JP7329240B2 - 被着フィルムの成形方法 - Google Patents
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Description
ディスプレイに倣う形態に成形する方法としては、金型などに押し付けて成形する方法が一般的に用いられる。しかし、金型に押し付けてハードコート層を曲げ変形させる際に、該ハードコート層にクラックが生ずる虞がある。これは、ハードコート層の曲げ変形時に、該ハードコート層に張力が作用して延伸することによって、該ハードコート層にクラックが生じてしまうことに因る。特に、ディスプレイが全体的に湾曲した構成や上下左右の各側縁に夫々曲面を有する構成では、ハードコート層に張力が一層作用し易く、延伸されてクラックが発生し易い。
さらに、押圧加工工程では、基体シートとハードコート層とから構成された外周部を把持することから、加工用フィルムを押型に押し付ける際に、該加工用フィルムを確実かつ安定して把持でき、所望位置に正確かつ容易に位置決めできる。こうしたことから、押圧加工工程では、加工用フィルムの押圧加工部を所望形状に正確かつ安定して成形でき、成形不良などの不具合の発生を抑制できるという作用効果も奏する。
したがって、本発明の成形方法によれば、ディスプレイ等に倣う曲面を有する被着フィルムを、ハードコート層にクラックを生ずること無く、安定して成形することができる。そして、本発明の成形方法により成形された被着フィルムは、曲面を有するディスプレイに安定して被着させることができる。
図1に示すように、自動車に装着されるナビゲーションシステムのディスプレイからなる被着対象物101は、略矩形板状からなり、その表面が、表裏方向に湾曲する主面部102と、該主面部102の上下左右の各側縁から裏側へ向かって湾曲する湾曲周縁部103とから構成される。ここで、主面部102は、中央部が裏側へ僅かに凹む湾曲面により構成される一方、湾曲周縁部103は、前記上下左右の各側縁部103aと、隣合う各側縁部103aが連続する四つ角の角縁部103bとから構成されている。本実施例の被着フィルム1は、図1,2に示すように、前記被着対象物101の表面(主面部102と湾曲周縁部103)を覆うように被着されるものであり、該被着対象物101の主面部102を覆う主面被着部2と湾曲周縁部103を覆う周縁被着部3とを備える。主面被着部2は、主面部102と同様に、表裏方向に僅かに凹む湾曲面状を成し、該主面部102に倣うように被着される。そして、周縁被着部3は、裏側へ湾曲する湾曲形状を成し、湾曲周縁部103に倣うように被着される(図3(B)参照)。尚、周縁被着部3は、湾曲周縁部103の各側縁部103aに被着される側縁被着部3aと、各角縁部103bに被着される角縁被着部3bとから構成されている。
ここで、基体シート11は、ポリカーボネート樹脂(以下、PC樹脂という)を薄厚シート状に成形したものが適用でき、延性を有する。尚、PC樹脂以外にも、ポリメタクリル酸メチル樹脂(以下、PMMA樹脂)や、PC樹脂とPMMA樹脂とを混合した樹脂などのように、延性を有する樹脂を適用することもできる。本実施例の被着フィルム1は、0.3mm~0.8mm厚のものを用いている。
一方、ハードコート層12は、前記基体シート11に比して高硬度のものであり、表面の傷付き等を防止できる。本実施例にあって、ハードコート層12は、硬度(ガラスの硬度を10とした場合)が5~8、かつ厚みが3μm~25μmのものを用いている。尚、こうしたハードコート層12は、当然ながら、硬度が高いことから、延性が低い。
被着フィルム1の成形工程は、図4のフローチャートに示すように、基材フィルム準備工程、加工用フィルム成形工程、押圧成形工程、切除加工工程を順次実行することにより、被着対象物101に被着される被着フィルム1を成形する。
本実施例の加工用フィルム成形工程では、図6に示すように、前記押圧加工部26の外周縁に沿ってエンドミル40を走査することによって、前記分断部27を構成する部位のハードコート層12を切削して除去し、基体シート11のみからなる該分断部27を成形する。こうした切削加工により、押圧加工部26と外周部28とが分断部27を介して連成された図7の前記加工用フィルム25を得る。
ここで、下型42は、上方に膨隆する押圧凸部45と、該押圧凸部45を囲繞する外周平面部46とを備えてなる。押圧凸部45は、その上面部45aが、被着対象物101の主面部102と同一形状に形成され、該上面部45aを囲繞する周縁上部45bが該被着対象物101の湾曲周縁部103と同一形状に形成されており、上面部45aと周縁上部45bとが連成されてなる。一方、上型41は、上方に窪む押圧凹部48と、該押圧凹部48を囲繞する外周平面部49とを備えてなる。押圧凹部48は、前記下型42の押圧凹部48に、前記押圧加工部26の厚みを介して嵌め合わされる形状寸法に形成されたものである。
尚、本実施例の押圧成形工程では、加工用フィルム25の表面温度が160℃~240℃となるように上型41と下型42とを加熱すると共に、該上型41と下型42とにより押圧する加工時間が約3秒間~20秒間に設定されている。こうした加熱温度や加工時間等の加工条件は、基体シート11やハードコード層12の厚みや材料などに応じて適宜設定変更され得る。
本実施例の被着フィルム1の成形工程にあっては、加工用フィルム成形工程により、押圧加工部26の外周縁に沿ってハードコート層12を切削して、基体シート11のみからなる分断部27を介して該押圧加工部26と外周部28とが連成された加工用フィルム25を成形し、押圧加工工程により、外周部28を把持した加工用フィルム25を上型41と下型42とで押圧して、押圧加工部26を被着対象物101の表面に倣う形態に成形するようにした。かかる成形工程によれば、上型41と下型42とで押圧する際に(押圧成形工程)、押圧加工部26のハードコート層12aに作用する張力を著しく低減でき、該ハードコート層12aをほとんど延伸させずに曲げ加工できるため、該ハードコート層12aにクラックが発生することを抑制できる。すなわち、押圧成形工程では、上型41と下型42とによる押圧加工の際に、押圧加工部26に作用する張力が、分断部27の伸縮変形によって抑制され、該ハードコート層12aをほとんど延伸すること無く曲げ加工できる。そのため、押圧加工の際に、高硬度のハードコート層12aにクラックが発生することを可及的に抑制できる。したがって、本実施例の成形工程によれば、高硬度のハードコート層12aにクラックが発生すること無く、被着対象物101の表面(主面部102と湾曲周縁部103)に被着される被着フィルム1を、安定して成形することができる。
詳述すると、例えば、基材フィルム21を、その外周縁を把持せずに、前記上型41と下型42とで挟み込んで押圧すれば、ハードコード層12へ作用する張力を軽減できることから、該ハードコート層12でのクラック発生を抑制する作用効果が期待できる。しかし、この方法では、上型41と下型42とに対する正確な位置決めが難しいと共に、押圧加工の際に基材フィルム21が位置ズレを生ずる虞もある。このように前記押圧加工する際に正確な位置決めができなければ、所望の形状に安定して押圧成形することができない。一方、基材フィルム21の外周縁を把持して押圧加工すると、ハードコート層12にクラックが生じてしまう。このように基材フィルム21を押圧加工した場合には、ハードコート層にクラックが発生する問題と、位置決めの問題とを同時に解決できない。
これに対して、本実施例の成形工程では、前述したように、外周部28を把持して正確に位置決めできると共に、ハードコート層12aへ作用する張力を軽減でき、該ハードコート層12aでのクラックの発生を抑制できる。したがって、本実施例の成形工程によれば、位置ズレ等を要因とする不具合品の発生を抑制でき、高い生産効率で所望の被着フィルム1を生産できる。
例えば、スピードメーターを表示するディスプレイに被着される被着フィルム81は、実施例と同様の基材フィルム82とハードコート層83とから構成されており、例えば、図11に示すように、略中央部が裏側へ僅かに凹む形状を成すと共に、上辺縁が上方へ湾曲状に突出する形状を成す。さらに、前記ディスプレイに被着される被着フィルム81は、その外周縁に所定色(例えば、黒色)で塗装された着色周部85を有する。こうした被着フィルム81の成形工程は、前述した実施例と同様の基準フィルム準備工程後に、該基準フィルム準備工程で準備した基準フィルムに塗装する塗装工程を行い、その後、実施例と同様の加工用フィルム成形工程、押圧加工工程、および切除加工工程を行う。このように、少なくとも押圧加工工程の前に塗装工程を行うことにより、塗装工程の作業性が良く、該作業に要するコストと時間を抑制できる。そして、本実施例の押圧加工工程では、前述したように正確かつ容易に位置決めできることから、着色周部85を有する被着フィルム81にあっても安定して成形できる。したがって、こうした被着フィルム81にあっても、前述した実施例と同様に、ハードコート層にクラックを生ずること無く、前記ディスプレイに被着される所望形状に安定して成形することができる。
11 基体シート
12,12a,12b ハードコート層
21 基材フィルム
25 加工用フィルム
26 押圧加工部
27 分断部(余剰部)
28 外周部(余剰部)
41 上型(押型)
42 下型(押型)
Claims (1)
- 延性を有する樹脂製の基体シートと、該基体シートの上面に設けられ、該基体シートに比して高硬度のハードコート層とを備え、少なくとも一部に曲面を有する所望形状に成形されてなる被着フィルムの成形方法において、
前記基体シートの上面全域にハードコート層が積層された基材フィルムを準備する基材フィルム準備工程と、
前記基体シート上のハードコート層のみを、所定の押圧加工部を囲むように切削して除去することにより、該基体シートのみからなる分断部を周成し、該分断部を介して前記押圧加工部と該分断部を囲繞する外周部とが連成された加工用フィルムを成形する加工用フィルム成形工程と、
前記加工用フィルムの外周部を把持して、前記所望形状に成形するための押型に、該加工用フィルムの押圧加工部を加熱して押しつける押圧成形工程と、
前記加工用フィルムの外周部と分断部とを切除することにより、被着フィルムを得る切除加工工程と
を備えていることを特徴とする被着フィルムの成形方法。
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