異なる副格子構造(結晶構造)を持つものがあり、結晶多形と呼ばれている。代表的には、六方晶型、斜方晶垂直型及び三斜晶平行型があり、それぞれα型、β’型及びβ型と呼ばれている。また、各多形の融点はα、β’、βの順に融点が高くなり、各多形の融点は、炭素数xの脂肪酸残基Xの種類により異なるので、以下、表1にそれぞれ、トリラウリン、トリミリスチン、トリパルミチン、トリステアリン、トリアラキジン、トリベヘニンである場合の各多形の融点(℃)を示す。なお、表1は、Nissim Garti et al.、”Crystallization and Polymorphism of Fats and Fatty Acids”、Marcel Dekker Inc.、1988、pp.32-33に基づいて作成した。そして、表1の作成にあたり、融点の温度(℃)は小数点第1位を四捨五入した。また、油脂の組成とその各多形の融点がわかれば、少なくとも当該油脂中にβ型油脂が存在するか否かを検出することができる。
Figure 0007336882000001
これらの多形を同定する一般的な手法は、X線回折法があり、回折条件は下記のブラッグの式によって与えられる。
2dsinθ=nλ(n=1,2,3・・・)
この式を満たす位置に回折ピークが現れる。ここでdは格子定数、θは回折(入射)角、λはX線の波長、nは自然数である。短面間隔に対応する回折ピークの2θ=16~27°からは、結晶中の側面のパッキング(副格子)に関する情報が得られ、多形の同定を行なうことができる。特にトリアシルグリセロールの場合、2θ=19、23、24°(4.6Å付近、3.9Å付近、3.8Å付近)にβ型の特徴的ピークが、21°(4.2Å)付近にα型の特徴的なピークが出現する。なお、X線回折測定は、例えば、20℃に維持したX線回折装置((株)リガク、試料水平型X線回折装置UItimaIV)を用いて測定される。X線の光源としてはCuKα線(1.54Å)が最もよく利用される。
さらに、上記油脂の結晶多形は、示差走査熱量測定法(DSC法)によっても予測することができる。例えば、β型油脂の予測は、示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、品番BSC6220)によって10℃/分の昇温速度で100℃まで昇温することにより得られるDSC曲線に基づいて油脂の結晶構造を予測することにより行われる。
ここで、油脂成分はβ型油脂を含むもの、又は、β型油脂を主成分(50質量%超)として含むものあればよく、好ましい態様としては、上記油脂成分がβ型油脂から実質的になるものであり、より好ましい態様は上記油脂成分がβ型油脂からなるものであり、特に好ましい態様は、上記油脂成分がβ型油脂のみからなるものである。上記油脂成分のすべてがβ型油脂である場合とは、示差走査熱量測定法によってα型油脂及び/又はβ’型油脂が検出されない場合である。別の好ましい態様としては、上記油脂成分(又は油脂成分を含む粉末油脂組成物)が、X線回折測定において、4.5~4.7Å付近、好ましくは4.6Å付近に回折ピークを有し、表1のα型油脂及び/又はβ’型油脂の短面間隔のX線回折ピークがない、特に、4.2Å付近に回折ピークを有さない場合であり、かかる場合も上記油脂成分のすべてがβ型油脂であると判断できる。本発明の更なる態様として、上記油脂成分が全てβ型油脂であることが好ましいが、その他のα型油脂やβ’型油脂が含まれていてもよい。ここで、本発明における油脂成分が「β型油脂を含む」こと及びα型油脂+β型油脂に対するβ型油脂の相対的な量の指標は、X線回折ピークのうち、β型の特徴的ピークとα型の特徴的ピークとの強度比率:[β型の特徴的ピークの強度/(α型の特徴的ピークの強度+β型の特徴的ピークの強度)](以下、ピーク強度比ともいう。)から想定できる。具体的には、上述のX線回折測定に関する知見をもとに、β型の特徴的ピークである2θ=19°(4.6Å)のピーク強度とα型の特徴的ピークである2θ=21°(4.2Å)のピーク強度の比率:19°/(19°+21°)[4.6Å/(4.6Å+4.2Å)]を算出することで上記油脂成分のβ型油脂の存在量を表す指標とし、「β型油脂を含む」ことが理解できる。本発明は、上記油脂成分が全てβ型油脂である(即ち、ピーク強度比=1)ことが好ましいが、例えば、該ピーク強度比の下限値が、例えば0.4以上、好ましくは、0.5以上、より好ましくは、0.6以上、さらに好ましくは、0.7以上、特に好ましくは、0.75以上、殊更好ましくは0.8以上であることが適当である。ピーク強度が0.4以上であれば、β型油脂を主成分が50質量%超であるとみなすことができる。該ピーク強度比の上限値は1であることが好ましいが、0.99以下、0.98以下、0.95以下、0.93以下、0.90以下、0.85以下、0.80以下等であってもかまわない。ピーク強度比は、上記下限値及び上限値のいずれか若しくは任意の組み合わせであり得る。
<XXX型トリグリセリド>
本発明の油脂成分は、グリセリンの1位~3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有する1種以上のXXX型トリグリセリドを含む。当該XXX型トリグリセリドは、グリセリンの1位~3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有するトリグリセリドであり、各脂肪酸残基Xは互いに同一である。ここで、当該炭素数xは12~22から選択される整数であり、好ましくは14~20から選択される整数であり、より好ましくは16~18から選択される整数である。
脂肪酸残基Xは、飽和あるいは不飽和の脂肪酸残基であってもよい。具体的な脂肪酸残基Xとしては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等の残基が挙げられるがこれに限定するものではない。脂肪酸としてより好ましくは、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸及びベヘン酸であり、さらに好ましくは、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、及びアラキジン酸であり、殊更好ましくは、パルミチン酸及びステアリン酸である。
当該XXX型トリグリセリドの含有量は、油脂成分の全質量を100質量%とした場合、例えば、50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは、70質量%以上、さらに好ましくは、80質量%以上を下限とし、例えば、100質量%以下、好ましくは、99質量%以下、より好ましくは、95質量%以下を上限とする範囲である。XXX型トリグリセリドは1種類又は2種類以上用いることができ、好ましくは1種類又は2種類であり、より好ましくは1種類が用いられる。XXX型トリグリセリドが2種類以上の場合は、その合計値がXXX型トリグリセリドの含有量となる。
<その他のトリグリセリド>
本発明の油脂成分は、本発明の効果を損なわない限り、上記XXX型トリグリセリド以外の、その他のトリグリセリドを含んでいてもよい。その他のトリグリセリドは、複数の種類のトリグリセリドであってもよく、合成油脂であっても天然油脂であってもよい。合成油脂としては、トリカプリル酸グリセリル等が挙げられる。天然油脂としては、例えば、ココアバター、ヒマワリ油、菜種油、大豆油、綿実油等が挙げられる。本発明の油脂成分中の全トリグリセリドを100質量%とした場合、その他のトリグリセリドは、1質量%以上、例えば、5~50質量%程度含まれていても問題はない。その他のトリグリセリドの含有量は、例えば、0~30質量%、好ましくは0~18質量%、より好ましくは0~15質量%、更に好ましくは0~8質量%である。
<その他の成分>
本発明の餅とり粉用粉末油脂組成物は、上記トリグリセリド等の油脂成分の他、任意に乳化剤、香料、着色料、脱脂粉乳、全脂粉乳、ココアパウダー、砂糖、デキストリン等のその他の成分を含んでいてもよい。これらその他の成分の量は、本発明の効果を損なわない限り任意の量とすることができるが、例えば、餅とり粉用粉末油脂組成物の全質量を100質量%とした場合、0~70質量%、好ましくは0~65質量%、より好ましくは0~30質量%である。
但し、本発明の好ましい餅とり粉用粉末油脂組成物は、実質的に上記油脂成分のみからなることが好ましく、かつ、油脂成分は、実質的にトリグリセリドのみからなることが好ましい。また、「実質的に」とは、餅とり粉用粉末油脂組成物中に含まれる油脂成分以外の成分または油脂成分中に含まれるトリグリセリド以外の成分が、餅とり粉用粉末油脂組成物または油脂成分を100質量%とした場合、例えば、0~15質量%、好ましくは0~10質量%、より好ましくは0~5質量%であることを意味する。
<餅とり粉用粉末油脂組成物の特性>
本発明の餅とり粉用粉末油脂組成物は、常温(20℃)で粉末状の固体である。
本発明の餅とり粉用粉末油脂組成物は、粒子が板状形状の形態を有し、その平均粒径(有効径)は、50μm以下であり、好ましくは1~30μm、より好ましくは1~20μm、殊更好ましくは1~15μmである。
本発明における平均粒径(有効径)は、粒度分布測定装置(例えば、日機装株式会社製、装置名:Microtrac MT3300ExII)でレーザー回折散乱法(ISO133201,ISO9276-1)に基づいて、湿式測定により測定した値(d50:粒度分布における積算値50%の粒径の測定値)である。
有効径とは、測定対象となる結晶の実測回折パターンが、球形と仮定して得られる理論的回折パターンに適合する場合の、当該球形の粒径を意味する。このように、レーザー回折散乱法の場合、球形と仮定して得られる理論的回折パターンと、実測回折パターンを適合させて有効径を算出しているので、測定対象が板状形状であっても球状形状であっても同じ原理で測定することができる。
本発明の餅とり粉用粉末油脂組成物の特徴は、その粒子のアスペクト比を用いて表現することも可能である。
本発明におけるアスペクト比とは、粒子の長径を厚さで除した値〔=長径/厚さ〕のことである。
粒子が、完全な球形の場合には、アスペクト比の値は1〔=1/1〕であり、粒子の扁平度合いが増す(厚さが薄くなる)ほどアスペクト比の値は大きくなる。
粒子のアスペクト比は、例えば、以下の(a)及び(b)の方法で測定することができる。
(a)粒子の電子顕微鏡写真から、1個1個の粒子について長径、及び厚さを測定できる場合
電子顕微鏡写真に写った1個1個の粒子について、長径及び厚さ(縦及び横)を測定し、それぞれの粒子について、アスペクト比を求め、その平均値を粒子のアスペクト比とする。
例えば、粒子が球形のような場合に、この測定方法を用いることができる。
(b)粒子の電子顕微鏡写真から、1つ1つの粒子について長径、又は厚さを測定できない場合
例えば、粒子が扁平な形や板状形状の場合、電子顕微鏡写真に写った1個1個の粒子について、長径を測定することはできるが、厚さは写真では見えないことが多く、写真からは直接測定することが難しい。
このような場合、粒子をガラスビーズのような芯物質の表面に付着させて電子顕微鏡写真を撮り、芯物質表面に付着した粒子の付着面からの垂直方向の長さを、粒子の厚さとして測定し、この値を厚さとして用いる。
これを図1の模式図で説明すると、図1のAは芯物質、Bはアスペクト比を測定する粒子で、線分abの長さ(芯物質表面に付着した粒子の付着面からの垂直方向の長さ)が、この粒子の厚さの値である。
また、長径の値は、上述のレーザー回折散乱法に基づいて測定した平均粒径(d50)を用いる。
このようにして測定した粒子の長径と厚さの値から、アスペクト比〔=長径/厚さ〕を求めることができる。
本発明の餅とり粉用粉末油脂組成物の粒子のアスペクト比は、2.5以上であることが好ましく、より好ましくは、2.5~100であり、さらに好ましくは3~50であり、さらにより好ましくは3~20であり、特に好ましくは3~15である。
本発明の餅とり粉用粉末油脂組成物の特徴は、ゆるめ嵩密度を用いて表現することも可能である。
本発明におけるゆるめ嵩密度とは、粉体を自然落下させた状態の充填密度である。
ゆるめ嵩密度(g/cm)は、ホソカワミクロン(株)のパウダテスタ(model PT-X)で測定することができる。
具体的には、パウダテスタに試料を仕込み、試料を仕込んだ上部シュートを振動させ、試料を自然落下により下部の測定用カップに落とす。測定用カップから盛り上がった試料はすり落とし、受器の内容積(100cm)分の試料の質量(Ag)を秤量し、以下の式からゆるめ嵩密度を求める。
ゆるめ嵩密度(g/cm)=A(g)/100(cm
本発明の餅とり粉用粉末油脂組成物のゆるめ嵩密度は、例えば実質的に油脂成分のみからなる場合、好ましくは0.05~0.4g/cmであり、より好ましくは0.1~0.4g/cmであり、さらにより好ましくは0.1~0.3g/cmである。
次に、本発明の餅とり粉用粉末油脂組成物の製造方法について説明をする。
本発明の餅とり粉用粉末油脂組成物は、国際公開第2017/051910号に記載された粉末油脂組成物の製造方法により製造することができる。
本発明の餅とり粉用粉末油脂組成物は、グリセリンの1位~3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有する1種以上のXXX型トリグリセリドを含む油脂組成物原料を溶融状態とし、特定の冷却温度に保ち、冷却固化することにより、噴霧やミル等の粉砕機による機械粉砕等特別の加工手段を採らなくても、粉末状の油脂組成物(粉末油脂組成物)を得ることができる。より具体的には、(a)上記XXX型トリグリセリドを含む油脂組成物原料を準備し、任意に工程(b)として、工程(a)で得られた油脂組成物原料を加熱し、前記油脂組成物原料中に含まれるトリグリセリドを溶解して溶融状態の前記油脂組成物原料を得、さらに(d)前記油脂組成物原料を冷却固化して、β型油脂を含有し、その粒子の形状が板状である粉末油脂組成物を得る。なお、冷却後に得られる固形物に対して、ハンマーミル、カッターミル等、公知の粉砕加工手段を適用して、該粉末油脂組成物を製造することもできる。
上記工程(d)の冷却は、例えば、溶融状態の油脂組成物原料を、当該油脂組成物原料に含まれる油脂成分のβ型油脂の融点より低い温度であって、かつ、次式:
冷却温度(℃) = 炭素数x × 6.6 ― 68
から求められる冷却温度以上の温度で行われる。このような温度範囲で冷却すれば、β型油脂を効率よく生成でき、細かい結晶ができるので、粉末油脂組成物を容易に得ることができる。なお、前記「細かい」とは、一次粒子(一番小さい大きさの結晶)が、例えば20μm以下、好ましくは、15μm以下、より好ましくは10μmの場合をいう。また、このような温度範囲で冷却しないと、β型油脂が生成せず、油脂組成物原料よりも体積が増加した空隙を有する固形物ができない場合がある。さらに、本発明では、このような温度範囲で冷却することによって、静置した状態でβ型油脂を生成させ、粉末油脂組成物の粒子を板状形状とさせたものであり、冷却方法は、本発明の粉末油脂組成物を特定するために有益なものである。
さらに詳細に、餅とり粉用粉末油脂組成物の製造方法について説明をする。
本発明の餅とり粉用粉末油脂組成物は、以下の工程、
(a)XXX型トリグリセリドを含む油脂組成物原料を準備する工程、
(b)工程(a)で得られた油脂組成物原料を任意に加熱等し、前記油脂組成物原料中に含まれるトリグリセリドを溶解して溶融状態の前記油脂組成物原料を得る任意の工程、
(d)前記油脂組成物原料を冷却固化して、β型油脂を含有し、その粒子形状が板状である粉末油脂組成物を得る工程、
を含む方法によって製造することができる。
また、上記工程(b)と(d)の間に、工程(c)として粉末生成を促進するための任意工程、例えば(c1)シーディング工程、(c2)テンパリング工程、及び/又は(c3)予備冷却工程を含んでいてもよい。さらに、上記工程(d)では、粉砕処理をしてもよい。以下、上記工程(a)~(d)について説明する。
(a)原料準備工程
工程(a)で準備されるXXX型トリグリセリドを含む油脂組成物原料は、グリセリンの1位~3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有する1種以上のXXX型トリグリセリドを含む通常のXXX型トリグリセリド等の油脂の製造方法に基づいて製造され、もしくは容易に市場から入手され得る。ここで、上記炭素数x及び脂肪酸残基Xで特定されるXXX型トリグリセリドは、最終的に得られる目的の油脂成分のものと結晶多形以外の点で同じである。当該原料にはβ型油脂が含まれていてもよく、例えば、β型油脂の含有量が0.1質量%以下、0.05質量%以下、又は0.01質量%以下含んでいてもよい。但し、β型油脂は、当該原料を加熱等により溶融状態にすることにより消失するので、当該原料は溶融状態の原料であってもよい。当該原料が、例えば溶融状態である場合に、β型油脂を実質的に含まないことは、XXX型トリグリセリドに限らず、実質的に全ての油脂成分がβ型油脂ではない場合も意味し、β型油脂の存在は、上述したX線回折測定によりβ型油脂に起因する回折ピーク、示差走査熱量測定法によるβ型油脂の確認等によって確認することができる。「β型油脂を実質的に含まない」場合のβ型油脂の存在量は、X線回折ピークのうち、β型の特徴的ピークとα型の特徴的ピークとの強度比率[β型の特徴的ピークの強度/(α型の特徴的ピークの強度+β型の特徴的ピークの強度)](ピーク強度比)から想定できる。上記油脂組成物原料の当該ピーク強度比は、例えば0.2以下であり、好ましくは、0.15以下であり、より好ましくは、0.10以下である。油脂組成物原料には、上述したとおりのXXX型トリグリセリドを1種類又は2種以上含んでいてもよく、好ましくは1種類又は2種類であり、より好ましくは1種類である。
具体的には、例えば、上記XXX型トリグリセリドは、脂肪酸または脂肪酸誘導体とグリセリンを用いた直接合成によって製造することができる。XXX型トリグリセリドを直接合成する方法としては、(i)炭素数Xの脂肪酸とグリセリンとを直接エステル化する方法(直接エステル合成)、(ii)炭素数xである脂肪酸Xのカルボキシル基がアルコキシル基と結合した脂肪酸アルキル(例えば、脂肪酸メチル及び脂肪酸エチル)とグリセリンとを塩基性または酸性触媒条件下にて反応させる方法(脂肪酸アルキルを用いたエステル交換合成)、(iii)炭素数xである脂肪酸Xのカルボキシル基の水酸基がハロゲンに置換された脂肪酸ハロゲン化物(例えば、脂肪酸クロリド及び脂肪酸ブロミド)とグリセリンとを塩基性触媒下にて反応させる方法(酸ハライド合成)が挙げられる。
XXX型トリグリセリドは前述の(i)~(iii)のいずれの方法によっても製造できるが、製造の容易さの観点から、(i)直接エステル合成又は(ii)脂肪酸アルキルを用いたエステル交換合成が好ましく、(i)直接エステル合成がより好ましい。
XXX型トリグリセリドを(i)直接エステル合成によって製造するには、製造効率の観点から、グリセリン1モルに対して脂肪酸Xまたは脂肪酸Yを3~5モルを用いることが好ましく、3~4モルを用いることがより好ましい。
XXX型トリグリセリドの(i)直接エステル合成における反応温度は、エステル化反応によって生ずる生成水が系外に除去できる温度であればよく、例えば、120℃~300℃が好ましく、150℃~270℃がより好ましく、180℃~250℃がさらに好ましい。反応を180~250℃で行うことで、特に効率的にXXX型トリグリセリドを製造することができる。
XXX型トリグリセリドの(i)直接エステル合成においては、エステル化反応を促進する触媒を用いても良い。触媒としては酸触媒、及びアルカリ土類金属のアルコキシド等が挙げられる。触媒の使用量は、反応原料の総質量に対して0.001~1質量%程度であることが好ましい。
XXX型トリグリセリドの(i)直接エステル合成においては、反応後、水洗、アルカリ脱酸及び/又は減圧脱酸、及び吸着処理等の公知の精製処理を行うことで、触媒や原料未反応物を除去することができる。更に、脱色・脱臭処理を施すことで、得られた反応物をさらに精製することができる。
上記油脂組成物原料中に含まれるXXX型トリグリセリドの量は、例えば、当該原料中に含まれる全トリグリセリドの全質量を100質量%とした場合、100~50質量%、好ましくは95~55質量%、より好ましくは90~60質量%である。さらに殊更好ましくは85~65質量%である。
<その他のトリグリセリド>
XXX型トリグリセリドを含む油脂組成物原料となるその他のトリグリセリドとしては、上記XXX型トリグリセリドの他、本発明の効果を損なわない限り、各種トリグリセリドを含めてもよい。その他のトリグリセリドとしては、例えば、上記XXX型トリグリセリドの脂肪酸残基Xの1つが脂肪酸残基Yに置換したX2Y型トリグリセリド、上記XXX型トリグリセリドの脂肪酸残基Xの2つが脂肪酸残基Yに置換したXY2型トリグリセリド等を挙げることができる。
上記その他のトリグリセリドの量は、例えば、XXX型トリグリセリドの全質量を100質量%とした場合、0~100質量%、好ましくは0~70質量%、より好ましくは1~40質量%である。
また、本発明の油脂組成物原料としては、上記XXX型トリグリセリドを直接合成する代わりに、天然由来のトリグリセリド組成物に対し水素添加、エステル交換又は分別を行ったものを使用してもよい。天然由来のトリグリセリド組成物としては、例えば、ナタネ油、大豆油、ヒマワリ油、ハイオレイックヒマワリ油、サフラワー油、パームステアリン及びこれらの混合物等を挙げることができる。特に、これらの天然由来のトリグリセリド組成物の硬化油、部分硬化油、極度硬化油が好ましいものとして挙げられる。さらに好ましくは、ハードパームステアリン、ハイオレイックヒマワリ油極度硬化油、菜種極度硬化油、大豆極度硬化油が挙げられる。
さらに、本発明の油脂組成物原料としては、市販されている、トリグリセリド組成物又は合成油脂を挙げることができる。例えば、トリグリセリド組成物としては、ハードパームステアリン(日清オイリオグループ株式会社製)、菜種極度硬化油(横関油脂工業株式会社製)、大豆極度硬化油(横関油脂工業株式会社製)を挙げることができる。また、合成油脂としては、トリパルミチン(東京化成工業株式会社製)、トリステアリン(シグマアルドリッチ製)、トリステアリン(東京化成工業株式会社製)、トリアラキジン(東京化成工業株式会社製)トリベヘニン(東京化成工業株式会社製)を挙げることができる。
その他、パーム極度硬化油は、XXX型トリグリセリドの含量が少ないので、トリグリセリドの希釈成分として使用できる。
<その他の成分>
上記油脂組成物原料としては、上記トリグリセリドの他、任意に部分グリセリド、脂肪酸、抗酸化剤、乳化剤、水などの溶媒等のその他の成分を含んでいてもよい。これらその他の成分の量は、本発明の効果を損なわない限り任意の量とすることができるが、例えば、XXX型トリグリセリドの全質量を100質量%とした場合、0~5質量%、好ましくは0~2質量%、より好ましくは0~1質量%である。
上記油脂組成物原料は、成分が複数含まれる場合、任意に混合してもよい。混合は、均質な反応基質が得られる限り公知のいかなる混合方法を用いてもよいが、例えば、パドルミキサー、アジホモミキサー、ディスパーミキサー等で行うことができる。
当該混合は、必要に応じて加熱下で混合してもよい。加熱は、後述の工程(b)における加熱温度と同程度であることが好ましく、例えば、50~120℃、好ましくは60~100℃、より好ましくは70~90℃、さらに好ましくは80℃で行われる。
(b)溶融状態の前記油脂組成物を得る工程
上記(d)工程の前に、上記工程(a)で準備された油脂組成物原料は、準備された時点で溶融状態にある場合、加熱せずにそのまま冷却されるが、準備された時点で溶融状態にない場合は、任意に加熱され、該油脂組成物原料中に含まれるトリグリセリドを融解して溶融状態の油脂組成物原料を得る。
ここで、油脂組成物原料の加熱は、上記油脂組成物原料中に含まれるトリグリセリドの融点以上の温度、特にXXX型トリグリセリドを融解できる温度、例えば、70~200℃、好ましくは、75~150℃、より好ましくは80~100℃であることが適当である。また、加熱は、例えば、0.1~3時間、好ましくは、0.3~2時間、より好ましくは0.5~1時間継続することが適当である。
(d)溶融状態の油脂組成物を冷却して粉末油脂組成物を得る工程
上記工程(a)又は(b)で準備された溶融状態の油脂組成物原料は、さらに冷却固化されて、β型油脂を含有し、その粒子形状が板状である粉末油脂組成物を形成する。
ここで、「溶融状態の油脂組成物原料を冷却固化」するためには、冷却温度の上限値として、溶融状態の油脂組成物原料を、当該油脂組成物原料に含まれる油脂成分のβ型油脂の融点より低い温度に保つことが必要である。「油脂組成物原料に含まれる油脂成分のβ型油脂の融点より低い温度」とは、例えば、炭素数が18のステアリン酸残基を3つ有するXXX型トリグリセリドの場合、β型油脂の融点は74℃であるので(表1)、当該融点より1~30℃低い温度(即ち44~73℃)、好ましくは当該融点より1~20℃低い温度(即ち54~73℃)、より好ましくは当該融点より1~15℃低い温度(即ち59~73℃)、特に好ましくは、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃または10℃低い温度である。
より好ましくは、β型油脂を得るためには、冷却温度の下限値として、以下の式から求められる冷却温度以上に保つことが適当である。
冷却温度(℃) = 炭素数x × 6.6 ― 68
(式中、炭素数xは、油脂組成物原料中に含まれるXXX型トリグリセリドの炭素数x)
このような冷却温度以上とするのは、XXX型トリグリセリドを含有するβ型油脂を得るために、当該油脂の結晶化の際、冷却温度をβ型油脂以外のα型油脂やβ’型油脂が結晶化しない温度に設定する必要があるためである。冷却温度は、主にXXX型トリグリセリドの分子の大きさに依存するので、炭素数xと最適な冷却温度の下限値との間には一定の相関関係があることが理解できる。
例えば、油脂組成物原料に含まれるXXX型トリグリセリドが、炭素数が18のステアリン酸残基を3つ有するXXX型トリグリセリドである場合、冷却温度の下限値は50.8℃以上となる。従って、炭素数が18のステアリン酸残基を3つ有するXXX型トリグリセリドの場合、「溶融状態の油脂組成物原料を冷却固化」する温度は、50.8℃以上72℃以下がより好ましいこととなる。
また、XXX型トリグリセリドが2種以上の混合物である場合は、炭素数xが小さい方の冷却温度に合わせてその下限値を決定することができる。例えば、油脂組成物原料に含まれるXXX型トリグリセリドが、炭素数が16のパルミチン酸残基を3つ有するXXX型トリグリセリドと炭素数が18のステアリン酸残基を3つ有するXXX型トリグリセリドとの混合物である場合、冷却温度の下限値は小さい方の炭素数16に合わせて37.6℃以上となる。
別の態様として、上記冷却温度の下限値は、XXX型トリグリセリドを含む油脂組成物原料の、当該β型油脂に対応するα型油脂の融点以上の温度であることが適当である。例えば、油脂組成物原料に含まれるXXX型トリグリセリドが、炭素数が18のステアリン酸残基を3つ有するXXX型トリグリセリドである場合、当該ステアリン酸残基を3つ有するXXX型トリグリセリドのα型油脂の融点は55℃であるから(表1)、かかる場合の「溶融状態の油脂組成物原料を冷却固化」する温度は、55℃以上72℃以下が好ましいこととなる。
さらに別の態様として、溶融状態にある油脂組成物原料の冷却は、例えばxが12のときは最終温度が、好ましくは-2~46℃、より好ましくは12~44℃、更に好ましくは14~42℃の温度になるように冷却することによって行われる。冷却における最終温度は、例えばxが13又は14のときは、好ましくは24~56℃、より好ましくは32~54℃、更に好ましくは40~52℃であり、xが15又は16のときは、好ましくは36~66℃、より好ましくは44~64℃、更に好ましくは52~62℃であり、xが17又は18のときは、好ましくは50~72℃、より好ましくは54~70℃、更に好ましくは58~68℃であり、xが19又は20のときは、好ましくは62~80℃、より好ましくは66~78℃、更に好ましくは70~77℃であり、xが21又は22のときは、好ましくは66~84℃、より好ましくは70~82℃、更に好ましくは74~80℃である。上記最終温度において、例えば、好ましくは2時間以上、より好ましくは4時間以上、更に好ましくは6時間以上であって、好ましくは2日間以下、より好ましくは24時間以下、更に好ましくは12時間以下、静置することが適当である。
(c)粉末生成促進工程
さらに、工程(d)の前、上記工程(a)又は(b)と(d)との間に、(c)粉末生成を促進するための任意工程として、工程(d)で使用する溶融状態の油脂組成物原料に対し、シーディング法(c1)、テンパリング法(c2)及び/又は(c3)予備冷却法による処理を行ってもよい。これらの任意工程(c1)~(c3)は、いずれか単独で行ってもよいし、複数の工程を組み合わせて行ってもよい。ここで、工程(a)又は(b)と工程(d)との間とは、工程(a)又は(b)中、工程(a)又は(b)の後であって工程(d)の前、工程(d)中を含む意味である。
シーディング法(c1)及びテンパリング法(c2)は、本発明の粉末油脂組成物の製造において、溶融状態にある油脂組成物原料をより確実に粉末状とするために、最終温度まで冷却する前に、溶融状態にある油脂組成物原料を処置する粉末生成促進方法である。 ここで、シーディング法(c1)とは、粉末の核(種)となる成分を溶融状態にある油脂組成物原料の冷却時に少量添加して、粉末化を促進する方法である。具体的には、例えば、工程(b)で得られた溶融状態にある油脂組成物原料に、当該油脂組成物原料中のXXX型トリグリセリドと炭素数が同じXXX型トリグリセリドを好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上含む油脂粉末を核(種)となる成分として準備する。この核となる油脂粉末を、溶融状態にある油脂組成物原料の冷却時、当該油脂組成物原料の温度が、例えば、最終冷却温度±0~+10℃、好ましくは+5~+10℃の温度に到達した時点で、当該溶融状態にある油脂組成物原料100質量部に対して0.1~1質量部、好ましくは0.2~0.8質量部添加することにより、油脂組成物の粉末化を促進する方法である。
また、テンパリング法(c2)とは、溶融状態にある油脂組成物原料の冷却において、最終冷却温度で静置する前に一度、工程(d)の冷却温度よりも低い温度、例えば5~20℃低い温度、好ましくは7~15℃低い温度、より好ましくは10℃程度低い温度に、好ましくは10~120分間、より好ましくは30~90分間程度冷却することにより、油脂組成物の粉末化を促進する方法である。
さらに、予備冷却法(c3)とは、前記工程(a)又は(b)で得られた溶融状態の油脂組成物原料を、工程(d)にて冷却する前に、前記XXX型トリグリセリドを含む油脂組成物原料を準備した時の温度と前記油脂組成物原料の冷却時の冷却温度との間の温度で一旦冷却する方法、言い換えれば、工程(a)又は(b)の溶融状態の温度よりも低く、工程(d)の冷却温度よりも高い温度で一旦予備冷却する方法である。(c3)予備冷却法に続いて、工程(d)の油脂組成物原料の冷却時の冷却温度で冷却することが行われる。工程(d)の冷却温度より高い温度とは、例えば、工程(d)の冷却温度よりも2~40℃高い温度、好ましくは3~30℃高い温度、より好ましくは4~30℃高い温度、さらに好ましくは5~10℃程度高い温度であり得る。前記予備冷却する温度を低く設定すればするほど、工程(d)の冷却温度における本冷却時間を短くすることができる。すなわち、予備冷却法とは、シーディング法やテンパリング法と異なり、冷却温度を段階的に下げるだけで油脂組成物の粉末化を促進できる方法であり、工業的に製造する場合に利点が大きい。
(粉砕処理)
上記工程(d)の冷却によって粉末油脂組成物を得る工程では、粉砕処理をしてもよい。
詳細に説明すると、まず、上記油脂組成物原料を融解して溶融状態の油脂組成物を得、その後冷却して溶融状態の油脂組成物原料よりも体積が増加した空隙を有する固形物を形成する。空隙を有する固形物となった油脂組成物は、軽い衝撃を加えることで粉砕でき、固形物が容易に崩壊して粉末状となる。
ここで、軽い衝撃を加える手段は特に特定されないが、振る、篩に掛ける等により、軽く振動(衝撃)を与えて粉砕する(ほぐす)方法が、簡便で好ましい。
なお、該固形物を公知の粉砕加工手段により粉砕してもよい。このような粉砕加工手段の一例としては、ハンマーミル、カッターミル等が挙げられる。
このようにして、餅とり粉用粉末油脂組成物を製造することができる。
次に、本発明の餅とり粉について説明をする。
「餅とり粉」は、別名「とり粉」ともいい、餅生地同士、又は餅生地が手や容器につかないようにするために使用する粉のことである。例えば、餅つきをするときや、大福、白玉、柏餅、うぐいす餅、桜餅、草餅、求肥餅等の餅生地含有食品を作るときに使用することができる。
本発明の餅とり粉は、先に説明をした餅とり粉用粉末油脂組成物と、穀粉及び/又は澱粉類とを含有する餅とり粉である。すなわち、餅とり粉用粉末油脂組成物と穀粉とを含有する餅とり粉、餅とり粉用粉末油脂組成物と澱粉類とを含有する餅とり粉、及び餅とり粉用粉末油脂組成物と穀粉と澱粉類とを含有する餅とり粉である。
餅とり粉中の餅とり粉用粉末油脂組成物の含量は0.1~20質量%であることが好ましく、0.5~10質量%であることがより好ましく、0.5~5質量%であることがさらに好ましく、0.5~4質量%であることがさらにより好ましい。
本発明の餅とり粉に使用する穀粉としては、例えば、米粉、上新粉、餅粉等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
また、本発明の餅とり粉に使用する澱粉類としては馬鈴薯澱粉、片栗澱粉、コーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉、タピオカ澱粉、甘藷澱粉、緑豆澱粉、化工澱粉等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
本発明の餅とり粉中の穀粉及び澱粉の含量は、80~99.9質量%であることが好ましく、90~99.5質量%であることがより好ましく、95~99.5質量%であることがさらに好ましく、96~99.5質量%であることがさらにより好ましい。
本発明の餅とり粉には、穀粉及び澱粉類の他に、以下に挙げるその他の原料を含有させることができる。
その他の原料として、例えば、大豆粉、粉末大豆蛋白、デキストリン、卵粉末(粉末卵白、粉末卵黄、粉末全卵等)、乳清粉末、増粘多糖類(キサンタンガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、ペクチン、ジェランガム、寒天等)、乳化剤(ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等)、食塩、糖類(砂糖、ぶどう糖、乳糖、トレハロース等)、香辛料、炭酸カルシウム、貝殻焼成カルシウム等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
その他の原料を使用する場合には、本発明の餅とり粉中の穀粉及び澱粉の含量が79.99~99.89質量%で、その他の原料の含量が0.01~5質量%であることが好ましく、穀粉及び澱粉の含量が89.99~99.49質量%で、その他の原料の含量が0.01~5質量%であることがより好ましく、穀粉及び澱粉の含量が94.5~99.49質量%で、その他の原料の含量が0.01~5質量%であることがさらにより好ましく、穀粉及び澱粉の含量が94.5~99.49質量%で、その他の原料の含量が0.01~5質量%であることが最も好ましい。
本発明の餅とり粉は、本発明の餅とり粉用粉末油脂組成物、穀粉及び/又は澱粉類、必要に応じて先に説明をしたその他の原料を混合することにより製造することができる。
混合は、カッターミキサー、ミルミキサー、リボンミキサー、パドルミキサー等の粉体混合機を用いて混合しても良い。
本発明の餅とり粉は、穀粉及び/又は澱粉類を含有する市販の餅とり粉に、本発明の餅とり粉用粉末油脂組成物を添加して、混合することにより製造することもできる。
次に、本発明の餅生地含有食品、及びその製造方法について説明をする。
餅生地含有食品とは、餅生地を使用した食品のことをいい、例えば、大福、白玉、柏餅、うぐいす餅、桜餅、草餅、求肥餅等を挙げることができる。
餅生地は、通常使用されている餅生地を使用することができ、例えば、米粉、白玉粉、餅粉、求肥粉、澱粉等の原料粉に水又はお湯を加えて加熱し、搗いたものであれば良い。
本発明の餅生地含有食品は、餅生地に、先に説明をした本発明の餅とり粉が付着している食品である。
本発明の餅生地含有食品は、餅とり粉として本発明の餅とり粉を使用する以外は、公知の方法で製造することができる。
本発明の餅生地含有食品は、餅生地食品製造時に、本発明の餅とり粉を餅生地に付着させることで製造することができる。
餅とり粉の餅生地への付着は、例えば、餅とり粉を薄く敷いたバットに餅生地を入れ、餅とり粉をまぶすことにより行うことができる。
餅生地への餅とり粉の付着量は、通常使用されている餅とり粉と同程度の量を付着させることができ、例えば、1個約40gの大福の場合、0.3~1.5gであることが好ましい。
次に、本発明の餅生地の硬化抑制剤について説明をする。
本発明の餅生地の硬化抑制剤は、グリセリンの1位~3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有する1種以上のXXX型トリグリセリドを含む油脂成分を含有する餅とり粉用粉末油脂組成物と、穀粉及び/又は澱粉類とを含有する餅とり粉からなる餅生地の硬化抑制剤であって、該炭素数xは12~22から選択される整数であり、該油脂成分がβ型油脂を含み、該餅生地の硬化抑制剤の粒子は板状形状であり、該餅生地の硬化抑制剤の平均粒径が50μm以下である。
餅とり粉用粉末油脂組成物、穀粉、澱粉類、及び餅とり粉については、先に説明したものを使用することができる。また、餅とり粉には、先に説明したその他の原料を含有させることができる。
餅とり粉中の餅とり粉用粉末油脂組成物、穀粉、澱粉類、及びその他の原料の含量についても、先に説明した含量を配合することができる。
本発明の餅生地の硬化抑制剤は、餅生地含有食品の餅とり粉として使用することができる。餅生地含有食品、及び餅生地は、先に説明したものを使用することができる。
本発明の餅生地の硬化抑制剤を使用した餅生地含有食品は、餅生地に、餅生地の硬化抑制剤が付着している餅生地含有食品である。
餅生地含有食品は、餅とり粉として本発明の餅生地の硬化抑制剤を使用する以外は、公知の方法で製造することができる。
本発明の餅生地含有食品は、餅生地食品製造時に、本発明の餅生地の硬化抑制剤を餅生地に付着させることで製造することができる。
餅生地の硬化抑制剤の餅生地への付着は、例えば、餅生地の硬化抑制剤を薄く敷いたバットに、餅生地を入れて餅生地の硬化抑制剤をまぶすことにより行うことができる。
餅生地への餅生地の硬化抑制剤の付着量は、通常使用されている餅とり粉と同程度の量を付着させることができ、例えば、1個約40gの大福の場合、0.3~1.5gであることが好ましい。
餅生地含有食品の餅とり粉として、本発明の餅生地の硬化抑制剤を使用することで、餅生地の硬化を抑制することができる。
特に、店頭で大福を並べて販売する場合、時間が経過すると大福の餅生地の硬化が進行していくが、本発明の餅生地の硬化抑制剤を使用すると、大福の餅生地の硬化を抑制することができる。
次に、実施例および比較例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。また。以下において「%」とは、特別な記載がない場合、質量%を示し、「部」とは質量部を示す。
[分析方法]
・トリグリセリド組成
ガスクロマトグラフィー分析条件
DB1-ht(0.32mm×0.1μm×5m)Agilent Technologies社(123-1131)
注入量 :1.0μL
注入口 :370℃
検出器 :370℃
スプリット比 :50/1 35.1kPa コンスタントプレッシャー
カラムCT :200℃(0min hold)~(15℃/min)~370℃(4min hold)
・X線回折測定
X線回折装置UltimaIV(株式会社リガク社製)を用いて、CuKα(λ=1.542Å)を線源とし、Cu用フィルタ使用、出力1.6kW、操作角0.96~30.0°、測定速度2°/分の条件で測定した。この測定により、XXX型トリグリセリドを含む油脂成分におけるα型油脂、β’型油脂、及びβ型油脂の存在を確認した。4.6Å付近のピークのみを有し、4.1~4.2Å付近のピークを有しない場合は、油脂成分のすべてがβ型油脂であると判断した。
なお、上記X線回折測定の結果から、ピーク強度比=[β型の特徴的ピークの強度(2θ=19°(4.6Å))/(α型の特徴的ピークの強度(2θ=21°(4.2Å))+β型の特徴的ピークの強度(2θ=19°(4.6Å)))]をβ型油脂の存在量を表す指標として測定した。
・アスペクト比
(a)市販の粉末油脂(理研ビタミン株式会社製:商品名「スプレーファットNR100」)の粒子のアスペクト比
この粉末油脂は、ほとんどが球形で、粒子の電子顕微鏡写真から1個1個の粒子について直接長径、及び厚さを測定することができるので、3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE-8800(株式会社キーエンス製)で撮影した写真に写った1個1個の粒子について、長径及び厚さ(縦及び横)を測定し、それぞれの粒子について、アスペクト比を求め、計20個の粒子のアスペクト比の平均値を、粒子のアスペクト比とした。
(b)本発明の粉末油脂組成物の粒子のアスペクト比
本発明の粉末油脂組成物は、板状形状であるため、顕微鏡写真から粒子の厚さを測定することが難しい。したがって、粒子の厚さは、粉末油脂組成物をガラスビーズに付着させたときの顕微鏡写真から測定した。また、長径の値は、レーザー回折散乱法に基づいて測定した平均粒径(d50)を用いた。
具体的には、ガラスビーズ(アズワン株式会社製、型番BZ-01、寸法0.105~0.125mmφ)に粉末油脂組成物を添加、混合することで、ガラスビーズ表面に粉末油脂組成物を付着させ、その様子を3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE-8800(株式会社キーエンス製)で撮影した。ガラスビーズ表面に付着した1個の粉末油脂組成物の粒子の付着面から垂直方向の長さを、その粒子の厚さとして測定し、計25個の粒子の厚さの平均値を取り、その値を粉末油脂組成物の粒子の厚さの値とした。
図4は、後述する製造例1の粉末油脂組成物の粒子の厚さの測定に使用した電子顕微鏡写真(1500倍)の1つで、この写真では、写真中の直線で示した部分(2か所)の長さ(ガラスビーズ表面に付着した粒子の付着面からの垂直方向の長さ)を、粉末油脂組成物の粒子の厚さとして測定した。
また、長径の値は、上述のレーザー回折散乱法に基づいて測定した平均粒径(d50)を用いた。
このようにして測定した粉末油脂組成物の粒子の長径と厚さの値から、アスペクト比〔=長径/厚さ〕を求めた。
・平均粒径(d50)
粉末油脂組成物の平均粒径は、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、装置名:Microtrac MT3300ExII)で、レーザー回折散乱法(ISO133201,ISO9276-1)基づいて、湿式測定により測定した。
具体的には、粒度分布測定装置に極小容量循環器(日機装株式会社製、装置名:USVR)を取り付け、分散溶媒として水を循環させた。また、100mlビーカーに試料を0.06g、中性洗剤を0.6g入れ、スパチュラで混合し、混合後に水を30ml加え、超音波洗浄器(アイワ医科工業株式会社製、装置名:AU-16C)に1分間供したものを滴下、循環させて測定した。得られた粒度分布における積算値50%の粒径の測定値(d50)を平均粒径とした。
・ゆるめ嵩密度
実施例で使用した粉末油脂組成物、及び粉末油脂のゆるめ嵩密度(g/cm)は、ホソカワミクロン(株)のパウダテスタ(model PT-X)で測定した。
具体的には、パウダテスタに試料を仕込み、試料を仕込んだ上部シュートを振動させ、試料を自然落下により下部の測定用カップに落とす。測定用カップから盛り上がった試料はすり落とし、受器の内容積(100cm)分の試料の質量(Ag)を秤量し、以下の式からゆるめ嵩密度を求めた。
ゆるめ嵩密度(g/cm)=A(g)/100(cm
・顕微鏡観察、顕微鏡写真撮影
粉末油脂組成物の粒子及び粉末油脂の粒子の様子を、3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE-8800(株式会社キーエンス製)で観察し、粒子を顕微鏡で写真撮影した。
〔餅とり粉用粉末油脂組成物の製造〕
以下に、粉末油脂組成物の製造例を示すが、いずれの粉末油脂組成物も、餅とり粉用として使用することができる。
(1)製造例1:x=18
1位~3位にステアリン酸残基(炭素数18)を有するトリグリセリド(XXX型:79.1質量%、菜種極度硬化油、フレーク状、横関油脂工業株式会社製)1000gを80℃にて約12時間維持して完全に融解し、60℃恒温槽にて12時間冷却し、体積が増加した空隙を有する固形物を形成させ、結晶化を完了させた後、室温(25℃)状態まで冷却した。得られた固形物を機械粉砕することで粉末油脂組成物(平均粒径8.0μm、X線回折測定回折ピーク:4.6Å、ピーク強度比:0.89、粒子のアスペクト比4.6、ゆるめ嵩密度0.18g/cm)を得た。
得られた粉末油脂組成物を顕微鏡で観察したところ、粉末油脂組成物の粒子の形状は板状形状であった。粉末油脂組成物の顕微鏡写真を、図2(100倍)、及び図3(300倍)に示す。
なお、X線回折測定回折ピーク、及びピーク強度比から、得られた粉末油脂組成物の油脂成分は、β型油脂を含むものであることがわかる。
(2)製造例2:x=18
1位~3位にステアリン酸残基(炭素数18)を有するトリグリセリド(XXX型:79.1質量%、菜種極度硬化油、フレーク状、横関油脂工業株式会社製)1000gを80℃にて約12時間維持して完全に融解し、60℃恒温槽にて12時間冷却し、体積が増加した空隙を有する固形物を形成させ、結晶化を完了させた後、室温(25℃)状態まで冷却した。得られた固形物を機械粉砕することで粉末油脂組成物(平均粒径6.4μm、X線回折測定回折ピーク:4.6Å、ピーク強度比:0.89、粒子のアスペクト比3.7、ゆるめ嵩密度0.18g/cm)を得た。
得られた粉末油脂組成物を顕微鏡で観察したところ、粉末油脂組成物の粒子の形状は板状形状であった。
なお、X線回折測定回折ピーク、及びピーク強度比から、得られた粉末油脂組成物の油脂成分は、β型油脂を含むものであることがわかる。
(3)製造例3:x=18
1位~3位にステアリン酸残基(炭素数18)を有するトリグリセリド(XXX型:79.1質量%、菜種極度硬化油、フレーク状、横関油脂工業株式会社製)1000gを80℃にて約12時間維持して完全に融解し、60℃恒温槽にて12時間冷却し、体積が増加した空隙を有する固形物を形成させ、結晶化を完了させた後、室温(25℃)状態まで冷却した。得られた固形物を機械粉砕することで粉末油脂組成物(平均粒径7.4μm、X線回折測定回折ピーク:4.6Å、ピーク強度比:0.89、粒子のアスペクト比3.5、ゆるめ嵩密度0.17g/cm)を得た。
得られた粉末油脂組成物を顕微鏡で観察したところ、得られた粉末油脂組成物の粒子の形状は板状形状であった。
なお、X線回折測定回折ピーク、及びピーク強度比から、得られた粉末油脂組成物の油脂成分は、β型油脂を含むものであることがわかる。
(4)製造例4:x=18
1位~3位にステアリン酸残基(炭素数18)を有するトリグリセリド(XXX型:79.1質量%、菜種極度硬化油、フレーク状、横関油脂工業株式会社製)1000gを80℃にて約12時間維持して完全に融解し、60℃恒温槽にて12時間冷却し、体積が増加した空隙を有する固形物を形成させ、結晶化を完了させた後、室温(25℃)状態まで冷却した。得られた固形物を機械粉砕することで粉末油脂組成物(平均粒径14.4μm、X線回折測定回折ピーク:4.6Å、ピーク強度比:0.90、粒子のアスペクト比:7.2、ゆるめ嵩密度:0.2g/cm3)を得た。X線回折測定回折ピーク、及びピーク強度比から、得られた粉末油脂組成物の油脂成分は、β型油脂を含むものであることがわかった。
粉砕前の粉末油脂組成物を目視で観察したところ、体積が増加した空隙を有する固形物であった。図7は、粉砕前の粉末油脂組成物の外観の写真である。また、粉砕前の粉末油脂組成物を3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE-8800(株式会社キーエンス製)で観察したところ、板状形状の粒子が多数重なっていた。図8は、粉砕前の粉末油脂組成物の電子顕微鏡写真(200倍)ある。
また、得られた粉末油脂組成物を3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE-8800(株式会社キーエンス製)で観察したところ、粉末油脂組成物の粒子の形状は板状形状であった。図9及び図10は、粉末油脂組成物の電子顕微鏡写真(1000倍)である。
〔比較油脂組成物の製造〕
(1)製造比較例1:x=16
1位~3位にパルミチン酸残基(炭素数16)を有するトリグリセリド(XXX型:89.7質量%、トリパルミチン、東京化成工業株式会社製)25gを80℃にて0.5時間維持して完全に融解し、25℃恒温槽にて4時間冷却したところ、完全に固化し(X線回折測定回折ピーク:4.1Å、ピーク強度比:0.10)、粉末状の油脂組成物には至らなかった。
(2)製造比較例2:x=16、18
1位~3位にパルミチン酸残基(炭素数16)を有するトリグリセリド(XXX型:69.9質量%、ハードパームステアリン、日清オイリオグループ株式会社製)12.5gと、1位~3位にステアリン酸残基(炭素数18)を有するトリグリセリド(XXX型:11.1質量%、パーム極度硬化油、横関油脂工業株式会社製)12.5gを混合し、原料油脂とした(XXX型:39.6質量%)。原料油脂を80℃にて0.5時間維持して完全に融解し、40℃恒温槽にて12時間冷却したところ、完全に固化し(X線回折測定回折ピーク:4.2Å、ピーク強度比:0.12)、粉末状の油脂組成物には至らなかった。
(3)製造比較例3:x=18
1位~3位にステアリン酸残基(炭素数18)を有するトリグリセリド(XXX型:79.1質量%、菜種極度硬化油、横関油脂工業株式会社製)25gを80℃にて0.5時間維持して完全に融解し、40℃恒温槽にて3時間冷却したところ、完全に固化し(X線回折測定回折ピーク:4.1Å、ピーク強度比:0.11)、粉末状の油脂組成物には至らなかった。
(4)製造比較例4:x=18
1位~3位にステアリン酸残基(炭素数18)を有するトリグリセリド(XXX型:66.7質量%、大豆極度硬化油、横関油脂工業株式会社製)12.5gと、別の1位~3位にステアリン酸残基(炭素数18)を有するトリグリセリド(XXX型:11.1質量%、パーム極度硬化油、横関油脂工業株式会社製)12.5gを混合し、原料油脂とした(XXX型:39.7質量%)。原料油脂を80℃にて0.5時間維持して完全に融解し、55℃恒温槽にて12時間冷却したところ、完全に固化し(X線回折測定回折ピーク:4.2Å、ピーク強度比:0.12)、粉末状の油脂組成物には至らなかった。
〔粉末油脂〕
比較の餅とり粉には、市販の粉末油脂(理研ビタミン株式会社製:商品名「スプレーファットNR100」)を添加した。
この粉末油脂は、ビーズ状の球形粉末であり、平均粒径は86μmで、X線回折分析の結果、回折ピークは4.6、強度比は0.91であり、粒子のアスペクト比は1.07で、ゆるめ嵩密度は0.53g/cmであった。
なお、X線回折測定回折ピーク、及びピーク強度比から、この粉末油脂は、β型油脂を含むものであることがわかる。
粉末油脂を顕微鏡で観察したところ、粉末油脂の粒子の形状は球状であった。粉末油脂の顕微鏡写真を、図5(100倍)、及び図6(300倍)に示す。
〔餅とり粉の製造(実施例1~3、比較例1、2)〕
表2に示す配合の餅とり粉を製造した。
具体的には、市販の餅とり粉に、製造例1の餅とり粉用粉末油脂組成物、又は粉末油脂を加え、ミルミキサー(岩谷産業(株)製、装置名「ラボミルLM-PULS」)で10秒間撹拌し、実施例1~3、及び比較例2の餅とり粉を製造した。
また、市販の餅とり粉を、比較例1の餅とり粉とした。市販の餅とり粉は、火乃国食品工業(株)製造の商品「餅とり粉」を使用し、粉末油脂には、先に説明をした理研ビタミン株式会社製の商品「スプレーファットNR100」を用いた。
Figure 0007336882000002
〔求肥生地の製造(実施例4~6、比較例3)〕
(1)白玉粉30質量%、砂糖27質量%、水43質量%を容器に入れて混合した後、電子レンジ(600W)で3分加熱後、容器を取り出して混合し、再び電子レンジ(600W)で2分30秒加熱し求肥生地(餅生地)を得た。得られた求肥生地を、実施例1~3、比較例1の各餅とり粉を薄く敷いたバットに移して、求肥生地に餅とり粉を付着させた。その後、縦約3cm、横約4cm、高さ約1.5cmの大きさ(1個約17g)に分割し、求肥生地を製造した。
(2)求肥生地の官能評価試験
得られた求肥生地をプラスチック製フタ付き容器に入れ、8℃で1日保存した。官能試験当日に、官能評価の採点基準となる求肥生地(餅とり粉として市販の餅とり粉(比較例1)を使用)を比較例3と同様の方法で製造した(基準品)。
官能評価試験は、社内分析試験方法の「風味および加熱試験」に定められた専門パネル選定試験(臭覚テスト及び味覚テスト)に合格した社内専門パネルA~Dの4名により行った。
具体的には、製造から1日保存後の実施例4~6、比較例3の求肥生地の硬さ及びもちもち感について、官能試験当日に製造した基準品と比較して、表3に示す評価基準で評価し、評価結果を記号で示してもらった。各サンプルについて、パネルの評価結果(記号)を表3に示す点数を用いて点数化した。
ここで、もちもち感とは、求肥生地を噛んだ時にぷっつりと切れない、伸びの良い食感のことを意味する。
求肥生地の官能評価試験結果を表4及び表5に示す。
Figure 0007336882000003
Figure 0007336882000004
Figure 0007336882000005
表4及び表5の結果から、実施例4~6の求肥生地は、比較例3の求肥生地の評価点数よりも高く、軟らかい食感であった。このことから、実施例4~6の求肥生地は、製造後1日保存した時に、求肥生地の硬化が抑制されていることがわかった。
また、もちもち感については、実施例6の求肥生地は、比較例3の求肥生地と同じ点数であったが、実施例4、5の求肥生地は、比較例3の求肥生地の評価点数よりも高く、もちもち感が強いことがわかった。
(3)求肥生地の破断強度(最大荷重)測定試験
クリープメーター((株)山電、装置名「RE-2-33005C」)を用いて、製造した各種求肥生地(基準品、比較例3、実施例4~6)の破断強度(最大荷重(g)を測定した。基準品は、測定試験の日に製造したものを使用し、比較例3、実施例4~6の求肥生地は、製造後プラスチック製フタ付き容器に入れ、8℃で1日保存したものを使用した。また、測定は、1個約17g(縦約3cm、横約4cm、高さ約1.5cm)のサンプル5個について測定を行い、その平均値をそのサンプルの最大荷重(g)とした。
なお、最大荷重とは、プランジャーを一定の速度で降下(測定歪率99.00%)させたときに、プランジャーにかかる最大の荷重のことをいう。サンプルの硬さが硬いほど、最大荷重は大きくなる。
測定条件:ロードセル200N、格納ピッチ0.03secc.、測定歪率99.00%、
測定速度1.000mm/sec.、接触面積10.000mm
測定結果を、図11に示す。
(3)求肥生地の破断強度(50%地点荷重)測定試験
クリープメーター((株)山電、装置名「RE-2-33005C」)を用いて、製造した各種求肥生地(基準品、比較例3、実施例4~6)の破断強度(50%地点荷重(g))を測定した。基準品は、測定試験の日に製造したものを使用し、実施例4~6、比較例3の求肥生地は、製造後プラスチック製フタ付き容器に入れ、8℃で1日保存したものを使用した。
また、測定は、1個約17g(縦約3cm、横約4cm、高さ約1.5cm)のサンプル5個について測定を行い、その平均値をそのサンプルの50%地点荷重(g)とした。
なお、50%地点荷重とは、プランジャーを一定の速度で測定歪率(99.00%)の50%地点まで降下させたときの荷重のことをいう。サンプルの硬さが硬いほど、50%地点荷重は大きくなる。
測定条件:ロードセル200N、格納ピッチ0.03secc.、測定歪率99.00%、
測定速度1.000mm/sec.、接触面積10.000mm
測定結果を、図12に示す。
図11、図12から、実施例4~6求肥生地の最大荷重及び50%地点荷重は、測定当時に製造した基準品の求肥生地よりも大きいが、比較例3の求肥生地よりも小さいことがわかった。
このことから、実施例4~6の求肥生地は、比較例3の求肥生地よりも軟らかく、製造後1日保存した時に、求肥生地の硬化が抑制されていることがわかった。
〔大福の製造(実施例7、比較例4、5)〕
(1)白玉粉30質量%、砂糖27質量%、水43質量%を容器に入れて混合した後、電子レンジ(600W)で3分加熱後、容器を取り出して混合し、再び電子レンジ(600W)で2分30秒加熱し求肥生地(餅生地)を得た。得られた求肥生地を、実施例2、比較例1、2の各餅とり粉を薄く敷いたバットに移して、求肥生地に餅とり粉を付着させた。その後、約25gの大きさに分割し、こしあん15gを包んで大福を製造した。
(2)大福の官能評価試験
得られた大福をプラスチック製フタ付き容器に入れ、8℃で1日保存した。官能試験当日に、官能評価の採点基準となる大福(餅とり粉として市販の餅とり粉(比較例1)を使用)を比較例4と同様の方法で製造した(基準品)。
官能評価試験は、社内分析試験方法の「風味および加熱試験」に定められた専門パネル選定試験(臭覚テスト及び味覚テスト)に合格した社内専門パネルA~Dの4名により行った。
具体的には、製造から1日保存後の実施例7、比較例4、5の大福の硬さ及びもちもち感について、官能試験当日に製造した基準品と比較して、表3に示す評価基準で評価し、評価結果を記号で示してもらった。各サンプルについて、パネルの評価結果(記号)を表3に示す点数を用いて点数化した。
ここで、もちもち感とは、大福を噛んだ時にぷっつりと切れない、伸びの良い食感のことを意味する。
求肥生地の官能評価試験結果を表6及び7に示す。
Figure 0007336882000006
Figure 0007336882000007
表6及び7の結果から、実施例7の大福は、比較例4、5の大福の評価点数よりも高く、軟らかい食感であることがわかった。このことから、実施例7の大福は、製造後1日保存した時に、大福の硬化が抑制されていることがわかった。
また、もちもち感についても、実施例7の大福は、比較例4、5の大福の評価点数よりも高く、もちもち感が強いことがわかった。
〔白玉の製造(実施例8~10、比較例5)〕
(1)川光物産(株)製造の冷凍白玉(商品名「玉三 D4白玉」、1個約7g、直径約2.5cmの球体)を20℃で3時間解凍した。解凍した白玉(餅生地)を、実施例1~3、比較例1の各餅とり粉を薄く敷いたバットに移して、白玉に餅とり粉を付着し、評価用サンプルを製造した。
(2)白玉の圧縮時の最大荷重測定試験
レオメーター((株)サン科学、装置名「CR-500DX」)を用いて、製造した各種白玉(実施例8~10、比較例5)をプランジャーで圧縮したときの最大荷重(g)を測定した。実施例1、3、比較例1の白玉は、製造後プラスチック製フタ付き容器に入れ、8℃で3日保存したものを使用した。また、測定は、サンプル10個について測定を行い、最も大きい値と最も小さい値を除いた8個の値の平均値をそのサンプルの最大荷重(g)とした。測定時、白玉の表面の餅とり粉は、刷毛で払い落した。
なお、圧縮したときの最大荷重とは、プランジャーを一定の速度で白玉を7mm圧縮したときに、プランジャーにかかる最大の荷重のことをいう。サンプルの硬さが硬いほど、最大荷重は大きくなる。
測定条件:MODE20、MAX100N、定深度7mm、速度60mm/min、
プランジャー:φ30mm
測定結果を、図13に示す。
図13から、実施例8~10の白玉の圧縮時の最大荷重は、比較例5の白玉よりも小さいことがわかった。
このことから、実施例8~10の白玉は、比較例5の白玉よりも軟らかく、製造後1日保存した時に、求肥生地の硬化が抑制されていることがわかった。
本発明の餅とり粉用粉末油脂組成物含有する餅とり粉、及び餅生地の硬化抑制剤は、和菓子等の食品分野において使用することができる。

Claims (7)

  1. グリセリンの1位~3位に炭素数xの飽和の脂肪酸残基Xを有する1種以上のXXX型トリグリセリドを含む油脂成分を含有する餅とり粉用粉末油脂組成物であって、該炭素数xは18であり、該油脂成分がβ型油脂を含み、該餅とり粉用粉末油脂組成物の粒子は板状形状であり、該餅とり粉用粉末油脂組成物の平均粒径が50μm以下であり、該XXX型トリグリセリドの含量が、該油脂成分の全質量を100質量%とした場合、70質量%以上95質量%以下であることを特徴とする、餅とり粉用粉末油脂組成物。
  2. 前記粉末油脂組成物の粒子のアスペクト比が、2.5以上であることを特徴とする請求項1に記載の餅とり粉用粉末油脂組成物。
  3. 前記粉末油脂組成物のゆるめ嵩密度が、0.05~0.4g/cm3であることを特徴とする請求項1又は2に記載の餅とり粉用粉末油脂組成物。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の餅とり粉用粉末油脂組成物と、穀粉及び/又は澱粉類とを含有することを特徴とする餅とり粉。
  5. 請求項4に記載の餅とり粉が、餅生地に付着していることを特徴とする餅生地含有食品。
  6. グリセリンの1位~3位に炭素数xの飽和の脂肪酸残基Xを有する1種以上のXXX型トリグリセリドを含む油脂成分を含有する餅とり粉用粉末油脂組成物と、穀粉及び/又は澱粉類とを含有する餅とり粉からなる餅生地の硬化抑制剤であって、該炭素数xは18であり、該油脂成分がβ型油脂を含み、該餅とり粉用粉末油脂組成物の粒子は板状形状であり、該餅とり粉用粉末油脂組成物の平均粒径が50μm以下であり、該XXX型トリグリセリドの含量が、該油脂成分の全質量を100質量%とした場合、70質量%以上95質量%以下であることを特徴とする、餅生地の硬化抑制剤。
  7. 請求項6に記載の餅生地の硬化抑制剤が、餅生地に付着していることを特徴とする餅生地含有食品。
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