JP3211717U - 細径線材の表面検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】線径が0.5〜5mm等の細径線材であっても、全周にわたる表面形状検査が可能で、しかも微細な形状変化部位も検出が可能な細径線材の表面検査装置を提供する。【解決手段】適度の緊張力を付与し乍ら搬送される細径線材Wの延在方向の異なる位置において、表面の色を検出する8基のカラー判別センサで細径線材表面の全周を検出する表面検知装置5と、線径を検出する2基の測長センサによって線径の異常を検出する線径測定装置6とで構成される検査部Rが設けられていると共に、各カラー判別センサ並びに測長センサから送られる夫々の検出信号のただ一つの異常の判定であってもその判定結果に基づいて細径線材の搬送を停止する信号を出力するコントロール部43が備わっている。【選択図】図1

Description

本考案は、例えば、アラミド繊維などの高機能繊維を片撚りして得た芯線の表面を樹脂素材で被覆して線径が0.5〜5mm等に仕上げられた細径線材の表面検査装置に関する。
上記した細径線材は、主として架空電線やベランダ等に適宜に張設されるもので、鳥類が飛翔してきて鳥害を及ぼすのを防ぐために、近年広く用いられるようになってきた。この細径線材は上記のように架空電線やベランダに張設されるために、伸びの少ない繊維が好ましく、主とし上記の通りのケブラー繊維が採用されている共に、撚りがかけられている。また、架空電線に張られるから、絶縁性も要求され、従って、芯線の面に、絶縁材として樹脂素材、具体的にポリウレタン樹脂が塗布されて被膜が形成されている(特許文献1参照)。
しかし、この被膜はケブラー繊維からなる芯線の表面に必ずしも均一にコーティングされるものではなく、製造工程中において、コーティング不良によって部分的に芯線が露出(シース飛び、シース割れ)していたり、傷が生じ(シース割れ)ていたり、被覆材の表面に異物が付着していたり、或いは外径寸法に規格外の部位が生じたり、更には、芯線に与える張力の大小によっても捩れが生じて外形形状が歪になった箇所が生じたり、傷が隠されたり逆に広がったりする現象がみられる。そして、これら不良部位は事前に取り除かれねばならないため、細径線材の全長にわたり、表面の姿とあわせて外径寸法を検査する必要がある。現状ではこれら不良部位の検査は、何千メーターもある細径線材の全長を目視と言う手段で行っている。必然的に、人件費、コスト、作業効率等あらゆる面で不経済であった。
また、別の観点から、従来から、押出成形などにより得られる鋼の線状体の製造工程中において、その表面の局部的な凹凸や傷或いは付着物等を検知したりするために、外径測定装置や撮像装置等を用いて表面状況を知ろうとする装置が提案されたり、実際に使用されている(特許文献2〜3参照)。
特開2001―178349号公報 特開2003―75129号公報 特開2011―196768号公報 特開2014―6068号公報
ところで、本考案の対象となる細径線材は世に出て未だ間もないことに加えて、名の示す通り、径が細く、これを検査するに適した検査装置が見当たらないと言うのが現状である。
上記の通り、鋼の線状体の製造工程中において、その表面の局部的な凹凸や傷或いは付着物等を検知したりするために、外径測定装置や撮像装置等を用いて表面状況を知ろうとする装置が提案されたり、実際に使用されている。しかし、これらの装置では、移動する線状体の周囲に2つ乃至3つの線状体の径よりもはるかに広い投光域を持つ光源とこれと
対をなして線状体の反対側に受光器や撮像器などから成る検知器群を配しているために、相隣る対向していない光源からの光が受光部で検出されることと、線径が0.5〜5mm等の細径線材表面の微細な塗膜不良や傷、更には線径異常等の形状変化部位の検出には、検知器の数の絶対的な少なさのために、満足できないものがあった。更には、細径線材には芯線に片撚りが掛けられていて、張力の大小によって、その撚りが解けたり逆により強く撚られたりし、何れにしても捻じれが生じ、樹脂の被膜にも伸び縮みが生じ、被膜にできた傷口が隠されたり、異径部が生じているにもかかわらず、検知装置に与えられた閾値の範囲内と判定され、正規の線径であるように判断されたりするおそれがある。
そこで本考案は、上記のような課題を解決するためになされたもので、線径が0.5〜5mm等の細径線材であっても、その全周にわたる表面形状検査が可能で、しかも微細な形状変化部位も検出が可能な細径線材の表面検査装置を提供することを目的する。
上記の目的を達成するために、この考案の請求項1に記載の細径線材の表面検査装置は、搬送される細径線材に常時適度の緊張力を付与す搬送駆動手段を備え、前記搬送駆動手段によって搬送される細径線材に対して、その延在方向の異なる位置においてこの細径線材の表面の色を検出する複数基のカラー判別センサから成る表面検知装置と線径を検出する複数基の測長センサから成る線径測定装置で構成された検査部が設けられ、前記カラー判別センサは一つのカラー判別センサの検出スポット範囲の前記延在方向に直交する方向の両側に他のカラー判別センサの検出スポット範囲の一部がラップできる設定条件で前記細径線材の延在方向の複数個所で且つ円周方向の異なる位置に互いにほぼ等間隔を隔てて配置され、これによって前記細径線材表面の全周を検出できるよう構成されていると共に、前記測長センサは前記細径線材の縦方向と横方向の線径を検出できるよう十字状に配置され、前記各カラー判別センサ並びに前記測長センサ一つ一つから送られる夫々の検出信号の異常を判定する判定素子を備えると共に、ただ一つの異常の判定であってもその判定結果に基づいて前記搬送駆動手段に駆動停止信号を出力する制御部を備えて成る。
搬送駆動手段は細径線材の給材装置に設けられた制動装置と細径線材の巻取り側にあってこの細径線材を強制的に繰り出す電動モーターで構成され、これら制動装置と電動モーターの働きで細径線材に緊張力が付与されるのが望ましい(請求項2)
細径線材の巻取り側にある前記電動モーターは逆転作動可能で、巻取り側から、給材装置側へ細径線材を逆送可能に構成されるのが望ましい(請求項3)。
制御部は前記2基の測長センサの縦・横方向の線径の演算値を管理するプログラム回路が備わっているのが望ましい(請求項4)。
前記検査部を挟んで細径線材の延在方向の前後には夫々細径線材の上下左右の振れを阻止すための上手側フレ止め具と下手側フレ止め具が設けられているのが望ましい(請求項5)。
このように、この考案の請求項1〜5に係る細径線材の表面検査装置は、検査対象となる細径線材が前記搬送駆動手段によって常時適度の緊張力が与えられているので、その芯線が片撚りされているにかかわらず、必要以上に捻転するおそれがなく、少なくとも前記各カラー判別センサ並びに測長センサによる検査部域内では、例えば緊張力が少ない或いは全くない場合、逆に過度に緊張が働く場合などと違って、芯線に捩れが生じて外形形状が歪になった箇所が生じたり、傷が隠されたり逆に広がったりする現象が生じるおそれもなく、機械的に効率の良い、また正確な検査が可能になり、必然的に人手を要することが
少なく、コスト面、作業効率等あらゆる面で改善されるに至った。併せて、細径線材の被覆の異常は、細径線材の延在方向並びに周方向に互いに夫々の検出動作に外乱を与えず、しかも細径線材表面の全周を検出できる配置構造が備わったデジタルカラー判別センサによって、また線径の異常は縦方向と横方向からの2基の測長センサ、また、必要に応じてこれら2基の測長センサの演算値が管理される(請求項4)こと、により夫々検知測定されるように構成されているために、たとえ細径の線材と言え、コストバランスを上手く取り乍ら、その異常を的確、且つ正確で、高い検出精度を得ることが可能になった。
また、本考案の第3の構成として、細径線材の巻取り側にある前記電動モーターは逆転作動可能で、巻取り側から、給材装置側へ細径線材を逆送可能となる構成とした。
細径線材に異常が発生していることが判定されると人為的に異常個所を判定する作業が必要になるが、この時検査装置の駆動を停止しても装置の慣性で異常個所は幾許か下手側に搬送されている上に、捻転の影響がある場合には、異常箇所はこの異常個所を検知した一つのセンサの延長線状に存在しないので、目視で見定めるのは大変難しい。
しかし、この考案によれば、細径線材を、捻転を考慮しながら検査部へ引き戻しつつ、各センサを通過させることができるので、再度線径、色の異常を各センサに検出させることができ、目視に比べて遥かに確実な異常個所の確定が可能になり、例えばマーキング作業なども大変効率よく行うことができ、作業効率を上げることが可能になった。
更に、本考案の第5の構成として、前記検査部を挟んで細径線材の延在方向の前後には夫々細径線材の上下左右の振れを阻止すための上手側フレ止め具と下手側フレ止め具が設けられた構成とした。
この考案によると、前記表面検査装置と線径測定装置に至る細径線材の上下並びに左右の振れ、振動を効果的に抑制することができるので、前記制動装置と繰出し具の電動モーターによりこの細径線材に常に一定の力の緊張力が付加される作用と相俟って、前記表面検査装置と線径測定装置の各センサによる異常の検出が、細径線材とは言え、的確、且つ高精度で行える。
この考案に係る細径線材の表面検査装置の全体正面図である。 給材装置の一部切欠き拡大平面図である。 給材装置の正面図である。 押圧ロールの図示を省略した上手側並びに下手側両フレ止め具及び検査部の要部の拡大正面図である。 押圧ロールの図示を省略した上手側並びに下手側両フレ止め具及び検査部の要部の拡大平面図である。 検査部の構成を示す概念図である。 細径線材の端面を示すと共にデジタルカラー判別センサの作用を示す説明図である。 繰込み具を示し、(A)は要部の正面図、(B)は要部の側面図である。 検査部とコントロール部、そして駆動モーターの概略構成を示す模式図である。
図1〜9は本考案を細径線材の表面の異常を検知するための検査装置に適用した場合の実施の形態について示している。
図1中、1は給材装置、2は巻取り装置、3は前記給材装置1と巻取り装置2との間に設けられた検査架台、そしてこの検査架台3の上に、前記給材装置1から巻取り装置2側へ向かう細径線材Wの延在方向に沿って、その供給上手側から順次、上手側フレ止め具4、検査部Rとしての表面検知装置5及び線径測定装置6、更に下手側フレ止め具7が設け
られている。
細径線材Wは、その端部を拡大して表示した図に示す通り、アラミド繊維などの高機能繊維を片撚りして得た芯線Cの表面を樹脂素材でコーティングして被覆Sが備わった、線径が0.5〜5mmの各種寸法に仕上げられている。図例では2mmのものが例示されている。尚、前記被覆Sの厚みFは、概ね0.4mmである。また、前記細径線材Wの素材としては、ナイロン、ポリエステル、更には超高分子量ポリエチレン(HMPE)等のマルチフィラメント糸の他、PBO繊維やポリアリレート繊維などの高機能繊維が使用される。
前記給材装置1は、図2、3に示すように、固定台枠8に設けられた回転軸9に着脱自在にのみ取り付けられていて細径線材Wを巻き付けてある回転リール10と、この回転リール10を制動するための制動装置11からなる。この制動装置11は、図2、3に示すように、前記回転リール10の前記回転軸9の下端部に固定されていて周面に凹溝12 を備えたプーリー13と、前記凹溝12に巻き掛けられていると共に、一端を前記固定台枠8に設けられた締め付け具14とから構成されていて、この締め付け具14の締め付け或いは締め付け解除操作によって、前記プーリー13を締め付けたり、逆に緩めたりすることで、このプーリー13に与えられる制動力を強弱調整する。この締め付け具14は、特に図2に示すように、一端のアイ部分15を前記固定台枠2から突設させた金属棒16に固定されると共に他端のアイ部分17が前記固定台枠8から突設された支持枠18に設けられたボルトナットから成る調節具19に連結されたロープ20を備え、このロープ20が前記プーリー13の前記凹溝12に巻き掛けられている。従って、前記調節具19を調整してロープ20を前記凹溝12の周面に強く接触させるか逆に弱く接触させるか或いは無負荷の状態にするかを適宜操作することで、このプーリー13の回転に制動を与えたり与えなかったり、またその制動力の強さを適宜調整して、前記回転リール10の回転力に制動を与えることができるように構成されている。
また、巻取り装置2は、図1に示すように、別の固定台枠21に設けられた回転軸22(図例では横向き)に着脱自在にのみ取り付けられていて細径線材Wを巻き付けるための回転リール23と、この回転リール23を強制的に回転駆動させるための電動モーター24からなる。この電動モーター24と前記回転軸22は、ギャー並びに歯車からなる伝動具25を介して互いに伝動連結されていて、前記電動モーター24の回転出力が前記回転軸22に伝えられ、回転リール23が強制的に回転駆動され、細径線材Wが巻き取られる。
前記上手側並びに下手側振れ止め具4、7は送られる細径線材Wが前記表面検知装置5並びに線径測定装置6を通過する間に不用意に上下、左右に微振動するのを抑制するために設けられる。基本的には同様の構成部品で構成されていて、図4、5に示すように、細径線材Wを下から支える受ロール26と、その上方周面に自重によって常に当接している押圧ロール27をメインとし、位置規制ロール28、ガイドロール29とからなる。前記受ロール26と位置規制ロール28の周面には、その全周で、幅方向中央部分に細径線材Wの直径よりもやや浅めの寸法を備えた、細径線材Wを安定的にガイドして送るためのガイド溝30が夫々設けられている。このガイド溝30の深さは、細径線材Wの直径のほぼ80乃至90%程度の寸法に設定されていて、細径線材Wが通過する際には、細径線材Wの一部分が僅かにこのガイド溝30から露出し、これを前記押圧ロール27の自重で押圧され、搬送姿勢を上下左右に揺らすことなく安定的に移行されるように構成されている。また、前記ガイドロール29は全周に欧文字のV字型の案内溝31を備えて、細径線材Wが左右に振れ動くのを上手く阻止して安定良く案内するために用いられる。因みに、図例では、上手側振れ止め具4は、まず、最上手にガイドロール29、次に受ロール26とその上方に対峙する押圧ロール27が配置され、下手側振れ止め具7は、まず、受ロール2
6とその上方に対峙する押圧ロール27、その下手に位置規制ロール28、そしてガイドロール29の順に配されている。
従って、少なくとも前記両振れ止め具4,7の間にある前記表面検知装置5並びに線径測定装置6を通過する間にある細径線材Wは、細径線材Wの延在方向、つまり図4、5の紙面上の左右が前記両受ロール26と押圧ロール27の働きによって、上下左右に振れ動くのを的確に押さえられ、前記表面検知装置5並びに線径測定装置6による検査が正確に行える。併せて、前記前記給材装置1から繰り出される細径線材Wに与えられる適切な制動力によっても、細径線材Wの撚りが戻されたり、逆に撚りが強くなる現象を上手く防止でき、結果として細径線材Wの撚りが戻されて被覆が縮み、シース飛びやシース割れが隠されたり、逆に撚りが強くなって被覆Sが伸ばされ、捻じれによって生じる大きなシース飛び等か隠される結果を上手く防止して、前記表面検知装置5並びに線径測定装置6による検査が正確に行える。
前記表面検知装置5は、細径線材Wの外周全周の表面形状をこの細径線材Wの延在方向での異なる位置に配置された8基のデジタルカラー判別センサ32で構成される。このデジタルカラー判別センサ32は、細径線材Wの被覆がポリウレタン樹脂の被膜で形成されていて光沢があるために、所謂テカリをキャンセルするタイプのデジタルカラー判別センサ32、具体的にはセンサヘッド反射型が採用されている。これら8基のデジタルカラー判別センサ32は、図6の原理図で説明するように、4基ずつの二つのグループに分けられ、細径線材Wの延在方向上手側配と下手側にやや距離を置いて配置される。二つのグループに分けて配置する理由は、センサ夫々の光学系投光部からの照射光が他のセンサの受光部の外乱要因とならないようにするためである。
そこで、一つ目のグループの4基(丸1乃至丸4)のデジタルカラー判別センサ32は、細径線材Wの周方向にほぼ等間隔(90度)を開け、且つ、夫々が細径線材Wから等距離にあるようにして、丁度十字状に配置されている。更に加えて、これら4基のデジタルカラー判別センサ32は、センサ夫々の光学系投光部からの照射光が他のセンサの受光部の外乱要因とならないように、細径線材Wの延在方向に僅かずつ配置位置を異ならせて設置されている。
次に、二つ目のグループ4基(丸5乃至丸8)のデジタルカラー判別センサ32は、同様に細径線材Wの周方向にほぼ等間隔(90度)を開け、同じく細径線材Wから等距離にあるようにして、丁度X字状に配置されている。更に加えて、これら4基のデジタルカラー判別センサ32は、センサ夫々の光学系投光部からの照射光が他のセンサの受光部の外乱要因とならないように、細径線材Wの延在方向に僅かずつ配置位置を異ならせて設置されている。
前記夫々のグループの4基のデジタルカラー判別センサ32は、図4、5に示すように、検査架台3上に立設された2枚の保持板33、34に固定して取り付けられる。これら2枚の保持板33、34は、中央部に細径線材Wが接触しないような径を備えて貫通する穴35を備えている。そして、前記保持板33、34の内、細径線材Wの延在方向上手側の保持板33の前記細径線材Wの延在方向下流側面に、前記形状検出部20の内の一つ目のグループの4基が十字状に、また、細径線材Wの延伸方向下流側の保持板34の前記細径線材Wの延在方向上流側面に、前記形状検出部20の内の二つ目のグループの4基が欧文字のX字状に並列されて配置されている。
前記デジタルカラー判別センサ32は、被覆の破れを判別するためのもので、黒色の被覆Sに破れがあれば内部の芯線Cの黄色が露出するので、この黄色の有無を検出するように設定される。このデジタルカラー判別センサ32は、また、細径線材Wの芯線C(黄色
)の露出検査の他に、前記デジタルカラー判別センサ32の設定を変えることで、異物付着の検出、更には被覆S(黒色)の外観色以外の検出も可能であり、効率的であるため採用したが、この実施例ではもっぱら上記カラーの判別に採用されている。
前記デジタルカラー判別センサ32が8基採用されたのは検査の高精度化とコストのバランスを意図したためであることは言うまでもない。
即ち、細径線材Wの直径は2mmであるので、その周長は約6.3mmとなり、また、デジタルカラー判別センサ32は検査の高精度化を意図して検出スポット範囲Dが1mmのものを採用した。
周長6.3mmの細径線材Wの全周を1mmの前記検出スポット範囲(スポット径)Dで検出するに当たっては、最低でも7基が必要となる。更に、細径線材Wの芯線Cは片撚り(本考案で採用されたものは左撚り)されているために、張力が加わると僅かに捻転する性質があので、検出取りこぼしの発生を事前に防止するために、8基を設置することとした。ただ、デジタルカラー判別センサ32の数を増やすことで更に検出能力は向上するが、増設にはコストの問題と設置ペースとの問題があり、現状の8基であっても検査精度は担保されたので、8基に設定した。これによって、線径2mm以下の細径線材Wに対する検査取りこぼしの発生は上手く防止できた。
前記デジタルカラー判別センサ32は前記検出スポット範囲Dが1.0mmで、8基採用され、内4基が十字方向で他の4基がX方向で、それぞれが等間隔をもって配置されることにより、図7に示すように、各センサ32の前記検出スポット範囲Dのオーバーラップ範囲OLは15°となり、実務的には細径線材Wの表面の欠陥箇所が検査領域に入らず通過してしまうおおそれがなくなった。このように細径線材Wの全周を隈なく検知できるために、細径線材Wに多少の捻転が生じたとしても、全域を漏れなく精度よく検査できる。即ち、このデジタルカラー判別センサ32は一つのデジタルカラー判別センサ32の前記検出スポット範囲の前記細径線材Wの延在方向に直交する方向の両側に他のデジタルカラー判別センサ32の前記検出スポット範囲の一部がラップ出来るように、前記細径線材Wの延在方向の複数個所で且つ円周方向の異なる位置に互いにほぼ等間隔を隔てて配置されて前記細径線材表面Wの全周を漏れなく検出できるよう配置されている。
次に、前記線径測定装置6は、測定の安定性と高精度を要求するために採用されたもので、図1、4乃至6に示すように、前記表面検知装置5の細径線材Wの延在方向の更に下手側にやや離れて配置され、縦方向「Y」と横方向「X」の2方向から測定するように、2基の測長センサ、具体的にはレーザ式測長センサ36(以下単に測長センサと称する)が配置され、90度偏位した2方向で細径線材Wの外径を測定できるように構成されている。また、この線径測定装置6では、縦方向「Y」と横方向「X」の単体の測定値だけの管理に止まらず、縦方向「Y」と横方向「X」の和の測定値も管理するようにしてある。
縦方向「Y」と横方向「X」の単体の測定値だけの管理であると真実の太い・細い事例を検知できない可能性があるために演算値「Y」+「X」も管理するようにしてある。また、演算値「Y」+「X」も管理することによって、異物付着の際に管理値を外れる大きな異物を検出するのにも効果的である。
前記2基の前記測長センサ36は、図4乃至6に示すように、検査架台3上に立設された1枚の保持板37に固定して取り付けられる。この保持板37は、中央部に細径線材Wが接触しないような径を備えて貫通する穴38を備えている。そして当該保持板37の前記細径線材Wの延在方向上流側面に、前記2基の前記測長センサ36が細径線材Wの周方向に90度偏位した2方向で、しかもセンサ夫々の光学系投光部からの照射光が他のセンサの受光部の外乱要因とならないように、細径線材Wの延在方向に僅かずつ配置位置を異ならせて設置されている。
尚、図4、5中の符号36Aはこの測長センサ36の受光素子である。
一方、図1、図8(A)、同(B)に示すように、前記検査架台3の細径線材Wの延在方向下流側の側面で前記下流側フレ止め具7の下側には、この下手側フレ止め具7にからの細径線材Wを強制的に引き込むための電動モーター39によって正逆転自在にコントロールされる繰込み具40が設けられている、この繰込み具40は上下一対のロープ車(rope pulley)41から成り、各ロープ車41の円周には、図8(B)に示すように、周面に複数本の溝42を備え、細径線材Wがこれらの溝42によって上下のロープ車41に数回巻き付けられた後、前記巻取り装置2の回転リール23に巻き取られるように構成されている。また、前記電動モーター39は上方のロープ車41Aに接続されている。更に、この上方のロープ車41Aの回転速度は、前記回転リール23の方を僅かに早く設定されている。
従って、前記給材装置1と前記繰込み具40によって、細径線材Wに常時適度の緊張力を付与する搬送駆動手段COが構成されることになる。
他方、図9に示すように、前記表面検知装置5並びに線径測定装置6は夫々前記検査架台3上に設けられている制御部としてのコントローラ部43のプログラム回路44に適宜に電気的に接続されている。更に具体的には、このコントローラ部43内には各デジタルカラー判別センサ32並びに各前記測長センサ36に電気的に接続された判定手段としてのアンプ45、更には両前記測長センサ36からの検出信号の演算値を判定するアンプ45が夫々設けられている。
前記各デジタルカラー判別センサ32に連なる各アンプ45はこれら各デジタルカラー判別センサ32の色センサ閾値を検出したいレベルにキー操作により入力設定することができ、前記各デジタルカラー判別センサ32から前記各アンプ45に入力されるカラー信号が予め定められた上記カラー閾値の範囲内である時は、その検出信号に基づくプログラム回路44の判定結果によって、前記巻取り装置2の電動モーター24、そして前記繰込み具40の電動モーター39へ停止信号が出力され、前記繰込み具40の回転を直ちに停止させるように構成されている。
更に、前記各前記測長センサ36に連なる各アンプ45はこれら2基の各前記測長センサ36の測定した傷深さや被覆Sの突出高さ、異物の出っ張り長さ等を考慮した細径線材Wの許容外形寸法をキー操作により入力設定することができ、前記各前記測長センサ36から前記アンプ45に入力される外径寸法測定値並びに両前記測長センサ36の測定合算寸法計が上記許容外径寸法の範囲外である時は、その検出信号に基づくプログラム回路44の判定結果によって、前記繰込み具40の電動モーター39並びに前記巻取り装置2の電動モーター24に夫々停止信号が出力され、この繰込み具40並びに巻取り装置2の駆動を直ちに停止させ、細径線材Wの移行を直ちに停止させるように構成されている。
また、前記繰込み具40の電動モーター39は前記コントローラ部43のプログラム回路44と電気的に接続されているが、コントローラ部43に設けられた正逆回転ボタン(図外)の操作によって、逆転自在で、しかも回転スピードも制御できるように構成されている。この制御の存在目的は、外形、線径に異常が発見された時には、その異常個所にマーキングを施し、後処理の便に供するためにある。
即ち、マーキングを施すためには検査装置の駆動を一旦停止し、異常箇所を特定する必要がある。しかし、検査装置を停止させても、細径線材Wは装置の慣性によって幾許か下手側に送られてからその移行が停止される。また、微量とは言え捻転の影響を受けるので、異常箇所がこれを検知した各デジタルカラー判別センサ32や各前記測長センサ36の延長線上には存在しないので、正確に異常個所を目視するのは難しい問題点がある。
この問題点は、検査装置の停止後に前記繰込み具40の電動モーター39をコントローラ部43の正逆回転ボタン(図外)を操作し、且つ、ゆっくりと逆転させ乍ら細径線材Wを順次異常を検知した各センサ迄引き戻しつつ、各センサを通過させることにより再度線径、色の異常が各センサによって検出されるので、的確に異常個所を特定出来ることになる。
以上のように構成された表面検査装置においては、図1、4、5に示すように、前記細径線材Wは給材装置1の回転リール10に巻き取られた先端が引き出され、前記上手側フレ止め具4から前記表面検査装置5並びに線径測定装置6、そしてこれら各装置5、6の夫々の前記保持板33、34、37に設けられた穴33、38を通されて下手側フレ止め装置7から前記繰込み具40、そして最終的に前記巻取り装置2の回転リール23まで通されて、これに取外し自在に固定される。
更に詳細に説明すると、前記給材装置1から引き出された細径線材Wは、前記検査架台3に設けられた複数の案内ロール46を通し、最上部の最終案内ロール46Aの上方周面に架け渡される。その後、上手側の振れ止め具4の前記ガイドロール29の下方へ導かれ、下方からその案内溝31の溝底に密着して、左右のフレを規制案されながら、今度は前記受ロール26の上方へ導かれ、上方から前記ガイド溝30内に嵌め込まれる。そして、このガイド溝30から僅かに露出する部位を上方から押圧ロール27で押さえ付けられて、上下左右のフレを的確に規制される。引き続き前記表面検査装置5を支持する一対の保持板33、34の前記穴35を通され、更に線径測定装置6を支持する保持板37の穴38も通され、更に、下手側のフレ止め具7の前記受ロール26上方から前記ガイド溝30内に嵌め込まれ、このガイド溝30から僅かに露出した上方部位を上方から押圧ロール27で押さえ付けられて、上下左右のフレを的確に規制される。引き続いて、前記位置規制ロール28の下方へ導かれ、下から前記ガイド溝30内に嵌め込まれて、左右のフレを規制案内され、今度は前記ガイドロール29の上方へ導かれて、上方から前記V字状の案内溝31の溝底に密着して、左右のフレを規制案内されながら、引き続き検査架台3の下に配置されている前記繰込み具40に繰り出される。この繰込み具40に至った細径線材Wは、先ず下方のロープ車41に巻き掛けられた後、上方のロープ車41Aに巻き掛けられ、再び下方のロープ車41へと夫々複数回巻き掛けられた後、最終的に、前記巻取りロール装置2の回転リール23で巻き取られる。
前記繰込み具40の前記上方のロープ車41Aは電動モーター39の働きで回転していると共に、前記給材装置1の前記回転リール10には制動装置11の働きによって、適宜の制動力が付加されているので、この給材装置1の回転リール10から繰り出される細径線材Wには常に適度の緊張力(引っ張り力)が働き、細径線材Wが片撚りであるにかかわらず、不用意な捻転が生じないように構成されている。
給材装置1から繰り出される細径線材Wは上下左右の振幅がほぼない状態で前記表面検査装置5並びに線径測定装置6を通過する際に、前記各デジタルカラー判別センサ32によりその被覆Sの全周にわたって隈なく色が検査され、また前記測長センサ36により線径が測定される。各デジタルカラー判別センサ32並びに前記測長センサ36による検査結果が何れもあらかじめ設定された色カラー閾値、また、寸法閾値の夫々範囲内であれば、検査装置は引き続き作動して、検査を続ける。
しかし、シース飛びやシース割れ等の傷が生じている場合は、そこから露出する芯線Cの黄色が前記デジタルカラー判別センサ32で検出され、この検出信号を発したデジタルカラー判別センサ32に対応して前記コントローラ部43に設けられた前記アンプ45に送られる。送られる検出信号はこのアンプ45によって予め設定された色カラー閾値の範囲外であると判定されるため、その判定結果に基づきコントロール部43のプログラム回
路44を介して、前記繰込み具40の電動モーター39並びに前記巻取り装置2の回転リールを駆動する前記電動モーター24にその作動を停止する信号が送られ、直ちにその回転駆動が停止され、装置全体の作動が停止される。
また、キンク(kink)やシース飛び、シース割れ、更には異物の付着等により線径に大小異常が生じている場合には、前記測長センサ36によって縦方向、横方向の外径が計測され、その検出結果が夫々の前記測長センサ36に対応するアンプ45と、演算値X+Yに対応するアンプ45にも送られる。送られる検出信号はこのアンプ45によって予め設定された外径寸法閾値の範囲外であると判定される。併せて縦、横の検出寸法は合算を判定するアンプ45にも送られ、ここにおいても予め設定された外径寸法閾値の範囲外であれば、その判定結果に基づきコントロール部43のプログラム回路44を介して、前記繰込み具40の電動モーター39並びに前記巻取り装置2の回転リールを駆動する前記電動モーター24に、その作動を停止する信号が送られ、直ちにその回転駆動が停止され、装置全体の作動が停止される。
検査装置の作動が停止すると、次にはマーキング作業に掛かる。
検査装置が作動停止しても、機器の慣性によって、細径線材Wは僅かばかり下手側に移行し、しかも、ゼロではない捻転のために、異常を検知した前記センサ32、36の検知箇所延長線上に異常個所を見定めることはできない。そこで、この異常個所を特定するために、先ず細径線材Wを少なくとも慣性によって下手側の移行したい寸法分を引き戻し、前記センサ32、36で再度検査をし、異常個所の特定を行う。
具体的には、コントローラ部43の正逆回転ボタン(図外)を押し、且つ、ゆっくりと前記繰込み具40を逆転させ乍ら細径線材Wを手で摘まんで順次異常を検知した前記センサ32、36迄、撚りを戻し乍ら、引き戻しつつ、各センサ32、36を通過させる。この作業により再度線径、色の異常が前記各センサ32、36によって検出され、その信号がアンプ45送られ異常が検知される。この異常が検知された状態で検査装置の逆転を停止して、細径線材Wの逆送を停止する。従って、この異常を検知したアンプ45に繋がるセンサ32、36を特定すれば、そのセンサ32、36が今検知している箇所に異常があることが判明し、これを特定することができる。その結果、この部位にマーキングを施して後処理の作業の便に供する。マーキングが完了すると、再び検査装置を正転作動させ、異常検出作業に戻る。
尚、マーキングが終わった細径線材Wは巻取り装置2の回転リール23に順次巻き取られ、次の小分け作業の段階で、異常個所は切断されて廃棄される。
このように構成された本考案に係る細径線材の検査装置は、検査対象となる細径線材Wは送り下手側を前記繰込み具40によって強制的に引っ張られ、上手側の給材装置1では制動装置11によって、この引っ張り力に適度なブレーキが掛けられることによって、常に一定の力の緊張力が付加されることになる。従って、この引っ張り力の働きで、細径線材Wはその芯線Cが片撚りされているにかかわらず、必要以上に捻転するおそれが無いので、少なくとも前記各センサによる検査部(検査区域内)Rでは、芯線Cに与える張力の大小によっても捩れが生じて外形形状が歪になった箇所が生じたり、傷が隠されたり逆に広がったりする現象が生じるおそれもなく、機械的に効率の良い、また正確な検査が可能になり、必然的に人手を要することが少なく、コスト面、作業効率等あらゆる面で改善されるに至った。
また、細径線材Wの被覆の異常は、細径線材Wの延在方向並びに周方向に互いに夫々の検出動作に外乱を与えない配置構造が備わった8基のデジタルカラー判別センサ32によって、また線径の異常は縦方向と横方向からの2基の前記測長センサ36、並びにこの2
基の前記測長センサ36の演算値の管理により夫々検知測定されるように構成されているために、たとえ細径の線材とは言え、コストバランスを上手く取り乍ら、その異常を的確、且つ正確に検出できるようになった。
しかも、8基のデジタルカラー判別センサ32は、このデジタルカラー判別センサ32は一つのデジタルカラー判別センサ32の前記検出スポット範囲Dの前記細径線材Wの延在方向に直交する方向の両側に他のデジタルカラー判別センサ32の前記検出スポット範囲Dの一部がラップ出来るように、前記細径線材Wの延在方向の複数個所で且つ円周方向の異なる位置に互いにほぼ等間隔を隔てて配置されて前記細径線材W表面の全周を漏れなく検出できるよう配置されているために、たとえ細径線材Wに捻転が生じたとしても、検出の取りこぼしのおそれを可及的に少なくできて、正確で、高い検出精度の検出が可能になった。
更に、前記検査部の前記表面検査装置5と線径測定装置6を挟んで細径線材Wの延在方向の前後には夫々上手側フレ止め具4と下手側フレ止め具7が設けられているので、両検査装置5、6に至る細径線材Wの上下並びに左右の振れ、振動を効果的に抑制することができるので、前記制動装置11と繰出し具40の電動モーター39によりこの細径線材Wに常に一定の力の緊張力が付加される作用と相俟って、前記表面検査装置5と線径測定装置6の各センサによる異常の検出が、細径線材とは言え、的確、且つ高精度で行える。
以上説明した実施例は、必ずしも図示する構造に限定されるものではなく、示された個々の構造、形状は考案の趣旨と矛盾しない範囲で相互に組み合わせたり、援用したりすることが出来る。また、上記の実施例では、一本の細径線材Wを検出する構造になっているが、図示しないが、コントロール部43の前方に図1から図8に示される検査ライン構造部分を平行して二列配設し、併せてコントロール部43のプログラム回路44も今一つ増設することによって、一層効率の良い検査作業を可能にすることかできる。このように、並列本数は必要に応じて適宜に増設できるものである。
また、実施例では線径2mmの細径線材Wに対して、8基のデジタルカラー判別センサ32を用いることによって、線径2mm以下の細径線材Wに対しても検査取りこぼしの発生を上手く防止できたが、線径が2mm以上〜5mmの場合には、細径線材Wの周長に応じて前記デジタルカラー判別センサ32を8基以上の所要の数とし、検査取りこぼしの発生防止に対応する。8基以上の場合は、数にもよるが、前記保持板2枚の33、34に増設する他、必要に応じて、この2枚の保持板33、34の下手側に更にもう一枚の保持板を立設してここに前記デジタルカラー判別センサ32を設置する手法も採用できる。
本考案に係る細径線材の検査装置は、実施例に示したアラミド繊維などの高機能繊維を片撚りして得た芯線Cの表面を樹脂素材でコーティングして被覆Sが備わった、線径が0.5〜5mmの各種寸法に仕上げられたものに限定されることなく、広く、被覆で覆われたロープの他にも、細径な線材等の表面検査装置として好適に適用されるものである。
1…給材装置
2…巻取り装置
4…上手側フレ止め具
5…表面検知装置
6…線径測定装置
7…下手側フレ止め具
11…制動装置
32…デジタルカラー判別センサ
36…レーザ式測長センサ
39…電動モーター
40…繰込み具
43…コントロール部
44…プログラム回路
45…アンプ
C…芯線
CO…搬送駆動手段CO
D…検出スポット範囲
OL…オーバーラップ範囲
R…検査部
S…被覆
W…細径線材
上記の目的を達成するために、この考案の請求項1に記載の細径線材の表面検査装置は
、搬送される細径線材に常時適度の緊張力を付与す搬送駆動手段を備え、前記搬送駆動
手段によって搬送される細径線材に対して、その延在方向の異なる位置においてこの細径
線材の表面の色を検出する複数基のカラー判別センサから成る表面検知装置と線径を検出
する複数基の測長センサから成る線径測定装置で構成される検査部が設けられ、前記カラ
ー判別センサは一つのカラー判別センサの検出スポット範囲の前記延在方向に直交する方
向の両側に他のカラー判別センサの検出スポット範囲の一部がラップできる設定条件で前
記細径線材の延在方向の複数個所で且つ円周方向の異なる位置に互いにほぼ等間隔を隔て
て配置され、これによって前記細径線材表面の全周を検出できるよう構成されていると共
に、前記測長センサは前記細径線材の縦方向と横方向の線径を検出できるよう十字状に配
置され、前記各カラー判別センサ並びに前記測長センサ一つ一つから送られる夫々の検出
信号の異常を判定する判定素子を備えると共に、ただ一つの異常の判定であってもその判
定結果に基づいて前記搬送駆動手段に駆動停止信号を出力する制御部を備えて成る。
制御部は前記複数基の測長センサのうちの2基の測長センサの縦・横方向の線径の演算
値を管理するプログラム回路が備わっているのが望ましい(請求項4)。
前記検査部を挟んで細径線材の延在方向の前後には夫々細径線材の上下左右の振れを阻
止すための上手側フレ止め具と下手側フレ止め具が設けられているのが望ましい(請求
項5)。
このように、この考案の請求項1〜5に係る細径線材の表面検査装置は、検査対象とな
る細径線材が前記搬送駆動手段によって常時適度の緊張力が与えられているので、その芯
線が片撚りされているにかかわらず、必要以上に捻転するおそれがなく、少なくとも前記
各カラー判別センサ並びに測長センサによる検査部域内では、例えば緊張力が少ない或い
は全くない場合、逆に過度に緊張が働く場合などと違って、芯線に捩れが生じて外形形状
が歪になった箇所が生じたり、傷が隠されたり逆に広がったりする現象が生じるおそれも
なく、機械的に効率の良い、また正確な検査が可能になり、必然的に人手を要することが
少なく、コスト面、作業効率等あらゆる面で改善されるに至った。併せて、細径線材の被
覆の異常は、細径線材の延在方向並びに周方向に互いに夫々の検出動作に外乱を与えず、
しかも細径線材表面の全周を検出できる配置構造が備わったデジタルカラー判別センサに
よって、また線径の異常は縦方向と横方向からの2基の測長センサ、また、必要に応じて
これら複数基のうちの2基の測長センサの縦・横方向の線径の演算値が管理される(請求
項4)こと、により夫々検知測定されるように構成されているために、たとえ細径の線材
と言え、コストバランスを上手く取り乍ら、その異常を的確、且つ正確で、高い検出精度
を得ることが可能になった。
更に、本考案の第5の構成として、前記検査部を挟んで細径線材の延在方向の前後には
夫々細径線材の上下左右の振れを阻止すための上手側フレ止め具と下手側フレ止め具が
設けられた構成とした。
この考案によると、前記表面検査装置と線径測定装置に至る細径線材の上下並びに左右
の振れ、振動を効果的に抑制することができるので、前記制動装置と繰出し具の電動モー
ターによりこの細径線材に常に一定の力の緊張力が付加される作用と相俟って、前記表面
検査装置と線径測定装置の各センサによる異常の検出が、細径線材とは言え、的確、且つ
高精度で行える。

Claims (5)

  1. 搬送される細径線材に常時適度の緊張力を付与す搬送駆動手段を備え、前記搬送駆動手段によって搬送される細径線材に対して、その延在方向の異なる位置においてこの細径線材の表面の色を検出する複数基のカラー判別センサから成る表面検知装置と線径を検出する複数基の測長センサから成る線径測定装置で構成される検査部が設けられ、前記カラー判別センサは一つのカラー判別センサの検出スポット範囲の前記延在方向に直交する方向の両側に他のカラー判別センサの検出スポット範囲の一部がラップできる設定条件で前記細径線材の延在方向の複数個所で且つ円周方向の異なる位置に互いにほぼ等間隔を隔てて配置され、これによって前記細径線材表面の全周を検出できるよう構成されていると共に、前記測長センサは前記細径線材の縦方向と横方向の線径を検出できるよう十字状に配置され、前記各カラー判別センサ並びに前記測長センサ一つ一つから送られる夫々の検出信号の異常を判定する判定素子を備えると共に、ただ一つの異常の判定であってもその判定結果に基づいて前記搬送駆動手段に駆動停止信号を出力する制御部を備えて成る細径線材の検査装置。
  2. 前記搬送駆動手段は細径線材の給材装置に設けられた制動装置と細径線材の巻取り側にあってこの細径線材を強制的に繰り出す電動モーターで構成され、これら制動装置と電動モーターの働きで細径線材に緊張力が付与されている請求項1記載の細径線材の検査装置。
  3. 細径線材の巻取り側にある前記電動モーターは逆転作動可能で、巻取り側から、給材装置側へ細径線材を逆送可能に構成されている請求項1又は2のいずれかに記載の細径線材の検査装置。
  4. 前記制御部は前記2基の測長センサの縦・横方向の線径の演算値を管理するプログラム回路が備わっている請求項1〜3のいずれかに記載の細径線材の検査装置。
  5. 前記検査部を挟んで細径線材の延在方向の前後には夫々細径線材の上下左右の振れを阻止すための上手側フレ止め具と下手側フレ止め具が設けられている請求項1〜4のいずれかに記載の細径線材の検査装置。
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