JP7334660B2 - ダンパ装置 - Google Patents

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Description

本出願において開示された技術は、ダンパ装置に関する。
車両等において、エンジン等の駆動源と変速機との間のトルク伝達経路上には、当該駆動源から当該変速機に向けて伝達されるトルクの振動を吸収するダンパ装置が設けられており、ダンパ装置は例えばクラッチ装置に組み込まれている。
ダンパ装置の一般的な構成としては、互いに相対回転可能な入力部材としてのディスクプレートと出力部材としてのハブとの間にコイルスプリングを介在させて、当該コイルスプリングの弾性変形に基づいてトルク変動を吸収して減衰させる技術が知られている。
具体的なダンパ装置の構成として、例えば特許文献1には、第1ダンパ部と、当該第1ダンパ部よりも径方向内側に配される第2ダンパ部とを設け、ハブを内ハブと外ハブに分割する分割ハブタイプのダンパ装置が開示されている。
また、特許文献2には、相対的に回転しうる2つの同軸体であるハブ10とハブ板11との間(係合する歯18と係合される歯19との間)に、緩衝材からなるクラウン形挿入物20を設ける技術が開示されている。
特許第5376061号明細書 特表平9-506159号公報
特許文献1に記載の分割ハブタイプのダンパ装置においては、一般に、図13に示すような捩り特性を有する。図13は、分割ハブタイプのダンパ装置が有する捩り特性を模式的に示す概略特性図である。すなわち、特許文献1に記載の分割ハブタイプのダンパ装置は、捩れ角-θ乃至θの間において第2ダンパ部によってトルク変動を吸収するプリダンパ領域Xと、捩れ角θ以上及び捩れ角-θ以下の領域において第1ダンパ部によってトルク変動を吸収するメインダンパ領域Yとで構成される。プリダンパ領域Xは、内ハブと外ハブとが相対回転することで小さなトルク変動を吸収するものであり、メインダンパ領域Yは、ディスクプレートとハブ(内ハブと外ハブが一体回転)とが相対回転することで大きなトルク変動を吸収するものである。
しかしながら、図13に示すように、分割ハブタイプのダンパ装置においては、プリダンパ領域Xからメインダンパ領域Yへと移行する捩れ角θ及び-θにおいて、特性図上に大きな段差Wが生じてしまう。この段差Wは、ディスクプレートと外ハブとを弾性連結させる弾性機構(特許文献1における第1ダンパ部に相当)の弾性率(特性)と、外ハブと内ハブとを弾性連結させる弾性機構(特許文献1における第2ダンパ部に相当)の弾性率(特性)に大きなギャップが存在することや、ダンパ装置において、特にプリダンパ領域X及びメインダンパ領域Yにおいてヒステリシストルクが発生することに起因する。このような場合においては、捩れ角θ及び-θにおいて、内ハブと外ハブとが当接するたびに異音が発生してしまうという問題がある。
このような問題を解決するために、特許文献2に記載のように、相対的に回転しうる2つの同軸体の間に緩衝材を設けることが提案されている。しかしながら、このような緩衝材を内ハブと外ハブとの間に設けても、当該緩衝材として弾性率の小さい材料を用いてしまうと、当該緩衝材によってトルク変動を吸収する緩衝材作動領域Zとメインダンパ領域Yとの間に依然として段差Wが残存してしまう(図14参照)。逆に、緩衝材として弾性率の大きい材料を用いてしまうと、プリダンパ領域Xの特性と緩衝材作動領域Zの特性との差が大きくなってしまい、結果的に図15に示すように、両者の特性差による急激な折れ曲がり(段差W‘)が生じてしまう。したがって、特許文献2に記載の技術においても、内ハブと外ハブが当接することに伴って、異音が発生してしまうという問題が依然として生じてしまう。なお、図14は、内ハブと外ハブとの間に、弾性率の低い緩衝材を設けたダンパ装置が有する捩り特性を模式的に示す概略特性図である。図15は、内ハブと外ハブとの間に、弾性率の高い緩衝材を設けたダンパ装置が有する捩り特性を模式的に示す概略特性図である。
そこで、様々な実施形態により、異音の発生が抑制されたダンパ装置を提供する。
一態様に係るダンパ装置は、回転軸周りに回転する第1回転体、前記回転軸周りに前記第1回転体に対し相対回転する第2回転体、前記回転軸周りに前記第1回転体及び前記第2回転体に対し相対回転する第3回転体、前記第1回転体と前記第2回転体とを回転方向に弾性連結させる第1弾性機構部、前記第2回転体と前記第3回転体とを回転方向に弾性連結させる第2弾性機構部、及び、前記回転軸を中心とする円形の外径を呈する本体部と、前記本体部から軸方向に延在する延在部と、前記延在部から所定角度を呈して延在し、前記第2回転体の第1噛合歯の第1歯面と前記第3回転体の第2噛合歯の第2歯面との間に形成される噛合空間に配置され回転方向に弾性変形する弾性部と、を有する中間体、を具備し、前記所定角度は、前記第1噛合歯の第1歯底と前記第1歯面とで形成される第1角度、又は、前記第2噛合歯の第2歯底と前記第2歯面とで形成される第2角度よりも小さく設定されるものである。
この構成によれば、第2回転体の第1噛合歯の第1歯面と第3回転体の第2噛合歯の第2歯面との間に形成される噛合空間に配置され、回転方向に弾性変形する弾性部を有する中間体が設けられるため、従来の問題となっていた特性図上の段差を最小化させて第3回転体に基づくプリダンパ領域から第2回転体に基づくメインダンパ領域へとスムーズに移行させることができる。また、この結果、一態様のダンパ装置において、第2回転体と第3回転体とが当接する際に発生しうる異音を抑制することが可能となる。
また、一態様に係る前記ダンパ装置において、前記弾性部は、円弧形状を呈することが好ましい。
この構成とすることによって、前述の段差をさらに効率的に最小化させることが可能となる。これにより、一態様のダンパ装置において、第2回転体と第3回転体とが当接する際に発生しうる異音を、さらに効率的に抑制することが可能となる。
また、一態様に係る前記ダンパ装置において、前記弾性部は、前記噛合空間のうち、前記第1歯面及び前記第2歯面が正回転方向に噛合する第1噛合空間、及び前記第1歯面及び前記第2歯面が負回転方向に噛合する第2噛合空間のいずれか一方にのみ配置されるようにしてもよい。
この構成とすることによって、一態様に係るダンパ装置において、正回転方向(正回転方向の捩れ)及び負回転方向(負回転方向の捩れ)のいずれか一方において、第2回転体と第3回転体とが当接する際に異音が発生する場合においては、コスト低減を図りつつ正回転方向及び負回転方向の当該一方の場合にのみ効率的に異音を抑制することが可能となる。また、この結果、一態様に係るダンパ装置において、プリダンパ領域の対象捩れ角度を必要以上に縮減することを防止することができる(逆に言えば、プリダンパ領域の対象捩れ角度を最大化しつつ、前述の段差を最小化させることができる)。
また、一態様に係る前記ダンパ装置において、前記中間体は、前記第3回転体に支持されることが好ましい。
この構成とすることによって、一態様に係るダンパ装置において、中間体は、内ハブと別部材とで挟持される構成を採用することが可能となり、且つ当該別部材をヒステリシストルク発生部材とすると、前述の本体部の大きさ(直径)を調整することで、当該ヒステリシストルク発生部材と本体部との間において、大きな摺動面を確保することが可能となる。これにより、ヒステリシストルク発生部材の摩耗量を低減することが可能となり、さらに、ヒステリシストルク発生部材が発現するヒステリシストルク特性を安定化させることも可能となる。
また、一態様に係る前記ダンパ装置において、前記中間体の内径は、略トラック形状を呈することが好ましい。
この構成とすることによって、中間体は、正回転方向又は負回転方向に一定角度回転すると、中間体における略トラック形状の内径が内ハブに効率的に支持されることが可能となる。
様々な実施形態によれば、異音の発生が抑制されたダンパ装置を提供することができる。
一実施形態に係るダンパ装置の構成を模式的に示す概略上面図である。 図1に示したダンパ装置の構成をA-A‘線から見て模式的に示す概略断面図である。 図1に示したダンパ装置のうち、第2回転体、第3回転体、及び中間体を拡大して示す概略斜視図である。 図1に示したダンパ装置のうち、第2回転体、第3回転体、及び中間体を拡大して示す概略上面図である。 図1に示したダンパ装置のうち、中間体を拡大して示す概略斜視図である。 図1に示したダンパ装置のうち、第2回転体の第1噛合歯の第1歯面と第3回転体の第2噛合歯の第2歯面との間に形成される噛合空間を拡大して示す概略斜視図である。 一実施形態に係るダンパ装置において、第3回転体、中間体、及びヒステリシス発生部材を拡大して示す概略断面図である。 図1に示したダンパ装置のうち、第2回転体と第3回転体とが相対回転せず捩れ角0°の状態における、第2回転体、第3回転体、及び中間体を拡大して示す概略図である。 図1に示したダンパ装置のうち、第2回転体と第3回転体とが相対回転して捩れ角αの状態における、第2回転体、第3回転体、及び中間体を拡大して示す概略図である。 図1に示したダンパ装置のうち、第2回転体と第3回転体とが相対回転して捩れ角αの状態における、第2回転体、第3回転体、及び中間体を拡大して示す概略図である。 図1に示したダンパ装置のうち、第2回転体と第3回転体とが相対回転して捩れ角αの状態における、第2回転体、第3回転体、及び中間体を拡大して示す概略図である。 図1に示したダンパ装置のうち、第2回転体と第3回転体とが相対回転して捩れ角αの状態における、第2回転体、第3回転体、及び中間体を拡大して示す概略図である。 図1に示したダンパ装置のうち、第2回転体と第3回転体とが相対回転して捩れ角αの状態における、第2回転体、第3回転体、及び中間体を拡大して示す概略図である。 一実施形態に係るダンパ装置が有する捩り特性を模式的に示す概略特性図である。 図9の概略特性図のうち、四角で囲った部分のみを拡大して示す概略特性図である。 第2の実施形態に係るダンパ装置の構成を模式的に示す概略上面図である。 第3の実施形態に係るダンパ装置の構成を模式的に示す概略上面図である。 一般的な従来の分割ハブタイプのダンパ装置が有する捩り特性を模式的に示す概略特性図である。 内ハブと外ハブとの間に、弾性率の低い緩衝材を設けたダンパ装置が有する捩り特性を模式的に示す概略特性図である。 内ハブと外ハブとの間に、弾性率の高い緩衝材を設けたダンパ装置が有する捩り特性を模式的に示す概略特性図である。
以下、添付図面を参照して様々な実施形態を説明する。なお、図面において共通した構成要件には同一の参照符号が付されている。また、或る図面に表現された構成要素が、説明の便宜上、別の図面においては省略されていることがある点に留意されたい。さらにまた、添付した図面が必ずしも正確な縮尺で記載されている訳ではないということに注意されたい。
1.ダンパ装置の構成
一実施形態に係るダンパ装置の全体構成の概要について、図1乃至図7を参照しつつ説明する。図1は、一実施形態に係るダンパ装置1の構成を模式的に示す概略上面図である。図2は、図1に示したダンパ装置1の構成をA-A‘線から見て模式的に示す概略断面図である。図3は、図1に示したダンパ装置1のうち、第2回転体200、第3回転体300、及び中間体600を拡大して示す概略斜視図である。図4は、図1に示したダンパ装置1のうち、第2回転体200、第3回転体300、及び中間体600を拡大して示す概略上面図である。図5は、図1に示したダンパ装置1のうち、中間体600を拡大して示す概略斜視図である。図6は、図1に示したダンパ装置1のうち、第2回転体200の第1噛合歯202の第1歯面203と第3回転体300の第2噛合歯302の第2歯面303との間に形成される噛合空間Pを拡大して示す概略斜視図である。図7は、一実施形態に係るダンパ装置1において、第3回転体300、中間体600、及びヒステリシス発生部材700を拡大して示す概略断面図である。なお、図1においては、図面の便宜上、第1回転体100の記載が省略されていることに留意されたい。
一実施形態に係るダンパ装置1は、エンジンやモータ等の駆動源(図示せず)と変速機(図示せず)等の動力伝達経路上に設けられ、当該駆動源からの動力がフライホイール(図示せず)を介して伝達されて、当該動力を変速機等へと伝達(出力)するものである。
ダンパ装置1は、トルク振動を吸収して減衰させるものである。このダンパ装置1は、図1乃至図3に示すように、第1回転体としてのディスクプレート100、第2回転体としての外ハブ200、第3回転体としての内ハブ300、第1弾性機構部400、第2弾性機構部500、及び中間体600を主に含む。また、ダンパ装置1には、これらの構成要素に加えて他の様々な構成要素も含まれる。以下、ダンパ装置1を構成する各構成要素の詳細について説明する。なお、本明細書において軸方向とは、回転軸Oと平行に延びる方向を意味し、径方向とは、回転軸Oに直交し各回転体の直径方向を意味し、周方向とは、回転軸Oの周りを周回する方向を意味するものとする。
1-1.ディスクプレート100(第1回転体100)
ディスクプレート100は、駆動源からの動力が、ライニングプレート10を介して伝達されるものであり、ライニングプレート10とともに、ダンパ装置1において動力が入力される構成要素と捉えることができる。なお、ライニングプレート10には、フェーシング20A及び20Bが取り付けられており、このフェーシング20A及び20Bが、フライホイールとプレッシャープレート(図示せず)との間で挟圧されるように構成されている。なお、ライニングプレート10及びプレッシャープレートの形状及び材質については、公知のものを用いることができる。
ディスクプレート100は、例えば、金属材料により形成され、図2に示すように、後述する外ハブ200等を挟んで、回転軸Oの周りにおいて回転可能に設けられている。ディスクプレート100は、外ハブ200の軸方向両側に設けられる一対の板部材としての第1ディスクプレート100A及び第2ディスクプレート100Bを含む。
第2ディスクプレート100Bは、軸方向において第1ディスクプレート100Aに対向するように配置されている。第1ディスクプレート100A及び第2ディスクプレート100Bは、図2に示すように、ライニングプレート10を間に挟むようにして、リベットRによってライニングプレート10とともに一体的に固定されることで一体回転することができる。このような構成とすることにより、フライホイールからライニングプレート10へと伝達された動力は、第1ディスクプレート100A及び第2ディスクプレート100Bへと伝達される。
また、第1ディスクプレート100A及び第2ディスクプレート100Bは、図2に示すように、所定の径方向位置において、他の径方向位置に比して軸方向に膨らんだ形状を有し、後述する第1弾性機構部400を内部に収容する収容部105を形成する。収容部105は、ディスクプレート100(第1ディスクプレート100A及び第2ディスクプレート100B)の周方向に沿って延びる第1弾性機構部400を収容するために、領域I乃至IVのそれぞれに対応付けて、ディスクプレート100の周方向に沿って略直線状又は略円弧状に延びている。なお、領域I乃至IVとは、ダンパ装置1を上面からみて、収容部105の各々が略90度の扇形を有する4つの領域を指すものとする。なお、後述する外ハブ200には、これらの収容部105に対応する形状を有する切欠き201a、201b、201c、及び201dが設けられている。
ディスクプレート100(第1ディスクプレート100A及び第2ディスクプレート100B)には、従来から公知の構造を前述の構成に加えて適宜に組み合わせることで、ダンパ装置1の一部としての機能を発揮させることができる。なお、従来から公知の構造について、その詳細な説明は省略する。
1-2.外ハブ200(第2回転体200)
外ハブ200は、例えば、金属材料により形成され、図1、図3、及び図4に示すように、全体として略環状の形状を有する。また、外ハブ200は、前述のとおり、図2に示すように、第1ディスクプレート100A及び第2ディスクプレート100Bに挟まれて、回転軸Oの周りにディスクプレート100(第1ディスクプレート100A及び第2ディスクプレート100B)に対して相対回転可能に設けられる。さらにまた、外ハブ200は、径方向外側に延びるフランジ206と、少なくとも後述する内ハブ300、第2弾性機構部500、及び中間体600を収容する環孔(便宜上、図面には参照符号は付されていない)が形成されている。
フランジ206には、図1、図3、及び図4に示すように、その外周において周方向に沿って少なくとも1つの切欠きが形成される。一実施形態では、一例として、フランジ206には、その外周において周方向に沿って等間隔(周方向において90度の間隔)で4つの切欠き201a、201b、201c、及び201dが形成される。図1に示すように、概念的に、ダンパ装置1を上面からみて、各々が扇形を有する4つの領域I、II、III、IVに分けて考えると、フランジ206には、領域I乃至IVに対応付けて、それぞれ、第1切欠き201a、第2切欠き201b、第3切欠き201c、及び第4切欠き201dが形成される。なお、これらの切欠きの数は4つに限定されるものではなく、後述する第1弾性機構部400の構成、より詳細には、第1弾性機構部400の数に対応して設けられる。
このような切欠きが形成されることにより、第1切欠き201a、第2切欠き201b、第3切欠き201c、及び第4切欠き201dには、後述する第1弾性機構部400を収容することが可能となる。フランジ206は、図1、図3、及び図4に示すように、領域Iに対応付けて、一端側の係合部(第1の一端側の係合部)208aとこれに対向する他端側の係合部(第1の他端側の係合部)208aとを有し、領域IIに対応付けて、一端側の係合部(第2の一端側の係合部)208bとこれに対向する他端側の係合部(第2の他端側の係合部)208bとを有し、領域IIIに対応付けて、一端側の係合部(第3の一端側の係合部)208cとこれに対向する他端側の係合部(第3の他端側の係合部)208cとを有し、領域IVに対応付けて、一端側の係合部(第4の一端側の係合部)208dとこれに対向する他端側の係合部(第4の他端側の係合部)208dとを有する。
各一端側の係合部208a、208b、208c、及び208dは、ともに同一の構成を有することができ、各他端側の係合部208a、208b、208c2、及び208dは、ともに同一の構成を有することができる。各一端側の係合部208a、208b、208c、及び208dは、各他端側の係合部208a、208b、208c、及び208dと左右対称の構成を有することができる。
また、外ハブ200においては、図3及び図4に示すように、径方向内側に延びる第1噛合歯202が、後述する第2弾性機構部500が配置される位置を除き、外ハブ200の内径を画定するように環状に形成される。なお、外ハブ200の内径側には、第1噛合歯202に周方向に隣接するように第2弾性機構部500を収容する切欠き210が設けられる。切欠き210は、第2弾性機構部500の数に対応する数だけ設けられる。
第1噛合歯202は、第1歯面203及び第1歯底204から主に構成される。第1噛合歯202は、後述する内ハブ300に設けられる第2噛合歯302に噛合するように構成される。
外ハブ200には、従来から公知の構造を前述の構成に加えて適宜に組み合わせることで、ダンパ装置1の一部としての機能を発揮させることができる。なお、従来から公知の構造について、その詳細な説明は省略する。
1-3.内ハブ300(第3回転体300)
内ハブ300は、例えば、金属材料により形成され、主に図3及び図4に示すように、略円筒状の円筒部301と略環状の第2噛合歯302を含み、回転軸Oの周りにディスクプレート100(第1ディスクプレート100A及び第2ディスクプレート100B)及び外ハブ200に対して相対回転可能に設けられる。また、内ハブ300は、円筒部301に形成された貫通孔301xに、変速機(図示せず)の入力軸(図示せず)を種々の連結要素(図示せず)を介してスプライン結合させることができる。
内ハブ300における第2噛合歯302は、第2歯面303及び第2歯底304から主に構成される。また、第2噛合歯302は、内ハブ300の外周面に形成されるものであって、後述する第2弾性機構部500が配置される位置を除いて、当該外周面全体に渡って形成される。なお、内ハブ300の外周面には、図3及び図4に示すように、第2噛合歯302に周方向に隣接するように第2弾性機構部500を収容する少なくとも1つの切欠き310が設けられる。切欠き310は、第2弾性機構部500の数に対応する数だけ設けられる。
前述の構造はあくまで一例であって、例えば、第2噛合歯302を、内ハブ300の外周面であって、領域II及び領域IVに対応する位置(且つ第2弾性機構部500が配置される位置とは異なる位置)にのみ部分的に形成するような構成としてもよい。仮に、第2噛合歯302を、領域II及び領域IVに対応する位置にのみ部分的に形成するような構成とした場合においては、これに対応するように、第1噛合歯202も、領域II及び領域IVに対応する位置においてのみ、外ハブ200の内径を画定するように形成されることとなる。
また、内ハブ300は、図3及び図4に示すように、外ハブ200に対し径方向内側に配され、且つ、内ハブ300の第2噛合歯302と外ハブ200の第1噛合歯202は、回転軸Oに対し、同一の軸方向位置に位置決めされている。これにより、第2噛合歯302と第1噛合歯202は相互に噛合可能となる。なお、第1噛合歯202(厳密にいえば、第1歯面203)、及び第2噛合歯302(厳密にいえば第2歯面303)には、両歯面の欠損等を効率的に防止するため焼入れ処理等が施される。
内ハブ300には、従来から公知の構造を前述の構成に加えて適宜に組み合わせることで、ダンパ装置1の一部としての機能を発揮させることができる。なお、従来から公知の構造について、その詳細な説明は省略する。
1-4.第1弾性機構部400
第1弾性機構部400は、図1及び図2に示すように、コイルスプリングが主に用いられる第1弾性体410、及び第1弾性体410を支持する第1シート部材420(第1シート部材420x及び第1シート部材420y)から主に構成される。なお、図1及び図2においては、各第1弾性機構部400において、1つの第1弾性体410が用いられる例が示されているが、これに限定されず、例えば、各第1弾性機構部400において2つの第1弾性体410が直列に接続される構成としてもよい。
そして、図1及び図2に示した一実施形態においては、収容部105(外ハブ200においても、切欠き201a乃至201d)が各領域I乃至IVに対応して4つ設けられるので、これらの4つの収容部105(切欠き201a乃至201d)の各々に、つまり各領域I乃至IVに対応付けて、1つの第1弾性体410が収容される。また、各領域I乃至IVにおいて、第1弾性体410は、その両端を一対の第1シート部材420(第1シート部材420x及び第1シート部材420y)に支持される。
ここで、領域Iに着目すると、第1弾性体410を支持する第1シート部材420の一方(例えば、第1シート部材420x)は、ディスクプレート100、及び外ハブ200に設けられる第1の一端側の係合部208aと、各々係合する。また、第1弾性体410を支持するシート部材420の他方(例えば、第1シート部材420y)は、ディスクプレート100、及び外ハブ200に設けられる第1の他端側の係合部208aと、各々係合する。このような構成は、領域II乃至IVにおいても同様である。
以上の構成により、第1弾性体410は、第1シート部材420を介して、ディスクプレート100と外ハブ200とを、回転方向に弾性連結させることが可能となっている。つまり、エンジンやモータ等の駆動源からの動力が、ディスクプレート100、第1シート部材420x、第1弾性体410、第1シート部材420y、及び外ハブ200の順に伝達された上で、ディスクプレート100と外ハブ200とが互いに相対回転すると、第1弾性体410を含む第1弾性機構部400は、ダンパ装置1におけるメインダンパ機能(トルク変動を吸収する機能)を発揮するメインダンパ部と捉えることができる。
第1弾性機構部400には、従来から公知の構造を前述の構成に加えて適宜に組み合わせることで、ダンパ装置1の一部としての前述のメインダンパ機能を発揮させることができる。なお、従来から公知の構造について、その詳細な説明は省略する。
1-5.第2弾性機構部500
第2弾性機構部500は、図1及び図2に示すように、前述の第1弾性機構部400よりも回転軸Oに近い(径方向内側)位置に配置されており、コイルスプリングが主に用いられる第2弾性体510、及び第2弾性体510を支持する第2シート部材520(第2シート部材520x及び第2シート部材520y)から主に構成される。なお、図1及び図2においては、各第2弾性機構部500において、1つの第2弾性体510が用いられる例が示されているが、これに限定されず、例えば、各第2弾性機構部500において2つの第2弾性体510が直列に接続される構成としてもよい。
第2弾性機構部500は、外ハブ200に設けられる切欠き210、及び内ハブ300に設けられる切欠き310の内部に収容される。収容される第2弾性機構部500において、第2弾性体510は、その両端を一対の第2シート部材520(第2シート部材520x及び第2シート部材520y)に支持される。
ここで、図3及び図4に着目すると、第2弾性体510を支持する第2シート部材520の一方(例えば、第2シート部材520x)は、外ハブ200(厳密には、外ハブ200の第1噛合歯202)、及び内ハブ300(厳密には、内ハブ300の第2噛合歯302)と、各々当接(係合)可能に設けられている。また、第2弾性体510を支持する第2シート部材520の他方(例えば、第2シート部材520y)も、外ハブ200(厳密には、外ハブ200の第1噛合歯202)、及び内ハブ300(厳密には、内ハブ300の第2噛合歯302)と、各々当接(係合)可能に設けられている。
以上の構成により、第2弾性体510は、第2シート部材520を介して、外ハブ200と内ハブ300とを、回転方向に弾性連結することが可能となっている。つまり、外ハブ200に伝達された動力は、外ハブ200、第2シート部材520x、第2弾性体520、第2シート部材520y、及び内ハブ300の順に伝達された上で、外ハブ200と内ハブ300とが互いに相対回転すると、第2弾性体510を含む第2弾性機構部500は、ダンパ装置1におけるプリダンパ機能(トルク変動を吸収する機能)を発揮するプリダンパ部と捉えることができる。
第2弾性機構部500には、従来から公知の構造を前述の構成に加えて適宜に組み合わせることで、ダンパ装置1の一部としての前述のプリダンパ機能を発揮させることができる。なお、従来から公知の構造について、その詳細な説明は省略する。
1-6.中間体600
中間体600は、特に図3乃至図6に示すように、回転軸Oを中心とする円形の外径を呈する本体部602と、本体部602から軸方向に延在する延在部604と、延在部604から所定角度を呈し第1歯底204に向かって略径方向に延在し、外ハブ200の第1噛合歯202の第1歯面203と内ハブ300の第2噛合歯302の第2歯面303との間に形成される噛合空間Pに配置され回転方向に弾性変形する弾性部606と、を主に含む。
本体部602には、内ハブ300の円筒部301を内部に挿通させる挿通孔601が形成される。当該挿通孔601を画定させる内径は略トラック形状を呈することが好ましい。本体部602の内径が略トラック形状を呈することにより、中間体600は、正回転方向又は負回転方向に一定角度(限りなく角度ゼロであってもよい)回転すると、略トラック形状の内径が内ハブ300の円筒部301の円筒形状に支持されるように構成されている。つまり、中間体600は、正回転方向又は負回転方向において、一定角度(限りなく角度ゼロであってもよい)の範囲内において内ハブ300に対して相対回転可能に設けられつつ(中間体600の回転が内ハブ300によって規制されず)、一定角度の範囲外においては、内ハブ300と一体回転可能に設けられる(中間体600の回転が内ハブ300によって規制される)。但し、挿通孔601を画定させる内径は略トラック形状とすることに限定する必要はなく、中間体600が内ハブ300によって支持される他の構成を採用することができる。
中間体600(本体部602)が内ハブ300によって前述のとおり支持される構成とすることで、中間体600は、内ハブ300と別部材とで挟持される構成を採用することが可能となる。例えば、別部材としては、例えば図7に示すように、ヒステリシストルク発生部材700を採用することができる。仮に、中間体600が存在しない場合、当該ヒステリシストルク発生部材700は、内ハブ300の面320を摺動面とすることでヒステリシストルクを発生させることとなる。他方、中間体600が存在する場合、当該ヒステリシス発生部材700は、中間体600の本体部602を摺動面とすることでヒステリシスを発生させる。ここで、本体部602の直径を大きく設定することで大きな摺動面を確保することが可能となる(図7において、面320を摺動面とする場合より、本体部602を摺動面とする場合の方が、ヒステリシストルク発生部材700に対する摺動面の面積が大きくなる)。このように、ヒステリシストルク発生部材700に対して大きな摺動面を確保するような構成を採用することにより、ヒステリシストルク発生部材700の摩耗量を低減することが可能となり、さらに、ヒステリシストルク発生部材700が発現するヒステリシストルク特性を安定化させることが可能となる。
中間体600の延在部604は、本体部602から軸方向に延在するように構成されるものである。図3乃至図6に示すように、延在部604は、例えば、本体部602の外周端から軸方向に延在してもよいし、他の場所から軸方向に延在してもよい。また、延在部604は、第2噛合歯302の第2歯底304に対応するように設けられ、第2歯底304と第1噛合歯202に挟まれるように両者に支持される。これにより、中間体600の径方向への移動が規制されている。なお、中間体600の径方向への移動は、前述のとおり、中間体600の本体部602の内径が略トラック形状であることに起因して、略トラック形状の内径が内ハブ300の円筒部301の円筒形状と一体回転可能に設けられることによって規制されてもよい。
中間体600の弾性部606は、前述のとおり、延在部604から所定角度を呈し略径方向に延在して噛合空間Pに配置される。ここで、所定角度は、第1噛合歯202の第1歯底204と第1歯面203とで形成される第1角度θx(図4及び図6参照)、又は、第2噛合歯302の第2歯底304と第2歯面303とで形成される第2角度θy(図4及び図6参照)よりも小さい角度になるように設定される。これにより、弾性部606は、噛合空間Pに効率的に配置される。なお、弾性部600は、全体として略円弧形状を呈するように構成されている。
2.ダンパ装置1の動作
次に、上記構成を有するダンパ装置1の動作について、図8A乃至図10を参照しつつ説明する。図8Aは、図1に示したダンパ装置1のうち、第2回転体200と第3回転体300とが相対回転せず捩れ角0°の状態における、第2回転体200、第3回転体300、及び中間体600を拡大して示す概略図である。図8Bは、図1に示したダンパ装置1のうち、第2回転体200と第3回転体300とが相対回転して捩れ角αの状態における、第2回転体200、第3回転体300、及び中間体600を拡大して示す概略図である。図8Cは、図1に示したダンパ装置1のうち、第2回転体200と第3回転体300とが相対回転して捩れ角αの状態における、第2回転体200、第3回転体300、及び中間体600を拡大して示す概略図である。図8Dは、図1に示したダンパ装置1のうち、第2回転体200と第3回転体300とが相対回転して捩れ角αの状態における、第2回転体200、第3回転体300、及び中間体600を拡大して示す概略図である。図8Eは、図1に示したダンパ装置1のうち、第2回転体200と第3回転体300とが相対回転して捩れ角αの状態における、第2回転体200、第3回転体300、及び中間体600を拡大して示す概略図である。図8Fは、図1に示したダンパ装置1のうち、第2回転体200と第3回転体300とが相対回転して捩れ角αの状態における、第2回転体200、第3回転体300、及び中間体600を拡大して示す概略図である。図9は、一実施形態に係るダンパ装置1が有する捩り特性を模式的に示す概略特性図である。図10は、図9の概略特性図のうち、四角で囲った部分のみを拡大して示す概略特性図である。
まず、外ハブ200と内ハブ300とが相対回転していない状態(捩れ角0°の状態)において、上記構成を有するダンパ装置1における中間体600の弾性部606は、図8Aに示すように、噛合空間P内に配置される。この際、弾性部606の端部は、第1噛合歯202の第1歯面203と離隔されつつ、第2噛合歯302の第2歯面303とも離隔されるように配置されている。
次に、外ハブ200と内ハブ300とが相対回転し始めて、外ハブ200と内ハブ300との間に捩れ角αの捩れが生じると、図8Bに示すように、上記構成を有するダンパ装置1における中間体600の弾性部606(の端部)は、第1噛合歯202の第1歯面203に当接するように構成されている。
次に、外ハブ200と内ハブ300との相対回転が進行し、外ハブ200と内ハブ300との間に捩れ角α(α>α)の捩れが生じると、図8Cに示すように、上記構成を有するダンパ装置1における中間体600の弾性部606(の端部付近)は、当該相対回転に起因して、第1噛合歯202の第1歯面203に押圧されるように第2噛合歯302の第2歯面303に近づくように弾性変形する。
さらに外ハブ200と内ハブ300との相対回転が進行し、外ハブ200と内ハブ300との間に捩れ角α(α>α)、次いでα(α>α)の捩れが順に生じると、図8D及び図8Eに示すように、中間体600の弾性部606は、さらに、第1噛合歯202の第1歯面に203に押圧されて第2歯面303に面接触するように弾性変形する。
さら外ハブ200と内ハブ300との相対回転が進行し、外ハブ200と内ハブ300との間に捩れ角α(α>α)の捩れが生じると、図8Fに示すように、中間体600の弾性部606は、最終的に第1歯面203にも面接触するように弾性変形する。
図8A乃至図8Fに示されように動作する一実施形態に係るダンパ装置1は、図9に示すような捩り特性を有することとなる。具体的には、外ハブ200と内ハブ300との間の捩れ角0°乃至αまでの間においては、中間体600の弾性部606は、外ハブ200の第1噛合歯202の第1歯面203、及び内ハブ300の第2噛合歯302の第2歯面303に対して離隔されていることから、外ハブ200と内ハブ300とは、第2弾性機構体500のみによって弾性連結されることとなる。つまり、捩れ角0°乃至αの範囲における捩れ特性は、第2弾性機構部500における第2弾性体510の弾性率に依拠するプリダンパ領域Xに相当する。
他方、外ハブ200と内ハブ300との間の捩れ角α乃至αまでの間においては、中間体600の弾性部606は第1歯面203に当接しつつ、第1歯面203に押圧されて第2歯面303に近づくように弾性変形することから、外ハブ200と内ハブ300とは、第2弾性機構体500に加えて中間体600(弾性部606)によっても弾性連結されることとなる。つまり、捩れ角α乃至αの範囲における捩れ特性は、第2弾性機構部500における第2弾性体510の弾性率と弾性部606の弾性率の両方に依拠することとなる、中間体作動領域Vに相当する。
なお、外ハブ200と内ハブ300との間の捩れ角がαに達すると、第2弾性体510及び弾性部606の弾性変形が最大に達する。したがって、外ハブ200と内ハブ300との間の捩れ角がαよりも大きくなると、外ハブ200と内ハブ300とは一体回転することとなり、他方で外ハブ200(内ハブ300)とディスクプレート100とが相対回転し始める。この場合においては、外ハブ200とディスクプレート100との間に設けられる第1弾性機構部400によって両者は弾性連結されることとなる。つまり、捩れ角αより大きい範囲(捩れ角>α)における捩れ特性は、第1弾性機構部400における第1弾性体410の弾性率に依拠するメインダンパ領域Yに相当する。
このような捩れ特性を有する一実施形態のダンパ装置1は、捩れ角α乃至αの範囲において、中間体600の弾性部606の弾性率に起因して、その捩れ特性が略二次関数状の曲線となる。これは、弾性部606が略径方向に所定の長さを有していることに起因する。具体的には、例えば、捩れ角αにおいては、図8Bに示すように、弾性部606は、第2歯面303にはその付け根付近(延在部604と接合される付近)においてのみ当接し、その大部分は第2歯面303から離隔されている。したがって、弾性部606において回転方向に弾性変形しうる部分の対象長さはLとなる。しかしながら、捩れ角が次第に大きくなっていくと、この対象長さはL、Lへと次第に小さくなっていく。つまり、外ハブ200の第1歯面203からの方向を基準としてみると、弾性変形しうる対象長さの値が次第に小さくなるにつれ、弾性部606の弾性率が見かけ上変化する(弾性率が次第に大きくなる)。このような構成とすることで、弾性部606の捩れ特性を図9及び図10に示すような、略二次関数状とすることが可能となる。
このような捩れ特性を有する一実施形態に係るダンパ装置1は、図9及び図10に示すように、従来の問題となっていた特性図上の段差を最小化させて、内ハブ300に基づくプリダンパ領域Xから、外ハブ200に基づくメインダンパ領域Yへとスムーズに移行させることができる。また、この結果、一実施形態に係るダンパ装置1においては、外ハブ200と内ハブ300とが当接する際に発生しうる異音を抑制することが可能となる。
以上の捩れ特性については、正回転方向(捩れ角度が正の方向)を前提に説明したが、負回転方向(捩れ角度が負の方向)においても同様に設定することが可能である。つまり、図8A乃至図8Fにおいては、中間体600における弾性部606を、第2噛合歯302を基準にして正回転方向(時計周り方向)に隣接する第1噛合空間P1(第1歯面203及び第2歯面303が正回転方向に噛合する噛合空間Pに相当)に配置されるように構成されているが、同様に、負回転方向(反時計回り方向)に隣接する第2噛合空間P2(第1歯面203及び第2歯面303が負回転方向に噛合する噛合空間Pに相当)にも配置するよう構成すればよい。このように構成することで、捩れ角0°乃至-αの範囲における捩れ特性はプリダンパ領域Xに相当し、捩れ角-α乃至-αの範囲における捩れ特性は中間体作動領域Vに相当し、捩れ角が-αよりも小さい範囲における捩れ特性はメインダンパ領域Yに相当することとなる。なお、図9及び図10において、捩れ角α1と捩れ角-α1の絶対値は同一であることを前提に、前述のとおり説明したが、両者の絶対値は必ずしも同一である必要はなく、いずれか一方の絶対値を他方の絶対値よりも大きく(又は小さく)設定してもよい。
上記のように、中間体600の弾性部606を、第1噛合空間P1及び第2噛合空間P2の両方に配置させてもよいし、第1噛合空間P1及び第2噛合空間P2のいずれか一方にのみ配置させてもよい。弾性部606を、第1噛合空間P1及び第2噛合空間P2のいずれか一方にのみ配置させる場合としては、例えば、正回転方向及び負回転方向のいずれか一方においてのみ、外ハブ200と内ハブ300とが当接する際に異音が頻発するような場合や、プリダンパ領域Xの対象捩れ角度を必要以上に縮減することを防止することが要求される場合(プリダンパ領域Xの対象捩れ角度を最大化することを優先する場合)、等が想定される。
3.変形例
次に、別の実施形態に係るダンパ装置1の構成について、図11及び図12を参照しつつ説明する。図11は、第2の実施形態に係るダンパ装置1の構成を模式的に示す概略上面図である。図12は、第3の実施形態に係るダンパ装置1の構成を模式的に示す概略上面図である。
3-1.第2の実施形態に係るダンパ装置1
第2の実施形態に係るダンパ装置1としては、中間体600の弾性部606の形状を、略円弧形状ではなく、延在部604から直線的に第1歯底204に向かって略径方向へと延在している。弾性部606の形状を直線的に延びる形状としても、ダンパ装置1としては、前述の一実施形態に係るダンパ装置1と同等の捩り特性を有することが可能である。
3-2.第3の実施形態に係るダンパ装置1
第3の実施形態に係るダンパ装置1としては、中間体600の延在部604が第1歯底204に対応するように設けられ、且つ第1歯底204と第2噛合歯302に挟まれるように両者に支持される。これにより、中間体600の径方向への移動が規制されている。なお、第3の実施形態に係るダンパ装置1において、中間体600は、一実施形態と同様に、本体部602の内径を略トラック形状としたうえで内ハブ300の円筒部301の円筒形状に支持される構成としてもよいし、外ハブ200に支持されるような構成としてもよいし、外ハブ200及び内ハブ300のいずれにも支持されない構成としてもよい。
なお、第3の実施形態に係るダンパ装置1において、中間体600の弾性部606は、一実施形態に係るダンパ装置1と同様、延在部604から所定角度を呈し略径方向に延在して噛合空間Pに配置されればよい。
以上、前述の通り、様々な実施形態を例示したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数等は適宜変更して実施することができる。特に、延在部604及び弾性部606の形状は、それらの一部分と他の部分とで、大きさ、太さ、幅、形状等を適宜変更して実施することができる。
また、上記実施形態、特に一実施形態において、外ハブ200と内ハブ300とが相対回転していない状態(捩れ角0°の状態)において、弾性部606は、図8Aに示すように、第1歯面203及び第2歯面303に対して離隔されるように噛合空間Pに配置される旨説明したが、これはあくまで一例であってこの形態に限定されない。例えば、捩れ角
°において、弾性部606が、第1歯面203及び第2歯面303のいずれか一方に当接する形態としてもよい。
1 ダンパ装置
100 第1回転体(ディスクプレート)
200 第2回転体(外ハブ)
202 第1噛合歯
203 第1歯面
204 第1歯底
300 第3回転体(内ハブ)
302 第2噛合歯
303 第2歯面
304 第2歯底
400 第1弾性機構部
500 第2弾性機構部
600 中間体
602 本体部
604 延在部
606 弾性部
O 回転軸
P 噛合空間
P1 第1噛合空間
P2 第2噛合空間
θx 第1角度
θy 第2角度

Claims (5)

  1. 回転軸周りに回転する第1回転体、
    前記回転軸周りに前記第1回転体に対し相対回転する第2回転体、
    前記回転軸周りに前記第1回転体及び前記第2回転体に対し相対回転する第3回転体、
    前記第1回転体と前記第2回転体とを回転方向に弾性連結させる第1弾性機構部、
    前記第2回転体と前記第3回転体とを回転方向に弾性連結させる第2弾性機構部、及び、
    前記回転軸を中心とする円形の外径を呈する本体部と、前記本体部から軸方向に延在する延在部と、前記延在部から所定角度を呈して延在し、前記第2回転体の第1噛合歯の第1歯面と前記第3回転体の第2噛合歯の第2歯面との間に形成される噛合空間に配置され回転方向に弾性変形する弾性部と、を有する中間体、
    を具備し、
    前記所定角度は、前記第1噛合歯の第1歯底と前記第1歯面とで形成される第1角度、又は、前記第2噛合歯の第2歯底と前記第2歯面とで形成される第2角度よりも小さく設定される、ダンパ装置。
  2. 前記弾性部は、円弧形状を呈する、請求項1に記載のダンパ装置。
  3. 前記弾性部は、前記噛合空間のうち、前記第1歯面及び前記第2歯面が正回転方向に噛合する第1噛合空間、及び前記第1歯面及び前記第2歯面が負回転方向に噛合する第2噛合空間のいずれか一方にのみ配置される、請求項1又は2に記載のダンパ装置。
  4. 前記中間体は、前記第3回転体に支持される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のダンパ装置。
  5. 前記中間体の内径は、略トラック形状を呈する、請求項4に記載のダンパ装置。
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