JP7336036B2 - 光ファイバの検査方法、光ファイバの検査装置、及び光ファイバ巻きボビンの製造方法 - Google Patents

光ファイバの検査方法、光ファイバの検査装置、及び光ファイバ巻きボビンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光ファイバの検査方法、光ファイバの検査装置、及び光ファイバ巻きボビンの製造方法に関する。
従来、光ファイバとして光ファイバ裸線の外周面が被覆層によって被覆される光ファイバが知られている。また、一般的に光ファイバは検査をしたうえで出荷される。光ファイバの検査として、例えば、OTDR(Optical Time Domain Reflectometer)等を用いる光学特性検査と、被覆層の傷等の不良の検査が知られている。例えば、下記特許文献1には、被覆層の不良を検出する検査方法が記載されている。
下記特許文献1の検査方法では、光ファイバがボビンに多層巻きに巻回された巻回体に光を照射し、巻回体で反射する光の像の画像データを取り込み、この画像データに画像処理を施すことで、被覆層の気泡等の不良を検出する。
特許第6585056号
上記特許文献1の検査方法は、被覆層の気泡等の不良であって、光ファイバの長手方向に部分的に生じる被覆層の不良を検出するものである。しかし、被覆層の不良には、光ファイバの長手方向に連続的に生じるものもある。このような不良として、例えば、被覆層の外周面等の界面が光ファイバの長手方向に沿って波状に湾曲した面となることが挙げられ、このような不良を検出したいとの要望がある。
そこで、本発明は、光ファイバの長手方向に連続的に生じる不良を検出し得る光ファイバの検査方法、光ファイバの検査装置、及び光ファイバ巻きボビンの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的の達成のため、本発明は、光ファイバ裸線及び前記光ファイバ裸線の外周面を被覆する光透過性の被覆層からなる光ファイバの検査方法であって、前記光ファイバがボビンに多層巻きに巻回された巻回体の外周面に指向性を有する照明光を照射する照射ステップと、前記巻回体で反射する前記照明光を受光して当該照明光の像の少なくとも一部を含む画像データを生成する画像データ生成ステップと、前記画像データに基づいて前記像に前記光ファイバの巻回方向に沿って前記照明光の状態が繰り返し変化する縞模様があるか否かを判断する検査ステップと、を備えることを特徴とするものである。
また、上記目的の達成のため、本発明の光ファイバの検査装置は、光ファイバ裸線及び前記光ファイバ裸線の外周面を被覆する光透過性の被覆層からなる光ファイバがボビンに多層巻きに巻回された巻回体の外周面に指向性を有する照明光を照射する照明部と、前記巻回体で反射する前記照明光を受光して当該照明光の像の少なくとも一部を含む画像データを生成する画像データ生成部と、前記画像データに基づいて前記像に前記光ファイバの巻回方向に沿って前記照明光の状態が繰り返し変化する縞模様があるか否かを判断する検査部と、を備えることを特徴とするものである。
この検査方法及び検査装置では、巻回体の外周面に指向性を有する照明光を照射し、巻回体で反射する照明光の像の少なくとも一部を含む画像データを生成する。本発明者は、被覆層における界面が光ファイバの長手方向に沿って波状に湾曲した面である場合、上記のようにして生成される画像データにおける照明光の像に、色や強度といった照明光の状態が光ファイバの巻回方向に沿って繰り返し変化する縞模様が生じ得ることを見出した。この理由は定かではないが、以下のように考えられる。巻回体の外周面は、光ファイバにおける巻回体の最外層に位置する最外部分の被覆層の外周面であり、この被覆層における外側の界面である。光ファイバのこの部分の被覆層の界面で反射する照明光のうち、凹部で反射する光とこの凹部に隣接する凸部で反射する光とでは、伝搬する経路長が異なる。波長の整数倍がこの経路長の差となる特定光が照明光に含まれる場合には、凹部で反射した特定光と凸部で反射した特定光が互いに強度を強め合うように干渉し合う。この経路長の差は凹凸の高さに応じて変化するものであり、一般的に光ファイバの長手方向においてこの凹凸の高さは一定ではない。また、巻回体における光ファイバの巻回方向は光ファイバにおける巻回された部位の長手方向と同じである。このため、上記の干渉が光ファイバの巻回方向において断続的に生じて、反射した照明光の像に、色や強度といった当該照明光の状態が光ファイバの巻回方向に沿って繰り返し変化する縞模様が形成されると考えられる。
また、この検査方法及び検査装置では、被覆層は透光性を有するため、照明光は、光ファイバにおける巻回体の最外層より内側に位置する内側部分にも入射する。このため、この内側部分の被覆層における界面においても、上記の最外部分と同様に照明光の反射が生じて、この反射した照明光の像に縞模様が形成されると考えられる。この内側部分で反射した照明光と上記の最外部分で反射した照明光とが互い重なり合い、これら照明光全体の像に、色や強度といった照明光の状態が繰り返し光ファイバの巻回方向に沿って変化する縞模様が形成されると考えられる。また、照明光は光ファイバにおける上記の最外部分と内側部分とで反射するため、光ファイバが単層巻きとされる場合と比べて巻回体で反射する照明光の光量が多い。このため、この検査方法及び検査装置では、照明光全体の像を含む画像データにおいて上記の縞模様が認識できるように映し出され得ると考えられる。この検査方法及び検査装置では、画像データに基づいてこの縞模様の有無を判断する。このため、この検査方法及び検査装置によれば、光ファイバの長手方向に連続的に生じる不良であって被覆層の界面が波状に湾曲した面であることを検出し得る。
また、上記の検査方法では、前記照射ステップにおいて前記巻回体に前記照明光を照射する方向と前記画像データ生成ステップにおいて前記巻回体で反射する前記照明光を受光する方向とのなす角度が30°以下であることとしてもよい。
また、上記の検査方法では、前記照明光の波長帯域は、前記照射ステップにおいて前記巻回体に前記照明光を照射する方向と前記画像データ生成ステップにおいて前記巻回体で反射する前記照明光を受光する方向とのなす角度をφ(°)とする場合に、下記式(1)及び(2)で示される所定波長帯域WB(nm)において200nm以上の幅を有する特定波長帯域を含むこととしてもよい。
Figure 0007336036000001
Figure 0007336036000002
本発明者は、このような構成にすることで、被覆層の界面が高さが0.1μm以上1.0μm以下の凹凸を含む波状の面である場合に、画像データにおける照明光の像に縞模様が生じ得ることを見出した。このため、この検査方法によれば、被覆層の界面がこのような波状の面であることを検出し得る。
この場合、前記特定波長帯域は、前記所定波長帯域WBにおいて300nm以上の幅を有することとしてもよい。
本発明者は、このような構成にすることで、被覆層の界面が高さが0.1μm以上1.0μm以下の凹凸を含む波状の面である場合に、画像データにおける照明光の像に縞模様がより生じ得ることを見出した。このため、この検査方法によれば、被覆層の界面がこのような波状の面であるか否かをより適切に検査し得る。
上記の検査方法では、前記被覆層は、多層構造であることとしてもよい。
このような構成にすることで、巻回体に照射する照明光は、被覆層を構成する複数の層間の界面で反射し得る。このため、この層間の界面が光ファイバの長手方向に沿って波状に湾曲した面である場合、この凹凸に起因する縞模様が巻回体で反射する照明光の像に含まれるようにし得る。従って、この検査方法によれば、被覆層を構成する複数の層における界面が波状に湾曲した面であることを検出し得る。
また、本発明の光ファイバ巻きボビンの製造方法は、光ファイバ裸線及び前記光ファイバ裸線の外周面を被覆する光透過性の被覆層からなる光ファイバをボビンに多層巻きに巻回する巻回工程と、上記の光ファイバの検査方法によって前記ボビンに巻回された前記光ファイバを検査する検査工程と、を備えることを特徴とするものである。
以上のように、本発明によれば、光ファイバの長手方向に連続的に生じる不良を検査し得る光ファイバの検査方法、光ファイバの検査装置、及び光ファイバ巻きボビンの製造方法が提供される。
本発明の実施形態に係る光ファイバの検査方法によって検査される光ファイバがボビンに巻回された巻回体を概略的に示す図である。 図1に示す光ファイバの長手方向に垂直な断面の様子を示す図である。 本実施形態における検査装置を概略的に示す図である。 光ファイバ巻きボビン及び照明部を図3と異なる方向から見る図である。 本実施形態に係る光ファイバの検査方法の手順を示すフローチャートである。 巻回体で反射する照明光の像の一部を含む画像の一例を模式的に示す図である。 巻回体における照明光の反射の様子を模式的に示す断面図である。 本実施形態に係る光ファイバ巻きボビンの製造方法の工程を示すフローチャートである。 光ファイバ巻きボビンの製造の様子を示す図である。 照明光の波長と被覆層の界面の凹凸の高さとの関係を示す図である。
以下、本発明に係る光ファイバの検査方法、光ファイバの検査装置、光ファイバ巻きボビンの製造方法を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明する。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができる。なお、以下で参照する図面では、理解を容易にするために、各部材の寸法を変えて示す場合がある。
図1は、本実施形態に係る光ファイバの検査方法によって検査される光ファイバがボビンに巻回された巻回体を概略的に示す図であり、ボビンと当該ボビンに巻回された光ファイバとから成る光ファイバ巻きボビンを概略的に示す図である。図1に示すように、本実施形態のボビン20は、円筒状のシャフト21と、第1フランジ22と、第2フランジ23と、リブ24とを有する。第2フランジ23はシャフト21の一端部に設けられ、リブ24はシャフト21の他端部に設けられ、第1フランジ22は第2フランジ23とリブ24との間に設けられる。
シャフト21における第1フランジ22と第2フランジ23との間には、光ファイバ1の長手方向における一方側が多層巻きに巻回される。また、光ファイバ1の長手方向における他方側は、第1フランジ22に設けられる図示しない切り欠きを介してシャフト21における第1フランジ22とリブ24との間に導出され、この部位に多層巻きに巻回される。このようにボビン20に光ファイバ1が多層巻きに巻回されることで巻回体30が形成され、ボビン20と光ファイバ1とから光ファイバ巻きボビン70が構成される。なお、シャフト21における中心軸21aに沿った断面では、光ファイバ1は中心軸21aと平行な方向及び中心軸21aと垂直な方向に並ぶ。
なお、巻回体30は、光ファイバ1がボビン20に多層巻きに巻回される構成であればよく、特に制限されない。例えば、巻回体30は、シャフト21における第1フランジ22と第2フランジ23との間のみに光ファイバ1が多層巻きに巻回される構成であってもよい。この場合、シャフト21にはリブ24が形成されなくてもよく、第1フランジ22は、シャフト21における第2フランジ23側と反対側の端部に位置していてもよい。
図2は、図1に示す光ファイバ1の長手方向に垂直な断面の様子を示す図である。図2に示すように、光ファイバ1は、光ファイバ裸線1N、及び光ファイバ裸線1Nの外周面を被覆する被覆層12からなる。本実施形態の光ファイバ裸線1Nは、コア10、及びコア10の外周面を囲うクラッド11からなる。光ファイバ1の長手方向と垂直な断面でのコア10の外形は円形とされ、当該コア10はクラッド11の中心に配置されている。なお、この断面でのクラッド11の外形は楕円形や多角形等の非円形とされもよく、光ファイバ裸線1Nは、複数のコア10を有していてもよい。
コア10の屈折率はクラッド11の屈折率よりも高くされる。本実施形態では、コア10はゲルマニウム(Ge)等の屈折率が高くなるドーパントが添加されたシリカガラスからなり、クラッド11は何ら添加物の無いシリカガラスからなる。なお、コア10は屈折率が高くなるドーパントが添加されたシリカガラスからなり、クラッド11はフッ素(F)等の屈折率が低くなるドーパントが添加されたシリカガラスからなっていてもよい。また、コア10は何ら添加物の無いシリカガラスからなり、クラッド11は屈折率が低くなるドーパントが添加されたシリカガラスからなっていてもよい。
被覆層12は、少なくとも後述する照明光を透過する光透過性を有する樹脂からなる。被覆層12を構成する樹脂として、例えば熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂が挙げられる。本実施形態では、被覆層12は、着色顔料を有さず、クラッド11の外周面を被覆する内側層12aと、内側層12aの外周面を被覆する外側層12bとからなる2層構造とされる。なお、被覆層12における層の数は、特に限定されるものではなく、被覆層12は3つ以上の樹脂の層からなる多層構造であってもよく、クラッド11の外周面を被覆する1つの樹脂の層からなる単層構造とされてもよい。
次に、本実施形態における光ファイバ1の検査装置について説明する。
図3は、本実施形態における検査装置を概略的に示す図であり、ボビン20のシャフト21の中心軸21aと平行な方向から見る図である。図3に示すように、検査装置40は、照明部50と、画像データ生成部55と、検査部60と、表示部65と、制御部COと、を主な構成として備える。光ファイバ巻きボビン70は、載置面35に第1フランジ22及び第2フランジ23の外縁が当接するように当該載置面35に載置され、検査装置40は、巻回体30を構成する光ファイバ1の被覆層12の不良を検出する。
制御部COは、例えば、マイクロコントローラ、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large-scale Integrated Circuit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの集積回路やNC(Numerical Control)装置を用いることができる。また、制御部COは、NC装置を用いた場合、機械学習器を用いたものであってもよく、機械学習器を用いないものであってもよい。以下に説明するように、検査装置40の幾つかの構成が制御部COによって制御される。
照明部50は、巻回体30の外周面30sに指向性を有する照明光Lを照射するように構成される。図4は、光ファイバ巻きボビン70及び照明部50を図3と異なる方向から見る図であり、シャフト21の中心軸21aと垂直かつ水平方向と平行な方向から見る図である。図3、図4に示すように、本実施形態では、照明部50は、中心軸21aと平行な方向に並べられた複数の光源51を備えるバー照明とされる。照明部50は、巻回体30を上方から見る場合にそれぞれの光源51の光軸51aと巻回体30の外周面30sとの交点が中心軸21a上または中心軸21aの近傍に位置するように、巻回体30の上方に配置される。なお、上記の交点における外周面30sの接線と光軸51aとのなす角は30°以下であることが好ましい。また、図4では、光軸51aの記載が省略されている。照明部50は、制御部COからの制御信号により、それぞれの光源51から照明光Lを出射し、この照明光Lを巻回体30の外周面30sに照射する。本実施形態では、外周面30sにおける照明光Lが照射される領域は、中心軸21aと概ね平行で光ファイバ1の巻回方向と概ね垂直な方向に延びるライン状となり、外周面30sにおける上方側の領域を横切っている。このように巻回体30に照射される照明光Lの一部は巻回体30で反射する。
なお、指向性を有する光は、例えば、指向角が±40°以下の光源から出射する光における当該指向角内の光であり、指向角は、半値角や半減角と言われることがある。また、光源51の光軸51aは、光源51から出射する光のうち強度が最も強い光の出射方向と平行で当該光が出射する部位を通る直線である。本実施形態の光源51は、LEDとされ、白色の指向性を有する照明光Lを出射するが、照明光Lの色は特に制限されない。
なお、照明部50は、巻回体30の外周面30sに指向性を有する照明光Lを照射すればよく、照明部50の構成、照明光Lの波長帯域の範囲、光源51の種類は特に制限されない。例えば、照明部50は、光源51に対応するコリメートレンズを更に備え、光源51から出射する光をコリメートレンズでコリメートしてもよい。また、照明部50は、スリットが形成され光源51を覆う遮光板を更に備えていてもよい。この場合、スリットは、光源51から出射する光の一部が通過するとともに通過した光が上記の指向角となるような形状とされる。
画像データ生成部55は、複数の受光素子が配列される図示しない撮像素子を有し、光を取り込む入射面55sから入射して撮像素子の受光面に映し出される光の像の画像データを生成するように構成される。この画像データは、それぞれの受光素子で受光される光の強度や色等を示す複数の画素データから構成され、撮像素子の受光面に入射する光の強度や色等の分布を示す情報である。このような画像データ生成部55として、例えば、撮像素子としてCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサを備えるカメラが挙げられる。画像データ生成部55は、巻回体30で反射する照明光Lが撮像素子の受光面に入射して当該受光面に照明光Lの像が映し出されるように配置される。本実施形態では、画像データ生成部55は、二次元の画像データを生成するように構成され、巻回体30の上方に配置される。入射面55sの中心を通り当該入射面55sに垂直な直線55aは、巻回体30の外周面30sにおける照明光Lが照射される領域を通る。この領域と直線55aとの交点は第1フランジ22と第2フランジ23との間に位置している。このため、上記の受光面には、巻回体30のうち第1フランジ22と第2フランジ23との間で反射する照明光Lの像の少なくとも一部が映し出される。また、中心軸21aに沿って見る場合における直線55aと光源51の光軸51aとのなす角度は、30°以下である。このため、照明部50が巻回体30に照明光Lを照射する方向と画像データ生成部55が巻回体30で反射する照明光Lを受光する方向とのなす角度が30°以下であると理解できる。
なお、画像データ生成部55は、巻回体30で反射する照明光Lの像の少なくとも一部を含む画像データを生成できればよく、画像データ生成部55の構成、配置、向きは特に制限されるものではない。例えば、画像データ生成部55は、巻回体30で反射する照明光Lの像の全体を含む画像データを生成できるように構成されてもよい。また、照明部50が巻回体30に照明光Lを照射する方向と画像データ生成部55が巻回体30で反射する照明光Lを受光する方向とのなす角度が30°より大きくてもよい。
本実施形態の検査部60は、画像データ生成部55から入力される画像データに基づいて、光ファイバ1の被覆層12の不良の有無を判断し、当該判断に応じた電気信号を制御部COに出力する。本実施形態の検査部60は、機械学習によって予め構築される学習モデルを用いてこの判断を行うが、当該判断については後述する。このような検査部60の構成として、例えば、制御部COと同様の構成が挙げられる。
表示部65は、検査部60による不良の有無の判断に基づく検査結果を表示する。表示部65として、例えば液晶ディスプレイが挙げられる。
次に、本実施形態の光ファイバ1の検査方法について説明する。
図5は、本実施形態に係る光ファイバ1の検査方法の手順を示すフローチャートである。図5に示すように、本実施形態の光ファイバ1の検査方法は、照射ステップS1と、画像データ生成ステップS2と、検査ステップS3と、を備える。
<照射ステップS1>
本ステップは、巻回体30の外周面30sに指向性を有する照明光Lを照射するステップである。本実施形態では、照明部50は、制御部COからの制御信号により、光源51から照明光Lを出射し、当該照明光Lを巻回体30の外周面30sに照射する。この照明光Lの一部は、巻回体30で反射する。
<画像データ生成ステップS2>
本ステップは、巻回体30で反射する照明光Lを受光して当該照明光Lの像の少なくとも一部を含む画像データを生成するステップである。本実施形態では、上記のように、画像データ生成部55は、巻回体30で反射する照明光Lの像の少なくとも一部が撮像素子の受光面に映し出されるように配置されている。この画像データ生成部55は、制御部COからの信号により、巻回体30で反射する照明光Lの像の少なくとも一部を含む画像データを生成し、当該画像データを検査部60に出力する。
本発明者は、光ファイバ1の被覆層12における界面が光ファイバ1の長手方向に沿って波状に湾曲した面である場合、上記のようにして生成される画像データにおける照明光の像に光ファイバ1の巻回方向に沿って照明光の状態が繰り返し変化する縞模様が生じ得ることを見出した。
図6は、巻回体30で反射する照明光Lの像の一部を含む画像の一例を模式的に示す図であり、この像に縞模様が生じた画像を示す図である。この画像は、画像データ生成部55によって生成される画像データに基づく画像であり、図6において、光ファイバ1の巻回方向は上下方向と概ね平行である。図6に示される照明光Lの像IMのうち、領域AR1は光の強度が最も高い領域であり、領域AR2は領域AR1より光の強度が低い領域である。これら領域AR1,AR2の色は概ね白色である。領域AR1は光ファイバ1の巻き方向において領域AR2に挟まれている。この領域AR2内には、複数の縞模様SPが形成されている。これら縞模様SPは、光ファイバ1の巻回方向に沿って色や強度といった照明光Lの状態が繰り返し変化する縞模様である。
上記の縞模様SPが映し出される理由は定かではないが、以下のように考えられる。図7は、巻回体30における照明光Lの反射の様子を模式的に示す断面図であり、巻回体30の外周面30sの近傍を拡大して示す断面図であり、光ファイバ1の巻回方向に沿った断面図である。巻回体30の外周面30sは、光ファイバ1における巻回体30の最外層に位置する最外部分の被覆層12の外周面12sであり、この外周面12sは被覆層12における外側の界面である。図7に示すように、この最外部分の外周面12sで反射する照明光Lのうち、凹部12scで反射する光Lcとこの凹部12scに隣接する凸部12ssで反射する光Lsとでは、伝搬する経路長が異なる。これら光Lc,Lsの入射角と反射角と足し合わせた角度をφ(°)、凹凸の高さをd(μm)とすると、これら光Lc,Lsの経路長の差は、概ね2d・sin((180°-φ)/2)となる。なお、画像データ生成部55は巻回体30で反射する照明光Lを受光するため、上記の角度φは、照明部50が巻回体30に照明光Lを照射する方向と画像データ生成部55が巻回体30で反射する照明光Lを受光する方向とのなす角度と理解できる。光Lc,Lsの波長をλ(nm)とすると、上記の経路長の差が下記式(3)の関係となる場合、これら光Lc,Ls光が互いに強度を強め合うように干渉し合う。なお、nは自然数である。
Figure 0007336036000003
つまり、経路長の差が光Lc,Lsの波長の整数倍である場合、換言すれば照明光Lがこのような波長の光Lc,Ls光を含む場合には、これら光Lc,Ls光が互いに強度を強め合うように干渉し合う。
この経路長の差は凹凸の高さdに応じて変化するものであり、一般的に光ファイバの長手方向においてこの凹凸の高さdは一定ではない。また、巻回体30における光ファイバ1の巻回方向は光ファイバ1における巻回された部位の長手方向と同じである。このため、上記の干渉が光ファイバ1の巻回方向において断続的に生じて、反射した照明光Lの像に、色や強度といった当該照明光Lの状態が光ファイバの巻回方向に沿って繰り返し変化する縞模様が形成されると考えられる。
また、本実施形態では、被覆層12は透光性を有するため、照明光Lは、光ファイバ1における巻回体30の最外層に位置する最外部分より内側に位置する内側部分にも入射する。このため、この内側部分の被覆層12の界面である外周面12sにおいても、上記の最外部分と同様に照明光Lの反射が生じて、この反射した照明光Lの像に縞模様が形成されると考えられる。この内側部分で反射した照明光Lと上記の最外部分で反射した照明光Lとが互い重なり合い、これら照明光L全体の像に、色や強度といった照明光Lの状態が繰り返し光ファイバの巻回方向に沿って変化する縞模様が形成されると考えられる。また、照明光Lは光ファイバ1における上記の最外部分と内側部分とで反射するため、光ファイバ1が単層巻きとされる場合と比べて巻回体30で反射する照明光Lの光量が多い。このため、本実施形態では、照明光L全体の像を含む画像データにおいて上記の縞模様が認識できるように映し出され得ると考えられる。
ここで、上記式(3)によれば、光Lc,Lsの波長に応じて、このような干渉が生じる凹凸の高さdが異なることが分かる。上記のように、一般的に光ファイバの長手方向においてこの凹凸の高さdは一定ではなく、本実施形態では、巻回体30に照射される照明光Lは白色である。このため、例えば、青色の光による縞模様や赤色の光による縞模様が画像データに映し出され得る。このため、光ファイバ1の巻回方向に沿って繰り返し色が変化する縞模様が画像データに映し出され得る。なお、例えば照明光Lが青色の場合には、青色の光の強度が光ファイバ1の巻回方向に沿って繰り返し増加及び減少するように変化する縞模様が画像データに映し出され得る。
<検査ステップS3>
本ステップは、画像データ生成ステップS2で生成された画像データに基づいて、巻回体30で反射する照明光Lの像IMに光ファイバ1の巻回方向に沿って照明光Lの状態が繰り返し変化する縞模様SPがあるか否かを判断するステップである。本実施形態では、検査部60は、機械学習によって予め構築される学習モデルを用いてこの縞模様SPの有無を判断する。本実施形態の学習モデルは、上記の画像データ生成ステップS2と同様にして生成される複数の画像データであって、被覆層12の外周面12sが波状に湾曲した面であることに起因する縞模様SPが映し出された複数の学習用画像データによって構築される。このため、この学習モデルを構築する機械学習は教師あり学習である。検査部60は、画像データ生成ステップS2で生成された画像データにおける照明光Lの像IMに縞模様SPがあると判断する場合、被覆層12に不良があることを示す信号を制御部COに出力する。一方、検査部60は、縞模様SPがないと判断する場合、被覆層12に不良がないことを示す信号を制御部COに出力する。
なお、学習用画像データは、特に制限されるものではない。学習用画像データは、例えば、被覆層12の外周面が不良となるような波状に湾曲した面ではない光ファイバ1による巻回体30を用いて生成された画像データであって、照明光Lの像IMに縞模様SPが含まれない複数の良品画像データを更に含んでいてもよい。また、学習用画像データを適宜変更することで、検査部60による縞模様SPの有無の判断基準を調節することができ、例えば、縞模様SPにおける光の強度の変化量が所定量以上の場合に縞模様SPがあると検査部60が判断するようにできる。
制御部COは、検査部60から入力する信号に応じた制御信号を表示部65に出力し、当該表示部65に検査結果を表示させる。このようにして、光ファイバ1の被覆層12の不良であって、被覆層12の界面である外周面12sが光ファイバ1の長手方向に沿って波状に湾曲した面となっているか否かを検査する。
次に、本実施形態における光ファイバ巻きボビンの製造方法について説明する。
図8は、本実施形態に係る光ファイバ巻きボビンの製造方法の工程を示すフローチャートであり、図9は光ファイバ巻きボビンの製造の様子を示す図である。図8に示すように、本実施形態の光ファイバ巻きボビンの製造方法は、光ファイバ製造工程P1と、巻回工程P2と、検査工程P3と、を備える。
<光ファイバ製造工程P1>
本工程の準備段階として、まず、コア10となるロッド状のコアガラス体とロッド状のコアガラス体の外周面を囲いクラッド11となるクラッドガラス体とから成る概ね円柱状の光ファイバ用母材1Pを準備する。そして、図9に示すように、この光ファイバ用母材1Pを紡糸炉110設置し、紡糸炉110の加熱部111を発熱させてこの光ファイバ用母材1Pを加熱する。このとき、光ファイバ用母材1Pの下端部は溶融状態となり、当該下端部からガラス線が引き出される。この線引きされたガラス線は、紡糸炉110から出ると、すぐに固化して、コアガラス体がコア10となり、クラッドガラス体がクラッド11となり、コア10とクラッド11とから構成される光ファイバ裸線1Nとなる。このようにして、光ファイバ用母材1Pから線引きされる光ファイバ裸線1Nは、冷却装置120を通過して、適切な温度まで冷却される。
次に、第1塗布部131によってこの光ファイバ裸線1Nの外周面に被覆層12の内側層12aとなる樹脂を塗布し、第1硬化部132によって当該樹脂を硬化することで、クラッド11の外周面を被覆する内側層12aを形成する。また、第2塗布部133によって内側層12aの外周面に被覆層12の外側層12bとなる樹脂を塗布し、第2硬化部134によって当該樹脂を硬化することで、内側層12aの外周面を被覆する外側層12bを形成する。その結果、光ファイバ裸線1Nは図2に示す光ファイバ1となる。なお、第1硬化部132及び第2硬化部134は、例えば、硬化させる樹脂が硬化性樹脂の場合には当該樹脂に紫外線を照射する構成とされ、硬化させる樹脂が熱硬化性樹脂の場合には当該樹脂に熱を加える構成とされる。
<巻回工程P2>
本工程は、光ファイバをボビンに多層巻きに巻回する工程である。図9に示すように、本実施形態では、ターンプーリー140により光ファイバ1の方向を変換し、巻き取り部150によってボビン20を中心軸21a周りに回転することで、光ファイバ1をボビン20に巻き取り、当該光ファイバ1をボビン20に多層巻きに巻回する。このようにして光ファイバ1をボビン20に多層巻きに巻回することで、巻回体30が形成され、ボビン20と当該ボビン20に巻回された光ファイバ1とから成る光ファイバ巻きボビン70が得られる。
<検査工程P3>
本工程は、前述の光ファイバの検査方法によってボビン20に巻回された光ファイバ1を検査する検査工程である。図9に示すように、本実施形態では、前述の検査装置40の照明部50及び画像データ生成部55がボビン20の上方に配置されており、当該検査装置40によって、巻回工程P2中に光ファイバ1を検査する。本実施形態では、照明部50は巻回工程P2中に巻回体30の外周面30sに照明光Lを連続して照射し、画像データ生成部55は、巻回工程P2中に所定の時間間隔で照明光Lの像IMの少なくとも一部を含む画像データを生成する。また、検査部60は、画像データ生成部55によって生成されるそれぞれの画像データに基づいて、像IMに縞模様SPがあるか否かを判断し、当該判断に基づく検査結果が表示部65に表示される。こうして、検査された光ファイバ巻きボビン70が製造される。
以上説明したように、本実施形態の光ファイバ1の検査方法は、照射ステップS1と、画像データ生成ステップS2と、検査ステップS3と、を備える。光ファイバ1は、光ファイバ裸線1Nと光ファイバ裸線1Nの外周面を被覆する光透過性の被覆層12からなる。照射ステップS1では、光ファイバ1がボビン20に多層巻きに巻回された巻回体30の外周面30sに指向性を有する照明光Lを照射する。画像データ生成ステップS2では、巻回体30で反射する照明光Lを受光して当該照明光Lの像IMの少なくとも一部を含む画像データを生成する。検査ステップS3では、この画像データに基づいて像IMに光ファイバ1の巻回方向に沿って照明光Lの状態が繰り返し変化する縞模様SPがあるか否かを判断する。
また、本実施形態の光ファイバ1の検査装置40は、照明部50と、画像データ生成部55と、検査部60と、を備える。照明部50は、光ファイバ裸線1Nと光ファイバ裸線1Nの外周面を被覆する光透過性の被覆層12からなる光ファイバ1がボビン20に多層巻きに巻回された巻回体30の外周面30sに指向性を有する照明光Lを照射する。画像データ生成部55は、巻回体30で反射する照明光Lを受光して当該照明光Lの像IMの少なくとも一部を含む画像データを生成する。検査部60は、この画像データに基づいて像IMに光ファイバ1の巻回方向に沿って照明光Lの状態が繰り返し変化する縞模様SPがあるか否かを判断する。
前述のように本発明者は、被覆層12の界面が光ファイバ1の長手方向に沿って波状に湾曲した面である場合、上記のようにして生成される画像データにおける照明光Lの像IMに光ファイバ1の巻回方向に沿って照明光Lの状態が繰り返し変化する縞模様SPが生じ得ることを見出した。そして、本実施形態の検査方法及び検査装置40では、画像データにおけるこの縞模様SPの有無を判断する。従って、本実施形態の検査方法及び検査装置40によれば、光ファイバ1の長手方向に連続的に生じる不良であって被覆層12の界面である外周面12sが波状に湾曲した面であることを検出し得る。
ここで、図10は、照明光Lの波長と被覆層12の界面の凹凸の高さdとの関係を示す図であり、上記式(3)を満たすこれらの関係を示す図である。なお、図10には、nが1,2,3である場合のそれぞれにおいて、角度φが10°,20°,30°であるときの上記式(3)を満たす波長λと凹凸の高さdとの関係が示されている。上記式(3)において、n=1,d=0.1(μm),φ=30(°)の場合のλは概ね193nmであり、n=3,d=1.0(μm),φ=30(°)の場合のλは概ね644nmである。なお、図10には、λ=193nm,644nmを示す破線も記載されている。図10から、例えば、照明光Lの波長帯域が所定波長帯域である193nm~644nmを含み、φ=30(°)のとき、被覆層12の界面である外周面12sが高さが0.1μm以上1.0μm以下の凹凸を含む波状の面である場合に、1,2,3次干渉の少なくとも1つによって画像データにおける照明光Lの像IMに縞模様SPが生じ得る。なお、1次干渉はn=1の場合であり、2,3次干渉はn=2,3の場合である。従って、被覆層12の外周面12sがこの範囲の凹凸を含む面であるか否かを検査する場合、照明光Lの波長帯域は上記の所定波長帯域を含むことが好ましい。なお、この所定波長帯域は、角度φによって変化する。そして、照明光Lの波長帯域は、下記式(1)及び下記式(2)で示される所定波長帯域WBを含むことが好ましい。なお、式(1)は式(3)において、n=1,d=0.1μm(100nm)としたときの関係式であり、式(2)は式(3)において、n=3,d=1.0μm(1000nm)としたときの関係式である。また、式(1)及び式(2)でのWBの単位はnmである。
Figure 0007336036000004
Figure 0007336036000005
なお、外周面12sに生じる凹凸の高さは光ファイバ1の長手方向において一定ではない。例えば、外周面12sの凹凸の高さが0.1μmから1.0μmの範囲のいずれかを含む場合、外周面12sの凹凸の高さは少なくとも0.1μmから1.0μmの範囲で変化する傾向にある。このため、0.1μmから1.0μmの範囲における一部の範囲の凹凸を検出できれば、0.1μmから1.0μmの凹凸が生じていることを推定し得る。例えば、照明光Lの波長帯域は、上記の所定波長帯域WBにおいて200nm以上の幅を有する特定波長帯域を含むこととしてもよい。この場合には、0.1μmから1.0μmの範囲における概ね50%程度の範囲の凹凸を検出でき、0.1μmから1.0μmの凹凸が生じているか否かを概ね検査し得る。なお、上記の特定波長帯域は、300nm以上の幅を有することがより好ましい。この場合には、0.1μmから1.0μmの範囲における概ね80%程度の範囲の凹凸を検出でき、0.1μmから1.0μmの凹凸が生じているか否かをより適切に検査し得る。
また、本実施形態では、被覆層12は、内側層12aと外側層12bからなる2層構造である。このため、巻回体30に照射する照明光Lは、内側層12aと外側層12bとの界面で反射し得る。このため、この層間の界面が光ファイバ1の長手方向に沿って波状に湾曲した面である場合、上記の外周面12sと同様に、この凹凸に起因する縞模様が巻回体30で反射する照明光Lの像IMに含まれるようにし得る。従って、本実施形態の検査方法及び検査装置40によれば、被覆層12を構成する内側層12aと外側層12bとの界面が波状に湾曲した面であることを検出し得る。
また、本実施形態の光ファイバ巻きボビンの製造方法は、巻回工程P2と、検査工程P3と、を備える。巻回工程P2では、光ファイバ裸線1N及び光ファイバ裸線1Nの外周面を被覆する光透過性の被覆層12からなる光ファイバ1をボビン20に多層巻きに巻回する。検査工程P3では、上記の光ファイバ1の検査方法によってボビン20に巻回された光ファイバ1を検査する。また、検査工程P3は巻回工程P2中に行われる。このため、本実施形態における光ファイバ巻きボビン70の製造方法によれば、巻回工程P2中に光ファイバ1の被覆層12の不良を発見し得る。なお、検査工程P3は、光ファイバ1が5層以上に巻回された状態から開始することが好ましく、より好ましくは10層以上に巻回された状態から開始することが好ましい。このようにすることで、ボビン20のシャフト21の外周面が透けて見えることを抑制でき、照明光Lの像IMに生じる縞模様SPを鮮明に映し出し得る。なお、検査工程P3は巻回工程P2後に行ってもよい。
以上、本発明について、上記実施形態を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、1つの画像データ生成部55を備える検査装置40を例に説明した。しかし、検査装置40は、複数の画像データ生成部55を備えていてもよい。この場合、例えば、これら画像データ生成部55は、巻回体30で反射する照明光Lを受光する方向が互いに異なるように配置し、検査部60は、それぞれの画像データ生成部55によって生成される画像データにおいて、像に縞模様SPがあるか否かを判断する。このような構成にすることで、検査装置40の検出確度を向上し得る。また、検査装置40は、巻回体30をボビン20のシャフト21の中心軸21a周りに回転させる回転部を備えていてもよい。このような構成にすることで、画像データ生成部55は、巻回体30に照明光Lを照射する位置が変えられた複数の画像データを生成することができる。このため、検査部60はそれぞれの画像データにおいて像に縞模様SPがあるか否かを判断することができ、検査装置40の検出確度を向上し得る。
また、上記実施形態では、二次元の画像データを生成する画像データ生成部55を例に説明した。しかし、画像データ生成部55は、一次元の画像データを生成するものであってもよい。このような画像データ生成部55として、例えば、受光素子が一列に並んだラインカメラ、受光素子を有し巻回体30で反射する照明光Lの伝搬方向と非平行な方向に移動して当該照明光Lを走査する受光装置等が挙げられる。なお、上記の縞模様SPは、光ファイバ1の巻回方向に沿って照明光Lの状態が繰り返し変化する縞模様である。このため、上記のラインカメラの受光素子は光ファイバ1の巻き方向と概ね平行な方向に並ぶことが好ましく、上記の受光装置は光ファイバ1の巻き方向と概ね平行な方向に走査することが好ましい。
また、上記実施形態では、学習モデルを用いて縞模様SPの有無の判断をする検査部60を例に説明した。しかし、検査部60による縞模様SPの有無の判断方法は特に制限されるものではなく、検査部60は、学習モデルを用いないで縞模様SPの有無を判断してもよい。例えば、検査部60は、画像データ生成部55によって生成される画像データに所定の処理を施したデータに基づいて、縞模様SPの有無を判断してもよい。例えば、検査部60は、画像データにおいて、予め設定される光の強度の閾値を超えた点が所定数以上ある場合に縞模様SPがあると判断してもよい。また、検査部60は、画像データにおけるあらかじめ設けられた範囲内で、光の強度が高い上位の所定数の点における光の強度の平均値と光の強度が低い下位の所定数の点における光の強度の平均値の比が予め設定される閾値を超えるかを判断し、当該判断を上記の範囲をずらしながら画像データ全体に対して行い、上記の比が閾値を超える場合に縞模様SPがあると判断してもよい。このようにすることで、画像データ全体に関して縞模様SPの有無を判断できる。
また、上記実施形態では、着色顔料を有さない被覆層12を例に説明したが、被覆層12は着色顔料を有していてもよい。しかし、被覆層12が着色顔料を有さない方が不良を検出し易い。
また、上記実施形態では、光ファイバ製造工程P1によって製造される光ファイバ1をボビン20に多層巻きに巻回する巻回工程P2を例に説明した。しかし、巻回工程P2では、光ファイバ1をボビンに多層巻きに巻回すればよい。例えば、巻回工程P2は、ボビンに巻回された光ファイバ1の一部を別のボビンに巻回する工程であってもよく、長尺の光ファイバ1を短尺の光ファイバ1に分割する工程であってもよい。図示による説明は省略するが、このような巻回工程P2では、繰り出し部によって第1ボビンを中心軸周りに回転することで第1ボビンに巻回された光ファイバ1を繰り出す。そして、巻き取り部によって第2ボビンを中心軸周りに回転することで第1ボビンから繰り出される光ファイバ1を第2ボビンに巻き取り、当該光ファイバ1を第2ボビンに多層巻きに巻回する。この場合における巻回工程P2は、例えば、巻取り速度が所定の速度まで増加する増速期間と、巻取り速度が所定の速度である定常期間と、巻取り速度がゼロとなるまで減少する減速期間とから成る。そして、検査工程P3は、増速期間中に行ってもよく、定常期間中に行ってもよく、減速期間中に行ってもよく、巻回工程P2後に行ってもよい。なお、検査工程P3を減速期間中に行うことが好ましく、第2ボビンに巻かれた光ファイバ1から成る巻回体30の直径が300mm程度であれば、第2ボビンの回転速度が0.1[round per sec(rps)]以下の状態で行うことが好ましい。画像データ生成部55としてのカメラのフレームレートが高くなれば、高速回転時でも撮影は可能になる。しかし、フレームレートが高くなるにつれて、照明部50の構成によってはフリッカー現象や光量不足が生じ易くなり、撮影画像に縞模様SPが鮮明に映し出されにくくなる傾向にある。このため、検査工程P3は上記のように行うことが好ましい。また、フレームレートを高くするとカメラが大型化する傾向にあるため、実用上としては、フレームレートが100fps以下のカメラを使用することが好ましい。例えば、第2ボビンにおける巻回体30の直径が300mm程度で、第2ボビンの回転速度が0.1rpsである場合、巻回体30の外周面の周速度は、約94mm/sとなる。ここで、フレームレートが100fpsであるカメラの1撮影当たりにかかる時間は1/100sであるため、1撮影時の巻回体30の外周面の移動距離は、約0.94mmであり、1mm以下となる。撮影画像に映し出される範囲が例えば辺の長さが300mmの正方形であれば、この辺の長さに対する上記の移動距離の割合は、約0.3%となり、十分小さく、撮影画像に縞模様SPが鮮明に映し出されにくくなることを抑制し得る。
以上説明したように、本発明によれば、光ファイバの長手方向に連続的に生じる不良を検出し得る光ファイバの検査方法、光ファイバの検査装置、及び光ファイバ巻きボビンの製造方法が提供され、光ファイバ通信等の分野で利用することが期待される。

Claims (7)

  1. 光ファイバ裸線及び前記光ファイバ裸線の外周面を被覆する光透過性の被覆層からなる光ファイバの検査方法であって、
    前記光ファイバがボビンに多層巻きに巻回された巻回体の外周面に指向性を有する照明光を照射する照射ステップと、
    前記巻回体で反射する前記照明光を受光して当該照明光の像の少なくとも一部を含む画像データを生成する画像データ生成ステップと、
    前記画像データに基づいて前記像に前記光ファイバの巻回方向に沿って前記照明光の状態が繰り返し変化する縞模様があるか否かを判断する検査ステップと、
    を備える
    ことを特徴とする光ファイバの検査方法。
  2. 前記照射ステップにおいて前記巻回体に前記照明光を照射する方向と前記画像データ生成ステップにおいて前記巻回体で反射する前記照明光を受光する方向とのなす角度が30°以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの検査方法。
  3. 前記照明光の波長帯域は、前記照射ステップにおいて前記巻回体に前記照明光を照射する方向と前記画像データ生成ステップにおいて前記巻回体で反射する前記照明光を受光する方向とのなす角度をφ(°)とする場合に、下記式(1)及び(2)で示される所定波長帯域WB(nm)において200nm以上の幅を有する特定波長帯域を含む
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバの検査方法。
    Figure 0007336036000006
    Figure 0007336036000007
  4. 前記特定波長帯域は、前記所定波長帯域WBにおいて300nm以上の幅を有する
    ことを特徴とする請求項3に記載の光ファイバの検査方法。
  5. 前記被覆層は、多層構造である
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光ファイバの検査方法。
  6. 光ファイバ裸線及び前記光ファイバ裸線の外周面を被覆する光透過性の被覆層からなる光ファイバがボビンに多層巻きに巻回された巻回体の外周面に指向性を有する照明光を照射する照明部と、
    前記巻回体で反射する前記照明光を受光して当該照明光の像の少なくとも一部を含む画像データを生成する画像データ生成部と、
    前記画像データに基づいて前記像に前記光ファイバの巻回方向に沿って前記照明光の状態が繰り返し変化する縞模様があるか否かを判断する検査部と、
    を備える
    ことを特徴とする光ファイバの検査装置。
  7. 光ファイバ裸線及び前記光ファイバ裸線の外周面を被覆する光透過性の被覆層からなる光ファイバをボビンに多層巻きに巻回する巻回工程と、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の光ファイバの検査方法によって前記ボビンに巻回された前記光ファイバを検査する検査工程と、
    を備える
    光ファイバ巻きボビンの製造方法。

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