JP7076905B2 - 粉末油脂組成物付着パン粉、及びそれを用いた油ちょう済食品 - Google Patents

粉末油脂組成物付着パン粉、及びそれを用いた油ちょう済食品 Download PDF

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Description

本発明は、粉末油脂組成物付着パン粉、及びそれを用いた油ちょう済食品に関するものである。
具材に、小麦粉、澱粉、たんぱく質、油脂などを水に混ぜて作ったバッターを付けて油で揚げた天ぷらや、さらにパン粉を付けたフライ食品は、サクサクとした軽いサクミのある食感のものが好まれている。
しかし、具材を揚げた後、時間が経過してしまうと、天ぷらやフライ食品のサクサクとしたサクミ感が減ったり、又はサクミ感がまったくなくなってしまうという問題があった。
これまで、天ぷらで、例えば、花咲きが良く、時間が経過してもサクサクした食感を維持するために、極度硬化油とグリセリン有機酸脂肪酸エステルを溶融混合した後、粉末化して得られる粉末状油脂を含有する天ぷら衣用品質改良剤が開発されていた(特許文献1)。
また、具材にパン粉を付けて揚げるフライ食品に対しては、パン粉の原料として、熱処理小麦、架橋澱粉、硬化油脂等を用いたパン粉が開発されてきた。
具体的には、原料小麦粉に熱処理小麦粉を用い、硬化性油脂を添加配合したパン粉や、架橋澱粉及び融点が35℃以上の硬化油脂を配合したパン粉が開発され、そのようなパン粉をフライ食品に使用することで、流通時や電子レンジ再加熱調理時でも、パン粉特有のさくみのある食感(クリスピー性)やパン粉特有の剣立ち(パン粉が針状に立った状態で付着していること)を失わないフライ食品が開発されてきた(特許文献2、3)。
特開2001-54350号公報 特開2000-270798号公報 特開2015-57987号公報
このように、パン粉を使用したフライ食品のサクサクした食感を維持するには、パン粉の改良が必要で、パン粉を改良するためには、パン粉原料を工夫したものを、発酵、焼成、粉砕することにより、改良されたパン粉を製造する必要があった。
本発明は、このようにパン粉原料から製造した改良パン粉を利用する場合だけでなく、既に製造されたパン粉、例えば市販のパン粉を利用した場合であっても、軽いサクミのあるサクサクした食感の油ちょう済食品を作ることができるパン粉を提供することを目的とする。
また、軽いサクミのあるサクサクした食感の油ちょう済食品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を行った結果、パン粉に、特定の粉末油脂組成物を付着させた粉末油脂組成物付着パン粉を使用することで、サクサクした食感の油ちょう済食品が得られることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、以下の態様を含むものである。
〔1〕パン粉に、グリセリンの1位~3位に炭素数xの飽和の脂肪酸残基Xを有する1種以上のXXX型トリグリセリドを含む油脂成分を含有する粉末油脂組成物が付着した粉末油脂組成物付着パン粉であって、該炭素数xは18であり、該油脂成分がβ型油脂を含み、該粉末油脂組成物の粒子は板状形状であり、該粉末油脂組成物の平均粒径が50μm以下であり、該XXX型トリグリセリドの含量が、該油脂成分の全質量を100質量%とした場合、70質量%以上95質量%以下であることを特徴とする、粉末油脂組成物付着パン粉。
〔2〕前記粉末油脂がβ型油脂からなる、〔1〕に記載の粉末油脂組成物付着パン粉。
〔3〕前記粉末油脂の粒子のアスペクト比が、2.5以上であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の粉末油脂組成物付着パン粉。
〔4〕前記粉末油脂のゆるめ嵩密度が、0.05~0.4g/cm3であることを特徴とする〔1〕~〔3〕のいずれか1つに記載の粉末油脂組成物付着パン粉。
〔5〕前記粉末油脂組成物付着パン粉中の粉末油脂組成物の含量が、パン粉100質量部に対して、0.1~10質量部であることを特徴とする〔1〕~〔4〕のいずれか1つに記載の粉末油脂組成物付着パン粉。
〔6〕具材に、〔1〕~〔5〕のいずれか1つに記載の粉末油脂組成物付着パン粉を付けた油ちょう用具材。
〔7〕前記油ちょう用具材が、冷凍したものであることを特徴とする〔6〕に記載の油ちょう用具材。
〔8〕〔6〕又は〔7〕に記載の油ちょう用具材を、油ちょう処理した油ちょう済食品。
〔9〕前記油ちょう済食品が、油ちょう処理後に冷凍したものであることを特徴とする〔8〕に記載の油ちょう済食品。
本発明により、軽いサクミのあるサクサクした食感の油ちょう済食品を作ることができるパン粉を提供することができる。
また、軽いサクミのあるサクサクした食感の油ちょう済食品を提供することができる。
芯物質表面に粉末油脂組成物を付着させたとき顕微鏡写真を模式的に示した図である。図中のAは芯物質で、Bは粉末油脂組成物で、線分abの長さ(芯物質表面に付着した粒子の付着面からの垂直方向の長さ)が、この粉末油脂組成物の厚さの値である。 本発明の製造例1の粉末油脂組成物の顕微鏡写真(100倍)である。 本発明の製造例1の粉末油脂組成物の顕微鏡写真(300倍)である。 本発明の製造例1の粉末油脂組成物をガラスビーズ表面上に付着させたときの顕微鏡写真(1500倍)で、粒子の厚さとして測定した部分を直線で示している(2か所)。 油ちょう試験に使用した粉末油脂の顕微鏡写真(100倍)である。 油ちょう試験に使用した粉末油脂の顕微鏡写真(300倍)である。 油ちょう試験に使用した生パン粉の顕微鏡写真(100倍)である。 油ちょう試験に使用した生パン粉の顕微鏡写真(300倍)である。 油ちょう試験に使用した粉末油脂付着パン粉の顕微鏡写真(100倍)である。 油ちょう試験に使用した粉末油脂付着パン粉の顕微鏡写真(300倍)である。 油ちょう試験に使用した粉末油脂組成物付着パン粉の顕微鏡写真(100倍)である。 油ちょう試験に使用した粉末油脂組成物付着パン粉の顕微鏡写真(300倍)である。 粉砕前の粉末油脂組成物(製造例4)の外観の写真である。 粉砕前の粉末油脂組成物(製造例4)の電子顕微鏡写真(200倍)である。 粉末油脂組成物(製造例4)の電子顕微鏡写真(1)(1000倍)である。 粉末油脂組成物(製造例4)の電子顕微鏡写真(2)(1000倍)である。
まず、本発明に使用するパン粉について説明をする。
本発明の「パン粉」とは、パン粉もしくはパン粉類似物を意味する。パン粉とはパンを粉砕し細かくして作ったものをいう。パン粉類似物とはパン粉の代替物であって、例えば、クラッカー,ビスケットを粉砕したもの、パイ風(多層パン)のもの、唐揚げ粉などを意味する。
本発明に使用できるパン粉には、乾燥パン粉(水分約10~13%)、生パン粉(水分約35~38w/w%が標準)、セミドライパン粉(水分が約18w/w%から約28w/w%前後の調整品)、ブレダーパン粉(高周波式)、微粉パン粉(粒度は30~40メッシュ位)、ブレッドパウダー(粒度は80メッシュ位)、着色料を加えたカラーパン粉等が挙げられる。
本発明に使用するパン粉は、パン粉原料を、発酵、焼成、粉砕することにより製造しても良いが、市販のパン粉を使用することができる。市販のパン粉として、例えば、イオン株式会社販売の商品「トップバリュ 生パン粉」〕やフライスター(株)販売の商品「フライスター7」等が挙げられる。
次に、本発明に使用する粉末油脂組成物について説明をする。
本発明に使用する粉末油脂組成物は、グリセリンの1位~3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有する1種以上のXXX型トリグリセリドを含む油脂成分を含有する粉末油脂組成物で、該炭素数xは10~22から選択される整数であり、該油脂成分がβ型油脂を含み、該粉末油脂組成物の粒子は板状形状である。
本発明に使用する粉末油脂組成物には、国際公開第2017/051910号に記載された粉末油脂組成物を使用することができる。
以下、本発明に使用する粉末油脂組成物について詳細に説明をする。
<油脂成分>
本発明の粉末油脂組成物は、油脂成分を含有する。当該油脂成分は、少なくともXXX型トリグリセリドを含み、任意にその他のトリグリセリドを含む。
上記油脂成分はβ型油脂を含む。ここで、β型油脂とは、油脂の結晶多形の一つであるβ型の結晶のみからなる油脂である。その他の結晶多形の油脂としては、β’型油脂及びα型油脂があり、β’型油脂とは、油脂の結晶多形の一つであるβ’型の結晶のみからなる油脂である。α型油脂とは、油脂の結晶多形の一つであるα型の結晶のみからなる油脂である。油脂の結晶には、同一組成でありながら、異なる副格子構造(結晶構造)を持つものがあり、結晶多形と呼ばれている。代表的には、六方晶型、斜方晶垂直型及び三斜晶平行型があり、それぞれα型、β’型及びβ型と呼ばれている。また、各多形の融点はα、β’、βの順に融点が高くなり、各多形の融点は、炭素数xの脂肪酸残基Xの種類により異なるので、以下、表1にそれぞれ、トリカプリン、トリラウリン、トリミリスチン、トリパルミチン、トリステアリン、トリアラキジン、トリベヘニンである場合の各多形の融点(℃)を示す。なお、表1は、Nissim Garti et al.、”Crystallization and Polymorphism of Fats and Fatty Acids”、Marcel Dekker Inc.、1988、pp.32-33に基づいて作成した。そして、表1の作成にあたり、融点の温度(℃)は小数点第1位を四捨五入した。また、油脂の組成とその各多形の融点がわかれば、少なくとも当該油脂中にβ型油脂が存在するか否かを検出することができる。
Figure 0007076905000001
これらの多形を同定する一般的な手法は、X線回折法があり、回折条件は下記のブラッグの式によって与えられる。
2dsinθ=nλ(n=1,2,3・・・)
この式を満たす位置に回折ピークが現れる。ここでdは格子定数、θは回折(入射)角、λはX線の波長、nは自然数である。短面間隔に対応する回折ピークの2θ=16~27°からは、結晶中の側面のパッキング(副格子)に関する情報が得られ、多形の同定を行なうことができる。特にトリアシルグリセロールの場合、2θ=19、23、24°(4.6Å付近、3.9Å付近、3.8Å付近)にβ型の特徴的ピークが、21°(4.2Å)付近にα型の特徴的なピークが出現する。なお、X線回折測定は、例えば、20℃に維持したX線回折装置((株)リガク、試料水平型X線回折装置UItimaIV)を用いて測定される。X線の光源としてはCuKα線(1.54Å)が最もよく利用される。
さらに、上記油脂の結晶多形は、示差走査熱量測定法(DSC法)によっても予測することができる。例えば、β型油脂の予測は、示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、品番BSC6220)によって10℃/分の昇温速度で100℃まで昇温することにより得られるDSC曲線に基づいて油脂の結晶構造を予測することにより行われる。
ここで、油脂成分はβ型油脂を含むもの、又は、β型油脂を主成分(50質量%超)として含むものあればよく、好ましい態様としては、上記油脂成分がβ型油脂から実質的になるものであり、より好ましい態様は上記油脂成分がβ型油脂からなるものであり、特に好ましい態様は、上記油脂成分がβ型油脂のみからなるものである。上記油脂成分のすべてがβ型油脂である場合とは、示差走査熱量測定法によってα型油脂及び/又はβ’型油脂が検出されない場合である。別の好ましい態様としては、上記油脂成分(又は油脂成分を含む粉末油脂組成物)が、X線回折測定において、4.5~4.7Å付近、好ましくは4.6Å付近に回折ピークを有し、表1のα型油脂及び/又はβ’型油脂の短面間隔のX線回折ピークがない、特に、4.2Å付近に回折ピークを有さない場合であり、かかる場合も上記油脂成分のすべてがβ型油脂であると判断できる。本発明の更なる態様として、上記油脂成分が全てβ型油脂であることが好ましいが、その他のα型油脂やβ’型油脂が含まれていてもよい。ここで、本発明における油脂成分が「β型油脂を含む」こと及びα型油脂+β型油脂に対するβ型油脂の相対的な量の指標は、X線回折ピークのうち、β型の特徴的ピークとα型の特徴的ピークとの強度比率:[β型の特徴的ピークの強度/(α型の特徴的ピークの強度+β型の特徴的ピークの強度)](以下、ピーク強度比ともいう。)から想定できる。具体的には、上述のX線回折測定に関する知見をもとに、β型の特徴的ピークである2θ=19°(4.6Å)のピーク強度とα型の特徴的ピークである2θ=21°(4.2Å)のピーク強度の比率:19°/(19°+21°)[4.6Å/(4.6Å+4.2Å)]を算出することで上記油脂成分のβ型油脂の存在量を表す指標とし、「β型油脂を含む」ことが理解できる。本発明は、上記油脂成分が全てβ型油脂である(即ち、ピーク強度比=1)ことが好ましいが、例えば、該ピーク強度比の下限値が、例えば0.4以上、好ましくは、0.5以上、より好ましくは、0.6以上、さらに好ましくは、0.7以上、特に好ましくは、0.75以上、殊更好ましくは0.8以上であることが適当である。ピーク強度が0.4以上であれば、β型油脂を主成分が50質量%超であるとみなすことができる。該ピーク強度比の上限値は1であることが好ましいが、0.99以下、0.98以下、0.95以下、0.93以下、0.90以下、0.85以下、0.80以下等であってもかまわない。ピーク強度比は、上記下限値及び上限値のいずれか若しくは任意の組み合わせであり得る。
<XXX型トリグリセリド>
本発明の油脂成分は、グリセリンの1位~3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有する1種以上のXXX型トリグリセリドを含む。当該XXX型トリグリセリドは、グリセリンの1位~3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有するトリグリセリドであり、各脂肪酸残基Xは互いに同一である。ここで、当該炭素数xは10~22から選択される整数であり、好ましくは12~22から選択される整数、より好ましくは14~20から選択される整数、更に好ましくは16~18から選択される整数である。
脂肪酸残基Xは、飽和あるいは不飽和の脂肪酸残基であってもよい。具体的な脂肪酸残基Xとしては、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等の残基が挙げられるがこれに限定するものではない。脂肪酸としてより好ましくは、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸及びベヘン酸であり、さらに好ましくは、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、及びアラキジン酸であり、殊更好ましくは、パルミチン酸及びステアリン酸である。
当該XXX型トリグリセリドの含有量は、油脂成分の全質量を100質量%とした場合、例えば、50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは、70質量%以上、さらに好ましくは、80質量%以上を下限とし、例えば、100質量%以下、好ましくは、99質量%以下、より好ましくは、95質量%以下を上限とする範囲である。XXX型トリグリセリドは1種類又は2種類以上用いることができ、好ましくは1種類又は2種類であり、より好ましくは1種類が用いられる。XXX型トリグリセリドが2種類以上の場合は、その合計値がXXX型トリグリセリドの含有量となる。
<その他のトリグリセリド>
本発明の油脂成分は、本発明の効果を損なわない限り、上記XXX型トリグリセリド以外の、その他のトリグリセリドを含んでいてもよい。その他のトリグリセリドは、複数の種類のトリグリセリドであってもよく、合成油脂であっても天然油脂であってもよい。合成油脂としては、トリカプリル酸グリセリル等が挙げられる。天然油脂としては、例えば、ココアバター、ヒマワリ油、菜種油、大豆油、綿実油等が挙げられる。本発明の油脂成分中の全トリグリセリドを100質量%とした場合、その他のトリグリセリドは、1質量%以上、例えば、5~50質量%程度含まれていても問題はない。その他のトリグリセリドの含有量は、例えば、0~30質量%、好ましくは0~18質量%、より好ましくは0~15質量%、更に好ましくは0~8質量%である。
<その他の成分>
本発明の粉末油脂組成物は、上記トリグリセリド等の油脂成分の他、任意に乳化剤、香料、着色料、脱脂粉乳、全脂粉乳、ココアパウダー、砂糖、デキストリン等のその他の成分を含んでいてもよい。これらその他の成分の量は、本発明の効果を損なわない限り任意の量とすることができるが、例えば、粉末油脂組成物の全質量を100質量%とした場合、0~70質量%、好ましくは0~65質量%、より好ましくは0~30質量%である。その他の成分は、その90質量%以上が、平均粒径が1000μm以下である紛体であることが好ましく、平均粒径が500μm以下の紛体であることがより好ましい。なお、ここでいう平均粒径は、レーザー回折散乱法(ISO133201及びISO9276-1)によって測定した値(d50)である。
但し、本発明の好ましい粉末油脂組成物は、実質的に上記油脂成分のみからなることが好ましく、かつ、油脂成分は、実質的にトリグリセリドのみからなることが好ましい。また、「実質的に」とは、油脂組成物中に含まれる油脂成分以外の成分または油脂成分中に含まれるトリグリセリド以外の成分が、粉末油脂組成物または油脂成分を100質量%とした場合、例えば、0~15質量%、好ましくは0~10質量%、より好ましくは0~5質量%であることを意味する。
<粉末油脂組成物の特性>
本発明の粉末油脂組成物は、常温(20℃)で粉末状の固体である。
本発明の粉末油脂組成物は、通常、その粒子が板状形状の形態を有し、例えば、50μm以下、好ましくは1~30μm、より好ましくは1~20μm、殊更好ましくは1~15μmの平均粒径(有効径)を有する。
ここで、当該平均粒径(有効径)は、粒度分布測定装置(例えば、日機装株式会社製 Microtrac MT3300ExII)でレーザー回折散乱法(ISO133201、ISO9276-1)によって測定した値(d50)である。
有効径とは、測定対象となる結晶の実測回折パターンが、球形と仮定して得られる理論的回折パターンに適合する場合の、当該球形の粒径を意味する。このように、レーザー回折散乱法の場合、球形と仮定して得られる理論的回折パターンと、実測回折パターンを適合させて有効径を算出しているので、測定対象が板状形状であっても球状形状であっても同じ原理で測定することができる。
本発明の粉末油脂組成物の特徴は、その粒子のアスペクト比を用いて表現することも可能である。
本発明におけるアスペクト比とは、粒子の長径を厚さで除した値〔=長径/厚さ〕のことである。
粒子が、完全な球形の場合には、アスペクト比の値は1〔=1/1〕であり、粒子の扁平度合いが増す(厚さが薄くなる)ほどアスペクト比の値は大きくなる。
粒子のアスペクト比は、例えば、以下の(a)及び(b)の方法で測定することができる。
(a)粒子の電子顕微鏡写真から、1個1個の粒子について長径、及び厚さを測定できる場合
電子顕微鏡写真に写った1個1個の粒子について、長径及び厚さ(縦及び横)を測定し、それぞれの粒子について、アスペクト比を求め、その平均値を粒子のアスペクト比とする。
例えば、粒子が球形のような場合に、この測定方法を用いることができる。
(b)粒子の電子顕微鏡写真から、1つ1つの粒子について長径、又は厚さを測定できない場合
例えば、粒子が扁平な形や板状形状の場合、電子顕微鏡写真に写った1個1個の粒子について、長径を測定することはできるが、厚さは写真では見えないことが多く、写真からは直接測定することが難しい。
このような場合、粒子をガラスビーズのような芯物質の表面に付着させて電子顕微鏡写真を撮り、芯物質表面に付着した粒子の付着面からの垂直方向の長さを、粒子の厚さとして測定し、この値を厚さとして用いる。
これを図1の模式図で説明すると、図1のAは芯物質、Bはアスペクト比を測定する粒子で、線分abの長さ(芯物質表面に付着した粒子の付着面からの垂直方向の長さ)が、この粒子の厚さの値である。
また、長径の値は、上述のレーザー回折散乱法に基づいて測定した平均粒径(d50)を用いる。
このようにして測定した粒子の長径と厚さの値から、アスペクト比〔=長径/厚さ〕を求めることができる。
本発明の粉末油脂組成物の粒子のアスペクト比は、2.5以上であることが好ましく、より好ましくは、2.5~100であり、さらに好ましくは3~50であり、さらにより3~20であり、特に好ましくは3~15である。
本発明の粉末油脂組成物の特徴は、ゆるめ嵩密度を用いて表現することも可能である。
本発明におけるゆるめ嵩密度とは、粉体を自然落下させた状態の充填密度である。
ゆるめ嵩密度(g/cm)は、ホソカワミクロン(株)のパウダテスタ(model PT-X)で測定することができる。
具体的には、パウダテスタに試料を仕込み、試料を仕込んだ上部シュートを振動させ、試料を自然落下により下部の測定用カップに落とす。測定用カップから盛り上がった試料はすり落とし、受器の内容積(100cm)分の試料の質量(Ag)を秤量し、以下の式からゆるめ嵩密度を求める。
ゆるめ嵩密度(g/cm)=A(g)/100(cm
また、内径15mm×25mLのメスシリンダーに、当該メスシリンダーの上部開口端から2cm程度上方から粉末油脂組成物の適量を落下させて疎充填し、充填された質量(g)の測定と容量(mL)の読み取りを行い、1mL当たりの当該粉末油脂組成物の質量(g)を算出することでも求めることができる。
本発明の粉末油脂組成物のゆるめ嵩密度は、例えば実質的に油脂成分のみからなる場合、好ましくは0.05~0.4g/cmであり、より好ましくは0.1~0.4g/cmであり、さらにより好ましくは0.1~0.3g/cmである。
次に、本発明に使用する粉末油脂組成物の製造方法について説明をする。
本発明に使用する粉末油脂組成物は、国際公開第2017/051910号に記載された粉末油脂組成物の製造方法により製造することができる。
本発明の粉末油脂組成物は、グリセリンの1位~3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有する1種以上のXXX型トリグリセリドを含む油脂組成物原料を溶融状態とし、特定の冷却温度に保ち、冷却固化することにより、噴霧やミル等の粉砕機による機械粉砕等特別の加工手段を採らなくても、粉末状の油脂組成物(粉末油脂組成物)を得ることができる。より具体的には、(a)上記XXX型トリグリセリドを含む油脂組成物原料を準備し、任意に工程(b)として、工程(a)で得られた油脂組成物原料を加熱し、前記油脂組成物原料中に含まれるトリグリセリドを溶解して溶融状態の前記油脂組成物原料を得、さらに(d)前記油脂組成物原料を冷却固化して、β型油脂を含有し、その粒子の形状が板状である粉末油脂組成物を得る。なお、冷却後に得られる固形物に対して、ハンマーミル、カッターミル等、公知の粉砕加工手段を適用して、該粉末油脂組成物を生産することもできる。
上記工程(d)の冷却は、例えば、溶融状態の油脂組成物原料を、当該油脂組成物原料に含まれる油脂成分のβ型油脂の融点より低い温度であって、かつ、次式:
冷却温度(℃) = 炭素数x × 6.6 ― 68
から求められる冷却温度以上の温度で行われる。このような温度範囲で冷却すれば、β型油脂を効率よく生成でき、細かい結晶ができるので、粉末油脂組成物を容易に得ることができる。なお、前記「細かい」とは、一次粒子(一番小さい大きさの結晶)が、例えば20μm以下、好ましくは、15μm以下、より好ましくは10μmの場合をいう。また、このような温度範囲で冷却しないと、β型油脂が生成せず、油脂組成物原料よりも体積が増加した空隙を有する固形物ができない場合がある。さらに、本発明では、このような温度範囲で冷却することによって、静置した状態でβ型油脂を生成させ、粉末油脂組成物の粒子を板状形状とさせたものであり、冷却方法は、本発明の粉末油脂組成物を特定するために有益なものである。本発明の乳化用粉末油脂組成物の好ましい平均粒径として、例えば、20μm以下の平均粒径を挙げることができる。平均粒径の測定方法は上述したとおりである。さらに、20μm以下の細かい粒子は人間の感覚では感じとることが困難であるため、20μm以下の粒子を用いることで、ざらついた食感や触感を与えることなく、融点の高い粉末油脂組成物を添加することができる。
本発明の粉末油脂組成物が乳化力を有する理由は定かでないが、平均粒径が小さくかつ板状である粒子は油相と水相の界面に集まる傾向があるため、界面エネルギーを小さくし、また、系内に分散することで、粘度を上昇させて、それにより、乳化状態が安定化されている可能性がある。また、本発明の粉末油脂組成物は油脂であるため、油相と親和性が高いと思われ、そのために、油中水型乳化組成物が形成させやすい傾向にあるが、例えば、他の乳化剤との併用により、水中油型乳化組成物も形成されると思われる。なお、これは本発明の原理をわかりやすくすることを目的に説明したものであり、本発明はこの原理によって拘束されない。
さらに詳細に、粉末油脂組成物の製造方法について説明をする。
本発明の粉末油脂組成物は、以下の工程、
(a)XXX型トリグリセリドを含む油脂組成物原料を準備する工程、
(b)工程(a)で得られた油脂組成物原料を任意に加熱等し、前記油脂組成物原料中に含まれるトリグリセリドを溶解して溶融状態の前記油脂組成物原料を得る任意の工程、(d)前記油脂組成物原料を冷却固化して、β型油脂を含有し、その粒子形状が板状である粉末油脂組成物を得る工程、
を含む方法によって製造することができる。
また、上記工程(b)と(d)の間に、工程(c)として粉末生成を促進するための任意工程、例えば(c1)シーディング工程、(c2)テンパリング工程、及び/又は(c3)予備冷却工程を含んでいてもよい。さらに上記工程(d)で得られる粉末油脂組成物は、工程(d)の冷却後に得られる固形物を粉砕して粉末状の油脂組成物を得る工程(e)によって得られるものであってもよい。以下、上記工程(a)~(e)について説明する。
(a)原料準備工程
工程(a)で準備されるXXX型トリグリセリドを含む油脂組成物原料は、グリセリンの1位~3位に炭素数xの脂肪酸残基Xを有する1種以上のXXX型トリグリセリドを含む通常のXXX型トリグリセリド等の油脂の製造方法に基づいて製造され、もしくは容易に市場から入手され得る。ここで、上記炭素数x及び脂肪酸残基Xで特定されるXXX型トリグリセリドは、最終的に得られる目的の油脂成分のものと結晶多形以外の点で同じである。当該原料にはβ型油脂が含まれていてもよく、例えば、β型油脂の含有量が0.1質量%以下、0.05質量%以下、又は0.01質量%以下含んでいてもよい。但し、β型油脂は、当該原料を加熱等により溶融状態にすることにより消失するので、当該原料は溶融状態の原料であってもよい。当該原料が、例えば溶融状態である場合に、β型油脂を実質的に含まないことは、XXX型トリグリセリドに限らず、実質的に全ての油脂成分がβ型油脂ではない場合も意味し、β型油脂の存在は、上述したX線回折測定によりβ型油脂に起因する回折ピーク、示差走査熱量測定法によるβ型油脂の確認等によって確認することができる。「β型油脂を実質的に含まない」場合のβ型油脂の存在量は、X線回折ピークのうち、β型の特徴的ピークとα型の特徴的ピークとの強度比率[β型の特徴的ピークの強度/(α型の特徴的ピークの強度+β型の特徴的ピークの強度)](ピーク強度比)から想定できる。上記油脂組成物原料の当該ピーク強度比は、例えば0.2以下であり、好ましくは、0.15以下であり、より好ましくは、0.10以下である。油脂組成物原料には、上述したとおりのXXX型トリグリセリドを1種類又は2種以上含んでいてもよく、好ましくは1種類又は2種類であり、より好ましくは1種類である。
具体的には、例えば、上記XXX型トリグリセリドは、脂肪酸または脂肪酸誘導体とグリセリンを用いた直接合成によって製造することができる。XXX型トリグリセリドを直接合成する方法としては、(i)炭素数Xの脂肪酸とグリセリンとを直接エステル化する方法(直接エステル合成)、(ii)炭素数xである脂肪酸Xのカルボキシル基がアルコキシル基と結合した脂肪酸アルキル(例えば、脂肪酸メチル及び脂肪酸エチル)とグリセリンとを塩基性または酸性触媒条件下にて反応させる方法(脂肪酸アルキルを用いたエステル交換合成)、(iii)炭素数xである脂肪酸Xのカルボキシル基の水酸基がハロゲンに置換された脂肪酸ハロゲン化物(例えば、脂肪酸クロリド及び脂肪酸ブロミド)とグリセリンとを塩基性触媒下にて反応させる方法(酸ハライド合成)が挙げられる。
XXX型トリグリセリドは前述の(i)~(iii)のいずれの方法によっても製造できるが、製造の容易さの観点から、(i)直接エステル合成又は(ii)脂肪酸アルキルを用いたエステル交換合成が好ましく、(i)直接エステル合成がより好ましい。
XXX型トリグリセリドを(i)直接エステル合成によって製造するには、製造効率の観点から、グリセリン1モルに対して脂肪酸Xまたは脂肪酸Yを3~5モルを用いることが好ましく、3~4モルを用いることがより好ましい。
XXX型トリグリセリドの(i)直接エステル合成における反応温度は、エステル化反応によって生ずる生成水が系外に除去できる温度であればよく、例えば、120℃~300℃が好ましく、150℃~270℃がより好ましく、180℃~250℃がさらに好ましい。反応を180~250℃で行うことで、特に効率的にXXX型トリグリセリドを製造することができる。
XXX型トリグリセリドの(i)直接エステル合成においては、エステル化反応を促進する触媒を用いても良い。触媒としては酸触媒、及びアルカリ土類金属のアルコキシド等が挙げられる。触媒の使用量は、反応原料の総質量に対して0.001~1質量%程度であることが好ましい。
XXX型トリグリセリドの(i)直接エステル合成においては、反応後、水洗、アルカリ脱酸及び/又は減圧脱酸、及び吸着処理等の公知の精製処理を行うことで、触媒や原料未反応物を除去することができる。更に、脱色・脱臭処理を施すことで、得られた反応物をさらに精製することができる。
上記油脂組成物原料中に含まれるXXX型トリグリセリドの量は、例えば、当該原料中に含まれる全トリグリセリドの全質量を100質量%とした場合、100~50質量%、好ましくは95~55質量%、より好ましくは90~60質量%である。さらに殊更好ましくは85~65質量%である。
<その他のトリグリセリド>
XXX型トリグリセリドを含む油脂組成物原料となるその他のトリグリセリドとしては、上記XXX型トリグリセリドの他、本発明の効果を損なわない限り、各種トリグリセリドを含めてもよい。その他のトリグリセリドとしては、例えば、上記XXX型トリグリセリドの脂肪酸残基Xの1つが脂肪酸残基Yに置換したX2Y型トリグリセリド、上記XXX型トリグリセリドの脂肪酸残基Xの2つが脂肪酸残基Yに置換したXY2型トリグリセリド等を挙げることができる。
上記その他のトリグリセリドの量は、例えば、XXX型トリグリセリドの全質量を100質量%とした場合、0~100質量%、好ましくは0~70質量%、より好ましくは1~40質量%である。
また、本発明の油脂組成物原料としては、上記XXX型トリグリセリドを直接合成する代わりに、天然由来のトリグリセリド組成物に対し水素添加、エステル交換又は分別を行ったものを使用してもよい。天然由来のトリグリセリド組成物としては、例えば、ナタネ油、大豆油、ヒマワリ油、ハイオレイックヒマワリ油、サフラワー油、パームステアリン及びこれらの混合物等を挙げることができる。特に、これらの天然由来のトリグリセリド組成物の硬化油、部分硬化油、極度硬化油が好ましいものとして挙げられる。さらに好ましくは、ハードパームステアリン、ハイオレイックヒマワリ油極度硬化油、菜種極度硬化油、大豆極度硬化油が挙げられる。
さらに、本発明の油脂組成物原料としては、市販されている、トリグリセリド組成物又は合成油脂を挙げることができる。例えば、トリグリセリド組成物としては、ハードパームステアリン(日清オイリオグループ株式会社製)、菜種極度硬化油(横関油脂工業株式会社製)、大豆極度硬化油(横関油脂工業株式会社製)を挙げることができる。また、合成油脂としては、トリパルミチン(東京化成工業株式会社製)、トリステアリン(シグマアルドリッチ製)、トリステアリン(東京化成工業株式会社製)、トリアラキジン(東京化成工業株式会社製)トリベヘニン(東京化成工業株式会社製)を挙げることができる。
その他、パーム極度硬化油は、XXX型トリグリセリドの含量が少ないので、トリグリセリドの希釈成分として使用できる。
<その他の成分>
上記油脂組成物原料としては、上記トリグリセリドの他、任意に部分グリセリド、脂肪酸、抗酸化剤、乳化剤、水などの溶媒等のその他の成分を含んでいてもよい。これらその他の成分の量は、本発明の効果を損なわない限り任意の量とすることができるが、例えば、XXX型トリグリセリドの全質量を100質量%とした場合、0~5質量%、好ましくは0~2質量%、より好ましくは0~1質量%である。
上記油脂組成物原料は、成分が複数含まれる場合、任意に混合してもよい。混合は、均質な反応基質が得られる限り公知のいかなる混合方法を用いてもよいが、例えば、パドルミキサー、アジホモミキサー、ディスパーミキサー等で行うことができる。
当該混合は、必要に応じて加熱下で混合してもよい。加熱は、後述の工程(b)における加熱温度と同程度であることが好ましく、例えば、50~120℃、好ましくは60~100℃、より好ましくは70~90℃、さらに好ましくは80℃で行われる。
(b)溶融状態の前記油脂組成物を得る工程
上記(d)工程の前に、上記工程(a)で準備された油脂組成物原料は、準備された時点で溶融状態にある場合、加熱せずにそのまま冷却されるが、準備された時点で溶融状態にない場合は、任意に加熱され、該油脂組成物原料中に含まれるトリグリセリドを融解して溶融状態の油脂組成物原料を得る。
ここで、油脂組成物原料の加熱は、上記油脂組成物原料中に含まれるトリグリセリドの融点以上の温度、特にXXX型トリグリセリドを融解できる温度、例えば、70~200℃、好ましくは、75~150℃、より好ましくは80~100℃であることが適当である。また、加熱は、例えば、0.1~3時間、好ましくは、0.3~2時間、より好ましくは0.5~1時間継続することが適当である。
(d)溶融状態の油脂組成物を冷却して粉末油脂組成物を得る工程
上記工程(a)又は(b)で準備された溶融状態の油脂組成物原料は、さらに冷却固化されて、β型油脂を含有し、その粒子形状が板状である粉末油脂組成物を形成する。
ここで、「溶融状態の油脂組成物原料を冷却固化」するためには、冷却温度の上限値として、溶融状態の油脂組成物原料を、当該油脂組成物原料に含まれる油脂成分のβ型油脂の融点より低い温度に保つことが必要である。「油脂組成物原料に含まれる油脂成分のβ型油脂の融点より低い温度」とは、例えば、炭素数が18のステアリン酸残基を3つ有するXXX型トリグリセリドの場合、β型油脂の融点は74℃であるので(表1)、当該融点より1~30℃低い温度(即ち44~73℃)、好ましくは当該融点より1~20℃低い温度(即ち54~73℃)、より好ましくは当該融点より1~15℃低い温度(即ち59~73℃)、特に好ましくは、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃または10℃低い温度である。
より好ましくは、β型油脂を得るためには、冷却温度の下限値として、以下の式から求められる冷却温度以上に保つことが適当である。
冷却温度(℃) = 炭素数x × 6.6 ― 68
(式中、炭素数xは、油脂組成物原料中に含まれるXXX型トリグリセリドの炭素数x)
このような冷却温度以上とするのは、XXX型トリグリセリドを含有するβ型油脂を得るために、当該油脂の結晶化の際、冷却温度をβ型油脂以外のα型油脂やβ’型油脂が結晶化しない温度に設定する必要があるためである。冷却温度は、主にXXX型トリグリセリドの分子の大きさに依存するので、炭素数xと最適な冷却温度の下限値との間には一定の相関関係があることが理解できる。
例えば、油脂組成物原料に含まれるXXX型トリグリセリドが、炭素数が18のステアリン酸残基を3つ有するXXX型トリグリセリドである場合、冷却温度の下限値は50.8℃以上となる。従って、炭素数が18のステアリン酸残基を3つ有するXXX型トリグリセリドの場合、「溶融状態の油脂組成物原料を冷却固化」する温度は、50.8℃以上72℃以下がより好ましいこととなる。
また、XXX型トリグリセリドが2種以上の混合物である場合は、炭素数xが小さい方の冷却温度に合わせてその下限値を決定することができる。例えば、油脂組成物原料に含まれるXXX型トリグリセリドが、炭素数が16のパルミチン酸残基を3つ有するXXX型トリグリセリドと炭素数が18のステアリン酸残基を3つ有するXXX型トリグリセリドとの混合物である場合、冷却温度の下限値は小さい方の炭素数16に合わせて37.6℃以上となる。
別の態様として、上記冷却温度の下限値は、XXX型トリグリセリドを含む油脂組成物原料の、当該β型油脂に対応するα型油脂の融点以上の温度であることが適当である。例えば、油脂組成物原料に含まれるXXX型トリグリセリドが、炭素数が18のステアリン酸残基を3つ有するXXX型トリグリセリドである場合、当該ステアリン酸残基を3つ有するXXX型トリグリセリドのα型油脂の融点は55℃であるから(表1)、かかる場合の「溶融状態の油脂組成物原料を冷却固化」する温度は、55℃以上72℃以下が好ましいこととなる。
さらに別の態様として、溶融状態にある油脂組成物原料の冷却は、例えばxが10~12のときは最終温度が、好ましくは-2~46℃、より好ましくは12~44℃、更に好ましくは14~42℃の温度になるように冷却することによって行われる。冷却における最終温度は、例えばxが13又は14のときは、好ましくは24~56℃、より好ましくは32~54℃、更に好ましくは40~52℃であり、xが15又は16のときは、好ましくは36~66℃、より好ましくは44~64℃、更に好ましくは52~62℃であり、xが17又は18のときは、好ましくは50~72℃、より好ましくは54~70℃、更に好ましくは58~68℃であり、xが19又は20のときは、好ましくは62~80℃、より好ましくは66~78℃、更に好ましくは70~77℃であり、xが21又は22のときは、好ましくは66~84℃、より好ましくは70~82℃、更に好ましくは74~80℃である。上記最終温度において、例えば、好ましくは2時間以上、より好ましくは4時間以上、更に好ましくは6時間以上であって、好ましくは2日間以下、より好ましくは24時間以下、更に好ましくは12時間以下、静置することが適当である。
(c)粉末生成促進工程
さらに、工程(d)の前、上記工程(a)又は(b)と(d)との間に、(c)粉末生成を促進するための任意工程として、工程(d)で使用する溶融状態の油脂組成物原料に対し、シーディング法(c1)、テンパリング法(c2)及び/又は(c3)予備冷却法による処理を行ってもよい。これらの任意工程(c1)~(c3)は、いずれか単独で行ってもよいし、複数の工程を組み合わせて行ってもよい。ここで、工程(a)又は(b)と工程(d)との間とは、工程(a)又は(b)中、工程(a)又は(b)の後であって工程(d)の前、工程(d)中を含む意味である。
シーディング法(c1)及びテンパリング法(c2)は、本発明の粉末油脂組成物の製造において、溶融状態にある油脂組成物原料をより確実に粉末状とするために、最終温度まで冷却する前に、溶融状態にある油脂組成物原料を処置する粉末生成促進方法である。 ここで、シーディング法(c1)とは、粉末の核(種)となる成分を溶融状態にある油脂組成物原料の冷却時に少量添加して、粉末化を促進する方法である。具体的には、例えば、工程(b)で得られた溶融状態にある油脂組成物原料に、当該油脂組成物原料中のXXX型トリグリセリドと炭素数が同じXXX型トリグリセリドを好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上含む油脂粉末を核(種)となる成分として準備する。この核となる油脂粉末を、溶融状態にある油脂組成物原料の冷却時、当該油脂組成物原料の温度が、例えば、最終冷却温度±0~+10℃、好ましくは+5~+10℃の温度に到達した時点で、当該溶融状態にある油脂組成物原料100質量部に対して0.1~1質量部、好ましくは0.2~0.8質量部添加することにより、油脂組成物の粉末化を促進する方法である。
また、テンパリング法(c2)とは、溶融状態にある油脂組成物原料の冷却において、最終冷却温度で静置する前に一度、工程(d)の冷却温度よりも低い温度、例えば5~20℃低い温度、好ましくは7~15℃低い温度、より好ましくは10℃程度低い温度に、好ましくは10~120分間、より好ましくは30~90分間程度冷却することにより、油脂組成物の粉末化を促進する方法である。
さらに、予備冷却法(c3)とは、前記工程(a)又は(b)で得られた溶融状態の油脂組成物原料を、工程(d)にて冷却する前に、前記XXX型トリグリセリドを含む油脂組成物原料を準備した時の温度と前記油脂組成物原料の冷却時の冷却温度との間の温度で一旦冷却する方法、言い換えれば、工程(a)又は(b)の溶融状態の温度よりも低く、工程(d)の冷却温度よりも高い温度で一旦予備冷却する方法である。(c3)予備冷却法に続いて、工程(d)の油脂組成物原料の冷却時の冷却温度で冷却することが行われる。工程(d)の冷却温度より高い温度とは、例えば、工程(d)の冷却温度よりも2~40℃高い温度、好ましくは3~30℃高い温度、より好ましくは4~30℃高い温度、さらに好ましくは5~10℃程度高い温度であり得る。前記予備冷却する温度を低く設定すればするほど、工程(d)の冷却温度における本冷却時間を短くすることができる。すなわち、予備冷却法とは、シーディング法やテンパリング法と異なり、冷却温度を段階的に下げるだけで油脂組成物の粉末化を促進できる方法であり、工業的に製造する場合に利点が大きい。
(e)固形物を粉砕して粉末油脂組成物を得る工程
上記工程(d)の冷却によって粉末油脂組成物を得る工程は、より具体的には、工程(d)の冷却によって得られる固形物を粉砕して粉末油脂組成物を得る工程(e)によって行われてもよい。
詳細に説明すると、まず、上記油脂組成物原料を融解して溶融状態の油脂組成物を得、その後冷却して溶融状態の油脂組成物原料よりも体積が増加した空隙を有する固形物を形成する。空隙を有する固形物となった油脂組成物は、軽い衝撃を加えることで粉砕でき、固形物が容易に崩壊して粉末状となる。
ここで、軽い衝撃を加える手段は特に特定されないが、振る、篩に掛ける等により、軽く振動(衝撃)を与えて粉砕する(ほぐす)方法が、簡便で好ましい。
なお、該固形物を公知の粉砕加工手段により粉砕してもよい。このような粉砕加工手段の一例としては、ハンマーミル、カッターミル等が挙げられる。
以下、本発明の粉末油脂組成物付着パン粉について詳細に説明をする。
本発明の粉末油脂組成物付着パン粉は、パン粉に、先に説明をした粉末油脂組成物が付着したものである。
本発明の粉末油脂組成物付着パン粉中の粉末油脂組成物の含量は、パン粉100質量部に対して、0.1~10質量部であることが好ましく、0.1~8質量部であることがより好ましく、0.5~6質量部であることが最も好ましい。
粉末油脂組成物付着パン粉は、パン粉と先に説明をした粉末油脂組成物を、粉体混合することにより製造することができる。粉体混合の方法は特に制限はなく、例えば、袋の中にパン粉と粉末油脂組成物を入れて混合しても良いし、Vブレンダー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、流動層ミキサー、リボンミキサー等の粉体混合機を使用して混合することもできる。
次に、本発明のパン粉付き油ちょう用具材について説明をする。
本発明の油ちょう用具材の具材には、一般に油ちょうの具材として利用されている肉類、魚介類、野菜等を使用することができ、例えば、豚肉、鶏肉、牛肉、マグロ、カツオ、サケ、サバ、アジ、イワシ、キス、イカ、タコ、エビ、なす、タマネギ、ジャガイモ、サツマイモ、カボチャ、コロッケ具材等が挙げられる。
本発明の油ちょう用具材は、具材に粉末油脂組成物付着パン粉を付けたもので、具材には、粉末油脂組成物付着パン粉を付ける前に、打ち粉やバッター液を付けておくのが好ましい。
バッター液としては、一般に使用されているものを使用することができ、水に小麦粉、澱粉、卵黄、卵白、全卵等を混合したものや、卵液等を使用することができる。
油ちょう用具材は、そのまま油ちょうして調理することもできるが、チルド保存した後に油ちょうしたり、冷凍処理して流通や長期間保管後に油ちょうすることができる。
冷凍処理する場合には、具材の新鮮さを保つために、急速凍結処理後、-15℃~-60℃で冷凍保管するのが好ましい。冷凍処理をすると、油ちょう用具材の長期の保管が可能となる。
次に、本発明の油ちょう済食品及びその製造方法について説明をする。
本発明の油ちょう食品は、先に説明をした粉末油脂組成物付着パン粉を付けた油ちょう用具材を、油ちょうすることにより得られるものである。油ちょう具材は、先に説明したように、冷蔵したものや冷凍したものも使用することができる。
油ちょう済食品は、油ちょう後、すぐに食することもできるが、電子レンジで再加熱しても、軽いサクミの食感の油ちょう済食品を得ることができる。
また、油ちょう済食品は、油ちょう後、冷凍して流通や長期間保管をすることもできる。
冷凍処理する場合には、具材の新鮮さを保つために、急速凍結処理後、-15℃~-60℃で冷凍保管するのが好ましい。
冷凍した油ちょう済食品は、自然解凍したり、電子レンジで再加熱をしたり、再油ちょうしたりすることにより食することができる。
油ちょう条件については、特に制限はなく、例えば、160~200℃、好ましくは170~190℃で30秒~5分間油ちょうすることができ、2度揚げをすることもできる。
また、特に、同じ油を使って2回以上、好ましくは2回~30回連続的に油ちょうする場合に、油量の減りや油ちょう途中での足し油量が少なくなり、使用する油の全使用量を減らすことができるという効果が発揮される。
油ちょうに使用する油には、植物油や動物油を使用することができ、植物油としては、例えば、大豆油、菜種油、パーム油、パームオレイン、コーン油、紅花油、綿実油、オリーブ油、ごま油等が挙げられ、動物油としては、ラード等が挙げられる。
次に、実施例および比較例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。また。以下において「%」とは、特別な記載がない場合、質量%を示し、「部」とは質量部を示す。
[分析方法]
・トリグリセリド組成
ガスクロマトグラフィー分析条件
DB1-ht(0.32mm×0.1μm×5m)Agilent Technologies社(123-1131)
注入量 :1.0μL
注入口 :370℃
検出器 :370℃
スプリット比 :50/1 35.1kPa コンスタントプレッシャー
カラムCT :200℃(0min hold)~(15℃/min)~370℃(4min hold)
・X線回折測定
X線回折装置UltimaIV(株式会社リガク社製)を用いて、CuKα(λ=1.542Å)を線源とし、Cu用フィルタ使用、出力1.6kW、操作角0.96~30.0°、測定速度2°/分の条件で測定した。この測定により、XXX型トリグリセリドを含む油脂成分におけるα型油脂、β’型油脂、及びβ型油脂の存在を確認した。4.6Å付近のピークのみを有し、4.1~4.2Å付近のピークを有しない場合は、油脂成分のすべてがβ型油脂であると判断した。
なお、上記X線回折測定の結果から、ピーク強度比=[β型の特徴的ピークの強度(2θ=19°(4.6Å))/(α型の特徴的ピークの強度(2θ=21°(4.2Å))+β型の特徴的ピークの強度(2θ=19°(4.6Å)))]をβ型油脂の存在量を表す指標
・アスペクト比
(a)市販の粉末油脂(理研ビタミン株式会社製:商品名「スプレーファットNR100」)の粒子のアスペクト比
この粉末油脂は、ほとんどが球形で、粒子の電子顕微鏡写真から1個1個の粒子について直接長径、及び厚さを測定することができるので、3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE-8800(株式会社キーエンス製)で撮影した写真に写った1個1個の粒子について、長径及び厚さ(縦及び横)を測定し、それぞれの粒子について、アスペクト比を求め、計20個の粒子のアスペクト比の平均値を、粒子のアスペクト比とした。
(b)本発明の粉末油脂組成物の粒子のアスペクト比
本発明の粉末油脂組成物は、板状形状であるため、顕微鏡写真から粒子の厚さを測定することが難しい。したがって、粒子の厚さは、粉末油脂組成物をガラスビーズに付着させたときの顕微鏡写真から測定した。また、長径の値は、レーザー回折散乱法に基づいて測定した平均粒径(d50)を用いた。
具体的には、ガラスビーズ(アズワン株式会社製、型番BZ-01、寸法0.105~0.125mmφ)に粉末油脂組成物を添加、混合することで、ガラスビーズ表面に粉末油脂組成物を付着させ、その様子を3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE-8800(株式会社キーエンス製)で撮影した。ガラスビーズ表面に付着した1個の粉末油脂組成物の粒子の付着面から垂直方向の長さを、その粒子の厚さとして測定し、計25個の粒子の厚さの平均値を取り、その値を粉末油脂組成物の粒子の厚さの値とした。
図4は、後述する製造例1の粉末油脂組成物の粒子の厚さの測定に使用した電子顕微鏡写真(1500倍)の1つで、この写真では、写真中の直線で示した部分(2か所)の長さ(ガラスビーズ表面に付着した粒子の付着面からの垂直方向の長さ)を、粉末油脂組成物の粒子の厚さとして測定した。
また、長径の値は、上述のレーザー回折散乱法に基づいて測定した平均粒径(d50)を用いた。
このようにして測定した粉末油脂組成物の粒子の長径と厚さの値から、アスペクト比〔=長径/厚さ〕を求めた。
・平均粒径(d50)
粒度分布測定装置(日機装株式会社製 Microtrac MT3300ExII)でレーザー回折散乱法(ISO133201,ISO9276-1)に基づいて測定した。なお、測定した平均粒径は、d50の値である。
・ゆるめ嵩密度
実施例で使用した粉末油脂組成物、及び粉末油脂のゆるめ嵩密度(g/cm)は、ホソカワミクロン(株)のパウダテスタ(model PT-X)で測定した。
具体的には、パウダテスタに試料を仕込み、試料を仕込んだ上部シュートを振動させ、試料を自然落下により下部の測定用カップに落とす。測定用カップから盛り上がった試料はすり落とし、受器の内容積(100cm)分の試料の質量(Ag)を秤量し、以下の式からゆるめ嵩密度を求めた。
ゆるめ嵩密度(g/cm)=A(g)/100(cm
・顕微鏡観察、顕微鏡写真撮影
粉末油脂組成物の粒子及び粉末油脂の粒子の様子を、3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE-8800(株式会社キーエンス製)で観察し、粒子を顕微鏡で写真撮影した。
〔粉末油脂組成物の製造〕
以下に、本発明の粉末油脂組成物の製造例を示すが、いずれの粉末状油脂組成物も、粉末油脂組成物付着パン粉の原料として使用することができる。
(1)製造例1:x=18
1位~3位にステアリン酸残基(炭素数18)を有するトリグリセリド(XXX型:79.1質量%、菜種極度硬化油、フレーク状、横関油脂工業株式会社製)1000gを80℃にて約12時間維持して完全に融解し、60℃恒温槽にて12時間冷却し、体積が増加した空隙を有する固形物を形成させ、結晶化を完了させた後、室温(25℃)状態まで冷却した。得られた固形物を機械粉砕することで粉末油脂組成物(平均粒径8.0μm、X線回折測定回折ピーク:4.6Å、ピーク強度比:0.89、粒子のアスペクト比4.6、ゆるめ嵩密度0.18g/cm)を得た。
得られた粉末油脂組成物を顕微鏡で観察したところ、粉末油脂組成物の粒子の形状は板状形状であった。粉末油脂組成物の顕微鏡写真を、図2(100倍)、及び図3(300倍)に示す。
なお、X線回折測定回折ピーク、及びピーク強度比から、得られた粉末油脂組成物の油脂成分は、β型油脂を含むものであることがわかる。
以下の油ちょう試験では、この製造例1の粉末油脂組成物を使用した。
(2)製造例2:x=18
1位~3位にステアリン酸残基(炭素数18)を有するトリグリセリド(XXX型:79.1質量%、菜種極度硬化油、フレーク状、横関油脂工業株式会社製)1000gを80℃にて約12時間維持して完全に融解し、60℃恒温槽にて12時間冷却し、体積が増加した空隙を有する固形物を形成させ、結晶化を完了させた後、室温(25℃)状態まで冷却した。得られた固形物を機械粉砕することで粉末油脂組成物(平均粒径6.4μm、X線回折測定回折ピーク:4.6Å、ピーク強度比:0.89、粒子のアスペクト比3.7、ゆるめ嵩密度0.18g/cm)を得た。
得られた粉末油脂組成物を顕微鏡で観察したところ、粉末油脂組成物の粒子の形状は板状形状であった。
なお、X線回折測定回折ピーク、及びピーク強度比から、得られた粉末油脂組成物の油脂成分は、β型油脂を含むものであることがわかる。
(3)製造例3:x=18
1位~3位にステアリン酸残基(炭素数18)を有するトリグリセリド(XXX型:79.1質量%、菜種極度硬化油、フレーク状、横関油脂工業株式会社製)1000gを80℃にて約12時間維持して完全に融解し、60℃恒温槽にて12時間冷却し、体積が増加した空隙を有する固形物を形成させ、結晶化を完了させた後、室温(25℃)状態まで冷却した。得られた固形物を機械粉砕することで粉末油脂組成物(平均粒径7.4μm、X線回折測定回折ピーク:4.6Å、ピーク強度比:0.89、粒子のアスペクト比3.5、ゆるめ嵩密度0.17g/cm)を得た。
得られた粉末油脂組成物を顕微鏡で観察したところ、得られた粉末油脂組成物の粒子の形状は板状形状であった。
なお、X線回折測定回折ピーク、及びピーク強度比から、得られた粉末油脂組成物の油脂成分は、β型油脂を含むものであることがわかる。
(4)製造例4:x=18
1位~3位にステアリン酸残基(炭素数18)を有するトリグリセリド(XXX型:79.1質量%、菜種極度硬化油、フレーク状、横関油脂工業株式会社製)1000gを80℃にて約12時間維持して完全に融解し、60℃恒温槽にて12時間冷却し、体積が増加した空隙を有する固形物を形成させ、結晶化を完了させた後、室温(25℃)状態まで冷却した。得られた固形物を機械粉砕することで粉末油脂組成物(平均粒径14.4μm、X線回折測定回折ピーク:4.6Å、ピーク強度比:0.90、粒子のアスペクト比:7.2、ゆるめ嵩密度:0.2g/cm3)を得た。X線回折測定回折ピーク、及びピーク強度比から、得られた粉末油脂組成物の油脂成分は、β型油脂を含むものであることがわかった。
粉砕前の粉末油脂組成物を目視で観察したところ、体積が増加した空隙を有する固形物であった。図13は、粉砕前の粉末油脂組成物の外観の写真である。また、粉砕前の粉末油脂組成物を3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE-8800(株式会社キーエンス製)で観察したところ、板状形状の粒子が多数重なっていた。図14は、粉砕前の粉末油脂組成物の電子顕微鏡写真(200倍)ある。
また、得られた粉末油脂組成物を3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE-8800(株式会社キーエンス製)で観察したところ、粉末油脂組成物の粒子の形状は板状形状であった。図15及び図16は、粉末油脂組成物の電子顕微鏡写真(1000倍)である。
〔比較油脂組成物の製造〕
(1)製造比較例1:x=16
1位~3位にパルミチン酸残基(炭素数16)を有するトリグリセリド(XXX型:89.7質量%、トリパルミチン、東京化成工業株式会社製)25gを80℃にて0.5時間維持して完全に融解し、25℃恒温槽にて4時間冷却したところ、完全に固化し(X線回折測定回折ピーク:4.1Å、ピーク強度比:0.10)、粉末状の油脂組成物には至らなかった。
(2)製造比較例2:x=16、18
1位~3位にパルミチン酸残基(炭素数16)を有するトリグリセリド(XXX型:69.9質量%、ハードパームステアリン、日清オイリオグループ株式会社製)12.5gと、1位~3位にステアリン酸残基(炭素数18)を有するトリグリセリド(XXX型:11.1質量%、パーム極度硬化油、横関油脂工業株式会社製)12.5gを混合し、原料油脂とした(XXX型:39.6質量%)。原料油脂を80℃にて0.5時間維持して完全に融解し、40℃恒温槽にて12時間冷却したところ、完全に固化し(X線回折測定回折ピーク:4.2Å、ピーク強度比:0.12)、粉末状の油脂組成物には至らなかった。
(3)製造比較例3:x=18
1位~3位にステアリン酸残基(炭素数18)を有するトリグリセリド(XXX型:79.1質量%、菜種極度硬化油、横関油脂工業株式会社製)25gを80℃にて0.5時間維持して完全に融解し、40℃恒温槽にて3時間冷却したところ、完全に固化し(X線回折測定回折ピーク:4.1Å、ピーク強度比:0.11)、粉末状の油脂組成物には至らなかった。
(4)製造比較例4:x=18
1位~3位にステアリン酸残基(炭素数18)を有するトリグリセリド(XXX型:66.7質量%、大豆極度硬化油、横関油脂工業株式会社製)12.5gと、別の1位~3位にステアリン酸残基(炭素数18)を有するトリグリセリド(XXX型:11.1質量%、パーム極度硬化油、横関油脂工業株式会社製)12.5gを混合し、原料油脂とした(XXX型:39.7質量%)。原料油脂を80℃にて0.5時間維持して完全に融解し、55℃恒温槽にて12時間冷却したところ、完全に固化し(X線回折測定回折ピーク:4.2Å、ピーク強度比:0.12)、粉末状の油脂組成物には至らなかった。
〔粉末油脂〕
以下の油ちょう試験では、比較として、市販の粉末油脂(理研ビタミン株式会社製:商品名「スプレーファットNR100」)を用いた。
この粉末油脂は、ビーズ状の球形粉末であり、平均粒径は86μmで、X線回折分析の結果、回折ピークは4.6、強度比は0.91であり、粒子のアスペクト比は1.07で、ゆるめ嵩密度は0.53g/cmであった。
なお、X線回折測定回折ピーク、及びピーク強度比から、この粉末油脂は、β型油脂を含むものであることがわかる。
得られた粉末油脂を顕微鏡で観察したところ、粉末油脂の粒子の形状は球状であった。粉末油脂の顕微鏡写真を、図5(100倍)、及び図6(300倍)に示す。
〔油ちょう試験1〕
(1)パン粉
油ちょう試験のパン粉には、市販の生パン粉〔イオン株式会社販売、商品名「トップバリュ 生パン粉」〕を使用した。生パン粉の顕微鏡写真を、図7(100倍)、及び図8(300倍)に示す。
(a)対照のパン粉
以下の比較例1の油ちょう具材には、市販の生パン粉をそのまま使用した。
(b)粉末油脂付着パン粉の製造
市販の生パン粉300g、及び市販の粉末油脂(理研ビタミン株式会社製:商品名「スプレーファットNR100」)15gを、ビニール袋に入れて混合することにより、粉末油脂付着パン粉を製造した。以下の比較例2の油ちょう具材には、この粉末油脂付着パン粉を使用した。粉末油脂付着パン粉の顕微鏡写真を、図9(100倍)、及び図10(300倍)に示す。
なお、粉末油脂付着パン粉中の粉末油脂は、生パン粉100質量部に対して5質量部である。
(c)粉末油脂組成物付着パン粉の製造
市販の生パン粉300g、及び製造例1の粉末油脂組成物15gを、ビニール袋に入れて混合することにより、粉末油脂組成物付着パン粉を製造した。以下の実施例1の油ちょう具材には、この粉末油脂組成物付着パン粉を使用した。粉末油脂組成物付着パン粉の顕微鏡写真を、図11(100倍)、及び図12(300倍)に示す。
なお、粉末油脂組成物付着パン粉中の粉末油脂組成物は、生パン粉100質量部に対して5質量部である。
(2)油ちょう具材(比較例1、2、実施例1)の製造
まず、市販の衣付き冷凍コロッケ((株)ニチレイフーズ販売、商品名「衣がサクサクのコロッケ70男爵」)を半解凍して衣を剥ぎ、再凍結することにより、冷凍の中種(大きさ:縦約8cm、横約5.5cm、厚さ約1.5cm、重さ:約45g/個)を製造した。
次に、冷凍の中種の表面に、打ち粉(日清フーズ(株)販売、商品名「日清打ち粉ミックス これで結着!」を付けた後、バッター液を付け、その後、パン粉として、先に説明をした市販の生パン粉を付けた後、急速凍結機(ホシザキ社製、装置名「HBC-12A3」)で冷凍し、比較例1の冷凍油ちょう具材を得た。
なお、バッター液には、バッター粉(日清フーズ(株)販売、商品名「日清パン粉が良くつく粉」を2倍加水して調製したものを使用した。
同じように、冷凍のなか種の表面に、打ち粉とバッター液を付け、その後、パン粉として、先に説明をした粉末油脂付着パン粉を付け、冷凍することにより、比較例2の冷凍油ちょう具材を得た。
同じように、冷凍のなか種の表面に、打ち粉とバッター液を付け、その後、パン粉として、先に説明をした粉末油脂組成物付着パン粉を付け、冷凍することにより、実施例1の冷凍油ちょう具材を得た。
得られたこれらの冷凍した油ちょう具材は、-20℃の冷凍庫に数日保管した。
(3)油ちょうによる油ちょう済食品(比較例3、4、実施例2)の製造
比較例1、2及び実施例1の冷凍油ちょう具材10個を、それぞれ180℃に加熱したキャノーラ油(日清オイリオグループ(株)販売、商品名「日清キャノーラ油」、使用した油の量1000g)で、4分30秒間油ちょうし、比較例3、4及び実施例2の油ちょう済食品を得た。
(4)油ちょう済食品の官能評価試験
得られた油ちょう済食品を、室温で3時間及び6時間保存後、並びに約75℃のホットケースで5時間保存後、官能評価試験を行った。
また、得られた油ちょう済食品を、急速凍結機(ホシザキ社製、装置名「HBC-12A3」)で冷凍し、そのまま-30℃で約5時間保管した。急速凍結機から冷凍した油ちょう済食品を取り出し、電子レンジで3分間加熱(500W)し、官能評価試験を行った。
官能評価試験は、社内分析試験方法の「風味および加熱試験」に定められた専門パネル選定試験(臭覚テスト及び味覚テスト)に合格した社内専門パネル6人が、表2に示す基準を用いて点数で評価をし、6人の評価点の平均点を官能評価点とした。
油ちょう済食品の官能評価試験の結果を表3に示す。
Figure 0007076905000002
Figure 0007076905000003
(5)油ちょう後の油の減少量確認試験(比較試験1、2、試験1)〕
比較例1の冷凍油ちょう具材2個を、180℃のキャノーラ油(1000g)で4分30秒油ちょう後、油ちょう済食品を取り出し、油中に分散している揚げカスを金網カス取り具で回収し、キッチンペーパーに載せて、油を切った。
この油ちょうと吸油したパン粉の回収の操作を計5回繰り返し、計10個の冷凍油ちょう具材を油ちょうした。
油切りをした揚げカスの量(質量)と、油ちょう後の油の減少量を調べた(比較試験例1)。
比較例2及び実施例1の冷凍油ちょう具材についても同様の試験を行い、それぞれ油切りをした揚げカスの量と、油ちょう後の油の減少量を調べた(比較試験例2、試験例1)。
これらの結果を表4に示す。
Figure 0007076905000004
表4の結果から、油ちょう具材に付けるパン粉に、本発明の粉末油脂組成物付着パン粉を使用して油ちょう済食品を製造すると、揚げカスの量が少なくなり、その結果、油ちょう後の油の減少量も少なくなることがわかった。
このことから、本発明の粉末油脂組成物付着パン粉を使用して油ちょう済食品を製造した場合、油ちょうに使用する油の量の減少を抑えることができ、それにより、油ちょう途中での足し油の量を少なくすることもできるので、結果的に、油ちょうに使用する油の使用量を少なくすることができることがわかる。
〔油ちょう試験2〕
(1)パン粉
油ちょう試験のパン粉には、市販の生パン粉〔イオン株式会社販売、商品名「トップバリュ 生パン粉」〕を使用した。
(a)対照のパン粉
以下の比較例5の油ちょう具材には、市販の生パン粉をそのまま使用した。
(b)粉末油脂組成物付着パン粉の製造
市販の生パン粉300g、及び製造例1の粉末油脂組成物15gを、ビニール袋に入れて混合することにより、粉末油脂組成物付着パン粉を製造した。以下の実施例3の油ちょう具材には、この粉末油脂組成物付着パン粉を使用した。
なお、粉末油脂組成物付着パン粉中の粉末油脂組成物は、生パン粉100質量部に対して5質量部である。
(2)油ちょう具材(比較例5、実施例3)の製造
まず、市販の冷凍エビ(大きさ:長さ約14~15cm、(株)ジェフダ販売、商品名「尾付のばし海老(ブラックタイガー)」)を流水で解凍した。次に、解凍したエビの表面に、打ち粉(日清フーズ(株)販売、商品名「日清打ち粉ミックス これで結着!」を付けた後、バッター液を付け、その後、パン粉として、先に説明をした市販の生パン粉を付け、比較例5の油ちょう具材を得た。
なお、バッターには、バッター粉(日清フーズ(株)販売、商品名「日清パン粉が良くつく粉」を、2倍加水して調製したものを使用した。
同じように、解凍した冷凍エビの表面に、打ち粉とバッターを付け、その後、パン粉として、先に説明をした粉末油脂組成物付着パン粉を付け、実施例3の油ちょう具材を得た。
(3)油ちょうによる油ちょう済食品(比較例6、実施例4)の製造
比較例5、及び実施例3の油ちょう具材5尾を、それぞれ180℃に加熱した植物油(日清オイリオグループ(株)販売、商品名「日清ヘルシーべジオイル」、使用した油の量1000g)で、2分30秒間油ちょうし、比較例6、及び実施例4の油ちょう済食品を得た。
(4)油ちょう済食品の外観観察、及び官能評価試験
得られた油ちょう済食品を、室温で5時間、及び20℃で1日保存後、その外観及び食感を調べた。結果を表5に示す。
Figure 0007076905000005
本発明の粉末油脂組成物付着パン粉、及びそれを用いた油ちょう済食品は、食品分野において広く使用することができる。

Claims (9)

  1. パン粉に、グリセリンの1位~3位に炭素数xの飽和の脂肪酸残基Xを有する1種以上のXXX型トリグリセリドを含む油脂成分を含有する粉末油脂組成物が付着した粉末油脂組成物付着パン粉であって、該炭素数xは18であり、該油脂成分がβ型油脂を含み、該粉末油脂組成物の粒子は板状形状であり、該粉末油脂組成物の平均粒径が50μm以下であり、該XXX型トリグリセリドの含量が、該油脂成分の全質量を100質量%とした場合、70質量%以上95質量%以下であることを特徴とする、粉末油脂組成物付着パン粉。
  2. 前記粉末油脂がβ型油脂からなる、請求項1に記載の粉末油脂組成物付着パン粉。
  3. 前記粉末油脂の粒子のアスペクト比が、2.5以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の粉末油脂組成物付着パン粉。
  4. 前記粉末油脂のゆるめ嵩密度が、0.05~0.4g/cm3であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の粉末油脂組成物付着パン粉。
  5. 前記粉末油脂組成物付着パン粉中の粉末油脂組成物の含量が、パン粉100質量部に対して、0.1~10質量部であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の粉末油脂組成物付着パン粉。
  6. 具材に、請求項1~5のいずれか1項に記載の粉末油脂組成物付着パン粉を付けた油ちょう用具材。
  7. 前記油ちょう用具材が、冷凍したものであることを特徴とする請求項に記載の油ちょう用具材。
  8. 請求項6又は7に記載の油ちょう用具材を、油ちょう処理した油ちょう済食品。
  9. 前記油ちょう済食品が、油ちょう処理後に冷凍したものであることを特徴とする請求項に記載の油ちょう済食品。
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