JP7303017B2 - 電池セル及び組電池 - Google Patents

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Description

本発明は、熱伝達抑制部を備える電池セル、及び該電池セルが複数積層されてなる組電池に関する。
近年、環境保護の観点から電動モータで駆動する電気自動車又はハイブリッド車等の開発が盛んに進められている。この電気自動車又はハイブリッド車等には、駆動用電動モータの電源となるための複数の電池セルが直列又は並列に接続された組電池が搭載されている。
また、この電池セルには、鉛蓄電池やニッケル水素電池等に比べて、高容量かつ高出力が可能なリチウムイオン二次電池が主に用いられている。そして、高容量かつ高出力な電池においては、電池の内部短絡や過充電等が原因で、ある電池セルが急激に昇温し、その後も発熱を継続するような熱暴走を起こした場合、熱暴走を起こした電池セルからの熱が、隣接する他の電池セルに伝播することで、他の電池セルの熱暴走を引き起こすおそれがある。
上記のような熱暴走を起こした電池セルからの熱の伝播を抑制するための技術として、電池セル間に、熱伝達抑制部としての機能を有する熱伝達抑制シート(セル間材料)を介在させることが行われている。例えば、特許文献1には、1以上の蓄電素子を備える蓄電装置であって、該1以上の蓄電素子のうちの1つである第一蓄電素子の側方に配置された第一板材及び第二板材であって、互いの面が対向するように配置された第一板材及び第二板材を備え、第一板材と第二板材との間には、第一板材及び第二板材よりも熱伝導率の低い物質の層である低熱伝導層(例えば、空気層)が形成されていることにより、第一蓄電素子からの輻射熱、又は、第一蓄電素子に向かう輻射熱は2枚の板材によって遮断され、かつ、これら2枚の板材の一方から他方への熱の移動は低熱伝導層によって抑制されるため、蓄電素子と他の物体との間の効果的な断熱を実現できることが開示されている。
また、特許文献2では、鉱物系粉体及び難燃剤の少なくとも一方と、熱硬化性樹脂や熱可塑性エラストマー、ゴムから選択されるマトリックス樹脂とを含む熱伝達抑制シートを提案している。
特開2015-211013号公報 特開2018-206605号公報
ここで、電池セルは、充電や劣化により体積が膨張し、熱伝達抑制シートのような熱伝達抑制部を圧縮する負荷が発生することがある。特許文献1の熱伝達抑制シートは、第一板材と、第二板材と、第一板材及び第二板材との間に配置された空気層などの低熱伝導層と、から構成されているため、電池セルが膨張して熱伝達抑制シートが圧縮されると、低熱伝導層の厚みが減少して、断熱性が著しく損なわれるおそれがある。また、特許文献2の熱伝達抑制シートも同様に、電池セルの膨張により鉱物系粉体、難燃剤、マトリックス樹脂からなる吸熱性材料層に圧縮力が作用すると、吸熱性材料層の厚みが減少して、断熱性が著しく損なわれるおそれがある。このため、上記熱伝達抑制部には、高断熱性能と高圧縮強度の両立が望まれる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、熱伝達抑制効果に優れるとともに、電池セルが膨張した際にも、断熱材の厚さの減少を抑制可能な強度を備え、これにより断熱性能を維持可能な熱伝達抑制部を備える電池セルを提供することを目的とする。
本発明の目的は、電池セルに係る下記(1)の構成により達成される。
(1) 発電要素及び前記発電要素を収納する電池ケースを有し、直列又は並列に接続された状態で複数積層されて組電池を構成する電池セルであって、
前記電池ケースにおける前記積層方向に垂直な面のうち少なくとも一方の面において、凸部を有するとともに、前記凸部以外の場所には、第1の断熱材が配置されており、
前記第1の断熱材の熱伝導率が、前記凸部の熱伝導率よりも低く、
かつ、
前記凸部の圧縮強度が、前記第1の断熱材の圧縮強度よりも高い、
電池セル。
また、電池セルに係る本発明の好ましい実施形態は、下記(2)~(6)に関する。
(2) 前記凸部以外の場所において、更に凹部を有するとともに、前記凹部には、前記第1の断熱材が配置されている、(1)に記載の電池セル。
(3) 前記凸部は、前記電池ケースの表面に配置された第2の断熱材である、(1)又は(2)に記載の電池セル。
(4) 前記凸部は、前記電池ケースの表面に形成されたリブ又はボスである、(1)又は(2)に記載の電池セル。
(5) 前記第1の断熱材が、前記凸部以外の場所に固定されている、(1)~(4)のいずれか1つに記載の電池セル。
(6) 前記電池ケースにおける前記積層方向に垂直な面のうち一方の面は、一の凹部及び一の凸部を有し、
前記電池ケースにおける前記積層方向に垂直な面のうち他方の面は、前記積層された際に、他の電池セルにおける前記一の凸部に嵌合可能な他の凹部、及び該他の電池セルにおける前記一の凹部に嵌合可能な他の凸部を有する、(1)~(5)のいずれか1つに記載の電池セル。
また、本発明の目的は、組電池に係る下記(7)の構成により達成される。
(7) (1)~(6)のいずれか1つに記載の電池セルが、直列又は並列に接続された状態で複数積層されてなる、組電池。
本発明の電池セルは、発電要素及び前記発電要素を収納する電池ケースを有し、直列又は並列に接続された状態で複数積層されて組電池を構成する電池セルであって、電池ケースにおける積層方向に垂直な面のうち少なくとも一方の面において、凸部を有するとともに、前記凸部以外の場所には、第1の断熱材が配置されており、第1の断熱材の熱伝導率が、凸部の熱伝導率よりも低く、かつ、凸部の圧縮強度が、第1の断熱材の圧縮強度よりも高い。よって、凸部よりも熱伝導率が低い第1の断熱材により、隣接する電池セルへの熱伝達を抑制するとともに、第1の断熱材よりも圧縮強度が高い凸部により、外部からの衝撃や押圧力に抵抗して第1の断熱材の厚さ減少を抑制し、断熱性能の低下を抑制することができる。したがって、電池セルにおける熱伝達抑制部としての課題である高断熱性能と高圧縮強度の特性を両立させることができる。
例えば、電池ケースの表面に形成されたリブ又はボスは、高圧縮強度の特性を有するが、断熱性としては第1の断熱材の一例である無機繊維系、無機粒子系の材料に劣る。一方、無機繊維系・無機粒子系のシートは、上記リブ又はボスのような高い圧縮強度を持たせることが難しい。よって、これらの構成を組み合わせ、それぞれ単一の構成では得ることが困難な、高断熱性能と高圧縮強度の特性を両立させることが可能となる。本技術は、電気自動車に搭載されるリチウムイオン電池の熱暴走を効果的に抑制するための熱伝達抑制部を備える電池セルとして好適に使用可能である。
また、本発明の組電池は、上記の電池セルが、直列又は並列に接続された状態で複数積層されることで、凸部と、凸部以外の場所に配置された第1の断熱材により構成される熱伝達抑制部が電池セル間に介在されている。よって、電池セルの熱膨張などにより電池セルが膨らんで隣接する電池セルに押圧力が作用しても、この押圧力を凸部で受けて、第1の断熱材の厚さ減少を抑制して断熱機能を良好に維持することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る電池セルの斜視図である。 図2は、図1に示す複数の電池セルが積層されてなる組電池の模式図である。 図3は、第1実施形態の変形例に係る組電池の模式図である。 図4は、本発明の第2実施形態に係る電池セルの斜視図である。 図5は、図4に示す複数の電池セルが積層されてなる組電池の模式図である。 図6は、第2実施形態の変形例に係る組電池の模式図である。 図7は、本発明の第3実施形態に係る電池セルが複数積層されてなる組電池の模式図である。 図8Aは、実施例1の試験で使用した熱伝達抑制シートの正面図及び側面図である。 図8Bは、実施例2の試験で使用した熱伝達抑制シートの正面図及び側面図である。 図8Cは、実施例3の試験で使用した熱伝達抑制シートの正面図及び側面図である。 図9Aは、比較例1の試験で使用した熱伝達抑制シートの正面図及び側面図である。 図9Bは、比較例2の試験で使用した熱伝達抑制シートの正面図及び側面図である。 図10は、実施例1~3並びに比較例1及び比較例2の熱伝達抑制シートの性能を比較して示すグラフである。 図11Aは、実施例4の試験で使用した熱伝達抑制シートの正面図及び側面図である。 図11Bは、実施例5の試験で使用した熱伝達抑制シートの正面図及び側面図である。 図12は、実施例4、実施例5、比較例1及び比較例2の熱伝達抑制シートの性能を比較して示すグラフである。
以下、本発明に係る電池セルの各実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明者らは、電池セル間に配置されて、熱暴走を起こした電池セルからの熱が、隣接する電池セルに伝播するのを効果的に抑えることができる熱伝達抑制部について鋭意検討を行ってきた。熱伝達抑制部としての機能を有する熱伝達抑制シートを、無機粒子や無機繊維などの断熱効果の高い断熱材料のみで構成した場合、得られた断熱効果が理論値よりも低い結果となった。その理由は、無機粒子や無機繊維などの断熱材料は、断熱性能は高い(すなわち、熱伝導率は低い)ものの、圧縮強度が低いため、電池セルが膨張することで断熱材料が圧縮されて厚さが薄くなったことによる断熱性の低下によるものと考えられる。
そこで、本実施形態に係る電池セルは、電池ケースにおける積層方向に垂直な面に凸部を設け、断熱性能が高く(すなわち、熱伝導率が低い)、かつ、圧縮強度が低い第1の断熱材を凸部以外の場所(一例として、凸部間に形成される凹部)に配置するとともに、上記凸部は、第1の断熱材と比較すると断熱性能は低い(すなわち、熱伝導率が高い)ものの、圧縮強度が高いものとすることにより、熱伝達抑制部全体としての断熱性能を高めることが可能であることを見出した。すなわち、上記のように、断熱材料の持つ断熱性能と、断熱材料の厚さ低減とをバランスさせることで、それぞれ単一の構成では得ることが困難な、高断熱性能と高圧縮強度を両立させることが可能となる。
本発明はこのような知見に基づくものであるが、以下に本発明の各実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
[電池セル]
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る電池セルの斜視図であり、図2は、図1に示す複数の電池セルを積層して形成された組電池の模式図である。図1に示すように、本実施形態の電池セル10は、正極、負極及び電解質などから構成される発電要素(いずれも不図示)と、該発電要素を収納する電池ケース11から構成される。また、電池ケース11における積層方向(図2中、左右方向)に垂直な一方の面12及び該一方の面12に対向する他方の面13は、いずれも平面になっている。
なお、電池セル10は、例えば、リチウムイオン二次電池が好適に用いられるが、特にこれに限定されず、その他の二次電池にも適用され得る。
さらに、電池ケース11の一方の面12には、上辺12a及び下辺12bに沿って高い圧縮強度を有し、かつ、断熱性能が低い、厚さt2の第2の断熱材30が、一方の面12の幅方向全長に亘って配置されている。さらに、上辺12a及び下辺12bの中間においても、上辺12a又は下辺12bと平行に、第2の断熱材30が、一方の面12の幅方向全長に亘って配置されている。これにより、第2の断熱材30は、電池ケース11の一方の面12から、厚さt2の高さで突出する凸部14を形成する。すなわち、電池ケース11の一方の面12は、第2の断熱材30からなる凸部14と、一方の面12内で対向する一対の凸部14間に形成された凹部15を備えている。
図2に示すように、凹部15には、第2の断熱材30と比較して高い断熱性能を有する(すなわち、熱伝導率が低い)が、圧縮強度が低い、厚さt1の第1の断熱材20が配置されている。第2の断熱材30の厚さ(すなわち、凸部14の突出高さ)t2は、第1の断熱材20の厚さt1と同じであること(すなわち、t1=t2)が、第2の断熱材30である凸部14の表面と、第1の断熱材20の表面が、略同一面となり凹凸がないために異物堆積が起きにくい点から好ましい。なお、ここで言うt1=t2とは、厚さt1と厚さt2が完全に同じである必要はなく、寸法誤差などにより、厚さt1と厚さt2が略同じと見なされる場合も含まれる。
ただし、第2の断熱材30の厚さt2は、第1の断熱材20の厚さt1と同じである必要はなく、第1の断熱材20の厚さt1より厚くても(t2>t1)、薄くても(t2<t1)よく、特に限定されない。第1の断熱材20の厚さt1及び第2の断熱材30の厚さt2の上記の関係は、後述する各実施形態においても同様の関係を有する。
これにより、電池ケース11の一方の面12には、断熱性能及び圧縮強度がそれぞれ異なる、第1の断熱材20及び第2の断熱材30が交互に配置される。第1の断熱材20及び第2の断熱材30(凸部14)は、熱伝達抑制部25を形成する。熱伝達抑制部25は、熱伝達抑制部25を介して隣接配置された電池セル10間における熱伝達を抑制する。なお、電池ケース11の一方の面12と、第1の断熱材20又は第2の断熱材30とは、それぞれ接着剤などにより固定されてもよい。第1の断熱材20又は第2の断熱材30が、電池ケース11の一方の面12に固定されていることで、電池セル10の取り扱い性が向上する。
第1の断熱材20は、断熱が主目的であり、断熱性能が高い材料から選択され、第2の断熱材30は、圧縮強度向上が主目的であり、圧縮強度が高い材料から選択される。
断熱を主目的とする第1の断熱材20としては、繊維状、あるいはブランケット状(以下、まとめて「繊維状」と言う)に形成された無機材料や有機材料、又は粒子状、バルク状、緻密体、シート状、プレート状、粉体(以下、まとめて「粒子状」と言う)に形成された無機材料や有機材料から構成される。
繊維状の無機材料としては、アルミナ、RCF、AES、ロックウール、バサルトファイバー、シリカファイバー、ジルコニアファイバー、グラスウールからなる群から少なくとも1つが選択可能である。繊維状の有機材料としては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が選択可能である。また、粒子状の無機材料としては、アルミナ、ジルコニア、シリカ、チタニア、コージェライト、合成シリカ、エアロゲルからなる群から少なくとも1つが選択可能である。粒子状の有機材料としては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂がある。また、エアロゲルブランケットなどの複合体とすることもできる。
圧縮強度向上を主目的とする第2の断熱材30としては、バルク状、緻密体、シート状、プレート状(以下、まとめて「バルク状」と言う)に形成された無機材料や有機材料から構成される。バルク状の無機材料としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、コージェライト、マイカ、珪酸カルシウム、パーライト、ゼオライト、水酸化アルミニウム、バーミキュライト、炭酸カルシウムからなる群から少なくとも1つが選択可能である。バルク状の有機材料としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴムからなる群から少なくとも1つが選択可能である。さらに、第2の断熱材30は、SUS、鉄、銅、アルミニウムからなる群から少なくとも1つが選択されてもよい。
図2に示すように、本実施形態の組電池100では、電池ケース11の一方の面12に第1の断熱材20及び第2の断熱材30(凸部14)からなる熱伝達抑制部25が設けられるとともに、電池ケース11の他方の面13が平面である、複数の電池セル10が、一の電池セル10の一方の面12と、隣接する他の電池セル10の他方の面13とが対向配置して積層されている。すなわち、隣接する電池セル10間には、熱伝達抑制部25が形成されている。なお、複数の電池セル10同士は、直列又は並列に接続され(接続された状態は図示を省略)で、例えば不図示の電池ケースに格納される。
そして、熱暴走を起こした電池セル10は、自身が膨張して大きな押圧力を熱伝達抑制部25に作用させる。しかし、この押圧力の大部分は、圧縮強度が大きな第2の断熱材30(凸部14)で受け止められ、第1の断熱材20への押圧力の影響が減少する。すなわち、第1の断熱材20の厚さ減少を最小限に抑制する。これにより、熱伝達抑制部25全体としての断熱性能の低下を抑制することができ、熱暴走を起こした電池セル10からの熱が、隣接する他の電池セル10に伝播することで、他の電池セル10が熱暴走するのを防止する。
また、熱暴走を起こして膨張する電池セル10は、その中央部が最も膨らむ傾向があるが、本実施形態では、一方の面12における上辺12a及び下辺12bの中間において、圧縮強度の高い第2の断熱材30(凸部14)を、一方の面12の幅方向全長に亘って配置することで、電池セル10の膨張を抑え、第1の断熱材20の厚さの減少をより効果的に抑制することができる。
(第1実施形態の変形例)
図3は、本発明の第1実施形態の変形例に係る組電池の模式図である。本変形例の組電池100Aは、第1実施形態の組電池100と同様に、同一外形形状を有する複数の電池セル10Aが積層されて形成されている。
電池セル10Aの一方の面12には、上辺12a及び下辺12bに沿って一の凹部16aが幅方向に形成されている。また、該上辺12a及び下辺12bの中間にも、上辺12a又は下辺12bと平行に一の凹部16aが幅方向に形成されている。これにより、該一の凹部16aの間には、一対の一の凹部16aによって、高さh1の一の凸部17aが形成されている。
また、電池セル10Aの他方の面13にも同様に、上辺13a及び下辺13bに沿って他の凹部16bが幅方向に形成されている。また、該上辺13a及び下辺13bの中間にも、上辺13a又は下辺13bと平行に他の凹部16bが幅方向に形成されている。これにより、電池セル10Aの他方の面13にも、該他の凹部16bの間には、一対の他の凹部16bによって、高さh1の他の凸部17bが形成されている。
なお、一方の面12及び他方の面13にそれぞれ形成された一の凹部16a及び他の凹部16bの形状は、電池セル10Aの中心線Cに対して線対称となっている。
そして、一方の面12の一の凹部16aには、厚さt2の第2の断熱材30が配置され、一の凸部17a上には、厚さt1の第1の断熱材20が配置される。第2の断熱材30の厚さt2は、一の凸部17aの高さh1と、第1の断熱材20の厚さt1との合計厚さ(h1+t1)より厚く設定されている。これにより、第2の断熱材30は、第1の断熱材20より、少なくともt2-t1-h1だけ突出して、第1実施形態で説明した凸部14を形成する。また、第2の断熱材30と第1の断熱材20の段差は、第1実施形態で説明した凹部15を形成する。
そして、複数の電池セル10Aが積層されることで、一の電池セル10Aの一方の面12における凸部14(すなわち、第2の断熱材30の突出部分)が、他の電池セル10Aの他方の面13に形成された他の凹部16bに嵌合する。また、一の電池セル10Aの一方の面12における凹部15(第2の断熱材30と第1の断熱材20との段差)が、他の電池セル10Aの他方の面13に形成された他の凸部17bに嵌合する。
対向配置された一対の電池セル10Aは、一の電池セル10Aの凸部14及び他の電池セル10Aの他の凹部16b、並びに、一方の電池セル10Aの凹部15及び他の電池セル10Aの他の凸部17bが嵌合することで、第1実施形態で説明した効果に加えて、複数の電池セル10A同士の位置決めが容易になり、精度よく組み付けることができる。
その他の構成、作用は、本発明の第1実施形態の電池セルと同様であるので、説明を省略する。なお、以下の各実施形態でも同様に説明を省略する。
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態に係る電池セルの斜視図であり、図5は、図4に示す複数の電池セルを積層して形成された組電池の模式図である。図4に示すように、本実施形態に係る電池セル10は、第1実施形態と同様、正極、負極及び電解質などから構成される発電要素(いずれも不図示)と、該発電要素を収納する電池ケース11から構成される。また、電池ケース11における積層方向(図5中、左右方向)に垂直な一方の面12には、凸部14及び凹部15が設けられ、該一方の面12に対向する他方の面13は、平面になっている。
具体的には、電池ケース11の一方の面12には、上辺12a及び下辺12bに沿って、凸部14が、一方の面12の幅方向全長に亘って形成されている。さらに、該上辺12a及び下辺12bの中間においても、上辺12a又は下辺12bと平行に、高さh2の凸部14が、一方の面12の幅方向全長に亘って形成されている。これにより、電池ケース11の一方の面12は、凸部14と、一方の面12内で対向する凸部14間に形成された凹部15を備えている。なお、本実施形態における凸部14は、例えば電池ケース11の一部を加工して形成された、リブ又はボスである。
図5に示すように、凹部15には、凸部14と比較して高い断熱性能を有する(すなわち、熱伝導率が低い)が、圧縮強度が低い、厚さt1の第1の断熱材20が配置されている。凸部14の突出高さh2は、第1の断熱材20の厚さt1と同じであること(すなわち、t1=h2)が、凸部14の表面と、第1の断熱材20の表面が、略同一面となり凹凸がないために異物堆積が起きにくい点から好ましい。なお、ここで言うt1=h2とは、厚さt1と高さh2が完全に同じである必要はなく、寸法誤差などにより、厚さt1と高さh2が略同じと見なされる場合も含まれる。
これにより、複数の電池セル10が積層されたとき、t1>h2の場合にあっては、第1の断熱材20が、他の電池セル10の他方の面13により圧縮され、一の電池セル10における凹部15と、他の電池セル10における他方の面13とで形成される空間内に密に配置されて、断熱効率が高くなる。なお、凸部14は、一般的には金属製などの電池ケース11の一部から形成されるため、第1の断熱材20と比較して、圧縮強度は高いが、断熱性能は低くなっている。
これにより、電池ケース11の一方の面12には、断熱性能及び圧縮強度がそれぞれ異なる、第1の断熱材20及び凸部14が交互に配置される。第1の断熱材20及び凸部14は、第1実施形態と同様、熱伝達抑制部25を形成する。熱伝達抑制部25は、熱伝達抑制部25を介して隣接配置された電池セル10間における熱伝達を抑制する。なお、第1の断熱材20は、電池ケース11の一方の面12における凸部14以外の場所の一例である凹部15と、接着剤などにより固定されてもよい。第1の断熱材20が、凹部15に固定されていることで、電池セル10の取り扱い性が向上する。
図5に示すように、本実施形態の組電池100では、電池ケース11の一方の面12に第1の断熱材20及び凸部14からなる熱伝達抑制部25が設けられ、電池ケース11の他方の面13が平面である、複数の電池セル10が、一の電池セル10の一方の面12と、隣接する他の電池セル10の他方の面13とが対向配置して積層されている。すなわち、隣接する電池セル10間には、熱伝達抑制部25が形成されている。なお、複数の電池セル10同士は、直列又は並列に接続され(接続された状態は図示を省略)で、不図示の電池ケースに格納される。
その他の構成、作用は、本発明の第1実施形態の電池セルと同様であるので、説明を省略する。
(第2実施形態の変形例)
図6は、本発明の第2実施形態の変形例に係る組電池の模式図である。本変形例の組電池100Bは、第1実施形態の組電池100と同様に、同一外形形状を有する複数の電池セル10Bが積層されて形成されている。
電池セル10Bは、電池ケース11の一方の面12に、第2実施形態の電池セル10と同様の凸部14及び凹部15が形成されている。凹部15には厚さt1の第1の断熱材20が配置されて、凸部14とともに熱伝達抑制部25を形成する。
また、電池セル10Bの電池ケース11の他方の面13には、一方の面12の凸部14に対向して高さh1の他の凹部16bが形成されている。これにより、一対の他の凹部16b間には、他の凸部17bが形成されている。
第1の断熱材20の厚さt1は、特に限定されないが、凸部14の突出高さh2と他の凹部16bの深さ(又は、他の凸部17bの突出高さ)h1の差(h2-h1)と同じか、わずかに厚くなっていることが好ましい。これにより、複数の電池セル10Bが積層されたとき、凹部15と他の凸部17bとで形成される空間内に、第1の断熱材20が密に配置されて、断熱効率が高くなる。
そして、複数の電池セル10Bが積層されることで、一の電池セル10Bの一方の面12における凸部14が、他の電池セル10Bの他方の面13に形成された他の凹部16bに嵌合する。また、一の電池セル10Bの一方の面12における凹部15が、他の電池セル10Bの他方の面13に形成された他の凸部17bに嵌合する。
この場合も、第1の実施形態の変形例と同様、第2実施形態で説明した効果に加えて、複数の電池セル10B同士の位置決めが容易になり、精度よく組み付けることができる。
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態に係る電池セルが複数積層されてなる組電池の模式図である。図7に示すように、本実施形態に係る電池セル10は、第1実施形態や第2実施形態と同様、正極、負極及び電解質などから構成される発電要素(いずれも不図示)と、該発電要素を収納する電池ケース11から構成される。ただし、第1実施形態や第2実施形態と異なり、電池ケース11における積層方向(図7中、左右方向)に垂直な一方の面12には、凸部14が1つだけ設けられており、凹部は形成されていない。また、該一方の面12に対向する他方の面13は、平面になっている。
具体的には、電池ケース11の一方の面12には、上辺12a及び下辺12bの中間において、上辺12a又は下辺12bと平行に、高さh2の凸部14が、一方の面12の幅方向全長に亘って形成されている。これにより、電池ケース11の一方の面12は、凸部14と、凸部14以外の場所15aを備えている。なお、本実施形態における凸部14は、例えば電池ケース11の一部を加工して形成された、リブ又はボスである。
さらに、凸部14以外の場所15aには、凸部14と比較して高い断熱性能を有する(すなわち、熱伝導率が低い)が、圧縮強度が低い、厚さt1の第1の断熱材20が配置されている。
本実施形態においても、第1実施形態や第2実施形態で説明したのと同様、電池ケース11の一方の面12に第1の断熱材20及び凸部14からなる熱伝達抑制部25が設けられることで、同様の作用効果を得ることができる。
[組電池]
図2は、組電池の一例を模式的に示す断面図である。図2に示すように、本実施形態に係る組電池100は、電池セル10間に、上述の熱伝達抑制部25が介在したものである。具体的には、図2に示すように、組電池100は、複数個の電池セル10を並設し、直列又は並列に接続したものであるが、各電池セル10間に、熱伝達抑制部25が介在した構成となっている。
電池セル10には、隣接する電池セル10からの押圧力が常時作用しているが、この押圧力の大部分を、圧縮強度が高い凸部14(場合により、第2の断熱材30)が受け止める。また、熱暴走を起こした場合、膨張する電池セル10による押圧力の大部分も圧縮強度が高い凸部14が受け止めるため、第1の断熱材20の厚さの低減が抑制される。これにより、熱伝達抑制部25の断熱性能の低下が抑制されて、電池セル10の熱暴走の連鎖が効果的に防止される。すなわち、電池セル10における熱伝達抑制部25としての課題である高断熱性能と高圧縮強度の特性を両立させることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
(実施例1)
図8Aは、実施例1の試験で使用した、熱伝達抑制シート40(上述の熱伝達抑制部25に相当)の正面図及び側面図である。図8Aに示すように、第1の断熱材20の一例であるアルミナファイバーブランケットを長さ80mm、幅80mm、厚さ2mmのシート状に形成し、その中央部に直径D=25.4mmの貫通孔21を設けた。そして、該貫通孔21の半円形状の領域に、第2の断熱材30の一例である厚さ2mmのマイカシートをはめ込むとともに、残りの半円形状の領域に、第1の断熱材20の一例である厚さ2mmの上記アルミナファイバーブランケットをはめ込み、実施例1で用いる試料1を作製した。すなわち、アルミナファイバーブランケットの厚さと、マイカシートの厚さは、同じであり、マイカシートは、アルミナファイバーブランケットにおける一方の面20aから他方の面20bに貫通して配置されている。
ここで、熱伝達抑制シート40におけるシート厚み方向に垂直な一対の面のうち、シート厚み方向における第2の断熱材30の投影面積が大きい側の面において、シート厚み方向における第1の断熱材20の投影面積をSとし、シート厚み方向における第2の断熱材30の投影面積をSと定義する。図8Aに示すように、熱伝達抑制シート40において、一方の面20aから見た場合における、シート厚み方向における第2の断熱材30の投影面積と、他方の面20bから見た場合における、シート厚み方向における第2の断熱材30の投影面積とが同じである場合は、いずれの面を採用しても問題にならないが、例えば、断面が3角柱状の第2の断熱材30を用いた場合には、シート厚み方向における第2の断熱材30の投影面積が、一方の面20aと他方の面20bとで異なる場合がある。その場合は、上記のように、シート厚み方向における第2の断熱材30の投影面積が大きい側の面を採用し、その面における、シート厚み方向における第1の断熱材20の投影面積をSとし、シート厚み方向における第2の断熱材30の投影面積をSと定義するというものである。
また、上記S及びSを、シート厚み方向における各断熱材の投影面積で定義するのは、図8Aに示すような、第1の断熱材20の厚さt1と第2の断熱材30の厚さt2が同じである場合には、シート表面における各断熱材の面積とすることで問題にならないが、例えば、第2の断熱材30の厚さt2が、第1の断熱材20の厚さt1より薄く、すなわち、第2の断熱材30がシート表面から埋没している場合には、シート厚み方向から見て露出している第2の断熱材30の面積とするためである。
そして、上記で説明した定義に基づくと、実施例1におけるS+Sの合計に対するSの割合、すなわち、(S/(S+S))は、約4%であった。
(実施例2)
図8Bは、実施例2の試験で使用した熱伝達抑制シート40の正面図及び側面図である。図8Bに示すように、第1の断熱材20の一例であるアルミナファイバーブランケットを長さ80mm、幅80mm、厚さ2mmのシート状に形成し、その中央部に直径D=25.4mmの貫通孔21を設けた。そして、該貫通孔21に、第2の断熱材30の一例である厚さ2mmのマイカシートをはめ込み、実施例2で用いる試料2を作製した。すなわち、アルミナファイバーブランケットの厚さと、マイカシートの厚さは、同じであり、マイカシートは、アルミナファイバーブランケットを一方の面20aから他方の面20bに貫通して配置されている。
そして、上記で説明した定義に基づくと、実施例2におけるS+Sの合計に対するSの割合、すなわち、(S/(S+S))は、約8%であった。
(実施例3)
図8Cは、実施例3の試験で使用した熱伝達抑制シート40の正面図及び側面図である。図8Cに示すように、第1の断熱材20の一例であるアルミナファイバーブランケットを長さ80mm、幅80mm、厚さ2mmのシート状に形成し、その中央部に一辺が50mmの正方形からなる貫通孔21を設けた。そして、該貫通孔21に、第2の断熱材30の一例である厚さ2mmのマイカシートをはめ込み、実施例3で用いる試料3を作製した。すなわち、アルミナファイバーブランケットの厚さと、マイカシートの厚さは、同じであり、マイカシートは、アルミナファイバーブランケットを一方の面20aから他方の面20bに貫通して配置されている。
そして、上記で説明した定義に基づくと、実施例2におけるS+Sの合計に対するSの割合、すなわち、(S/(S+S))は、約39%であった。
(比較例1)
図9Aは、比較例1の試験で使用した熱伝達抑制シート40の正面図及び側面図である。図9Aに示すように、第1の断熱材20の一例であるアルミナファイバーブランケットを、長さ80mm、幅80mm、厚さ2mmのシート状に形成して、比較例1で用いる試料4を作製した。すなわち、試料4は、アルミナファイバーブランケットのみで形成されている。
そして、上記で説明した定義に基づくと、比較例1におけるS+Sの合計に対するSの割合、すなわち、(S/(S+S))は、0%であった。
(比較例2)
図9Bは、比較例2の試験で使用した熱伝達抑制シート40の正面図及び側面図である。図9Bに示すように、第2の断熱材30の一例であるマイカシートを、長さ80mm、幅80mm、厚さ2mmのシート状に形成して、比較例2で用いる試料5を作製した。すなわち、試料5は、マイカシートのみで形成されている。
そして、上記で説明した定義に基づくと、比較例2におけるS+Sの合計に対するSの割合、すなわち、(S/(S+S))は、100%であった。
続いて、上記で作製した各試料1~5(熱伝達抑制シート40)の熱伝達抑制効果を確認するため、以下の試験を行った。まず、実施例1~3並びに比較例1及び比較例2の各試料1~5(熱伝達抑制シート40)の一方の面側において、熱暴走を起こした電池セルを模擬したヒーターを熱伝達抑制シート40から40mm離間させて配置し、他方の面側において、隣接する電池セルを模擬した金属板(加熱せず)を、熱伝達抑制シート40に接触させて配置した。続いて、ヒーターを加熱して温度が800℃に到達した後、ヒーターと金属板で、各試料1~5を、16kPa又は469kPaの力で押圧して、ヒーター加熱後の経過時間に対する金属板表面の温度変化を測定した。なお、所定の荷重で押圧した後、ヒーターの電源をOFFにした。
実施例1~3並びに比較例1及び比較例2における、金属板表面の最大温度(℃)をプロットしたグラフを図10に示す。
図10に示すように、第1の断熱材20の中央部に圧縮強度の高い第2の断熱材30を配置した実施例1~3における、金属板表面の最大温度は、第1の断熱材20のみで形成された比較例1、及び第2の断熱材30のみで形成された比較例2の温度よりも低くなっていることが分かる。
また、熱伝導率が低い、すなわち断熱性能が高い第1の断熱材20のみからなる比較例1で、実施例1~3よりも温度が高くなっていることが分かる。すなわち、断熱効果が小さいのは、電池セル10の膨張による圧縮力が第1の断熱材20に作用することで、第1の断熱材20の持つ、高い断熱性能を打ち消してしまうほど、第1の断熱材20の厚さが薄くなったことによると考えられる。
一方、実施例1~3では、圧縮強度の高い第2の断熱材30を、第1の断熱材20の中央部に配置したことで、第1の断熱材20の厚さの低減が抑制されて有効に断熱されていることが分かる。
また、図10から分かるように、上記S/(S+S)は、好ましくは50%以下、より好ましくは20%以下、更に好ましくは5%以下である。
さらに、S/(S+S)の値が同じであっても、熱伝達抑制シート40の圧縮力が高いほど温度が高くなっているのは、熱伝達抑制シート40に作用する圧縮力によって熱伝達抑制シート40の厚さが薄くなり、これによって断熱性能が低下したことによる。
以上より、本発明の技術によって熱伝達抑制シート40の高断熱性能と高圧縮強度を両立させることが可能となることが理解される。
なお、上記実施例1~3は、第1の断熱材20の厚さと第2の断熱材30の厚さが同じであり、すなわち、第2の断熱材30が、第1の断熱材20における一方の面20aから他方の面20bに貫通して配置されている場合である。続いて、第2の断熱材30の厚さが第1の断熱材20の厚さよりも薄く、第2の断熱材30が、第1の断熱材20を一方の面20aから他方の面20bに貫通していない場合についても、同様の試験を行った。
(実施例4)
図11Aは、実施例4の試験で使用した熱伝達抑制シート40の正面図及び側面図である。図11Aに示すように、第1の断熱材20の一例であるアルミナファイバーブランケットを長さ80mm、幅80mm、厚さ2mmのシート状に形成し、その中央部に直径D=25.4mmで、深さ1mmの凹部21aを設けた。そして、該凹部21aの半円形状の領域に、第2の断熱材30の一例である厚さ1mmのマイカシートをはめ込むとともに、残りの半円形状の領域に、第1の断熱材20の一例である厚さ1mmの上記アルミナファイバーブランケットをはめ込み、実施例4で用いる試料4を作製した。
そして、上記で説明した定義に基づくと、実施例4におけるS+Sの合計に対するSの割合、すなわち、(S/(S+S))は、約4%であった。
(実施例5)
図11Bは、実施例5の試験で使用した熱伝達抑制シート40の正面図及び側面図である。図11Bに示すように、第1の断熱材20の一例であるアルミナファイバーブランケットを長さ80mm、幅80mm、厚さ2mmのシート状に形成し、その中央部に直径D=25.4mmで、深さ1mmの凹部21aを設けた。そして、該凹部21aに、第2の断熱材30の一例である厚さ1mmのマイカシートをはめ込み、実施例5で用いる試料5を作製した。
そして、上記で説明した定義に基づくと、実施例5におけるS+Sの合計に対するSの割合、すなわち、(S/(S+S))は、約8%であった。
続いて、試料4及び試料5についても、上記と同様の試験方法によって熱伝達抑制効果の確認を行った。実施例4、実施例5、比較例1及び比較例2における、金属板表面の最大温度(℃)をプロットしたグラフを図12に示す。
図12に示すように、実施例1~3の場合と同様、第1の断熱材20の中央部に圧縮強度の高い第2の断熱材30を配置した実施例4及び実施例5における、金属板表面の最大温度は、第1の断熱材20のみで形成された比較例1、及び第2の断熱材30のみで形成された比較例2の温度よりも低くなっていることが分かる。すなわち、第2の断熱材30が、第1の断熱材20における一方の面20aから他方の面20bに貫通していない場合についても、貫通している場合と同様の傾向が得られることが示された。
なお、本発明は、前述した各実施形態、変形例、及び各実施例に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
10,10A,10B 電池セル
11 電池ケース
12 一方の面
12a 上辺
12b 下辺
13 他方の面
13a 上辺
13b 下辺
14 凸部
15 凹部
15a 凸部以外の場所
16a 一の凹部
16b 他の凹部
17a 一の凸部
17b 他の凸部
20 第1の断熱材
25 熱伝達抑制部
30 第2の断熱材
100,100A,100B 組電池
第1の断熱材の表面積
第2の断熱材の表面積

Claims (6)

  1. 発電要素及び前記発電要素を収納する電池ケースを有し、直列又は並列に接続された状態で複数積層されて組電池を構成する電池セルであって、
    前記電池ケースにおける前記積層方向に垂直な面のうち少なくとも一方の面において、凸部を有するとともに、前記凸部以外の場所には、第1の断熱材が配置されており、
    前記第1の断熱材の熱伝導率が、前記凸部の熱伝導率よりも低く、
    かつ、
    前記凸部の圧縮強度が、前記第1の断熱材の圧縮強度よりも高く、
    前記電池ケースにおける前記積層方向に垂直な面のうち一方の面は、一の凹部及び一の凸部を有し、
    前記電池ケースにおける前記積層方向に垂直な面のうち他方の面は、前記積層された際に、他の電池セルにおける前記一の凸部に嵌合可能な他の凹部、及び該他の電池セルにおける前記一の凹部に嵌合可能な他の凸部を有する
    電池セル。
  2. 前記凸部以外の場所において、更に凹部を有するとともに、前記凹部には、前記第1の断熱材が配置されている、
    請求項1に記載の電池セル。
  3. 前記凸部は、前記電池ケースの表面に配置された第2の断熱材である、
    請求項1又は2に記載の電池セル。
  4. 前記凸部は、前記電池ケースの一部を加工して形成されたリブ又はボスである、
    請求項1又は2に記載の電池セル。
  5. 前記第1の断熱材が、前記凸部以外の場所に固定されている、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の電池セル。
  6. 請求項1~のいずれか1項に記載の電池セルが、直列又は並列に接続された状態で複数積層されてなる、組電池。
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