JP7334109B2 - 圧粉磁心 - Google Patents
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特許文献1では、次の圧粉磁心が開示されている。すなわち、この圧粉磁心は、表面に金属酸化物層が形成された軟磁性金属粒子を複数含有している。圧粉磁心は、粒界に軟磁性フェライトが形成されており、高電気抵抗率を有する。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、更なる比透磁率の向上を目的とし、以下の形態として実現することが可能である。
前記粒界相に含まれる磁性体の成分をAmol、非磁性体の成分をBmolとした際、0.05≦A/B≦9を満たし、
前記粒界相は、Si、Al、B、Na、Ca、及びMgから選ばれる少なくとも一種を含む酸化物を含有し、
前記圧粉磁心の断面をTEMにて1μm×1μmの範囲の第1視野で観察した際、前記粒界相中に存在し、前記粒界相が分割されてなるエリアの数が2個以上50個以下であることを特徴とする、圧粉磁心。
上記〔2〕の発明によれば、周波数がkHz以上でも渦電流損が抑制され、比透磁率が低下しない。
上記〔3〕の発明によれば、高い飽和磁束密度を確保しつつ、比透磁率が向上する。
上記〔4〕の発明によれば、渦電流損が抑制されて、高い比透磁率と飽和磁束密度を得ることができる。
圧粉磁心1は、軟磁性金属粒子3と粒界相5とを備える。粒界相5に含まれる磁性体の成分をAmol、非磁性体の成分をBmolとした際、
0.05≦A/B≦9
を満たす。
粒界相5は、Si(シリコン)、Al(アルミニウム)、B(ホウ素)、Na(ナトリウム)、Ca(カルシウム)、及びMg(マグネシウム)から選ばれる少なくとも一種を含む酸化物を含有する。
圧粉磁心1の断面をTEM(透過電子顕微鏡)にて1μm×1μmの範囲の第1視野で観察した際、粒界相5中に存在し、粒界相5が分割されてなるエリア7の数が2個以上50個以下である。
なお、粒界相5は、高抵抗という性質を有している。
軟磁性金属粒子3は、軟磁性の金属粒子であれば、特に限定されず、幅広く用いることができる。軟磁性金属粒子3として、軟磁性である純鉄の粒子、鉄基合金の粒子を幅広く用いることができる。鉄基合金としては、Fe-Si-Al合金(センダスト)、Fe-Si-Cr合金、Ni-Fe合金(パーマロイ)、Ni-Fe-Mo合金(スーパーマロイ)、Fe基アモルファス合金、Fe-Si合金、Ni-Fe合金、Fe-Co合金等を好適に用いることができる。これらの中でもFe-Si-Al合金、Fe-Si-Cr合金が比透磁率、保磁力、周波数特性の観点から好ましい。
Fe-Si-Al合金を用いる場合には、例えば、Si:3.5質量%~6.5質量%、Al:8.5質量%~11.5質量%、残部:Fe及び不可避的不純物の組成の合金を用いることができる。
Fe-Si-Cr合金を用いる場合には、例えば、Si:1.0質量%~6.5質量%、Cr:0.5質量%~6.0質量%、残部:Fe及び不可避的不純物の組成の合金を用いることができる。
軟磁性金属粒子3の平均粒子径は、特に限定されない。軟磁性金属粒子3の平均粒子径は、2μm以上30μmが好ましく、4μm以上25μm以下がより好ましく、5μm以上15μm以下が更に好ましい。軟磁性金属粒子3の平均粒子径は、使用する周波数帯域によって適宜変更することができる。特に100kHzを超える高周波帯域での使用を想定した場合は5μm以上25μm以下であることがより好ましい。なお、軟磁性金属粒子3の平均粒子径は、圧粉磁心1の断面をFE-SEM JSM-6330Fによって観察した粒子面積から面積円相当径を算出し、平均粒子径とする。
金属酸化物層を構成する金属酸化物は特に限定されない。例えば、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化モリブデン、及び酸化タングステンからなる群より選ばれた1種以上の金属酸化物が好ましい。特に、金属酸化物に、酸化アルミニウム及び酸化クロムのうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。これらの好ましい金属酸化物を用いることで、渦電流損失が効果的に抑制される。
なお、軟磁性金属粒子3として、Fe-Si-Al合金の粒子を用いた場合には、酸化アルミニウムを有する金属酸化物層を容易に形成することができる。すなわち、Fe-Si-Al合金中のAlが酸化することにより軟磁性金属粒子3の外縁部に金属酸化物層が形成される。
また、金属酸化物層の厚みは、特に限定されない。厚みは、好ましくは1nm以上20nm以下とすることができる。なお、金属酸化物層の厚みは、XPS(X線光電子分光法)を用いて測定できる。
軟磁性金属粒子3の平均アスペクト比をこの範囲とすると、高密度な成形体を得ることができ、高い飽和磁束密度を得ることができる。
粒界相5には、磁性体の成分及び非磁性体の成分が含まれる。
磁性体の成分は、特に限定されない。磁性体の成分としては、例えば、Fe、Tb2O3、Dy2O3、Fe3O4、及びMnFe2O4からなる群より選ばれた1種以上を好適に例示できる。
非磁性体の成分は、特に限定されない。非磁性体の成分としては、例えば、SiO2、Al2O3、B2O3、Na2O、CaO、及びMgOからなる群より選ばれた1種以上を好適に例示できる。
本開示では、粒界相に含まれる磁性体の成分をAmol、非磁性体の成分をBmolとした際、次の関係式[1]が満たされる。関係式[2]を満たすことが好ましく、関係式[3]を満たすことがより好ましい。
0.05≦A/B≦9 …関係式[1]
0.1≦A/B≦5 …関係式[2]
0.15≦A/B≦2 …関係式[3]
粒界相5は、Si(シリコン)、Al(アルミニウム)、B(ホウ素)、Na(ナトリウム)、Ca(カルシウム)、及びMg(マグネシウム)から選ばれる少なくとも一種を含む酸化物を含有している。酸化物としては、SiO2、Al2O3、B2O3、Na2O、CaO、及びMgOからなる群より選ばれた1種以上を好適に例示できる。粒界相は、上述の磁性体の成分及び非磁性体の成分となる。
酸化物の粒子径は、渦電流抑制の観点から、200nm以上5μm以下が好ましい。
なお、酸化物の粒子は、原料粒子をFE-SEM(例えば、JSM-6330F)によって観察した粒子面積から面積円相当径を算出し、粒子径とする。
粒界相5のエリア数の要件は、圧粉磁心1の断面をTEM(透過電子顕微鏡)にて1μm×1μmの第1視野の範囲で観察した際、粒界相5中に存在し、粒界相5が分割されてなるエリア7の数が2個以上50個以下という要件である。この要件について図2~4を用いて説明する。図2は、この要件における観察範囲を示すための説明図である。図2に示されるように、軟磁性金属粒子3間に存在する粒界相5をTEMにて1μm×1μmの第1視野の範囲で観察する。そして、1μm×1μmの第1視野の範囲において観察される粒界相5のエリア7の数を数える。図3,4は、1μm×1μmの第1視野の範囲において、粒界相5が、複数のエリア7に分かれている様子が模式的に示されている。エリア7の境界部分は、境界部分以外と明暗差によって判断することができる。TEM画像を画像処理することで、エリア7の数を計測してもよい。図3は、エリア7の数が2個以上50個以下の場合のイメージを示している。図4は、エリア7の数が50個よりも多い場合のイメージを示している。
この要件は、圧粉磁心1の断面をTEMにて1μm×1μmの範囲の第1視野で複数観察して、そのうちの少なくとも1つのTEM画像において満たされていればよい。
磁性体の成分は、飽和磁束密度と比透磁率の向上に寄与すると推測される。非磁性の成分は、軟磁性金属粒子3の結着性を向上させつつ、融解して圧粉磁心1を高密度化する効果を有すると推測される。磁性体の成分と、非磁性の成分が、関係式[1]を満たす、すなわち第1要件を満たすことで、両成分のバランスが取れて、圧粉磁心1の比透磁率が向上すると推測される。
エリアの数が第3条件を満たすことで、比透磁率が向上し、ヒステリシス損が抑制されると推測される。
粒界相5が、特定元素を含む酸化物を含有している場合、すなわち第2要件を満たす場合には、粒界相5の融点が低下して、圧粉磁心1が高密度化する。圧粉磁心1の高密度化は、比透磁率の向上、及びヒステリシス損の抑制に寄与すると推測される。
以上の推測理由を総合して考慮すると、本実施形態の圧粉磁心1が、第1要件、第2要件、及び3要件を全て満たすことにより、これらの要件が複合的に関与して、圧粉磁心1の比透磁率が向上し、ヒステリシス損が抑制されると推測される。
粒界相5の飽和磁束密度は、特に限定されない。粒界相5の飽和磁束密度は、周波数がkHz以上でも渦電流損を抑制し、圧粉磁心1の比透磁率を低下させないという観点から、5mT以上500mT以下が好ましく、10mT以上400mT以下がより好ましく、50mT以上300mT以下が更に好ましい。
粒界相5の飽和磁束密度は、振動試料型磁力計によって測定することができる。
粒界相5の平均厚みは、特に限定されない。粒界相5の平均厚みは、渦電流損が抑制されて、高い比透磁率と飽和磁束密度を得るという観点から、10nm以上300nm以下が好ましく、20nm以上250nm以下がより好ましく、30nm以上200nm以下が更に好ましい。
粒界相5の平均厚みは、圧粉磁心1の断面構造を第1視野とは異なる150μm×150μmの範囲の第2視野で観察して求めることができる。具体的には、TEMにより得られた断面TEM像から、各点の距離を10μm以上離した任意の20点以上を選択し、各点において測定した厚みの平均値を平均厚みとする。
なお、粒界層5の添加量を変えることで、粒界相5の平均厚みを調整できる。また、第1視野を含む範囲の第2視野を観察しても良い。
圧粉磁心1の気孔率は、特に限定されない。圧粉磁心1の気孔率は、高い飽和磁束密度を確保しつつ、比透磁率を向上させるという観点から、10vol%(体積%)以下が好ましく、8vol%以下がより好ましく、5vol%以下が更に好ましい。圧粉磁心1の気孔率は、0vol%であってもよい。気孔は粒界相5中に発生する。
圧粉磁心1の気孔率は、次の方法にて測定することができる。まず、見かけ密度を圧粉磁心の体積と質量から計算する。圧粉磁心1の組成をXRF(蛍光X線分析法)により分析し、体積及び組成から得られる真密度と測定から得られた見かけ密度の差から気孔率を算出する。
気孔率(vol%)=100-(見かけ密度/真密度)×100
なお、プレス成形の成形圧を変えることで、気孔率は調整できる。
圧粉磁心1の製造方法は、特に限定されない。圧粉磁心1の製造方法の一例を以下に説明する。
(1)混合粉末の調製
軟磁性金属粉末、磁性体成分、及び非磁性成分を混合して混合粉末を得る。この際、磁性体成分Amolと非磁性成分Bmolの割合が、上記関係式[1]を満たすようにする。
得られた混合粉末に対し、水に溶解させたPVA(ポリビニルアルコール)等のバインダーを添加し、湿式混合を行う。その後、溶媒を乾燥させ、表面にバインダーを吸着させた混合粉末を得る。
(2)プレス成形
得られた混合粉末はプレス成形にて所定形状の圧粉磁心とする。
(3)熱処理
圧粉磁心を脱脂する。脱脂した圧粉磁心は、プレス時の応力緩和のため所定温度(例えば、500℃~850℃)で熱処理を行う。熱処理の条件は、使用する軟磁性金属粉末の種類によって適宜変更される。
圧粉磁心1は、粒界相5が、第1要件、第2要件、及び3要件を満たすことにより、比透磁率が向上し、ヒステリシス損が抑制される。
圧粉磁心1は、粒界相5が、第4要件を満たすことにより、周波数がkHz以上でも渦電流損が抑制され、比透磁率が低下しない。
圧粉磁心1は、第6要件を満たすことにより、高い飽和磁束密度を確保しつつ、比透磁率が向上する。
圧粉磁心1は、粒界相5が、第5要件を満たすことにより、渦電流損が抑制されて、高い比透磁率と飽和磁束密度が得られる。
(1)実施例1
軟磁性金属粉末には、水アトマイズ法によって作製したFe-10質量%Si-5.0質量%Al粒子(平均粒子径:10μm)を使用した。
軟磁性金属粉末100gに粒界相における磁性体成分として純鉄粉(Fe)を0.06mol、非磁性体成分として酸化ケイ素(SiO2)と酸化ホウ素(B2O3)を合わせて0.042mol添加し混合した。この時、粒界相の成分は軟磁性金属粉末に対して10vol%となるように添加した。
得られた混合粉末に対し、水に溶解させたPVAを軟磁性金属粉末に対して1.0mass%となるように添加し、湿式混合を行った。60℃~100℃にて溶媒を乾燥させ、表面にPVAを吸着させた混合粉末を得た。
得られた混合粉末はプレス成形にてトロイダル形状(外径8mm×内径4.5mm×高さ10mm)の圧粉磁心とした。プレス圧力は1.7GPaであり、プレス温度は150℃で行った。
得られた圧粉磁心は500℃にて脱脂を行った。この際の昇温速度は1~10℃/分であり、保持時間は3時間であった。脱脂は、窒素もしくは大気中で行った。
脱脂した圧粉磁心は、プレス時の応力緩和のため500℃~850℃で熱処理を行った。この際、昇温速度は1~10℃/分、保持時間は15分間、不活性ガス雰囲気とした。なお、以下の表3において、実施例1の熱処理温度は「850℃」と記載されているが、これは、熱処理温度の最高温度を示している(表3,4における他の実施例及び比較例について同じ)。
表1,2に記載の「軟磁性金属粉末」「磁性体成分」「非磁性体成分」「磁性体の成分量(A(mol))」「非磁性体の成分量(B(mol))」「比(A/B)」「粒界成分添加量」としたこと以外は、実施例1と同様にして各圧粉磁心を作製した。
なお、表1,2中、軟磁性金属粉末の欄の「Fe-Si-Al」「Fe-Si-Cr」「Fe」は、それぞれ以下の軟磁性金属粉末を意味する。
「Fe-Si-Al」:実施例1と同様のFe-10質量%Si-5.0質量%Al粒子(平均粒子径:10μm)
「Fe-Si-Cr」:水アトマイズ法によって作製したFe-5.5質量%Si-4.0質量%Cr粒子(平均粒子径:10μm)
「Fe」:Fe粒子(平均粒子径:10μm)
(1)エリア数
エリア数は、「1.(2.3)エリア数に関する要件」の欄で記載された方法で測定した。
(2)粒界飽和磁束密度
粒界相の飽和磁束密度は、玉川製作所製VSM TM-VSMにて測定した。各実施例、比較例で使用した粒界相について軟磁性金属粉末を加えずに混合し、坩堝で熱処理を行うことで粒界相のみの焼結体を得た。粒界相はVSMサンプルホルダーに入る大きさまで粉砕し、飽和磁束密度を測定した。
(3)気孔率
気孔率は、「1.(3)圧粉磁心1の気孔率の要件」の欄で記載された方法で測定した。
(4)粒界相の平均厚み
粒界相の平均厚みは、「1.(2.6)粒界相5の平均厚みの要件」の欄で記載された方法で測定した。なお、表1,2では、「粒界相厚み」と記載されているが、これは「粒界相の平均厚み」を意味する。
(5)比透磁率
比透磁率はキーサイト製インピーダンスアナライザE-4991Bにて測定した。比透磁率は周波数が1MHz~1GHzの範囲で測定し、10MHzの値を比透磁率とした。
(6)鉄損
鉄損は、岩崎通信機製BHアナライザSY8218にて測定した。トロイダル状の圧粉磁心に1次コイルと2次コイルを巻線し、サンプルとした。鉄損は100kHz、100mTの値を用いた。下記の鉄損に関する修正steinmetz方程式を用いて、評価した。
電気抵抗率は4端子法にて測定し、三菱ケミカルアナリテック製ロレスターにより測定した。サンプルにはφ10mm×厚さ1mmの圧粉磁心を各実施例及び各比較例と同等の方法で作製し、サンプルとした。
評価結果を表3,4に示す。
〔第1要件〕:成分比に関する要件(0.05≦A/B≦9)
〔第2要件〕:酸化物に関する要件(粒界相が、Si、Al、B、Na、Ca、及びMgから選ばれる少なくとも一種を含む酸化物を含有)
〔第3要件〕:エリア数に関する要件(エリア数が2個以上50個以下)
比較例1は、第1要件を満たしていない。
比較例2は、第2要件を満たしていない。
比較例4は、第3要件を満たしていない。
磁性体成分、非磁性体成分、及び軟磁性金属粉末が共通する実施例1~4、及び比較例1を比べると、実施例1~4は、比較例1に比べて、渦電流損が低く、ヒステリシス損が低かった。
磁性体成分、非磁性体成分、及び軟磁性金属粉末が共通する実施例5~7のうち、第4要件を満たしている実施例6,7は、第4要件を満たしていない実施例5よりも、比透磁率が高く、渦電流損が低く、ヒステリシス損が低かった。
〔第4要件〕:粒界相の飽和磁束密度の要件(飽和磁束密度が5mT以上500mT以下)
磁性体成分、非磁性体成分、及び軟磁性金属粉末が共通する実施例5~7のうち、第6要件を満たしている実施例7は、第6要件を満たしていない実施例5,6よりも、比透磁率が高く、渦電流損が低く、ヒステリシス損が低かった。
磁性体成分、非磁性体成分、及び軟磁性金属粉末が共通する実施例8~9のうち、第6要件を満たしている実施例9は、第6要件を満たしていない実施例8よりも、比透磁率が高く、渦電流損が低く、ヒステリシス損が低かった。
〔第6要件〕:圧粉磁心の気孔率の要件(気孔率が10vol%以下)
磁性体成分、非磁性体成分、及び軟磁性金属粉末が共通する実施例7~8のうち、第5要件を満たしている実施例7は、第5要件を満たしていない実施例8よりも、比透磁率が高く、渦電流損が低く、ヒステリシス損が低かった。
〔第5要件〕:粒界相の平均厚みの要件(粒界相の平均厚みが10nm以上300nm以下)
本実施例の圧粉磁心は、比透磁率が向上し、ヒステリシス損が低かった。
3…軟磁性金属粒子
5…粒界相
7…エリア
Claims (4)
- 軟磁性金属粒子と粒界相とを備える圧粉磁心であって、
前記粒界相に含まれる磁性体の成分をAmol、非磁性体の成分をBmolとした際、0.05≦A/B≦9を満たし、
前記粒界相は、Si、Al、B、Na、Ca、及びMgから選ばれる少なくとも一種を含む酸化物を含有し、
前記圧粉磁心の断面をTEMにて1μm×1μmの範囲の第1視野で観察した際、前記粒界相中に存在し、前記粒界相が分割されてなるエリアの数が2個以上50個以下であることを特徴とする、圧粉磁心。 - 前記粒界相の飽和磁束密度が5mT以上500mT以下であることを特徴とする、請求項1に記載の圧粉磁心。
- 前記圧粉磁心の気孔率が10vol%以下であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の圧粉磁心。
- 前記圧粉磁心の断面構造を150μm×150μmの範囲の第2視野で観察した際、前記粒界相の平均厚みが、10nm以上300nm以下であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の圧粉磁心。
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