JP2021027822A - サンドイッチ用焼成パンの製造方法、及びサンドイッチ - Google Patents

サンドイッチ用焼成パンの製造方法、及びサンドイッチ Download PDF

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典子 村山
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Abstract

【課題】 焼成パンにフィリング等の具材を挟んだサンドイッチで、サンドイッチの製造から1日後であってもパンの歯切れが良く、フレッシュ感があるサンドイッチの提供。【解決手段】 サンドイッチ用焼成パンの製造工程において、パンの原材料と次の粉末油脂組成物とを混合する工程を有し、該粉末油脂組成物の量が、穀粉100質量部に対して、0.5〜2質量部であることを特徴とするサンドイッチ用焼成パンの製造方法。粉末油脂組成物:グリセリンの1位〜3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有する1種以上のXXX型トリグリセリドを含む油脂成分を含有する粉末油脂組成物であって、該炭素数xは12〜22から選択される整数であり、該油脂成分がβ型油脂を含み、該粉末油脂組成物の粒子が板状形状であり、該粉末油脂組成物の平均粒径が50μm以下であることを特徴とする、粉末油脂組成物。【選択図】図9

Description

本発明は、サンドイッチ用焼成パンの製造方法、及び該製造方法により製造したサンドイッチ用焼成パンを使用したサンドイッチに関するものである。
パンにフィリングを挟んだ状態で焼成して製造するフィリング含有パンは、経時的な食感の劣化、具体的には、フィリング部分からパン部分に水分が移行することに起因するパンのベタつき、またパン皮の剥がれ、パンのくちゃつき等が問題となっていた。
かかる問題を解決するために、パン生地に添加する改良剤として、アルギン酸エステル、粉末卵黄及び加工澱粉を有効成分とし、フィリング含有パン類のパン生地に配合されて用いられ、アルギン酸エステルが対粉0.4%以上の割合でパン生地に配合されるような組成比としたパン品質改良剤が開発されていた。
しかし、焼成パンに、フィリング等の具材を挟んだサンドイッチにおいて、パンの配合を検討することで、経時的に劣化してしまうサンドイッチのパンの食感を改良することについては、これまであまり検討されていなかった。
国際公開第2014/157111号
本発明は、焼成パンに、フィリング等の具材を挟んだサンドイッチにおいて、製造から1日経過後であってもフレッシュ感があり、パン生地の歯切れが良いサンドイッチを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を行った結果、パンの原材料に、特定の粉末油脂組成物を使用して製造した焼成パンをサンドイッチに使用することで、サンドイッチの製造から1日後であってもパンの歯切れが良く、フレッシュ感があるサンドイッチが得られることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、以下の態様を含むものである。
〔1〕サンドイッチ用焼成パンの製造方法であって、パンの原材料と次の粉末油脂組成物とを混合する工程を有し、該粉末油脂組成物の量が、穀粉100質量部に対して、0.5〜2質量部であることを特徴とするサンドイッチ用焼成パンの製造方法。
粉末油脂組成物:グリセリンの1位〜3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有する1種以上のXXX型トリグリセリドを含む油脂成分を含有する粉末油脂組成物であって、該炭素数xは12〜22から選択される整数であり、該油脂成分がβ型油脂を含み、該粉末油脂組成物の粒子が板状形状であり、該粉末油脂組成物の平均粒径が50μm以下であることを特徴とする、粉末油脂組成物。
〔2〕前記XXX型トリグリセリドが、前記油脂成分の全質量を100質量%とした場合、50質量%以上含有する、〔1〕に記載のサンドイッチ用焼成パンの製造方法。
〔3〕前記炭素数xが16〜18から選択される整数である、〔1〕又は〔2〕に記載のサンドイッチ用焼成パンの製造方法。
〔4〕前記粉末油脂組成物の粒子のアスペクト比が、2.5以上であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれか1つに記載のサンドイッチ用焼成パンの製造方法。
〔5〕前記粉末油脂組成物のゆるめ嵩密度が、0.05〜0.4g/cm3であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれか1つに記載のサンドイッチ用焼成パンの製造方法。
〔6〕〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のサンドイッチ用焼成パンの製造方法で製造されたサンドイッチ用焼成パンに、具材を挟んだサンドイッチ。
本発明によれば、焼成パンにフィリング等の具材を挟んだサンドイッチであって、サンドイッチの製造から1日後であってもパンの歯切れが良く、フレッシュ感があるサンドイッチを提供することができる。
芯物質表面に粉末油脂組成物を付着させたとき顕微鏡写真を模式的に示した図である。図中のAは芯物質で、Bは粉末油脂組成物で、線分abの長さ(芯物質表面に付着した粒子の付着面からの垂直方向の長さ)が、この粉末油脂組成物の厚さの値である。 本発明の製造例1の粉末油脂組成物の顕微鏡写真(100倍)である。 本発明の製造例1の粉末油脂組成物の顕微鏡写真(300倍)である。 本発明の製造例1の粉末油脂組成物をガラスビーズ表面上に付着させたときの顕微鏡写真(1500倍)で、粒子の厚さとして測定した部分を直線で示している(2か所)。 市販の油脂粉末の顕微鏡写真(100倍)である。 市販の油脂粉末の顕微鏡写真(300倍)である。 粉砕前の粉末油脂組成物(製造例4)の外観の写真である。 粉砕前の粉末油脂組成物(製造例4)の電子顕微鏡写真(200倍)である。 粉末油脂組成物(製造例4)の電子顕微鏡写真(1)(1000倍)である。 粉末油脂組成物(製造例4)の電子顕微鏡写真(2)(1000倍)である。
まず、本発明に使用する粉末油脂組成物について説明をする。
本発明に使用する粉末油脂組成物は、グリセリンの1位〜3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有する1種以上のXXX型トリグリセリドを含む油脂成分を含有する粉末油脂組成物であって、該炭素数xは12〜22から選択される整数であり、該油脂成分がβ型油脂を含み、該粉末油脂組成物の粒子は板状形状であり、該粉末油脂組成物の平均粒径が50μm以下であることを特徴とする、粉末油脂組成物である。
本発明に使用する粉末油脂組成物には、国際公開第2017/051910号に記載された粉末油脂組成物を使用することができる。
以下、本発明に使用する粉末油脂組成物について詳細に説明をする。
<油脂成分>
本発明に使用する粉末油脂組成物は、油脂成分を含有する。当該油脂成分は、少なくともXXX型トリグリセリドを含み、任意にその他のトリグリセリドを含む。
上記油脂成分はβ型油脂を含む。ここで、β型油脂とは、油脂の結晶多形の一つであるβ型の結晶のみからなる油脂である。その他の結晶多形の油脂としては、β’型油脂及びα型油脂があり、β’型油脂とは、油脂の結晶多形の一つであるβ’型の結晶のみからなる油脂である。α型油脂とは、油脂の結晶多形の一つであるα型の結晶のみからなる油脂である。油脂の結晶には、同一組成でありながら、異なる副格子構造(結晶構造)を持つものがあり、結晶多形と呼ばれている。代表的には、六方晶型、斜方晶垂直型及び三斜晶平行型があり、それぞれα型、β’型及びβ型と呼ばれている。また、各多形の融点はα、β’、βの順に融点が高くなり、各多形の融点は、炭素数xの脂肪酸残基Xの種類により異なるので、以下、表1にそれぞれ、トリラウリン、トリミリスチン、トリパルミチン、トリステアリン、トリアラキジン、トリベヘニンである場合の各多形の融点(℃)を示す。なお、表1は、Nissim Garti et al.、”Crystallization and Polymorphism of Fats and Fatty Acids”、Marcel Dekker Inc.、1988、pp.32-33に基づいて作成した。そして、表1の作成にあたり、融点の温度(℃)は小数点第1位を四捨五入した。また、油脂の組成とその各多形の融点がわかれば、少なくとも当該油脂中にβ型油脂が存在するか否かを検出することができる。
これらの多形を同定する一般的な手法は、X線回折法があり、回折条件は下記のブラッグの式によって与えられる。
2dsinθ=nλ(n=1,2,3・・・)
この式を満たす位置に回折ピークが現れる。ここでdは格子定数、θは回折(入射)角、λはX線の波長、nは自然数である。短面間隔に対応する回折ピークの2θ=16〜27°からは、結晶中の側面のパッキング(副格子)に関する情報が得られ、多形の同定を行なうことができる。特にトリアシルグリセロールの場合、2θ=19、23、24°(4.6Å付近、3.9Å付近、3.8Å付近)にβ型の特徴的ピークが、21°(4.2Å)付近にα型の特徴的なピークが出現する。なお、X線回折測定は、例えば、20℃に維持したX線回折装置((株)リガク、試料水平型X線回折装置UItimaIV)を用いて測定される。X線の光源としてはCuKα線(1.54Å)が最もよく利用される。
さらに、上記油脂の結晶多形は、示差走査熱量測定法(DSC法)によっても予測することができる。例えば、β型油脂の予測は、示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、品番BSC6220)によって10℃/分の昇温速度で100℃まで昇温することにより得られるDSC曲線に基づいて油脂の結晶構造を予測することにより行われる。
ここで、油脂成分はβ型油脂を含むもの、又は、β型油脂を主成分(50質量%超)として含むものあればよく、好ましい態様としては、上記油脂成分がβ型油脂から実質的になるものであり、より好ましい態様は上記油脂成分がβ型油脂からなるものであり、特に好ましい態様は、上記油脂成分がβ型油脂のみからなるものである。上記油脂成分のすべてがβ型油脂である場合とは、示差走査熱量測定法によってα型油脂及び/又はβ’型油脂が検出されない場合である。別の好ましい態様としては、上記油脂成分(又は油脂成分を含む粉末油脂組成物)が、X線回折測定において、4.5〜4.7Å付近、好ましくは4.6Å付近に回折ピークを有し、表1のα型油脂及び/又はβ’型油脂の短面間隔のX線回折ピークがない、特に、4.2Å付近に回折ピークを有さない場合であり、かかる場合も上記油脂成分のすべてがβ型油脂であると判断できる。本発明の更なる態様として、上記油脂成分が全てβ型油脂であることが好ましいが、その他のα型油脂やβ’型油脂が含まれていてもよい。ここで、本発明における油脂成分が「β型油脂を含む」こと及びα型油脂+β型油脂に対するβ型油脂の相対的な量の指標は、X線回折ピークのうち、β型の特徴的ピークとα型の特徴的ピークとの強度比率:[β型の特徴的ピークの強度/(α型の特徴的ピークの強度+β型の特徴的ピークの強度)](以下、ピーク強度比ともいう。)から想定できる。具体的には、上述のX線回折測定に関する知見をもとに、β型の特徴的ピークである2θ=19°(4.6Å)のピーク強度とα型の特徴的ピークである2θ=21°(4.2Å)のピーク強度の比率:19°/(19°+21°)[4.6Å/(4.6Å+4.2Å)]を算出することで上記油脂成分のβ型油脂の存在量を表す指標とし、「β型油脂を含む」ことが理解できる。本発明は、上記油脂成分が全てβ型油脂である(即ち、ピーク強度比=1)ことが好ましいが、例えば、該ピーク強度比の下限値が、例えば0.4以上、好ましくは、0.5以上、より好ましくは、0.6以上、さらに好ましくは、0.7以上、特に好ましくは、0.75以上、殊更好ましくは0.8以上であることが適当である。ピーク強度が0.4以上であれば、β型油脂を主成分が50質量%超であるとみなすことができる。該ピーク強度比の上限値は1であることが好ましいが、0.99以下、0.98以下、0.95以下、0.93以下、0.90以下、0.85以下、0.80以下等であってもかまわない。ピーク強度比は、上記下限値及び上限値のいずれか若しくは任意の組み合わせであり得る。
<XXX型トリグリセリド>
本発明の油脂成分は、グリセリンの1位〜3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有する1種以上のXXX型トリグリセリドを含む。当該XXX型トリグリセリドは、グリセリンの1位〜3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有するトリグリセリドであり、各脂肪酸残基Xは互いに同一である。ここで、当該炭素数xは12〜22から選択される整数であり、好ましくは14〜20から選択される整数であり、より好ましくは16〜18から選択される整数である。
脂肪酸残基Xは、飽和あるいは不飽和の脂肪酸残基であってもよい。具体的な脂肪酸残基Xとしては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等の残基が挙げられるがこれに限定するものではない。脂肪酸としてより好ましくは、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸及びベヘン酸であり、さらに好ましくは、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、及びアラキジン酸であり、殊更好ましくは、パルミチン酸及びステアリン酸である。
当該XXX型トリグリセリドの含有量は、油脂成分の全質量を100質量%とした場合、例えば、50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは、70質量%以上、さらに好ましくは、80質量%以上を下限とし、例えば、100質量%以下、好ましくは、99質量%以下、より好ましくは、95質量%以下を上限とする範囲である。XXX型トリグリセリドは1種類又は2種類以上用いることができ、好ましくは1種類又は2種類であり、より好ましくは1種類が用いられる。XXX型トリグリセリドが2種類以上の場合は、その合計値がXXX型トリグリセリドの含有量となる。
<その他のトリグリセリド>
本発明の油脂成分は、本発明の効果を損なわない限り、上記XXX型トリグリセリド以外の、その他のトリグリセリドを含んでいてもよい。その他のトリグリセリドは、複数の種類のトリグリセリドであってもよく、合成油脂であっても天然油脂であってもよい。合成油脂としては、トリカプリル酸グリセリル等が挙げられる。天然油脂としては、例えば、ココアバター、ヒマワリ油、菜種油、大豆油、綿実油等が挙げられる。本発明の油脂成分中の全トリグリセリドを100質量%とした場合、その他のトリグリセリドは、1質量%以上、例えば、5〜50質量%程度含まれていても問題はない。その他のトリグリセリドの含有量は、例えば、0〜30質量%、好ましくは0〜18質量%、より好ましくは0〜15質量%、更に好ましくは0〜8質量%である。
<その他の成分>
本発明に使用する粉末油脂組成物は、上記トリグリセリド等の油脂成分の他、任意に乳化剤、香料、着色料、脱脂粉乳、全脂粉乳、ココアパウダー、砂糖、デキストリン等のその他の成分を含んでいてもよい。これらその他の成分の量は、本発明の効果を損なわない限り任意の量とすることができるが、例えば、粉末油脂組成物の全質量を100質量%とした場合、0〜70質量%、好ましくは0〜65質量%、より好ましくは0〜30質量%である。
但し、本発明の好ましい粉末油脂組成物は、実質的に上記油脂成分のみからなることが好ましく、かつ、油脂成分は、実質的にトリグリセリドのみからなることが好ましい。また、「実質的に」とは、粉末油脂組成物中に含まれる油脂成分以外の成分または油脂成分中に含まれるトリグリセリド以外の成分が、粉末油脂組成物または油脂成分を100質量%とした場合、例えば、0〜15質量%、好ましくは0〜10質量%、より好ましくは0〜5質量%であることを意味する。
<粉末油脂組成物の特性>
本発明に使用する粉末油脂組成物は、常温(20℃)で粉末状の固体である。
本発明に使用する粉末油脂組成物は、粒子が板状形状の形態を有し、その平均粒径(有効径)は、50μm以下であり、好ましくは1〜30μm、より好ましくは1〜20μm、殊更好ましくは1〜15μmである。
本発明における平均粒径(有効径)は、粒度分布測定装置(例えば、日機装株式会社製、装置名:Microtrac MT3300ExII)でレーザー回折散乱法(ISO133201,ISO9276−1)に基づいて、湿式測定により測定した値(d50:粒度分布における積算値50%の粒径の測定値)である。
有効径とは、測定対象となる結晶の実測回折パターンが、球形と仮定して得られる理論的回折パターンに適合する場合の、当該球形の粒径を意味する。このように、レーザー回折散乱法の場合、球形と仮定して得られる理論的回折パターンと、実測回折パターンを適合させて有効径を算出しているので、測定対象が板状形状であっても球状形状であっても同じ原理で測定することができる。
本発明に使用する粉末油脂組成物の特徴は、その粒子のアスペクト比を用いて表現することも可能である。
本発明におけるアスペクト比とは、粒子の長径を厚さで除した値〔=長径/厚さ〕のことである。
粒子が、完全な球形の場合には、アスペクト比の値は1〔=1/1〕であり、粒子の扁平度合いが増す(厚さが薄くなる)ほどアスペクト比の値は大きくなる。
粒子のアスペクト比は、例えば、以下の(a)及び(b)の方法で測定することができる。
(a)粒子の電子顕微鏡写真から、1個1個の粒子について長径、及び厚さを測定できる場合
電子顕微鏡写真に写った1個1個の粒子について、長径及び厚さ(縦及び横)を測定し、それぞれの粒子について、アスペクト比を求め、その平均値を粒子のアスペクト比とする。
例えば、粒子が球形のような場合に、この測定方法を用いることができる。
(b)粒子の電子顕微鏡写真から、1つ1つの粒子について長径、又は厚さを測定できない場合
例えば、粒子が扁平な形や板状形状の場合、電子顕微鏡写真に写った1個1個の粒子について、長径を測定することはできるが、厚さは写真では見えないことが多く、写真からは直接測定することが難しい。
このような場合、粒子をガラスビーズのような芯物質の表面に付着させて電子顕微鏡写真を撮り、芯物質表面に付着した粒子の付着面からの垂直方向の長さを、粒子の厚さとして測定し、この値を厚さとして用いる。
これを図1の模式図で説明すると、図1のAは芯物質、Bはアスペクト比を測定する粒子で、線分abの長さ(芯物質表面に付着した粒子の付着面からの垂直方向の長さ)が、この粒子の厚さの値である。
また、長径の値は、上述のレーザー回折散乱法に基づいて測定した平均粒径(d50)を用いる。
このようにして測定した粒子の長径と厚さの値から、アスペクト比〔=長径/厚さ〕を求めることができる。
本発明に使用する粉末油脂組成物の粒子のアスペクト比は、2.5以上であることが好ましく、より好ましくは、2.5〜100であり、さらに好ましくは3〜50であり、さらにより好ましくは3〜20であり、特に好ましくは3〜15である。
本発明に使用する粉末油脂組成物の特徴は、ゆるめ嵩密度を用いて表現することも可能である。
本発明におけるゆるめ嵩密度とは、粉体を自然落下させた状態の充填密度である。
ゆるめ嵩密度(g/cm)は、ホソカワミクロン(株)のパウダテスタ(model PT−X)で測定することができる。
具体的には、パウダテスタに試料を仕込み、試料を仕込んだ上部シュートを振動させ、試料を自然落下により下部の測定用カップに落とす。測定用カップから盛り上がった試料はすり落とし、受器の内容積(100cm)分の試料の質量(Ag)を秤量し、以下の式からゆるめ嵩密度を求める。
ゆるめ嵩密度(g/cm)=A(g)/100(cm
本発明に使用する粉末油脂組成物のゆるめ嵩密度は、例えば実質的に油脂成分のみからなる場合、好ましくは0.05〜0.4g/cmであり、より好ましくは0.1〜0.4g/cmであり、さらにより好ましくは0.1〜0.3g/cmである。
次に、本発明に使用する粉末油脂組成物の製造方法について説明をする。
本発明に使用する粉末油脂組成物は、国際公開第2017/051910号に記載された粉末油脂組成物の製造方法により製造することができる。
本発明に使用する粉末油脂組成物は、グリセリンの1位〜3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有する1種以上のXXX型トリグリセリドを含む油脂組成物原料を溶融状態とし、特定の冷却温度に保ち、冷却固化することにより、噴霧やミル等の粉砕機による機械粉砕等特別の加工手段を採らなくても、粉末状の油脂組成物(粉末油脂組成物)を得ることができる。より具体的には、(a)上記XXX型トリグリセリドを含む油脂組成物原料を準備し、任意に工程(b)として、工程(a)で得られた油脂組成物原料を加熱し、前記油脂組成物原料中に含まれるトリグリセリドを溶解して溶融状態の前記油脂組成物原料を得、さらに(d)前記油脂組成物原料を冷却固化して、β型油脂を含有し、その粒子の形状が板状である粉末油脂組成物を得る。なお、冷却後に得られる固形物に対して、ハンマーミル、カッターミル等、公知の粉砕加工手段を適用して、該粉末油脂組成物を製造することもできる。
上記工程(d)の冷却は、例えば、溶融状態の油脂組成物原料を、当該油脂組成物原料に含まれる油脂成分のβ型油脂の融点より低い温度であって、かつ、次式:
冷却温度(℃) = 炭素数x × 6.6 ― 68
から求められる冷却温度以上の温度で行われる。このような温度範囲で冷却すれば、β型油脂を効率よく生成でき、細かい結晶ができるので、粉末油脂組成物を容易に得ることができる。なお、前記「細かい」とは、一次粒子(一番小さい大きさの結晶)が、例えば20μm以下、好ましくは、15μm以下、より好ましくは10μmの場合をいう。また、このような温度範囲で冷却しないと、β型油脂が生成せず、油脂組成物原料よりも体積が増加した空隙を有する固形物ができない場合がある。さらに、本発明では、このような温度範囲で冷却することによって、静置した状態でβ型油脂を生成させ、粉末油脂組成物の粒子を板状形状とさせたものであり、冷却方法は、本発明に使用する粉末油脂組成物を特定するために有益なものである。
さらに詳細に、粉末油脂組成物の製造方法について説明をする。
本発明に使用する粉末油脂組成物は、以下の工程、
(a)XXX型トリグリセリドを含む油脂組成物原料を準備する工程、
(b)工程(a)で得られた油脂組成物原料を任意に加熱等し、前記油脂組成物原料中に含まれるトリグリセリドを溶解して溶融状態の前記油脂組成物原料を得る任意の工程、
(d)前記油脂組成物原料を冷却固化して、β型油脂を含有し、その粒子形状が板状である粉末油脂組成物を得る工程、
を含む方法によって製造することができる。
また、上記工程(b)と(d)の間に、工程(c)として粉末生成を促進するための任意工程、例えば(c1)シーディング工程、(c2)テンパリング工程、及び/又は(c3)予備冷却工程を含んでいてもよい。さらに、上記工程(d)では、粉砕処理をしてもよい。以下、上記工程(a)〜(d)について説明する。
(a)原料準備工程
工程(a)で準備されるXXX型トリグリセリドを含む油脂組成物原料は、グリセリンの1位〜3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有する1種以上のXXX型トリグリセリドを含む通常のXXX型トリグリセリド等の油脂の製造方法に基づいて製造され、もしくは容易に市場から入手され得る。ここで、上記炭素数x及び脂肪酸残基Xで特定されるXXX型トリグリセリドは、最終的に得られる目的の油脂成分のものと結晶多形以外の点で同じである。当該原料にはβ型油脂が含まれていてもよく、例えば、β型油脂の含有量が0.1質量%以下、0.05質量%以下、又は0.01質量%以下含んでいてもよい。但し、β型油脂は、当該原料を加熱等により溶融状態にすることにより消失するので、当該原料は溶融状態の原料であってもよい。当該原料が、例えば溶融状態である場合に、β型油脂を実質的に含まないことは、XXX型トリグリセリドに限らず、実質的に全ての油脂成分がβ型油脂ではない場合も意味し、β型油脂の存在は、上述したX線回折測定によりβ型油脂に起因する回折ピーク、示差走査熱量測定法によるβ型油脂の確認等によって確認することができる。「β型油脂を実質的に含まない」場合のβ型油脂の存在量は、X線回折ピークのうち、β型の特徴的ピークとα型の特徴的ピークとの強度比率[β型の特徴的ピークの強度/(α型の特徴的ピークの強度+β型の特徴的ピークの強度)](ピーク強度比)から想定できる。上記油脂組成物原料の当該ピーク強度比は、例えば0.2以下であり、好ましくは、0.15以下であり、より好ましくは、0.10以下である。油脂組成物原料には、上述したとおりのXXX型トリグリセリドを1種類又は2種以上含んでいてもよく、好ましくは1種類又は2種類であり、より好ましくは1種類である。
具体的には、例えば、上記XXX型トリグリセリドは、脂肪酸または脂肪酸誘導体とグリセリンを用いた直接合成によって製造することができる。XXX型トリグリセリドを直接合成する方法としては、(i)炭素数Xの脂肪酸とグリセリンとを直接エステル化する方法(直接エステル合成)、(ii)炭素数xである脂肪酸Xのカルボキシル基がアルコキシル基と結合した脂肪酸アルキル(例えば、脂肪酸メチル及び脂肪酸エチル)とグリセリンとを塩基性または酸性触媒条件下にて反応させる方法(脂肪酸アルキルを用いたエステル交換合成)、(iii)炭素数xである脂肪酸Xのカルボキシル基の水酸基がハロゲンに置換された脂肪酸ハロゲン化物(例えば、脂肪酸クロリド及び脂肪酸ブロミド)とグリセリンとを塩基性触媒下にて反応させる方法(酸ハライド合成)が挙げられる。
XXX型トリグリセリドは前述の(i)〜(iii)のいずれの方法によっても製造できるが、製造の容易さの観点から、(i)直接エステル合成又は(ii)脂肪酸アルキルを用いたエステル交換合成が好ましく、(i)直接エステル合成がより好ましい。
XXX型トリグリセリドを(i)直接エステル合成によって製造するには、製造効率の観点から、グリセリン1モルに対して脂肪酸Xまたは脂肪酸Yを3〜5モルを用いることが好ましく、3〜4モルを用いることがより好ましい。
XXX型トリグリセリドの(i)直接エステル合成における反応温度は、エステル化反応によって生ずる生成水が系外に除去できる温度であればよく、例えば、120℃〜300℃が好ましく、150℃〜270℃がより好ましく、180℃〜250℃がさらに好ましい。反応を180〜250℃で行うことで、特に効率的にXXX型トリグリセリドを製造することができる。
XXX型トリグリセリドの(i)直接エステル合成においては、エステル化反応を促進する触媒を用いても良い。触媒としては酸触媒、及びアルカリ土類金属のアルコキシド等が挙げられる。触媒の使用量は、反応原料の総質量に対して0.001〜1質量%程度であることが好ましい。
XXX型トリグリセリドの(i)直接エステル合成においては、反応後、水洗、アルカリ脱酸及び/又は減圧脱酸、及び吸着処理等の公知の精製処理を行うことで、触媒や原料未反応物を除去することができる。更に、脱色・脱臭処理を施すことで、得られた反応物をさらに精製することができる。
上記油脂組成物原料中に含まれるXXX型トリグリセリドの量は、例えば、当該原料中に含まれる全トリグリセリドの全質量を100質量%とした場合、100〜50質量%、好ましくは95〜55質量%、より好ましくは90〜60質量%である。さらに殊更好ましくは85〜65質量%である。
<その他のトリグリセリド>
XXX型トリグリセリドを含む油脂組成物原料となるその他のトリグリセリドとしては、上記XXX型トリグリセリドの他、本発明の効果を損なわない限り、各種トリグリセリドを含めてもよい。その他のトリグリセリドとしては、例えば、上記XXX型トリグリセリドの脂肪酸残基Xの1つが脂肪酸残基Yに置換したX2Y型トリグリセリド、上記XXX型トリグリセリドの脂肪酸残基Xの2つが脂肪酸残基Yに置換したXY2型トリグリセリド等を挙げることができる。
上記その他のトリグリセリドの量は、例えば、XXX型トリグリセリドの全質量を100質量%とした場合、0〜100質量%、好ましくは0〜70質量%、より好ましくは1〜40質量%である。
また、本発明の油脂組成物原料としては、上記XXX型トリグリセリドを直接合成する代わりに、天然由来のトリグリセリド組成物に対し水素添加、エステル交換又は分別を行ったものを使用してもよい。天然由来のトリグリセリド組成物としては、例えば、ナタネ油、大豆油、ヒマワリ油、ハイオレイックヒマワリ油、サフラワー油、パームステアリン及びこれらの混合物等を挙げることができる。特に、これらの天然由来のトリグリセリド組成物の硬化油、部分硬化油、極度硬化油が好ましいものとして挙げられる。さらに好ましくは、ハードパームステアリン、ハイオレイックヒマワリ油極度硬化油、菜種極度硬化油、大豆極度硬化油が挙げられる。
さらに、本発明の油脂組成物原料としては、市販されている、トリグリセリド組成物又は合成油脂を挙げることができる。例えば、トリグリセリド組成物としては、ハードパームステアリン(日清オイリオグループ株式会社製)、菜種極度硬化油(横関油脂工業株式会社製)、大豆極度硬化油(横関油脂工業株式会社製)を挙げることができる。また、合成油脂としては、トリパルミチン(東京化成工業株式会社製)、トリステアリン(シグマアルドリッチ製)、トリステアリン(東京化成工業株式会社製)、トリアラキジン(東京化成工業株式会社製)トリベヘニン(東京化成工業株式会社製)を挙げることができる。
その他、パーム極度硬化油は、XXX型トリグリセリドの含量が少ないので、トリグリセリドの希釈成分として使用できる。
<その他の成分>
上記油脂組成物原料としては、上記トリグリセリドの他、任意に部分グリセリド、脂肪酸、抗酸化剤、乳化剤、水などの溶媒等のその他の成分を含んでいてもよい。これらその他の成分の量は、本発明の効果を損なわない限り任意の量とすることができるが、例えば、XXX型トリグリセリドの全質量を100質量%とした場合、0〜5質量%、好ましくは0〜2質量%、より好ましくは0〜1質量%である。
上記油脂組成物原料は、成分が複数含まれる場合、任意に混合してもよい。混合は、均質な反応基質が得られる限り公知のいかなる混合方法を用いてもよいが、例えば、パドルミキサー、アジホモミキサー、ディスパーミキサー等で行うことができる。
当該混合は、必要に応じて加熱下で混合してもよい。加熱は、後述の工程(b)における加熱温度と同程度であることが好ましく、例えば、50〜120℃、好ましくは60〜100℃、より好ましくは70〜90℃、さらに好ましくは80℃で行われる。
(b)溶融状態の前記油脂組成物を得る工程
上記(d)工程の前に、上記工程(a)で準備された油脂組成物原料は、準備された時点で溶融状態にある場合、加熱せずにそのまま冷却されるが、準備された時点で溶融状態にない場合は、任意に加熱され、該油脂組成物原料中に含まれるトリグリセリドを融解して溶融状態の油脂組成物原料を得る。
ここで、油脂組成物原料の加熱は、上記油脂組成物原料中に含まれるトリグリセリドの融点以上の温度、特にXXX型トリグリセリドを融解できる温度、例えば、70〜200℃、好ましくは、75〜150℃、より好ましくは80〜100℃であることが適当である。また、加熱は、例えば、0.1〜3時間、好ましくは、0.3〜2時間、より好ましくは0.5〜1時間継続することが適当である。
(d)溶融状態の油脂組成物を冷却して粉末油脂組成物を得る工程
上記工程(a)又は(b)で準備された溶融状態の油脂組成物原料は、さらに冷却固化されて、β型油脂を含有し、その粒子形状が板状である粉末油脂組成物を形成する。
ここで、「溶融状態の油脂組成物原料を冷却固化」するためには、冷却温度の上限値として、溶融状態の油脂組成物原料を、当該油脂組成物原料に含まれる油脂成分のβ型油脂の融点より低い温度に保つことが必要である。「油脂組成物原料に含まれる油脂成分のβ型油脂の融点より低い温度」とは、例えば、炭素数が18のステアリン酸残基を3つ有するXXX型トリグリセリドの場合、β型油脂の融点は74℃であるので(表1)、当該融点より1〜30℃低い温度(即ち44〜73℃)、好ましくは当該融点より1〜20℃低い温度(即ち54〜73℃)、より好ましくは当該融点より1〜15℃低い温度(即ち59〜73℃)、特に好ましくは、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃または10℃低い温度である。
より好ましくは、β型油脂を得るためには、冷却温度の下限値として、以下の式から求められる冷却温度以上に保つことが適当である。
冷却温度(℃) = 炭素数x × 6.6 ― 68
(式中、炭素数xは、油脂組成物原料中に含まれるXXX型トリグリセリドの炭素数x)
このような冷却温度以上とするのは、XXX型トリグリセリドを含有するβ型油脂を得るために、当該油脂の結晶化の際、冷却温度をβ型油脂以外のα型油脂やβ’型油脂が結晶化しない温度に設定する必要があるためである。冷却温度は、主にXXX型トリグリセリドの分子の大きさに依存するので、炭素数xと最適な冷却温度の下限値との間には一定の相関関係があることが理解できる。
例えば、油脂組成物原料に含まれるXXX型トリグリセリドが、炭素数が18のステアリン酸残基を3つ有するXXX型トリグリセリドである場合、冷却温度の下限値は50.8℃以上となる。従って、炭素数が18のステアリン酸残基を3つ有するXXX型トリグリセリドの場合、「溶融状態の油脂組成物原料を冷却固化」する温度は、50.8℃以上72℃以下がより好ましいこととなる。
また、XXX型トリグリセリドが2種以上の混合物である場合は、炭素数xが小さい方の冷却温度に合わせてその下限値を決定することができる。例えば、油脂組成物原料に含まれるXXX型トリグリセリドが、炭素数が16のパルミチン酸残基を3つ有するXXX型トリグリセリドと炭素数が18のステアリン酸残基を3つ有するXXX型トリグリセリドとの混合物である場合、冷却温度の下限値は小さい方の炭素数16に合わせて37.6℃以上となる。
別の態様として、上記冷却温度の下限値は、XXX型トリグリセリドを含む油脂組成物原料の、当該β型油脂に対応するα型油脂の融点以上の温度であることが適当である。例えば、油脂組成物原料に含まれるXXX型トリグリセリドが、炭素数が18のステアリン酸残基を3つ有するXXX型トリグリセリドである場合、当該ステアリン酸残基を3つ有するXXX型トリグリセリドのα型油脂の融点は55℃であるから(表1)、かかる場合の「溶融状態の油脂組成物原料を冷却固化」する温度は、55℃以上72℃以下が好ましいこととなる。
さらに別の態様として、溶融状態にある油脂組成物原料の冷却は、例えばxが12のときは最終温度が、好ましくは−2〜46℃、より好ましくは12〜44℃、更に好ましくは14〜42℃の温度になるように冷却することによって行われる。冷却における最終温度は、例えばxが13又は14のときは、好ましくは24〜56℃、より好ましくは32〜54℃、更に好ましくは40〜52℃であり、xが15又は16のときは、好ましくは36〜66℃、より好ましくは44〜64℃、更に好ましくは52〜62℃であり、xが17又は18のときは、好ましくは50〜72℃、より好ましくは54〜70℃、更に好ましくは58〜68℃であり、xが19又は20のときは、好ましくは62〜80℃、より好ましくは66〜78℃、更に好ましくは70〜77℃であり、xが21又は22のときは、好ましくは66〜84℃、より好ましくは70〜82℃、更に好ましくは74〜80℃である。上記最終温度において、例えば、好ましくは2時間以上、より好ましくは4時間以上、更に好ましくは6時間以上であって、好ましくは2日間以下、より好ましくは24時間以下、更に好ましくは12時間以下、静置することが適当である。
(c)粉末生成促進工程
さらに、工程(d)の前、上記工程(a)又は(b)と(d)との間に、(c)粉末生成を促進するための任意工程として、工程(d)で使用する溶融状態の油脂組成物原料に対し、シーディング法(c1)、テンパリング法(c2)及び/又は(c3)予備冷却法による処理を行ってもよい。これらの任意工程(c1)〜(c3)は、いずれか単独で行ってもよいし、複数の工程を組み合わせて行ってもよい。ここで、工程(a)又は(b)と工程(d)との間とは、工程(a)又は(b)中、工程(a)又は(b)の後であって工程(d)の前、工程(d)中を含む意味である。
シーディング法(c1)及びテンパリング法(c2)は、粉末油脂組成物の製造において、溶融状態にある油脂組成物原料をより確実に粉末状とするために、最終温度まで冷却する前に、溶融状態にある油脂組成物原料を処置する粉末生成促進方法である。 ここで、シーディング法(c1)とは、粉末の核(種)となる成分を溶融状態にある油脂組成物原料の冷却時に少量添加して、粉末化を促進する方法である。具体的には、例えば、工程(b)で得られた溶融状態にある油脂組成物原料に、当該油脂組成物原料中のXXX型トリグリセリドと炭素数が同じXXX型トリグリセリドを好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上含む油脂粉末を核(種)となる成分として準備する。この核となる油脂粉末を、溶融状態にある油脂組成物原料の冷却時、当該油脂組成物原料の温度が、例えば、最終冷却温度±0〜+10℃、好ましくは+5〜+10℃の温度に到達した時点で、当該溶融状態にある油脂組成物原料100質量部に対して0.1〜1質量部、好ましくは0.2〜0.8質量部添加することにより、油脂組成物の粉末化を促進する方法である。
また、テンパリング法(c2)とは、溶融状態にある油脂組成物原料の冷却において、最終冷却温度で静置する前に一度、工程(d)の冷却温度よりも低い温度、例えば5〜20℃低い温度、好ましくは7〜15℃低い温度、より好ましくは10℃程度低い温度に、好ましくは10〜120分間、より好ましくは30〜90分間程度冷却することにより、油脂組成物の粉末化を促進する方法である。
さらに、予備冷却法(c3)とは、前記工程(a)又は(b)で得られた溶融状態の油脂組成物原料を、工程(d)にて冷却する前に、前記XXX型トリグリセリドを含む油脂組成物原料を準備した時の温度と前記油脂組成物原料の冷却時の冷却温度との間の温度で一旦冷却する方法、言い換えれば、工程(a)又は(b)の溶融状態の温度よりも低く、工程(d)の冷却温度よりも高い温度で一旦予備冷却する方法である。(c3)予備冷却法に続いて、工程(d)の油脂組成物原料の冷却時の冷却温度で冷却することが行われる。工程(d)の冷却温度より高い温度とは、例えば、工程(d)の冷却温度よりも2〜40℃高い温度、好ましくは3〜30℃高い温度、より好ましくは4〜30℃高い温度、さらに好ましくは5〜10℃程度高い温度であり得る。前記予備冷却する温度を低く設定すればするほど、工程(d)の冷却温度における本冷却時間を短くすることができる。すなわち、予備冷却法とは、シーディング法やテンパリング法と異なり、冷却温度を段階的に下げるだけで油脂組成物の粉末化を促進できる方法であり、工業的に製造する場合に利点が大きい。
(粉砕処理)
上記工程(d)の冷却によって粉末油脂組成物を得る工程では、粉砕処理をしてもよい。
詳細に説明すると、まず、上記油脂組成物原料を融解して溶融状態の油脂組成物を得、その後冷却して溶融状態の油脂組成物原料よりも体積が増加した空隙を有する固形物を形成する。空隙を有する固形物となった油脂組成物は、軽い衝撃を加えることで粉砕でき、固形物が容易に崩壊して粉末状となる。
ここで、軽い衝撃を加える手段は特に特定されないが、振る、篩に掛ける等により、軽く振動(衝撃)を与えて粉砕する(ほぐす)方法が、簡便で好ましい。
なお、該固形物を公知の粉砕加工手段により粉砕してもよい。このような粉砕加工手段の一例としては、ハンマーミル、カッターミル等が挙げられる。
このようにして、粉末油脂組成物を製造することができる。
次に、本発明のサンドイッチ用焼成パンの製造方法について詳細に説明をする。
サンドイッチ用焼成パンとしては、例えば、食パン、ロールパン、コッペパン、フランスパン、クロワッサン、ブリオッシュ、ベーグル、フォカッチャ、イングリッシュマフィン等が挙げられ、特に、食パンであることが好ましい。
パンに使用する原材料としては、先に説明をした粉末油脂組成物、穀粉、酵母(イースト)、食用油脂、糖類、水、及び以下で詳細に説明する食塩等のその他の成分を使用することができる。以下、各原材料について順次説明をする。
本発明のサンドイッチ用焼成パンに使用する粉末油脂組成物は、先に説明をした粉末油脂組成物を使用する。パンの原材料中の粉末油脂組成物の含量は、穀粉100質量部に対して、0.5〜2質量部であり、0.5〜1.5質量部であることが好ましく、0.5〜1質量部であることがより好ましい。
粉末油脂組成物の含量が、穀粉100質量部に対して3質量部以上であると、本発明の効果を奏さないからである。
次に、本発明のサンドイッチ用焼成パンに使用する穀粉について説明をする。
穀粉とは、穀物を挽いて粉状にしたものであり、通常、パンの生地に配合されるものであれば、特に制限なく使用することができる。
穀粉としては、例えば、小麦粉(強力粉、中力粉、薄力粉等)、大麦粉、米粉、コーンフラワー、大豆粉、ポテトフラワー、ライ麦粉、そば粉などが挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
パンの原材料中の穀粉は、通常、パンの生地に配合される量であれば、特に制限なく配合することができるが、パン生地100質量部中の穀粉の含量は、50〜60質量部であることが好ましい。
次に、本発明のサンドイッチ用焼成パンに使用する食用油脂について説明をする。
本発明のサンドイッチ焼成パンには、粉末油脂組成物のほか、任意の食用油脂を使用することができる。このような食用油脂としては、動植物油、マーガリン、ファットスプレッド、及びショートニングなどが挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
動植物油としては、例えば、ヤシ油、パーム核油、パーム油、パーム分別油(パームオレイン、パームスーパーオレイン等)、シア脂、シア分別油、サル脂、サル分別油、イリッペ脂、大豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油、ひまわり油、米油、コーン油、ゴマ油、オリーブ油、乳脂、ココアバター等やこれらの混合油、加工油脂等を使用することができる。
本発明のサンドイッチ用焼成パン使用する食用油脂の量については、特に制限はないが、例えば、原材料の穀粉100質量部に対して1〜30質量部であることが好ましく、1〜20質量部であることがより好ましく、1〜10質量部であることがさらに好ましい。
次に、本発明のサンドイッチ用焼成パンに使用する糖類について説明をする。
本発明のサンドイッチ焼成パンには、糖類を使用することができる。糖類としては、例えば、ショ糖(砂糖、粉糖、上白糖)、ブドウ糖、水飴、蜂蜜、転化糖等を使用することができ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
本発明のサンドイッチ用焼成パン使用する糖類の量については、特に制限はないが、例えば、原材料の穀粉100質量部に対して、1〜30質量部であることが好ましく、1〜25質量部であることがより好ましく、1〜10質量部であることがさらに好ましい。
次に、本発明のサンドイッチ用焼成パンに使用するその他の成分について説明をする。
本発明のサンドイッチ用焼成パンには、通常パンに配合される原材料であれば特に制限なく使用することができる。
その他の成分として、具体的には、例えば、脱脂乳、脱脂粉乳、牛乳などの乳製品、卵や冷凍液卵などの卵製品、ココアパウダー、チョコレート、チョコチップ、キャラメル、チーズ、ナッツ類及びはちみつ並びにこれらの加工品、コーン澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、米澱粉及び各種加工澱粉等の澱粉類、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、モノグリセリド及び有機酸モノグリセリド等の乳化剤、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンE及びビタミンC等のビタミン類、イーストフード、デキストリン、オリザノール、鉄分、カルシウム、レシチン、コエンザイムQ、酵母エキス、アミノ酸、レモン砂糖洋酒漬け等の各種果実、乾燥果実、乾燥野菜、フライ果実、フライ野菜、食塩やシーズニング等の各種調味料、増粘多糖類、香料、果汁及び野菜汁等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
次に、本発明のサンドイッチ用焼成パンの製造方法について説明をする。
本発明のサンドイッチ用焼成パンの製造方法は、その製造工程において、原材料中に先に説明をした粉末油脂組成物を配合する工程を有する方法である。
本発明のサンドイッチ用焼成パンは、前記工程を有する以外は、公知のパンの製造方法で製造することができる。すなわち、パン生地の発酵、分割、成形、焼成に関しては一般的なパン類の製造方法と同様に行うことができる。焼成は、オーブンを用いて行うことができるが、焼成する代わりに、フライヤー等で油ちょうする、電子レンジ等によるマイクロ波調理をしても良い。
パンの製法の種類は特に限定はしないが、例えば、直捏法(ストレート法)、中種法、液種法等の製法を用いることができる。
例えば、中種法による場合、次のようにして製造することができる。
強力粉、酵母(イースト)、水等を混捏・発酵して中種を作る。次に、強力粉と粉末油脂組成物を混合したものと、食塩、水、中種、その他の原材料として、例えば、上白糖、脱脂粉乳、ショートニング、マーガリン、バター等を加え混捏し、本捏生地を得る。なお、穀粉は、その70質量%を中種に使用し、残りの30質量%を本捏時に使用することが好ましい。
本捏生地を、フロアタイムをとった後、適当な大きさに分割し、ベンチタイムを取り休ませる。その後、生地を成形する。成形後、最終発酵(ホイロ)を行い、得られたホイロ後の生地をオーブン等で焼成し、サンドイッチ用焼成パンを得る。
また、例えば、ストレート法による場合、次のようにして製造することができる。
すべてのパンの原材料と粉末油脂組成物とを混合した後、発酵し、フロアタイムをとった後、適当な大きさに分割し、ベンチタイムを取り休ませる。その後、生地を成形する。成形後、最終発酵(ホイロ)を行い、得られたホイロ後の生地をオーブン等で焼成し、サンドイッチ用焼成パンを得る。
次に、サンドイッチ及びその製造方法について説明をする。
本発明のサンドイッチは、先に説明をしたサンドイッチ用焼成パンの製造方法で製造されたサンドイッチ用焼成パンに、具材を挟んだサンドイッチである。
サンドイッチ用焼成パンに、具材を挟んでサンドイッチを製造する方法は、パンに具材を挟むことができればどのような方法を用いても良く、公知のサンドイッチの製造方法を用いることができる。
パンに挟む具材としては、サンドイッチに使用できる具材であれば、特に制限なく使用することができる。
具材として、例えば、フィリング、野菜、果物、肉類、総菜、ゆで卵、チーズ、ゼリー等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
フィリングとしては、具体的には、ジャム、ポテトサラダ、卵サラダ、ツナとマヨネーズの混合物、コーンとマヨネーズの混合物や、カスタードクリーム、生クリーム、ホイップクリーム等のクリーム類が挙げられる。
野菜としては、具体的には、レタス、きゅうり、キャベツ、トマト等が挙げられ、果物としては、イチゴ、キュウイ、メロン、オレンジ、バナナ、マンゴー等が挙げられる。
肉類としては、ベーコン、ハム等が挙げられ、総菜としては、焼きそば、コロッケ、トンカツ等が挙げられる。
本発明のサンドイッチは、サンドイッチの製造から1日経過後であっても、パンの歯切れが良く、フレッシュ感を有する。特に、サンドイッチを冷蔵で1晩保管した場合にもその効果を奏する。
次に、実施例および比較例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。また。以下において「%」とは、特別な記載がない場合、質量%を示し、「部」とは質量部を示す。
[分析方法]
・トリグリセリド組成
ガスクロマトグラフィー分析条件
DB1-ht(0.32mm×0.1μm×5m)Agilent Technologies社(123-1131)
注入量 :1.0μL
注入口 :370℃
検出器 :370℃
スプリット比 :50/1 35.1kPa コンスタントプレッシャー
カラムCT :200℃(0min hold)〜(15℃/min)〜370℃(4min hold)
・X線回折測定
X線回折装置UltimaIV(株式会社リガク社製)を用いて、CuKα(λ=1.542Å)を線源とし、Cu用フィルタ使用、出力1.6kW、操作角0.96〜30.0°、測定速度2°/分の条件で測定した。この測定により、XXX型トリグリセリドを含む油脂成分におけるα型油脂、β’型油脂、及びβ型油脂の存在を確認した。4.6Å付近のピークのみを有し、4.1〜4.2Å付近のピークを有しない場合は、油脂成分のすべてがβ型油脂であると判断した。
なお、上記X線回折測定の結果から、ピーク強度比=[β型の特徴的ピークの強度(2θ=19°(4.6Å))/(α型の特徴的ピークの強度(2θ=21°(4.2Å))+β型の特徴的ピークの強度(2θ=19°(4.6Å)))]をβ型油脂の存在量を表す指標として測定した。
・アスペクト比
(a)市販の油脂粉末(理研ビタミン株式会社製:商品名「スプレーファットNR100」)の粒子のアスペクト比
この油脂粉末は、ほとんどが球形で、粒子の電子顕微鏡写真から1個1個の粒子について直接長径、及び厚さを測定することができるので、3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−8800(株式会社キーエンス製)で撮影した写真に写った1個1個の粒子について、長径及び厚さ(縦及び横)を測定し、それぞれの粒子について、アスペクト比を求め、計20個の粒子のアスペクト比の平均値を、粒子のアスペクト比とした。
(b)本発明に使用する粉末油脂組成物の粒子のアスペクト比
本発明に使用する粉末油脂組成物は、板状形状であるため、顕微鏡写真から粒子の厚さを測定することが難しい。したがって、粒子の厚さは、粉末油脂組成物をガラスビーズに付着させたときの顕微鏡写真から測定した。また、長径の値は、レーザー回折散乱法に基づいて測定した平均粒径(d50)を用いた。
具体的には、ガラスビーズ(アズワン株式会社製、型番BZ−01、寸法0.105〜0.125mmφ)に粉末油脂組成物を添加、混合することで、ガラスビーズ表面に粉末油脂組成物を付着させ、その様子を3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−8800(株式会社キーエンス製)で撮影した。ガラスビーズ表面に付着した1個の粉末油脂組成物の粒子の付着面から垂直方向の長さを、その粒子の厚さとして測定し、計25個の粒子の厚さの平均値を取り、その値を粉末油脂組成物の粒子の厚さの値とした。
図4は、後述する製造例1の粉末油脂組成物の粒子の厚さの測定に使用した電子顕微鏡写真(1500倍)の1つで、この写真では、写真中の直線で示した部分(2か所)の長さ(ガラスビーズ表面に付着した粒子の付着面からの垂直方向の長さ)を、粉末油脂組成物の粒子の厚さとして測定した。
また、長径の値は、上述のレーザー回折散乱法に基づいて測定した平均粒径(d50)を用いた。
このようにして測定した粉末油脂組成物の粒子の長径と厚さの値から、アスペクト比〔=長径/厚さ〕を求めた。
・平均粒径(d50)
粉末油脂組成物又は油脂粉末の平均粒径は、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、装置名:Microtrac MT3300ExII)で、レーザー回折散乱法(ISO133201,ISO9276−1)基づいて、湿式測定により測定した。
具体的には、粒度分布測定装置に極小容量循環器(日機装株式会社製、装置名:USVR)を取り付け、分散溶媒として水を循環させた。また、100mlビーカーに試料を0.06g、中性洗剤を0.6g入れ、スパチュラで混合し、混合後に水を30ml加え、超音波洗浄器(アイワ医科工業株式会社製、装置名:AU−16C)に1分間供したものを滴下、循環させて測定した。得られた粒度分布における積算値50%の粒径の測定値(d50)を平均粒径とした。
・ゆるめ嵩密度
実施例で使用した粉末油脂組成物、及び油脂粉末のゆるめ嵩密度(g/cm)は、ホソカワミクロン(株)のパウダテスタ(model PT−X)で測定した。
具体的には、パウダテスタに試料を仕込み、試料を仕込んだ上部シュートを振動させ、試料を自然落下により下部の測定用カップに落とす。測定用カップから盛り上がった試料はすり落とし、受器の内容積(100cm)分の試料の質量(Ag)を秤量し、以下の式からゆるめ嵩密度を求めた。
ゆるめ嵩密度(g/cm)=A(g)/100(cm
・顕微鏡観察、顕微鏡写真撮影
粉末油脂組成物の粒子及び油脂粉末の粒子の様子を、3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−8800(株式会社キーエンス製)で観察し、粒子を顕微鏡で写真撮影した。
〔粉末油脂組成物の製造〕
以下に、粉末油脂組成物の製造例を示すが、いずれの粉末油脂組成物も、サンドイッチ用焼成パンに使用することができる。
(1)製造例1:x=18
1位〜3位にステアリン酸残基(炭素数18)を有するトリグリセリド(XXX型:79.1質量%、菜種極度硬化油、フレーク状、横関油脂工業株式会社製)1000gを80℃にて約12時間維持して完全に融解し、60℃恒温槽にて12時間冷却し、体積が増加した空隙を有する固形物を形成させ、結晶化を完了させた後、室温(25℃)状態まで冷却した。得られた固形物を機械粉砕することで粉末油脂組成物(平均粒径8.0μm、X線回折測定回折ピーク:4.6Å、ピーク強度比:0.89、粒子のアスペクト比4.6、ゆるめ嵩密度0.18g/cm)を得た。
得られた粉末油脂組成物を顕微鏡で観察したところ、粉末油脂組成物の粒子の形状は板状形状であった。粉末油脂組成物の顕微鏡写真を、図2(100倍)、及び図3(300倍)に示す。
なお、X線回折測定回折ピーク、及びピーク強度比から、得られた粉末油脂組成物の油脂成分は、β型油脂を含むものであることがわかる。
(2)製造例2:x=18
1位〜3位にステアリン酸残基(炭素数18)を有するトリグリセリド(XXX型:79.1質量%、菜種極度硬化油、フレーク状、横関油脂工業株式会社製)1000gを80℃にて約12時間維持して完全に融解し、60℃恒温槽にて12時間冷却し、体積が増加した空隙を有する固形物を形成させ、結晶化を完了させた後、室温(25℃)状態まで冷却した。得られた固形物を機械粉砕することで粉末油脂組成物(平均粒径6.4μm、X線回折測定回折ピーク:4.6Å、ピーク強度比:0.89、粒子のアスペクト比3.7、ゆるめ嵩密度0.18g/cm)を得た。
得られた粉末油脂組成物を顕微鏡で観察したところ、粉末油脂組成物の粒子の形状は板状形状であった。
なお、X線回折測定回折ピーク、及びピーク強度比から、得られた粉末油脂組成物の油脂成分は、β型油脂を含むものであることがわかる。
(3)製造例3:x=18
1位〜3位にステアリン酸残基(炭素数18)を有するトリグリセリド(XXX型:79.1質量%、菜種極度硬化油、フレーク状、横関油脂工業株式会社製)1000gを80℃にて約12時間維持して完全に融解し、60℃恒温槽にて12時間冷却し、体積が増加した空隙を有する固形物を形成させ、結晶化を完了させた後、室温(25℃)状態まで冷却した。得られた固形物を機械粉砕することで粉末油脂組成物(平均粒径7.4μm、X線回折測定回折ピーク:4.6Å、ピーク強度比:0.89、粒子のアスペクト比3.5、ゆるめ嵩密度0.17g/cm)を得た。
得られた粉末油脂組成物を顕微鏡で観察したところ、得られた粉末油脂組成物の粒子の形状は板状形状であった。
なお、X線回折測定回折ピーク、及びピーク強度比から、得られた粉末油脂組成物の油脂成分は、β型油脂を含むものであることがわかる。
(4)製造例4:x=18
1位〜3位にステアリン酸残基(炭素数18)を有するトリグリセリド(XXX型:79.1質量%、菜種極度硬化油、フレーク状、横関油脂工業株式会社製)1000gを80℃にて約12時間維持して完全に融解し、60℃恒温槽にて12時間冷却し、体積が増加した空隙を有する固形物を形成させ、結晶化を完了させた後、室温(25℃)状態まで冷却した。得られた固形物を機械粉砕することで粉末油脂組成物(平均粒径14.4μm、X線回折測定回折ピーク:4.6Å、ピーク強度比:0.90、粒子のアスペクト比:7.2、ゆるめ嵩密度:0.2g/cm3)を得た。X線回折測定回折ピーク、及びピーク強度比から、得られた粉末油脂組成物の油脂成分は、β型油脂を含むものであることがわかった。
粉砕前の粉末油脂組成物を目視で観察したところ、体積が増加した空隙を有する固形物であった。図7は、粉砕前の粉末油脂組成物の外観の写真である。また、粉砕前の粉末油脂組成物を3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−8800(株式会社キーエンス製)で観察したところ、板状形状の粒子が多数重なっていた。図8は、粉砕前の粉末油脂組成物の電子顕微鏡写真(200倍)ある。
また、得られた粉末油脂組成物を3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−8800(株式会社キーエンス製)で観察したところ、粉末油脂組成物の粒子の形状は板状形状であった。図9及び図10は、粉末油脂組成物の電子顕微鏡写真(1000倍)である。
〔比較油脂組成物の製造〕
(1)製造比較例1:x=16
1位〜3位にパルミチン酸残基(炭素数16)を有するトリグリセリド(XXX型:89.7質量%、トリパルミチン、東京化成工業株式会社製)25gを80℃にて0.5時間維持して完全に融解し、25℃恒温槽にて4時間冷却したところ、完全に固化し(X線回折測定回折ピーク:4.1Å、ピーク強度比:0.10)、粉末状の油脂組成物には至らなかった。
(2)製造比較例2:x=16、18
1位〜3位にパルミチン酸残基(炭素数16)を有するトリグリセリド(XXX型:69.9質量%、ハードパームステアリン、日清オイリオグループ株式会社製)12.5gと、1位〜3位にステアリン酸残基(炭素数18)を有するトリグリセリド(XXX型:11.1質量%、パーム極度硬化油、横関油脂工業株式会社製)12.5gを混合し、原料油脂とした(XXX型:39.6質量%)。原料油脂を80℃にて0.5時間維持して完全に融解し、40℃恒温槽にて12時間冷却したところ、完全に固化し(X線回折測定回折ピーク:4.2Å、ピーク強度比:0.12)、粉末状の油脂組成物には至らなかった。
(3)製造比較例3:x=18
1位〜3位にステアリン酸残基(炭素数18)を有するトリグリセリド(XXX型:79.1質量%、菜種極度硬化油、横関油脂工業株式会社製)25gを80℃にて0.5時間維持して完全に融解し、40℃恒温槽にて3時間冷却したところ、完全に固化し(X線回折測定回折ピーク:4.1Å、ピーク強度比:0.11)、粉末状の油脂組成物には至らなかった。
(4)製造比較例4:x=18
1位〜3位にステアリン酸残基(炭素数18)を有するトリグリセリド(XXX型:66.7質量%、大豆極度硬化油、横関油脂工業株式会社製)12.5gと、別の1位〜3位にステアリン酸残基(炭素数18)を有するトリグリセリド(XXX型:11.1質量%、パーム極度硬化油、横関油脂工業株式会社製)12.5gを混合し、原料油脂とした(XXX型:39.7質量%)。原料油脂を80℃にて0.5時間維持して完全に融解し、55℃恒温槽にて12時間冷却したところ、完全に固化し(X線回折測定回折ピーク:4.2Å、ピーク強度比:0.12)、粉末状の油脂組成物には至らなかった。
〔油脂粉末〕
比較のサンドイッチ用焼成パンには、市販の油脂粉末(理研ビタミン株式会社製:商品名「スプレーファットNR100」)を使用した。
この粉末油脂は、ビーズ状の球形であり、平均粒径(d50)は86μmで、X線回折分析の結果、回折ピークは4.6、強度比は0.91であり、粒子のアスペクト比は1.07で、ゆるめ嵩密度は0.53g/cmであった。
なお、X線回折測定回折ピーク、及びピーク強度比から、この油脂粉末は、β型油脂を含むものであることがわかる。
油脂粉末を顕微鏡で観察したところ、油脂粉末の粒子の形状は球状であった。油脂粉末の顕微鏡写真を、図5(100倍)、及び図6(300倍)に示す。
<サンドイッチ用焼成食パンの製造(対照品、実施例1、比較例1〜3)>
表2〜表4に示す配合(対粉2.5kg仕込み)に従って、対照品、実施例1、比較例1〜3のサンドイッチ用焼成食パンを、中種法により製造した。粉末油脂組成物には、先に説明をした製造例1の粉末油脂組成物を使用した。比較のサンドイッチ用焼成パンには、先に説明をした市販の油脂粉末(理研ビタミン株式会社製:商品名「スプレーファットNR100」)を使用した。その他の原材料は市販品を使用し、ショートニングには、製菓製パン用ショートニング(日清オイリオグループ株式会社製、商品名:日清ピュアショート10)を使用した。
具体的には、中種生地は、強力粉、生イースト、イーストフード及び水を混合して、縦型ミキサーを用いて低速で2分間混捏後、中速で2分間混捏することにより、捏ね上げ温度25℃の中種生地を得た。得られた中種生地を、28℃、湿度80%の環境下で120分間発酵させ中種を得た。
次に、粉末油脂組成物又は油脂粉末と、強力粉とをフードプロセッサーで混合し、粉末油脂組成物又は油脂粉末を含有する強力粉を製造した。粉末油脂組成物又は油脂粉末を含有する強力粉に、上白糖、食塩、脱脂粉乳、水、及び中種を加え、縦型ミキサーを用いて低速で2分間混捏後、中速で5分間混捏した。その後、あらかじめ20℃に調温しておいたショートニングを加え、縦型ミキサーを用いて低速で2分間混捏後、中速で4分間混捏し、その後高速で2分混捏することにより、捏ね上げ温度28℃の本捏生地を得た。
本捏生地は、28℃、湿度80%環境下でフロアタイムを30分間とった後、205gの大きさに分割して丸め、丸めた生地は20分間ベンチタイムを取り、休ませた。その後、生地をモルダー(成型機)で棒状に成形し、U字交互でプルマン型に6個詰めて成形した。成形後、38℃、湿度85%の環境下で最終発酵(ホイロ)を40〜45分間行い、生地が型の高さの8割まで上昇したところで、型に蓋をした。型に入った生地を、オーブン(上火200℃、下火220℃)で35分間焼成した。焼成後、型からパンを出して、室温下で90分冷却したものを袋に詰め、サンドイッチ用焼成食パンを得た。
<サンドイッチの製造>
サンドイッチ用フィリングには、ツナ(はごろもフーズ(株)製、商品名:シーチキンLフレーク オイル無添加)をフードカッターで十分に粉砕したものを、マヨネーズで和えたものを使用した。
対照品、実施例1、及び比較例1〜3のパンを、サンドイッチ用焼成食パンとして使用した。各パンは、焼成した翌日に、10mmの厚さにスライスしたもの(縦約12cm、横約12cmの正方形)を使用した。
まず、フィリング25gを、サンドイッチ用焼成食パンの片面に、クラム面をつぶさないように注意しながら均一に塗布した。フィリングを塗布した面に、別のサンドイッチ用焼成食パンを合わせることにより、パンでフィリングを挟んだ。フィリングを挟んだパンを包丁で半分の大きさ(縦約12cm、横約6cm)に裁断し、サンドイッチを製造した。
<サンドイッチの食感評価>
製造から1日後のサンドイッチを評価サンプルとして、パンの歯切れ、フレッシュ感、及び食感の好ましさの項目について、対照品のパンを使用して製造したサンドイッチと比べることで評価した。食感評価試験は、パンの評価に熟練した専門パネル5名により行った。
サンドイッチの食感評価は、サンドイッチを調製した直後に行ってもほとんど差が出ないため、製造後一晩静置した後、評価をした。静置している間にサンドイッチ用焼成パンが乾燥してしまうことを防ぐため、調製したサンドイッチを、クラムをつぶさぬよう注意してラップでくるんだ後、さらにポリエチレン製の袋に入れて密封した。ポリエチレンの袋の中のサンドイッチを、横向きに寝かせた状態になるようにして、冷蔵(5℃)の温度条件下で一晩静置した。
(1)歯切れの評価
評価するサンドイッチのパンが、対照品のパンを使用したサンドイッチのパンと比べて、歯切れが良いかどうか、表5に示す評価基準に基づいて評価してもらった。評価結果を表8に示す。
(2)フレッシュ感の評価
評価するサンドイッチが、対照品のパンを使用したサンドイッチと比べてフレッシュ感があるかどうか、表6に示す評価基準に基づいて評価してもらった。評価結果を表8に示す。
フレッシュ感は、保存によるサンドイッチの食感の劣化度合を評価する項目で、具体的には、対照品のサンドイッチに比べ、パンのべたつきや、くちゃつきがないほどフレッシュ感があるという評価になる。
(3)サンドイッチの食感の好ましさの評価
サンドイッチの食感の好ましさが、対照品のパンを使用したサンドイッチと比べてどうか、表7に示す評価基準に基づいて評価してもらった。評価結果を表8に示す。
表8の結果から、実施例1のサンドイッチのパン(製造例1の粉末油脂組成物を使用)は、対照品のサンドイッチのパンと比べて、歯切れの評価が高いことがわかった。また、実施例1のパンを使用したサンドイッチは、対照品のパンを使用したサンドイッチと比べて、フレッシュ感、及び食感の好ましさの評価が高いことがわかった。
一方、粉末油脂組成物の配合量を増やした比較例1のサンドイッチのパンは、対照品のサンドイッチのパンと比べて、歯切れの評価が劣っていた。また、比較例1のパンを使用したサンドイッチは、対照品のパンを使用したサンドイッチと比べて、フレッシュ感、及び食感の好ましさの評価が劣っていた。
また、比較例2、3のサンドイッチのパン(油脂粉末を使用)は、どちらも対照品のサンドイッチのパンと比べて、歯切れの評価が劣っていた。また、比較例2、3のパンを使用したサンドイッチは、どちらも対照品のパンを使用したサンドイッチと比べて、フレッシュ感、食感の好ましさの評価が劣っていた。
本発明のサンドイッチ用焼成パンの製造方法は、食品分野において使用することができる。

Claims (6)

  1. サンドイッチ用焼成パンの製造方法であって、パンの原材料と次の粉末油脂組成物とを混合する工程を有し、該粉末油脂組成物の量が、穀粉100質量部に対して、0.5〜2質量部であることを特徴とするサンドイッチ用焼成パンの製造方法。
    粉末油脂組成物:グリセリンの1位〜3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有する1種以上のXXX型トリグリセリドを含む油脂成分を含有する粉末油脂組成物であって、該炭素数xは12〜22から選択される整数であり、該油脂成分がβ型油脂を含み、該粉末油脂組成物の粒子が板状形状であり、該粉末油脂組成物の平均粒径が50μm以下であることを特徴とする、粉末油脂組成物。
  2. 前記XXX型トリグリセリドが、前記油脂成分の全質量を100質量%とした場合、50質量%以上含有する、請求項1に記載のサンドイッチ用焼成パンの製造方法。
  3. 前記炭素数xが16〜18から選択される整数である、請求項1又は2に記載のサンドイッチ用焼成パンの製造方法。
  4. 前記粉末油脂組成物の粒子のアスペクト比が、2.5以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のサンドイッチ用焼成パンの製造方法。
  5. 前記粉末油脂組成物のゆるめ嵩密度が、0.05〜0.4g/cm3であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のサンドイッチ用焼成パンの製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のサンドイッチ用焼成パンの製造方法で製造されたサンドイッチ用焼成パンに、具材を挟んだサンドイッチ。
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