JP5637014B2 - ガラス繊維物品の表面欠陥検出装置 - Google Patents
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Description
また、本発明は、連続的に走行して表面処理されるガラス繊維物品の表面欠陥は、表面処理剤の付着不良であるガラス繊維物品の表面欠陥検出方法である。
さらに、本発明は、連続的に走行して表面処理されるガラス繊維物品の表面欠陥は、白色状の欠陥であるガラス繊維物品の表面欠陥検出方法である。
また、連続的に走行して表面処理されるガラス繊維物品3は、ゴム補強用ガラス繊維3であることが望ましい。ゴム補強用ガラス繊維3においては、表面処理剤の付着不良等の表面欠陥が発生しやすく、また見つけにくいからである。しかし、本発明の手法は多くの走行している物品に対しても応用が可能である。
図2は、ラインセンサー上に投影された1単位のガラス繊維物品の像と検知子を表した図である。本発明の欠陥検出方法はラインセンサー1の検知子6に入力された複数の輝度異常情報に基づいてなされることが特徴である。通常は2〜3個の検知子で1単位のガラス繊維物品を管理する。1単位は、ガラス繊維物品3の種類によって異なり、最小の1本から数千本まで幅広く存在する。例えば、前述したゴム補強用ガラス繊維3では、数本が1単位の場合が多いが、必ず最低1個の検知子6には満足すべき情報が入力される。逆に言えば、検知子6の単位は対象とするガラス繊維物品の像3aの幅の大きさが重要な意味を持ち、最低でも2〜3個の検知子6で検知できる検知子6の大きさとすることが必要である。図2の(A)は、2個の検知子6がガラス繊維物品の像3内に入っている状態を、図(B)は、3個の検知子がガラス繊維物品の像3a内に入っている状態を示す。
図3は、1単位のガラス繊維物品毎に対応するラインセンサー上の検知子群のグループ分けを表した図である。対象とする1単位のガラス繊維物品が多少の振動を発生させながら走行するので、ガラス繊維物品3の像が限られた検知子6上のみを走行するとは限らず、通常は数十〜数百個程度の検知子6を1つのグループ7として取り扱う。当然ながら、その振動が大きいときは1つのグループの検知子数は増加し、1つのグループ7の検知子数を千個、場合によっては数千個とすることもある。直線状に並べられた検知子は走行方向と平行な方向で用いられるのが一般的であるが、この場合は連続的に走行しているガラス繊維物品と平行ではなく、直角の関係に位置している。数十m/分程度の高速で走行しているガラス繊維物品は、一定の位置を走行するのではなく、種々の方向に振動している。このため、例えば横方向に振動しているガラス繊維物品からの反射光を捕まえる場合、検知子の受光部感度の点からも直線上に並べられた検知子を走行方向と直角にしている方が有利である。
図4は、ラインセンサーに入力された画像データの処理の流れを示した図である。ラインセンサーに入力された画像データは、画像データの異常判定部1bに送られ、輝度値取込処理1b1、第1判定処理(スキャン毎)1b2、第2判定処理(ステップ毎)1b3及び異常判定処理1b4と処理され、異常判定の結果が出れば、巻取り機若しくは撚糸機8に停止の信号が出力される。
本発明を実施するためのシステムは、対象とするガラス繊維物品3の反射率すなわち輝度の違いを検知してその異常性、すなわち欠陥の発生を感知するシステムである。検知子6に入力する輝度のデータとしては、代表値に置き換えるために不連続でも問題はない。一般的には、1単位のガラス繊維物品3を受け持つグループ7の検知子6に入力された値の最大値の輝度をその代表値とする。当然ながら、連続データであっても問題はなく、この場合は定められた時間内又はガラス繊維物品3の長さの中で最大輝度をその代表値とする。各検知子6に入力される輝度の代表値から判定することになる。検知子6に輝度が大きく異なる値が入力された場合、異常として検知する。輝度異常を1個でも検知した場合に、反射率異常すなわち欠陥発生とすることも可能であるが、ガラス繊維物品の反射率変動を考慮すると、わずか1個の異常値から欠陥の発生とすることは問題となる可能性が高い。そこで、多くの輝度の値を総合的に判定するシステムを構築し、本発明に至ったものである。
連続的に走行して表面処理されるガラス繊維物品3の表面欠陥は反射光である輝度を測定することにより検出されるが、先ず第1ステップの輝度異常情報に基づいて判定される。連続的に走行して表面処理されるガラス繊維物品3の表面の輝度を測定することは簡単ではなく、誤情報や誤差をも考慮する必要がある。例えば、照明2からの光を直接に反射する光のように、その光強度が大きいためにその反射角によっては本来欠陥とすべきではない部分でも反射光である輝度が高くなる場合がある。しかし、一般的には数本のガラス繊維が組み合わされたガラス繊維物品3が高速で走行しているので、微視的にみるとその形状は異なっており、その反射角度も常に変化している。このため、照明2と検知子6の位置関係を適切にしておけば、直接に反射する光の情報も通常は1個か2個の輝度異常情報として処理できることになる。
また、該第1ステップで輝度異常として判定されたガラス繊維物品3に対し、第1ステップと同様にして輝度検出された次の第2ステップも輝度異常となる場合、又は該第1ステップと同様にして輝度検出された該第2ステップ及び第3ステップが連続して輝度異常となる場合に該ガラス繊維物品の表面欠陥と判定されることが望ましい。
対象とするガラス物品における被覆剤の付着不良等の表面欠陥は、必ずしも完全に白色状態になっているとは限らない。例えば、斑模様の付着不良となることも大いにありうる。この場合、輝度異常情報が連続的にならないことも多いので、その表面欠陥を見逃してしまうこともある。このような場合には、ステップ単位で判定されることが望ましい。すなわち、第1ステップと同様に輝度検出される第2ステップ以降の連続的なステップが予め定められた数値以上の輝度異常となる場合に該ガラス繊維物品3の表面欠陥と判定される。予め定められた数値を具体的に述べると、1ステップ当りの情報数(スキャン数)、ステップとして異常と判定するときの割合、判定するステップ数、及び最終的に輝度異常と判定するときにおける輝度異常ステップの割合等である。これらの数値は、対象とするガラス繊維物品の製品仕様や要求品質により任意に選択される。例えば、付着不良等の表面欠陥が斑状となる場合には、輝度異常とされる情報量が相対的に少なくなる傾向があるため、1ステップ当りの情報数及び判定するステップ数は多めに、ステップとして異常と判定するときの情報の割合及び最終的に輝度異常と判定するときにおける輝度異常ステップの割合は低い数値に設定することが望ましい。例えば、1ステップ当りの情報数は10、ステップとして異常と判定するときの異常情報の割合は50%、判定するステップ数は10、最終的に輝度異常と判定するときにおける輝度異常ステップの割合は50%とすることも多い。このようにすることにより、無駄なライン停止を発生させることなく、斑状の表面欠陥をも有効に認知することができる。
前述した輝度異常情報は予め設定された反射光の輝度に対する閾値により判定されることが望ましい。反射光の輝度は対象とするガラス繊維物品3の製品仕様により大きく異なる。例えば、白色系の表面処理剤の場合は反射光の輝度は高くなる傾向にあり、黒色系の表面処理剤の場合は反射光の輝度は低くなる傾向にある。また、照明2の強さや照明との位置関係によっても異なる。照明2が強ければ反射光の輝度は高くなる傾向にあり、弱ければ反射光の輝度は低くなる傾向にある。また、一般的には、ラインセンサーの中央部では反射光の輝度は高くなる傾向にあり、端部では反射光の輝度は低くなる傾向にある。これらを考慮して、反射光の輝度に対する閾値を決めることが有用となる。
9μmの径を有するガラス繊維フィラメントを200本集束したガラス繊維束5本からなるゴム補強用ガラス繊維20本について、その被覆工程において表面欠陥の検出を行った。装置走行速度は50m/分でガラス繊維被覆用塗布液を塗布し、その後乾燥硬化させて被覆層を設け、2.0回/25mmのS方向の撚りを掛けながら10000m毎に20本のボビンにそれぞれ巻き取った。このゴム補強用ガラス繊維の被覆工程における被覆不良による表面欠陥の検出を1台のラインセンサーで監視した。
実施例1とほぼ同様の仕様ではあるが、付着不良の長さが40mmまで許容されるゴム補強用ガラス繊維を生産した。この場合は、3回連続で閾値60を越えた場合、若しくは10回のスキャン中5回以上閾値60を越えた場合、当該ステップを第1ステップとし、該第1ステップでの輝度異常として設定した。第2ステップ以降も各ステップは第1ステップと同様の判定基準とした。なお、10回のスキャン中5回以上閾値を超えなければ、そのステップの検知輝度は正常である。
実施例1とほぼ同様の仕様ではあるが、付着不良の長さが100mmまで許容されるゴム補強用ガラス繊維を生産した。この場合は、第1ステップは4回連続で閾値60を越えた場合、若しくは10回のスキャン中5回以上閾値60を越えた場合該第1ステップは輝度異常として設定した。第2ステップ以降も各ステップは第1ステップと同様の判定基準とした。なお、10回のスキャン中5回以上閾値を超えなければ、そのステップの検知輝度は正常である。
実施例1と同様にして、付着不良の長さが10mmまで許容されるゴム補強用ガラス繊維を生産した。この場合は、1ステップ当たり10回のスキャンデーター中、3回連続で閾値60を超えた場合、若しくは1ステップ当たり10回のスキャンデーター中、5回以上閾値60を超えた場合を、該ステップは輝度異常として設定した。
1a ラインセンサー上の検知子群
1b 画像データの異常判定部
1b1 輝度値取込処理
1b2 第1判定処理(スキャン毎)
1b3 第2判定処理(ステップ毎)
1b4 異常判定処理
2 照明
3 ガラス繊維物品(ゴム補強用ガラス繊維)
3a ガラス繊維物品(ゴム補強用ガラス繊維)の像
4 ガイドローラー
5 黒布
6 検知子
7 検知子のグループ
8 巻取り機若しくは撚糸機
Claims (4)
- 連続的に走行しながら同時に表面処理される複数本のガラス繊維物品の表面欠陥を、ガラス繊維物品に照射した光の反射光の輝度情報からラインセンサーを用いて判定する欠陥検出方法において、ガラス繊維物品の走行方向に対し直交方向にラインセンサーを配置し、予め定められた数値のスキャン数で区切って行き、1つの区切りを1つのステップとし、輝度検出を第1ステップ、第2ステップ…の順に連続的に行うようにし、それぞれのガラス繊維物品に対してラインセンサーの検知子に連続的に入力される輝度情報の内、連続した3個以上の輝度異常情報か又は連続的に検知子に入力された5個以上の輝度情報中、予め定められた数値以上の輝度異常情報である場合に、当該ステップを第1ステップとし、該第1ステップでの輝度異常情報として判定処理することを特徴とするガラス繊維物品の表面欠陥検出方法。
- 該第1ステップでの輝度異常情報として判定処理されたガラス繊維物品に対し、該第1ステップと同様にして輝度検出された次の第2ステップも輝度異常となる場合、又は該第1ステップと同様にして輝度検出された該第2ステップ及び第3ステップが連続して輝度異常と判定処理された場合に、該ガラス繊維物品の表面欠陥と判定することを特徴とする請求項1に記載のガラス繊維物品の表面欠陥検出方法。
- 該第1ステップでの輝度異常情報として判定処理されたガラス繊維物品に対し、該第1ステップと同様にして輝度検出された次の第2ステップ以降の連続的なステップのうち、該第1ステップも含めて、予め定められた数値以上のステップが輝度異常と判定処理された場合に該ガラス繊維物品の表面欠陥と判定することを特徴とする請求項1に記載のガラス繊維物品の表面欠陥検出方法。
- 連続的に走行して表面処理されるガラス繊維物品は、ゴム補強用ガラス繊維であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のガラス繊維物品の表面欠陥検出方法。
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