JP7235562B2 - 熱伝達抑制シート、組電池用熱伝達抑制シート及び組電池 - Google Patents

熱伝達抑制シート、組電池用熱伝達抑制シート及び組電池 Download PDF

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Description

本発明は、熱伝達抑制シート、組電池の電池セル間に介在させる組電池用熱伝達抑制シート、及び組電池用熱伝達抑制シートを電池セル間に介在させた組電池に関する。
従来から、発熱体からの他の物体への熱伝達を抑制するために、発熱体に近接させ、又は少なくとも一部を発熱体に接触させて用いる熱伝達抑制シートが用いられている。
また、近年では、環境保護の観点から電動モータで駆動する電気自動車又はハイブリッド車等の開発が盛んに進められている。この電気自動車又はハイブリッド車等には、駆動用電動モータの電源となるための、複数の電池セルが直列又は並列に接続された組電池が搭載されている。
この電池セルには、鉛蓄電池やニッケル水素電池等に比べて、高容量かつ高出力が可能なリチウムイオン二次電池が主に用いられている。そして、高容量かつ高出力が可能な電池において、電池の内部短絡や過充電等が原因で、ある電池セルが急激に昇温し、その後も発熱を継続するような熱暴走を起こした場合、熱暴走を起こした電池セルからの熱が、隣接する他の電池セルに伝播することで、他の電池セルの熱暴走を引き起こすおそれがある。
上記のような熱暴走を起こした電池セルからの熱の伝播を抑制し、熱暴走の連鎖を防ぐために、電池セル間に熱伝達抑制シートを介在させることが行われている。例えば、特許文献1では、マイカ片を集結し結合したダンマ材等からなる一対の板材の間に、低熱伝導層として空気層を設けた熱伝達抑制シートが提案されている。
特開2015-211013号公報
ところで組電池では、個々の電池セルが充放電を繰り返すことにより熱膨張を引き起こしており、隣接する電池セル間には押圧力が繰り返し作用している。特許文献1に記載された熱伝達抑制シートは、低熱伝導層が空気層であるため、このような繰り返し作用する押圧力に対抗する機械的強度が十分とは言えない。
また、熱暴走を起こした電池セルは大きく熱膨張し得るため、その際は、隣接する電池セルへの押圧力も過大となるが、特許文献1に記載された熱伝達抑制シートにおいては、熱暴走が起きた際の大きな押圧力によりダンマ材等からなる板材が破損することも懸念される。
そこで本発明は、熱伝達抑制効果に優れるとともに、機械的強度にも優れた熱伝達抑制シート、特に組電池に適した組電池用熱伝達抑制シートを提供することを目的とする。
上記の目的は、本発明に係る下記(1)の熱伝達抑制シートにより達成される。
(1) 発熱体に近接又は少なくとも一部が接触して設置される熱伝達抑制シートであって、
第1の断熱層及び第2の断熱層を有し、
前記第1の断熱層及び前記第2の断熱層の間に、金属層が挟設されている、
熱伝達抑制シート。
また、本発明の熱伝達抑制シートは、下記(2)~(5)であることが好ましい。
(2) 前記第1の断熱層と前記第2の断熱層とは厚さが異なり、
前記金属層が、シート厚み方向における前記シートの中央位置よりも前記発熱体側に位置する、(1)に記載の熱伝達抑制シート。
(3) 前記金属層の端部が、前記第1の断熱層の端面及び前記第2の断熱層の端面の少なくとも一方から外方に突出している、(1)又は(2)に記載の熱伝達抑制シート。
(4) 前記金属層が、金属箔、金属メッシュ又は金属シートである、(1)~(3)のいずれか1つに記載の熱伝達抑制シート。
(5) 前記金属層が、金属メッシュである、(4)に記載の熱伝達抑制シート。
上記の目的は、本発明に係る下記(6)の組電池用熱伝達抑制シートにより達成される。
(6) 複数の電池セルを直列又は並列に接続した組電池における、前記電池セル間に介在される組電池用熱伝達抑制シートであって、
第1の断熱層及び第2の断熱層を有し、
前記第1の断熱層及び前記第2の断熱層の間に、金属層が挟設されているとともに、
前記金属層が、シート厚み方向における前記シートの中央に位置する、
組電池用熱伝達抑制シート。
また、本発明の組電池用熱伝達抑制シートは、下記(7)~(10)であることが好ましい。
(7) 前記金属層の端部が、前記第1の断熱層の端面及び前記第2の断熱層の端面の少なくとも一方から外方に突出している、(6)に記載の組電池用熱伝達抑制シート。
(8) 前記金属層が、金属箔、金属メッシュ又は金属シートである、(6)又は(7)記載の組電池用熱伝達抑制シート。
(9) 前記金属層が、金属メッシュである、(8)に記載の組電池用熱伝達抑制シート。
(10) 隣接する前記金属層同士が、前記電池セルを跨いで連結されている、(6)~(9)のいずれか1つに記載の組電池用熱伝達抑制シート。
上記の目的は、本発明に係る下記(11)の組電池により達成される。
(11) 複数の電池セルを直列又は並列に接続した組電池であって、(6)~(9)のいずれか1つに記載の組電池用熱伝達抑制シートを、前記電池セル間に介在させた、組電池。
また、本発明の組電池は、下記(12)であることが好ましい。
(12) 隣接する前記金属層同士が、前記電池セルを跨いで連結されている、(11)に記載の組電池。
本発明の熱伝達抑制シート及び組電池用熱伝達抑制シートは、第1の断熱層と第2の断熱層との間に金属層を挟設したものであり、金属層による強度向上とともに、金属層による、シート厚み方向に垂直な方向への放熱効果により、シート厚み方向への熱伝達抑制効果にも優れる。
そのため、電池セル間に本発明の組電池用熱伝達抑制シートを介在せた本発明の組電池は、金属層により、電池セル間に作用する押圧力に対する耐圧性が向上する。また、第1の断熱層及び第2の断熱層による断熱性に加えて、金属層による、シート厚み方向に垂直な方向への放熱効果が加味されるため、シート厚み方向への熱伝達抑制効果も向上し、ある電池セルに熱暴走が起こったとしても、隣接する電池セルへの熱暴走の連鎖を防ぐことができる。
図1は、本発明に係る熱伝達抑制シートの実施形態を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明に係る熱伝達抑制シートの他の実施形態を模式的に示す断面図である。 図3は、本発明に係る組電池用熱伝達抑制シートの実施形態を模式的に示す断面図である。 図4は、本発明に係る組電池の実施形態を模式的に示す断面図である。 図5は、本発明に係る組電池の他の実施形態を模式的に示す断面図である。 図6は、実施例で作製した供試体の積層構造を模式的に示す断面図である、 図7は、各供試体を600℃に加熱したときの下面の表面温度を示すグラフである。 図8は、各供試体を800℃に加熱したときの下面の表面温度を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態に関して図面を参照して詳細に説明する。
[熱伝達抑制シート]
(シート全体構成)
図1は、本発明に係る熱伝達抑制シートの実施形態を模式的に示す断面図である。図示される熱伝達抑制シート1は、第1の断熱層10と第2の断熱層11との間に、金属層20を挟設した積層体である。なお、第1の断熱層10と金属層20との界面、及び、第2の断熱層11と金属層20との界面は、耐熱性を考慮して無機バインダーを含む接着剤で貼り合わされている。なお、第1の断熱層10と第2の断熱層11とは厚さが異なり、図示の例では第1の断熱層10におけるシート厚み方向の厚さD1が、第2の断熱層11におけるシート厚み方向の厚さD2よりも大きく設定されている。したがって、金属層20は、シート厚み方向における熱伝達抑制シート1の中央位置Cよりも、発熱体30に近い位置で挟設されている。
そして、金属層20は、それ自身が高い機械的強度を有することから、熱伝達抑制シート1の機械的強度を高める効果がある。
また、金属層20は、その端面が外気に晒されており、発熱体30と対向している断熱層(図の例では、第2の断熱層11)で断熱しきれなかった熱を外気に放熱する作用がある。すなわち、金属層20は、熱伝導性が高い材料から構成されており、シート厚み方向に垂直な方向(図中、左右方向)へ高い放熱効果を有する。このため、発熱体30から受けた熱は、発熱体30に対向する第2の断熱層11において、ある程度の断熱作用を奏するが、第2の断熱層11において断熱しきれなかった熱は、金属層20を介してシート厚み方向に垂直な方向へ積極的に移動するため、シート厚み方向への熱伝達が抑制される。よって、金属層20が第2の断熱層11と接する面とは反対側の面で接する、第1の断熱層10への熱伝達が大幅に抑制されるため、熱伝達抑制シート1から見て、発熱体30側とは反対側にある他の物体(図示せず)への熱伝達を効果的に抑制することができる。
なお、金属層20の厚さは特に制限されないが、金属層20が薄すぎると放熱効果と補強効果が十分に得られない。よって、金属層20の厚さは、1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましい。一方、金属層20が厚すぎると、熱伝達抑制シート1の加工性が悪くなる。よって、金属層20の厚さは、1mm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。
また、熱伝達抑制シート1の厚さ(シート全厚)も特に制限されないが、熱伝達抑制シート1が薄すぎると金属層20を有していても充分な機械的強度が得られない。よって、熱伝達抑制シート1の厚さは、0.05mm以上であることが好ましく、0.1mm以上であることがより好ましい。一方、熱伝達抑制シート1が厚すぎると、熱伝達抑制シート1の加工性が悪くなる。よって、熱伝達抑制シート1の厚さは、5mm以下であることが好ましく、2mm以下であることがより好ましい。
また、熱伝達抑制シート1の全厚から金属層20の厚さを差し引いた厚さが、第1の断熱層10と第2の断熱層11との合計厚(D1+D2)となる。そして、図1に示すように、第1の断熱層10と第2の断熱層11とは厚さが異なり、金属層20が、シート厚み方向における熱伝達抑制シート1の中央位置Cよりも、発熱体30側に位置することが好ましい。このような構成によれば、後述する実施例で示すように、より高い熱伝達抑制効果(すなわち、断熱効果)を得ることができる。
さらに、熱伝達抑制シート1は、図2に示すように、金属層20の端部20aが、第1の断熱層10の端面10a、及び第2の断熱層11の端面11aよりも外方に突出していることが好ましい。金属層20の端部20aが突出していると、外気との接触面積が広くなり、金属層20中をシート厚み方向に垂直な方向に移動する熱の放熱効果が促進され、結果として、熱伝達抑制シート1の熱伝達抑制効果を向上できる。
なお、図2に示す熱伝達抑制シート1は、金属層20の端部20aが、第1の断熱層10の端面10a、及び第2の断熱層11の端面11aの両方から突出する例であるが、金属層20の端部20aが、第1の断熱層10の端面10a、及び第2の断熱層11の端面11aの少なくとも一方が外方に突出するものであってもよい。ただし、熱伝達抑制シート1の熱伝達抑制効果を効果的に得るためには、金属層20の端部20aが、第1の断熱層10の端面10a、及び第2の断熱層11の端面11aの両方から突出するものが好ましい。
(第1の断熱層及び第2の断熱層の構成材料)
第1の断熱層10、第2の断熱層11ともに、無機繊維を含むことが好ましい。無機繊維としては、耐熱性に優れるものが好ましく、例えばアルミナ繊維、シリカ繊維、アルミナシリケート繊維、ロックウール、マグネシウムシリケート繊維、アルカリアースシリケート繊維、ガラス繊維、ジルコニア繊維及びチタン酸カリウム繊維等が挙げられる。これらの無機繊維は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合使用してもよい。
また、第1の断熱層10、第2の断熱層11ともに、無機粒子を含むことが好ましい。無機粒子は耐熱性の材料であれば制限はないが、無機水和物が好ましい。この無機水和物は、発熱体30からの熱を受けて熱分解開始温度以上になると熱分解し、自身が持つ結晶水を放出して発熱体及びその周囲の温度を下げる、いわゆる「吸熱作用」を発現する。また、結晶水を放出した後は多孔質体となり、無数の空気孔により、効果的な断熱作用を発現する。
無機水和物の具体例として、水酸化アルミニウム(Al(OH))、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、水酸化カルシウム(Ca(OH))、水酸化亜鉛(Zn(OH))、水酸化鉄(Fe(OH))、水酸化マンガン(Mn(OH))、水酸化ジルコニウム(Zr(OH))、水酸化ガリウム(Ga(OH))等が挙げられる。
例えば、水酸化アルミニウムは約35%の結晶水を有しており、下記式に示すように、熱分解して結晶水を放出して吸熱作用を発現する。そして、結晶水を放出した後は多孔質体であるアルミナ(Al)となり、断熱材として機能する。
2Al(OH)→Al+3H
無機粒子として、単一の無機水和物粒子を使用してもよいし、2種以上の無機水和物粒子を組み合わせて使用してもよい。無機水和物は種類により熱分解開始温度が異なるため、2種以上の無機水和物粒子を併用することにより、発熱体30を多段に冷却することができ、吸熱作用をより広い温度範囲で発現できる。
また、無機粒子は、平均粒子径が大きすぎると、第1の断熱層10及び第2の断熱層11の中心付近にある無機粒子に熱が伝わり難くなる。そのため、無機粒子が無機水和物の場合、熱分解開始温度に達するまでに時間を要し、吸熱作用が発現され難く、熱伝達抑制効果が低下するおそれがある。このため、無機粒子は、2次粒子の平均粒子径で0.01~100μmであることが好ましく、0.05~50μmがより好ましい。
さらに、無機粒子は、大径粒子と小径粒子とを混合使用することも好ましい。大径の無機粒子間の隙間に小径の無機粒子が入り込み、より緻密構造となり、熱伝達抑制効果が高まる。
(無機粒子及び無機繊維の各含有量)
無機粒子、無機繊維の各含有量は、断熱層を構成する材料の全量に対して、無機粒子が30~95質量%、無機繊維が3~30質量%が好ましい。より好ましくは、無機粒子が60~90質量%、無機繊維が5~15質量%である。このような含有量とすることにより、無機粒子による吸熱効果及び断熱効果、無機繊維による保形性や無機粒子の保持能力がバランス良く発現される。
(他の配合材料)
第1の断熱層10及び第2の断熱層11には、必要に応じて、有機繊維や有機バインダー等を配合することができる。これらは、いずれも第1の断熱層10、第2の断熱層11、更には熱伝達抑制シート1の補強や成形性の向上を目的とする上で有用であり、シート全量に対して合計量で10質量%以下が好ましい。
なお、いずれもその種類には制限はないが、有機繊維としては、パルプ、ポリエステル繊維等を挙げることができる。また、有機バインダーとしては、高分子凝集剤やアクリルエマルジョン等を挙げることができる。
その他にも、無機バインダーや不織布等の可撓性シートを含んでもよい。無機バインダーは無機繊維の表面に付着することで第1の断熱層10、第2の断熱層11の面圧を高めたり、断熱性を向上させることができる。可能性シートは、第1の断熱層10、第2の断熱層11の割れを防ぐ効果がある。
(シートの製造方法)
第1の断熱層10及び第2の断熱層11は、例えば、少なくとも無機粒子及び無機繊維を含む材料を、乾式成形法又は湿式成形法により型成形して製造され得る。
<乾式成形法を用いて製造する場合>
乾式成形法では、無機粒子、無機繊維、更に必要に応じて有機繊維や有機バインダーを所定の割合でV型混合機等の混合機に投入する。そして、混合機に投入された材料を充分に混合した後、この混合物を所定の型内に投入し、プレス成形する。プレス成形時に、必要に応じて加熱してもよい。
なお、プレス成形時のプレス圧は、0.98~9.80MPaの範囲であることが好ましい。プレス圧が0.98MPa未満であると、強度を保つことができずに崩れてしまうおそれがある。一方、プレス圧が9.80MPaを超えると、過度の圧縮によって加工性が低下したり、かさ密度が高くなるため固体伝熱が増加し、断熱性が低下するおそれがある。
<湿式成形法を用いて製造する場合>
湿式成形法では、水に、無機粒子、無機繊維を加えて撹拌して充分に分散させる。次いで、凝集剤を添加して、一次凝集体を得る。次に、必要に応じて有機バインダーを上記水中に添加した後、高分子凝集剤を添加することにより凝集体を含むスラリーを得る。
そして、上記スラリーを所定の型内へ投入して湿潤シートを得る。得られた膨潤シートを乾燥することにより、第1の断熱層10及び第2の断熱層11が得られる。
上述のように、第1の断熱層10及び第2の断熱層11は、乾式成形法又は湿式成形法のいずれによっても得られるが、一体成形の容易性や機械的強度の点から湿式成形法を用いることが好ましい。
(金属層)
金属層20は、熱伝導率が高く、機械的強度に優れるものが好ましいが、安価であり、入手しやすく、加工性に優れる等の理由から、アルミニウムやステンレス(SUS)、金、銀、銅、スズ、チタン合金、ニッケル合金等を用いることができる。また、金属層20は、金属箔や金属メッシュ(織物)、金属シート等の形態とすることができる。特に、第1の断熱層10や第2の断熱層11を構成する無機繊維と絡み合いやすく、熱伝達抑制シート1の積層構造が崩れにくく、シートの取り扱い性が向上することから、金属層20は金属メッシュであることが好ましい。
[組電池用熱伝達抑制シート]
本発明に係る組電池用熱伝達抑制シートは、その基本構造が図1に示した熱伝達抑制シート1と同様である。すなわち、図3に示すように、組電池用熱伝達抑制シート1Aは、第1の断熱層10Aと第2の断熱層11Aとの間に、金属層20Aを挟設した積層体である。
ただし、図1に示した熱伝達抑制シート1では、発熱体30と対向する第2の断熱層11の厚さD2を、第1の断熱層10の厚さD1よりも薄くすることにより、金属層20が、シート厚み方向における熱伝達抑制シート1の中央位置Cよりも、発熱体30に近い位置で挟設されるようにしている。これに対し、組電池用熱伝達抑制シート1Aでは、組電池において電池セル間に介在され、左右両隣のいずれの側の電池セルが熱暴走を起こして発熱体になるのか定かではないため、第1の断熱層10Aの厚さD3と、第2の断熱層11Aの厚さD4を同一にして、シート厚み方向における組電池用熱伝達抑制シート1Aの中央位置Cに金属層20Aが位置するようにする。これにより、電池セル間に組電池用熱伝達抑制シート1Aを介在させたときに、金属層20Aが電池セル間の中央に位置し、左右両隣の電池セルのいずれに対しても熱暴走への対応が可能になる。
なお、図示は省略するが、組電池用熱伝達抑制シート1Aにおいても、図2に示すように、金属層20Aの端部を第1の断熱層10A、及び第2の断熱層11Aの端面よりも外方に突出させて放熱を促進させ、組電池用熱伝達抑制シート1Aの熱伝達抑制効果を向上できる。また、組電池用熱伝達抑制シート1Aにおいても、金属層20Aの端部が、第1の断熱層10Aの端面、及び第2の断熱層11Aの端面の少なくとも一方から外方に突出するものであってもよい。
第1の断熱層10A、第2の断熱層11A、金属層20Aの各構成材料や製造方法は、熱伝達抑制シート1について上記した内容と同様であり、ここでは省略する。
[組電池]
本発明に係る組電池は、電池セル間に、上記の組電池用熱伝達抑制シート1Aを介在させたものである。具体的には、図4に示すように、組電池100は、複数個の電池セル101を並設し、直列又は並列に接続して電池ケース102に収容したものであり、電池セル101間に、組電池用熱伝達抑制シート1Aが介在されている。
組電池用熱伝達抑制シート1Aでは、第1の断熱層10Aと第2の断熱層11Aとが同じ厚さであるため、金属層20Aが組電池用熱伝達抑制シート1Aの厚み方向中央に位置している。したがって、組電池用熱伝達抑制シート1Aの左右両隣のいずれの電池セル101に対しても、熱暴走を起こした際の発熱に対する熱伝達抑制に効果的に対応することができる。
また、ある電池セル101においては、隣接する電池セル101からの押圧力が常時作用しているが、この押圧力に対する耐圧性も金属層20Aにより十分に付与される。
なお、図示は省略するが、第1の断熱層10Aや第2の断熱層11Aの各端面よりも金属層20Aの端部を外方に突出させて放熱を促進させることができる。
さらに、図5に示すように、隣接する金属層20A同士が、電池セル101を跨いで連結されていることが好ましい。隣接する金属層20A同士を連結するにあたっては、金属層20Aと同種で連結してもよく、又は異種の金属で連結してもよい。図5において、連結部分を符号21Aで示す。この連結部21Aにより金属層20Aの外気との接触面積が大きくなり、金属層20Aによる、シート厚み方向に垂直な方向への放熱効果がより高まる。なお、図示は省略するが、金属層20Aの端部が突出している場合には、端部の端面同士を連結するのがよい。
ところで、熱暴走を起こした電池セル101では、200℃を超えるような温度に急激に昇温する。上記した無機水和物の熱分解開始温度は、水酸化アルミニウムは約200℃、水酸化マグネシウムは約330℃、水酸化カルシウムは約580℃、水酸化亜鉛は約200℃、水酸化鉄は約350℃、水酸化マンガンは約300℃、水酸化ジルコニウムは約300℃、水酸化ガリウムは約300℃であり、いずれも熱暴走を起こした電池セル101の急激な昇温の温度範囲とほぼ重なり、温度上昇を効率よく抑えることができる。このことから、組電池用熱伝達抑制シート1Aにおいては、第1の断熱層10A及び第2の断熱層11Aの構成材料となる無機粒子として無機水和物が好ましいといえる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
(供試体の作製)
イビデン株式会社製「FLECS-V4.0」を所定形状に打ち抜き、厚さが7mmの第1の断熱材201、厚さが3.5mmの第2の断熱材202、厚さが0.7mmの第3の断熱材203、及び厚さが6.3mmの第4の断熱材204を作製した。
また、金属層210として、厚さ10μmのステンレス箔を用意した。
そして、図6に示すように、第1の断熱材201、第2の断熱材202、第3の断熱材203、第4の断熱材204及び金属層210を適宜積層し、熱伝達抑制シートとしての各種の供試体(供試体1~6)を作製した。なお、供試体1~6の構成は下記のとおりであり、いずれも断熱層の合計厚は同一であり(断熱層部分の厚さ:14mm)、供試体1~5は金属層210を含めた全厚も同一である。また、供試体6は、金属層210を有さない分だけ、供試体1~5よりも全厚が少し薄くなっている。
・供試体1:下層側から順に、「第1の断熱材201/第1の断熱材201/金属層210」となる積層体
・供試体2:下層側から順に、「第1の断熱材201/第4の断熱材204/金属層210/第3の断熱材203」となる積層体
・供試体3:下層側から順に、「第1の断熱材201/第2の断熱材202/金属層210/第2の断熱材202」となる積層体
・供試体4:下層側から順に、「第1の断熱材201/金属層210/第1の断熱材201」となる積層体
・供試体5:下層側から順に、「第2の断熱材202/金属層210/第2の断熱材202/第1の断熱材201」となる積層体
・供試体6:第1の断熱材201を2層に重ねた積層体
(熱伝達抑制効果の評価)
図6に示すように、各供試体1~6の上方にヒーター300を配置し、各供試体1~6における、ヒーター300と対向する面とは反対側の面(図6中、下面400)の表面温度を測定した。なお、各供試体1~6及びヒーター300は、断熱容器(断熱ブロック)に収容して外部からの熱の影響を排除している。
ヒーター300による加熱温度が600℃の場合の下面400の表面温度の測定結果を図7に、ヒーター300による加熱温度が800℃の場合の下面400の表面温度の測定結果を図8に、それぞれ示す。図7、図8ともに同様の傾向を示しており、金属層210の無い供試体6の下面400の表面温度が最も高く、シート厚み方向における熱伝達抑制効果が最も低くなっている。
次いで、ヒーター300と対向する表面に金属層210を積層した供試体1の下面400の温度が高く、シート厚み方向における熱伝達抑制効果が低くなっている。
金属層210の位置は、供試体2→供試体3→供試体4→供試体5の順に、ヒーター300から遠ざかっているが、ヒーター300に近いほど下面400の表面温度が低く、シート厚み方向における熱伝達抑制効果が高いことがわかる。
また、供試体4は、金属層210がシート厚み方向におけるシートの中央位置にあるが、これよりも金属層210がヒーター300から離れている供試体5の方が、シート厚み方向における熱伝達抑制効果が低くなっていることがわかる。
上記結果から、熱伝達抑制シートにおいて、第1の断熱層と第2の断熱層との間に金属層を挟設したもの(供試体2~5)が、金属層が無い場合(供試体6)や、金属層を有するものの熱源と対向する面に金属層を積層した場合(供試体1)に比べて、シート厚み方向における熱伝達抑制効果が大幅に向上することがわかる。また、金属層が、シート厚み方向におけるシートの中央位置よりも熱源に近い位置であれば(供試体2~3)、より高い熱伝達抑制効果が得られるといえる。
また、上記熱伝達抑制シートを組電池用熱伝達抑制シートに適用した場合、供試体4のように、シート厚み方向におけるシートの中央位置に金属層があれば、十分な熱伝達抑制効果が得られる。
1 熱伝達抑制シート
10 第1の断熱層
10a 第1の断熱層の端面
11 第2の断熱層
11a 第2の断熱層の端面
20 金属層
20a 金属層の端部
30 発熱体
1A 組電池用熱伝達抑制シート
10A 第1の断熱層
11A 第2の断熱層
20A 金属層
21A 連結部
100 組電池
101 電池セル
102 電池ケース

Claims (10)

  1. 発熱体に近接又は少なくとも一部が接触して設置される熱伝達抑制シートであって、
    第1の断熱層及び第2の断熱層を有し、
    前記第1の断熱層及び前記第2の断熱層の間に、金属層が挟設されており、
    前記金属層の端部が、前記第1の断熱層の端面及び前記第2の断熱層の端面の少なくとも一方から外方に突出している、
    熱伝達抑制シート。
  2. 前記第1の断熱層と前記第2の断熱層とは厚さが異なり、
    前記金属層が、シート厚み方向における前記シートの中央位置よりも前記発熱体側に位置する、請求項1に記載の熱伝達抑制シート。
  3. 前記金属層が、金属箔、金属メッシュ又は金属シートである、請求項1又は2に記載の熱伝達抑制シート。
  4. 前記金属層が、金属メッシュである、請求項に記載の熱伝達抑制シート。
  5. 複数の電池セルを直列又は並列に接続した組電池における、前記電池セル間に介在される組電池用熱伝達抑制シートであって、
    第1の断熱層及び第2の断熱層を有し、
    前記第1の断熱層及び前記第2の断熱層の間に、金属層が挟設されているとともに、
    前記金属層の端部が、前記第1の断熱層の端面及び前記第2の断熱層の端面の少なくとも一方から外方に突出しており、
    前記金属層が、シート厚み方向における前記シートの中央に位置する、
    組電池用熱伝達抑制シート。
  6. 前記金属層が、金属箔、金属メッシュ又は金属シートである、請求項5に記載の組電池用熱伝達抑制シート。
  7. 前記金属層が、金属メッシュである、請求項に記載の組電池用熱伝達抑制シート。
  8. 隣接する前記金属層同士が、前記電池セルを跨いで連結されている、請求項のいずれか1項に記載の組電池用熱伝達抑制シート。
  9. 複数の電池セルを直列又は並列に接続した組電池であって、請求項のいずれか1項に記載の組電池用熱伝達抑制シートを、前記電池セル間に介在させた、組電池。
  10. 隣接する前記金属層同士が、前記電池セルを跨いで連結されている、請求項に記載の組電池。
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