JP7335840B2 - 熱伝導性グリース組成物およびそれを用いた物品 - Google Patents

熱伝導性グリース組成物およびそれを用いた物品 Download PDF

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Description

本発明は、熱伝導性グリース組成物およびそれを用いた物品に関する。
近年、電子部品のハイパワー化、小スペース化に伴い、部品の発熱による動作不良が課題となっている。そのため、各電子部品においては、発生した熱を逃がし部品を安定的に動作する目的で、ヒートシンクによる熱放射による放熱、空冷ファンまたは水冷による強制的な放熱手法が適用されている。さらに、大きな発熱に対してはペルチェ素子を用いた強制的な冷却手法が採用されている。
このような発熱体に対し、ヒートシンクによる放熱は、低コストであるため多くの部品に採用されており、空冷、水冷等の強制冷却と組み合わせることでより高い放熱効果が得られる。また、さらに、高い放熱効果を発現するために、発熱体から発生する熱をヒートシンクに効率よく伝えるため、熱伝導材料が採用されている。熱伝導材料は、発熱源とヒートシンクの間に介在させることで両者間の熱伝達を改善させるものである。そして、このような熱伝導材料としては、一般的に熱分解安定性、難燃性等の観点から、シリコーンオイルをベースとして、酸化亜鉛やアルミナを熱伝導性充填剤として含む熱伝導用シリコーン組成物(例えば、特許文献1)が知られている。このような、熱伝導用シリコーン組成物は、通常、シリコーングリースと呼ばれている。なお、ここでいうグリースとは、常温で粘性変形をする半固体状(ペースト状)のものであり、高粘度油状物質状態のものを示す。
しかしながら、発熱と冷却を繰り返す電子部品は、発熱源とヒートシンクの熱膨張差が大きく、高温時にシリコーングリースが低粘度化して押し出される現象(ポンプアウト現象)が発生することが知られている。特に、近年のハイパワー化においては150℃域における耐ポンプアウト性が求められるようになってきているが、特許文献1に記載されているようなシリコーングリースでは耐ポンプアウト性は十分ではない。また、シリコーングリースからは高温使用時にはシロキサンガスの発生が想定され、このようなシロキサンガスが電極接点等へ付着して二酸化珪素が生成されるため、これが原因となって接点不良を生じる可能性があった。
そこで、例えばシリコーングリースの耐ポンプアウト性を改善した熱伝導性シリコーン組成物(シリコーングリース)が提案されている(例えば、特許文献2、3)。これらは、オルガノポリシロキサンを熱伝導グリースのベース樹脂に適用することで、ポンプアウトの解決を図っている。
しかしながら、特許文献2や特許文献3に記載のシリコーングリースであっても、125℃までは耐ポンプアウト効果があるものの、近年求められるようになった150℃までの耐ポンプアウト効果は確認されておらず、150℃では部品の変形がさらに大きくなることからポンプアウトの発生が懸念される。また、オルガノポリシロキサンが主成分のため、150℃におけるシロキサンガスの発生が懸念される。
また、ポンプアウト防止として硬化型放熱接着剤を使用すると、硬化物となっているため、アウトガスが蒸発したり、オイル成分が流出したりはしないが、修理や点検、部品交換のときに接着したものを取り外す作業に手間が掛かる、すなわちリペア性が良好でない問題があった。
さらに、発熱体とヒートシンクの接続界面間に挟んで使用される放熱シートが知られている。これらの放熱シートは、例えば、グリース、ゴム、ゲル等の柔軟性を有する有機材料に熱伝導性に優れるセラミックフィラーや金属フィラーが添加されてシート状に成形されてなり、柔軟性を有する有機材料としてはもっぱらシリコーン系有機材料やアクリル系有機材料が用いられている。例えば、これらの放熱シートに関する技術として特許文献4~特許文献6を例示することができる。
一方、熱源とヒートシンクの間に接着剤を使用する場合、耐熱性を上げる観点から高温硬化型の硬化剤が用いられる。この場合、有機材料が硬化する前に流動性が増して流出する問題があった。このような有機材料の硬化時の流動性を制御するために、有機材料としてエポキシ樹脂を用いプレゲル化剤を用いて、硬化の前にエポキシ樹脂をゲル化させ、その後、硬化させる技術が知られている(例えば、特許文献7)。特許文献7のエポキシ樹脂接着剤においては、硬化物に一定の厚さを持たせるためにガラス粒子を配合している。
特公昭59-52195号公報 特開2018-76423号公報 特許第6323398号公報 特許第2882972号公報 特開2002-84083号公報 特開2001-110961号公報 特開2017-82022号公報
このように、従来のシリコーングリースを発熱部品に塗布したものは、該発熱部品で発生した熱を冷却装置へ伝導することはできるが、シロキサンガスが発生する問題、或いは発熱部品が高温になるにつれグリースの流動性が高まり、該発熱部品から流出(ポンプアウト)してしまう問題や、ポンプアウト抑制として放熱接着剤を使用した時のリペア性の問題があった。
そこで、本発明は、発熱部品において発熱体と放熱体の間に放熱性の向上のために設けられる熱伝導性グリースとして使用した際に、発熱部品が高温、特には150℃程度になったとしてもポンプアウトの発生が抑制され、その後の使用においても熱伝導性が維持されるとともに、部品交換時等に容易に取り除くことができる、リペア性に優れる熱伝導性グリース組成物および該組成物を発熱体と放熱体の間に配置した物品を提供することを目的とする。
本発明の熱伝導性グリース組成物は、(A)エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ジアミン樹脂、アクリル樹脂、ポリオール樹脂およびポリエーテル樹脂から選ばれる液状樹脂を100質量部、(B)ゲル化剤を5~30質量部、および(C)熱伝導性粒子を350~2000質量部、含むことを特徴とする。
本発明の物品は、発熱体と、放熱体と、前記発熱体と前記放熱体の間に配置された上記本発明の熱伝導性グリース組成物または前記熱伝導性グリース組成物がゲル化したゲル状組成物と、を有することを特徴とする。
本発明の熱伝導性グリース組成物は、グリース性状であることで、物品、例えば、発熱部品において発熱体と放熱体の間に作業性良く塗布でき、乾燥等熱処理がいらず、組み立てが容易である。また、本発明の熱伝導性グリース組成物が組み込まれた発熱部品等の物品において、該物品が高温、特には150℃程度になったとしても該熱伝導性グリース組成物はゲル化してゲル状組成物となり、ポンプアウトの発生が低減され、それによりボイドの発生も低減されて、その後の使用においても所期の熱伝導性が維持できる。本発明の熱伝導性グリース組成物および該熱伝導性グリース組成物がゲル化したゲル状組成物は、さらに、部品交換時等に容易に取り除くことができ、リペア性にも優れる。また、シリコーングリースにおけるシロキサンガス等のようなアウトガスの発生も低減できる。
本発明の物品は、本発明の熱伝導性グリース組成物または該熱伝導性グリース組成物がゲル化したゲル状組成物を、発熱体と放熱体の間に配置することで、発熱体が150℃程度の高温となった場合でも、十分に熱伝導性を発揮でき、その後の使用においても同様の熱伝導性を維持できることから長期信頼性に優れる物品である。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本実施形態の熱伝導性グリース組成物は、(A)エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ジアミン樹脂、アクリル樹脂、ポリオール樹脂およびポリエーテル樹脂から選ばれる液状樹脂を100質量部、(B)ゲル化剤を5~30質量部、(C)熱伝導性粒子を350~2000質量部、含むことを特徴とする。
本明細書において、グリースとは、常温で粘性変形が可能な半固体状の性状のものをいう。具体的には、本明細書において、グリースとは、25℃、回転数1rpmにおけるE型粘度計(例えば、VISCOMETER TPE-100 TOKISANGYO製)により測定される粘度が80~1000Pa・s程度のものをいう。以下、特に断りのない限り、グリース状の物質の粘度は、25℃におけるE型粘度計(例えば、VISCOMETER TPE-100 TOKISANGYO製)により測定される粘度をいう。
本実施形態の熱伝導性グリース組成物(以下、「本グリース組成物」ともいう。)は、グリースの性状を有する組成物である。本グリース組成物は、後述のとおり加熱により(B)成分の作用によりゲル化してゲル状組成物となる。以下、本グリース組成物がゲル化したゲル状組成物を「本ゲル状組成物」ともいう。
本明細書において、液状樹脂の液状とは、常温において液状であることをいう。具体的には、液状成分とは、25℃、回転数1rpmにおけるE型粘度計(例えば、VISCOMETER TPE-100 TOKISANGYO製)により測定される粘度が200000mPa・s以下のものをいう。以下、特に断りのない限り、液状の物質の粘度は、25℃におけるE型粘度計(例えばVISCOMETER TPE-100 TOKISANGYO製)により測定される粘度をいう。
本グリース組成物は、例えば、本グリース組成物を発熱部品において発熱体と放熱体の間に配置されて使用される。その場合、発熱体および放熱体の一方に本グリース組成物が常温で塗布されその上に他方が積層される、または、所定の距離で配置された発熱体および放熱体の間に本グリース組成物が注入される等の工程により配置される。本グリース組成物は上記粘度であることから、塗布や注入の工程における作業性が良好である。
本グリース組成物が適用された発熱部品が使用時に高温、例えば、150℃程度になった場合、本グリース組成物は昇温の過程でゲル化してゲル状組成物となる。ここで、本グリース組成物における、ゲル化は、本グリース組成物の含有成分のうちの、(B)ゲル化剤が(A)液状樹脂により膨潤することで達成される。本グリース組成物がゲル化する温度は(A)液状樹脂と(B)ゲル化剤の種類によるが、概ね60~130℃である。このようにして、発熱部品が高温、例えば、150℃程度になったとしても、本グリース組成物は温度変化に伴い流動性の少ない本ゲル状組成物へと変化することで、発熱体と放熱体の間からポンプアウトすることが殆どない。
また、(A)液状樹脂には、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ジアミン樹脂、アクリル樹脂、ポリオール樹脂およびポリエーテル樹脂から選ばれる液状樹脂を有するものとし、シリコーン樹脂やシリコーン化合物を含有させないことで、高温時において、シリコーングリースにおけるシロキサンガスのようなアウトガスの発生も抑制できる。これにより、発熱部品への汚れの付着やボイドの発生が抑制できる。
さらに、本グリース組成物がゲル化して得られる本ゲル状組成物は柔軟性を有することから、発熱体および放熱体が温度変化により形状変化する場合でも、形状変化への追従性に優れ、ボイド等の発生が低減できる。
本グリース組成物を発熱部品に用いた場合、上記のような高温状態でゲル化した後は、高温から常温に戻っても、本グリース組成物がゲル化したゲル状組成物の状態で、発熱体と放熱体の間に存在する。その後、発熱体が昇温、降温を繰り返しても、本グリース組成物がゲル化したゲル状組成物は、温度変化に伴う性状変化が少なく上記効果を持続することが可能である。その結果として、発熱部品は安定した長期使用が可能となる。
以下、本グリース組成物が含有する各成分について説明する。
((A)液状樹脂)
本グリース組成物が含有する(A)液状樹脂は、常温において液状の樹脂であり、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ジアミン樹脂、アクリル樹脂、ポリオール樹脂およびポリエーテル樹脂から選ばれる樹脂である。液状の定義は上記のとおりである。(A)液状樹脂は、本グリース組成物が含有する固形成分、具体的には、主として(A)液状樹脂に対して所定の割合で含有される(B)ゲル化剤および(C)熱伝導性粒子と混合されることで、本グリース組成物をグリース状とする成分である。(A)液状樹脂は、また、加熱により(B)ゲル化剤に浸透し(B)ゲル化剤を膨潤することで、本グリース組成物をゲル化させて本ゲル状組成物とする機能を有する。これにより、本グリース組成物は使用時に温度変化に伴う流動性の増加を抑制することができる。
(A)液状樹脂の溶解性は、主に樹脂の官能基または結合状態に影響をうける。特に官能基の種類は溶解性に影響する。そのため、本グリース組成物における(A)液状樹脂として、好ましい溶解性を有する樹脂は、具体的には、上記したエポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ジアミン樹脂、アクリル樹脂、ポリオール樹脂およびポリエーテル樹脂が挙げられ、これらは単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
また、(A)液状樹脂は、上記特定の種類の樹脂から選ばれるが、さらにSP値が7.8~10.1の溶剤に溶解する樹脂であることが好ましい。
なお、本明細書で「SP値7.8~10.1の溶剤に溶解する樹脂」とは、SP値7.8~10.1の溶剤のいずれか1つに溶解する樹脂であればよいことを意味し、SP値の異なる複数の溶剤に溶解することが好ましい。溶剤のSP値の測定方法は、Fedorsの方法を用いて算出できる。
(A)液状樹脂の溶解の可否を判断する溶剤としては、例えば、SP値が7.0~12.7の溶剤を用いることができ、このような特性の溶剤であれば特に限定されない。この溶剤としては、例えば、ペンタン(SP値:7.0)、ヘキサン(SP値:7.3)、エチルヘキシルアクリレート(SP値:7.8)、シクロヘキサン(SP値:8.9)、エチルベンゼン(SP値:9.0)、メチルエチルケトン(SP値:9.1)、アセトン(SP値:9.9)、酢酸(10.1)、イソプロピルアルコール(IPA)(SP値:11.5)、エタノール(SP値:12.7)、等が挙げられる。
さらに、(A)液状樹脂は、溶剤への溶解性に関して上記の特性を満たしつつ、SP値が8.9~9.1の溶剤全てに溶けることが好ましく、SP値が8.9~9.9の溶剤全てに溶けることがより好ましく、SP値が7.8~10.1の溶剤全てに溶けることがさらに好ましい。
(A)液状樹脂と(C)熱伝導粒子との親和性が高い樹脂が好ましい。(A)液状樹脂の親和性は、主に樹脂の官能基または結合状態に影響をうける。親和性が高いと(C)熱伝導粒子が多く配合しても、グリース組成物の適当な粘度になり、高い熱伝導性が得られる。
また、(A)液状樹脂が2種以上の樹脂を含む場合、2種以上を混合して得られる混合物が液状であればよく、混合される個々の樹脂が液状である必要はない。すなわち、2種以上の樹脂を混合して用いる場合、固体の樹脂と液状の樹脂を混合して(A)液状樹脂を得てもよい。ただし、2種以上を混合して用いる場合においても、個々の樹脂が液状であることが本グリース組成物において好ましい。
(A)液状樹脂の粘度としては、25℃における、E型粘度計、例えばVISCOMETER TPE-100 TOKISANGYO製により測定される粘度が10~10000mPa・sが好ましく、100~1000mPa・sがより好ましい。
(A)液状樹脂は、本グリース組成物が、積層間、例えば、発熱部品に用いる際の発熱体および放熱体の間に配置された際のボイド発生による放熱特性の低下を防ぐため、25℃を基準とした150℃までの質量減少率が1%未満であることが好ましい。
質量減少率は、150℃のオーブン内に24時間放置し、加熱前後における質量変化率(減少率)を計算することで算出できる。
(A)液状樹脂は、(B)ゲル化剤を効率よく膨潤させる観点から、特に(B)ゲル化剤への濡れ性が高い、言い換えれば、(B)ゲル化剤に対して高い相溶性を有することが好ましい。具体的には、(A)液状樹脂と(B)ゲル化剤が同じ溶剤に溶解すること、つまり、(A)液状樹脂と(B)ゲル化剤のSP値が近いことが好ましい。
なお、(A)液状樹脂が2種以上の樹脂を含む場合、2種以上を混合して得られる混合樹脂のSP値が(B)ゲル化剤のSP値と近ければよい。このとき、混合される個々の樹脂においてSP値が(B)ゲル化剤のSP値と近い必要はないが、上記同様、(A)液状樹脂として2種以上を混合して用いる場合においても、混合される個々の樹脂においてSP値が(B)ゲル化剤のSP値と近いことが好ましい。
以下、さらに(A)液状樹脂として用いられる樹脂について説明する。
エポキシ樹脂としては、エポキシ基を有する液状のものであれば、分子構造、分子量等に制限されることなく一般に使用されている液状エポキシ樹脂を広く用いることができる。具体的には、それぞれ液状の芳香族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
芳香族エポキシ樹脂は、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、水添ベンゼン環のような芳香族環または水添芳香族環に、2個以上のエポキシ基が結合した化合物である。脂環式エポキシ樹脂は、脂肪族環(芳香族性を有しない飽和または不飽和の炭素環を1以上含む)に2個以上のエポキシ基が結合した化合物である。脂肪族エポキシ樹脂は、脂肪族鎖に2個以上のエポキシ基が結合した化合物である。
上記において、芳香族環および水添芳香族環、脂肪族環、脂肪族鎖には、アルキル、ハロゲン等の置換基が結合していてもよい。また、上記エポキシ基と、上記芳香族環および/または水添芳香族環、脂肪族環、脂肪族鎖とは、オキシアルキレン、ポリ(オキシアルキレン)、カルボオキシアルキレン、カルボポリ(オキシアルキレン)、アミノアルキレン等を介して結合されていてもよい。
芳香族エポキシ樹脂が、芳香族環および/または水添芳香族環を複数有する場合には、これら芳香族環および/または水添芳香族環同士は、直接結合されていてもよいし、アルキレン基、オキシアルキレン基、またはポリ(オキシアルキレン)基等を介して結合されていてもよい。脂環式エポキシ樹脂および脂肪族エポキシ樹脂の場合も同様に、脂肪族環、脂肪族鎖を複数有する場合には、これら脂肪族環、脂肪族鎖は、直接結合されていてもよいし、アルキレン基、オキシアルキレン基、またはポリ(オキシアルキレン)基等を介して結合されていてもよい。
エポキシ樹脂の分子量としては、液状の粘度範囲とするために、例えば、ゲルパーミネーションクロマトグラフィーで測定される質量平均分子量として100~1000が好ましく、150~550がより好ましい。
エポキシ樹脂としては、(B)ゲル化剤との相溶性および本グリース組成物がゲル化したゲル状組成物の柔軟性を高める観点から、上記のなかでも液状の脂環式エポキシ樹脂が特に好ましい。液状の脂環式エポキシ樹脂の市販品としては、セロキサイド2021(ダイセル化学社製)、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂であるEP4088S(ADEKA社製)、変性タイプのEXA-4850(DIC社製)、JER870、等が挙げられる。
オキセタン樹脂としては、オキセタニル基を有する液状のものであれば、分子構造、分子量等に制限されることなく一般に使用されている液状オキセタン樹脂を広く用いることができる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
オキセタン樹脂の市販品としては、ビフェニル型オキセタン樹脂として、OX-BP(宇部興産製)、OXT-211(東亜合成製)等が挙げられる。
ジアミン樹脂としては、 ビス-p-アミノベンゾアートは、芳香族ジアミンであり、各環にはひとつのアミノ基を含むが他の置換基を含まないものであり、たとえば、塩化p-ニトロゼンゾイルを炭素数6~20個のジオールと反応させ、生成した化合物をジアミンに還元させることにより任意に製造することができる。
具体的な商品例としては、例えば、エラスマー1000P(クミアイ化学社製)等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
アクリル樹脂としては、具体的な成分としては、例えば、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシトリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート等が挙げられる。これらは、1種を単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
具体的な商品例としては、例えば、FA-318A(日立化成社製)等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上混合して使用することができる。
ポリオール樹脂としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられ、ポリエステルポリオールがより好ましい。
ポリエステルポリオールとしては、多価アルコール-多価カルボン酸縮合系のポリオールや、環状エステル開環重合体系のポリオール等を挙げることができる。
具体的な商品例としては、例えば、PH-319(伊藤製油社製)等が挙げられ、これらは単独でまたは2種類以上混合して使用することができる。
ポリエーテル樹脂としては、芳香族炭化水素系、フェニルエーテル系、芳香族カルボン酸系、ポリα-オレフィンがあり、特に、フェニルエーテル系が好ましい。
なお、ポリオール樹脂およびポリエーテル樹脂は、後述する(C)熱伝導性粒子(特に、酸化アルミニウム粒子)と親和性が良く、本グリース組成物の25℃での粘度を低くできる点で好ましい。
フェニルエーテル系には、フェニルエーテル樹脂とフェニル基にアルキル基が結合したアルキルフェニルエーテル樹脂がある。具体的には、ジフェニルエーテル、テトラフェニルエーテル、ペンタフェニルエーテル、アルキルジフェニルテール、モノアルキルトリフェニルエーテル、モノアルキルテトラフェニルエーテル、ジアルキルテトラフェニルテールが挙げられる。
具体的な商品例としては、例えば、LB-100(MORESCO製)等が挙げられ、これらは単独でまたは2種類以上混合して使用することができる。
(A)液状樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じてその他の樹脂を含有させることができ、この場合、その他の樹脂としては、本グリース組成物の効果を阻害しない範囲であればどのような樹脂であってもよい。
その他の樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アリレート樹脂、イミド樹脂等が挙げられる。また、その他の樹脂は液状であっても固体であってもよい。なお、その他の樹脂には、(B)ゲル化剤は含まれない。
また、その他の樹脂としては、例えば、SP値が7.3~7.8である溶剤のうち1つ以上の溶剤に溶解する樹脂であることが好ましい。このように、(A)液状樹脂と特定の溶解性を有するその他の樹脂とを含有すると、各樹脂の溶剤への溶解性が異なることで、ゲル化剤が一方の液状樹脂に偏在すると同時に伝導性粒子の偏在化も起こり、その結果、熱伝導性粒子同士の接触確率が増大し、グリース組成物の熱伝導率上昇が起こる。
(A)液状樹脂におけるその他の樹脂の割合は、(A)液状樹脂とその他の樹脂との混合樹脂が、常温において液状であれば特に制限されず、極性が高く(B)ゲル化剤との相溶性が高い性質を有するものが好ましい。具体的には、(A)液状樹脂とその他の樹脂の合計量における、SP値が7.8~10.1に溶解する(A)液状樹脂の割合が、30~100質量%が好ましく、50~100質量%がより好ましく、80~100質量%が特に好ましい。
本グリース組成物における(A)液状樹脂の含有量は、本グリース組成物の全量に対して、5~30質量%であることが好ましく、10~20質量%であることがより好ましい。該含有量が5質量%未満では本グリース組成物の粘度が高くなりグリース状の性状となるのが困難な場合があり、30質量%を超えると本グリース組成物の粘度が低くなりグリース状の性状となるのが困難な場合がある。
((B)ゲル化剤)
本グリース組成物に用いる(B)ゲル化剤は、常温においては(C)熱伝導性粒子とともに(A)液状樹脂と混合されて本グリース組成物の粘度を調整する機能を有する成分である。また、所定温度以上に加熱した場合に、本グリース組成物が含有する液状成分、主として(A)液状樹脂が(B)ゲル化剤に浸透し膨潤することで、本グリース組成物をゲル化する機能を有する。(B)ゲル化剤は、具体的には上記機能を有する有機化合物からなり、通常、粒子形状を有してなる。本グリース組成物において上記所定温度は、(A)液状樹脂と(B)ゲル化剤の種類によるが、概ね60~130℃である。
(B)ゲル化剤を構成する有機化合物としては、上記のとおり(A)液状樹脂との相溶性が良好であることが好ましい。具体的には(A)液状樹脂と(B)ゲル化剤が溶解する溶剤が同じであると、つまり、SP値が(A)液状樹脂のSP値に近いことが、(B)ゲル化剤の膨潤性が良好となり、本グリース組成物のゲル化が良好に進行する観点から好ましい。
したがって、(B)ゲル化剤は、(A)液状樹脂として必須成分となる樹脂と同様に、SP値が7.8~10.1である溶剤全てに溶解するゲル化剤から選ばれることがより好ましい。(B)ゲル化剤の溶剤への溶解性は、上記(A)液状樹脂の溶剤への溶解性と同様に評価すればよい。
(B)ゲル化剤を構成する有機化合物としては、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられ、アクリル樹脂が好ましく、ポリメタクリル酸エステル樹脂が特に好ましい。なお、アクリル樹脂は、アクリル酸、メタアクリル酸、およびそれらの誘導体を主なモノマーとして重合して得られる樹脂であり、他のビニル基含有モノマーの重合単位を含有してもよい。ポリメタクリル酸エステル樹脂は、同様にメタクリル酸エステルを主成分モノマーとして重合して得られる樹脂であり、メタクリル酸エステル以外のモノマーの重合単位を含んでいてもよく、部分架橋物でもよい。
ポリメタクリル酸エステル樹脂としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸アルキルエステルを主成分とする樹脂が挙げられる。
ポリメタクリル酸エステル樹脂は、(B)ゲル化剤の膨潤性が良好となる観点から、その平均重合度は1000~50000が好ましく、3000~40000がより好ましく、4000~30000がさらに好ましい。平均重合度が1000未満では、(B)ゲル化剤の膨潤が十分でなく、本グリース組成物または本ゲル状組成物において、耐ポンプアウト性が十分でない場合がある。平均重合度が50000を超えると、本ゲル状組成物の柔軟性が乏しくなって固くなり、例えば、レオメーターにより測定した150℃における粘度V150℃が10000Pa・sを超えて、クラックまたは剥離が発生する場合がある。
(B)ゲル化剤が粒子形状の場合、平均粒径は、0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、0.3μm以上5μm以下であることがより好ましい。なお、本明細書における平均粒径は、動的光散乱式の粒子径測定装置により測定した、体積基準の累積平均粒径D50である。(B)ゲル化剤の平均粒径が0.1μm未満であると、膨潤した場合であっても(C)熱伝導性粒子の間を埋めて熱伝導性を低下させる場合がある。平均粒径が10μmを超えると本グリース組成物中での分散性が十分でない場合がある。(B)ゲル化剤が粒子である場合、コアシェル型の粒子であってもよい。(B)ゲル化剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
(B)ゲル化剤の市販品としては、ゼフィアックF301、F303、F320、F325、F340MおよびF351等(商品名、アイカ工業社製)が挙げられる。
本グリース組成物における(B)ゲル化剤の含有量は、(A)液状樹脂100質量部に対し5~30質量部である。(B)ゲル化剤の含有量が5質量部未満であると、得られるグリース組成物を加熱した際のゲル化が不十分となり、粘度低下によるポンプアウトを抑制することができない。一方、(B)ゲル化剤の含有量が30質量部を超えると、加熱時のゲル化過程を通じて、グリース組成物から得られるゲル状組成物にボイドが発生し、該ゲル状組成物の熱伝導率が大幅に低下する。本グリース組成物における(B)ゲル化剤の含有量は、良好な耐ポンプアウト性と本ゲル状組成物の熱伝導率の両立の観点から、7~25質量部が好ましい。
((C)熱伝導性粒子)
本グリース組成物に用いる(C)熱伝導性粒子は、本グリース組成物に熱伝導性を付与するとともに、(B)ゲル化剤とともに本グリース組成物をグリース状の粘度に調整する作用を有する成分であり、典型的には、熱伝導性の無機化合物で構成される粒子である。熱伝導性の無機化合物としては、熱伝導率が10W/m・k以上の金属酸化物、金属窒化物、窒化化合物、金属、黒鉛、炭化珪素、珪素化合物が挙げられる。これらの中でも、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素、炭化珪素、窒化アルミニウムが好ましく、特に、窒化アルミニウムが、高熱伝導性の観点で好ましい。
(C)熱伝導性粒子の形状は、特に制限されないが、球状または不定形形状であることが好ましい。(C)熱伝導性粒子の大きさは、本グリース組成物が均一なグリース状の性状を得る観点から、平均粒径で0.1~40μmであることが好ましく、0.2~30μmがより好ましい。(C)熱伝導性粒子は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
(C)熱伝導性粒子は、平均粒子径が異なる熱伝導性粒子、例えば、平均粒子径の小さい熱伝導性粒子(Ca)と平均粒子径の大きい熱伝導性粒子(Cb)とを組み合わせて用いることが好ましい。異なる平均粒子径の熱伝導性粒子を組み合わせることで、本グリース組成物における(C)熱伝導性粒子の充填率を高めることが可能となる。なお、熱伝導性粒子(Ca)と(Cb)の平均粒子径は、その材質に応じて好適な範囲を決定できる。
例えば、(C)熱伝導性粒子が、窒化アルムニウム粒子の場合、平均粒径が0.1~3μmの熱伝導性粒子(Ca)と、平均粒径が5~40μmの熱伝導性粒子(Cb)を組み合わせて用いることが好ましい。熱伝導性粒子(Ca)と熱伝導性粒子(Cb)を組み合わせることで、本グリース組成物における(C)熱伝導性粒子の充填率を高めることが可能となる。熱伝導性粒子(Ca)と熱伝導性粒子(Cb)を組み合わせて用いた場合の、これらの混合割合は質量比で、熱伝導性粒子(Ca):熱伝導性粒子(Cb)として、10:90~60:40の範囲であることが好ましく、45:55~55:45がより好ましい。該混合割合が10:90~60:40の範囲を外れると良好な最密充填が得られなくなり熱伝導率が低下する場合がある。
また、例えば、(C)熱伝導粒子が、酸化アルミニウム粒子の場合、好ましくは、平均粒径が0.5~5μmの熱伝導性粒子(Ca)と平均粒径7~40μmの熱伝導粒子(Cb)を組み合わせることで、本グリース組成物における(C)熱伝導性粒子の充填率を高めることが可能となる。熱伝導性粒子(Ca)と熱伝導性粒子(Cb)を組み合わせて用いた場合の、これらの混合割合は質量比で、熱伝導性粒子(Ca):熱伝導性粒子(Cb)として、5:95~40:60の範囲であることが好ましく、10:90~30:70がより好ましい。該混合割合が5:95~40:60の範囲を外れると良好な最密充填が得られなくなり熱伝導率が低下する場合がある。
本グリース組成物における(C)熱伝導性粒子の含有量は、本グリース組成物に十分な熱伝導性を付与するとともに、本グリース組成物をグリース状の粘度に調整する含有量であって、具体的には、(A)液状樹脂100質量部に対して、350~2000質量部である。すなわち、(C)熱伝導性粒子の含有量が350質量部より少ないと、得られる組成物は、所望の熱伝導性を得ることができない。また、(C)熱伝導性粒子が2000質量部より多いと、組成物を製造する際の加工性が悪く、その上、得られる組成物は流動性が低く(高粘度であり)グリース性状を呈しない。そのため、該組成物を発熱部品に塗布や注入により配置し難いものである。本グリース組成物における(C)熱伝導性粒子の含有量は、70~95質量%が好ましく、75~92質量%がより好ましい。
((D)硬化剤等)
本グリース組成物は、本発明の効果を損なわない範囲として、(D)硬化剤および硬化促進剤から選ばれる少なくとも1種(以下、硬化剤等ともいう。)を含有させてもよい。(D)硬化剤等を含有させる場合、(A)液状樹脂の100質量部に対して、5質量部未満の割合で、(D)硬化剤(以下、硬化剤(Da)ともいう。)および硬化促進剤(以下、硬化促進剤剤(Db)ともいう。)から選ばれる少なくとも1種を含有してもよい。本グリース組成物は(D)硬化剤等を上記の割合で含有することで、(A)液状樹脂が含有する樹脂が部分的に硬化して、基材に対して適度な密着性を有するように機能する。
本グリース組成物は、(A)液状樹脂に対する(D)硬化剤等の量を上記のように規定することで、発熱部品が高温、例えば、150℃程度になったとしても、硬化を促進して、それによりゲル状組成物の柔軟性を大きく損なうようなことはない。すなわち、(D)硬化剤等の量が規定されることで、本グリース組成物は、部分的に硬化するが、硬化の程度はゲル状組成物の柔軟性を所定の範囲に維持できる範囲内である。熱硬化性樹脂は硬化することで基材との接着が強固になるが、本グリース組成物によれば、(D)硬化剤等の量を規定することで基材に強固に接着されることもなく、十分なリペア性が得られるものである。
しかしながら、本グリース組成物が(D)硬化剤等を含有する場合、含有しない場合に比べて、得られる本ゲル状組成物において、柔軟性が低下する。これにより、発熱部品に用いて昇温、降温が繰り返された場合に、クラックの発生が懸念される。このような観点から、本グリース組成物における(D)硬化剤等の含有量は、(A)液状樹脂の100質量部に対して、5質量部未満であり、3質量部未満が好ましく、1質量部未満がより好ましく、本グリース組成物は(D)硬化剤等を含有しなくてもよい。
例えば、本グリース組成物が(D)硬化剤等を上記の上限値を超えて含有する場合、(A)液状樹脂の反応により硬化が進み、後述するV150℃が10000Pa・sを容易に超えてしまう。V150℃が10000Pa・sを超えた場合、本グリース組成物からは昇温により柔軟性に乏しい硬化物が得られる。よって、クラックの発生が懸念される。
(D)硬化剤等における硬化剤(Da)としては、通常、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、と組み合わせて用いられる、ポリアミン、酸無水物、ポリアミド等が特に制限なく使用可能である。(D)硬化剤等における硬化促進剤(Db)としては、イミダゾール系化合物、ヒドラジド化合物等が挙げられる。本グリース組成物が(D)硬化剤等を含有する場合、これらの1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
((E)シランカップリング剤)
本グリース組成物は、本発明の効果を損なわない範囲として、(E)シランカップリング剤を含有させてもよい。(E)シランカップリング剤は、(C)熱伝導性粒子の表面性状を改質するために用いられ、この種の組成物における公知のシランカップリング剤を用いることができる。
この(E)シランカップリング剤の種類としては、アミノ基、フェニル基、エポキシ基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、ウレイド基、メタクリル基、アクリル基、ウレイド基、チタネート基、酸無水物等を含むものであれば特に制限なく使用可能である。本グリースがシランカップリング剤を含有する場合、これらの1種を単独で使用してもよく、2種類以上を混合して使用しても良い。シランカップリング剤を使用する場合、無機粒子に直接処理を行った後、液状樹脂とゲル化剤を混合しても良く、または、液状樹脂、無機粒子、ゲル化剤、シランカップリング剤を共に混合してもよい。
本グリース組成物における(E)シランカップリング剤の含有量は、(C)熱伝導性粒子100質量部に対して0.05~5質量部が好ましい。
本グリース組成物においては、以上の各成分の他、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、酸化防止剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、粘度調整剤、消泡剤、レベリング剤、沈降防止剤、分散剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤等の添加剤を適宜添加することが可能である。また、(C)熱伝導性粒子以外の無機粒子を添加剤として使用することも可能である。これらの各添加剤はいずれも1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
本グリース組成物における、これらの各添加剤の含有量は、本グリース組成物の全量に対して、各添加剤について、および添加剤の合計量として、0.05~15質量%程度とすることができ、0.2~10質量%が好ましい。
本グリース組成物は、上記した(A)~(C)成分、および(D)成分、(E)成分や必要に応じて配合される各種添加剤を各々上記の含有量となるように計量して配合し、混合撹拌することで製造することができる。このような混合撹拌の方法は特に制限されるものではなく、各成分の種類、粘度、含有量により適宜選定することができ、具体的には、ディゾルバーミキサー、ホモミキサー等の撹拌機を用いる方法が挙げられる。
また、このようにして混合撹拌されたものを必要に応じて、例えば未分散の成分の固まりを除去する目的で濾過してもよい。このような濾過を行うことで、均質な本グリース組成物が得られる。また、このような混合撹拌を行う際に組成物中に生じる気泡は減圧下で脱泡することが好ましい。このような脱泡を行うことで、得られる本グリース組成物に気泡が生じることを防止することが可能となる。
本グリース組成物は、グリース性状を有する、すなわち、25℃における粘度が80~500Pa・s程度である。本グリース組成物における、25℃の粘度は80~500Pa・sが好ましく、110~300Pa・sがより好ましい。
本グリース組成物は、概ね60~150℃でゲル化して本ゲル状組成物となる。したがって、本グリース組成物を、温度変化を伴う用途で使用する場合、昇温時にゲル化の温度を超えれば、その後は本ゲル状組成物として使用される。このようにして本グリース組成物は昇温により本ゲル状組成物となることで、温度変化に伴う流動性の増加が抑制された性質を有するものである。本ゲル状組成物のゲルとしての性状を評価する指標として、レオメーターにより測定した100℃における値(V100℃)と30℃における値(V30℃)を用いることができる。本ゲル状組成物は、V100℃とV30℃の比(V100℃/V30℃)が0.8以上であることが好ましい。
なお、本明細書においてレオメーターにより測定される粘度Vは、レオメーター(キネクサスpro+、スペクトリス(株)社製)を用い、所定の温度まで昇温させたときのその所定温度において測定された値である。例えば、V150℃は温度範囲:20~150℃、昇温速度:10℃/min、周波数:1Hz(一定)、せん断強度:10Pa(一定)の条件下で150℃において測定した値であり、V100℃は温度範囲を20~100℃とした以外は同様の条件とし、100℃において測定した値であり、V30℃は温度範囲を20~30℃とした以外は同様の条件とし、30℃において測定した値である。
本グリース組成物を発熱部品に用いた場合、本ゲル状組成物の粘度比(V100℃/V30℃)が1未満では、発熱部品が高温になると本グリース組成物から得られる本ゲル状組成物の流動性が高まり、該発熱部品から流出(ポンプアウト)するおそれがある。
本グリース組成物および本ゲル状組成物における熱伝導率(W/m・K)は、1W/m・K以上が好ましく、2W/m・K以上がより好ましい。また、本グリース組成物を-40~150℃、1000サイクルの設定条件にて冷熱サイクルを実施した後、本グリース組成物は本ゲル状組成物となっているが、該本ゲル状組成物の熱伝導率(W/m・K)は、1W/m・K以上が好ましく、2W/m・K以上がより好ましい。なお、本グリース組成物をゲル化したゲル状組成物は、本グリース組成物に比べて熱伝導率(W/m・K)が高まる傾向にある。
本実施形態の物品(以下、「本物品」ともいう。)は、発熱体と、放熱体と、発熱体と放熱体の間に配置された本グリース組成物または本グリース組成物がゲル化したゲル状組成物と、を有することを特徴とする。本物品としては、例えば、電子機器、インバータ等が挙げられ、電子機器が好ましい。本物品が電子機器の場合、発熱体としては、ICチップ、CPUチップ、GPUチップ、等が挙げられ、インバータの場合、IGBT等が挙げられ、放熱体としてはヒートシンク等が挙げられる。
発熱体と放熱体との間に本グリース組成物または本ゲル状組成物を配置する方法としては、上記した、塗布または注入が挙げられる。塗布または注入は、一般的にグリース製品が塗布または注入されるのと同様の方法で行うことができる。本物品において発熱体と放熱体との間に本グリース組成物が塗布または注入された場合、発熱体が高温、例えば150℃程度になった際に、その過程で本グリース組成物はゲル化して本ゲル状組成物となり、その後の使用においては、発熱体と放熱体との間に本ゲル状組成物として存在する。
発熱体と放熱体の間に配置される本グリース組成物または本ゲル状組成物の厚みは、耐ポンプアウト性および放熱性の向上の観点から、5~300μmが好ましく、50~200μmがより好ましい。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[各成分]
実施例および比較例の組成物の調製に用いた材料を以下に示す。
(A)液状樹脂およびその他の液状樹脂
(A)液状樹脂
液状樹脂A-1:脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学製、セロキサイド2021、粘度;250mPa・s、質量減少率;0.8%)
液状樹脂A-2:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(ADEKA製、EP4088S、粘度;230mPa・s、質量減少率;0.5%)
液状樹脂A-3:ビフェニル型オキセタン樹脂(宇部興産製、OX-BP、粘度;250mPa・s、質量減少率;0.3%)
液状樹脂A-4:ジアミン樹脂(クミアイ化学工業製、1000P、粘度:8000mPa・s、質量減少率;0.2%)
液状樹脂A-5:アクリル樹脂(日立化成製、FA318A、粘度:500mPa・s、質量減少率;0.2%)
液状樹脂A-6:ポリオール樹脂(伊藤製油製、PH319、粘度:500mPa・s、質量減少率;<0.1%)
液状樹脂A-7:ポリエーテル樹脂(MORESCO製、LB-100、粘度:200mPa・s、質量減少率;<0.1%
(その他の液状樹脂)
液状樹脂A-8:ヒマシ油樹脂(伊藤製油製、GR301、粘度:200mPa・s、質量減少率;<0.1%)
液状樹脂A-9:ヒマシ樹脂(伊藤製油製、S10、粘度:30mPa・s、質量減少率;<0.1%)
液状樹脂A-10:フェノール樹脂(明和化成製、MEH-8000H、粘度;2500mPa・s、質量減少率;0.4%)
液状樹脂A-11:変性シリコーン樹脂(信越化学製、X-21-5841、粘度;200mPa・s、質量減少率;0.8%)
液状樹脂A-12:シリコーン樹脂(信越化学製、KF-96、粘度:100mPa・s、質量減少率;<0.1%)
(B)ゲル化剤
ゲル化剤B-1:ポリメタクリル酸エステル樹脂粒子(アイカ工業製、ゼフィアックF320、平均粒子径:2μm、平均重合度:30,000)
ゲル化剤B-2:ポリメタクリル酸エステル樹脂粒子(アイカ工業製、ゼフィアックF303、平均粒子径:2μm、平均重合度20,000)
ゲル化剤B-3:ポリメタクリル酸エステル樹脂粒子(アイカ工業製、ゼフィアックF340M、平均粒子径:0.5μm、平均重合度30,000)
ゲル化剤B-4:ポリメタクリル酸エステル樹脂粒子(アイカ工業製、ゼフィアックF325、平均粒子径:1μm、平均重合度:40,000)
(C)熱伝導性粒子
熱伝導性粒子Ca-1:窒化アルミニウム粒子(東洋アルミニウム製、品名:TFZ-N1A、平均粒子径:1.0μm)
熱伝導性粒子Cb-1:窒化アルミニウム粒子(東洋アルミニウム製、品名:TFZ-S30P、平均粒子径:30μm)
熱伝導性粒子Ca-2:酸化アルミニウム粒子(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製、品名:AZ2-75、平均粒子径:3μm)
熱伝導性粒子Cb-2:酸化アルミニウム粒子(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製、品名:AZ30-125、平均粒子径:30μm)
熱伝導性粒子Ca-3:酸化アルミニウム粒子(アルテオ社製、品名:P15SB、平均粒子径:1.5μm)
熱伝導性粒子Cb-3:酸化アルミニウム粒子(デンカ株式会社製、品名:DAB-80SA、平均粒子径:10μm)
熱伝導性粒子Cb-4:窒化アルミニウム粒子(東洋アルミ製、品名:TFZ-A15P、平均粒子径:15μm)
(D)硬化剤等
硬化剤Da-1:酸無水物系硬化剤(日立化成製、HN2000)
硬化促進剤Db-1:2-エチル-4-メチルイミダゾール(四国化成製、2E4MZ)
(E)シランカップリング剤
シランカップリング剤E-1:3-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング製、Z-6883)
シランカップリング剤E-2:3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポニック社製、GLYNO)
シランカップリング剤E-3:有機チタン化合物(味の素製、プレンアクトTTS)
(その他の成分)
粘度調整剤(BYK製、9010)
まず、上記(A)液状樹脂、その他の液状樹脂および(B)ゲル化剤について、それらの溶解性を調べた。
表1に示した10種類の溶剤を用意し、それらSP値の異なる溶剤5gに対し、各液状樹脂等を1g配合し、室温25℃の環境下にて、スターラーを適用し1時間攪拌した。攪拌後、それらの溶解性を確認した。
溶解性は、攪拌した後、透明となっているものを十分に溶解しているものとし「○」と、半透明~白濁しているものを十分に溶解してはいないものとし「×」として評価した。評価結果を表1に示した。
Figure 0007335840000001
[実施例1~27、比較例1~11]
上記した材料を、表2に示す組成となるように調製し、実施例1~27および比較例1~11の各組成物を得た。さらに、各例で得られた組成物を用いて以下の評価を行った。結果を表2に併せて示す。
(1)レオメーターによる測定粘度V
(a)V30℃
組成物の5~10gをレオメーター(キネクサスpro+、スペクトリス(株)社製)を用いて、温度範囲:20~30℃、昇温速度:10℃/min、周波数:1Hz(一定)、せん断強度:10Pa(一定)の条件下で測定した30℃の値[Pa・s]をV30℃とした。
(b)V100℃
組成物の5~10gをレオメーター(キネクサスpro+、スペクトリス(株)社製)を用いて、温度範囲:20~100℃、昇温速度:10℃/min、周波数:1Hz(一定)、せん断強度:10Pa(一定)の条件下で測定した100℃の値[Pa・s]をV100℃とした。
(2)耐ポンプアウト性
組成物の0.5~1.0gを150μmのスペーサーを設けたスライドガラス上に滴下し、スペーサーの無いスライドガラスにて組成物を挟み込み、スライドガラス/組成物/スライドガラスの3層体の両サイドをクリップで止める。3層体を長辺側が下になるように縦置きにし、-40~150℃、1000サイクルの設定条件にて冷熱サイクル試験機により冷熱サイクル試験を実施した。該冷熱サイクル試験後、3層体を取り出し、スライドガラス間の組成物またはそのゲル化物もしくは硬化物の状態を観察し、以下の基準で評価した。
〇:液だれが1mm未満である
△:液だれが1mm以上3mm未満である
×:液だれが3mm以上である。
(3)リペア性
組成物をスライドガラス上に100μm厚みで塗付し、150℃×15分の熱処理を行う。熱処理後の塗膜に対し、テープ剥離試験を実施し、塗膜の剥離比率を測定し、以下の基準で評価した。
〇:剥離面積が80%以上ある
△:剥離面積が50%以上80%未満である。
×:剥離面積が50%未満である。
(4)ボイドの発生
上記耐ポンプアウト性の評価で冷熱サイクル試験を実施した後の3層体について、透過顕微鏡にてスライドガラス間の組成物またはそのゲル化物もしくは硬化物におけるボイドの発生の有無を確認し、以下の基準で評価した。
〇:ボイドが無い。
×:ボイドがある。
(5)熱伝導率(冷熱サイクル前後)
組成物0.5~1.0gを用いて、熱拡散率測定装置(LFA467、ネッチ社製)にて熱伝導率の測定を行った。組成物をアルミニウム製のカップに入れ、アルミニウム製の蓋で覆い3層構成とした後、液状測定用ホルダーに設置した。キセノンフラッシュ法にて得られた熱拡散率に対し、補正処理を行い、アルミニウムの熱拡散率を除外した、界面熱抵抗を含む熱拡散率を得た。得られた、界面熱抵抗を含む熱拡散率と、組成物の比重、比熱を(式1)に導入し熱伝導率を算出し、冷熱サイクル前の熱伝導率とした。
(式1)熱拡散率(mm/s)×密度(g/cm)×比熱=熱伝導率(W/m・K)
次いで、上記耐ポンプアウト性の評価で冷熱サイクル試験を実施した後の3層体から、スライドガラスの間の組成物またはそのゲル化物もしくは硬化物を取り出し、上記同様にして熱伝導率を算出し、冷熱サイクル後の熱伝導率とした。
Figure 0007335840000002
Figure 0007335840000003
Figure 0007335840000004
表2~4に示した結果から明らかなように、本発明の熱伝導性グリース組成物は、高熱伝導でありながら粘度が低いため、加工性に優れると共に、流動性にも優れるので発熱部品への塗布がし易いものであり、その上、界面への濡れ性、追随性に優れるため低熱抵抗を実現できる。さらに、発熱部品の発熱により該グリース組成物は本ゲル状組成物となり流動性が低下することが抑制され、ポンプアウトし難いものである。
以上説明したように、本発明の熱伝導性グリース組成物は、発熱部品に塗布し易く、また塗布後、その発熱部品が高温、例えば150℃程度になったとしても、ゲル化して粘度低下が抑えられることで、ポンプアウトがし難く、さらに、優れたリペア性を有するとともにシロキサンガスの発生がなく、その上、所望の熱伝導性を得ることができるものである。
したがって、本発明の熱伝導性グリース組成物および該熱伝導性グリース組成物がゲル化したゲル状組成物は、電子機器等の発熱部品、例えば、局部発熱するICチップ、CPUチップ、GPUチップ等からの発熱をヒートシンク等の放熱部位に熱伝達させるために使用するグリースとして有用である。
また、その他の用途例としては、熱伝達部分を有する装置に広く用いられ、具体的には、搬送機器、繊維機械、金属機械、化学プラント、食料品加工機械、医療機器、製紙・印刷機器に使用されるインバータ等の産業用インバータ;ECU、パワーモジュール、インバータ、LED等の車載関連装置;コンデンサ、抵抗、ダイオード、メモリ、演算素子等の電子部品、それら電子部品を搭載する半導体パッケージ、回路基板等のその他の電子装置;等が挙げられる。

Claims (9)

  1. (A)エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ジアミン樹脂、アクリル樹脂、ポリオール樹脂 およびポリエーテル樹脂から選ばれる液状樹脂を100質量部、
    (B)ゲル化剤を5~30質量部、および
    (C)熱伝導性粒子を350~2000質量部、
    含むことを特徴とする熱伝導性グリース組成物。
  2. 前記(A)液状樹脂が、SP値7.8~10.1の溶剤に溶解する樹脂を含む請求項1記載の熱伝導性グリース組成物。
  3. 前記(B)ゲル化剤が、平均重合度1000~50000のポリメタクリル酸エステル樹脂粒子である請求項1または2記載の熱伝導性グリース組成物。
  4. 前記(B)ゲル化剤が、SP値7.8~10.1の溶剤に溶解する成分である請求項1~3のいずれか1項に記載の熱伝導性グリース組成物。
  5. 前記(C)熱伝導性粒子が、酸化アルミニウムまたは窒化アルミニウム粒子を含む請求項1~4のいずれか1項に記載の熱伝導性グリース組成物。
  6. さらに、前記(A)液状樹脂の他に、SP値7.3~7.8の溶剤に溶解する樹脂を含有することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の熱伝導性グリース組成物。
  7. さらに、(D)硬化剤および硬化促進剤から選ばれる少なくとも1種を、前記(A)液状樹脂の100質量部に対して、5質量部未満含むことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の熱伝導性グリース組成物。
  8. 前記熱伝導性グリース組成物を、加熱によりゲル化してゲル状組成物としたとき、レオメーターにより測定した30℃における粘度値(V30℃)と100℃における粘度値(V100℃)の粘度比(V100℃/V30℃)が0.8以上である請求項1~7のいずれか1項に記載の熱伝導性グリース組成物。
  9. 発熱体と、
    放熱体と、
    前記発熱体と前記放熱体の間に配置された請求項1~8のいずれか1項に記載の熱伝導性グリース組成物または前記熱伝導性グリース組成物がゲル化したゲル状組成物と、
    を有する物品。
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