JP6848284B2 - スピュー特定方法、ビード部の検査方法、およびビード部の検査装置 - Google Patents
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Description
ところで、加硫後の完成タイヤのビード部分には、タイヤ周方向に延びるヒールライン上に、スピューと呼ばれる髭状のゴムが飛び出ている。スピューは、タイヤを加硫する際に、金型に設けられた空気抜き孔(ベントホール)から突出したゴムであり、異常ではないが、検査画像を用いて欠陥の有無を自動的に判定する自動検査を行った場合に、異常であると判定される場合がある。自動検査を行うためには、このようなスピューに相当する部位を検査画像上で正しく抽出して検査範囲から除外することが必要である。スピューは、通常、タイヤ周上に等間隔で並んでおり、このことを利用して検査画像において抽出することが可能である。しかし、上述の滑りや振れが発生すると、検査画像においてスピューを正しく抽出することができないという問題があった。
本発明は、タイヤ周上に配置された複数のスピューを確実に特定することのできるスピュー特定方法を提供することにある。また、本発明は、ビード部の欠陥を精度よく検査することのできるビード部の検査方法、およびビード部の検査装置を提供することにある。
前記検査画像として、前記ビード部の表面のうち前記ヒール端のタイヤ幅方向の両側にある領域の凹凸をタイヤ周方向およびタイヤ周方向と直交する方向に展開して表す形状画像を、前記コンピュータが取得するステップと、
前記コンピュータが、前記形状画像において、前記ヒール端の位置でタイヤ周方向に延びる凸状の基準線を特定するステップと、
前記コンピュータが、前記基準線を含む検査範囲から、前記凹凸のうち凸の高さが最も高い部位を基準部位として抽出するステップと、
前記コンピュータが、前記検査範囲を前記スピューの数から算出されるスピューの間隔でタイヤ周方向に等間隔に分割して得られる複数の検査区間の1つに前記基準部位が含まれるよう、前記検査区間を設定し、前記検査区間のそれぞれにおいて前記凸の高さが最も高い部位を前記スピューとして特定するステップと、を有することを特徴とする。
前記検査画像として、前記ビード部の表面の凹凸をタイヤ周方向およびタイヤ周方向と直交する方向に展開して表す形状画像を、前記コンピュータが取得するステップと、
前記コンピュータが、前記形状画像において、前記ヒール端の位置でタイヤ周方向に延びる凸状の基準線を特定するステップと、
前記コンピュータが、前記基準線を含む検査範囲から、前記凹凸のうち凸の高さが最も高い部位を基準部位として抽出するステップと、
前記コンピュータが、前記検査範囲を前記スピューの数から算出されるスピューの間隔でタイヤ周方向に等間隔に分割して得られる複数の検査区間の1つに前記基準部位が含まれるよう、前記検査区間を設定し、前記検査区間のそれぞれにおいて前記凸の高さが最も高い部位を前記スピューとして特定するステップと、を有し、
前記スピューを特定するステップでは、前記コンピュータが、さらに、前記特定されたスピューの大きさを求め、
前記スピュー特定方法は、検査対象を、前記タイヤの加硫に用いたのと同一の金型で加硫を行った別のタイヤに変えて、さらに、前記取得するステップ、前記基準線を特定するステップ、前記抽出するステップ、および前記スピューを特定するステップを行い、前記スピューの大きさの変化の有無を検出することを特徴とする。
前記検査画像として、前記ビード部の表面の凹凸をタイヤ周方向およびタイヤ周方向と直交する方向に展開して表す形状画像を、前記コンピュータが取得するステップと、
前記コンピュータが、前記形状画像において、前記ヒール端の位置でタイヤ周方向に延びる凸状の基準線を特定するステップと、
前記コンピュータが、前記基準線を含む検査範囲から、前記凹凸のうち凸の高さが最も高い部位を基準部位として抽出するステップと、
前記コンピュータが、前記検査範囲を前記スピューの数から算出されるスピューの間隔でタイヤ周方向に等間隔に分割して得られる複数の検査区間の1つに前記基準部位が含まれるよう、前記検査区間を設定し、前記検査区間のそれぞれにおいて前記凸の高さが最も高い部位を前記スピューとして特定するステップと、を有し、
前記スピューの1つは、他の前記スピューとは異なる大きさを有し、前記タイヤにおけるタイヤ周方向位置が既知であることを特徴とする。
前記検査画像として、前記ビード部の表面の凹凸をタイヤ周方向およびタイヤ周方向と直交する方向に展開して表す形状画像を、前記コンピュータが取得するステップと、
前記コンピュータが、前記形状画像において、前記ヒール端の位置でタイヤ周方向に延びる凸状の基準線を特定するステップと、
前記コンピュータが、前記基準線を含む検査範囲から、前記凹凸のうち凸の高さが最も高い部位を基準部位として抽出するステップと、
前記コンピュータが、前記検査範囲を前記スピューの数から算出されるスピューの間隔でタイヤ周方向に等間隔に分割して得られる複数の検査区間の1つに前記基準部位が含まれるよう、前記検査区間を設定し、前記検査区間のそれぞれにおいて前記凸の高さが最も高い部位を前記スピューとして特定するステップと、を有し、
前記スピューを第1のスピューというとき、前記第1のスピューのうちの1つであって、前記タイヤにおけるタイヤ周方向位置が既知である第1のスピューの近傍のヒール端に、当該第1のスピューに付随して第2のスピューがさらに配置されており、
前記スピューを特定するステップにおいて、前記第2のスピューは、前記第2のスピューの近傍の前記第1のスピューとともに前記検査区間の1つの中で特定されることを特徴とする。
前記検査画像として、前記ビード部の表面の凹凸をタイヤ周方向およびタイヤ周方向と直交する方向に展開して表す形状画像を、前記コンピュータが取得するステップと、
前記コンピュータが、前記形状画像において、前記ヒール端の位置でタイヤ周方向に延びる凸状の基準線を特定するステップと、
前記コンピュータが、前記基準線を含む検査範囲から、前記凹凸のうち凸の高さが最も高い部位を基準部位として抽出するステップと、
前記コンピュータが、前記検査範囲を前記スピューの数から算出されるスピューの間隔でタイヤ周方向に等間隔に分割して得られる複数の検査区間の1つに前記基準部位が含まれるよう、前記検査区間を設定し、前記検査区間のそれぞれにおいて前記凸の高さが最も高い部位を前記スピューとして特定するステップと、を有し、
前記取得するステップでは、前記検査画像を第1の検査画像というとき、前記コンピュータが、さらに、前記第1の検査画像と異なる第2の検査画像として、前記第1の検査画像を取得するために外部から照射された光の前記ビード部の表面における反射光を受光して、その受光量をタイヤ周方向およびタイヤ周方向と直交する方向に展開して表す画像を、前記第1の検査画像とともに取得し、
さらに、前記第2の検査画像を、前記第1の検査画像と合成して合成画像を作成するステップを有することを特徴とする。
前記コンピュータが、前記第2の検査画像において、前記ビード部の表面に設けられた情報記録媒体を検出するステップと、
前記コンピュータが、前記検出された情報記録媒体のタイヤ周方向位置に基づいて、前記第2の検査画像においてタイヤ周方向の位相を特定するステップと、を有することが好ましい。
タイヤのビード部の表面の凹凸を測定するステップと、
前記スピュー特定方法を行うステップと、
前記形状画像において、前記スピュー特定方法を行うステップにより特定されたスピューおよび前記スピューを取り囲む周辺部位を除外領域として設定するステップと、
前記除外領域を除く前記形状画像の領域において前記ビード部の欠陥の有無を検査するステップと、を含むことを特徴とする。
タイヤのビード部の表面の凹凸を測定する測定ユニットと、
前記測定された凹凸の情報を用いて、前記ビード部の表面のうち前記ヒール端のタイヤ幅方向の両側にある領域の凹凸をタイヤ周方向およびタイヤ周方向と直交する方向に展開して表す形状画像を作成する画像作成部と、
前記形状画像を処理する画像処理部と、
前記処理された形状画像を用いて、前記ビード部の欠陥の有無を検査する検査部と、を含み、
前記画像処理部は、
前記形状画像において、前記ヒール端の位置でタイヤ周方向に延びる凸状の基準線を特定する基準線特定部と、
前記基準線を含む検査範囲から、前記凹凸のうち凸の高さが最も高い部位を基準部位として抽出する抽出部と、
前記検査範囲を前記スピューの数から算出されるスピューの間隔でタイヤ周方向に等間隔に分割して得られる複数の検査区間の1つに前記基準部位が含まれるよう、前記検査区間を設定し、前記検査区間のそれぞれにおいて前記凸の高さが最も高い部位を前記スピューとして特定するスピュー特定部と、
前記形状画像において、前記特定されたスピューおよび前記スピューを取り囲む周辺部位を除外領域として設定する設定部と、を有することを特徴とする。
タイヤのビード部の表面の凹凸を測定する測定ユニットと、
前記測定された凹凸の情報を用いて、前記ビード部の表面の凹凸をタイヤ周方向およびタイヤ周方向と直交する方向に展開して表す形状画像を作成する画像作成部と、
前記形状画像を処理する画像処理部と、
前記処理された形状画像を用いて、前記ビード部の欠陥の有無を検査する検査部と、を含み、
前記画像処理部は、
前記形状画像において、前記ヒール端の位置でタイヤ周方向に延びる凸状の基準線を特定する基準線特定部と、
前記基準線を含む検査範囲から、前記凹凸のうち凸の高さが最も高い部位を基準部位として抽出する抽出部と、
前記検査範囲を前記スピューの数から算出されるスピューの間隔でタイヤ周方向に等間隔に分割して得られる複数の検査区間の1つに前記基準部位が含まれるよう、前記検査区間を設定し、前記検査区間のそれぞれにおいて前記凸の高さが最も高い部位を前記スピューとして特定するスピュー特定部と、
前記形状画像において、前記特定されたスピューおよび前記スピューを取り囲む周辺部位を除外領域として設定する設定部と、を有し、
前記検査部は、前記除外領域を除く前記形状画像の領域において前記ビード部の欠陥の有無を検査し、
前記測定ユニットは、前記ビード部の表面に光を照射して、前記ビード部の表面の凹凸と、前記照射された光の前記ビード部の表面における反射光の受光量と、を測定し、
前記画像作成部は、前記検査画像を第1の検査画像というとき、さらに、前記第1の検査画像と異なる第2の検査画像として、前記受光量をタイヤ周方向およびタイヤ周方向と直交する方向に展開して得られる画像を、前記第1の検査画像とともに作成し、
前記画像処理部は、さらに、前記第2の検査画像を、前記第1の検査画像と合成して合成画像を作成する合成部を有し、
前記検査部は、前記合成画像を用いて、前記欠陥として、タイヤのビード部の表面の汚れ、および、加硫時にゴム材料が金型の内面に接触しなかったことに起因して発生したタイヤのビード部の表面の粗面または凹み不良、の少なくともいずれかの有無を検査することを特徴とする。
前記測定ユニットは、前記回転軸の周りに回転するタイヤのビード部の前記凹凸を測定する場合に好適である。
図1は、本実施形態のスピュー特定方法およびビード部の検査方法を行うビード部検査装置20を示す図である。図2は、ビード部検査装置20の構成を示す図である。
なお、本明細書でいうタイヤ幅方向は、タイヤ回転軸に沿った方向であり、タイヤトレッドショルダー領域からタイヤ赤道線に向く側をタイヤ幅方向内側といい、タイヤ赤道線からタイヤトレッドショルダー領域に向く側をタイヤ幅方向外側という。タイヤ周方向は、タイヤ回転軸を中心としてタイヤを回転させたときのタイヤのトレッド部の回転する方向をいう。タイヤ径方向は、タイヤ回転軸に対して直交する放射方向をいい、タイヤ回転軸から離れて行く方向をタイヤ径方向外側という。
基準線特定部33は、形状画像において、ヒール端12bの位置でタイヤ周方向に延びる凸状のリッジ12c、すなわちヒールライン(基準線)を特定する部分である。
抽出部34は、ヒールラインを含む検査範囲から、凹凸のうち凸の高さが最も高い部位を基準部位として抽出する部分である。
スピュー特定部35は、検査範囲をスピューの数から算出されるスピューの間隔でタイヤ周方向に等間隔に分割して得られる複数の検査区間の1つに基準部位が含まれるよう、検査区間を設定し、検査区間のそれぞれにおいて凸の高さが最も高い部位をスピューとして特定する部分である。
設定部36は、形状画像において、特定されたスピューと、このスピューを取り囲む周辺部位とを、除外領域として設定する部分である。
基準線特定部33、抽出部34、スピュー特定部35、および設定部36が行う処理内容の詳細は、後述する。
ディスプレイ30は、カメラ・処理部26から取得した形状データや、画像作成部31で作成された画像、画像処理部32および検査部38で処理中あるいは処理の完了した画像を表示する。
図4(a)〜(c)は、形状画像において画像処理部32の各部が行う処理を説明する図である。図4(a)〜(c)に示される形状画像Iは、ビード部12の表面をタイヤ周方向に一周を超える範囲で測定して得られた形状データを用いて作成された画像である。なお、図4(a)〜(c)において、形状画像I中の高さ情報は、説明の便宜のため省略されている。
このような処理が行われることで、ビード部12の全てのスピューが特定されるため、タイヤ回転時の滑りや振れによって、形状画像Iにおいて、スピューが等間隔に表れていない場合や、スピューの位置が上下に変動している場合でも、ビード部12に存在するスピューの数さえわかれば、スピューを確実に特定することができる。
また、このような態様に代えて、上記説明したスピューを第1のスピューとした場合に、第1のスピューのうちの1つであって、タイヤにおけるタイヤ周方向位置が既知である第1のスピューの近傍のヒール端に、当該第1のスピューに付随して第2のスピューをさらに配置しておき、スピュー特定部35によって、第2のスピューを、この近傍に位置する第1のスピューとともに検査区間の1つの中で特定してもよい。要するに、タイヤ周方向に互いに離間して配置されたスピューのうちの1つは、一対のスピューであってもよく、このスピューの対が1つの検査区間の中で特定されてもよい。対をなす2つのスピューのそれぞれは、他のスピューの高さより低くてもよく、この場合、例えば、2つのスピューの高さの合計を1つの部位(基準部位)の高さであると認識されるようにしておくことで、抽出部34によって、高さが最も高い部位として抽出されることができる。
ここで、図7(a)に形状画像Iの一例を、図7(b)に輝度画像Jの一例を、図7(c)に合成画像Kを示す。図7(a)と図7(b)を比較するとわかるように、ヒールラインHLは、輝度画像Jでは分かりにくいが、形状画像Iでは明確に表れている。一方、ヒールラインHLの上方(タイヤ幅方向外側)に表れている欠陥48は、形状画像Iでは分かりにくいが、輝度画像Jでは明確に表れている。合成画像Kでは、ヒールラインHLと欠陥48の両方が明確に表れるため、ヒールラインHLに対する欠陥48の位置を容易に特定することができる。なお、図7(a)〜図7(c)に表れている欠陥48は、ライト不良であり、スピュー部位43の近傍をタイヤ周方向に延びるように発生していることがわかる。
ビード部検査装置20は、測定ユニット27、処理ユニット28、ディスプレイ30のほか、さらに、タイヤ10をタイヤ10の回転軸の周りに回転させる回転駆動ユニットを含んでいてもよい。ここで、図8を参照して、回転駆動ユニットの概略を説明する。なお、図8は、ビード部検査装置20を、回転駆動ユニット29に注目して示す図であり、処理ユニット28およびディスプレイ30の図示は省略されている。また、図8は、回転駆動ユニット29の各部材の位置がわかるように、タイヤ10を半分に切断した状態を示している。
移動体16bのそれぞれには、一対のビード拡張部材16aが設けられている。ビード拡張部材16aは、タイヤ10をセットするとき、タイヤ周上の複数個所(2箇所以上)で一対のビード部12間の離間距離を拡張するために、ビード部12をタイヤ幅方向内側から外側に押圧するように構成されている。
各対のビード拡張部材16aは、昇降台16dに設けられる。昇降台16dは、図示されない駆動機構によって上下方向に移動するように構成されている。
各対のビード拡張部材16aのうち下側のビード拡張部材16aは、上側のビード拡張部材16aの近傍位置から下降する。各対のビード拡張部材16aのそれぞれは、昇降台16dの上昇と、各対のビード拡張部材16aの昇降を組み合わせることにより、各対のビード拡張部材16aは、上下方向に自在に移動することができる。
各対のビード拡張部材16aは、ビード部12を測定ユニット27により測定する前に、横置きのタイヤ10のビードベース領域18近傍のタイヤ内側表面の部分をタイヤ幅方向内側から外側に押圧して、タイヤ幅方方向の両側の一対のビード部の離間距離を拡げてタイヤ周上で一定距離にするように、上下方向に移動可能に構成されている。ビード拡張部材16aは、タイヤを滑らかに回転するために、ローラで構成され、タイヤ内側表面と接触する部分は、ローラ表面であることが好ましい。
なお、測定ユニット27は、一対のビード部12のそれぞれと対応して設けられ、図8において、上側のビード部12の測定を行う測定ユニット27(上側測定ユニット27)が示される。上側測定ユニット27は、図示されない台から、昇降自在に移動する移動棒27aに設けられている。
本実施形態において、検査対象を、同じ金型を用いて加硫を行った別のタイヤに変えて、スピュー特定方法を行うときに、スピューの大きさの変化の有無を検出した場合は、ベントホールの詰まりを、例えばスピューが小さくなることによって知ることができる。これによりベントホールの詰まりを除去する等の対策を講じて、このような欠陥を未然に防ぐことができる。
また、スピューの1つを、他のスピューとは異なる大きさにする、あるいは、2つのすピューの対にした場合は、抽出部34によって抽出されやすくなるとともに、タイヤ周方向の位置が予めわかっていることで、形状画像中の各部位のタイヤ周方向の位相を特定できる。このため、特定された欠陥が、タイヤ周上のどの位置で発生したかがわかりやすくなる。なお、スピューの1つを、スピューの対にする場合に、抽出部34は、高さが最も高い部位を基準部位とすることに代えて、面積が最も大きい部位を基準部位とし、各検査区間において面積が最も大きい部位をスピュー部位として特定してもよい。基準部位の面積は、スピューの対をなす2つのスピューに相当する部位の面積の合計である。この場合、スピューの間隔は、スピューの対のタイヤ周方向の中心位置を用いて算出される。
また、輝度画像を、形状画像と合成して合成画像を作成することで、形状画像だけでは認識されにくい画像を認識しやすくすることができ、ビード部12の表面の欠陥をより精度よく特定することができる。具体的に、このような合成画像を用いて、タイヤ表面の汚れおよびライト不良の少なくともいずれかの有無を検査することで、形状画像だけを用いて検査を行う場合よりも容易に欠陥を特定することができる。
また、輝度画像において、ビード部12の表面に設けられた情報記録媒体を検出することで、検出された情報記録媒体のタイヤ周方向位置に基づいて、輝度画像においてタイヤ周方向の位相を特定することができる。
また、ビード部検査装置20が回転駆動ユニット29を備える場合において、タイヤ10が回転するときに、ビードベース領域18と、移動体18bの回転ローラとの間で滑りが生じ、また、上下方向に振れが発生した場合であっても、上述したようにスピューを確実に特定することができ、特定したスピューを検査対象から除外して精度よくビード部の表面の検査を行うことができる。
12 ビード部
12a トウ先端
12b ヒール端
18 ビードベース領域
20 ビード部検査装置
27 測定ユニット
28 処理ユニット
29 回転駆動ユニット
30 ディスプレイ
31 画像作成部
32 画像処理部
33 基準線特定部
34 抽出部
35 スピュー特定部
36 設定部
38 検査部
40 検査範囲
40a 検査区間
42 基準部位
43 スピュー部位
45 周辺領域
46 枠
Claims (10)
- コンピュータが、タイヤのビード部の検査画像において、前記ビード部のヒール端にタイヤ周上に配置された複数のスピューを特定するスピュー特定方法であって、
前記検査画像として、前記ビード部の表面のうち前記ヒール端のタイヤ幅方向の両側にある領域の凹凸をタイヤ周方向およびタイヤ周方向と直交する方向に展開して表す形状画像を、前記コンピュータが取得するステップと、
前記コンピュータが、前記形状画像において、前記ヒール端の位置でタイヤ周方向に延びる凸状の基準線を特定するステップと、
前記コンピュータが、前記基準線を含む検査範囲から、前記凹凸のうち凸の高さが最も高い部位を基準部位として抽出するステップと、
前記コンピュータが、前記検査範囲を前記スピューの数から算出されるスピューの間隔でタイヤ周方向に等間隔に分割して得られる複数の検査区間の1つに前記基準部位が含まれるよう、前記検査区間を設定し、前記検査区間のそれぞれにおいて前記凸の高さが最も高い部位を前記スピューとして特定するステップと、を有することを特徴とするスピュー特定方法。 - コンピュータが、タイヤのビード部の検査画像において、前記ビード部のヒール端にタイヤ周上に配置された複数のスピューを特定するスピュー特定方法であって、
前記検査画像として、前記ビード部の表面の凹凸をタイヤ周方向およびタイヤ周方向と直交する方向に展開して表す形状画像を、前記コンピュータが取得するステップと、
前記コンピュータが、前記形状画像において、前記ヒール端の位置でタイヤ周方向に延びる凸状の基準線を特定するステップと、
前記コンピュータが、前記基準線を含む検査範囲から、前記凹凸のうち凸の高さが最も高い部位を基準部位として抽出するステップと、
前記コンピュータが、前記検査範囲を前記スピューの数から算出されるスピューの間隔でタイヤ周方向に等間隔に分割して得られる複数の検査区間の1つに前記基準部位が含まれるよう、前記検査区間を設定し、前記検査区間のそれぞれにおいて前記凸の高さが最も高い部位を前記スピューとして特定するステップと、を有し、
前記スピューを特定するステップでは、前記コンピュータが、さらに、前記特定されたスピューの大きさを求め、
前記スピュー特定方法は、検査対象を、前記タイヤの加硫に用いたのと同一の金型で加硫を行った別のタイヤに変えて、さらに、前記取得するステップ、前記基準線を特定するステップ、前記抽出するステップ、および前記スピューを特定するステップを行い、前記スピューの大きさの変化の有無を検出する、ことを特徴とするスピュー特定方法。 - コンピュータが、タイヤのビード部の検査画像において、前記ビード部のヒール端にタイヤ周上に配置された複数のスピューを特定するスピュー特定方法であって、
前記検査画像として、前記ビード部の表面の凹凸をタイヤ周方向およびタイヤ周方向と直交する方向に展開して表す形状画像を、前記コンピュータが取得するステップと、
前記コンピュータが、前記形状画像において、前記ヒール端の位置でタイヤ周方向に延びる凸状の基準線を特定するステップと、
前記コンピュータが、前記基準線を含む検査範囲から、前記凹凸のうち凸の高さが最も高い部位を基準部位として抽出するステップと、
前記コンピュータが、前記検査範囲を前記スピューの数から算出されるスピューの間隔でタイヤ周方向に等間隔に分割して得られる複数の検査区間の1つに前記基準部位が含まれるよう、前記検査区間を設定し、前記検査区間のそれぞれにおいて前記凸の高さが最も高い部位を前記スピューとして特定するステップと、を有し、
前記スピューの1つは、他の前記スピューとは異なる大きさを有し、前記タイヤにおけるタイヤ周方向位置が既知である、ことを特徴とするスピュー特定方法。 - コンピュータが、タイヤのビード部の検査画像において、前記ビード部のヒール端にタイヤ周上に配置された複数のスピューを特定するスピュー特定方法であって、
前記検査画像として、前記ビード部の表面の凹凸をタイヤ周方向およびタイヤ周方向と直交する方向に展開して表す形状画像を、前記コンピュータが取得するステップと、
前記コンピュータが、前記形状画像において、前記ヒール端の位置でタイヤ周方向に延びる凸状の基準線を特定するステップと、
前記コンピュータが、前記基準線を含む検査範囲から、前記凹凸のうち凸の高さが最も高い部位を基準部位として抽出するステップと、
前記コンピュータが、前記検査範囲を前記スピューの数から算出されるスピューの間隔でタイヤ周方向に等間隔に分割して得られる複数の検査区間の1つに前記基準部位が含まれるよう、前記検査区間を設定し、前記検査区間のそれぞれにおいて前記凸の高さが最も高い部位を前記スピューとして特定するステップと、を有し、
前記スピューを第1のスピューというとき、前記第1のスピューのうちの1つであって、前記タイヤにおけるタイヤ周方向位置が既知である第1のスピューの近傍のヒール端に、当該第1のスピューに付随して第2のスピューがさらに配置されており、
前記スピューを特定するステップにおいて、前記第2のスピューは、前記第2のスピューの近傍の前記第1のスピューとともに前記検査区間の1つの中で特定される、ことを特徴とするスピュー特定方法。 - コンピュータが、タイヤのビード部の検査画像において、前記ビード部のヒール端にタイヤ周上に配置された複数のスピューを特定するスピュー特定方法であって、
前記検査画像として、前記ビード部の表面の凹凸をタイヤ周方向およびタイヤ周方向と直交する方向に展開して表す形状画像を、前記コンピュータが取得するステップと、
前記コンピュータが、前記形状画像において、前記ヒール端の位置でタイヤ周方向に延びる凸状の基準線を特定するステップと、
前記コンピュータが、前記基準線を含む検査範囲から、前記凹凸のうち凸の高さが最も高い部位を基準部位として抽出するステップと、
前記コンピュータが、前記検査範囲を前記スピューの数から算出されるスピューの間隔でタイヤ周方向に等間隔に分割して得られる複数の検査区間の1つに前記基準部位が含まれるよう、前記検査区間を設定し、前記検査区間のそれぞれにおいて前記凸の高さが最も高い部位を前記スピューとして特定するステップと、を有し、
前記取得するステップでは、前記検査画像を第1の検査画像というとき、前記コンピュータが、さらに、前記第1の検査画像と異なる第2の検査画像として、前記第1の検査画像を取得するために外部から照射された光の前記ビード部の表面における反射光を受光して、その受光量をタイヤ周方向およびタイヤ周方向と直交する方向に展開して表す画像を、前記第1の検査画像とともに取得し、
さらに、前記第2の検査画像を、前記第1の検査画像と合成して合成画像を作成するステップを有する、ことを特徴とするスピュー特定方法。 - 前記スピュー特定方法は、さらに、
前記コンピュータが、前記第2の検査画像において、前記ビード部の表面に設けられた情報記録媒体を検出するステップと、
前記コンピュータが、前記検出された情報記録媒体のタイヤ周方向位置に基づいて、前記第2の検査画像においてタイヤ周方向の位相を特定するステップと、を有する、請求項5に記載のスピュー特定方法。 - タイヤのビード部の検査画像を用いて、前記ビード部の検査を行うビード部の検査方法であって、
タイヤのビード部の表面の凹凸を測定するステップと、
請求項1〜6のいずれか1項に記載のスピュー特定方法を行うステップと、
前記形状画像において、前記スピュー特定方法を行うステップにより特定されたスピューおよび前記スピューを取り囲む周辺部位を除外領域として設定するステップと、
前記除外領域を除く前記形状画像の領域において前記ビード部の欠陥の有無を検査するステップと、を含むことを特徴とするビード部の検査方法。 - ヒール端にタイヤ周上に複数のスピューが配置されたビード部を有するタイヤを検査対象として、前記ビード部の検査画像を用いて、前記ビード部の検査を行うビード部の検査装置であって、
タイヤのビード部の表面の凹凸を測定する測定ユニットと、
前記測定された凹凸の情報を用いて、前記ビード部の表面のうち前記ヒール端のタイヤタイヤ幅方向の両側にある領域の凹凸をタイヤ周方向およびタイヤ周方向と直交する方向に展開して表す形状画像を作成する画像作成部と、
前記形状画像を処理する画像処理部と、
前記処理された形状画像を用いて、前記ビード部の欠陥の有無を検査する検査部と、を含み、
前記画像処理部は、
前記形状画像において、前記ヒール端の位置でタイヤ周方向に延びる凸状の基準線を特定する基準線特定部と、
前記基準線を含む検査範囲から、前記凹凸のうち凸の高さが最も高い部位を基準部位として抽出する抽出部と、
前記検査範囲を前記スピューの数から算出されるスピューの間隔でタイヤ周方向に等間隔に分割して得られる複数の検査区間の1つに前記基準部位が含まれるよう、前記検査区間を設定し、前記検査区間のそれぞれにおいて前記凸の高さが最も高い部位を前記スピューとして特定するスピュー特定部と、
前記形状画像において、前記特定されたスピューおよび前記スピューを取り囲む周辺部位を除外領域として設定する設定部と、を有し、
前記検査部は、前記除外領域を除く前記形状画像の領域において前記ビード部の欠陥の有無を検査することを特徴とするビード部の検査装置。 - ヒール端にタイヤ周上に複数のスピューが配置されたビード部を有するタイヤを検査対象として、前記ビード部の検査画像を用いて、前記ビード部の検査を行うビード部の検査装置であって、
タイヤのビード部の表面の凹凸を測定する測定ユニットと、
前記測定された凹凸の情報を用いて、前記ビード部の表面の凹凸をタイヤ周方向およびタイヤ周方向と直交する方向に展開して表す形状画像を作成する画像作成部と、
前記形状画像を処理する画像処理部と、
前記処理された形状画像を用いて、前記ビード部の欠陥の有無を検査する検査部と、を含み、
前記画像処理部は、
前記形状画像において、前記ヒール端の位置でタイヤ周方向に延びる凸状の基準線を特定する基準線特定部と、
前記基準線を含む検査範囲から、前記凹凸のうち凸の高さが最も高い部位を基準部位として抽出する抽出部と、
前記検査範囲を前記スピューの数から算出されるスピューの間隔でタイヤ周方向に等間隔に分割して得られる複数の検査区間の1つに前記基準部位が含まれるよう、前記検査区間を設定し、前記検査区間のそれぞれにおいて前記凸の高さが最も高い部位を前記スピューとして特定するスピュー特定部と、
前記形状画像において、前記特定されたスピューおよび前記スピューを取り囲む周辺部位を除外領域として設定する設定部と、を有し、
前記検査部は、前記除外領域を除く前記形状画像の領域において前記ビード部の欠陥の有無を検査し、
前記測定ユニットは、前記ビード部の表面に光を照射して、前記ビード部の表面の凹凸と、前記照射された光の前記ビード部の表面における反射光の受光量と、を測定し、
前記画像作成部は、前記検査画像を第1の検査画像というとき、さらに、前記第1の検査画像と異なる第2の検査画像として、前記受光量をタイヤ周方向およびタイヤ周方向と直交する方向に展開して得られる画像を、前記第1の検査画像とともに作成し、
前記画像処理部は、さらに、前記第2の検査画像を、前記第1の検査画像と合成して合成画像を作成する合成部を有し、
前記検査部は、前記合成画像を用いて、前記欠陥として、タイヤのビード部の表面の汚れ、および、タイヤのビード部の表面の粗面または凹みの不良、の少なくともいずれかの有無を検査する、ことを特徴とするビード部の検査装置。 - さらに、前記タイヤを前記タイヤの回転軸の周りに回転させる回転駆動ユニットを含み、
前記測定ユニットは、前記回転軸の周りに回転するタイヤのビード部の前記凹凸を測定する、請求項8または9に記載のビード部の検査装置。
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