JP7332309B2 - コンクリート構造連結体およびコンクリート構造連結体の構築方法 - Google Patents

コンクリート構造連結体およびコンクリート構造連結体の構築方法 Download PDF

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Description

本発明は、プレストレスが導入される複数のコンクリート構造体からなるコンクリート構造連結体に関し、特に、継手による連結機構を有するコンクリート構造連結体に関する。コンクリート床版はコンクリート構造体の一例である。
舗装にはアスファルト舗装とコンクリート舗装がある。空港や港湾の舗装、道路のうち交差点の舗装など耐久性が求められる場合、コンクリート舗装が用いられる。コンクリート舗装には、現場打ちコンクリートによるものとコンクリート床版を敷設するものとがある。コンクリート床版は工場にて製作可能である。急速施工や品質保持の観点では、コンクリート床版が有利である。
コンクリート床版に荷重が作用すると、コンクリートに引張応力が作用し、クラック発生の原因となる。これに対し緊張材が配設されたコンクリート床版では、プレストレスを導入することによりクラック発生を抑制できる(特許文献1)。その結果、コンクリート床版の鉄筋量を減らしたり、コンクリート床版を薄くしたりできる。なお、緊張材を定着するために、原則として定着具機能が必要である。
ところで、コンクリート床版による舗装では、コンクリート床版同士の連結箇所に課題が発生することが多い。例えば、目地が開き目地から水が路盤へ浸透し、路盤が大量の水を含んだ状態で、大きな荷重が繰り返し作用すると、ポンピング現象により、路盤の細粒分が流出し、舗装下に空洞が生じる。コンクリート床版は支持力を失い、破損の原因となる。また、目地付近におけるコンクリート床版の微小変形が騒音の一因となるおそれもある。
これに対し、特殊な継手により、コンクリート床版同士を連結する技術が提案されている(特許文献2)。例えば、コッター式継手では、継手側面および受け受金具内壁面にテーパを設け、継手を受け受金具に挿入し固定することにより、連結箇所にプレストレスが導入される。この結果、コンクリート床版同士は確実に連結される。
特開2004-224633号公報 特開2001-214694号公報
上記プレストレスが導入されたコンクリート床版自体は優れた機能を有するものの、連結箇所(いわゆる目地)にて課題が発生する可能性がある。つまり、一枚の連結構造体ではない。上記プレストレスが導入されたコンクリート床版にコッター式継手等の連結機能を付加すれば、一枚の連結構造体となるものと思われる。
しかしながら、コンクリート床版において定着具機能と連結機能とを組み合わせる際に、これらを如何に組み合わせるか、具体的な構成は定まっていない。タイバーによる連結が一般的である。
本願発明者は、コンクリート床版において定着具機能と連結機能とを組み合わせるにあたり、全く新しい機能を付加することを企図した。
本発明は上記課題を解決するものであり、コンクリート構造体を連結する動作にともない、緊張材にプレストレスを付加することのできる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、緊張材が配設されたコンクリート構造体同士を連結して形成されるコンクリート構造連結体である。前記 前記コンクリート構造体端部に設けられる複数の受金具と、対向する前記受金具に挿入され、コンクリート構造体同士を連結する継手と、前記緊張材にプレストレスを導入する際に、前記緊張材を前記受金具に定着させる定着手段と、前記継手における挿入動作を前記緊張材における緊張動作に変換する動作変換手段と、を備える。
動作変換手段は継手における挿入動作を緊張材における緊張動作に変換する。これにより、継手を挿入し受金具に固定すると、連結とプレストレス付加が同時に行なわれる。このように、本発明は施工性に優れている。
上記発明において好ましくは、前記受金具は、前記継手の一部が挿入される平面開口部と、前記隣合うコンクリート構造体の受金具と対向する対向面部と、前記対向面部に設けられるスリットと、前記対向面部と受け金具内部において対向する妻側面部と、を有する。前記妻側面部の内壁は曲面部を有する。前記動作変換手段は、前記受金具妻側面部の曲面部に沿って摺動可能な回転円弧体であり、回転円弧体本体と、前記回転円弧体本体の一端にて前記継手挿入による押下を受ける押下受部と前記回転円弧体本体の他端にて、前記定着手段と前記受金具との間に介在される定着介在部とを有する。
回転円弧体本体の回動を介して、挿入動作が緊張動作に変換される。
上記発明において好ましくは、前記回転円弧体において、前記押下受部が押下を受けると、前記回転円弧体本体が前記受金具妻側面部の曲面部に沿って摺動し回動し、前記定着介在部が緊張方向に移動し、前記緊張材にプレストレスが付加される。
回転円弧体本体の回動を介して、挿入動作が緊張動作に変換される。
上記発明において好ましくは、前記定着介在部は、前記回転円弧体本体端面に曲面状に設けられ、前記定着手段の先端は前記定着介在部の曲面に沿って摺動可能である。
回転円弧体本体の回動に連動して、定着手段の先端は逆方向に回動する。その結果、緊張材の直進性は維持される。
上記発明において好ましくは、前記押下受部は、前記回転円弧体本体から前記継手側に延設されている。
これにより、継手下面が動作変換手段の押下受部を押圧する。
上記発明において好ましくは、前記継手と前記対向する受金具とはコッター式継手構造を形成する。
これにより、連結に伴い連結機構にもプレストレスが導入される。
前記コンクリート構造体はコンクリート床版である。
これにより、コンクリート床版は確実に連結され、連結構造体は一枚の大きな剛性平板して機能する。
上記課題を解決する本発明は、コンクリート構造連結体の構築方法である。前記緊張材によりプレストレスが導入される少なくとも2つのコンクリート構造体を対向させて配置し、前記対向する受金具に継手を挿入し、前記継手を挿入する力を前記動作変換手段に伝達し、前記動作変換手段を緊張材緊張方向に移動させることにより、前記定着手段を緊張材緊張方向に移動させ、前記緊張材にプレストレスを付加する。
上記課題を解決する本発明は、コンクリート構造体内に配設された緊張材にプレストレスを付加する緊張付加構造である。前記コンクリート構造体端部に設けられる金具と、前記緊張材にプレストレスを導入する際に、前記緊張材を前記受金具に定着させる定着手段と、外部動作を前記緊張材緊張動作に変換する動作変換手段と、を備える。前記金具は、前記外部動作が可能な平面開口部と、前記定着手段により緊張力を受ける定着面と、を有する。前記定着面の内壁は曲面部を有する。前記動作変換手段は、前記定着面の曲面部に沿って摺動可能な回転円弧体であり、回転円弧体本体と、前記回転円弧体本体の一端にて前記外部動作による押下を受ける押下受部と前記回転円弧体本体の他端にて、前記定着手段と前記受金具との間に介在される定着介在部とを有する。
本発明によれば、コンクリート構造体を連結する動作にともない、プレストレスを付加することができる。その結果、施工性に優れる。
なお、プレストレス付加には、プレストレスが導入されていない緊張材にプレストレスを導入する場合と、プレストレスが予め導入されている緊張材のプレストレスを増加する場合と、を含む。
コンクリート床版の概略斜視図および配筋図 連結構造体の概略平面図 連結機構および付帯構成を示す断面図 連結機構および付帯構成を示す斜視図 連結機構および周辺の構成を示す分解斜視図 受金具の詳細構成を示す部分断面斜視図 継手の概略斜視図 動作変換手段の概略斜視図 動作変換手段の動作説明図 動作変換手段の動作フロー図 動作変換手段の変形例に係る断面図 連結機構(コッター式継手構造)の動作説明図 受金具の定着具機能の変形例を示す部分断面概略斜視図 ボックスカルバートへの適用例に係る部分断面概略構成図

~コンクリート床版および連結構造体~
図1Aはコンクリート床版1の概略斜視図である。図1Bは、コンクリート床版1の配筋図である。図示の例は空港の駐機場、誘導路といった、比較的広い場所に用いられる。例えば、横幅が約2400ミリ、縦幅が15000ミリ、厚さ240ミリの平板である。道路用床版では、横幅が約1800ミリ、縦幅が5000ミリ、厚さ180ミリ程度である。コンクリートは20~60N(ニュートン)/cm2の強度を有する。剛性を確保するため鉄筋が配置されている。
コンクリート床版1の端部(四辺)には、複数の受金具3が設けられている。図示の例では、長辺方向20カ所、短辺方向3カ所、合計46箇所において受金具3が埋設されている。
さらに受金具3,3の間にて緊張材2が配設されている。工場にてプレストレスが導入されている場合と、工場ではプレストレスが導入されていない場合がある(詳細後述)。
図2は連結構造体10の概略平面図である。路盤を設け、路盤上に、所定幅の目地間隔を保ちながら、複数枚のコンクリート床版1を平面状に敷き並べる。コンクリート床版1,1が配設された状態にて、受金具3,3が対向する。受金具3,3と継手4とは連結機構5を構成する。
連結機構5を介して、隣り合うコンクリート床版1、1同士が確実かつ強固に連結され、連結構造体10が形成される。連結構造体10は一枚の大きな剛性平板として機能する。
~連結機構概略~
図3は連結機構5および付帯構成を示す断面図である。図4は連結機構5および付帯構成を示す斜視図である。図5は連結機構5および周辺の構成を示す分解斜視図である。
連結機構5は受金具3,3と継手4とから構成される。受金具3内には付帯的構成として、緊張材2にプレストレスを導入する際に、緊張材2を受金具3に定着させる定着具6と、継手4挿入動作を緊張材2緊張動作に変換する動作変換手段7が設けられている。
以下、受金具3、継手4、連結機構5、定着具6と、動作変換手段(回転円弧体)7の各構成について詳述する。
~受金具および継手~
図6は受金具3の詳細構成を示す部分断面斜視図である。
図示の例では、受金具3は略直方体状であり、平面開口部31と、4つの側面部32~35と、底面部36とを有する。
側面部(対向面部)32は、連結対象のコンクリート床版受金具と対向する。側面部(妻側面部)33は、連結対象のコンクリート床版受金具と対向する側と反対側にて、側面部32と対向する。側面部34,35は、側面部32,33の対向方向と直交方向にて、互いに対向する。
側面部32~35は底面部36の各辺から立設され、側面部32~35の上縁に囲まれる範囲は平面開口部31を形成する。
側面部32には図示上下方向に平面開口部31に連続するスリット37が設けられる。底面部36にはボルト穴38が設けられている。
側面部(妻側面部)33の内壁は曲面部131を有する。
本願受金具3は、継手受具機能と定着具機能とを有することを特徴とする。継手受具機能において、平面開口部31およびスリット37は継手4を係止するように受ける。定着具機能において、側面部33には孔が設けられ、緊張材2は当該孔を挿通する。緊張材2端部には定着具6が設けられ、回転円弧体7を介して、側面部33に定着する。
図7は継手4の概略斜視図である。継手4は平面視ダンベル形状を有する。すなわち二つの端部41,41と二つの端部41,41を連結する連結部42を有する。端部41,41にはそれぞれ2つの孔が設けられ、4つのボルト43は当該孔を挿通する。
2つの受金具3,3は、目地および対向面部32,32を介して対向している。一の継手端部41が一の受金具3の平面開口部31に挿入されるとともに、他の継手端部41が他の受金具3の平面開口部31に挿入される。スリット37,37に相当する空間には継手連結部42が挿入される。継手端部41,41は対向面部32,32に係止される。
ボルト43はボルト穴38に螺合される。これにより、継手4は受金具3,3内に固定され、連結機構5が形成される。
さらに、受金具3,3上面開口には蓋を装着して連結機構5を被蔽する。
受金具3,3の間には適切な間隔で目地が設けられている。グラウト注入により目地を形成してもよいし、樹脂製の目地材を介挿してもよい。
~回転円弧体および定着具~
図8は動作変換手段7の概略斜視図である。動作変換手段7は回転円弧体である。回転円弧体本体71に、押下受部72と定着介在部73が形成されている。
図示の例では、回転円弧体本体71は半円の筒状体である。半球であってもよい。円弧一端側に押下受部72が形成される面を有し、円弧他端側に定着介在部73が形成される面を有すればよい。
回転円弧体本体71は受金具側面部33内壁の曲面部131に対応する形状(曲面状)をしており、曲面部131に沿って摺動可能である。
押下受部72は、回転円弧体本体71の一端面から継手4位置側に棒状に延設されている。押下受部72先端側は、継手4挿入による継手4下面の押下を受けるように、フラット部を有する。
定着介在部73は、回転円弧体本体71の他端面に、半球窪み状に設けられている。半球ドーム状でもよいし、半円筒窪み状でもよいし、半円筒突状でもよい。定着介在部73は、定着具6と受金具3との間に介在される。定着介在部73中心部には孔が設けられている。
図3~5に戻り、緊張材2および定着具6について説明する。
緊張材2は、コンクリート床版1内に配設される。緊張材2は、受金具側面部33の孔、定着介在部73の孔を挿通する。緊張材2端部には定着具6が設けられている。
定着具6の先端61は、定着介在部73の半球窪み状に対応するように、半球ドーム状に形成される。定着具先端61は定着介在部73の曲面に沿って摺動可能である。
緊張材2を撚線とし定着具6を楔式としてもよいし、緊張材2を鋼棒とし定着具6を定着ナットとしてもよい。緊張材2は一般に鋼材が用いられるが、FRP等代替品を用いてもよい。
~動作変換~
図9は動作変換手段7の動作説明図である。図10は動作変換手段7の動作フロー図である。
ステップ1:コンクリート床版1,1が配設された状態にて、受金具3,3が対向し、継手4が上方から挿入される。これにより、連結機構5が形成される。さらに、連結機構5がコッター式継構造であれば、コンクリート床版1,1同士が互いに引き合うようなプレストレスが導入される。
ボルト螺合構造38,43により、継手4は徐々に下方に移動する。これに伴い、継手4下面が動作変換手段7の押下受部72を押圧する。
ステップ2:動作変換手段7において押下受部72が押下を受けると、回転円弧体本体71が受金具側面部33内壁の曲面部131に沿って摺動し図示反時計回りに回動する。これに伴い、定着介在部73も回動する。回動により定着介在部73は継手側に移動する。
ステップ3;定着介在部73が継手側に移動すると、定着具6が継手側(緊張方向側)に移動する。これに伴い、緊張材2が引っ張られ、緊張材2にプレストレスが付加される。本動作前にプレストレスが導入されていない場合は、緊張材2にプレストレスが導入される。本動作前(例えば工場出荷時)に予めプレストレスが導入されている場合は、緊張材2のプレストレスが増加する。
すなわち、回転円弧体本体71回動(ステップ2)を介して、継手4挿入による押圧(ステップ1)が緊張材2緊張(ステップ3)に変換されている。
~定着具先端および定着介在部動作~
上記実施形態においては、定着介在部73は回転円弧体本体71に半球窪み状に設けられ、定着具先端61は半球ドーム状に形成され、凹凸が対応している(図5等参照)。
この状態で、上記動作変換が行われると、回転円弧体本体71が受金具側面部33内壁の曲面部131に沿って摺動するのに連動して、定着手段先端61は定着介在部73の曲面に沿って逆方向に摺動する。
したがって、回転円弧体本体71回転に伴って緊張材2の配置方向が極端に曲げられることが抑制され、緊張材2の直進性は維持される。その結果、緊張材2の緊張力は確実に受金具3に伝達される。
~戻り抑止部~
上記実施形態において、更に戻り抑止部132,133を設けてもよい。
図6において、受金具側面部33内壁の曲面部131は、底面部36から一段下がって底面部36と連続する。段部において戻り抑止部132が形成される。
動作変換前に緊張材2に予めプレストレスが導入されている場合、プレストレスにより回転円弧体本体71が回動(図9における時計回り)しようとするが、回転円弧体本体71端部が戻り抑止部132に係止しており、回転円弧体本体71の回動が抑止される(図10のステップ1参照)。
図5において、金具3の上部および回転円弧体本体71の上部に、それぞれ孔が設けられている。戻り抑止部133は金具3の孔と回転円弧体本体71に孔に挿通される。図示の例では戻り抑止部133はピンである。
上記において、動作変換前に緊張材2に予めプレストレスが導入されている場合と、動作変換前に緊張材2に予めプレストレスが導入されていない場合とについて言及したが、いずれの場合でも、動作変換後にはプレストレスが発生している。プレストレスにより回転円弧体本体71が回動(図9における時計回り)しようとするが、戻り抑止部133を介して回転円弧体本体71端部が金具3に連結され、回転円弧体本体71の回動が抑止される(図10のステップ3参照)。
なお、動作変換後のプレストレスによる回転円弧体本体71回動誘発は、継手4を下方から持ち上げるように作用し、連結機構5にとっては好ましくない。戻り抑止部133が回転円弧体本体71回動誘発を抑止することにより、連結機構5による連結を確実にする。
~動作変換手段変形例~
図11Aは動作変換手段7の変形例1にかかる断面図である。上記実施形態における押下受部72は、回転円弧体本体71の一端面から継手4位置側に棒状に延設されている(図8参照)。
これに対し、変形例1では、押下受部72は回転円弧体本体71の一端面に半球ドーム状に設けられている。一方、受金具側面部33外壁下部には上から下に向かう方向に内側に収縮する(下から上に向かう方向に外側に拡幅する)テーパが設けられている。
継手4が受金具3,3に挿入されると、受金具3の下部テーパが押下受部72の半球ドーム状に当接する。これにより、継手4が押下受部72を押圧する。
さらに、テーパ上部には頂部が設けられ、下から上に向かう方向に内側に収縮する逆テーパが設けられている。
押下受部72の半球ドーム状が頂部を超えると、動作変換後のプレストレスによる回転円弧体本体71の回動(図9における時計回り)が誘発されても、押下受部72の半球ドーム状は頂部を超えて戻りにくい。また、動作変換後のプレストレスによる回転円弧体本体71回動誘発は、継手4を斜め下方(斜め横方向)から持ち上げるように作用する。上記実施形態における連結機構5への影響が緩和される。すなわち、変形例1における頂部は戻り抑止部として機能する。
図11Bは動作変換手段7の変形例2にかかる断面図である。上記実施形態における回転円弧体本体71は、半円筒状体(または半球)(円弧の中心角およそ180度)である(図8参照)。
これに対し、変形例2では、回転円弧体本体71は、円弧の中心角およそ270度の円筒状体(または3/4球)である。さらに押下受部72は回転円弧体本体71の一端面に半球ドーム状に設けられている。一方、受金具底面部36下部には窪み状半球が設けられている。
継手4が受金具3,3に挿入されると、受金具底面部36下部の窪み状半球が押下受部72の半球ドーム状に当接する。これにより、継手4が押下受部72を押圧する。
球面と球面による押圧構造であるため、押下により回転円弧体本体71が回動(図9における反時計回り)しても、押圧構造は維持される。
曲面と曲面による押圧構造としてもよい。また、凹凸関係を逆としてもよい。すなわち受金具底面部36下部の半球ドーム状が押下受部72の半球窪み状に当接する。
また、変形例1および変形例2において、継手4が定着具6を内包可能なように、継手4は馬蹄形状を有する。
~コッター式継手構造~
連結機構5がコッター式継構造でなくとも動作変換手段7は作動(押下→緊張)するが、連結機構5がコッター式継構造であるとなおよい。なお、図3~10にはコッター式継構造が記載されている。
コッター式継手4は、二つの端部41,41に上から下に向かう方向に互いに離れるようなテーパ44,44が形成されている。テーパ44,44は雌の楔状を形成する。受金具3,3の側面部32,32内壁にも、上から下に向かう方向に互いに離れるようなテーパ39,39が設けられている。テーパ39,39は雄の楔状を形成する。テーパ44,44による雌の楔状とテーパ39,39による雄の楔状とが対応している。
図12Aはコッター式継手4挿入前の状態を示し、図12Bはコッター式継手4挿入およびボルトによる螺合後の状態を示す。
コッター式継手4を受金具3,3に挿入すると、テーパ39,39による雄の楔状がテーパ44,44による雌の楔状に食い込む。これにより受金具3,3間には互いに引き合うようなプレストレスが導入される。ボルト43,43がボルト穴38,38に螺合されているため、楔が抜けることはない。強固な連結機構5が形成される。
~受金具定着具機能変形例~
図13は受金具3の定着具機能の変形例を示す部分断面概略斜視図である。上記実施形態において1本の緊張材2が受金具3に定着するとともに、定着介在部73は回転円弧体本体71の端面中央に設けられている(図5参照)。
これに対し、変形例では、2本の緊張材2,2が受金具3に定着するとともに、定着介在部73,73は回転円弧体本体71の端面両側に設けられている。
1つの継手4挿入(押圧)動作が、2本の緊張材2,2緊張動作に変換される。これにより現場での施工性がさらに向上する。
~コンクリート構造体および連結体~
上記実施形態において示したコンクリート床版はコンクリート構造体の代表例である。本願発明を他のコンクリート構造連結体に適用しても良い。連結されるコンクリート構造体としてボックスカルバートがある。
図14は、ボックスカルバートへの適用例に係る部分断面概略斜視図である。ボックスカルバートの端部には、複数の受金具3が設けられている。さらに受金具3,3の間にて緊張材2が配設されている。
所定幅の目地間隔を介して、ボックスカルバート同士を対向するように並べる。対向する受金具3,3と継手4とは連結機構5を構成する。
連結機構5を介して、隣り合うボックスカルバート同士が確実かつ強固に連結される。
受金具3内には定着具6と、動作変換手段7が設けられている(図5参照)。動作変換手段7は継手4挿入動作を緊張材2緊張動作に変換する。
これにより緊張材2にプレストレスが付加される。動作変換前にプレストレスが導入されていない場合は、緊張材2にプレストレスが導入される。動作変換前(例えば工場出荷時)に予めプレストレスが導入されている場合は、緊張材2のプレストレスが増加する。
~まとめ~
本願発明者は、コンクリート構造体において定着具機能と連結機能とを組み合わせることを企図した。単に定着具機能と連結機能とを組み合わせるだけでなく、動作変換手段7を付加した。
動作変換手段7は継手4挿入動作を緊張材2緊張動作に変換する。すなわち、継手4を挿入し受金具3に固定すると、連結とプレストレス付加が同時に行なわれる。このように、本願コンクリート構造連結体は施工性に優れている。
~連結以外の適用例~
上記実施形態においては、継手4による連結にともない動作変換手段7が作動することを前提に説明したが、動作変換手段7は単独(連結以外)でも作動する。
ところで、一般的な緊張材の緊張作業においては、緊張材の延長方向に治具を設置し、緊張材を延長方向に引っ張り、定着させ、プレストレスを導入する。
しかしながら、施工条件が厳しい現場では、充分な施工スペースを確保できない場合がある。
動作変換手段7は上方(緊張材直交方向)からの外力を緊張材2緊張動作に変換できる。これにより、側方に施工スペースを確保できなくとも、上方に施工スペースを確保できれば、プレストレスを導入することができる。
すなわち、動作変換手段7は単独で全く新しい緊張付加構造を提供できる。
1 コンクリート床版
2 緊張材
3 受金具(継手受金具)
4 継手
5 連結機構
6 定着具
7 動作変換手段
10 連結構造体
31 平面開口部
32 側面部
33 側面部
34 側面部
35 側面部
36 底面部
37 スリット
38 ボルト穴
39 テーパ
41 継手端部
42 継手連結部
43 ボルト
44 テーパ
71 回転円弧体本体
72 押下受部
73 定着介在部
131 内壁曲面部
132 戻り抑止部
133 戻り抑止部

Claims (8)

  1. 緊張材が配設されたコンクリート構造体同士を連結して形成されるコンクリート構造連結体であって、
    前記コンクリート構造体端部に設けられる複数の受金具と、
    対向する前記受金具に挿入され、コンクリート構造体同士を連結する継手と、
    前記緊張材にプレストレスを導入する際に、前記緊張材を前記受金具に定着させる定着手段と、
    前記継手における挿入動作を前記緊張材における緊張動作に変換する動作変換手段と、
    を備え、
    前記受金具は、
    前記継手の一部が挿入される平面開口部と、
    前記隣合うコンクリート構造体の受金具と対向する対向面部と、
    前記対向面部に設けられるスリットと、
    前記対向面部と受け金具内部において対向する妻側面部と、
    を有し、
    前記妻側面部の内壁は曲面部を有し、
    前記動作変換手段は、
    前記受金具妻側面部の曲面部に沿って摺動可能な回転円弧体であり、
    回転円弧体本体と、
    前記回転円弧体本体の一端にて前記継手挿入による押下を受ける押下受部と、
    前記回転円弧体本体の他端にて、前記定着手段と前記受金具との間に介在される定着介在部と、
    を有する
    ことを特徴とするコンクリート構造連結体。
  2. 前記回転円弧体において、
    前記押下受部が押下を受けると、
    前記回転円弧体本体が前記受金具妻側面部の曲面部に沿って摺動し回動し、
    前記定着介在部が緊張方向に移動し、
    前記緊張材にプレストレスが付加される
    ことを特徴とする請求項1記載のコンクリート構造連結体。
  3. 前記定着介在部は、前記回転円弧体本体端面に曲面状に設けられ、
    前記定着手段の先端は前記定着介在部の曲面に沿って摺動可能である
    ことを特徴とする請求項1または2記載のコンクリート構造連結体。
  4. 前記押下受部は、前記回転円弧体本体から前記継手側に延設されている
    ことを特徴とする請求項1~3いずれか記載のコンクリート構造連結体。
  5. 前記継手と前記対向する受金具とはコッター式継手構造を形成する
    ことを特徴とする請求項1~4いずれか記載のコンクリート構造連結体。
  6. 前記コンクリート構造体はコンクリート床版である
    ことを特徴とする請求項1~5いずれか記載のコンクリート構造連結体。
  7. 請求項1記載のコンクリート構造連結体の構築方法であって、
    前記緊張材によりプレストレスが導入される少なくとも2つのコンクリート構造体を対向させて配置し、
    前記対向する受金具に継手を挿入し、前記継手を挿入する力を前記動作変換手段に伝達し、
    前記動作変換手段を緊張材緊張方向に移動させることにより、前記定着手段を緊張材緊張方向に移動させ、
    前記緊張材にプレストレスを付加する
    ことを特徴とするコンクリート構造連結体の構築方法。
  8. コンクリート構造体内に配設された緊張材にプレストレスを付加する緊張付加構造であって、
    前記コンクリート構造体端部に設けられる金具と、
    前記緊張材にプレストレスを導入する際に、前記緊張材を前記受金具に定着させる定着手段と、
    外部動作を前記緊張材緊張動作に変換する動作変換手段と、
    を備え、
    前記金具は、
    前記外部動作が可能な平面開口部と、
    前記定着手段により緊張力を受ける定着面と、
    を有し、
    前記定着面の内壁は曲面部を有し、
    前記動作変換手段は、
    前記定着面の曲面部に沿って摺動可能な回転円弧体であり、
    回転円弧体本体と、
    前記回転円弧体本体の一端にて前記外部動作による押下を受ける押下受部と
    前記回転円弧体本体の他端にて、前記定着手段と前記受金具との間に介在される定着介在部と
    を有する
    ことを特徴とする緊張付加構造。
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