JP4915798B2 - 波状コードの検査方法及び検査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、波状コードをゴムで被覆して形成されたゴム被覆部材内の波状コードの波長を検査する波状コードの検査方法及び検査装置に関し、特に波状コードの波長の自動検査を可能にした検査方法及び検査装置に関する。
空気入りタイヤは、一般に、一対のビードコア間に亘って延びるカーカス層と、タイヤ転動時に路面と接するトレッドゴムとの間に、それぞれスチールや有機繊維等のコードが配置された複数層のベルト層を備えている。このベルト層の1つとして、従来、略タイヤ周方向に波状に屈曲又は湾曲等しつつ延びる波状コードが配置された波状ベルト層(WAVYベルト層)が広く採用されている(特許文献1、2参照)。
この波状ベルト層は、所定径の波状コードを1本又は複数本配列させてゴムで被覆したゴム被覆部材からなり、グリーンタイヤ(生タイヤ)の成型時に、ゴム被覆部材を下層のベルト層等の他のタイヤ構成部材の外周に1周又は複数周巻き付ける等して形成される。また、ゴム被覆部材内の各波状コードは、所定の波長及び振幅で規則的に屈曲等するように形成されて、例えば互いに略同一位相で並設される等、所定のパターンでゴム被覆部材内に埋設される。
ところで、このようなゴム被覆部材では、タイヤに使用されたときに、目的とする機能を発揮させてタイヤに所望の性能等を付与するためには、その波状コードの波長を予め定められた波長(波長範囲)にする等、波状コードを所定の規格(基準)に適合させる必要がある。そのため、ゴム被覆部材は、例えば、その製造時に、波状コードの波長が所定の波長範囲内に形成されて生タイヤの成型工程に供給され、かつ波状コードの波長が所定の規格を満たすように生タイヤに巻き付けられる等、波状コードの波長に関して、通常、各段階(工程)のそれぞれで規格が定められている。
具体的には、例えばAPRタイヤ(航空機用ラジアルタイヤ)で使用されるゴム被覆部材では、その波状コードの4波長の長さが、生タイヤの成型工程への供給前は106±4mmであり、かつ生タイヤへ巻き付けられて引き伸ばされた後にも112mm以下であることが規格で定められており、各工程で波状コードの波長を測定して、この規格内であるか否かを検査している。
ところが、従来、この波状コードの波長の測定は、作業者や成型者が、ゴム被覆部材の表面に形成された波状コードに対応する凹凸をメジャーや各種の計測治具を使用して実測する等、人手を介してその都度実施されることが多く、多大な手間や時間、及び工数等を要している。そのため、従来は、ゴム被覆部材(波状コード)の検査の効率が低く、これに伴い、ゴム被覆部材の製造や生タイヤの成型等の生産性が低くなるという問題が生じている。また、人手による測定であるため、波長の測定ミスが起こる可能性もあり、規格外の波状コードを有するゴム被覆部材や生タイヤ等の不良品を誤って次工程に送ってしまう恐れもある等、各工程での品質管理に関しても問題がある。
特に、上記したAPRタイヤの例では、例えば生タイヤの成型工程に、波状コードの4波長の長さが規格の最大波長である110mmのものが供給されることがあり、この場合には、成型時(巻き付け時)に僅か2mmの伸びしか許容されないため、巻き付け前後(特に巻き付け後)の波長測定に対して、より正確性が要求される。その結果、波状コードの波長を慎重かつ丁寧に測定して検査する必要があり、上記した検査効率や生産性が更に低下するとともに、その品質管理も一層重要となる。
特開2000−52711号公報 特開2006−159691号公報
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、波状コードをゴムで被覆して形成されたゴム被覆部材内の波状コードの波長を自動で検査できるようにし、その品質管理を適切に行いつつ、検査の効率や正確性を向上させることである。
請求項1の発明は、長手方向に沿って波状に延びる波状コードをゴムで被覆し、表面に前記波状コードに対応する凹凸が形成されたゴム被覆部材内の前記波状コードの波長を検査する波状コードの検査方法であって、前記ゴム被覆部材の表面に光を照射して該ゴム被覆部材表面に前記凹凸に応じた明暗を形成する工程と、前記明暗が形成されたゴム被覆部材表面の画像を取得する工程と、該取得した画像から濃度情報を取得する工程と、該濃度情報に基づいて、前記波状コードの波長が所定の規格内であるか否かを判定する工程と、を有し、前記濃度情報を取得する工程は、前記画像から該画像の互いに一部重複又は隣接する所定の単位領域毎に、該単位領域に含まれる画素の平均濃度を順次算出する工程と、互いに一部重複又は隣接する複数の前記単位領域内における前記画素の平均濃度の最大値と最小値の差分を前記画像又は所定の検査範囲の全体に亘って順次算出する工程と、該差分の各算出値と予め設定された該差分のしきい値とを比較して、該しきい値を超える前記差分の算出値の数をカウントする工程と、からなり、前記判定する工程は、前記カウント数の実測値と前記所定の規格に対応して予め設定された前記カウント数の最小値及び/又は最大値とを比較し、該比較結果に基づいて前記判定を行うことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載された波状コードの検査方法において、前記画像を取得する工程は、前記明暗が形成されたゴム被覆部材表面を撮像する工程と、該撮像した画像から前記明暗の明部を抽出する工程と、からなることを特徴とする
求項の発明は、請求項1又は2に記載された波状コードの検査方法において、前記画素の平均濃度を順次算出する工程は、前記画像内で、前記単位領域を前記波状コードの長手方向に沿って所定の画素数ずつ移動させつつ前記平均濃度を算出し、前記差分を算出する工程は、前記単位領域の移動方向に互いに一部重複又は隣接する複数の前記単位領域内における前記差分を算出することを特徴とする。
請求項の発明は、長手方向に沿って波状に延びる波状コードをゴムで被覆し、表面に前記波状コードに対応する凹凸が形成されたゴム被覆部材内の前記波状コードの波長を検査する波状コードの検査装置であって、前記ゴム被覆部材の表面に光を照射して該ゴム被覆部材表面に前記凹凸に応じた明暗を形成する光源と、前記明暗が形成されたゴム被覆部材表面を撮像する撮像手段と、該撮像した画像から濃度情報を取得し、該濃度情報に基づいて、前記波状コードの波長が所定の規格内であるか否かを判定する解析手段と、を備え、前記解析手段は、前記画像から該画像の互いに一部重複又は隣接する所定の単位領域毎に、該単位領域に含まれる画素の平均濃度を順次算出する平均濃度算出手段と、互いに一部重複又は隣接する複数の前記単位領域内における前記画素の平均濃度の最大値と最小値の差分を前記画像又は所定の検査範囲の全体に亘って順次算出する差分算出手段と、該差分の各算出値と予め設定された該差分のしきい値とを比較して、前記しきい値を超える前記差分の算出値の数をカウントするカウント手段と、該カウント手段によるカウント数の実測値と前記所定の規格に対応して予め設定された前記カウント数の最小値及び/又は最大値とを比較し、該比較結果に基づいて前記判定を行う判定手段と、を有することを特徴とする。
請求項の発明は、請求項に記載された波状コードの検査装置において、前記撮像手段及び前記光源を移動させて、撮像する前記ゴム被覆部材表面との間の距離を所定距離に維持する移動手段を備えたことを特徴とする。
請求項の発明は、請求項又はに記載された波状コードの検査装置において、前記解析手段は、前記撮像した画像から前記明暗の明部を抽出する抽出手段を有し、前記濃度情報は前記明部を抽出した画像に基づく濃度情報であることを特徴とする
求項の発明は、請求項4ないし6のいずれかに記載された波状コードの検査装置において、前記平均濃度算出手段は、前記画像内で、前記単位領域を前記波状コードの長手方向に沿って所定の画素数ずつ移動させつつ前記平均濃度を算出し、前記差分算出手段は、前記単位領域の移動方向に互いに一部重複又は隣接する複数の前記単位領域内における前記差分を算出することを特徴とする。
本発明によれば、波状コードをゴムで被覆して形成されたゴム被覆部材内の波状コードの波長を自動で検査でき、その品質管理を適切に行えるとともに、検査の効率や正確性を向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の波状コードの検査装置は、例えば上記したタイヤの波状ベルト層等に使用される、1本又は複数本の波状コードを配列させてゴムで被覆したゴム被覆部材を検査する装置であり、その内部に埋設された波状コードの波長が所定の規格内であるか否か等を検査する。また、この検査装置は、例えばゴム被覆部材の搬送経路や生タイヤの成型装置等に隣接して設置され、搬送中の又は生タイヤに巻き付け等されたゴム被覆部材を自動で検査する。
なお、検査対象のゴム被覆部材の表面には、波状コードにより、相対的に肉厚な部分(凸部)と、その間等の相対的に薄肉な部分(凹部)が、波状コード及びゴム被覆部材の長手方向(長さ方向)に沿って形成される等、波状コードに対応する凹凸が形成されており、本実施形態の検査装置は、この表面の凹凸等を利用して波状コードの波長を検査する。また、本実施形態では、長手方向に沿って略正弦波状に湾曲しつつ延びる波状コードを、略同一位相で複数配列させてゴムで被覆したゴム被覆部材を例に採り説明する。
図1は、本実施形態の波状コードの検査装置1の概略構成を、ゴム被覆部材70と共に模式的に示す要部構成図であり、図では、ゴム被覆部材70を含む一部を斜視図で示している。また、図の矢印Nは、ゴム被覆部材70及びその内部の各波状コードの長手方向であり、それと直交する矢印Hは、ゴム被覆部材70の幅方向である。従って、各波状コードは、図の矢印N方向に沿って波状に延びるとともに、図の矢印H方向に複数配列されている。
この検査装置1は、図示のように、ゴム被覆部材70の一方側(図では上側)に配置された光源10及び撮像手段20と、それらを含む装置各部に接続されて検査装置1全体の制御や画像解析等を行う制御解析装置30と、を備えている。
光源10は、ゴム被覆部材70表面の所定位置に光を照射して、その表面に波状コードによる凹凸に応じた明暗を形成するためのものであり、例えば、棒状ランプや蛍光灯等の各種の電灯、又は発光ダイオード(LED)等を利用した照明(投光)装置である。この光源10は、撮像手段20に対して、ゴム被覆部材70の幅方向Hにずれた位置に設けられるとともに、その発光面11を、撮像手段20による撮像範囲Kに向けて配置され、撮像範囲Kに向かって斜め上方から光を照射(図の矢印S)してその全体を照明する。これにより、光源10は、ゴム被覆部材70の表面の凹凸に、波状コードの長手方向と略直交する方向(振幅方向)(図の矢印H)の斜め上方から光をあてて、その表面の凸部を主に照らして凹部に影を作り、それらに対応した明暗を撮像範囲Kの全体に亘って形成して表面の凹凸を強調させる。
ここで、光源10の位置や光の照射角度等は、ゴム被覆部材70の表面に凹凸に応じた明暗が生じ易いように、凹凸の程度等の各状況に応じて設定される。同様に、光源10には、ゴム被覆部材70の表面の色等の表面性状や各特性等に応じて、凹凸に対応した明暗が鮮明になるものが使用され、例えば蛍光灯による白色光や、各色の光を発生する発光ダイオード、又は赤外線や紫外線ランプ等、種々のものから適宜選択される。本実施形態では、検査対象のゴム被覆部材70がタイヤに用いられるゴムで被覆されており、その表面が黒光沢を有するため、光源10として青色光を発生する青色発光ダイオードを使用している。
図2は、このゴム被覆部材70の表面を2種類の光源10により照らした状態を示す例であり、図2Aは光源10として蛍光灯を使用したものを、図2Bは光源10として青色発光ダイオードを使用したものを、それぞれ示している。
図示のように、両光源10共に、ゴム被覆部材70の表面に、波状コードによる凹凸に応じた波状の明暗(明部71と暗部72)を形成できるものの、蛍光灯による白色光(図2A参照)では、明部71と暗部72の差が不明瞭であり、凹凸に応じた明暗が不鮮明になっている。これに対し、本実施形態の青色発光ダイオードによる青色光(図2B参照)では、明部71と暗部72の差が明瞭であり、凹凸に応じた明暗がより鮮明に識別できる。
撮像手段20(図1参照)は、この明暗が形成されたゴム被覆部材70表面の撮像範囲K(検査範囲)を撮像し、その画像を制御解析装置30に出力する。撮像手段20は、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを使用したCMOSカメラ等であり、本実施形態では、撮像手段20として所定の画素数(例えば200万画素)の白黒CCDカメラを使用している。また、そのゴム被覆部材70側の先端(図では下端)には、レンズや接写リング等が取り付けられており、撮像範囲Kの画像を連続的に、又は所定時間毎に撮像して、その画像を電気信号に変換し、画素毎の明暗の濃度(輝度)等の画像データを制御解析装置30に出力する。
制御解析装置30は、検査装置1全体の制御を行うとともに、ゴム被覆部材70内の波状コードの波長を検査するものであり、例えば各種のデータ処理や解析、演算処理等を行う中央演算処理装置(CPU)、各種プログラムを格納したROMや処理のための一時的なデータの保存等を行うRAM、ハードディスクドライブ等の記憶手段、及びモニタ等を備えたパーソナルコンピュータ等である。また、制御解析装置30は、インターフェース等を介して光源10や撮像手段20等の装置各部と接続され、それらとの間で検査に必要な各種データ等を送受信して、所定の画像解析や検査処理等を実行する。即ち、制御解析装置30は、撮像手段20が撮像した撮像範囲K(検査範囲)の画像を取得して解析し、ゴム被覆部材70内の波状コードの波長が所定の規格内であるか否かを判定する解析手段でもあり、以下、この制御解析装置30の行う各処理等について説明する。
図3は、この制御解析装置30の機能ブロック図であり、検査装置1の他の構成もブロックで示している。
制御解析装置30は、図示のように、外部機器が接続される入出力部31、表示部32、記憶部33、制御部34、及び画像解析部35から構成され、これら各部(手段)31〜35を互いにバス36を介して接続している。
入出力部31は、光源10及び撮像手段20が、例えば、それぞれを制御する制御手段であるコントローラやシーケンサ等を介して接続され、それらとの間で各種データや制御信号等を変換して送受信するインターフェース等からなる。表示部32は、各種の情報を表示するモニタ等の表示手段であり、ゴム被覆部材70表面の撮像した画像や検査結果等を表示する。
記憶部33は、検査装置1の制御処理や判定・検査処理等に必要な各種プログラムやデータ等を記憶する。また、記憶部33は、撮像手段20による撮像画像等の測定データ33Aや、後述する画像解析部35により解析及び演算される検査結果等に関する各データ(検査データ33B)、及び検査対象のゴム被覆部材70に対して予め設定された波状コードの波長(ここでは4波長の長さ)の良否等に関する所定の規格(基準)(規格データ33C)を記憶する。この規格データ33Cには、例えば良否の境界となる波状コードの波長の最大値や最小値、又は、それらに対応した各所定値(設定値)等のデータテーブル等、予め設定された各種の規格データが、検査するゴム被覆部材70の種類等毎に記憶されている。
制御部34は、検査装置1全体の制御に関するデータ処理や演算処理等を行い、検査装置1全体を制御して、例えば、光源10による光の照射や撮像手段20による撮像、及び撮像した画像等の各種データの記憶部33への記憶処理等を実行させる。また、制御部34は、ゴム被覆部材70の波状コードの検査結果に応じて、入出力部31を介して警報手段(図示せず)に警報指令を出力し、警報手段を制御して音や光等による警報出力処理を実行させる。
画像解析部35は、ゴム被覆部材70の画像を解析し、その内部の波状コードの波長の良否を判定する等、波状コードの検査に関する各演算・解析処理を行うための解析手段であり、抽出部35A、平均濃度算出部35B、差分算出部35C、カウント部35D、及び判定部35Eからなる。画像解析部35は、入出力部31を介して撮像装置20から取得したゴム被覆部材70表面の凹凸(明暗)に関する画像から濃度情報を取得し、この情報に基づいて、各部(手段)35A〜35Eにより所定の画像解析及び演算処理を実行して上記した判定等を行い、その結果を記憶部33の検査データ33Bに記憶させる。
抽出部35Aは、撮像手段20が撮像した画像から、例えば所定の濃度(輝度)以上の画素を抽出する等、ゴム被覆部材70表面の画像にフィルタ処理を施して、その凹凸に応じた明暗から明部を抽出処理する。
図4は、この抽出部35Aにより明部を抽出する前後の画像例を示す図であり、波状コードの波長が異なる4つの画像の表示部32への表示例である。また、図4A〜図4Dの順に、それぞれ4波長の長さが108mm、110mm、112mm、114mmの波状コードを有するゴム被覆部材70の画像を示している。
撮像手段20によるゴム被覆部材70の撮像画像80には、図示のように、各波状コードの形状及び波長に対応した明部71及び暗部72が撮像される。この撮像画像80に対し、抽出部35Aにより抽出処理を施した所定の検査範囲の明部抽出画像81(各図内の下段に示す矩形状の画像)では、明部71の所定の濃度以上の部分(画素)が抽出され、画面全体が、線状等をなす抽出明部82(図の白色部)と、その他の部分(図の黒色部)と、により表示される。
この抽出明部82は、各明部抽出画像81内で波状コード(ゴム被覆部材70表面の凸部)の形状や位置、及び波長、振幅等に対応した形態で現れる。即ち、各抽出明部82は、全体として、それぞれ略波状に近い形態をなすが、図4Aから図4Dまでの各明部抽出画像81を順に見て明らかなように、波状コードの波長が長くなり振幅が小さくなる程、各抽出明部82の波状の程度が小さくなる。その結果、各抽出明部82は、波状コードが引き伸ばされて波長が長くかつ振幅が小さくなるのに応じて徐々に直線状に近くなり、最終的に波状コードが直線状に引き伸ばされると、同様に直線状に配列する。
本実施形態の画像解析部35(図3参照)は、この明部71を抽出した画像(明部抽出画像81)に基づき前記濃度情報を取得する、即ち、この画像により以降の解析を行い、まず、平均濃度算出部35Bにより、隣接する複数画素を1つの単位として、その領域の画素の平均濃度の算出処理を実行する。
具体的には、平均濃度算出部35Bは、取得した画像に対して所定数の画素からなる単位領域(セグメント)を設定して、そこに含まれる各画素の濃度から単位領域内における画素の平均濃度を算出した後、単位領域を、互いに一部が重複又は隣接するように所定方向に移動させて、各単位領域の平均濃度を順次算出する。このように、平均濃度算出部35Bは、取得した画像から、その互いに重複又は隣接する所定の単位領域毎に、各単位領域に含まれる画素の平均濃度を画像(又は所定の検査範囲)の全体に亘って順次算出する。
なお、単位領域は、この画像(画素)に対して、縦横それぞれ所定数の複数画素を含むように区画して設定される、例えば矩形状等の仮想的な小領域であり、その大きさ(画素数)は、画像の状態や必要な検査精度等に応じて予め設定される。また、この平均濃度算出部35Bでは、ゴム被覆部材70の画像内(図4参照)で、設定した単位領域を、波状コードの長手方向(図4では左右方向)に沿って、一端側から他端側に向かって所定の画素数ずつ互いに一部重複又は隣接(ここでは一部を重複)させて移動させつつ各単位領域の平均濃度を算出し、前記他端側で波状コードの振幅方向(図4では上下方向)に所定の画素数だけ移動させる。平均濃度算出35Bは、以下同様に単位領域を波状コードの長手方向及び振幅方向に順次移動させて、単位領域毎の平均濃度を順次算出する。
差分算出部35C(図3参照)は、この算出した各平均濃度に基づき、波状コードの長手方向や振幅方向等に互いに一部重複又は隣接する複数の単位領域内における各画素の平均濃度の最大値と最小値の差分(平均濃度の最大差)を算出する。差分算出部35Cは、この差分を算出する複数の単位領域を、波状コードの長手方向や振幅方向等の所定方向に沿って、例えば単位領域を1つ又は複数ずつ移動させる等、各単位領域を単位として互いにその一部を重複又は隣接させて移動させ、画像全体に亘って、又は所定の検査範囲の全体に亘って各差分を順次算出する。
このように、差分算出部35Cは、上記した平均濃度算出部35Bによる平均濃度の全算出処理の終了後、又は各算出処理に同期して算出処理中に、平均濃度を算出済みの所定数(範囲)の単位領域に対して平均濃度の差分(最大差)の算出処理を実行する。また、ここでは、差分算出部35Cは、平均濃度算出部35Bによる平均濃度の算出方向、即ち、その平均濃度の算出時における単位領域の移動方向に互いに一部重複又は隣接する複数の単位領域内における差分を算出する。
図5は、以上の平均濃度算出部35B及び差分算出部35Cによる各算出手順について具体的に説明するための模式図である。
本実施形態の平均濃度算出部35Bは、図示のように、予め設定された大きさの所定数の画素からなる単位領域Tを、予め設定された移動量(ここでは単位領域Tの1/3に相当する画素数)ずつ、波状コードの長手方向(図では左右方向)に沿って一方側(図の矢印)にずらせながら各単位領域Tの画素の平均濃度を算出する。このようにして、順次、単位領域T1(平均濃度95)(図5A参照)、単位領域T2(平均濃度80)(図5B参照)、単位領域T3(平均濃度100)(図5C参照)、単位領域T4(平均濃度120)(図5D参照)、と4つの単位領域T1〜T4の平均濃度を算出する。
差分算出部35Cは、この各算出結果から、上記した移動方向内で互いに一部が重複する4つの単位領域T1〜T4内における平均濃度の最大値(ここでは図5Dに示す単位領域T4の120)と最小値(ここでは図5Bに示す単位領域T2の80)の差分(ここでは40)を算出する。このように、各算出部35B、35Cは、単位領域Tを移動させて平均濃度を算出するとともに、算出済みの互いに一部が重複する4つの単位領域Tの前記差分を順次算出する。
カウント部35D(図3参照)は、この差分の各算出値と所定の差分のしきい値とを比較し、しきい値を超える差分の算出値の数をカウントする。この差分のしきい値は、有効な濃度差であると認められる予め設定された最小値であり、例えば検査するゴム被覆部材70毎に実験的に決定したり、或いは、上記した明部抽出画像81(図4参照)の各抽出明部82の濃度や大きさの程度等の態様や、単位領域の大きさ及び移動量等の検査条件等に応じて決定され、記憶部33(図3参照)の規格データ33Cに記憶される。カウント部35Dは、このしきい値を規格データ33Cから読み出し、上記したカウントを差分算出部35Cによる各差分の算出毎に、又は、全ての差分の算出後に行い、しきい値を超える差分の算出値の数を加算してその総数(カウント数)を求める。
ここで、本実施形態では、複数の単位領域の平均濃度の差分を波状コードの長手方向(図4参照)に沿って算出するが、これら長手方向内の各単位領域間の平均濃度の差は、波状コードの長手方向に対して傾斜する各部の傾斜角度(波状の程度)が大きくなるほど大きくなる。従って、差分算出部35Cによる差分の算出値は、波状の程度が大きく波長が短い波状コードほど大きく、ゴム被覆部材70及び波状コードが引き伸ばされてその波長が長くなり、直線状に近くなるにつれて徐々に小さくなる。このように、差分の算出値は、波状コードの波長の変化に応じて変化して、最終的に直線状の波状コードでは、理論的には長手方向の平均濃度差がなくなりゼロに近い値になる。その結果、しきい値を超える差分の算出値の総数、即ち、カウント部35Dによるカウント数も波状コードの波長に応じて変化し、差分の算出値と同様に、波状コードの波長が短いほど多く、長いほど少なくなる。
図6は、このカウント数の実測値と波状コードの波長(ここでは4波長の長さ)の関係を示す線図(グラフ)であり、図4A〜図4Dに示す波状コードの波長が異なる4つの画像を上記したように解析し、解析結果の各数値をグラフ化した例を示す。また、図の横軸は波状コードの4波長長さ(mm)を、縦軸はカウント数の実測値を、それぞれ示している。
カウント数の各実測値は、図示のように、負の傾き(図では右下がり)の略同一直線上に位置し、4波長長さに比例してその長さが長くなるほど小さくなる。このように、カウント数と4波長長さとの間には相関があり、本実施形態の検査装置1では、これを利用してゴム被覆部材70内の波状コードの波長が、定められた波長範囲内にあるか否かや、許容される波長の最大値以下、又は最小値以上であるか否か等、所定の規格を満たして適合するか否かを判定部35E(図3参照)により判定して検査する。
即ち、判定部35Eは、カウント部35Dによるカウント数(総数)の実測値と、波状コードの所定の規格に対応して予め設定されたカウント数の最小値及び/又は最大値とを比較し、その比較結果に基づいて波状コードの波長が所定の規格内であるか否かを判定する。具体的には、図6に示すグラフの例で、例えば波状コードの4波長長さが112mm以下であることが定められている場合には、それに対応するカウント数の最小値(下限値)は2000であり、判定部35Eは、カウント数の実測値が2000よりも大きいときには、4波長長さが112mm以下で規格内であると判定し、2000以下であるときには、波長が112mmよりも長く規格外であると判定する。同様に、判定部35Eは、例えば4波長長さの規格が108mm以上である場合には、対応するカウント数の最大値(上限値)である3000とカウント数の実測値とを比較して判定を行う。また、判定部35Eは、4波長長さの規格に関して所定の範囲が定められている場合には、その上下限値に対応するカウント数の最小値及び最大値とカウント数の実測値とを比較し、実測値が最小値と最大値の間にあるか否かにより、波状コードの波長が規格内か否かを判定する。
なお、これらカウント数の最小値や最大値は、例えば上記したように波長の異なる複数の波状コードを有するゴム被覆部材70に対してカウント数を実測し、それらの関係(図6参照)から各波長の規格に対応する値を求め、或いは、波長の規格値(上限値や下限値)と同じ波長の波状コードを有するゴム被覆部材70のカウント数を実測する等、実験的に求められて設定される。また、設定された最小値や最大値は、予め記憶部33(図3参照)の規格データ33Cに記憶され、検査時に、画像解析部35の判定部35Eにより読み出されて使用される。
次に、以上説明した検査装置1によりゴム被覆部材70内の波状コードの波長を検査する手順や動作等について説明するが、以下の各手順等は、制御解析装置30により制御されて、所定のプログラムや予め設定された条件等に基づいて、装置各部を所定のタイミングで作動させる等、連動して作動させて実行される。
検査時には、まず光源10(図1参照)により、ゴム被覆部材70表面の所定の検査位置(撮像範囲K)に光を照射してゴム被覆部材70表面に、波状コードによる凹凸に応じた明暗を形成し、この明暗が形成されたゴム被覆部材70表面の撮像範囲Kを撮像手段20により撮像して画像を取得する。続いて、取得した画像を、制御解析装置30の画像解析部35により上記したように画像解析し、その画像から所定の濃度情報を取得する。検査装置1は、この濃度情報に基づいて、波状コードの波長が所定の規格内であるか否かを判定して検査する。
具体的には、まず、画像解析部35の抽出部35Aにより、ゴム被覆部材70表面の撮像した画像80(図4参照)からその明暗の明部71を抽出する。次に、平均濃度算出部35Bにより、この画像(明部抽出画像81)から、画像内の互いに一部重複又は隣接(ここでは重複)する所定の単位領域T(図5参照)毎に、各単位領域Tに含まれる全ての画素の平均濃度を順次算出する。また、差分算出部35Cにより、互いに一部重複又は隣接する複数の単位領域T内における画素の平均濃度の最大値と最小値の差分を、画像(又は所定の検査範囲)の全体に亘って順次算出する。これら各算出時に、この検査装置1では、単位領域Tを波状コードの長手方向に沿って所定の画素数ずつ移動させつつ平均濃度を算出し、かつ、この単位領域Tの移動方向に互いに一部重複する複数の単位領域T(図5に示す例では4つの単位領域T1〜T4)内における差分を算出する。
次に、カウント部35Dにより、平均濃度の差分の各算出値と予め設定された差分のしきい値とを比較して、しきい値を超える差分の算出値の数をカウントする。その後、判定部35Eにより、カウント数(総数)の実測値と上記した所定の規格に対応して予め設定されたカウント数の最小値及び/又は最大値とを比較し、この比較結果に基づいて、波状コードの波長が規格内であり、規格に適合するか否かを判定する。
検査装置1は、この波状コードの検査を、例えば搬送中の又は生タイヤに巻き付けられたゴム被覆部材等に対して、連続的に又は予め設定された所定時間毎や所定のタイミングで繰り返し自動で実行する。また、検査装置1は、画像解析部35(図3参照)による各解析や算出の結果、又は判定結果や検査結果等の検査に関する各データを、検査したゴム被覆部材70に対応付けて記憶部33の検査データ33Bに記憶させる。
以上説明したように、本実施形態によれば、ゴム被覆部材70内の波状コードの波長が規格内であるか否かを、人手を介することなく自動で検査できるため、波長の測定や検査に要する手間や時間、及び工数等を大幅に削減することができる。その結果、波長検査の効率が向上して、ゴム被覆部材70の製造や生タイヤの成型等の生産性を高めることができ、かつ、波状コードの波長の測定や検査にミスが生じるのを抑制できるため、検査の正確性を向上させることができる。同時に、規格外の波状コードを有するゴム被覆部材や生タイヤ等の不良品が誤って次工程に送られるのを防止できるとともに、検査履歴や検査結果等を画像や数値データとして保存して管理できるため、それらの品質管理や、不良品が発生したときの対策等を容易かつ適切に行うこともできる。
ここで、本実施形態では、明部71を抽出した画像(明部抽出画像81)(図4参照)に基づいて画像解析を行ったが、この画像解析は、明部71を抽出しない元の撮像画像80に基づいて行ってもよい。ただし、この検査装置1のように明部抽出画像81を画像解析する場合には、画像の明暗が明確に識別可能になり、以降の各解析処理や検査をより的確かつ正確に行うことができ、より望ましい。また、画像解析する画像は、撮像手段20による撮像画像の全範囲であってもよく、そこから所定の領域(検査範囲)を抜き出した画像であってもよい。
一方、平均濃度算出部35Bによる単位領域の移動方向や差分算出部35Cによる差分の算出方向も、波状コードの長手方向に対してある程度の角度で傾斜させる等、その長手方向に略沿うように移動及び算出してもよく、従って、波状コードの長手方向以外の他の方向であってもよい。また、これら各算出の手順も、単位領域を移動させつつ平均濃度を算出し、同時に移動方向の差分を算出してもよく、算出対象の画像の所定範囲の又は全ての単位領域の平均濃度を算出してから各差分を算出等してもよい。このように、これら各算出の手順は、対象となる画像や単位領域の大きさ(画素数)、単位領域の移動量、及び算出等に要する全体の演算量等、それぞれの検査態様等に応じて適宜設定される。
更に、差分算出部35Cによる差分の算出は、単位領域の移動方向(1次元方向)の所定数の単位領域以外、例えば移動方向と直行する方向を加えた2次元方向の所定数の単位領域に対して行う等、予め設定された他の所定範囲の複数の単位領域に対して行うようにしてもよい。また、ここでは、判定部35Eにより、カウント部35Dによるカウント数の実測値と各設定値とを比較したが、カウント数の実測値と波長の関係式等を基に、カウント数の実測値から波状コードの波長を算出し、この算出値を波長の規格と比較して、規格を満たすか否かを判定するようにしてもよい。
なお、本実施形態によれば、ゴム被覆部材70として、上記した波状ベルト層以外に、例えばタイヤサイド部やビード部等に配置される補強層等、波状コードが配置された他のゴム被覆部材70も検査することができる。また、本実施形態では、略正弦波状の波状コードを例に採り説明したが、波状コードは、例えば正弦波状と同様に種々の曲率や形状で湾曲して延びる波状に、又は矩形波状、台形波状、三角波状(ジグザグ状)等の屈曲しつつ延びる波状に、或いは、それらを任意に組み合わせた波状等、長手方向に沿って波状に延びる他の形態のものであってもよい。従って、本発明の波状コードには、このように規則的に振幅しつつ長手方向に沿って種々の形態で波状に延びる各種の波状コードを含む。
更に、ゴム被覆部材70内の波状コードは、スチール等の金属からなるコードや、ケブラー繊維等の有機繊維からなるコード等、その材質や種類等を問わず、波状をなしてゴム被覆部材70の表面に凹凸を形成する部材であればよい。
次に、以上説明した検査装置1をオンライン(製造ライン上)に組み込んで各種工程に適用した具体例について説明する。
図7は、本実施形態の検査装置1を生タイヤの成型工程に適用した例を模式的に示す側面図であり、図8は、図7に示す検査装置1付近を抜き出して示す模式図である。
生タイヤの成型工程では、図7に示すように、軸線周りに回転可能な略円筒状等の成型ドラム40を、モータ等の駆動手段(図示せず)により回転させ、その外面に所定寸法のインナーライナやカーカス、ゴム被覆部材70等の各タイヤ構成部材を巻き付けて生タイヤ41を成型する。検査装置1は、この成型ドラム40及び成型途中の生タイヤ41の径方向外側に設置され、その撮像手段20及び光源10が、成型ドラム40側を向くように、かつ、その外面に対向させて配置される。その位置から、検査装置1は、下層のタイヤ構成部材の外面に巻き付けられたゴム被覆部材70の所定位置に向かって光を照射し、その表面の画像を所定のタイミングで撮像して上記したように画像解析等を行い、ゴム被覆部材70内の波状コードの波長をオンラインで検査する。また、検査装置1は、この波長検査を、ゴム被覆部材70の巻き付け後に1回、又は成型ドラム40を回転させてゴム被覆部材70の周方向の複数箇所で行う等、新たな生タイヤ41の成型毎に実行する。
ここで、検査毎の検査結果に変動が生じるのを防止し、適切な検査を連続して行うためには、撮像手段20及び光源10と撮像するゴム被覆部材70の表面との間の距離を、生タイヤ41の外径が変化しても、適切な撮像及び検査が可能な所定距離に維持する必要がある。そのため、この検査装置1は、図8に示すように、撮像手段20及び光源10を成型ドラム40(ゴム被覆部材70)に接近及び離間する方向に移動させる移動手段42、45を備えている。検査装置1は、この移動手段42、45により、撮像手段20及び光源10を一体に移動させて撮像するゴム被覆部材70表面との間の距離を所定距離に維持し、撮像及び検査条件を一定条件に維持するようになっている。
なお、移動手段42、45としては、例えば空気圧式や油圧式のピストン・シリンダ機構やラック、ピニオン、及びステッピングモータ等からなる直線移動機構、又はボールネジやボールスプライン等からなるネジ作用を利用して移動させる直線移動機構等の周知の手段を使用することができる。
移動手段42(図8A参照)としてピストン・シリンダ機構を使用する場合には、ピストンロッド43Pに撮像手段20及び光源10を取り付けるとともに、その先端に回転自在な略円筒状のロール44を取り付け、ピストンロッド43Pをシリンダ43S内から出し入れして、撮像手段20及び光源10をゴム被覆部材70に接近及び離間させる。また、ここでは、シリンダ43Sに所定の圧力を作用させて、ロール44の外面をゴム被覆部材70の表面に接触させ、ロール44をゴム被覆部材70に向かって所定圧力で付勢して、ゴム被覆部材70の外径の変動に連動させてロール44及びピストンロッド43Pを変位させる。これにより、移動手段42は、撮像手段20及び光源10とゴム被覆部材70の表面との間を所定距離に維持する。
一方、移動手段45(図8B参照)として上記した直線移動機構を使用する場合には、撮像手段20及び光源10を、そのゴム被覆部材70に向かって直線状に延びるラックやボールスプライン等の移動部材45Aのゴム被覆部材70側に取り付ける。この移動手段45では、距離センサ(図示せず)によりゴム被覆部材70の表面との間の距離を検知し、その検知結果に基づいて移動部材45Aを移動させて、撮像手段20及び光源10とゴム被覆部材70の表面との間を所定距離に維持する。
以上、検査装置1を生タイヤ41(新品タイヤ)の成型工程に適用した例について説明したが、この検査装置1は、更正タイヤの成型工程で使用することもできる。即ち、更正タイヤの成型工程では、使用済みタイヤのトレッドゴムや各ベルト層を取り除いた後、新たにゴム被覆部材70(波状ベルト層)の巻き付け等を行う必要がある。その際に、検査装置1によりゴム被覆部材70内の波状コードの波長を同様に検査してもよい。
また、この検査装置1は、ゴム被覆部材70の製造工程等に適用することもできる。
図9は、検査装置1をゴム被覆部材70の搬送経路中に設置した例を示す模式図である。
ここでは、図示のように、ゴム被覆部材70は、製造等された後、コンベヤ等の搬送手段50上に載せられて巻取ロールや次工程等に向かって搬送(図の矢印N)される。検査装置1は、この搬送手段50の上方に所定の距離を隔てて設置され、その撮像手段20及び光源10をゴム被覆部材70に向けて配置される。その位置から、検査装置1は、ゴム被覆部材70表面の所定位置に向かって光を照射し、その表面の画像を連続して又は所定の時間毎に撮像して、上記と同様にゴム被覆部材70内の波状コードの波長をオンラインで検査する。
なお、この場合には、撮像手段20及び光源10とゴム被覆部材70の表面との間の距離は一定であるため、上記した生タイヤ41の成型工程のように移動手段42、45を設けなくても、撮像及び検査条件は一定に維持される。
(波長検査試験)
本発明の効果を確認するため、以上説明した検査装置1によりゴム被覆部材70内の波状コードの波長検査を行い、正しく検査が行えるか否かを試験した。試験では、複数の波状コードが配列されたゴム被覆部材70を検査し、その波状コードの4波長長さの規格を112mm以下として良否を判定した。即ち、カウント部35Dよるカウント数の実測値が2000(図6参照)よりも大きいものは規格内であり、2000以下のものは規格外であると判定した。
その結果、既に説明した図4の各画像例の左上及び右上に示すように、波状コードの4波長長さが112mm以下のもの(図4Aの108mm、図4Bの110mm、図4Cの112mm)は、カウント数の実測値が2000よりも大きく(それぞれ3101、2807、2180)、規格内(OK)であると判定された。一方、4波長長さが112mmよりも長いもの(図4Dの114mm)は、カウント数の実測値が2000以下の1262であり、規格外(NG)であると判定された。これより、この検査装置1により、ゴム被覆部材70内の波状コードの波長を正しく検査できることが分かった。
以上の結果から、本発明により、波状コードをゴムで被覆して形成されたゴム被覆部材70内の波状コードの波長を自動で検査でき、その品質管理を適切に行えるとともに、検査の効率や正確性を向上できることが証明された。
本実施形態の波状コードの検査装置の概略構成を、ゴム被覆部材と共に模式的に示す要部構成図である。 本実施形態のゴム被覆部材の表面を2種類の光源により照らした状態を示す例(写真)である。 本実施形態の制御解析装置の機能ブロック図である。 撮像画像から明部を抽出する前後の画像例を示す図である。 平均濃度算出部及び差分算出部による各算出手順について具体的に説明するための模式図である。 カウント数の実測値と波状コードの波長(4波長の長さ)の関係を示す線図である。 本実施形態の検査装置を生タイヤの成型工程に適用した例を模式的に示す側面図である。 図7に示す検査装置付近を抜き出して示す模式図である。 本実施形態の検査装置をゴム被覆部材の搬送経路中に設置した例を示す模式図である。
符号の説明
1・・・波状コードの検査装置、10・・・光源、11・・・発光面、20・・・撮像手段、30・・・制御解析装置、31・・・入出力部、32・・・表示部、33・・・記憶部、33A・・・測定データ、33B・・・検査データ、33C・・・規格データ、34・・・制御部、35・・・画像解析部、35A・・・抽出部、35B・・・平均濃度算出部、35C・・・差分算出部、35D・・・カウント部、35E・・・判定部、36・・・バス、40・・・成型ドラム、41・・・生タイヤ、42・・・移動手段、43P・・・ピストンロッド、43S・・・シリンダ、44・・・ロール、45・・・移動手段、45A・・・移動部材、50・・・搬送手段、70・・・ゴム被覆部材、71・・・明部、72・・・暗部、80・・・撮像画像、81・・・明部抽出画像、82・・・抽出明部。

Claims (7)

  1. 長手方向に沿って波状に延びる波状コードをゴムで被覆し、表面に前記波状コードに対応する凹凸が形成されたゴム被覆部材内の前記波状コードの波長を検査する波状コードの検査方法であって、
    前記ゴム被覆部材の表面に光を照射して該ゴム被覆部材表面に前記凹凸に応じた明暗を形成する工程と、
    前記明暗が形成されたゴム被覆部材表面の画像を取得する工程と、
    該取得した画像から濃度情報を取得する工程と、
    該濃度情報に基づいて、前記波状コードの波長が所定の規格内であるか否かを判定する工程と、を有し、
    前記濃度情報を取得する工程は、前記画像から該画像の互いに一部重複又は隣接する所定の単位領域毎に、該単位領域に含まれる画素の平均濃度を順次算出する工程と、互いに一部重複又は隣接する複数の前記単位領域内における前記画素の平均濃度の最大値と最小値の差分を前記画像又は所定の検査範囲の全体に亘って順次算出する工程と、該差分の各算出値と予め設定された該差分のしきい値とを比較して、該しきい値を超える前記差分の算出値の数をカウントする工程と、からなり、
    前記判定する工程は、前記カウント数の実測値と前記所定の規格に対応して予め設定された前記カウント数の最小値及び/又は最大値とを比較し、該比較結果に基づいて前記判定を行うことを特徴とする波状コードの検査方法。
  2. 請求項1に記載された波状コードの検査方法において、
    前記画像を取得する工程は、前記明暗が形成されたゴム被覆部材表面を撮像する工程と、該撮像した画像から前記明暗の明部を抽出する工程と、からなることを特徴とする波状コードの検査方法。
  3. 請求項1又は2に記載された波状コードの検査方法において、
    前記画素の平均濃度を順次算出する工程は、前記画像内で、前記単位領域を前記波状コードの長手方向に沿って所定の画素数ずつ移動させつつ前記平均濃度を算出し、
    前記差分を算出する工程は、前記単位領域の移動方向に互いに一部重複又は隣接する複数の前記単位領域内における前記差分を算出することを特徴とする波状コードの検査方法。
  4. 長手方向に沿って波状に延びる波状コードをゴムで被覆し、表面に前記波状コードに対応する凹凸が形成されたゴム被覆部材内の前記波状コードの波長を検査する波状コードの検査装置であって、
    前記ゴム被覆部材の表面に光を照射して該ゴム被覆部材表面に前記凹凸に応じた明暗を形成する光源と、
    前記明暗が形成されたゴム被覆部材表面を撮像する撮像手段と、
    該撮像した画像から濃度情報を取得し、該濃度情報に基づいて、前記波状コードの波長が所定の規格内であるか否かを判定する解析手段と、を備え、
    前記解析手段は、前記画像から該画像の互いに一部重複又は隣接する所定の単位領域毎に、該単位領域に含まれる画素の平均濃度を順次算出する平均濃度算出手段と、互いに一部重複又は隣接する複数の前記単位領域内における前記画素の平均濃度の最大値と最小値の差分を前記画像又は所定の検査範囲の全体に亘って順次算出する差分算出手段と、該差分の各算出値と予め設定された該差分のしきい値とを比較して、前記しきい値を超える前記差分の算出値の数をカウントするカウント手段と、該カウント手段によるカウント数の実測値と前記所定の規格に対応して予め設定された前記カウント数の最小値及び/又は最大値とを比較し、該比較結果に基づいて前記判定を行う判定手段と、を有することを特徴とする波状コードの検査装置
  5. 請求項4に記載された波状コードの検査装置において、
    前記撮像手段及び前記光源を移動させて、撮像する前記ゴム被覆部材表面との間の距離を所定距離に維持する移動手段を備えたことを特徴とする波状コードの検査装置。
  6. 請求項4又は5に記載された波状コードの検査装置において、
    前記解析手段は、前記撮像した画像から前記明暗の明部を抽出する抽出手段を有し、前記濃度情報は前記明部を抽出した画像に基づく濃度情報であることを特徴とする波状コードの検査装置。
  7. 請求項4ないしのいずれかに記載された波状コードの検査装置において、
    前記平均濃度算出手段は、前記画像内で、前記単位領域を前記波状コードの長手方向に沿って所定の画素数ずつ移動させつつ前記平均濃度を算出し、
    前記差分算出手段は、前記単位領域の移動方向に互いに一部重複又は隣接する複数の前記単位領域内における前記差分を算出することを特徴とする波状コードの検査装置。
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