JP7336648B2 - リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法 - Google Patents
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Description
(ただし、Mは、Co、W、Mo、Mg、Ca、Al、Ti、Cr、及びTaから選択される少なくとも1種の元素であり、0.05≦a≦0.60、0≦b≦0.60、0.5≦(1-a-b)<0.70、0.90≦d≦1.20である。)
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法(以下、「正極活物質の製造方法」ともいう。)について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明は、製造方法の一例であって、製造方法を限定するものではない。
(上記一般式(1)中、Mは、Co、W、Mo、Mg、Ca、Al、Ti、Cr、及びTaから選択される少なくとも1種の元素であり、0.05≦a≦0.60、0≦b≦0.60、0.30≦(1-a-b)<0.70、0.90≦d≦1.20である。)
混合工程(S1)は、少なくともニッケル化合物とリチウム化合物と混合してリチウム混合物を得る工程である。以下、混合工程(S1)に用いられる各材料と、その混合方法について説明する。
混合工程(S1)で用いられるニッケル化合物は、ニッケルと、マンガンとを含む化合物であり、正極活物質として公知の化合物を用いることができる。ニッケル化合物は、例えば、主成分としてニッケルを、かつ副成分としてマンガン、上記一般式中のM(以下、「元素M」ともいう。)等を含有するニッケル水酸化物、そのニッケルマンガンオキシ水酸化物、及びそれらを焙焼して得られるニッケルマンガン酸化物からなる群から選ばれる。また、ニッケル化合物は、晶析法によりリチウム以外の金属元素である元素Mを固溶又は分散させたものが好ましい。なお、リチウムニッケルマンガン複合酸化物に含まれる元素Mについては、ニッケル化合物に含有されていなくてもよく、この場合は、混合工程(S1)において、リチウム化合物、及び、ニッケル化合物ともにM元素を含む化合物を混合してもよい。また、ニッケル化合物に元素Mを被覆したものを用いてもよい。
ニッケル水酸化物としては、特に限定されるものではなく、種々の条件による晶析法で得られるものが用いられるが、この中で、例えば、好ましくは40~60℃に加温した反応槽中に、主成分としてニッケルを、かつ副成分としてマンガン、及び、任意に元素Mから選ばれる少なくとも1種の元素を含む金属化合物の水溶液と、アンモニウムイオン供給体を含む水溶液とを滴下し、その際、反応溶液をアルカリ性に、好ましくはpHを10~14に保持するのに十分な量のアルカリ金属水酸化物の水溶液を所望に応じて適宜滴下して調製されたものが好ましい。すなわち、この方法により製造されたニッケル水酸化物は、高嵩密度の粉末であるので、リチウムイオン二次電池用の正極活物質に用いるリチウムニッケルマンガン複合酸化物の粉末の原料として好適である。
ニッケルオキシ水酸化物としては、特に限定されるものではなく、上記ニッケル水酸化物粒子に、次亜塩素酸ソーダ、過酸化水素水等の酸化剤をさらに添加して調製されたものが好ましい。すなわち、この方法により製造されたニッケルオキシ水酸化物は、高嵩密度であるので、リチウムイオン二次電池用の正極活物質に用いるリチウムニッケルマンガン複合酸化物の粉末の原料として好適である。
ニッケル酸化物としては、特に限定されるものではないが、上記したニッケル水酸化物またはニッケルオキシ水酸化物を焙焼して得られたものが好ましい。上記ニッケル水酸化物又はニッケルオキシ水酸化物の焙焼条件として、特に限定されるものではなく、好ましくは500℃以上1100℃以下、より好ましくは550℃以上1000℃以下、さらに好ましくは600℃以上700℃以下の温度で行なうことが望ましい。
リチウム化合物としては、特に限定されるものではなく、リチウムの水酸化物、オキシ水酸化物、酸化物、炭酸塩、硝酸塩及びハロゲン化物からなる群から選ばれる少なくとも1種が用いられる。
ニッケル化合物とリチウム化合物との混合方法は、特に限定されず、ニッケル化合物等の形骸が破壊されない程度で、それぞれの化合物が十分に混合されればよい。混合方法としては、例えば、一般的な混合機を使用して混合することができ、例えばシェーカーミキサーやレーディゲミキサー、ジュリアミキサー、Vブレンダーなどの乾式混合機又は混合造粒装置を用いて混合することができる。なお、リチウム混合物は、後述する焼成工程(S2)の前に十分混合しておくことが好ましい。混合が十分でない場合、正極活物質の個々の粒子間で、Li以外の金属元素Me(例えば、Ni+Mn+元素M)に対するリチウムのモル比(Li/Me比)がばらつき、十分な電池特性が得られない等の問題が生じることがある。
焼成工程(S2)は、少なくともニッケルと、マンガンとを含有するニッケル化合物と、リチウム化合物とを含む混合物を、酸素雰囲気下、最高温度が650℃以上1000℃以下の範囲で焼成して、リチウムニッケルマンガン複合酸化物の焼成粉末を調製する工程である。また、少なくともニッケルと、マンガンとを含有するニッケル化合物と、リチウム化合物とを含む混合物としては、混合工程(S1)により得られるリチウム混合物を用いることが好ましい。
水洗工程(S3)は、焼成粉末と、水とを混合してスラリーを形成し、撹拌する工程である。
乾燥工程(S4)は、上記スラリーをろ過して、固体粉末を分離し、大気雰囲気下で乾燥して、リチウムニッケルマンガン複合酸化物の粉末を調製する工程である。本実施形態に係る製造方法においては、乾燥工程(S4)を大気雰囲気で行うことにより、生産性高く容易に、溶出リチウム量が低減された正極活物質を得ることができる。
以下、上記製造方法により得られるリチウムイオン二次電池用正極活物質(以下、「正極活物質」とも略称する。)の特性について、説明する。
正極活物質は、下記の一般式(1)で表されるリチウムニッケルマンガン複合酸化物の粉末を含む。
(上記一般式(1)中、Mは、Co、W、Mo、Mg、Ca、Al、Ti、Cr、及びTaから選択される少なくとも1種の元素であり、0.05≦a≦0.60、0≦b≦0.60、0.30≦(1-a-b)<0.70、0.90≦d≦1.20である。)
(上記一般式(2)中、Mは、Co、W、Mo、Mg、Ca、Al、Ti、Cr、及びTaから選択される少なくとも1種の元素であり、0.05≦a≦0.45、0≦b≦0.30、0.30≦(1-a-b)≦0.65、0.95≦d≦1.20である。)
二次電池として使用されている正極活物質の表面に、炭酸リチウムが存在する状態で高温状態に保持されると、炭酸リチウムの分解によりガスが発生して、電池を膨張させるために安全性が低下することがある。したがって、正極活物質中の炭酸リチウム量を可能な限り低減させることが好ましい。
製造時の正極活物質の炭酸リチウム量を低減させるのみでは、二次電池内におけるガス発生の抑制効果が不十分となることがある。すなわち、リチウムニッケルマンガン複合酸化物の表面もしくは結晶の粒界には、通常、炭酸リチウムや硫酸リチウム、水酸化リチウムといった余剰の不純物が残留する。表面に残留する水酸化リチウムは、正極活物質が製造された後、二次電池に組み込まれるまでの間に、雰囲気中の炭酸ガスと反応して炭酸リチウムとなり、正極活物質表面の炭酸リチウムは正極活物質の製造直後より増加することがある。したがって、正極活物質の炭酸リチウム量に加えて、正極活物質の表面に存在する水酸化リチウムなどを含む、リチウム化合物全体の量を制御することで、高温時のガス発生をより効果的に抑制することができる。
正極活物質の比表面積は、乾燥工程(S4)後において、0.3m2/g以上1.5m2/g以下である。乾燥工程(S4)後の粉末の比表面積が1.5m2/gを超える場合、電解質との反応による発熱量が急激に大きくなり、熱安定性の低下を招くことがある。一方、乾燥工程(S4)後の比表面積が0.15m2/g未満であるが場合、発熱は抑えられるものの電池の容量及び出力特性が低下することがある。
正極活物質の水分率は、好ましくは0.15質量%以下、より好ましくは0.10質量%、さらに好ましくは0.05質量%である。すなわち、正極活物質の水分率が0.15質量%を超える場合、大気中の炭素、硫黄を含むガス成分を吸収して表面にリチウム化合物を生成する契機となり、高温時のガス発生の原因となることがある。なお、水分率の測定値は、カールフィッシャー水分計で測定されたものである。
本発明の正極活物質は、電池として用いられた場合、170mAh/g以上、より好ましくは180mAh/g以上の高容量が得られるとともに高出力であり、高温時のガス発生が抑制されて安全性も高く、リチウムイオン二次電池用として優れた正極活物質である。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池(以下、「二次電池」ともいう。)の製造方法は、正極、負極、及び電解質を備え、正極は、上記の正極活物質を含む。上記のリチウムニッケルマンガン複合酸化物の粉末を含む正極活物質を用いて、正極を作製し、これを組み込んでなるチリウムイオン二次電池は、高容量で、熱安定性に優れる。また、リチウムイオン二次電池は、特に、上記製造方法により得られたリチウムニッケルマンガン複合酸化物の粉末を正極活物質として用いることが好ましい。
二次電池の形状は、特に限定されず、コイン型電池、セパレータを介して捲回して得られる円筒形電池や角形電池、積層形電池など、種々の形状にすることができる。また、二次電池の構成は、特に限定されず、正極、負極、セパレータ、非水系電解質などで構成されてもよく、正極、負極、固体電解質などで構成されもよい。また、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、正極活物質自体の特性が向上するため、それを用いて得られる二次電池の性能は、二次電池の形状によらず、向上させることができる。以下、二次電池を構成する各構成について説明する。
以下、正極の作製方法について、一例を説明するが、正極の製造方法は、これに特に限定されるものではない。正極は、例えば、上記の正極活物質と結着剤(バインダー)とを含む正極合剤を、帯状の正極芯材(正極集電体)に担持させて作製される。なお、正極合剤には、他に、導電材などの添加剤を任意成分として含ませることができる。正極合剤を芯材に担持させるためには、正極合剤を液状成分に分散させてペーストを調製し、ペーストを芯材に塗工し、乾燥させることにより行なわれる。
まず、負極としては、リチウムを充放電することができるものが用いられ、例えば、負極活物質と結着剤を含み、任意成分として導電材や増粘剤を含む負極合剤を負極芯材に担持させたものを用いることができる。このような負極は、正極と同様の方法で作製することができる。
非水系電解質としては、例えば非水系電解液を用いることができる。非水系電解液は、支持塩としてのリチウム塩を有機溶媒に溶解したものである。また、非水系電解液として、イオン液体にリチウム塩が溶解したものを用いてもよい。なお、イオン液体とは、リチウムイオン以外のカチオンおよびアニオンから構成され、常温でも液体状の塩をいう。非水系電解液としては、リチウム塩を溶解した非水溶媒が好ましい。また、非水系電解液として、イオン液体にリチウム塩が溶解したものを用いてもよい。なお、イオン液体とは、リチウムイオン以外のカチオンおよびアニオンから構成され、常温でも液体状の塩をいう。
また、正極と負極との間には、セパレータが介在されてもよい。セパレータとしては、大きなイオン透過度と所定の機械的強度を持ち、かつ絶縁性である微多孔性薄膜が好ましい。この微多孔性薄膜としては、一定温度以上で孔を閉塞し、抵抗を上昇させる機能を持つものが好ましい。また、微多孔性薄膜の材質としては、耐有機溶剤性に優れ、疎水性を有するポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンが好ましく用いられる。また、ガラス繊維等から作製されたシート、不織布、織布等も用いられる。
なお、非水系電解液及びこれを保持するポリマー材料からなるポリマー電解質を、セパレータとして正極又は負極と一体化させて用いてもよい。このポリマー材料としては、非水系電解液を保持することができるものであればよいが、特にフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体が好ましい。
(2)正極活物質の表面に存在するリチウム量の測定: リチウムニッケルマンガン複合酸化物粉末10gに超純水を100mlまで添加し攪拌した後、1mol/リットルの塩酸で滴定し第二中和点まで測定した。塩酸で中和されたアルカリ分をリチウムニッケルマンガン複合酸化物粉末表面に存在するリチウムとして、滴定結果からリチウムニッケルマンガン複合酸化物に対するリチウムの質量比を求め、この値を表面に存在するリチウム量(全溶出Li量)とした。
(3)炭素含有量(T-C)の分析:高周波燃焼-赤外吸収法で行った。
(4)比表面積の測定:BET法で行った。
(5)水分率の測定:カールフィッシャー水分計(京都電子工業株式会社製 型式:MKC210)を用いて気化温度が300℃の条件で測定した。
以下に示す所定組成のニッケルコバルトマンガン水酸化物を調製する工程、所定組成の焼成粉末を調製する工程、及び得られた焼成粉末を水洗処理した後、乾燥する工程の一連の工程によって、リチウムニッケルマンガン複合酸化物からなる正極活物質を製造した。
まず、硫酸ニッケル六水和物(和光純薬製)、硫酸コバルト七水和物(和光純薬製)、及び硫酸マンガン(和光純薬製)を所望の比となるよう混合し、水溶液を調製した。この水溶液をアンモニア水(和光純薬製)および苛性ソーダ水溶液(和光純薬製)と同時に、50℃に保温された水をはった吐出口付攪拌反応槽中に滴下した。ここで、pHを11.5に保持し、滞留時間が11時間となるよう制御した反応晶析法により、1次粒子が凝集した球状ニッケルコバルトマンガン水酸化物粒子(組成:Ni0.55Co0.20Mn0.25(OH)2)を製造した。
得られたニッケルコバルトマンガン水酸化物粒子に、所望の組成になるようにリチウム(Li)原料として水酸化リチウム(無水物)を加え、小型混合器を用いて混合した。得られた混合物を、電気炉を用いて酸素濃度20%以上の雰囲気中で900℃で15時間、本焼成した。その後、室温まで炉内で冷却した後、解砕処理を行い一次粒子が凝集した球状焼成粉末を得た。
得られた焼成粉末に20℃の純水を加えて、1500g/Lのスラリー(水洗濃度)を15分間撹拌した後ろ過し、20℃の純水を掛け水した。取り出した粉末を120℃に加温した大気乾燥機を用いて24時間静置した。その後、得られたリチウムニッケルマンガン複合酸化物粉末の組成と全溶出Li量、水分率、炭素含有量(T-C)の分析及び比表面積を測定した結果を表1、2に示す。また、Cu-Kα線による粉末X線回折で分析したところ、六方晶系の層状構造であるリチウムニッケルマンガン複合酸化物単相であることが確認された。
実施例1の(2)で得られた焼成粉末に20℃の純水を加えて、1500g/Lのスラリーを5分間撹拌した後ろ過し、20℃の純水を掛け水したこと以外は、実施例1と同様に行い、リチウムニッケルマンガン複合酸化物粉末を製造した。
得られたリチウムニッケルマンガン複合酸化物粉末の組成と全溶出Li、水分率、炭素含有量(T-C)の分析及び比表面積を測定した結果を表1、2に示す。なお、得られたリチウムニッケルマンガン複合酸化物は、Cu-Kα線による粉末X線回折により、六方晶系の層状構造であるリチウムニッケルマンガン複合酸化物単相であることが確認された。
実施例1の(2)で得られた焼成粉末に20℃の純水を加えて、750g/Lのスラリーを15分間撹拌した後ろ過し、20℃の純水を掛け水したこと以外は実施例1と同様に行い、リチウムニッケルマンガン複合酸化物粉末を製造した。
得られたリチウムニッケルマンガン複合酸化物粉末の組成と全溶出Li、水分率、炭素含有量(T-C)の分析及び比表面積を測定した結果を表1、2に示す。なお、得られたリチウムニッケルマンガン複合酸化物は、Cu-Kα線による粉末X線回折により、六方晶系の層状構造であるリチウムニッケルマンガン複合酸化物単相であることが確認された。
実施例1の(2)で得られた焼成粉末に20℃の純水を加えて、1500g/Lのスラリーを15分間撹拌した後ろ過し、20℃の純水を掛け水し、取り出した粉末を170℃に加温した大気乾燥機を用いて24時間静置したこと以外は実施例1と同様に行い、リチウムニッケルマンガン複合酸化物粉末を製造した。
得られたリチウムニッケルマンガン複合酸化物粉末の組成と全溶出Li、水分率、炭素含有量(T-C)の分析及び比表面積を測定した結果を表1、2に示す。なお、得られたリチウムニッケルマンガン複合酸化物は、Cu-Kα線による粉末X線回折により、六方晶系の層状構造であるリチウムニッケルマンガン複合酸化物単相であることが確認された。
実施例3に記載の焼成粉末を水洗・乾燥する工程において、大気乾燥を行う時間を48h調整したこと以外は実施例1と同様に行い、リチウムニッケルマンガン複合酸化物を製造した。
実施例3に記載の焼成粉末を水洗・乾燥する工程において、大気乾燥を行う時間を3h調整したこと以外は実施例1と同様に行い、リチウムニッケルマンガン複合酸化物を製造した。
実施例1の(2)で得られた焼成粉末に20℃の純水を加えて、1500g/Lのスラリーを15分間撹拌した後ろ過し、20℃の純水を掛け水し、取り出した粉末を190℃に加温した真空乾燥機を用いて24時間静置したこと以外は実施例1と同様に行い、リチウムニッケルマンガン複合酸化物粉末を製造した。
実施例1の(2)で得られた焼成粉末に20℃の純水を加えて、1500g/Lのスラリーを5分間撹拌した後ろ過し、20℃の純水を掛け水し、取り出した粉末を190℃に加温した真空乾燥機を用いて24時間静置したこと以外は実施例1と同様に行い、リチウムニッケルマンガン複合酸化物粉末を製造した。
得られた粉末の組成と炭素含有量、表面リチウム量及び比表面積を測定した結果を表1、2に示す。なお、得られたリチウムニッケルマンガン複合酸化物は、Cu-Kα線による粉末X線回折により、六方晶系の層状構造であるリチウムニッケルマンガン複合酸化物単相であることが確認された。
実施例1の(2)で得られた焼成粉末に20℃の純水を加えて、750g/Lのスラリーを15分間撹拌した後ろ過し、20℃の純水を掛け水し、取り出した粉末を190℃に加温した真空乾燥機を用いて24時間静置したこと以外は実施例1と同様に行い、リチウムニッケルマンガン複合酸化物粉末を製造した。
得られたリチウムニッケルマンガン複合酸化物粉末の組成と全溶出Li、水分率、炭素含有量(T-C)の分析及び比表面積を測定した結果を表1、2に示す。なお、得られたリチウムニッケルマンガン複合酸化物は、Cu-Kα線による粉末X線回折により、六方晶系の層状構造であるリチウムニッケルマンガン複合酸化物単相であることが確認された。
実施例1の(2)で得られた焼成粉末に20℃の純水を加えて、750g/Lのスラリーを5分間撹拌した後ろ過し、20℃の純水を掛け水し、取り出した粉末を190℃に加温した真空乾燥機を用いて24時間静置したこと以外は実施例1と同様に行い、リチウムニッケルマンガン複合酸化物粉末を製造した。
実施例1の(2)で得られた焼成粉末において、水洗・乾燥工程を行わなかったこと以外は実施例1と同様に行い、リチウムニッケルマンガン複合酸化物粉末を製造した。
実施例1の(2)において、リチウム原料を水酸化リチウム一水和物(LiOH・H2O)とし、(3)において、水洗・乾燥工程を行わなかったこと以外は実施例1と同様に行い、リチウムニッケルマンガン複合酸化物粉末を製造した。
得られたリチウムニッケルマンガン複合酸化物粉末の組成と全溶出Li、水分率、炭素含有量(T-C)の分析及び比表面積を測定した結果を表1、2に示す。なお、得られたリチウムニッケルマンガン複合酸化物は、Cu-Kα線による粉末X線回折により、六方晶系の層状構造であるリチウムニッケルマンガン複合酸化物単相であることが確認された。
実施例1の(2)において、リチウム原料を炭酸リチウムとし、(3)において、水洗・乾燥工程を行わなかったこと以外は実施例1と同様に行い、リチウムニッケルマンガン複合酸化物粉末を製造した。
表1、2より、乾燥を大気雰囲気で行った実施例では、水洗・乾燥工程を行っていない比較例1~3に対して、得られた正極活物質の全溶出Li量及びT-Cが低かった。
Claims (6)
- 下記の一般式(1)で表されるリチウムニッケルマンガン複合酸化物の粉末を含むリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法であって、
少なくともニッケルと、マンガンとを含有するニッケル化合物と、リチウム化合物とを含む混合物を、酸素雰囲気下、最高温度が650℃以上1000℃以下の範囲で焼成して、リチウムニッケルマンガン複合酸化物の焼成粉末を調製する焼成工程と、
前記焼成粉末と、水とを混合してスラリーを形成し、撹拌する水洗工程と、
前記スラリーをろ過して固体粉末を分離し、大気雰囲気下で乾燥して、リチウムニッケルマンガン複合酸化物の粉末を調製する乾燥工程と、
を備え、
前記正極活物質の炭素含有量が、正極活物質全量に対して0.08質量%以下である、
リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
一般式:LidNi1-a-bMnaMbO2・・・(1)
(一般式(1)中、Mは、Co、W、Mo、Mg、Ca、Al、Ti、Cr、及びTaから選択される少なくとも1種の元素であり、0.05≦a≦0.60、0≦b≦0.60、0.5≦(1-a-b)<0.70、0.90≦d≦1.20である。) - 前記ニッケル化合物は、ニッケル水酸化物、そのオキシ水酸化物、及び、これらを焙焼して得られるニッケルマンガン酸化物から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記ニッケル水酸化物は、晶析法により得られる、請求項2に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記リチウム化合物は、リチウムの水酸化物、オキシ水酸化物、酸化物、炭酸塩、硝酸塩及びハロゲン化物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1~3のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記正極活物質を水に浸漬した際に溶出するリチウム量が、正極活物質全量に対して0.07質量%以下である、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
- 前記正極活物質の比表面積が0.3m2/g以上1.5m2/g以下である、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
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