JP7330737B2 - カテーテル、及び、カテーテルの製造方法 - Google Patents
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さらに、カテーテルの本体部は、樹脂により形成されているため、押出形成等により容易に作製することができ、例えば金属管のレーザ加工を行った場合と比較して、レーザ加工の手間と、加工屑除去の手間とを削減できる。また、押出形成では加工屑が発生しないため、加工屑の残存に伴うカテーテルの損傷や、生体組織の損傷の虞をなくすことができる。この結果、本構成によれば、柔軟性と押し込み性を有するカテーテルを容易に製造することができる。
この構成によれば、外表面に凹部が形成された内層管を外層管で覆うことによって、容易に、空隙を有する本体部を作製できる。
この構成によれば、内表面に凹部が形成された外層管に内層管を挿入することによって、容易に、空隙を有する本体部を作製できる。
この構成によれば、横断面における空隙の個数を相違させることによって、容易に、先端側と基端側とにおける柔軟性を変化させることができる。
この構成によれば、先端側における空隙の面積は基端側における空隙の面積よりも大きいため、カテーテルの先端側を基端側よりも柔軟に構成できる。
この構成によれば、本体部は、空隙の面積がそれぞれ相違する3以上の領域を有するため、カテーテルの長軸方向に柔軟性や押し込み性の異なる3つ以上の領域を設けることができる。
図1は、第1実施形態のカテーテル1の構成を例示した説明図である。図1には、カテーテル1の全体を図示する。カテーテル1は、血管系、リンパ腺系、胆道系、尿路系、気道系、消化器官系、分泌腺及び生殖器官といった生体管腔内に挿入され、生体管腔内を診断又は治療するために使用される。カテーテル1は、チューブ状(管状)の本体部10と、本体部10の基端側に接続されたコネクタ90とを備える。
図5は、第2実施形態のカテーテル1Aの断面構成を例示した説明図である。カテーテル1Aは、本体部10に代えて本体部10Aを備えている。図5(A)は、本体部10Aの先端チューブ部11Aにおける横断面を、図5(B)は、本体部10Aの基端チューブ部12Aにおける横断面を、それぞれ表す。本体部10Aは、外層管200に代えて外層管200Aを、内層管300に代えて内層管300Aを備えている。外層管200Aは、外表面には凹凸が形成されていない一方、内表面に凹部201が形成された管状である。内層管300Aは、外表面と内表面との両方において、凹凸が形成されていない管状である。
図6は、第3実施形態のカテーテル1Bの断面構成を例示した説明図である。カテーテル1Bは、本体部10に代えて本体部10Bを備えている。図6では、本体部10Bの先端チューブ部11Bにおける横断面を表している。本体部10Bは、内層管300に代えて内層管300Bを備えている。内層管300Bは、外表面に凹部301Bが形成される一方、内表面には凹凸が形成されていない管状である。内層管300Bの凹部301Bは、横断面における形状が略半円形状とされており、第1実施形態の凹部301と同じように、軸線O方向(X軸方向)において直線状に延びる溝状に形成されている。なお、図6では、先端チューブ部11Bを図示したが、基端チューブ部についても同様に、略半円形状の横断面を有する凹部301Bが形成されてよい。図6の例では、第1実施形態と同様に、内層管300Bの外表面に形成された各凹部301Bが、外層管200の内表面との間の領域に、軸線O方向に直線的に配置された空隙SPを形成する。
図8は、第4実施形態のカテーテル1Dの断面構成を例示した説明図である。カテーテル1Dは、本体部10に代えて本体部10Dを備えている。図8では、本体部10Dの先端チューブ部11Dにおける横断面を表している。本体部10Dは、内側に設けられた内層管300Dと、内層管300Dの外側を覆う中層管400と、中層管400の外側を覆う外層管200とが層状に積層された3層構成である。内層管300Dは、外表面と内表面との両方において、凹凸が形成されていない管状である。
図9は、第5実施形態のカテーテル1Eの構成を例示した説明図である。図9の上段には、カテーテル1Eの全体を図示する。図9の下段には、上段のE1-E1線における断面図と、E2-E2線における断面図と、E3-E3線における断面図とを示す。第5実施形態の本体部10Eは、第1実施形態で説明した先端チューブ部11と基端チューブ部12との間に、中間チューブ部13を備えている。E2-E2断面図(下段中央)に示すように、中間チューブ部13の内層管300Eの外表面には、周方向(YZ軸方向)において4個の凹部301が形成されている。内層管300Eの各凹部301は、軸線O方向(X軸方向)において直線的に延びる溝状であり、それぞれ略同一の略台形形状の横断面を有している。また、内層管300Eの各凹部301は、先端チューブ部11の凹部301及び基端チューブ部12の凹部301とは、周方向において異なる位置に配置されている。
図10は、第6実施形態のカテーテル1Fの構成を例示した説明図である。図10の構成は、図9と同様である。第6実施形態の本体部10Fは、先端チューブ部11に代えて先端チューブ部11Fを備え、中間チューブ部13(図9)に代えて中間チューブ部13Fを備えている。先端チューブ部11Fは、第1実施形態の基端チューブ部12と同様に、2個の凹部301が形成された内層管300Fを有している。中間チューブ部13Fは、第1実施形態の先端チューブ部11と同様に、8個の凹部301が形成された内層管300Fを有している。このように、カテーテル1Fの本体部10Fが長軸方向(X軸方向)において空隙SPの合計面積がそれぞれ相違する3以上の領域を備える構成において、各領域における空隙SPの面積の大小は、任意に変更できる。このような第6実施形態のカテーテル1Fによっても、上述した第1及び第5実施形態と同様の効果を奏することができる。
図11は、第7実施形態のカテーテル1Gの構成を例示した説明図である。図11の構成は、図9と同様である。第7実施形態の本体部10Gは、先端チューブ部11に代えて先端チューブ部11Gを備え、基端チューブ部12に代えて基端チューブ部12Gを備えている。先端チューブ部11Gは、第1実施形態の基端チューブ部12と同様に、2個の凹部301が形成された内層管300Gを有している。基端チューブ部12Gは、第1実施形態の先端チューブ部11と同様に、8個の凹部301が形成された内層管300Gを有している。このように、先端チューブ部11Gの横断面における2つの空隙SPの合計面積は、基端チューブ部12Gの横断面における8つの空隙SPの合計面積よりも小さくてもよい。このような第7実施形態のカテーテル1Gによっても、上述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
図12は、第8実施形態のカテーテル1Hの構成を例示した説明図である。図12の構成は、図9と同様である。第8実施形態の本体部10Hは、内層管300に代えて内層管300Hを備えている。内層管300Hのうち、先端チューブ部11Hの外表面には、H1-H1断面において、周方向(YZ軸方向)に弧状に延びる1個の凹部301Hが形成されている。また、内層管300Hのうち、基端チューブ部12Hの外表面には、H2-H2断面において、略台形形状に形成された1個の凹部301Hが形成されている。凹部301Hは、軸線O方向(X軸方向)において直線的に延びる溝状である。H1-H1断面及びH2-H2断面に示すように、先端チューブ部11Hの凹部301Hにより形成された空隙SPの面積は、基端チューブ部12Hの凹部301Hにより形成された空隙SPの面積よりも大きい。このように、先端チューブ部11Hと基端チューブ部12Hとにおいて、横断面における空隙SPの面積が相違する限りにおいて、凹部301Hは任意の態様を採用することができ、図12に示すように単一の凹部301Hであってもよい。このような第8実施形態のカテーテル1Hによっても、上述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上記第1~8実施形態では、カテーテル1,1A~1Hの構成を例示した。しかし、カテーテル1の構成は種々の変更が可能である。例えば、上記各実施形態では、管状の本体部10を有するカテーテル1を例示したが、本体部10には、他の構成要素(例えば、バルーン部材、網目状の素線からなるメッシュ部材、電極部材等)が設けられていてもよい。例えば、上記実施形態において、直線的に延びる空隙SPを流体用ルーメンとして使用する場合、空隙SP(流体用ルーメン)にアクセスするためのコネクタポートを設けてもよい。
上記第1~8実施形態では、本体部10,10A~10Hの構成を例示した。しかし、本体部10の構成は種々の変更が可能である。例えば、外層管200に形成される凹部201や、内層管300に形成される凹部301は、軸線O方向(X軸方向)に直線的に延びる形状でなくてもよく、例えば、軸線O方向に螺旋状に延びる形状であってもよい。例えば、図3,4で説明した本体部10の製造方法において、芯金30に素線を螺旋状に巻回した状態で、溝25のない管状の外枠20を嵌め込み、芯金30と外枠20との間に樹脂材料を充填することで、螺旋状の凹部を有する外層管200や内層管300を形成できる。このとき、螺旋の巻回ピッチを、先端側と基端側とで変化させることで、先端チューブ部11と基端チューブ部12との間における空隙SPの合計面積を相違させることができる。なお、螺旋の巻回ピッチは、先端側と基端側とで一定であってもよい。
上記第1~8実施形態のカテーテル1,1A~1Hの構成、及び上記変形例1,2の各構成は、適宜組み合わせてもよい。例えば、第2実施形態で説明した凹部201を有する外層管200Aを備える構成や、第3実施形態で説明した外側凹部401及び内側凹部402を有する中層管400を備える構成において、第3実施形態で説明した凹部の形状を採用してもよい。例えば、第5,6実施形態で説明した複数の領域(先端チューブ部11、中間チューブ部13、基端チューブ部12)を備える構成において、第2実施形態で説明した外層管200Aを備える構成や、第3実施形態で説明した凹部の形状、第4実施形態で説明した中層管400を備える構成を採用してもよい。
10,10A~10H…本体部
11,11A,11H…先端チューブ部
12,12A,12G,12H…基端チューブ部
13,13F…中間チューブ部
20…外枠
25…凸部
30…芯金
90…コネクタ
91…シャフト部
92…羽根部
200,200A…外層管
201,201A…凹部
300,300A~300H…内層管
301,301B,301H…凹部
302…貫通孔
400…中層管
401…外側凹部
402…内側凹部
Claims (7)
- カテーテルであって、
樹脂により形成された管状の本体部を備え、
前記本体部は、内層管と、前記内層管を覆う外層管とが層状に積層され、
前記内層管の全長に亘って、前記内層管の外表面と前記外層管の内表面とが接触し、かつ、前記内層管と前記外層管との間には、先端側から基端側へと直線的に配置される空隙が形成され、
前記本体部の先端側と基端側とでは、横断面における前記空隙の面積が相違する、カテーテル。 - 請求項1に記載のカテーテルであって、
前記内層管の外表面には凹部が形成され、
前記本体部に形成された前記空隙は、前記内層管の前記凹部と、前記外層管の内表面との間の領域である、カテーテル。 - 請求項1に記載のカテーテルであって、
前記外層管の内表面には凹部が形成され、
前記本体部に形成された前記空隙は、前記外層管の前記凹部と、前記内層管の外表面との間の領域である、カテーテル。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のカテーテルであって、
前記本体部には、複数の前記空隙が形成され、
前記本体部の先端側と基端側とでは、横断面における前記空隙の個数が相違する、カテーテル。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のカテーテルであって、
前記本体部の先端側における前記空隙の面積は、基端側における前記空隙の面積よりも大きい、カテーテル。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のカテーテルであって、
前記本体部は、長軸方向において、前記空隙の面積がそれぞれ相違する3以上の領域を有する、カテーテル。 - カテーテルの製造方法であって、
内表面において、長軸方向に直線状に延びる凸部を有する管状の外枠であって、所定位置を境界とした先端側の全長と、基端側の全長とで前記凸部の数が相違した外枠に、芯金を挿入する工程と、
前記外枠と前記芯金との間に樹脂を充填し、外表面に凹部が形成された内層管を形成する工程と、
前記外枠を取り外し、露出した前記内層管の外表面を覆うように、管状の外層管を配置する工程と、
加熱により前記外層管と前記内層管とを接合することで、前記内層管の全長に亘って、前記内層管の外表面と前記外層管の内表面とが接触し、かつ、前記内層管と前記外層管との間に、先端側から基端側へと直線的に配置される空隙が形成された本体部であって、先端側と基端側とでは横断面における空隙の面積が相違する本体部を形成する工程と、
前記芯金を取り外す工程と、
を備える、カテーテルの製造方法。
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