JP5331268B1 - 引張抵抗機能付きせん断力伝達用定着装置 - Google Patents

引張抵抗機能付きせん断力伝達用定着装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5331268B1
JP5331268B1 JP2013509357A JP2013509357A JP5331268B1 JP 5331268 B1 JP5331268 B1 JP 5331268B1 JP 2013509357 A JP2013509357 A JP 2013509357A JP 2013509357 A JP2013509357 A JP 2013509357A JP 5331268 B1 JP5331268 B1 JP 5331268B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
main
additional
fixing
tensile
fixing material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013509357A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2014006780A1 (ja
Inventor
等 塩原
芳生 井上
貴志 佐藤
康衛 八木沢
健治 横田
功治 岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kse Network
Original Assignee
Kse Network
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kse Network filed Critical Kse Network
Priority to JP2013509357A priority Critical patent/JP5331268B1/ja
Priority claimed from PCT/JP2012/083399 external-priority patent/WO2014006780A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5331268B1 publication Critical patent/JP5331268B1/ja
Publication of JPWO2014006780A1 publication Critical patent/JPWO2014006780A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Bridges Or Land Bridges (AREA)
  • Joining Of Building Structures In Genera (AREA)
  • Reinforcement Elements For Buildings (AREA)
  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)

Abstract

【課題】水平力の作用時に独立して挙動し得る主構造体と付加構造体との間に跨って設置され、主構造体と付加構造体との間で、両構造体が互いに対向する方向に直交する方向のせん断力を伝達する定着装置に引張力に対する抵抗機能を付与し、曲げモーメントを伝達させながら、せん断力と引張力を伝達させる一般的な接合部への適用を可能にする。
【解決手段】主構造体7中の、付加構造体8との境界面から距離を置いた位置に定着される主定着材2と、主構造体7と付加構造体8との境界に主構造体7と付加構造体8との間に跨って配置されるせん断抵抗材3と、付加構造体8中の、主構造体7との境界面から距離を置いた位置の、主定着材2とせん断抵抗材3を通る線上に定着される付加定着材4と、主定着材2と付加定着材4との間に、せん断抵抗材3を貫通して架設され、主定着材2と付加定着材4に接続される引張材5から定着装置1を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は例えば既存コンクリート造の構造体とこれに接して構築される新設コンクリート造の構造体、あるいは構造物の主体となる構造体とそれに接して付加的に構築される構造体等、互いに接触した状態で構築される等により隣接し、水平力の作用時に独立して挙動し得る主構造体と付加構造体との間に跨って設置され、主構造体と付加構造体との間で、両構造体が互いに対向する方向に直交する方向のせん断力を伝達する定着装置に引張力に対する抵抗機能を付与した引張抵抗機能付きせん断力伝達用定着装置に関するものである。
例えば既存コンクリート造構造体(旧構造体)の耐震性を補う目的で新設のコンクリート造構造体(新構造体)を構築する場合、新設の構造体(付加構造体)はその耐震補強の目的から、既存の構造体(主構造体)との間で地震時のせん断力が伝達されるように既設の構造体(主構造体)に接合される(特許文献1〜3参照)。
一方、例えば曲げ剛性(固有振動数)の相違等に起因して水平力の作用時に付加構造体(新構造体)と主構造体(旧構造体)が互いに独立して挙動する場合には、主構造体の変形に追従する(引き摺られる)形で付加構造体が強制的に変形することになるが、この両構造体の変形時には各躯体の対向する面間に相対的な回転変形が発生し得る。
主構造体の変形に追従することによる付加構造体の変形は両構造体が対向する方向に主構造体が曲げ変形するときに発生するから、主構造体と付加構造体間の相対的な回転変形は両構造体が対向する面(構面内方向)に平行な水平軸の回りに生ずる。
このとき、主構造体と付加構造体の接合部には両構造体が対向する面(境界面)に平行な水平軸回りの曲げモーメントが作用し、曲げモーメントの中立軸に関して一方側の断面に引張力が作用し、他方側の断面に圧縮力が作用する。引張力と圧縮力は付加構造体が主構造体に対して正負の向きに変形する度に交互に向きを変えて作用するから、中立軸の一方側と他方側には引張力と圧縮力が交互に繰り返して作用する。
また、例えば固有振動数の相違する主構造体と付加構造体がそれぞれの振動の腹に相当する部分で接合されるような場合には、接合部は双方の構造体の振幅が最も大きい箇所になるから、接合部においては両構造体が互いに接近する向きと遠ざかる向きに交互に相対変位しようとするため、接合部には引張力と圧縮力が交互に作用する。
引張力と圧縮力が交互に作用する状況は、主構造体と付加構造体が互いに接触した状態で接合される接合部全般に発生し得る。例えば主構造体と付加構造体の各上部構造が曲げ変形するときには、それぞれの基礎は上部構造の曲げ変形を抑制するように曲げモーメントを負担するから、付加構造体が基礎を伴う場合の、主構造体の基礎と付加構造体の基礎同士の接合部にも引張力と圧縮力が作用する可能性がある。
このように互いに接触した状態にあり、曲げモーメントの伝達が起こり得る構造体同士の接合部に対し、例えば上部構造の基礎と基礎を支持する杭の頭部との接合部のように両者間で曲げモーメントを伝達させない構造を採用した接合部では、基礎と杭頭部に曲げモーメントに伴う引張力を作用させないようにすることは可能である。但し、基礎は水平力の負担時に杭頭部から浮き上がりを生ずることなく、水平力を杭頭部に伝達する必要があるから、少なくとも杭の軸方向の引張力と水平せん断力の伝達が可能な状態に杭頭部に接合されなければならない(特許文献4参照)。
特許第4038472号公報(段落0067、0080、図11、図12) 特許第4230533号公報(段落0081〜0083、図6、図7) 特許第4628491号公報(請求項1〜3、段落0017〜0056、図1、図3、図4、図8〜図11) 特開2002−070036号公報(請求項1、段落0004〜0006、0045〜0057、図1〜図4)
特許文献4では基礎と杭頭部との接合部において曲げモーメントの伝達による杭頭部の断面増大を回避する目的から、ある程度の相対的な回転が生ずる構造になっているが、地震時の水平力と基礎に働く引き抜き力を杭に伝達するために、接合部に配置される応力伝達装置にせん断力と引張力に対する抵抗力を併せ持たせている。
しかしながら、特許文献4のように曲げモーメントを伝達しない状態に基礎と杭頭部を接合する場合、基礎と杭頭部は相対的な回転変位が許容される状態に接合される必要から、基礎に固定される部材と杭頭部に固定される部材との間には水平方向にクリアランスが確保されるため(図1〜図4、段落0057)、クリアランスの範囲ではせん断力(水平力)が伝達されなくなる。
また特許文献4のようにクリアランスの形成によって構造体間の相対的な回転変位を許容する接合部は、独立して挙動し得る構造体間で曲げモーメントを伝達させない構造である以上、上記した主構造体と付加構造体との間のように互いに接触した状態で構築され、曲げモーメントの伝達を前提にする構造体間へは適用が効かない。従って特許文献4の構造は基礎と杭頭部の接合部特有の構造に留まり、一般的な接合部に応用(展開)できる内容を備えていない。
本発明は上記背景より、独立して挙動し得る、隣接する構造体間のような、曲げモーメントを伝達させながら、せん断力と引張力を伝達させる一般的な接合部への適用が可能な構造の引張抵抗機能付きせん断力伝達用定着装置を提案するものである。
請求項1に記載の発明の引張抵抗機能付きせん断力伝達用定着装置は、互いに接触した状態で隣接し、水平力の作用時に独立して挙動し得る主構造体と付加構造体との間に跨って設置され、前記主構造体と前記付加構造体との間で、これら両構造体が互いに対向する方向に直交する方向のせん断力を伝達する定着装置であり、
前記主構造体中の、前記付加構造体との境界面から距離を置いた位置に定着される主定着材と、前記主構造体と前記付加構造体との境界に前記主構造体と前記付加構造体との間に跨り、前記境界面に接触した状態で配置され、前記主構造体と前記付加構造体の相対的な変位時にせん断力を負担するせん断抵抗材と、前記付加構造体中の、前記主構造体との境界面から距離を置いた位置の、前記主定着材と前記せん断抵抗材を通る線上に定着される付加定着材と、前記主定着材と前記付加定着材との間に、前記せん断抵抗材を貫通して架設され、前記主定着材と前記付加定着材に接続され、前記主定着材と前記付加定着材との間の距離が拡大しようとするときに引張力を負担する引張材とを備え
前記引張材の軸方向に見たときに、前記せん断抵抗材の、前記主構造体と前記付加構造体との前記境界面に接触した部分は複数本の前記引張材が挿通可能な面積を持ち、
前記引張材の軸方向に見たときに、前記主定着材は前記せん断抵抗材と同等の投影面積を持ち、
前記主定着材は前記主定着材と前記せん断抵抗材とに挟まれた領域の硬化体に、前記引張材の軸方向に前記せん断抵抗材と対になって圧縮力を付与する状態にあることを構成要件とする。
「主構造体と付加構造体が水平力の作用時に互いに独立して挙動する」ことは、主に主構造体と付加構造体が対向する方向に独立して曲げ変形することを言い、主構造体と付加構造体との間にせん断力が作用する、主構造体と付加構造体が対向する方向に直交する方向への相対変形(相対変位)を伴う場合を含む。主構造体と付加構造体との間に作用するせん断力は主構造体と付加構造体が対向する方向に直交する方向へ相対変形(相対変位)するときに生ずる力を指し、水平方向のせん断力とは限らない。
主構造体と付加構造体との間に作用する引張力は主に主構造体と付加構造体が独立して曲げ変形するときに、接合部に作用する曲げモーメントに伴う引張力と、単純に主構造体と付加構造体が互いに遠ざかる向きに変形するときの引張力を含む。後者の引張力は固有振動数の相違する主構造体と付加構造体がそれぞれの振動の腹に相当する部分で接合されているような場合に生ずる。
主構造体と付加構造体は主として鉄筋コンクリート造構造物の一部であるが、一部が無筋コンクリートやモルタル等の場合もある。主構造体は例えば既存のコンクリート造構造物全般を、付加構造体は既存のコンクリート造構造物の表面に接触した状態で付加的に(新設で)構築されるコンクリート造構造物全般を指すが、主構造体と付加構造体が共に新設構造物である場合もある。主構造体と付加構造体は建築構造物と土木構造物の双方を含み、建物の柱、梁、スラブ、基礎等の他、橋梁の橋桁、橋脚、フーチング等が該当する。
「互いに接触した状態で隣接する」とは、主構造体と付加構造体が互いに接触した状態で構築されるか、設置される等、主構造体と付加構造体同士が結果的に互いに接触した関係であれば、主構造体と付加構造体の各構造と接合部位を問わない趣旨である。付加構造体が主構造体と同様の構造体である場合には、接合部位は例えば新旧のスラブ同士、梁(桁)同士、柱同士、基礎同士等、あるいは付加構造体の構築位置等に応じ、これらの任意の組み合わせ等になり、基礎と杭との接合部も含まれる。
付加構造体が主構造体に対する耐震(制震)補強の役目を持つ場合には、主構造体のいずれかの部位の表面に付加構造体のスラブや梁等が接合された状態で構築される。主構造体に対する付加構造体の構築の時期も問われず、付加構造体が構築される時期は主構造体と付加構造体の打ち継ぎのように主構造体の構築直後に付加構造体を構築する場合の他、主構造体の構築が完了し、使用期間中に主構造体に対する補強の必要性が発生したとき等になる。
主構造体中に位置する主定着材は主構造体中に定着(埋設)され、付加構造体中に位置する付加定着材は付加構造体中に定着(埋設)される。主定着材が定着される「主構造体中の、付加構造体との境界面から距離を置いた位置」とは、両構造体が対向する方向に、主構造体と付加構造体の境界面から主構造体側へ入り込んだ位置であり、付加定着材が定着される「付加構造体中の、主構造体との境界面から距離を置いた位置」は主構造体と付加構造体の境界面から付加構造体側へ入り込んだ位置である。「付加定着材は主定着材とせん断抵抗材を通る線上に定着される」から、せん断抵抗材は主定着材と付加定着材を結ぶ直線上の中間部に位置する。
せん断抵抗材は主構造体と付加構造体との境界に主構造体と付加構造体との間に跨って配置されることで、主構造体と付加構造体の相対的な変位時に、その相対変位の方向のせん断力を負担する。相対的な変位の方向は両構造体が対向する方向に直交する全方向を含み、水平方向には限られない。「跨って配置される」とは、主構造体と付加構造体のそれぞれの側に定着、あるいは埋設される部分を持ち、双方に定着されることを言う。付加構造体が主構造体に対して境界面に平行に相対変位しようとするときには、主構造体への定着部(後述の本体部であることもある)が主構造体から反力を受けることで、せん断抵抗力を発揮し、付加構造体の主構造体に対するズレ変形を防止する。
詳しく言えば、せん断抵抗材3は図1に示すように主構造体7と付加構造体8が互いに対向する方向に軸方向(後述の「挿通孔3a」の軸方向)を向けた状態で、主構造体7と付加構造体8のいずれか一方の構造体に定着される定着部31と、それに連続し、他方に定着される本体部32の2部分からなり、定着部31はその側の構造体(コンクリート)に表面側から形成された溝7bに嵌入する。
定着部31は図1に示すように本体部32の周囲寄りの位置に周方向に連続して、もしくは断続的に形成(突設)され、全体的には環状に形成される。定着部31のいずれかの部分がせん断力を負担したときに荷重を定着部31全体に分散させる上では、定着部31は連続的に形成される。「断続的に形成」とは、定着部31が波形状に形成される場合のように定着部31の深さが周方向に変化するようなことを言う。
定着部31と本体部32がそれぞれの側の構造体に定着されることにより、地震時等に一方の構造体(主構造体7)と他方の構造体(付加構造体8)の双方の接触面(境界面)が平行な状態のまま、その接触面に平行な方向の相対変位(ズレ変形)が生じようとするときに、せん断抵抗材3は両構造体(付加構造体7と主構造体8)間のせん断力を伝達する。
主構造体7と付加構造体8との境界面が鉛直面である図1の場合で言えば、せん断抵抗材3を軸方向に直交する方向(図1の方向等)に見たときに、せん断抵抗材3が2方向(水平方向と鉛直方向)に同等の長さ(投影面積)を持った形状(立体形状)をし、図1に示す主定着材2のように球面状等、軸方向に直交する方向に方向性のない形状をしていれば、鉛直方向のせん断力も伝達可能ではある。ここで、一方の構造体(主構造体7)と他方の構造体(付加構造体8)が独立して挙動し、接合部(主構造体7と付加構造体8の境界面)に曲げモーメントが作用するときに、せん断抵抗材3が両構造体7、8の対向する面間に、水平軸回りの相対的な回転変形を生じさせる機能を発揮する場合には、本体部32の付加定着材4側の表面は図1に示す主定着材2のせん断抵抗材3側の表面のように両構造体7、8の相対的な回転変形を阻害しない球面状、曲面状等、凸の立体形状に形成される。
「両構造体の相対的な回転変形を阻害しない形状」とは、せん断抵抗材3の定着部31がその側の構造体7に定着された状態のまま、本体部32側の構造体8が、凸の形状をしている本体部32の表面に沿い、定着部31側の構造体7に対して相対的に回転変形し得る形状をすることを言う。「本体部32の表面に沿って回転変形する」とは、例えば一方の構造体(主構造体7)と他方の構造体(付加構造体8)の接触面に平行な水平方向に見たときに、他方の構造体(付加構造体8)が一方の構造体(主構造体7)に対して本体部32の表面に沿い、滑りを生ずるように回転することを言う。
せん断抵抗材3は前記のように定着部31において一方の構造体(主構造体7)中に定着され、本体部32において他方の構造体(付加構造体8)に埋設されることにより他方の構造体8から受ける、後述の引張材5の軸に直交する方向のせん断力を一方の構造体7に伝達する。あるいは逆に一方の構造体7から受けるせん断力を他方の構造体8に伝達する。定着部31は前記のように一方の構造体7の他方の構造体8側の面(境界面)から形成された溝7bに入り込み(嵌入し)、溝7b内にモルタル、接着剤等の充填材が充填されることにより一方の構造体7に定着される。
図1ではせん断抵抗材3の定着部31が主構造体7に嵌入して定着され、本体部32が付加構造体8に埋設されている様子を示しているが、定着部31が図1における付加構造体8に嵌入して定着され、本体部32が主構造体7に埋設されることもある。いずれの場合も、主構造体7内に定着される主定着材2と、主構造体7と付加構造体8との境界に配置されるせん断抵抗材3とに挟まれた領域には、せん断力を負担するせん断抵抗材3の定着部31、もしくは本体部32からせん断力が伝達されることがある。以下では主定着材2とせん断抵抗材3とに挟まれた領域を便宜的に「硬化体6」と呼称する。
主定着材2とせん断抵抗材3とに挟まれた領域の「硬化体6」にせん断抵抗材3からせん断力が伝達されることは、「硬化体6」内に定着部31と本体部32のいずれかが定着(埋設)されることによって発生する。「硬化体6」は主構造体7が既存構造物である場合には、主構造体7中への主定着材2とせん断抵抗材3の配置後に充填材の充填により形成され、主構造体7が新設構造物である場合には、主構造体7の構築時に体を構成するコンクリート(鉄筋コンクリート)やモルタル等になる。既存であるか新設であるかを問わず、硬化体6はコンクリート、モルタル、接着剤等であり、主に硬化することにより圧縮強度を発現するセメント系の材料を指すが、有機系の接着剤も含まれる。
せん断抵抗材3の定着部31が図1に示すように主構造体7側を向く場合で、硬化体6の断面内に納まる位置に形成され、硬化体6中に埋設される場合に、定着部31から硬化体6にせん断力が伝達される。定着部31が硬化体6の断面の範囲外に位置するように形成される場合には、定着部31は硬化体6中には埋設されずに溝7bに納まるため、定着部31から硬化体6には直接的にはせん断力は伝達されないが、間接的に伝達される。定着部31が付加構造体8側を向く場合は、本体部32の少なくとも一部が硬化体6中に埋設されるため、その埋設部分から硬化体6にせん断力が伝達される。
せん断抵抗材3の定着部31と本体部32のいずれかの少なくとも一部が硬化体6中に埋設される場合に、付加構造体8の主構造体7に対する相対変位に伴い、せん断抵抗材3がせん断力を負担し、せん断抵抗材3から主構造体7にせん断力が伝達されるときに、硬化体6にもせん断力の一部が伝達される。図1に示すようにせん断抵抗材3の定着部31の外周面が主構造体7の躯体に接し、定着部31の内周面が硬化体6に接している状況のときには、定着部31の外周面から主構造体7の躯体にせん断力が伝達され、内周面から硬化体6にせん断力が伝達される。
せん断抵抗材3を軸方向に見たときの中心部等には本体部32を軸方向に貫通し、両構造体7、8に定着される引張材5が挿通するための挿通孔3aが形成される。この挿通孔3aに、付加構造体8の主構造体7に対する相対変位時にせん断抵抗材3にせん断力を作用させながら、主構造体7と付加構造体8との間に作用する曲げモーメントに起因する引張力を主構造体7と付加構造体8との間に作用させる引張材5が挿通する。主構造体7と付加構造体8との間には主構造体7と付加構造体8が対向する方向に相対変位するときにも、引張力が圧縮力と交互に直接的に作用する。
引張材5は付加構造体8内において付加定着材4に接続され、主構造体7内において主定着材2に接続されることで、例えば付加構造体8が主構造体7に対して曲げ変形しようとするときに、付加定着材4から作用する曲げモーメントに起因する引張力、または上記の直接的な引張力を負担し、主定着材2に伝達する。主構造体7が付加構造体8に対して曲げ変形しようとするときには、主定着材2から引張材5を通じて付加定着材4に引張力が伝達される。付加定着材4から主定着材2に引張力が伝達される状況と、主定着材2から付加定着材4に引張力が伝達される状況は交互に発生する。
引張材5はまた、せん断抵抗材3の挿通孔3aを挿通し、主構造体7と付加構造体8に跨った状態で配置され、両端部に主構造体7と付加構造体8に定着される主定着材2と付加定着材4が接続されることで、せん断力の作用方向には、せん断抵抗材3と共に、付加構造体8(主構造体7)から受けるせん断力を主構造体7(付加構造体8)に伝達する働きをする。付加的に、引張材5はせん断抵抗材3によるせん断力伝達能力を補うと共に、主構造体7と付加構造体8間の相対的な回転変形後の復元機能も発揮する。
引張材5はせん断抵抗材3を挟んだ両側において主構造体7と付加構造体8のそれぞれに定着された状態を維持することで、弾性範囲内で曲げ変形することにより、あるいは曲げ変形と伸び変形を生ずることにより、前記曲げモーメントの作用方向には、曲げモーメントを負担しながら、主構造体7と付加構造体8間の相対的な回転変形時に追従する。引張材5が弾性範囲内で曲げ変形することで、両構造体7、8の相対的な回転変形に追従し、回転変形が終息した後には、変形を復元させようとするばねの働きをする。引張材5の軸方向両端部の主定着材2と付加定着材4は主構造体7と付加構造体8のそれぞれに定着された状態を維持するから、引張材5の変形が伸び変形を伴う場合は主構造体7と付加構造体8の分離を抑制(制限)する働きもする。
引張材5には主に鉄筋、ボルト(アンカーボルト)、棒鋼等、棒状の鋼材が使用されるが、繊維強化プラスチック等も使用される。引張材5にボルト、あるいはねじの切られた鉄筋を使用した場合、引張材5には引張材5をせん断抵抗材3に緊結するためのナット33が付属することもある。図1ではナット33をせん断抵抗材3の付加定着材4側にのみ配置しているが、ナット33はせん断抵抗材3を挟んだ両側に配置されることもある。ナットが引張材5の軸方向端部に接続された場合、そのナット41は付加定着材4と共に構造体7、8中での定着効果(引き抜き抵抗力)を確保する働きをする。ナット33がせん断抵抗材3に接触する位置に接続された場合には、引張材5のせん断抵抗材3に対する位置が変動しないように引張材5をせん断抵抗材3に接合(規制)する働きをする。本体部32の挿通孔3aは本体部32の中央部等に形成されるが、必ずしも本体部32の中央部に1箇所である必要はなく、複数個形成されることもある。
引張材5はその軸に直交する方向のせん断力に対する抵抗要素として機能するときには、引張材5のせん断力作用方向への投影面積分の抵抗力が定着部32のせん断抵抗力に加算される。引張材5にせん断力に対する抵抗要素としての機能を期待する場合には、その期待すべきせん断抵抗力に応じた径(太さ)と長さが与えられる。
引張材5はせん断抵抗材3に形成された挿通孔3aに螺合することにより、もしくは挿通孔3aに単純に挿通し、挿通孔3a内に接着剤やモルタル等が充填されることによりせん断抵抗材3の本体部32に一体化することもある。但し、付加構造体8が主構造体7に対して相対変位しようとするときに引張材5が負担する引張力の多くを主定着材2に伝達する上では、引張材5がせん断抵抗材3(本体部32)の挿通孔3a内を挿通した状態で、挿通孔3aの内周面と引張材5表面との間にはある程度のクリアランスが確保される方がよい。引張材5がせん断抵抗材3に螺合している場合には、引張材5が負担する引張力がせん断抵抗材3に伝達され易いが、引張材5がせん断抵抗材3を単に挿通することで、引張材5の引張力が主定着材2に伝達され易くなるためである。
引張材5が主定着材2と付加定着材4との間に、せん断抵抗材3を貫通して架設されることで、付加構造体8と主構造体7との間に境界面に平行な水平軸回りの曲げモーメントが作用するとき、あるいは曲げモーメントを伴わずに、付加構造体8と主構造体7との間に両者が対向する方向に相対変位が生ずるときに、付加定着材4と主定着材2との間に引張材5を通じて引張力が作用する。引張材5は主定着材2と付加定着材4との間の距離が拡大しようとするときに引張力を負担する。
主構造体7内では引張材5から主定着材2に引張力が伝達されるときに、せん断抵抗材3が主構造体7と付加構造体8の境界面に接触した状態を維持する限り、図1に矢印で示すように主定着材2とせん断抵抗材3との間に存在するコンクリート等の前記硬化体6に圧縮力が作用する。硬化体6が圧縮力を負担すると同時に、主定着材2とせん断抵抗材4には圧縮力の反力が作用する。
このとき、主定着材2とせん断抵抗材3は対になって硬化体6にその軸方向の圧縮力を与えるため、硬化体6の軸方向に見れば、硬化体6の軸方向に直交する平面へは、主定着材2とせん断抵抗材3は同等の投影面積を持つことが適切である。図面ではせん断抵抗材3の全体の内、定着部31は本体部32の外周より内周側に環状に形成され、定着部31の内周面が硬化体6の外周面に合致していることから、せん断抵抗材3から硬化体6に圧縮力を作用させ得る定着部31を含む範囲の投影面積が主定着材2の投影面積に等しくなっている。定着部31の外周側にある本体部32の部分は硬化体6の外周側に存在する主構造体7の躯体に圧縮力を与える。
主定着材2とせん断抵抗材3との間の硬化体6が圧縮力を負担し、圧縮力に対して抵抗することで、主定着材2は主構造体7中(硬化体6中)に定着された状態を維持し、せん断抵抗材3は主構造体7と付加構造体8の境界に配置された状態を維持する。
主構造体7が既存構造物である場合、主定着材2は既存のコンクリートを、コアドリル等を用いてコア抜きすることにより形成された削孔7aの奥側(底側)に設置され、削孔7a内に充填材が充填され、硬化することにより硬化体6中に定着される。硬化体6は前記のようにコンクリート、モルタル、接着剤等から形成されるため、削孔7a内で硬化することによって既存構造物の躯体に一体化する。主構造体7が新設の構造物の場合には、主定着材2は主構造体7中の、付加構造体8との境界面から距離を置いた位置に配置されればよい。コア抜きした削孔7aの内周面は硬化体6との境界面になるため、主構造体7と硬化体6との間の付着を確保するために、削孔7aの内周面には必要により目荒し(凹凸を付すること)が施される。
主構造体7が既存構造物であるか新設構造物であるかを問わず、主定着材2の設置時には、あるいは設置前の時点では主定着材2には引張材5が接続され、引張材5の軸方向中間部にせん断抵抗材3が接続され、硬化体6中に主定着材2とせん断抵抗材3、及び引張材5が埋設される。引張材5の主構造体7から突出した区間と付加定着材4は付加構造体8の構築時にその躯体中に埋設される。
付加定着材4からの引張力が主定着材2に伝達されるとき、引張材5がせん断抵抗材3に螺合する等により接続されている場合には、引張材5に生じている引張力の一部はせん断抵抗材3に伝達されるため、主定着材2に作用する引張力は軽減され、それだけ硬化体6が負担する圧縮力も軽減される。この場合、せん断抵抗材3に伝達され、せん断抵抗材3が負担すべき引張力の一部は主構造体7中に定着されている定着部31における主構造体7との間、または硬化体6との間との付着力によって(付着力を通じて)主構造体7に負担される。
せん断抵抗材3に引張材5が接続されていない場合には、前記のように引張材5がせん断抵抗材3を単純に挿通した状態にあるため、引張材5からの引張力の多くが主定着材2に伝達され、主定着材2から硬化体6に圧縮力として伝達される。「せん断抵抗材3に引張材5が接続されていない」状態は、引張材5がせん断抵抗材3の挿通孔3aを、クリアランスを持って挿通し、クリアランスに充填材が充填されず、引張材5にナット33も螺合しない場合が該当する。
主定着材2から硬化体6に引張力の反力としての圧縮力が伝達されるとき、主定着材2は硬化体6からの反力を支圧力として全面に受けるため、主定着材2の全体が軸(引張材との接続部)の回りに、軸に直交する方向の曲げモーメントを負担する状態になる。主定着材2の形状は平板状であるか、曲面状であるかは問われないが、支圧力による曲げモーメントの負担によって主定着材2の変形が想定される場合には、図1等に示すように主定着材2のせん断抵抗材3側の面を曲面状に形成することで(請求項2)、曲げ変形に対する安定性と安全性を主定着材2に持たせることが可能である。
主定着材2を曲面状に形成することは、例えば図1、図2、図4〜図6に示すように主定着材2のせん断抵抗材3側の面をせん断抵抗材3側に凸の球面、楕円曲面、円錐曲面等の曲面状に形成することである。但し、主定着材2が平板状であっても、主定着材2の主構造体7側の面と付加構造体8側の面の少なくともいずれか一方に突起(リブ)等が形成されることによって支圧力による曲げモーメントに抵抗可能になるため、主定着材2は必ずしも曲面状である必要はなく、平板状の場合もある。
付加構造体8中に定着される付加定着材4からの引張力が引張材5、あるいは主定着材2に伝達されるときに、付加定着材4が付加構造体8から引張力の反力を受けることは、主定着材2と同様であるから、付加定着材4のせん断抵抗材3側の面を、あるいは反対側の面を凸の曲面状に形成するか、付加定着材4に突起を形成することもある。また付加構造体8の幅、奥行き等、付加構造体8内に埋設される引張材5の軸方向の区間(距離)に応じ、付加定着材4は付加構造体8中の、引張材5の軸方向に複数、配置され、引張材5に接続されることもある。
前記のようにせん断抵抗材3の定着部31と本体部32のいずれかの少なくとも一部が、主定着材2とせん断抵抗材3とに挟まれた領域の硬化体6中に埋設される場合に、せん断抵抗材3がせん断力を負担するときに、硬化体6にもせん断力の一部が伝達される。このとき、硬化体6は軸に直交する方向のせん断力を負担することになるが、このせん断力を負担することによる破壊を確実に防止する上では、図6に示すように硬化体6の内部である「主構造体中の、主定着材とせん断抵抗材とに挟まれた領域内に」、その領域を周辺から拘束する、例えば螺旋状(スパイラル状)、もしくは環状(フープ状)等の拘束筋9を配筋すること(請求項3)が適切である。拘束筋9は硬化体6の内部において周辺部分からその内側の部分を拘束することにより硬化体6のせん断耐力を高め、せん断破壊に対する安全性を確保する。
互いに接触した状態で隣接し、水平力の作用時に独立して挙動し得る主構造体と付加構造体との間において、主構造体中の、付加構造体との境界面から距離を置いた位置に主定着材を定着させ、付加構造体中の、主構造体との境界面から距離を置いた位置に付加定着材を定着させ、主定着材と付加定着材との間に引張力を負担し得る引張材を架設するため、主定着材と付加定着材との間の距離が拡大しようとするときに、引張材を通じて主定着材に引張力を作用させることができる。
主定着材に引張力が伝達されるときに、主構造体と付加構造体との境界に跨って配置されたせん断抵抗材と主定着材との間に存在するコンクリート等の硬化体が圧縮力を負担し、主定着材を定着状態に保持しようとするため、主定着材が主構造体中に定着された状態を維持することができる。せん断抵抗材は主構造体と付加構造体との境界に跨ることで、主構造体と付加構造体との間のせん断力を負担するため、結局、隣接する主構造体と付加構造体との間で曲げモーメントに伴う引張力が作用する接合部と、直接的に引張力と圧縮力が交互に作用する接合部のいずれにおいても、定着装置が主構造体と付加構造体との間でせん断力と引張力を伝達させることが可能である。
主構造体中に主定着材が埋設され、付加構造体中に付加定着材が埋設され、主構造体と付加構造体との境界に配置されたせん断抵抗材を貫通して主定着材と付加定着材間に引張材が架設されている様子を示した縦断面図である。 図1に示す定着装置が埋設されている主構造体と付加構造体の例として既存構造物の壁、もしくは梁と新設構造物の梁との接合部を示した斜視図である。 図1に示す定着装置を主構造体としての既存構造物の基礎(フーチング)と、付加構造体としての新設構造物の基礎との間に設置した様子を示した斜視図である。 主定着材が半球面状に形成された場合の図3に示す定着装置を拡大した斜視図である。 主定着材が円錐面状に形成された場合の図3に示す定着装置を拡大した斜視図である。 図5に示す定着装置の主定着材とせん断抵抗材との間に硬化体を補強する、螺旋状のせん断補強筋を配筋した様子を示した斜視図である。 (a)は図1等に示す定着装置とは異なる形状に形成された定着装置の具体例を示した立面図、(b)は(a)に示す定着装置が納まる削孔を示した縦断面図である。 (a)は図1等に示す定着装置とは異なる形状に形成された定着装置の他の具体例を示した立面図、(b)は(a)に示す定着装置が納まる削孔を示した縦断面図である。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は互いに接触した状態で構築されるか、設置される等により隣接し、水平力の作用時に独立して挙動し得る主構造体7と付加構造体8との間に跨って設置され、主構造体7と付加構造体8との間で、これら両構造体7、8が互いに対向する方向に直交する方向のせん断力を伝達する引張抵抗機能付きせん断力伝達用定着装置(以下、定着装置)1の構成例と設置例を示す。主構造体7と付加構造体8の接合部位は互いに接触した状態であれば問われず、主構造体7と付加構造体8が新設の構造物であるか、既存の構造物であるかも問われない。
定着装置1は主構造体7中の、付加構造体8との境界面から距離を置いた位置に定着(埋設)される主定着材2と、主構造体7と付加構造体8との境界に主構造体7と付加構造体8との間に跨って配置されるせん断抵抗材3と、付加構造体8中の、主構造体7との境界面から距離を置いた位置に定着(埋設)される付加定着材4と、主定着材2と付加定着材4との間に架設される引張材5とから構成される。付加定着材4は主定着材2とせん断抵抗材3を通る線上に定着され、引張材5はせん断抵抗材3を貫通して主定着材2と付加定着材4との間に架設され、主定着材2と付加定着材4との間の距離が拡大しようとするときに引張力を負担する。
図1、図2は主構造体7が鉄筋コンクリート造の既存構造物における梁、壁等の体であり、付加構造体8が鉄筋コンクリート造の新設構造物における梁等の体である場合の、主構造体7と付加構造体8への定着装置1の設置例を示している。主構造体7が既存構造物の場合、主構造体7のコンクリートの体には、表面側から主定着材2とせん断抵抗材3を配置するための削孔7aが形成される。削孔7aに主定着材2とせん断抵抗材3が配置された後、削孔7a内にコンクリート、モルタル、接着剤等のセメント系その他の材料からなる充填材が充填される。充填材は削孔7a内で硬化することにより硬化体6になる。硬化体6は新設構造物の躯体の一部(コンクリート等)を指すこともある。
主構造体7が既存構造物の場合、定着装置1は例えば主定着材2に引張材5が接続され、引張材5にせん断抵抗材3が付加定着材4寄りに仮止めされた状態で削孔7a内に差し込まれる。主定着材2が削孔7aの奥に配置された状態で、主構造体7と付加構造体8の境界面付近から、硬化体6となる充填材が充填される。せん断抵抗材3には引張材5が挿通する挿通孔3aが形成されることから、挿通孔3aに引張材5が挿通した状態で、引張材5の周囲に空隙(クリアランス)が確保されれば、挿通孔3aを通じて充填材を充填することもできるため、せん断抵抗材3は主定着材2との間隔が設置状態での距離に予め調整された状態で、主構造体7と付加構造体8の境界面に配置されることもある。
引張材5は主定着材2と付加定着材4との間に架設され、引張材5には付加構造体8に定着される付加定着材4から引張力が伝達され、更に主定着材2に伝達されるため、引張材5は原則として主定着材2と付加定着材4の双方に螺合、もしくは挿通と充填材の充填等により引張力の伝達が可能な状態に接続される。図1では引張材5を主定着材2と付加定着材4に螺合により接続している。
図面では主定着材2が引張材5からの引張力を硬化体6に圧縮力として伝達するときの変形を防止する目的で、主定着材2のせん断抵抗材3側を凸の曲面状(球面状)に形成していることに伴い、主定着材2を軸方向に見たときの主定着材2の中央部に引張材5挿通用の挿通孔2aを有する挿通部21を筒状に形成し、引張材5の螺合区間を稼いでいる。挿通孔2aの内周面には、引張材5の雄ねじが螺合する雌ねじが切られる。
図面ではまた、板(平板)状の付加定着材4をその厚さ方向両側に締結されるナット41、41により引張材5に接続しているが、主定着材2と同様に筒状部分を形成し、直接、螺合により接続することもある。付加定着材4は主定着材2と同様、せん断抵抗材3側に凸の曲面状に、もしくは反対側に、あるいは双方に凸の曲面状に形成されることもあり、付加構造体8の、引張材5の軸方向に複数個、配置され、引張材5に接続されることもある。
せん断抵抗材3は主構造体7と付加構造体8のいずれか一方の構造体に定着される定着部31と、他方の構造体に定着(埋設)される本体部32からなり、定着部31が一方の構造体に定着され、本体部32が他方の構造体に定着(埋設)されることにより、一方の構造体が他方の構造体に対して互いに平行なまま相対移動するときに、引張材5の軸に直交する方向のせん断力を他方の構造体に伝達する。図面では定着部31を主構造体7に形成した溝7bに嵌入させて定着させ、本体部32を付加構造体8に埋設しているが、定着部31を付加構造体8に定着させ、本体部32を主構造体7に埋設することもある。溝7bは図1に示すように削孔7aの一部である場合と、削孔7aとは別に形成される場合がある。
図1ではせん断抵抗材3の定着部31を本体部32の外周(縁)より中心側(挿通孔3a側)へ寄った内側から軸方向に、主構造体7側へ突設しているが、定着部31は本体部32の外周(縁)から突設されることもある。図1のように定着部31を本体部32の外周より内側に突設した場合には、定着部31が主構造体7の溝7bに嵌入したときに、本体部32の、定着部31より外周側にある部分が主構造体7の付加構造体8との境界面に接触(密着)し、主構造体7側へ係止する。
このため、定着部31より外周側にある本体部32の部分は主構造体7側から付加構造体8側へ引張材5を通じて引張力が作用したときに、引張力を主構造体7の躯体に伝達することで、引張力に抵抗することができる。この結果、せん断抵抗材3は主構造体7側から付加構造体8側へ作用する引張力に対し、本体部32から付加構造体8側へ突出して付加構造体8中に埋設されている引張材5と付加定着材4を介し、付加構造体8を主構造体7と一体的に挙動させるように機能する。定着部31より外周側にある部分は付加構造体8が主構造体7に対し、対向する方向に直交する方向の水平軸回りに回転変形しようとするときに、境界面に作用する曲げモーメントに対する抵抗要素にもなる。
せん断抵抗材3は定着部31を含め、環状の定着部31の内周側の部分の主構造体7側の面が削孔7a内の硬化体6に接触した状態になり、この硬化体6への接触面の面積分が主定着材2と共に、対になって硬化体6引張材5の軸方向に圧縮力を与える。主定着材2は削孔7a内の硬化体6がせん断抵抗材3と主定着材2から受ける圧縮力に抵抗することで、硬化体6中に定着された状態を維持する。
せん断抵抗材3には主構造体7と付加構造体8の境界面に平行な面内の中央部等に引張材5が挿通する1個、もしくは複数個の挿通孔3aが形成され、この挿通孔3aに引張材5がクリアランスを持って挿通するか、図1に示すように螺合する。挿通孔3aが複数個、形成される場合は、複数本の引張材5が使用され、各挿通孔3aに1本の引張材5が挿通する。引張材5が螺合する場合、挿通孔3aの内周面には雌ねじが切られる。図1に示すように引張材5が挿通孔3aに螺合する場合、引張材5はその雄ねじに螺合するナット33が緊結されることによりせん断抵抗材3に一体的に接続された状態になる。
引張材5が挿通孔3aを挿通する場合は、クリアランスを残したままである場合と、クリアランスに充填材が充填される場合がある。クリアランスを残し、前記ナット33が引張材5に螺合しない場合は、付加構造体8が主構造体7から分離(肌別れ)したような状況下では、引張材5とせん断抵抗材3が引張材5の軸方向に相対移動可能な状態になる。この場合、せん断抵抗材3が主構造体7に定着されたまま、引張材5のみが付加構造体8の変形に伴って伸長することが想定されるが、せん断抵抗材3が主構造体7に留まる限り、主定着材2とせん断抵抗材3から硬化体6に圧縮力を加える状態は保たれる。クリアランスに充填材が充填される場合と、引張材5が螺合する場合は、引張材5の引張力がせん断抵抗材3に伝達され、引張力がせん断抵抗材3と主定着材2に分散して負担される。
引張材5に生じる引張力がせん断抵抗材3と主定着材2に分散して負担される場合、せん断抵抗材3からの引張力はせん断抵抗材3の定着部31の外周面と内周面における付着力により主構造体7の躯体と硬化体6に伝達される。
引張材5から主定着材2に伝達された引張力は主定着材2の表面であるせん断抵抗材3側の面から削孔7a部分に充填されている硬化体6に伝達され、主定着材2の表面から削孔7a内の硬化体6に圧縮力として伝達される。硬化体6に伝達される圧縮力はせん断抵抗材3の主定着材2側の面で負担されるため、上記のように削孔7a内の硬化体6は主定着材2とせん断抵抗材3から軸方向に圧縮力を受けることになる。
主定着材2から硬化体6に圧縮力が作用するとき、主定着材2は引張材5の軸方向に圧縮力の反力として支圧力(面圧)を受けるため、この支圧力に対する安定性を確保するために、図面では主定着材2をせん断抵抗材3側に凸の曲面状に形成している。主定着材2は曲面状に形成されることで、せん断抵抗材3が負担するせん断力の方向への投影面積が増大するため、せん断抵抗材3が負担するせん断力と同一向きのせん断力に抵抗できる能力も併せ持つ。上記のように主定着材2とせん断抵抗材3は対になって硬化体6に圧縮力を加えるため、せん断抵抗材3の主定着材2側の面を凸の曲面状に形成することもある。
削孔7a内の硬化体6は引張材5から主定着材2に引張力が伝達されるときに軸方向に圧縮力を受ける他、せん断抵抗材3が負担するせん断力を受けるため、せん断力に対する補強の目的で、図6ではスパイラル状の拘束筋9を硬化体6内の軸に関して外周側の周辺に配筋し、硬化体6を変形に対して拘束している。拘束筋9は環状(フープ状)の場合もあり、その場合、拘束筋9は硬化体6内の軸方向に間隔を置いて複数本、配置される。
図2は主構造体7と付加構造体8との接合部(境界面)における図1に示す定着装置1の具体的な配列例を示している。ここでは主構造体7が前記のように既存構造物の梁、壁等の躯体であり、付加構造体8が新設構造物の梁等の体である場合の、両構造体7、8の取り合いと、境界面を長さ方向に見たときの定着装置1の配列状態(間隔)を示している。
図2の例では主構造体7と付加構造体8が共に、境界面が連続する形状の躯体であることから、定着装置1は境界面に沿って水平方向に間隔を置いて配列する。ここでは定着装置1の他、定着装置1の機能を補い、主構造体7と付加構造体8との一体性を高めるために、両構造体7、8に跨る継ぎ筋10を配筋し、双方に定着させている。付加構造体8の梁内には主筋11とせん断補強筋12が配筋されている。
図3は主構造体7が既存構造物の基礎(フーチング)であり、付加構造体8が新設構造物の基礎(フーチング)である場合に、主構造体7と付加構造体8との間でせん断力と引張力を伝達させるために定着装置1を両構造体7、8に跨って設置した場合の配置例を示す。この例では主構造体7と付加構造体8が水平方向と高さ方向(鉛直方向)に距離を持つ形状をするため、定着装置1は水平方向と高さ方向にそれぞれ複数個、配列する。
図3の例では引張材5の軸方向(架設方向)に見たときの、主構造体7と付加構造体8の距離(奥行き)が大きいことから、その距離に応じ、図2の例より引張材5の付加構造体8中への定着長さ(埋設区間)が大きくなっている。この例では引張材5の軸方向に見たときの主構造体7の距離と付加構造体8の距離に質的な違いはないが、引張材5の主構造体7中への埋設区間より付加構造体8中への埋設区間が長くなっている。
図3において引張材5の付加構造体8への定着長さに対し、主構造体7への定着長さが相対的に小さくて済む理由は、付加構造体8から引張材5を通じて主定着材2に伝達される引張力が主構造体7中では硬化体6に圧縮力として負担されることで、主構造体7中への埋設区間を必ずしも大きく確保する必要がないことによる。一方、付加構造体8中では、付加構造体8からの引張力が引張材5全長の付着力を通じて主構造体7に伝達されるよう、付加構造体8中への埋設区間を大きく取っている。
図4〜図6は図3に示す定着装置1の詳細例を示す。図4は図1、図2に示す定着装置1の主定着材2と同様の立体形状に主定着材2を形成した場合、図5は主定着材2を円錐曲面状に形成した場合、図6は前記のように削孔7a内の硬化体6中に軸が引張材5の軸方向を向いたスパイラル状の拘束筋9を配筋した場合である。拘束筋9はその拘束効果が硬化体6の全体に作用するよう、硬化体6中の材軸から最も通り周辺寄りに配置される。
図1〜図6に示す定着装置1の配置例では引張材5の軸方向が水平方向を向いた場合を示しているが、引張材5の軸方向は鉛直方向を向いて、あるいは水平方向と鉛直方向の双方に傾斜した方向を向いて配置されることもある。
図7、図8は図1等に示す定着装置1とは異なる形状に形成された定着装置1の具体例と、定着装置1に対応した削孔7aの形成例を示す。図7−(a)、図8−(a)は特にせん断抵抗材3の本体部32の軸を通る断面積、すなわち本体部32の軸方向に直交する方向(主構造体7と付加構造体8との境界面の面内方向)に見たときの投影面積(断面積)を大きくし、本体部32のせん断抵抗力を増大させた場合の例を示している。
特に図7−(a)、図8−(a)では本体部32を引張材5の軸方向に2段形状に形成している。図7−(a)は本体部32の2段部分の断面積を大きくすることで、軸方向に直交する方向に見たときの断面積を大きく取りながら、本体部32の剛性と付加構造体8中でのせん断抵抗力を増大させた場合である。図8−(a)は本体部32の2段部分の内、主定着材2側の部分の軸方向の面積を大きくすることで、軸方向に直交する方向に見たときの断面積を大きく取りながら、定着部31の内周面間距離を大きくし、本体部32の主構造体7でのせん断抵抗力を増大させた場合である。
図7−(a)、図8−(a)ではまた、共に主定着材2の表面を双曲面状に形成しながら、軸方向の全長に引張材5が螺合する挿通部21を形成している。図7、図8の各(b)は各(a)の定着装置1が挿入される削孔7bを示している。
1……せん断力伝達用定着装置、
2……主定着材、21……挿通部、2a……挿通孔、
3……せん断抵抗材、31……定着部、32……本体部、3a……挿通孔、33……ナット、
4……付加定着材、41……ナット、
5……引張材、6……硬化体、
7……主構造体、7a……削孔、7b……溝、
8……付加構造体、9……拘束筋、
10……継ぎ筋、11……主筋、12……せん断補強筋。

Claims (3)

  1. 互いに接触した状態で隣接し、水平力の作用時に独立して挙動し得る主構造体と付加構造体との間に跨って設置され、前記主構造体と前記付加構造体との間で、これら両構造体が互いに対向する方向に直交する方向のせん断力を伝達する定着装置であり、
    前記主構造体中の、前記付加構造体との境界面から距離を置いた位置に定着される主定着材と、前記主構造体と前記付加構造体との境界に前記主構造体と前記付加構造体との間に跨り、前記境界面に接触した状態で配置され、前記主構造体と前記付加構造体の相対的な変位時にせん断力を負担するせん断抵抗材と、前記付加構造体中の、前記主構造体との境界面から距離を置いた位置の、前記主定着材と前記せん断抵抗材を通る線上に定着される付加定着材と、前記主定着材と前記付加定着材との間に、前記せん断抵抗材を貫通して架設され、前記主定着材と前記付加定着材に接続され、前記主定着材と前記付加定着材との間の距離が拡大しようとするときに引張力を負担する引張材とを備え
    前記引張材の軸方向に見たときに、前記せん断抵抗材の、前記主構造体と前記付加構造体との前記境界面に接触した部分は複数本の前記引張材が挿通可能な面積を持ち、
    前記引張材の軸方向に見たときに、前記主定着材は前記せん断抵抗材と同等の投影面積を持ち、
    前記主定着材は前記主定着材と前記せん断抵抗材とに挟まれた領域の硬化体に、前記引張材の軸方向に前記せん断抵抗材と対になって圧縮力を付与する状態にあることを特徴とする引張抵抗機能付きせん断力伝達用定着装置。
  2. 前記主定着材の前記せん断抵抗材側の面は曲面をなしていることを特徴とする請求項1に記載の引張抵抗機能付きせん断力伝達用定着装置。
  3. 前記主構造体中の、前記主定着材と前記せん断抵抗材とに挟まれた領域内に、その領域を周辺から拘束する拘束筋が配筋されていることを特徴とする請求項1、もしくは請求項2に記載の引張抵抗機能付きせん断力伝達用定着装置。

JP2013509357A 2012-07-03 2012-12-25 引張抵抗機能付きせん断力伝達用定着装置 Active JP5331268B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013509357A JP5331268B1 (ja) 2012-07-03 2012-12-25 引張抵抗機能付きせん断力伝達用定着装置

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012149376 2012-07-03
JP2012149376 2012-07-03
JP2013509357A JP5331268B1 (ja) 2012-07-03 2012-12-25 引張抵抗機能付きせん断力伝達用定着装置
PCT/JP2012/083399 WO2014006780A1 (ja) 2012-07-03 2012-12-25 引張抵抗機能付きせん断力伝達用定着装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5331268B1 true JP5331268B1 (ja) 2013-10-30
JPWO2014006780A1 JPWO2014006780A1 (ja) 2016-06-02

Family

ID=49595997

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013509357A Active JP5331268B1 (ja) 2012-07-03 2012-12-25 引張抵抗機能付きせん断力伝達用定着装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5331268B1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5797815B1 (ja) * 2014-06-27 2015-10-21 細田建設株式会社 後施工アンカー及びその施工方法
JP5978363B1 (ja) * 2015-08-05 2016-08-24 国立大学法人 東京大学 接続スラブの接合構造
US11702836B2 (en) * 2021-07-01 2023-07-18 The University Of Tokyo Structure for joining column and beam frame and shear wall

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6080210U (ja) * 1983-11-08 1985-06-04 石川島建材工業株式会社 コンクリ−ト構造物の接続構造
JPH08128116A (ja) * 1994-10-28 1996-05-21 Hiroshi Suzuki 建材の結合構造
JP4799703B1 (ja) * 2011-04-08 2011-10-26 等 塩原 構造体の接合構造

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6080210U (ja) * 1983-11-08 1985-06-04 石川島建材工業株式会社 コンクリ−ト構造物の接続構造
JPH08128116A (ja) * 1994-10-28 1996-05-21 Hiroshi Suzuki 建材の結合構造
JP4799703B1 (ja) * 2011-04-08 2011-10-26 等 塩原 構造体の接合構造

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5797815B1 (ja) * 2014-06-27 2015-10-21 細田建設株式会社 後施工アンカー及びその施工方法
JP2016011511A (ja) * 2014-06-27 2016-01-21 細田建設株式会社 後施工アンカー及びその施工方法
JP5978363B1 (ja) * 2015-08-05 2016-08-24 国立大学法人 東京大学 接続スラブの接合構造
US11702836B2 (en) * 2021-07-01 2023-07-18 The University Of Tokyo Structure for joining column and beam frame and shear wall

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2014006780A1 (ja) 2016-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6375079B1 (ja) プレキャスト合成床版の橋軸直角方向の継手構造及びその施工方法
JP5714378B2 (ja) 鉄筋コンクリート製の梁の接合構造
JP5331268B1 (ja) 引張抵抗機能付きせん断力伝達用定着装置
JP2015004229A (ja) 鉄骨ピンを用いた柱・梁のpc耐震接合構造とpc耐震接合方法
JP4888915B2 (ja) 梁端部をpc造とする複合構造梁を用いた建物構造
JP2005023726A (ja) 桁と床版の接合構造及び桁と床版の接合方法
WO2014006780A1 (ja) 引張抵抗機能付きせん断力伝達用定着装置
JP6647721B1 (ja) 無緊張pc鋼棒コンクリート柱梁構造
JP6326545B1 (ja) 二重円形スパイラルせん断補強筋が配置されたpc橋脚を用いた高架橋
JP4628491B1 (ja) 構造体の接合構造及びそれに使用される構造体接合用定着装置
JP4997354B1 (ja) 定着維持機能付きせん断力伝達用定着部材
JP5052396B2 (ja) 杭頭接合構造及びその構築に用いる杭頭接合用仮設具
JP2009035992A (ja) 橋脚とフーチングとの接合構造及び方法
JP4865444B2 (ja) 支圧体を有する低固定度杭頭接合構造
JP2011012506A (ja) 橋脚構造
JP4334448B2 (ja) コンクリート部材の接合部構造
JP2010242392A (ja) 耐震補強構造
JP2004068304A (ja) 鉄筋コンクリート建造物における構成材の材端固定構造
JP5314203B1 (ja) 構造体の接続構造
JP5978363B1 (ja) 接続スラブの接合構造
JP5639722B1 (ja) 構造体の接続構造
JP6352092B2 (ja) 接合構造
JP5192093B1 (ja) コンクリート梁のせん断補強構造
JP6832053B2 (ja) 耐震補強構造
KR101249129B1 (ko) 나사산 철근을 이용한 기초 앵커 볼트

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130723

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130726

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5331268

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250