JP7332230B1 - スピーカー - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、これらのものは、特に外周部分の剛性が低く、エッジ(サラウンド)の質量付加によって使用帯域内で容易に軸対称モード振動を発生してしまう。
また、これらの形状は横方向からの力にも非常に弱いため、低い周波数から非軸対称モード振動を生じる。
これらの共振によって、特定の音高で強調音が生じたり、歪み音を発生したり、音濁りを生じたりするため、音質上好ましくない問題が生じる。
また、軸対称モード振動についても、剛性の低くなる振動板外周部にエッジ(サラウンド)の質量が付加されることで、1~2kHz程度の中高音域において共振を生じてしまうのが現実である。
また、軽金属、炭素繊維、ハニカムコア(特許文献1-3等参照)など、比弾性の大きな素材を用いることで共振開始周波数を高めるものも公知であるが、現実には使用帯域内や、使用帯域上限付近での強い共振が生じるため、癖や歪みの多い音質になりやすいという課題があり、使用帯域内での分割振動から十分に逃れることができなかった。
また、中心側から外周側に向けて前方に拡がる形状の第1振動板と、前記第1振動板と外周縁で接合されて対向配置される中心側から外周側に向けて後方に拡がる形状の第2振動板とを有し、前記第1振動板と前記第2振動板の間に補強部材が配置され、前記補強部材が、前記第1振動板及び前記第2振動板に接触しない位置に制振部材を有することにより、前記課題を解決するものである。
第1振動板110と第2振動板120の間には、円筒補強部材131が配置されている。
円筒補強部材131は、ボイスコイル102を有するボビン103と同一直径で前後方向(図1の上下方向)に連続するように設けられている。
また、第1振動板110は、周知のスピーカーと同様に、マグネット101と位置固定されたフレーム104に対して柔軟なエッジ105により接続されている。
なお、全体の剛性を担保するとともに厚みを大きくしすぎないよう、外周縁の接合部における第1振動板110と第2振動板120の成す角θは30°~120°とするのが望ましい。
第1振動板110bと第2振動板120bの間には、円筒補強部材131が配置されている。
円筒補強部材131は、ボイスコイル102を有するボビン103と同一直径で前後方向に連続するように設けられている。
また、第1振動板110bは、周知のスピーカーと同様に、マグネット101と位置固定されたフレーム104に対して柔軟なエッジ105により接続されている。
本実施形態では、外周縁の接合部における第1振動板110bと第2振動板120bの成す角θを大きくすることができ、第1実施形態と比べて厚みを増加させずに全体の剛性をより大きくすることができる。
例えば、図3に示すように、筒状補強部材131の外周側に直径が一様でない円錐筒状補強部材133を第1振動板110側で隣接するように配置してもよい。
また、図4に示すように、筒状補強部材131の外周側に、放射状に板状補強部材132を配置してもよい。
また、図5に示すように、筒状補強部材131の外周側に、発泡材134を充填してもよい。
また、図6に示すように、直径が一様でない円錐筒状補強部材133を中心から外周に向かって断面がトラス構造となるように複数配置してもよい。
中心部補強部材135を設けることで、第1振動板110及び第2振動板120のピストン運動時に、放射方向の応力が集中する第1振動板110及び第2振動板120の中心部の剛性を向上させることができ、共振の開始周波数をより高音域に排除することができる。
第1振動板110cと第2振動板120cの間には、直径が一様でない円錐筒状補強部材133が、中心から外周に向かって断面がトラス構造となるように複数配置されている。
最も内側の円錐筒状補強部材133の第1振動板110cとの接合部側は、ボイスコイル102を有するボビン103と同一直径であり、第1振動板110cのボビン103との接合部の裏面に接合されている。
また、第1振動板110cは、周知のスピーカーと同様に、マグネット101と位置固定されたフレーム104に対して柔軟なエッジ105により接続されている。
本実施形態では、第2振動板120cに対して、ボビン103の駆動力を、トラス構造を持つ複数の円錐筒状補強部材133を経由して直接的に伝達できるための、特に高音域でより広帯域な音声の再生が可能となる。
第1振動板110dと第2振動板120dの間には、直径が一様でない円錐筒状補強部材133が、中心から外周に向かって断面がトラス構造となるように複数配置されている。
複数の円錐筒状補強部材133の間には、上下方向の中間位置に隣接する円錐筒状補強部材133と接合されるように制振部材136が配置されている。
制振部材136は、図10(b)に示すように上面から見て放射状に複数設けてもよく、また、複数の円錐筒状補強部材133の間のいずれかにのみ配置してもよい。
制振部材136の材質については、発泡体を含む様々な樹脂や粘弾性体が適用可能である。
例えば、軽量な樹脂発泡体を制振部材136として使用することにより、重量増加による能率低下を避けつつ、効率良く共振音を抑制することが可能となる。
また、第2振動板120、120b、120c、120dが中心に孔部をたない構造でセンターキャップの役目も果たすことから、第1振動板110、110b、110c、110dはボビン103より外周側のみとし、内周側を孔部として軽量化してもよい。
また、全ての変形例において、第1振動板110、110b、110c、110d、第2振動板120、120b、120c、120d、筒状補強部材131、板状補強部材132、円錐筒状補強部材133、中心部補強部材135の材質は、従来通りの紙、樹脂、金属、炭素繊維等いかなるものであってもよい。
また、複数の円錐筒状補強部材133が、それぞれ異なる板厚を持つものであってもよい。
例えば、ボビン103からの駆動力による応力が集中する第1振動板110、110b、110c、110d、第2振動板120、120b、120c、120dの中心部分(またはボビン103との接合部に近い部分)の剛性を高め、且つ応力の低い外周部(またはボビン103から遠い部分)は薄く軽量化することで、第1振動板110、110b、110c、110d、第2振動板120、120b、120c、120dの共振開始周波数をより高い周波数に排除する事が可能である。
特に第1振動板110、110b、110c、110d及び第2振動板120、120b、120c、120dについては、両方またはいずれか一方を、直径の異なる板材を貼り合わせて、中心、外周で厚みを変化させる方法が考えられる。
また、プレス技術等によって、各部の厚みを連続的に変化させる方法も可能である。
例えば、大口径ボビンによって第1振動板110、110b、110c、110dの外周を駆動する場合は、第1振動板110、110b、110c、110d(及び第2振動板120、120b、120c、120d)の外周部分の厚みを大きくし、中心部を薄くするのがよい。
中口径ボビンの場合は、ボビン直径周辺の厚みを大きくし、第1振動板110、110b、110c、110d(及び第2振動板120、120b、120c、120d)の中心部と外周部は薄くするのがよい。
一般的な広帯域スピーカー(例えばフルレンジスピーカー)の場合は小口径ボビンが主流であるため、第1振動板110、110b、110c、110d(及び第2振動板120、120b、120c、120d)の中心部の厚みを増すのがよい。
本実施形態では、中心側の円筒補強部材131が炭素繊維製、第1振動板110、第2振動板120、外側の円筒補強部材131及び板状補強部材132がアルミ製であり、第1振動板110及び第2振動板120の直径は17cmである。
本実施形態の第1振動板110及び第2振動板120は、単体で中心を吊るして外周部を打撃した際には約400Hzの共振音が生じるが、第1振動板110、第2振動板120、円筒補強部材131及び板状補強部材132を結合して中心を吊るして外周部を打撃した際には、硬い打撃音がするのみで、非軸対称モードの共振音は生じないことが確認された。
実際の音質上も、癖や歪み感が非常に少なく、応答も良好であり、極めて高音質であることが確認できた。
101 ・・・ マグネット
102 ・・・ ボイスコイル
103 ・・・ ボビン
104 ・・・ フレーム
105 ・・・ エッジ
110 ・・・ 第1振動板
120 ・・・ 第2振動板
131 ・・・ 筒状補強部材
132 ・・・ 板状補強部材
133 ・・・ 円錐筒状補強部材
134 ・・・ 発泡体
135 ・・・ 中心部補強部材
136 ・・・ 制振部材
Claims (8)
- 中心側から外周側に向けて前方に拡がる形状の第1振動板と、
前記第1振動板と外周縁で接合されて対向配置される中心側から外周側に向けて後方に拡がる形状の第2振動板とを有し、
前記第1振動板と前記第2振動板の間に補強部材が配置され、
前記補強部材が、前記第1振動板と前記第2振動板の間の空間に筒形状に配置された筒状補強部材を含み、
前記筒状補強部材の少なくとも一つが、前記第1振動板のボビンとの接合部の裏面に接合されていることを特徴とするスピーカー。 - 前記補強部材が、前記第1振動板と前記第2振動板の間の空間に放射状に配置された複数の板状補強部材を含むことを特徴とする請求項1に記載のスピーカー。
- 中心側から外周側に向けて前方に拡がる形状の第1振動板と、
前記第1振動板と外周縁で接合されて対向配置される中心側から外周側に向けて後方に拡がる形状の第2振動板とを有し、
前記第1振動板と前記第2振動板の間に補強部材が配置され、
前記補強部材が、前記第1振動板及び前記第2振動板に接触しない位置に制振部材を有することを特徴とするスピーカー。 - 前記補強部材が、前記第1振動板と前記第2振動板の間の空間の一部又は全部に充填される発泡体を含むことを特徴とする請求項1または請求項3に記載のスピーカー。
- 前記補強部材が、複数の円筒状補強部材及び/または板状補強部材を有し、
前記複数の円筒状補強部材及び/または板状補強部材は、中心側と外側で板厚が異なることを特徴とする請求項1または請求項3に記載のスピーカー。 - 前記補強部材が、前記第1振動板と前記第2振動板の間の空間の前記第1振動板及び/または前記第2振動板の中心を含む領域に設けられた中心部補強部材を含むことを特徴とする請求項1または請求項3に記載のスピーカー。
- 前記第1振動板及び前記第2振動板が、コーン形状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項3に記載のスピーカー。
- 前記第1振動板及び前記第2振動板が、ドーム形状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項3に記載のスピーカー。
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