JP7332333B2 - 熱伝達抑制シート及び組電池 - Google Patents
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Description
(1) 第1の断熱材と、第2の断熱材とを含み、
前記第1の断熱材の熱伝導率が、前記第2の断熱材の熱伝導率よりも低く、
かつ、
前記第2の断熱材の圧縮強度が、前記第1の断熱材の圧縮強度よりも高く、
前記第1の断熱材が、複数の前記第2の断熱材により挟持される、
熱伝達抑制シート。
(2) 前記第1の断熱材の全表面が前記第2の断熱材で覆われる、(1)に記載の熱伝達抑制シート。
(3) シート厚み方向に垂直な面の少なくとも一方から見て、
前記第2の断熱材は、
枠状に形成されて前記第1の断熱材の外周を覆う枠体と、
前記第1の断熱材の一方の表面を覆う第1の板状部材と、
前記第1の断熱材の他方の表面を覆う第2の板状部材と、
を備える(1)又は(2)に記載の熱伝達抑制シート。
(4) シート厚み方向に垂直な面の少なくとも一方から見て、
前記第2の断熱材は、
前記第1の断熱材の外周及び一方の表面を覆い、前記第1の断熱材を収納可能な凹部を備える収納部と、
前記第1の断熱材の他方の表面を覆う蓋部と、
を備える(1)又は(2)に記載の熱伝達抑制シート。
(5) シート厚み方向に垂直な面の少なくとも一方から見て、
前記第2の断熱材は、
枠状に形成されて前記第1の断熱材の外周を覆う第1の枠体と、
枠状に形成されて前記第1の断熱材の外周を覆う第2の枠体と、を備え、
前記第1の断熱材が、前記第1の枠体及び前記第2の枠体により挟持される、
(1)に記載の熱伝達抑制シート。
(6) シート厚み方向に垂直な面の少なくとも一方から見て、
前記第2の断熱材は、
枠状に形成されて前記第1の断熱材の外周を覆う第1の枠体と、
枠状に形成されて前記第1の断熱材の外周を覆う第2の枠体と、を備え、
前記第1の断熱材を覆う包装材をさらに備え、
前記包装材の外周部が、前記第1の枠体及び前記第2の枠体により挟持される、
(1)に記載の熱伝達抑制シート。
(7) 前記第1の断熱材は、
シート厚み方向に貫通する貫通孔を備え、
前記第2の断熱材は、
前記貫通孔に挿入される柱部及び前記柱部の一端部に形成されたフランジを備えるつば付きピンと、
前記第1の断熱材から突出する前記柱部の他端部に嵌合固定されるワッシャと、を備える、
(1)に記載の熱伝達抑制シート。
(8) 複数の電池セルを直列又は並列に接続した組電池において、
(1)~(7)のいずれか1つに記載の熱伝達抑制シートを、前記電池セル間に介在させた、組電池。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る熱伝達抑制シートの正面図と、I-I断面図と、第2の断熱材を構成する、枠体、第1の板状部材及び第2の板状部材の正面図である。図1に示すように、本実施形態の熱伝達抑制シート10は、高い断熱性能を有するが圧縮強度が低い第1の断熱材20と、第1の断熱材20と比較して高い圧縮強度を有するが断熱性能が低い第2の断熱材30と、を備える。すなわち、熱伝達抑制シート10は、圧縮強度及び断熱性能が互いに異なる第1及び第2の断熱材20,30を、下記に示すように適宜配置して構成される。
図2は、本発明の第2実施形態に係る熱伝達抑制シートの正面図と、II-II断面図と、第2の断熱材を構成する収納部及び蓋部の正面図である。図2に示すように、本実施形態の熱伝達抑制シート10は、例えば、長さL、幅W、厚さt1のシート状に形成された第1の断熱材20と、第2の断熱材30により形成され、一方の面に凹部35aが形成された収納部35と、第2の断熱材30により形成され、厚さt2の板状の蓋部(第1の板状部材)32と、を備える。凹部35aは、第1の断熱材20と同じ(長さL×幅W×厚さt1)、又は僅かに大きい寸法を有し、その内部に第1の断熱材20を収納可能である。
図3は、本発明の第3実施形態に係る熱伝達抑制シートの正面図と、III-III断面図である。図3に示すように、本実施形態の熱伝達抑制シート10は、例えば、長さL、幅W、厚さt1のシート状に形成された第1の断熱材20と、枠状に形成された第2の断熱材30を備える。第2の断熱材30は、第1の断熱材20の外形形状と略同一寸法の矩形状の孔31aを有し、枠状に形成された第1の枠体31Aと、同じく第1の断熱材20の外形形状と略同一寸法の矩形状の孔31aを有し、枠状に形成された第2の枠体31Bと、第1の断熱材20を覆うフィルムや不織布などの包装材38と、を備える。
図4は、本発明の第4実施形態に係る熱伝達抑制シートの正面図と、IV-IV断面図と、第2の断熱材を構成する、つば付きピン及びワッシャの正面図及び側面図である。図4に示すように、本実施形態の熱伝達抑制シート10は、例えば、長さL、幅W、厚さt1のシート状に形成され、シート厚み方向に貫通する貫通孔21を備えた第1の断熱材20と、下記に示す特徴を有する第2の断熱材30と、を備える。
図5は、組電池の一例を模式的に示す断面図である。図5に示すように、本実施形態に係る組電池100は、電池セル40間に、上述の熱伝達抑制シート10を介在させたものである。具体的には、図5に示すように、組電池100は、複数個の電池セル40を並設し、直列又は並列に接続して電池ケース50に収容したものであるが、各電池セル40間に、熱伝達抑制シート10が介在されている。
図6Aは、実施例1の試験で使用した熱伝達抑制シート10の正面図及び側面図である。図6Aに示すように、第1の断熱材20の一例であるアルミナファイバーブランケットを長さ80mm、幅80mm、厚さ2mmのシート状に形成し、その中央部に直径D=25.4mmの貫通孔21を設けた。そして、該貫通孔21の半円形状の領域に、第2の断熱材30の一例である厚さ2mmのマイカシートをはめ込むとともに、残りの半円形状の領域に、第1の断熱材20の一例である厚さ2mmの上記アルミナファイバーブランケットをはめ込み、実施例1で用いる試料1を作製した。すなわち、アルミナファイバーブランケットの厚さと、マイカシートの厚さは、同じであり、マイカシートは、アルミナファイバーブランケットにおける一方の面20aから他方の面20bに貫通して配置されている。
図6Bは、実施例2の試験で使用した熱伝達抑制シート10の正面図及び側面図である。図6Bに示すように、第1の断熱材20の一例であるアルミナファイバーブランケットを長さ80mm、幅80mm、厚さ2mmのシート状に形成し、その中央部に直径D=25.4mmの貫通孔21を設けた。そして、該貫通孔21に、第2の断熱材30の一例である厚さ2mmのマイカシートをはめ込み、実施例2で用いる試料2を作製した。すなわち、アルミナファイバーブランケットの厚さと、マイカシートの厚さは、同じであり、マイカシートは、アルミナファイバーブランケットを一方の面20aから他方の面20bに貫通して配置されている。
そして、上記で説明した定義に基づくと、実施例2におけるS1+S2の合計に対するS2の割合、すなわち、(S2/(S1+S2))は、約8%であった。
図6Cは、実施例3の試験で使用した熱伝達抑制シート10の正面図及び側面図である。図6Cに示すように、第1の断熱材20の一例であるアルミナファイバーブランケットを長さ80mm、幅80mm、厚さ2mmのシート状に形成し、その中央部に一辺が50mmの正方形からなる貫通孔21を設けた。そして、該貫通孔21に、第2の断熱材30の一例である厚さ2mmのマイカシートをはめ込み、実施例3で用いる試料3を作製した。すなわち、アルミナファイバーブランケットの厚さと、マイカシートの厚さは、同じであり、マイカシートは、アルミナファイバーブランケットを一方の面20aから他方の面20bに貫通して配置されている。
そして、上記で説明した定義に基づくと、実施例2におけるS1+S2の合計に対するS2の割合、すなわち、(S2/(S1+S2))は、約39%であった。
図7Aは、比較例1の試験で使用した熱伝達抑制シート10の正面図及び側面図である。図7Aに示すように、第1の断熱材20の一例であるアルミナファイバーブランケットを、長さ80mm、幅80mm、厚さ2mmのシート状に形成して、比較例1で用いる試料4を作製した。すなわち、試料4は、アルミナファイバーブランケットのみで形成されている。
そして、上記で説明した定義に基づくと、比較例1におけるS1+S2の合計に対するS2の割合、すなわち、(S2/(S1+S2))は、0%であった。
図7Bは、比較例2の試験で使用した熱伝達抑制シート10の正面図及び側面図である。図7Bに示すように、第2の断熱材30の一例であるマイカシートを、長さ80mm、幅80mm、厚さ2mmのシート状に形成して、比較例2で用いる試料5を作製した。すなわち、試料5は、マイカシートのみで形成されている。
そして、上記で説明した定義に基づくと、比較例2におけるS1+S2の合計に対するS2の割合、すなわち、(S2/(S1+S2))は、100%であった。
また、熱伝導率が低い、すなわち断熱性能が高い第1の断熱材20のみからなる比較例1で、実施例1~3よりも温度が高くなっていることが分かる。すなわち、断熱効果が小さいのは、電池セル40の膨張による圧縮力が第1の断熱材20に作用することで、第1の断熱材20の持つ、高い断熱性能を打ち消してしまうほど、第1の断熱材20の厚さが薄くなったことによると考えられる。
一方、実施例1~3では、圧縮強度の高い第2の断熱材30を、第1の断熱材20の中央部に配置したことで、第1の断熱材20の厚さの低減が抑制されて有効に断熱されていることが分かる。
以上より、本発明の技術によって熱伝達抑制シート10の高断熱性能と高圧縮強度を両立させることが可能となることが理解される。
図9Aは、実施例4の試験で使用した熱伝達抑制シート10の正面図及び側面図である。図9Aに示すように、第1の断熱材20の一例であるアルミナファイバーブランケットを長さ80mm、幅80mm、厚さ2mmのシート状に形成し、その中央部に直径D=25.4mmで、深さ1mmの凹部21aを設けた。そして、該凹部21aの半円形状の領域に、第2の断熱材30の一例である厚さ1mmのマイカシートをはめ込むとともに、残りの半円形状の領域に、第1の断熱材20の一例である厚さ1mmの上記アルミナファイバーブランケットをはめ込み、実施例4で用いる試料4を作製した。
そして、上記で説明した定義に基づくと、実施例4におけるS1+S2の合計に対するS2の割合、すなわち、(S2/(S1+S2))は、約4%であった。
図9Bは、実施例5の試験で使用した熱伝達抑制シート10の正面図及び側面図である。図9Bに示すように、第1の断熱材20の一例であるアルミナファイバーブランケットを長さ80mm、幅80mm、厚さ2mmのシート状に形成し、その中央部に直径D=25.4mmで、深さ1mmの凹部21aを設けた。そして、該凹部21aに、第2の断熱材30の一例である厚さ1mmのマイカシートをはめ込み、実施例5で用いる試料5を作製した。
そして、上記で説明した定義に基づくと、実施例5におけるS1+S2の合計に対するS2の割合、すなわち、(S2/(S1+S2))は、約8%であった。
20 第1の断熱材
21 貫通孔
22 第1の断熱材の4辺
30 第2の断熱材
31 枠体
31A 第1の枠体
31B 第2の枠体
32 第1の板状部材、蓋部
33 第2の板状部材
35 収納部
35a 凹部
36 つば付きピン
36a 柱部
36b フランジ
37 ワッシャ
38 包装材
38a 外周部
40 電池セル
100 組電池
S1 第1の断熱材の表面積
S2 第2の断熱材の表面積
Claims (4)
- 無機繊維系又は無機粒子系の材料からなる第1の断熱材と、マイカシートからなる第2の断熱材とを含み、
前記第1の断熱材の熱伝導率が、前記第2の断熱材の熱伝導率よりも低く、
かつ、
前記第2の断熱材の圧縮強度が、前記第1の断熱材の圧縮強度よりも高く、
前記第1の断熱材が、複数の前記第2の断熱材により挟持され、
シート厚み方向に垂直な面の少なくとも一方から見て、
前記第2の断熱材は、
枠状に形成されて前記第1の断熱材の外周を覆う第1の枠体と、
枠状に形成されて前記第1の断熱材の外周を覆う第2の枠体と、を備え、
前記第1の断熱材が、前記第1の枠体及び前記第2の枠体により挟持される、
電池セル間に配置される熱伝達抑制シート。 - 無機繊維系又は無機粒子系の材料からなる第1の断熱材と、マイカシートからなる第2の断熱材とを含み、
前記第1の断熱材の熱伝導率が、前記第2の断熱材の熱伝導率よりも低く、
かつ、
前記第2の断熱材の圧縮強度が、前記第1の断熱材の圧縮強度よりも高く、
シート厚み方向に垂直な面の少なくとも一方から見て、
前記第2の断熱材は、
枠状に形成されて前記第1の断熱材の外周を覆う第1の枠体と、
枠状に形成されて前記第1の断熱材の外周を覆う第2の枠体と、を備え、
前記第1の断熱材を覆う包装材をさらに備え、
前記包装材の外周部が、前記第1の枠体及び前記第2の枠体により挟持される、
電池セル間に配置される熱伝達抑制シート。 - 無機繊維系又は無機粒子系の材料からなる第1の断熱材と、マイカシートからなる第2の断熱材とを含み、
前記第1の断熱材の熱伝導率が、前記第2の断熱材の熱伝導率よりも低く、
かつ、
前記第2の断熱材の圧縮強度が、前記第1の断熱材の圧縮強度よりも高く、
前記第1の断熱材が、複数の前記第2の断熱材により挟持され、
前記第1の断熱材は、
シート厚み方向に貫通する貫通孔を備え、
前記第2の断熱材は、
前記貫通孔に挿入される柱部及び前記柱部の一端部に形成されたフランジを備えるつば付きピンと、
前記第1の断熱材から突出する前記柱部の他端部に嵌合固定されるワッシャと、を備える、
電池セル間に配置される熱伝達抑制シート。 - 複数の電池セルを直列又は並列に接続した組電池において、
請求項1~3のいずれか1項に記載の熱伝達抑制シートを、前記電池セル間に介在させた、組電池。
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