本開示の第1態様によれば、部品を基板に装着する装着装置で使用される部品保持用のノズルを管理するノズル管理装置であって、複数のノズルを収納するノズル収納容器と、複数の前記ノズルを収納するとともに前記装着装置に着脱自在にセット可能なチェンジャを複数収納するチェンジャ収納容器と、前記チェンジャを支持するとともに前記チェンジャから前記ノズルを着脱可能にする作業ステージと、前記作業ステージに支持された前記チェンジャと前記ノズル収納容器との間で前記ノズルを移載するノズル移載部と、前記チェンジャを前記チェンジャ収納容器と前記作業ステージの間で移動させるチェンジャ移載部と、前記チェンジャに収納されている前記ノズルの洗浄と検査を行うメンテナンス部と、を備える、ノズル管理装置を提供する。
本開示の第2の態様によれば、前記チェンジャ移載部がアクセス可能な所定の受け渡し位置を介してチェンジャの受け渡しを行うチェンジャ受け渡し部を備え、前記メンテナンス部は、前記受け渡し位置で受け取ったチェンジャから前記ノズルを取り出すノズル移動部と、前記ノズルの洗浄を行う洗浄部と前記ノズルの検査を行う検査部と、を備え、前記ノズル移動部は、洗浄部での洗浄と検査部での検査が終了したノズルを前記チェンジャに戻す、第1態様に記載のノズル管理装置を提供する。
本開示の第3の態様によれば、前記所定の受け渡し位置は複数個所あり、前記受け渡し部は、1つの受け渡し位置で洗浄と検査が必要なチェンジャを受け取り、他の受け渡し位置に洗浄と検査を終えた前記ノズルを収納したチェンジャを渡す、第2態様に記載のノズル管理装置を提供する。
本開示の第4の態様によれば、前記ノズルの使用履歴と洗浄の履歴と使用可否に関するノズル管理情報と、前記装着装置の作業に関する作業情報とにアクセス可能な情報取得部と、前記洗浄部で行われた洗浄の履歴と前記検査部による検査の結果に関する情報に基づいて、前記ノズル管理情報における洗浄の履歴と使用可否に関する情報を更新するノズル管理情報更新部と、更新されたノズル管理情報と前記作業情報に基づいて、前記ノズル移載部を作動させて、前記作業ステージに支持された前記チェンジャに必要なノズルをセットする移載制御部と、を備えた、第2態様または第3態様のいずれか1つに記載のノズル管理装置を提供する。
本開示の第5の態様によれば、前記作業情報には、前記チェンジャと前記ノズルの組み合わせに関する情報が含まれており、前記移載制御部は少なくとも前記チェンジャと前記ノズルの組み合わせに関する情報に基づいて前記ノズル移載部を作動させる、第4態様に記載のノズル管理装置を提供する。
本開示の第6の態様によれば、前記作業ステージに位置するチェンジャから前記メンテナンス対象ノズル収納部へのノズルの受け渡しを行うノズル受け渡し部を備え、前記メンテナンス部は、洗浄および検査の対象となるノズルを複数個収納するメンテナンス対象ノズル収納部と、前記メンテナンス対象ノズル収納部から前記ノズルを取り出すノズル移動部と、前記ノズルの洗浄を行う洗浄部と前記ノズルの検査を行う検査部と、を備え、前記ノズル移動部は、前記メンテナンス対象ノズル収納部から前記ノズルを取り出して前記洗浄部および前記検査部へ移動させ、前記ノズル移動部は、洗浄と検査が終わった前記ノズルを前記メンテナンス対象ノズル収納部に戻す、第1態様に記載のノズル管理装置を提供する。
本開示の第7の態様によれば、前記ノズル移載部が、前記ノズル受け渡し部として機能する、第6態様に記載のノズル管理装置を提供する。
本開示の第8の態様によれば、前記ノズルの使用履歴と洗浄の履歴と使用可否に関するノズル管理情報にアクセス可能な情報取得部と、前記メンテナンス部で生成された洗浄の履歴と検査の結果に基づいて前記ノズル管理情報における洗浄の履歴と使用可否に関する情報を更新するノズル管理情報更新部と、前記ノズル移載部を作動させて、前記作業ステージに支持された前記チェンジャに前記ノズルをセットするノズル移載制御部と、を備え、洗浄と検査を終えたノズルを前記チェンジャに戻す際に、前記ノズル移載制御部は前記ノズル移載部を作動させて、前記使用可否に関する情報において使用不可の状態のノズルの代替用のノズルを前記ノズル収納容器から取り出して前記チェンジャに収納する、第7態様のいずれか1つに記載のノズル管理装置を提供する。
本開示の第9の態様によれば、ノズルの使用履歴と洗浄の履歴と使用可否に関するノズル管理情報と、前記装着装置の作業に関する作業情報にアクセス可能な情報取得部と、前記メンテナンス部で生成された洗浄の履歴と検査の結果に基づいて前記ノズル管理情報における洗浄の履歴と使用可否に関する情報を更新するノズル管理情報更新部と、前記メンテナンス部で洗浄や検査が行われているときに、ノズル管理情報と前記作業情報に基づいて前記ノズル移載部を作動させて、前記作業ステージに支持された前記チェンジャに必要なノズルをセットするノズル移載制御部と、を備えた第7態様に記載のノズル管理装置を提供する。
本開示の第10の態様によれば、前記作業情報には、前記チェンジャと前記ノズルの組み合わせに関する情報が含まれており、前記ノズル移載制御部は少なくともチェンジャとノズルの組み合わせに関する情報に基づいて前記ノズル移載部を作動させる、第9態様に記載のノズル管理装置を提供する。
以下、本開示に係るノズル管理装置の例示的な実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施形態の具体的な構成に限定されるものではなく、同様の技術的思想に基づく構成が本開示に含まれる。
(実施形態1)
まず、本開示の実施形態1のノズル管理装置が管理するノズルとそれを使用する装着装置1について図1および図2を参照して説明する。図1は、ノズルが使用される装着装置1の要部の平面図である。図2は、ノズルの斜視図である。図1には、装着装置1が示されており、装着装置1は、部品4を基板3に装着する。
装着装置1の基台1A上には、X軸方向に伸びる一対のベルトコンベア1Bで構成された基板搬送コンベアが2列配置されている。基板搬送コンベアは、X方向(図1では紙面左から右へ向かう方向)へ基板3を搬送し、2箇所の作業位置1Cに基板3を停止させる。本実施の形態の装着装置1は、基台1A上に合計4箇所の作業位置1Cを備えている。基台1Aの4箇所の作業位置1Cに隣接する位置には、上面に部品フィーダ25を配置した台車21が装着されている。
これらの台車21は、基台1Aに設けた連結部15に着脱自在に連結されるようになっている。連結部15には台車21を誘い込むガイド15aの他、台車21を機械的に連結するための機構(不図示)や電気的に接続するためのコネクタ等(不図示)を備えている。装着装置1は、部品4を装着する装着ヘッド5を有している。
装着ヘッド5は、X軸方向に延びたビーム8(X軸テーブル)によってX方向へ移動可能に支持されており、ビーム8の駆動によってX軸方向へ移動する。また、ビーム8はY軸方向に伸びたY軸テーブル7によってY方向へ移動自在に装着されており、Y軸テーブル7の駆動によってY方向へ移動する。従って、ビーム8とY軸テーブル7は装着ヘッドをXY方向へ移動させる装着ヘッド移動機構5Aを構成しており、装着ヘッド移動機構5Aが駆動すると装着ヘッド5は基板3や部品フィーダ25の上空をXY方向へ移動する。
装着ヘッド5には、Z軸方向に移動可能なノズル6を複数個備えている。ノズル6は部品フィーダ25によって供給された部品を負圧によって吸引保持し、基板3の装着位置まで搬送して装着する。装着ヘッド5は、ノズル6を着脱可能に保持しており、部品に適合したノズル6に交換しながら部品4を基板3へ装着する作業を実行する。また、装着装置1は、ノズル6が吸着した部品を撮影するカメラ11と、制御部13とを備える。
図5において、制御部13は、装着ヘッド5、装着ヘッド移動機構5A、カメラ11、フィーダ25と通信可能に接続されており、所定のプログラムにしたがってこれらの動作を制御し、取得するデータがある場合は取得する。
制御部13は、画像認識部13a、ショット数カウント部13b、記憶部13dを含む。画像認識部13aはカメラ11で取得した画像よりノズル6に保持された部品4の位置を認識(部品認識)する。制御部13は、部品認識の結果を利用して装着ヘッド移動機構5Aを制御してノズル6に保持された部品4を基板3の装着位置に位置決めする。また、部品認識の結果、吸着ミスや姿勢不良等でノズル6に保持された部品4を基板3に装着できないと画像認識部13aが判定したら、制御部13は、装着ヘッド移動機構5Aを制御してノズル6に保持されている部品4を廃棄部品として回収するゴミ箱27へ投棄する。
記憶部13dは装着装置1の動作に必要プログラムやデータ等を格納する他、装着装置1にセットされたチェンジャ9に収納されているノズル6のノズル管理情報を記憶する。制御部13は、装着装置1で使用されるノズル6のノズル管理情報をホストコンピュータ19からダウンロードして記憶部13dに記憶する。
ノズル6は、装着される基板3の種類(機種)ごとにチェンジャ9に収納されている。チェンジャ9は装着装置1に連結可能な台車21の支持ステージ23に着脱可能に支持されている。
図2に示すように、ノズル6は、筒部6aと、筒部6aから下方に延びた吸着管6bと、筒部6aの周囲に張り出したフランジ6cとを備える。また、ノズル6は、それぞれ個別のノズルID番号を示す識別子6dを有する。識別子6dは、フランジ6c上に、例えば、2次元バーコード、QRコード(登録商標)、または、RFIDタグとして付されている。筒部6aは、装着ヘッド5の昇降シャフト(不図示)の下端部に設けたノズルホルダに保持されることによって装着ヘッド5に保持される。
図1を参照する。台車21は、装着装置1に部品を供給するための複数種類の部品フィーダ25と、部品認識で装着不可と判定された廃棄部品を回収するゴミ箱27と、を搭載している。
以下、図3から図5を参照して本開示の実施形態1について説明する。図3は、ノズル管理装置31の要部の平面図である。図4は台車21が連結されたノズル管理装置31の要部の平面図である。図5は、ノズル管理装置31および関連装置の制御系の構成を示すブロック図である。以下、ノズル管理装置31においてチェンジャ9の搬送方向をY軸方向(前後方向)とし、X軸方向(左右方向)とし、上下方向をZ軸方向とする。Y軸方向、X軸方向、Z軸方向とは互いにそれぞれ直交する。
ノズル管理装置31は、本体31aと、チェンジャ収納容器としてのチェンジャパレット35を有するチェンジャ収納庫50と、ノズル収納容器としてのノズルパレット39を有するノズル収納庫54と、作業ステージ37と、と、移載部41と、制御部42とを備える。
本体31aは、台車21と連結するための連結部32を有する。連結部32は、装着装置1の連結部15と基本的に同一構造である。連結部32は、本体31aから外方に延び、台車21を本体31aに案内する一対のレール32aを有する。さらに、連結部32は、台車21を機械的に連結するための機構(不図示)や電気的に接続するためのコネクタ等(不図示)を備えている。また、本体31aは、入出庫ステージ81を備えている。ノズル管理装置31は入出庫ステージ81において台車21から使用済みのノズル6を収納したチェンジャ9を受け入れる入庫作業と、使用可能なノズル6を収納したチェンジャ9を台車21へ払い出す出庫作業を行う。入出庫ステージ81には、保持部33が設けられている。保持部33の機能については後述する。
チェンジャパレット35は、複数のチェンジャ9を収納するチェンジャ収納容器である。チェンジャパレット35は、例えば、金属製または樹脂製のパレットであり、1つのチェンジャパレット35にはチェンジャ9を1個ずつ収納する収納スペース35aが複数個形成されている。
本体31aは、その前面には作業ステージ37を有する。作業ステージ37は、支持するチェンジャ9からノズル6を取出し、あるいは収納するために使用される領域である。作業ステージ37は、チェンジャ9を着脱自在に支持し、支持するチェンジャ9からノズル6の着脱を可能にする。チェンジャパレット35には、それぞれ個別のチェンジャパレットID番号が含まれる識別子35bが付されている。識別子35bは、例えば、2次元バーコード、QRコード(登録商標)、または、RFIDタグとして付されている。
ノズルパレット39は、複数のノズル6を保管するノズル6の収納容器である。ノズルパレット39は、例えば、金属製または樹脂製のパレットである。ノズルパレット39は、ノズル6の大きさに応じた複数のノズル収納孔39bを備えている。ノズルパレット39には、それぞれ個別のノズルパレットID番号が含まれる識別子39aが付されている。識別子39aは、例えば、2次元バーコード、QRコード(登録商標)、または、RFIDタグとして付されている。
移載部41は、チェンジャパレット35と入出庫ステージ81との間及びチェンジャパレット35と作業ステージ37との間でチェンジャ9を移動させる。また、移載部41は、入出庫ステージ81と作業ステージ37の間でもチェンジャ9を移動させることが可能である。移載部41は、また、作業ステージ37とノズルパレット39との間でノズル6を移動させる。移載部41は、移載ヘッド43と移載ヘッド43を駆動する移載ヘッド駆動機構44とを備える。移載ヘッド駆動機構44は、Y軸方向に平行に延びる一対のレール44aと、レール44aに沿って可動する可動ビーム44bと、可動ビーム44b及び可動ビーム44bに沿って移動する移載ヘッド43をそれぞれ駆動する駆動モータ(不図示)を備える。
移載ヘッド43は、2種類のノズル用のチャック装置45、46と、2つのチェンジャ用のチャック装置47と、ノズル6およびチェンジャ9を撮影するカメラ48とを備える。
チャック装置45、46は、それぞれ、ノズル6を把持する装置であり、それぞれ異なる大きさのノズル6を把持する。チャック装置45は、チャック45aとチャック45aを上下方向に昇降するシリンダ45bとを備える。チャック45aは、例えば、2本のチャック爪45cを有し、チャック爪45cがノズル6を把持する。チャック装置46も同様に、チャック45aとシリンダ45bとを備え、チャック45aは、例えば、3本のチャック爪45cを有する。このうち、チャック45aは、より多くの種類のノズル6の移載に対応するためにシリンダ45bに対して交換可能になっている。
チャック装置47は、チェンジャ9を把持する装置である。チャック装置47は、チャック47aとチャック47aを上下方向に昇降するシリンダ47bとを備える。チャック47aは、例えば、2本の把持アーム47cを有し、チェンジャ9の底部または側部を把持する。チャック装置47は、多くの種類のチェンジャ9の移載に対応するためにシリンダ47bに対して交換可能になっている。
また、ノズル管理装置31は、ノズル保持チェンジャ59と、チャック交換器65とを備える。ノズル保持チェンジャ59は、交換用のチャック45aを収納している。ノズル保持チェンジャ59の上空でチャック装置45のシリンダ45bに昇降動作を行わせることにより、チャック45aをシリンダ45bから取外す作業や交換用のチャック45aをシリンダ45bに装着する作業が実行される。
チェンジャ収納庫50は、さらに、チェンジャマガジン51と、チェンジャパレット搬送機構53と、を有する。ノズル収納庫54は、さらに、ノズルパレット39と、ノズルマガジン55と、ノズルパレット搬送機構57と、を有する。
チェンジャマガジン51は、複数のチェンジャパレット35を収納する。チェンジャマガジン51内に、チェンジャパレット35が上下方向に並んで収納されている。チェンジャマガジン51は、ノズル管理装置31の内部においてその位置が固定されており、上下方向には動かない。チェンジャマガジン51は、前後(チェンジャパレット35の搬送方向)が開放された箱型形状を有し、その内部に複数のチェンジャパレット35を上下方向に間隔を空けて水平な姿勢で前後方向にスライド可能に収納する。チェンジャマガジン51の開放された前方には、チェンジャパレット搬送機構53が配置されている。また、後方からは作業者が収納されたチェンジャパレット35へアクセス可能になっている。チェンジャマガジン51は動かないので、作業者は手作業でチェンジャマガジン51からチェンジャパレット35を安全に出し入れすることができる。
チェンジャパレット搬送機構53は、チェンジャパレット35をチェンジャマガジン51に搬入およびチェンジャマガジン51から搬出する。チェンジャパレット搬送機構53は、チェンジャパレット35を把持する把持部61と、上下方向(Z軸方向)に昇降するエレベータ63とを備える。把持部61は、上下方向に移動可能な2つのアーム61aを有し、2つのアーム61aはチェンジャパレット35の前縁を上下方向に挟んで把持する。また、把持部61は、エレベータ63上をY軸方向に移動可能であり、エレベータ63は、その内部に把持部61をY軸方向に移動させる駆動装置(図示省略)を有している。エレベータ63が上下方向に昇降することで、エレベータ63の高さを、チェンジャマガジン51内から所望のチェンジャパレット35を把持部61が把持可能な高さに位置させる。そして、駆動装置によって把持部61をチェンジャパレット35へ接近させて把持部61をチェンジャパレット35の把持が可能な位置へ移動させる。把持部61がチェンジャパレット35を把持すると、エレベータ63内の駆動装置を駆動して把持部61をチェンジャマガジン51から遠ざかる方向へ移動させる。これによりチェンジャパレット35をマガジンから引き出してエレベータ63の上に搬出することができる。これとは逆の動作を行えば、エレベータ63の上のチェンジャパレット35をチェンジャマガジン51へ搬入することができる。
ノズルマガジン55は、複数のノズルパレット39を収納する収納庫である。ノズルマガジン55内に、ノズルパレット39が上下方向に並んで格納されている。ノズルマガジン55は、ノズル管理装置31の内部ではその位置は固定されており、上下方向には動かない。ノズルマガジン55は、前後(ノズルパレット39の搬送方向)が開放された箱型形状を有し、その内部に複数のノズルパレット39を上下方向に間隔を空けて水平な姿勢で前後方向にスライド可能に収納する。ノズルマガジン55の開放された前方には、ノズルパレット搬送機構57が配置されている。また、後方からは作業者が収納されたノズルパレット39へアクセス可能になっている。このため、作業者は手作業でノズルマガジン55からノズルパレット39を安全に出し入れすることができる。
ノズルパレット搬送機構57は、ノズルパレット39をノズルマガジン55に搬入およびノズルマガジン55から搬出する。ノズルパレット搬送機構57は、ノズルパレット39を把持する把持部62と、上下方向(Z軸方向)に昇降するエレベータ64とを備える。把持部62は、上下方向に移動可能な2つのアーム62aを有し、2つのアーム62aはノズルパレット39の前縁を上下方向に挟んで把持する。また、把持部62は、エレベータ64上をY軸方向に移動可能であり、エレベータ64は、その内部に把持部62をY軸方向に移動させる駆動装置(図示省略)を有している。エレベータ64が上下方向に昇降することで、エレベータ64の高さを、ノズルマガジン55内の所望のノズルパレット39を把持部62が把持可能な高さに位置させる。そして、駆動装置によって把持部62をノズルパレット39へ接近させて把持部62をノズルパレット39の把持が可能な位置へ移動させる。把持部62がノズルパレット39を把持すると、エレベータ64内の駆動装置を駆動して把持部62をノズルマガジン55から遠ざかる方向へ移動させる。これによりノズルパレット39をノズルマガジン55から引き出してエレベータ64の上に搬出することができる。これとは逆の動作を行えば、エレベータ64の上のノズルパレット39をノズルマガジン55へ搬入することができる。
図5は装着装置1を含む実装システムのブロック図である。装着装置1、ホストコンピュータ19、ノズル管理装置31は、有線または無線からなる通信ネットワーク100に接続されており、相互に通信可能になっている。
ホストコンピュータ19は、情報処理部19aと記憶部19bとを備える。情報処理部19aは、各ノズル6の使用情報を基に、各ノズル6がメンテナンスを必要とするか否かを判定する。また、生産工程で必要なノズルをチェンジャ9に集めるようにノズル管理装置31へ指示する。
ホストコンピュータ19は、例えば、プロセッサ、FPGA等の演算装置を情報処理部19aとして含む。また、メモリ、ハードディスク、SSD等の少なくとも1つから構成される記憶装置を記憶部19bとして含み情報処理部19aの処理プログラムが記憶されている。
ノズル6が識別子6dをRFIDタグとして有する場合、移載ヘッド43は、カメラ48の他にRFIDタグの読み取り装置を備える。ホストコンピュータ19の記憶部19dには、それぞれのノズルID番号と関連づけられたノズル管理情報が記憶されている。
ノズル6の識別子6dは、ノズル管理情報と関連づけられている。ノズル管理情報は、ホストコンピュータ19の記憶部19bに記憶している。
ノズル管理情報は、ノズル基本情報、ノズル状態情報、およびノズルロケーション情報を含む。ノズル基本情報は、ノズルID(識別情報)、ノズルの種類、名称、および使用開始年月日等の情報を含む。装着装置1やノズル管理装置31は、識別子6dを読み取ることにより、識別子6dから得られたノズルIDに関連づけられたノズル管理情報をホストコンピュータ19から取得することができる。
ノズル状態情報は、装着装置1で部品を吸着したショット数、メンテナンス要否情報、検査要否情報、使用可否情報、およびメンテナンス日時(検査や洗浄を実施した日時)の情報を含む。ショット数とは、ノズル6が装着装置1において部品を保持する動作を実行した回数である。ショット数には、新品の状態からこれまで吸着した全ての生涯ショット数と、メンテナンスした後のショット数とが含まれる。ノズル状態情報は、付随するメンテナンス部83(図15参照)によって更新され、更新結果の情報がホストコンピュータ19へ送信される。
メンテナンス要否情報は、ショット数や使用時間等の所定の判定基準により情報処理部19aがそれぞれのノズル6にメンテナンスが必要であるか否かを判定した情報である。ここで、メンテナンスとは少なくともノズル6の洗浄を含む。検査要否情報は、ショット数や使用時間等の所定の判定基準により情報処理部19aがそれぞれのノズル6に検査が必要であるか否かを判定した情報である。ここで、ノズルの検査とは、例えば、ノズルを流れるエア流量や、ノズル先端の形状等の検査である。使用可否情報は、メンテナンスの後の完了検査やノズルの検査の際の使用可否の判定結果である。メンテナンス要否情報や検査要否情報は、上述した通り情報処理部19aの判定結果に基づいて記録されるが、ショット数や使用時間に関係なく、装着装置1から外されてノズル管理装置31に戻されるチェンジャ9に収納されているノズル6のメンテナンス要否情報を「要」、検査要否情報を「要」とするようにしてもよい。すなわち、ノズル管理装置31に戻されるチェンジャ9に収納されているノズル6は必ずメンテナンスと検査を行うという運用でもよい。
ノズルロケーション情報は、ノズル6の収納位置を特定可能な情報である。ノズル6がノズルパレット39に収納されている場合は、収納されているノズルパレット39のID情報と収納位置に関する情報を含む。ノズル6がチェンジャ9に収納されている場合は、収納されているチェンジャ9のID情報と収納位置を含む。チェンジャ9、およびノズルパレット39のどの箇所に収納したかは、移載ヘッド43の移動量から管理することができ、チェンジャ9およびノズルパレット39内の収納箇所まで特定することができる。
また、ホストコンピュータ19の情報処理部19aは、ノズルIDをチェンジャ管理情報とも紐付けて記憶部19bに保管している。チェンジャ管理情報は、チェンジャIDと、チェンジャロケーション情報を含む。チェンジャIDは、各チェンジャ9に識別子9eとして付されている。識別子9eは、例えば、2次元バーコード、QRコード(登録商標)、または、RFIDタグとして付されている。チェンジャロケーション情報は、チェンジャパレット35におけるノズル6の収納場所を特定可能な情報である。また、ノズル管理装置31内だけでなく、装着装置1や外段取り中の台車21におけるチェンジャの位置についても特定できるように管理されている。
ノズル管理装置31の制御部42は、画像認識部42a、機構制御部42b、移載制御部42c、記憶部42dを有する。制御部42は、例えば、プロセッサ、FPGA等の演算装置を、画像認識部42a、機構制御部42b、移載制御部42cとして含む。また、メモリ、ハードディスク、SSD等の少なくとも1つから構成される記憶装置を記憶部42dとして含み画像認識部42a、機構制御部42bおよび移載制御部42cの処理プログラムが記憶されている。制御部42は、ホストコンピュータ19と有線または無線により通信接続されている。
ノズル管理装置31は、保管するノズル6に関するノズル管理情報をホストコンピュータ19から取得して記憶部42dに記憶させる。移載制御部42cは、このノズル管理情報に基づき、ノズルパレット39におけるノズル6の移動先を移載部41に指示する。
例えば、移載制御部42cは、移載部41に指示して、ノズルパレット39において、ある種類のノズル6の近くまたは隣接して同じ種類の別のノズル6を収納する。これにより、ノズルパレット39において、同じ種類のノズル6が互いに近い箇所または隣接した箇所にまとめて収集されるので、同じ種類のノズル6を作業ステージ37への搬送時間を短縮することができる。例えば、特定のノズル専用のノズルパレット39を設けて、ノズル6を種類ごとにノズルパレット39に収容してもよい。また、1枚のノズルパレットを複数の区画に分けてノズル6の種類に応じて対応する区画に収納してもよい。例えば、大型のノズル6をノズルパレット39において作業ステージ37側の領域Naに収納させて、小型のノズル6をノズルパレット39においてノズルマガジン55側の領域Nfに収納させてもよい。
また、ノズル6の状態別にノズルパレット39を分ける、または、ノズルパレット39の収納区画を分けてもよい。例えば、使用不可のノズル専用のノズルパレット39を用意するか、または、ノズルパレット39の一部の区画を使用不可のノズル6の収納区画に設定してもよい。例えば、使用不可のノズル6は、ノズルパレット39において作業ステージから離れたノズルマガジン55側の領域Nfに収納してもよい。
例えば、移載制御部42cは、移載部41に指示して、ノズルパレット39において洗浄の必要なノズル6をノズルパレット39に収納してもよい。洗浄の必要なノズル6の近くに洗浄の必要な別のノズル6を収納することで、洗浄の必要なノズル6が互いに近い箇所に収集される。これにより、洗浄が必要なノズル6を作業ステージ37のチェンジャ9に払い出しする際に、搬送時間を短縮することができる。例えば、ノズルパレット39において洗浄の必要なノズル6を作業ステージ37側の領域Naに収納することで、より搬送時間を短縮することができる。
チェンジャ9は個別のチェンジャID情報を有し、ノズル6の大きさや装着装置1のタイプに応じた複数種類のチェンジャ9が用意されている。これにより、ノズル6の収容効率を向上させることができる。また、洗浄が必要なノズル6を収納する洗浄用チェンジャを用意してもよい。洗浄が必要なノズル6を洗浄用チェンジャに収納することで、洗浄が必要なノズルを一括して搬送することができる。
また、移載制御部42cは、移載部41に指示を送って、待機時間に洗浄が必要なノズル6を洗浄用チェンジャに移載させることで、作業効率を上げることができる。
次に、図8Aおよび図8Bを参照する。ノズル管理装置31は、台車21と連結する連結部32を有する。連結部32は、台車21を案内する一対のレール32aと、保持部33と、チェンジャ9を支持する台車21の支持ステージ23とチェンジャ9との固定を解除する解除部73と、を備える。一対のレール32aの間において、本体31a側に、台車21のゴミ箱27と連結するゴミ回収機構71と、保持部33と、解除部73とが配置されている。
ゴミ回収機構71は、ノズル管理装置31と連結した台車21のゴミ箱27内のゴミ(廃棄部品)を収容する。ゴミ回収機構71は、台車21のゴミ箱27の底を開閉するレバー71aと、レバー71aを回転駆動するレバー駆動部71bと、ゴミ箱27のゴミを排出するゴミ排出ダクト71cと、を備える。レバー駆動部71bは、例えば、アクチュエータである。
次に、図9A、図9Bを参照する。図9Aは、台車21の支持ステージ23およびノズル管理装置31の保持部33の側面図である。図9Bは、ノズル管理装置31の保持部33周辺の縦断面図である。
ノズル管理装置31と連結される台車21の支持ステージ23について説明する。台車21の前端部に取り付けられた支持ステージ23は、第1ベース部23aと、第2ベース部23bと、柱部23cと、ローラ23dと、ステージ台23eと、チェンジャ着脱機構23fと、を備える。ステージ台23eにはチェンジャ9の位置を規制するための位置決めピン23hが配置されている。位置決めピン23hはチェンジャ9に当接することでステージ台23eにおけるチェンジャ9の位置を規制する。
支持ステージ23の第1ベース部23aは略U字形の板状部材であり、台車21の本体21aに固定されている。第2ベース部23bは板状部材であり、第1ベース部23aから上方に突出したピン23gに位置決めされて第1ベース部23aに着脱自在に載置されている。
第2ベース部23bから上方に柱部23cが延びる。柱部23cのX軸方向のそれぞれの側面には、X軸方向を回転軸とするローラ23dが取り付けられている。柱部23cの上面にはステージ台23eが固定されている。矩形のステージ台23eの上面にはチェンジャ9が載置されている。ステージ台23eの下面にはチェンジャ着脱機構23fが配置されている。
次に、台車21の支持ステージ23と連結されるノズル管理装置31の保持部33について説明する。保持部33は、支持ステージ23の第2ベース部23bと篏合するベース収容部33aと、ベース収容部33aを昇降させる昇降部33bと、ローラ23dを案内して位置決めする溝カム33cと、を備える。
ベース収容部33aは、昇降部33bと連結された矩形の第1プレート33aaと、第1プレート33aaの上方に平行に配置された第2プレート33abと、第1プレート33aaおよび第2プレート33abの本体31a側をそれぞれ連結する第3プレート33acとを備える。
昇降部33bは、ベース収容部33aを上方へ移動させることで、支持ステージ23を台車21から持ち上げる。昇降部33bは、例えば、アクチュエータである。
溝カム33cは、下方に向けて開口された凹部33caと、凹部33caの本体側31aの壁が下方に延びたカム壁33cbとを有する。
次に、図10A、図10Bを参照する。図10Aは、ノズル管理装置31の保持部33に台車21の支持ステージ23が連結された状態の側面図である。図10Bは、ノズル管理装置31の保持部33に台車21の支持ステージ23が連結された状態の縦断面図である。
台車21がレール32aに案内されてノズル管理装置31に接近し、やがて、台車21の支持ステージ23のローラ23dが保持部33の溝カム33cのカム壁33cbに当接して停止する。この状態において、台車21の第2ベース部23bがノズル管理装置31の保持部33の第1プレート33aaと第2プレート33abとの間に挿入される。すなわち、第2ベース部23bがベース収容部33aに嵌め込まれる。
台車21がノズル管理装置31に連結されたことを、接触センサ等により検出すると、機構制御部42bが昇降部33bを作動させて、例えば、アクチュエータのシリンダを引くことで第1プレート33aaを持ち上げる。図11A~図11Cに示すように、第1プレート33aaが台車21の支持ステージ23の第2ベース部23bをその下面に接触して上方に持ち上げる。これにより、第2ベース部23bは第1ベース部23aから離れて、支持ステージ23が台車21から分離される。
支持ステージ23が上方へ移動されると、支持ステージ23のローラ23dが保持部33の溝カム33cのカム壁33cb上を回転しながら上方の凹部33caへ案内される。やがて、ローラ23dが凹部33caの上面に接触するとローラ23dが凹部33caにより支持ステージ23の進行方向(Y軸方向)および上方への移動が規制され、支持ステージ23が位置決めされる。
台車21に支持ステージ23が取り付けられている間は、台車21の支持ステージ23に支持されるチェンジャ9の高さは、作業ステージ37に支持されるチェンジャ9の高さよりも低い。台車21がノズル管理装置31と連結し、支持ステージ23が保持部33により持ち上げられると、支持ステージ23に支持されるチェンジャ9の高さは、作業ステージ37に支持されるチェンジャ9の高さと同じ高さになる。この高さの状態で、移載部41は、支持ステージ23に支持されるチェンジャ9を移載することが可能となる。
なお、支持ステージ23が保持部33により持ち上げられている状態から台車21がノズル管理装置31から離れるまでの動作の流れは、上述した動作の逆を行う。
次に、図12Aから図12Cを参照して、支持ステージ23に保持されているチェンジャ9をチェンジャパレット35へ移載する動作を説明する。
チェンジャ着脱機構23fは、アーム23faと、押さえ部23fbと、バネ23fcを有する。アーム23faは上下方向に延びており、中央部にステージ台23eに取り付けられている支点23fdを中心に回動可能である。アーム23faの上端には、チェンジャ9の側部に形成された突起9cを押さえる押さえ部23fbが取り付けられている。支持ステージ23のステージ台23eの下面から下方に突出する突出部23kにバネ23fcの一端が接続され、アーム23faの中央部にバネ23fcの他端が接続されている。これにより、アーム23faは押さえ部23fbがステージ台23eに保持されているチェンジャ9の方に付勢されており、押さえ部23fbとステージ台23eとで突起9cを挟んでチェンジャ9を支持ステージ23に固定する。
制御部42は、支持ステージ23が昇降部33bにより持ち上げられたことを検出すると、機構制御部42bは解除部73を作動し、例えば、シリンダの先端をアーム23faの下端を支持ステージ23側へ押し出す。これにより、アーム23faが支点23fdを中心に回動し、押さえ部23fbが外方へ離れ、チェンジャ9の固定が解除される。
移載制御部42cは、解除部73の駆動を検出すると、移載部41を駆動して、移載ヘッド43を支持ステージ23へ移動させる。移載制御部42cからの指示によりチャック装置47がチェンジャ9を把持して支持ステージ23からチェンジャパレット35へ移載する。
次に、図13Aから図13Cを参照して、作業ステージ37に保持されているチェンジャ9からノズル6を移載する動作を説明する。図13Aは、シャッタ9bが閉状態のチェンジャ9の平面図である。図13Bは、シャッタ9bが閉状態のチェンジャ9の側面図である。図13Cは、シャッタ9bが開状態のチェンジャ9の平面図である。チェンジャ9は、ベース部9aとベース部9aの面上を長手方向にスライド可能なシャッタ9bと、シャッタ9bをスライドさせるスライド機構37b(図8A参照)と、を有する。
ベース部9aとシャッタ9bとの間には上下方向に隙間が空けられている。この隙間に、ベース部9aに載置されたノズル6のフランジ6cが位置している。シャッタ9bには、ノズル6のフランジ6cよりも直径が大きい大孔部9baと、フランジ6cの直径よりも狭く筒部6aの直径よりも幅広のスリット部9bbとがノズル6の配列方向に沿って交互に形成されている。
シャッタ9bが、ノズル6のフランジ6c上にスリット部9bbが位置する閉状態のとき、ノズル6はチェンジャ9に固定されている。また、シャッタ9bが、ノズル6のフランジ6c上に大孔部9baが位置する開状態の場合、ノズル6をチェンジャ9から取り外し可能な状態である。
作業ステージ37は、チェンジャ9を支持するステージ台37aと、シャッタ9bをスライドさせるスライド機構37bと、ステージ台37aとチェンジャ9との固定を解除する解除部37cとを有する(図8A参照)。スライド機構37bは、凹部9dに嵌合するアーム37baとアーム37baをシャッタ9bのスライド方向に往復移動させるシリンダ37bbを備える。解除部37cの構造および動作は、解除部73と同様であるので、説明を省略する。
チェンジャ9が作業ステージ37にセットされている状態において、アーム37baは凹部9dに挿入されている。ノズル6の移載作業を行う際、機構制御部42bからスライド機構37bへの指示により、アーム37baを閉位置から開位置へ移動させる。これにより、シャッタ9bが閉位置から開位置へスライドし、ノズル6が取り外し可能な状態になる。この状態で、移載ヘッド43が必要なノズル6を作業ステージ37上のチェンジャ9から取り出して、ノズルパレット39へ移動させる。また、逆に、移載ヘッド43は、ノズルパレット39から、ノズル6を作業ステージ37上のチェンジャ9へ移動させる。ノズルの移載作業が終了すると、機構制御部42bからスライド機構37bへの指示により、アーム37baを開位置から閉位置へ移動させる。これにより、シャッタ9bが開位置から閉位置へスライドし、ノズル6が取り外し不可の状態になる。
次に、図14A、15Bを参照して、台車21のゴミ箱27内のゴミの回収について説明する。
ゴミ箱27は、下方に凸の台形状の本体27aと、本体27aの一部に回転可能に取り付けられた底板27bと、底板27bを本体27a側へ付勢する付勢部27cと、付勢部27cから下方に延びるプレート27dを備える。台車21がノズル管理装置31に連結されると、ゴミ回収機構71のレバー71aとプレート27dとが対向して位置する。付勢部27cは、例えば、巻きバネである。
台車21と連結部32の連結が検出されると、機構制御部42bは、ゴミ回収機構71のレバー駆動部71bに指示してレバー71aをプレート27dへ押し当てる。付勢部27cの付勢力に対向してプレート27dを解除位置へ移動させることで、底板27bが下方に回転し、ゴミ箱27の下部が開放される。ゴミ箱27内のゴミは、ゴミ箱27の下方に配置されたゴミ排出ダクト71cへ排出される。
(実施形態2)
次に、本開示の実施形態2のノズル管理装置81について図15および図16を参照して説明する。図15は、実施形態2にかかるノズル管理装置81の要部の平面図である。図16は、ノズル管理装置および関連装置の制御系の構成を示すブロック図である。
実施形態2のノズル管理装置81は、実施形態1のノズル管理装置31に中継ステージ77を加えたノズル保管装置31Aとメンテナンス部83とを含む構成である。この点、および以下に説明する点以外の構成および装置の動作については、実施形態1と実施形態2とは共通であるので、詳細な説明を省略する。
実施形態2のノズル保管装置31Aは、実施形態1のノズル管理装置31の構成に中継ステージ77が加えられている。中継ステージ77は、チェンジャ9をメンテナンス部83へ受け渡すために、一時的にチェンジャ9を載置しておくステージである。中継ステージ77は、本体31aの前端で作業ステージ37に対して連結部32の反対側に配置されている。
メンテナンス部83は、装着装置1から回収された使用済みのノズル9を洗浄し、洗浄したノズル9を検査する装置である。メンテナンス部83は、チェンジャ受け渡し部85と、ノズル移動部87と、洗浄部89と、乾燥ステーション91と、検査部93と、識別子読み取り部94と、制御部95とを備える。
チェンジャ受け渡し部85は、ノズル保管装置31Aとメンテナンス部83との間でチェンジャ9を受け渡す装置である。したがって、ノズル保管装置31Aにチェンジャ受け渡し部85が配置されてもよい。チェンジャ受け渡し部85は、チェンジャ移載部85aと、チェンジャ移動部85bとを備える。
チェンジャ移載部85aは、ノズル保管装置31Aの所定の受け渡し位置Paからメンテナンス部83内の所定の位置Pb間でチェンジャを搬送する。所定の受け渡し位置Paは、中継ステージ77が位置する位置Pa1と作業ステージ37が位置するPa2とを含む。なお、実施形態2では、所定の受け渡し位置Paは、2カ所であるが、1カ所でもよい。
チェンジャ移載部85aは、ノズル保管装置31Aの所定の受け渡し位置Paの近傍からメンテナンス部83内に延びる移動装置85aaと、移動装置85aaによって移動するチェンジャ移載ヘッド85abと、を備える。
チェンジャ移載ヘッド85abは、例えば、中継ステージ77に載置されたメンテナンス対象のノズル6が収納されたチェンジャ9を所定位置Pbへ搬送する。また、所定位置Pbにメンテナンスされたノズル6が収納されたチェンジャ9がある場合、チェンジャ移載ヘッド85abは、収納されたチェンジャ9を作業ステージ37へ搬送する。
チェンジャ移動部85bは、所定の位置Pbから、例えば、洗浄部89の近傍の所定位置Pcまでチェンジャ9を移動する。チェンジャ移動部85bは、チェンジャ9を支持する移動可能な移動ステージ85bbと、移動ステージ85bbを所定位置PbとPc間で移動させる移動装置85baと、を備える。
ノズル移動部87は、チェンジャ9に収納されたノズル6を洗浄部89、乾燥ステーション91、および検査部93に移動する装置である。ノズル移動部87は、XYレールステージ87aと、ノズル移動ヘッド87bと、支持アーム87cとを備える。ノズル移動ヘッド87bは、XYレールステージ87aに支持アーム87cを介して取り付けられている。従って、XYレールステージ87aが駆動するとノズル移動ヘッド87bは、X軸方向およびY軸方向に移動する。また、支持アーム87cは、ノズル移動ヘッド87bを昇降させる昇降機構(不図示)を内蔵しており、昇降機構が作動するとノズル移動ヘッド87bはZ軸方向に移動する。
識別子読み取り部94は、洗浄および検査前に、ノズル6に付された識別子6dを読み取る。識別子読み取り部94は、識別子6dがバーコードやQRコード(登録商標)のような2次元コードの場合カメラであり、識別子6dがRFIDタグの場合RFIDタグ用のリーダ装置である。読み取った識別子6dの情報をノズル6のID情報を含んでおり、このノズル6のID情報が制御部95へ送られる。これにより、どのノズル6に対して洗浄および検査が実施されたかを記録することができる。
洗浄部89は、ノズル6を洗浄する装置である。洗浄部89は、洗浄液90を貯める洗浄槽89aと、洗浄槽89aの下部に配置された超音波振動子89bを備える(図19D参照)。超音波振動子89bは洗浄槽89a内の洗浄液90に高周波の振動を発生させる。
乾燥ステーション91は、洗浄を完了したノズル6を乾燥させる装置である。乾燥ステーション91は、例えば、ノズル6にエアを通すことでノズル6を乾燥させる。このときに、ノズル6内を通過するエアの流量を検出することで、ノズル6の良品検査をしてもよい。
検査部93は、洗浄を完了したノズル6に異物の付着や詰り、変形がないかを検査する。検査部93は、例えば、カメラを含み、ノズル6の先端を撮影し、撮影された画像における先端形状を基に、制御部95の画像認識部95aが画像処理により異状の有無を判定する。
制御部95は、画像認識部95aと、機構制御部95bと、移動制御部95cと、メンテナンス情報更新部95dと、記憶部95eとを備える。制御部95は、例えば、プロセッサ、CPU、FPGA等の演算装置を画像認識部95a、機構制御部95b、移動制御部95c、メンテナンス情報更新部95dとして含む。また、メモリ、ハードディスク、SSD等の少なくとも1つから構成される記憶装置を記憶部95eとして含み画像認識部95aと、機構制御部95bと、移動制御部95cと、メンテナンス情報更新部95dの処理プログラムが記憶されている。なお、メンテナンス部83は、ノズル保管装置31Aおよびホストコンピュータ19は有線または無線からなる通信ネットワーク100に接続されており、それぞれ互いに情報の送受信を行うことができる。したがって、制御部95は、ノズルの使用履歴と洗浄の履歴と使用可否に関するノズル管理情報にアクセス可能な情報取得部として機能する。
画像認識部95aは、撮影された2次元コードの識別子からノズル6のID情報を取得する。また、ノズル6の撮影画像を基に、ノズル6の検査を行う。機構制御部95bは、チェンジャ受け渡し部85のチェンジャ移載ヘッド85abの移動量を制御する。移動制御部95cは、ノズル移動部87のノズル移動ヘッド87bの移動量を制御する。
メンテナンス情報更新部95dは、識別子読み取り部94が読み取ったノズルID情報に、洗浄履歴とノズルの使用可否を紐づけする。紐づけされたこれらのノズル管理情報は、ホストコンピュータ19へ送る。実施形態2では、ノズル管理情報のノズル状態情報に、洗浄履歴の情報とノズルの使用可否の情報とをさらに含まれる。
次に、図17を参照して、ノズル保管装置31Aへのチェンジャの回収と払い出しの動作の流れについて説明する。図17は、ノズル保管装置31Aへのチェンジャの回収と払い出しの動作のフローチャートである。
ステップS01の台車連結ステップにおいて、ノズル保管装置31Aは連結部32において入庫してくる台車21と連結する。台車21は、装着装置1で使用した使用済みのノズルを収容したチェンジャ9を支持ステージ23に搭載している。
ステップS02のチェンジャ受け取りステップにおいて、台車21が連結部32と連結すると、チェンジャ9を支持する支持ステージ23が台車21から分離する。さらに、ノズル保管装置31Aの制御部42は、台車21との連結を検出すると、機構制御部42bが解除部73を駆動し、チェンジャ9と支持ステージ23のステージ台23eとの固定を解除する。
ステップS03のチェンジャ回収ステップにおいて、移載制御部42cは移載ヘッド駆動機構44を駆動制御して、受け取り可能な状態のチェンジャ9を移載ヘッド43が把持してチェンジャパレット35に収納する。このようにして、ノズル保管装置31Aはチェンジャ9を台車21から回収する。
ステップS04のチェンジャ払い出しステップにおいて、移載制御部42cは移載ヘッド駆動機構を駆動制御して移載ヘッド43が、新たなチェンジャ9をチェンジャパレット35から支持ステージ23へ移動する。この新たなチェンジャは、ホストコンピュータ19で管理されている生産データで指定されたチェンジャIDを有するチェンジャ9である。例えば、ホストコンピュータ19は、装着装置1において次の生産で必要なノズル6が収納されたチェンジャ9を指定する。なお、新たなチェンジャ9は、次の生産で必要な複数のノズル6が移載部41によって収納されている。
ステップS05のチェンジャ受け渡しステップにおいて、ノズル保管装置31Aの機構制御部42bが解除部73を駆動し、支持ステージ23のステージ台23eにチェンジャ9を固定する。この後、支持ステージ23が台車21に戻される。
ステップS06において、ノズル保管装置31Aは連結部32における台車21との連結を解除し、台車21がノズル保管装置31Aから離脱する。この後、台車21は、作業者によって装着装置1に運ばれるか、ホストコンピュータ19が指定する装着装置1へ自動走行する。
なお、作業者が装着装置1からチェンジャ9をノズル保管装置31Aに搬送する場合、台車21との連結および離脱のステップS01とS05が省略される。作業者がチェンジャ9をノズル保管装置31Aに受け渡す場合は、ステップS02と03が実施され、作業者がチェンジャ9をノズル保管装置31Aから受け取る場合は、ステップS05とS06が実施される。以上のように、ノズル保管装置31Aは、外部とのチェンジャ9の受け渡しを行う。
次に、図18を参照して、ノズル保管装置31Aおよびメンテナンス部83の協働によりチェンジャ9が収納するノズル6のメンテナンスの流れを説明する。図18は、ノズル保管装置31Aおよびメンテナンス部83におけるメンテナンスの流れを示すフローチャートである。
ノズル保管装置31Aにおいて、ステップS11のチェンジャ取出しステップにおいて、移載制御部42cからの指示により、移載ヘッド43は、メンテナンスが必要なノズル6を収納したチェンジャ9をチェンジャパレット35から中継ステージ77へ移動する。中継ステージ77への移動が完了すると、移載制御部42cからメンテナンス部83へ移動完了信号が送られる。
メンテナンス部83において、ステップS12において、移動完了信号を受信すると、機構制御部95bからの指示によりチェンジャ移載ヘッド85abは、チェンジャ9を、受け渡し位置Pa1の中継ステージ77からメンテナンス部83の所定位置Pbに位置する移動ステージ85bbへ搬入する。
ノズル保管装置31Aにおいて、ステップS13において、ノズル保管装置31Aの制御部42は、洗浄および検査対象のノズルを収納した別のチェンジャ9を連続してメンテナンス部83に投入するか否かを判定する。別のチェンジャ9を連続してメンテナンス部83に投入する場合は、“次のチェンジャ有り”と判定し(ステップS13のYes)ステップS11に戻る。連続して投入しない場合は“次のチェンジャ無し”と判定し(ステップS13のNo)、メンテナンス部83における次のステップに進む。
メンテナンス部83において、ステップS14において、メンテナンス部83の移動制御部95cは、ノズル移動ヘッド87bにノズル6を保持させる。図19Aに示すように、ノズル移動ヘッド87bは複数のチャック87baを備える。チェンジャ9に収納されているノズル6の上方にノズル移動ヘッド87bが移動する。次に、図19Bに示すように、ノズル移動ヘッド87bが下降し、それぞれのチャック87baがノズル6を把持する。次に、図19Cに示すように、ノズル移動ヘッド87bが上昇し、それぞれのチャック87baがノズル6をチェンジャ9から持ち上げる。図19Dに示すように、ノズル移動ヘッド87bは、洗浄部89の洗浄槽89aの上方に移動する。
次に、ステップS15のノズル洗浄ステップにおいて、図19Eに示すように、ノズル移動ヘッド87bは、洗浄槽89aの方へ下降し、ノズル6の先端を洗浄液90に浸らせる。機構制御部95bは、超音波振動子89bを作動させて洗浄液90に高周波の振動を与える。ノズル移動ヘッド87bは各ノズル6を吸引することで、洗浄液90がノズル6内を流れる。このようにして、ノズル6の洗浄が行われたあと、ノズル移動ヘッド87bは、ノズル6を乾燥ステーション91へ移動させる。
ステップS16のノズル乾燥ステップにおいて、乾燥ステーション91のそれぞれのノズル6内にエアが通されて、ノズル6を乾燥する。乾燥されたあと、ノズル移動ヘッド87bは、ノズル6を検査部93へ移動させる。
ステップS17のノズル検査ステップにおいて、検査部93がそれぞれのノズルにおいて異常(異物付着、変形、詰り)がないか検査をする。検査は、たとえば、カメラがそれぞれのノズルの先端画像を撮影し、画像処理により判断してもよい。また、乾燥ステーション91でのエア流量を基に判断してもよい。
ステップS18において、ノズル移動ヘッド87bは、所定位置Pcに位置するチェンジャ9に洗浄および検査を終了したノズル6を戻す。メンテナンス情報更新部95dが、ノズル6の洗浄履歴を各ノズルIDと紐づけてノズル管理情報に記録し、ホストコンピュータ19へ送信する。移動ステージ85bbが所定位置Pcから所定位置Pbへ移動する。
ステップS19のチェンジャ返却ステップにおいて、チェンジャ移載ヘッド85abがチェンジャ9をノズル保管装置31Aの作業ステージ37へ戻す。
ノズル保管装置31Aにおいて、ステップS20のチェンジャ保管ステップにおいて、作業ステージ37からチェンジャパレット35へチェンジャ9を移動する。メンテナンスを完了したノズル6を収納したチェンジャ9がノズル保管装置31Aに保管される。また、ノズル保管装置31Aでは、移載制御部42cにおいて、ホストコンピュータ19から送られる作業情報(生産データ)とノズル管理情報に基づいて、移載部41を作動させて、作業ステージ37に支持されたチェンジャ9にノズルパレット39から必要なノズル6をセットする。作業情報には、チェンジャ9とノズル6の組み合わせに関する情報が含まれており、移載制御部42cは少なくともチェンジャ9とノズル6の組み合わせに関する情報に基づいて移載部41を作動させる。
メンテナンス部83において、ステップS21において、中継ステージ77にチェンジャ9が有る場合、ノズル保管装置31Aから搬送指示がメンテナンス部83に送られるので、再びステップS12に戻る。メンテナンス部83は、中継ステージ77からチェンジャ9を再びメンテナンス部83へ搬入し、中継ステージ77にチェンジャ9が無い場合、洗浄および検査処理を終了する。
次に、図20を参照して、ノズル保管装置31Aにおける、ノズル6の入れ替えおよび回収の流れを説明する。図20は、ノズルの入れ替えと払い出しの流れを示すフローチャートである。チェンジャ9の回収と払い出しを迅速に行わせるために、ノズル6の洗浄および検査はチェンジャ9の回収と払い出しを行わない空き時間に実施する。洗浄および検査を完了したノズル6を収納したチェンジャ9を対象とする。
ステップS31のチェンジャ取出しステップにおいて、移載ヘッド43は、対象となるチェンジャ9をチェンジャパレット35から作業ステージ37へ移動させる。対象となるチェンジャ9は、チェンジャ9内のノズルセット(ノズルの組み合わせ)の変更する必要あるチェンジャである。また、使用期限を超えたノズル6、または、検査部93におけるノズル6の検査で不合格、あるいは、使用禁止に指定されたノズル6を収納したチェンジャである。また、ノズル6を収納する必要があるチェンジャも対象となる。例えば、空のチェンジャ9に次回生産用のノズルセットを準備する場合や、使用が禁止されたノズルのみ収納するチェンジャに不良ノズル等を収納する場合などがあげられる。また、空にする必要があるチェンジャも対象となる。チェンジャ管理情報を参照することでこれらの対象となるチェンジャ9を抽出することができる。
ステップS32において、カメラ48がノズル6の識別子6dを撮影し、画像認識部42aの画像処理によりノズル6の識別情報(ノズルID)を取得する。識別子6dがRFIDタグの場合、ノズル6に付されたRFIDタグを読み取る。
ステップS33のノズルの移載ステップにおいて、移載ヘッド43が対象となるノズル6をノズルパレット39へ移載する。移載されるノズル6として、使用予定のないノズル6、チェンジャ9内のノズルセットから除外されるノズル6、使用期限、あるいはノズル検査で不合格、あるいは、使用禁止に指定されたノズル6が挙げられる。
ステップS34において、制御部42は、チェンジャ管理情報とノズル管理情報を更新する。
ステップS35のチェンジャ収納ステップにおいて、移載ヘッド43がチェンジャ9を作業ステージ37からチェンジャパレット35へ移動する。
これらの処理がノズル保管装置31Aの空き時間に行われるので、作業効率を向上することができる。
実施形態2のノズル保管装置31Aにおいても、ノズル6とチェンジャ9を組み合わせて管理することができる。これにより、生産する基板3の機種変更に伴う段取り換えを効率良く行うことができる。
(実施形態3)
次に、本開示の実施形態3のノズル管理装置81Bについて図21を参照して説明する。図21は、実施形態3にかかるノズル管理装置81Bの要部の平面図である。
実施形態3のノズル管理装置81Bは、実施形態1のノズル管理装置31と実施形態2のメンテンナンス部83の変形例であるメンテナンス部83Bとを含む構成である。この点、および以下に説明する点以外の構成および装置の動作については、実施形態3は、実施形態1および実施形態2と共通であるので、詳細な説明を省略する。なお、実施形態3におけるノズル保管装置31Bは、実施形態1のノズル管理装置31と同一の装置である。
実施形態3のノズル管理装置81Bは、実施形態2の中継ステージ77がなく、メンテナンス対象のノズルを収納して搬送するノズル搬送部97がノズル保管装置31の作業ステージ37の近傍の所定の受け渡し位置Paからメンテナンス部83の洗浄部89の近傍まで移動する構成である。また、メンテナンス情報更新部95dは、メンテナンス部83Bで生成された洗浄の履歴と検査の結果に基づいて、ノズル管理情報における洗浄の履歴と使用可否に関する情報を更新するノズル管理情報更新部として機能する。
メンテナンス部83Bは、ノズル搬送部97と、ノズル移動部87Bと、洗浄部89と、乾燥ステーション91と、検査部93と、識別子読み取り部94と、制御部95とを備える。
ノズル搬送部97は、ノズル保管装置31Bの作業ステージ37の近傍の所定位置Paとメンテナンス部83B内のノズル移動部87Bのノズル移動ヘッドが移動可能な所定位置Pbとの間をノズル6を搬送する。ノズル搬送部97は、所定の受け渡し位置Paから所定位置のPbまで延びるレール97aと、レール97a上を移動するシャトル97bと、シャトル97bを駆動するモータ(不図示)を備える。
シャトル97bは、種々のノズル6を収納できるように、ノズル6の様々な大きさおよび形状に適応した収納用の孔が形成されている。シャトル97bは、標準ノズル用の収納孔97bと、中ノズル用の収納孔97baと、大ノズル用の収納孔97bbと、特殊ノズル用の収納孔97bcとを含む。シャトル97bは、メンテナンス対象ノズル収納部としての役割を有している。
ノズル移動部87Bは、XYレールステージ87aと、支持アーム87cと、標準ノズル用移動ヘッド87dと、中ノズル用移動ヘッド87eと、大ノズル用移動ヘッド87fと、特殊ノズル用移動ヘッド87gとを備える。それぞれのノズル6の大きさに対応した各移動ヘッドは、XYレールステージ87aに支持アーム87cを介して取り付けられ、X軸方向およびY軸方向に移動可能である。また、支持アーム87cは駆動機構(不図示)により上下方向(Z軸方向)に移動可能であるので、各移動ヘッドは上下方向(Z軸方向)にも移動可能である。
次に、図22を参照して、ノズル保管装置31Bおよびメンテナンス部83Bの協働によりチェンジャ9が収納するノズル6のメンテナンスの流れを説明する。図22は、実施形態3におけるノズル保管装置31Bおよびメンテナンス部83Bにおけるメンテナンスの流れを示すフローチャートである。
ステップS30のシャトル移動ステップにおいて、機構制御部95bは、ノズル6の収納用のシャトル97bを所定の受け渡し位置Paまで移動させる。
次に、ステップS31のチェンジャ取出しステップにおいて、ノズル保管装置31Bの移載制御部42cが、移載部41を作動させて、メンテナンスが必要なノズル6を収納したチェンジャ9をチェンジャパレット35から作業ステージ37へ移動する。なお、このノズル6の受け渡しは、ノズル保管装置31Bの移載部41の代わりにメンテナンス部83Bが別のノズル受け渡し部を備えていてもよい。作業ステージ37への移動が完了すると、移載制御部42cからメンテナンス部83へ移動完了信号が送られる。
次に、ステップS32のノズル移動ステップにおいて、ノズル保管装置31Bの移載制御部42cからの指示により、移載ヘッド43は、メンテナンスが必要なノズル6を作業ステージ37のチェンジャ9からシャトル97b内へ移動させる。
次に、メンテナンス部83Bにおいて、ステップS33のシャトル移動ステップにおいて、シャトル97bはノズル6を収納すると、機構制御部95bがシャトル97bを所定位置Pbへ移動させる。所定位置Pbは、ノズル移動ヘッド87Bbがアクセス可能な位置である。
次に、実施形態2と同様に、メンテナンス部83BがステップS14~ステップ17を実施し、ノズル6の洗浄、乾燥、および検査を行う。
次に、ステップS38において、ノズル移動ヘッド87Bbが洗浄および検査を完了したノズル6をシャトル97bへ戻す。
次に、ステップS39のシャトル移動ステップにおいて、機構制御部95bは、シャトル97bを所定位置Pbから所定の受け渡し位置Paまで移動させる。
ノズル保管装置31Bにおいて、ステップS40のノズル回収ステップにおいて、移載ヘッド43は、シャトル97bからノズル6を回収して作業ステージ37上のチェンジャ9に収納する。このとき、シャトル97b内に使用不可のノズル6がある場合は、使用不可のノズル6のノズルID情報がメンテナンス部83Bからノズル保管装置31Bへ送られ、移載制御部42cは、移載部41を作動させて代替の良品のノズル6をノズルパレット39から作業ステージ37上のチェンジャ9にセットする。
次に、実施形態2と同様にステップS20が実施され、作業ステージ37からチェンジャパレット35へチェンジャ9を移動する。
次に、ステップ41において、ノズル保管装置31Bの制御部42は、洗浄および検査対象のノズルを収納した別のチェンジャ9のノズル6をシャトル97bに移載するか否かを判定する。シャトル97bに移載する別のチェンジャ9がある場合は、“次のチェンジャ有り”と判定し(ステップS41のYes)ステップS31に戻る。シャトル97bに移載する別のチェンジャ9がない場合は“次のチェンジャ無し”と判定し(ステップS41のNo)、シャトル移動終了の信号をノズル保管装置31Bの制御部42からメンテナンス部83Bへ送る。
次に、ステップ42において、ノズル保管装置31Bは、シャトル移動終了の信号を受信すると、機構制御部95bは、シャトル97bを待機位置に移動させる。
次に、実施形態3の変形例を図23を参照して説明する。図23は、実施形態3の変形例におけるノズル保管装置31Bおよびメンテナンス部83Bにおけるメンテナンスの流れを示すフローチャートである。
実施形態3の変形例では、メンテナンス部83Bがノズル6の洗浄および検査をしている間に、この時間を利用してノズル保管装置31Bが作業ステージ37で待機しているチェンジャ9に新たなノズル6をセットする作業を行う。
ステップS32において、シャトル97bへのノズル移動が終了した後、ステップS33でシャトル97bがメンテナンス部83Bの所定位置Pbへ移動する。この後、ステップS51において、ノズル保管装置31Bでは、移載制御部42cは、ホストコンピュータ19から送られる作業情報(生産データ)とノズル管理情報に基づいて、移載部41を作動させて、作業ステージ37に支持されたチェンジャ9にノズルパレット39から必要なノズル6をセットする。作業情報には、チェンジャ9とノズル6の組み合わせに関する情報が含まれており、移載制御部42cは少なくともチェンジャ9とノズル6の組み合わせに関する情報に基づいて移載部41を作動させる。
次に、ステップS52において、移載制御部42cは、移載ヘッド43に指示して、作業ステージ37からチェンジャパレット35へチェンジャ9を移動し、チェンジャ9を保管する。
次に、ステップS52において、移載制御部42cは、移載ヘッド43に指示して、所定の受け渡し位置Paに位置するシャトル97b内のノズル6をノズルパレット39へ回収する。
実施形態3の変形例によれば、チェンジャ9に収納されている使用済みノズル6を洗浄および検査するためにメンテナンス部83Bに送るとともに、その空いたチェンジャ9に次回使用するノズルセットを準備する。これにより、ノズル6のメンテナンスとノズルセットの組み換えの一連の作業を効率よく行うことができる。
本実施形態のノズル保管装置31Aによれば、部品4を基板3に装着する装着装置1で使用される部品保持用のノズル6を管理するノズル管理装置81であって、複数のノズル6を収納するノズルパレット39を備える。また、ノズル管理装置81は、複数のノズル6を収納するとともに装着装置1に着脱自在にセット可能なチェンジャ9を複数収納するチェンジャパレット35と、チェンジャ9を支持するとともにチェンジャ9からノズル6を着脱可能にする作業ステージ37と、作業ステージ37に支持されたチェンジャ9とノズルパレット39との間でノズル6を移載する移載部41と、チェンジャ9をチェンジャパレット35と作業ステージ37の間で移動させる移載部41と、チェンジャ9に収納されているノズル6の洗浄と検査を行うメンテナンス部83と、を備える。これにより、ノズル6の洗浄、検査、および保管を一台の装置で行うことができる。特にノズル6の保管は、チェンジャ単位でできるので生産に必要なチェンジャ9を迅速に準備することができる。
また、ノズル管理装置81は、チェンジャ移載部85aがアクセス可能な所定の受け渡し位置Paを介してチェンジャ9の受け渡しを行う受け渡し部85を備え、メンテナンス部83は、受け渡し位置Paで受け取ったチェンジャ9からノズル6を取り出すノズル移動部87と、ノズル6の洗浄を行う洗浄部89とノズル6の検査を行う検査部93と、を備え、ノズル移動部87は、洗浄部89での洗浄と検査部93での検査が終了したノズル6をチェンジャ9に戻す。これにより、ノズル6の洗浄、検査、および保管をチェンジャ単位でできるので管理が用意かつ生産に必要なチェンジャ9を迅速に準備できる。
また、所定の受け渡し位置Paは複数個所あり、受け渡し部85は、1つの受け渡し位置Pa1で洗浄と検査が必要なチェンジャ9を受け取り、他の受け渡し位置Pa2に洗浄と検査を終えたノズル6を収納したチェンジャ9を渡す。
また、ノズル6の使用履歴と洗浄の履歴と使用可否に関するノズル管理情報と、装着装置1の作業に関する作業情報とにアクセス可能な制御部42、95と、洗浄部89で行われた洗浄の履歴と検査部93による検査の結果に関する情報に基づいて、ノズル管理情報における洗浄の履歴と使用可否に関する情報を更新するメンテナンス情報更新部95dと、更新されたノズル管理情報と前記作業情報に基づいて、移載部41を作動させて、作業ステージ37に支持されたチェンジャ9に必要なノズル6をセットする移載制御部42cとを備える。
作業情報には、チェンジャ9とノズル6の組み合わせに関する情報が含まれており、移載制御部42cは少なくともチェンジャ9とノズル6の組み合わせに関する情報に基づいて移載部41を作動させる。
また、ノズル管理装置81は、作業ステージ37に位置するチェンジャ9からシャトル97bへのノズル6の受け渡しを行う移載部41を備え、メンテナンス部83Bは、洗浄および検査の対象となるノズル6を複数個収納するシャトル97bと、シャトル97bからノズル6を取り出すノズル移動部87Bと、ノズル6の洗浄を行う洗浄部89と、ノズル6の検査を行う検査部93と、を備える。ノズル移動部87Bは、シャトル97bからノズル6を取り出して洗浄部89および検査部93へ移動させ、ノズル移動部87Bは、洗浄と検査が終わったノズル6をシャトル97bに戻す。
ノズル6の使用履歴と洗浄の履歴と使用可否に関するノズル管理情報にアクセス可能な制御部42、95と、メンテナンス部83Bで生成された洗浄の履歴と検査の結果に基づいてノズル管理情報における洗浄の履歴と使用可否に関する情報を更新するメンテナンス情報更新部95dと、移載部41を作動させて、作業ステージ37に支持されたチェンジャ9にノズル6をセットする移載制御部42cと、を備える。洗浄と検査を終えたノズル6をチェンジャ9に戻す際に、移載制御部42cは移載部41を作動させて、使用可否に関する情報において使用不可の状態のノズルの代替用のノズルをノズルパレット39から取り出してチェンジャ9に収納する。
また、ノズル保管装置31Bは、6の使用履歴と洗浄の履歴と使用可否に関するノズル管理情報と、装着装置1の作業に関する作業情報にアクセス可能な制御部42、95と、メンテナンス部83Bで生成された洗浄の履歴と検査の結果に基づいて前記ノズル管理情報における洗浄の履歴と使用可否に関する情報を更新するメンテナンス情報更新部95dと、メンテナンス部83Bで洗浄や検査が行われているときに、ノズル管理情報と作業情報に基づいて移載部41を作動させて、作業ステージ37に支持されたチェンジャ9に必要なノズルをセットする移載制御部42cと、を備える。
また、作業情報には、チェンジャ9とノズル6の組み合わせに関する情報が含まれており、移載制御部42cは少なくともチェンジャ9とノズル6の組み合わせに関する情報に基づいて移載部41を作動させる。
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。また、各実施形態における要素の組合せや順序の変化は、本開示の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。
なお、前記様々な実施形態および変形例のうちの任意の実施形態あるいは変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。