JP7329167B2 - コンクリート床版構造体および大型車両駐車場構造 - Google Patents

コンクリート床版構造体および大型車両駐車場構造 Download PDF

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本発明は、サービスエリアやパーキングエリアの大型車両駐車場構造および大型車両駐車場に敷設されるコンクリート床版構造体に関するものである。
高速道路等のサービスエリアやパーキングエリアには、大型トラックや大型バスなどの大型車両が駐車するスペース(駐車マス)が設けられている(例えば図12参照)。
ところで、サービスエリアやパーキングエリアでは、長距離トラックのドライバーらがアイドリング状態で仮眠することが散見される。
大型車両による振動が繰り返されることにより、路盤や路床が変形し、路盤や路床の変形に伴いアスファルトが変形し、特に、大型車両前輪対応位置にて、凹みや窪みが生ずる。凹みや窪みに水が溜まると(図13参照)、凹みや窪みに生じたひび割れから水が路盤に浸透する。路盤が大量の水を含んだ状態で、大型車両の加重が作用すると、ポンピング現象により、路盤の細粒分が流出し、舗装下に空洞が生じる。空洞により、アスファルト舗装は支持力を失い、損傷が進行する。これを長期間放置しておくと、大きな穴となる。ここまで損傷が進むと、路盤を含めて全面的に修復する必要があり、大掛かりな工事となる。
また、凹みや窪みにともない、両端部が盛り上がる。大型バスの乗客らが、凹凸に足を取られるおそれもある。
このため、凹みや窪みが生じた場合、損傷初期段階において、補修が行なわれる。アスファルト舗装路面の補修工法としては、路面のアスファルトを加熱し、かきほぐして新規材料も加えて再生使用する再生工法や、補修部分のアスファルトを切削除去して新たなアスファルト混合物で敷き直す工法や、切削せずに補修部分を清掃した後に新たなアスファルト混合物を充填して敷きならす工法などがある(例えば特許文献1参照)。
ところで、サービスエリアやパーキングエリアの大型車両駐車場では、一般に、半たわみ性舗装がされている。半たわみ性舗装では、アスファルト混合物の空隙にセメントミルクを浸透させる。このため、通常のアスファルト舗装に比べて、撤去や復旧において施工手間がかかる。サービスエリアやパーキングエリアの駐車マスは24時間利用されており、頻繁に工事規制することは好ましくない。
一方で、コンクリート舗装、特にコンクリート床版による舗装は、アスファルト舗装に比べて、メンテナンス手間が少ないことが知られている(例えば、特許文献2参照)。例えば、トンネル出口個所、トンネル入口個所、道路傾斜個所、料金所個所、及び交差点個所などの舗装に、耐久性や急速施工等の観点からコンクリート床版(舗装版)が用いられることもある。また、耐久性の高さから空港舗装にも用いられる(例えば、特許文献3参照)。
特許4101858号公報 特開2000-230211号公報 特開2001-152403号公報
そこで、本願出願人は、コンクリート床版を大型車両用の駐車マスに適用することを提案した。
しかしながら、従来技術に係るコンクリート床版は、道路舗装を考慮して提案されたものであり、そのまま、大型車両用の駐車マスに適用しようとすると、下記のような不具合が生じる。
道路用コンクリート床版は、施工性の観点から、道路進行方向約5m×道路直行方向約1.8m×厚さ約0.2m程度のものが用いられる。道路用コンクリート床版一枚あたりの重量は4t近くになる。交通量の少ない夜間等に工事規制を行い、25tラフターにより吊り上げて、所定位置に配置する。
これに対し、サービスエリアやパーキングエリアでは、大規模な工事規制をおこなうことが難しい。
コンクリート床版はメンテナンス手間が少ない長所を有するが、メンテナンス不要なわけではない。不具合が見つかった場合は、早急になるべく簡便に補修できることが好ましい。
このように、サービスエリアやパーキングエリアでは、より簡便な施工、より簡便な補修が重要となる。
そこで、本願出願人は、コンクリート床版を小型・分割することを提案した。具体的には、縦約2.1m×横約1.6m×厚さ約0.15m程度、重量は1.2t程度を想定している。これにより、10tユニック車による搬送および施工が可能となり、大規模な工事規制は不要となる。
一方、コンクリート床版を分割する結果、コンクリート床版同士を連結する箇所が増え、施工手間が増える。
従来の道路用コンクリート床版においても、コンクリート床版同士を連結する必要がある。コンクリート床版は端部に連結金具を有し、目地を介して、対向する連結金具同士を連結する。目地にはグラウトが注入される。グラウトは3時間程度で実用強度が発現する。その後、連結金具同士を締結する。
一般に、道路用コンクリート床版を用いた道路工事の場合は、比較的大掛かりな工事となるため、十分な施工時間が確保されている。したがって、グラウト注入作業が、極端に施工手間となることはない。
これに対し、サービスエリアやパーキングエリアにコンクリート床版を敷設する作業では、全体の作業量に対し、グラウト注入作業が施工手間になる。
このように、小型のコンクリート床版を大型車両用の駐車マスに適用しようとすると、グラウト注入作業が絶対的に、かつ、相対的に施工手間になる。
本発明は、上記課題を解決するものであり、より簡便な施工および、より簡便な補修ができるコンクリート床版構造体を提供することを目的とする。さらには、コンクリート床版構造体が適用されたサービスエリアやパーキングエリアの大型車両用駐車マスを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本願発明のコンクリート床版構造体は、複数のコンクリート床版と、前記複数のコンクリート床版のうち対向するコンクリート床版間に介挿される樹脂製目地板と、前記対向するコンクリート床版の端部同士を連結する連結部とを備える。
樹脂製目地板を介して複数のコンクリート床版を連結することで、コンクリート床版構造体は一枚の床版となる。大型の床版やグラウト目地と比較して、施工容易性や補修容易性が向上する。
上記発明において好ましくは、前記樹脂製目地板の圧縮強度が20N/mm2以上である。
これにより、グラウト目地に代替可能となる。
上記発明において好ましくは、前記樹脂製目地板は繊維チップを含む。
これにより、樹脂製目地板の圧縮強度は増し、熱膨張は抑制される。
上記発明において好ましくは、前記連結部はコッター式継手構造である。
樹脂製目地板はコッター式継手構造の目地に好適である。
上記課題を解決する本願発明の大型車両駐車場構造は、前記コンクリート床版構造体が敷設されて形成される。
本願発明のコンクリート床版構造体は、大型車両駐車場構造に好適である。
上記発明において好ましくは、車両通路と、前記車両通路に沿って複数隣接して設けられる駐車マスとを備える。前記車両通路の進行方向と前記駐車マスの長手方向は、35~55度の斜角を形成する。前記駐車マスの車両前輪対応位置に前記コンクリート床版構造体が敷設されている。
これにより、これにより、アイドリング時のエンジン振動が前輪を介して舗装に伝達され不具合が発生することを抑制できる。
上記発明において好ましくは、隣り合う駐車マスにおいて、一のコンクリート床版構造体と他のコンクリート床版構造体とが一部において連結されている。
これにより、1つのコンクリート床版構造体下面において空洞化が発生した場合でも、両側のコンクリート床版構造体により支持され、空洞化の悪影響を抑制できる。
本発明のコンクリート床版構造体では、従来技術に比べ、より簡便な施工および、より簡便な補修ができる。
その結果、サービスエリアやパーキングエリアの大型車両用駐車マスにコンクリート床版構造体を適用できる。
また、本願樹脂製目地板はコッター式継手構造の目地に好適である。
コンクリート床版構造体 (平面図) コンクリート床版配筋図 (平面図・側面図) 連結部詳細図 (平面図・側面図) 連結部詳細図 (断面斜視図) 連結金具例 大型車両駐車場構造(概略断面図) 施工外略図 大型車両駐車場参考レイアウト(平面図) 大型車両駐車場実施レイアウト(平面図) 大型車両駐車場変形レイアウト(平面図) 構造体連結部詳細図(平面図) サービスエリア大型車両用駐車マス 駐車マスにおける窪み コッター式継手への適用例
~コンクリート床版構造体~
図1は、本発明の一実施形態に係るコンクリート床版構造体1の平面図である。
コンクリート床版構造体1は、例えば4枚のコンクリート床版2を連結させたものである。コンクリート床版2は四辺に連結金具5が埋設されている。対向するコンクリート床版2,2間には樹脂製目地板3が介挿されている。対向するコンクリート床版2,2は、樹脂製目地板3を介して、連結部4により連結される。言い換えると、4枚のコンクリート床版2が連結され、1つのコンクリート床版構造体1を形成する。コンクリート床版構造体1は一枚の床版である。
図2は、コンクリート床版2の配筋図であり、平面図と側面図である。例えば、縦横30本程度のD19の鉄筋が配筋され、圧縮強度40N/mm2程度のコンクリートが打設される。コンクリート床版2の長手方向端辺には4つの連結金具5がコンクリートに埋設され、短手方向端辺には3つの連結金具5がコンクリートに埋設されている。
なお、寸法以外、基本的な構成は、従来のコンクリート床版とほぼ同様である。
図3は連結部4の平面図と側面図である。図4は連結部4の一部断面斜視図である。図5は連結金具5の例示である。
連結金具5は上面が開放された箱型であり、2本のアンカーによりコンクリート内に固定される。また端面に孔を有する。
コンクリート床版2A,2Bが対向すると、連結金具5A,5Bの孔が対向する。また、樹脂製目地板3の連結部相当位置にも孔が設けられており、連結金具5A,5Bの孔と連通する。この孔にボルト-ナット構造6が挿通する。これにより、連結部4が形成される。
本願発明では、グラウト注入に代えて、対向するコンクリート床版2,2間に樹脂製目地板3が介挿されている。樹脂製目地板3の樹脂には炭素繊維チップが含まれている。
樹脂材料には、例えば、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)等が、用いられる。試験施工では、PEを用いた。
なお、一般に、PPやPEと炭素繊維とは馴染みにくいとされている。サイジング材を付加することにより、PPやPEと炭素繊維との混合が容易となる。比較的安価なPPやPEを用いることで樹脂製目地板の製作コストを抑制できる。
炭素繊維チップは、たとえば、チョップドファイバーである。チョップドファイバーは単繊維を束ねたものを3~6mm程度の長さに切断したものである。ところで、一般的な炭素繊維強化プラスチックにおいては織物状の炭素繊維を用いる。チョップドファイバーは織物の端材を利用することで、安価に入手でき、樹脂製目地板の製作コストを抑制できる。
炭素繊維に変えてスーパー繊維を用いてもよい。スーパー繊維は、アラミド繊維やポリエチレン繊維など高強度・高弾性率・高耐熱性などの高機能を有する人工繊維の総称である。
炭素繊維チップは、樹脂に対し重量比5-10%程度含まれる。試験施工では、5%含まれていた。
一般的に炭素繊維強化プラスチックはコスト面に課題があるとされるが、本実施形態では炭素繊維強化樹脂板の製作コストを抑制できる。その結果、目地板への適用が可能となる。
これにより、炭素繊維チップが含まれていない樹脂に比べ高強度となる。例えば、炭素繊維チップが含まれていない樹脂製目地板の圧縮強度が10N/mm2程度だったのに対し、炭素繊維チップが含まれている樹脂製目地板3の圧縮強度は20N/mm2以上となり、グラウトに代替できる。その結果、コンクリート床版構造体1は剛性を確保し、一枚の床版となる。
実務的な観点より、樹脂製目地板3の圧縮強度は最大でコンクリートの圧縮強度程度でよい。
樹脂製目地板3の圧縮強度をコンクリートの圧縮強度程度以下(または未満)とすることにより、樹脂製目地板3は高剛性ととともに適度な弾性機能を発揮し、コンクリート床版構造体1に作用する曲げ変位を吸収できる。その結果、目地周辺での破壊を抑制できる。
また、樹脂製目地板3が炭素繊維チップを含むことにより、熱膨張を抑制できる。本願出願人は、炭素繊維チップの有無による膨張抑制効果について簡単な試験をおこなった。1000×2400×10mmのPE板を成形し、直射日光に8~14時まで6時間暴露させた。5日間の平均をとり、更に縦方向と横方向の平均をとった。炭素繊維チップが含まれていない樹脂板では、1.9%程度膨張したのに対し、10%程度炭素繊維チップが含まれている樹脂板は0.7%膨張した。すなわち、膨張の影響を約半分に抑制できることが推測される。これにより、連結部4に負荷を掛けない。さらに、グラウトのような収縮やひび割れもない。
なお、樹脂製目地板3はコンクリート床版2の熱伸縮を多少調整できるが、主にコンクリート床版構造体1境界部にて調整する。
樹脂製目地板3介挿は、グラウトのように実用強度発現を待つ必要がなく、施工手間を低減できる。
連結後、連結金具5A,5Bには蓋7A,7Bが被せられ、ネジ留めされる。蓋7は樹脂製目地板3と同じ材料でもよい。
さらに、目地はシール8によりシールされる。シール8はポリウレア樹脂である。
ポリウレア樹脂は、イソシアネートとアミノ基との化学反応によって形成されるウレア結合が主体となった化合物である。硬化時間が速く、施工性が良い。ポリウレタンに比べて、防水性が高く、伸び率が大きく、母材との接着性が良い。一般に壁や床のライニングに用いられる。本実施形態においてはシール材として転用する。ポリウレア樹脂は目地の動きに追従する。
~大型車両用駐車マス~
コンクリート床版構造体1は、サービスエリアやパーキングエリアの大型車両用駐車マスに適用される。
一般に、サービスエリアやパーキングエリアはアスファルト舗装されている。例えば、転圧された砕石200mmからなる路盤と、アスファルト混合物60mmからなる基層と、アスファルト混合物にセメントミルクを浸透させてなる40mmの半たわみ性層とから、構成されている。
図6は、大型車両駐車場構造の概略断面図である。サービスエリアやパーキングエリアの大型車両用駐車マスにコンクリート床版構造体1を適用したものである。
コンクリート床版構造体1相当箇所を路盤途中まで掘削し、複数のコンクリート床版2および樹脂製目地板3を配設し、連結する。
コンクリート床版2中央(図2参照)に設けられたグラウト注入孔およびコンクリート床版構造体1境界部よりグラウトを注入し、下部および側面部にグラウトを充填する。なお、下部および側面部のグラウトはコンクリート床版構造体1の一部でなく、比較的強度を必要とされない。したがって、強度発現時間は短く、極端に施工手間となることはない。
さらに、コンクリート床版構造体1境界部はシールされる。境界シールは目地シールと同じ材料でもよい。
図7は施工概略図である。コンクリート床版2は小型化されており、大型ユニック車による搬送および施工が可能となり、大規模な工事規制は不要となる。このように、従来技術に比べ、より簡便な施工が可能となる。
ところで、コンクリート床版構造体1はメンテナンス手間が少ない長所を有するが、メンテナンス不要なわけではない。
コンクリート床版構造体1を用いた大型車両用駐車マスにおいて、想定される不具合は、コンクリート床版構造体1下面の空洞化である。コンクリート床版構造体1自体に不具合が生じるおそれは少ない。コンクリート床版構造体1下面の空洞化に対しては、追加グラウト注入により、簡単に補修できる。
仮に、コンクリート床版構造体1自体に不具合が生じた場合でも、1枚のコンクリート床版2のみに不具合が生じた場合ならば、コンクリート床版2のみを交換することにより、簡単に補修できる。
~大型車両駐車場~
本願出願人は、サービスエリアやパーキングエリアの大型車両用駐車マスにおいて、特定の箇所が繰り返し補修されることに気が付いた。サービスエリアやパーキングエリアにおいては、複数の大型車両用駐車マスが車両通路に沿って隣接して設けられ、車両通路の進行方向と駐車マスの長手方向は、所定範囲(例えば35~55度)の斜角を形成している(図12参照)。大型車両は車両通路から前向きに駐車マスに進入し、後ろ向きに退出する。すなわち、駐車時の大型車両の前輪位置はおおよそ同じ位置となる。
一方で、大型車両のうち特に大型トラックは、車両前方にエンジンを搭載していることが多い。アイドリング時のエンジン振動が前輪を介して舗装に伝達されているものと思われる。
そこで、本願出願人は、道路用コンクリート床版を大型車両用の駐車マスに適用することを提案した。すなわち耐久性に優れる道路用コンクリート床版を駐車マスの車両前輪対応位置に敷設することを検討した。
図8は、道路用コンクリート床版配置の参考例の平面図である。道路用コンクリート床版は、施工性の観点から、道路進行方向約5m×道路直行方向約1.8m×厚さ約0.2m程度のものが実用されている。道路用コンクリート床版の短手方向と車両通路方向が一致するように、道路用コンクリート床版を連設した。
検討の結果、参考例では施工性が悪いだけでなく、レイアウトの自由度が欠けるということがわかった。
図9は、コンクリート床版構造体1のレイアウト例の平面図である。コンクリート床版構造体1は4枚のコンクリート床版2を連結させたコンクリート床版構造体1を各駐車マスの車両前輪対応位置に配置する。これにより、アイドリング時のエンジン振動が前輪を介して舗装に伝達され不具合が発生することを抑制できる。
コンクリート床版2を小型化することによりレイアウトの自由度が増し、参考例に比べて無駄なく配置できる。その結果、施工コストを低減できる。
図10は、コンクリート床版構造体1のレイアウト変形例の平面図である。コンクリート床版構造体1は6枚のコンクリート床版2を連結させたコンクリート床版構造体1を各駐車マスの車両前輪対応位置に配置する。
~コンクリート床版構造体連結~
図9および図10のレイアウト例において、一のコンクリート床版構造体と他のコンクリート床版構造体とが一部において連結されていてもよい。
図11は、構造体連結部10の詳細平面図である。隣り合う駐車マスにおいて、コンクリート床版構造体1Aとコンクリート床版構造体1Bとがそれぞれ配設されている。コンクリート床版構造体1Aはコンクリート床版2A1~4が連結されて形成され、コンクリート床版構造体1Bはコンクリート床版2B1~4が連結されて形成されている。
コンクリート床版2A1~4,コンクリート床版2B1~4は、四辺に連結金具5がコンクリートに埋設されている。連結金具5の一部はコンクリート床版構造体形成に用いられるが、残りはコンクリート床版構造体形成に用いられない。
未利用の連結金具5および樹脂製目地板3を介して、コンクリート床版2A1とコンクリート床版2B4を連結し、構造体連結部10が形成される。これにより、コンクリート床版構造体同士が連結される。
仮に、1つのコンクリート床版構造体下面において空洞化が発生した場合でも、両側のコンクリート床版構造体により支持され、空洞化の悪影響を抑制できる。なお、コンクリート床版構造体下面の空洞化に対しては、追加グラウト注入により、簡単に補修できる。
~効果まとめ~
樹脂製目地板3は高強度である結果、コンクリート床版構造体1は剛性を確保し、一枚の床版となる。
樹脂製目地板3は熱膨張が抑制されている結果、連結部4に不要な負荷が掛からない。
樹脂製目地板3設置がグラウト注入に代替可能である結果、コンクリート床版を小型化しても、施工容易性や補修容易性が向上する。
樹脂製目地板3では、グラウト目地における収縮やひび割れに係る問題がない。
コンクリート床版構造体1はサービスエリアやパーキングエリアの大型車両用駐車マスに好適である。これにより大型車両特有の不具合を抑制できる。
特に、コンクリート床版構造体1を車両前輪対応位置に敷設することで、施工コストを低減できる。
~その他~
上記では好適な例として、コンクリート床版構造体1を駐車マスの車両前輪対応位置に敷設する例を示したが、これに限定されない。全面に敷設してもよい。
上記ではコンクリート床版構造体1の好適な適用例として、サービスエリアやパーキングエリアの大型車両用駐車マスへの適用について示したが、これに限定されない。他の駐車場や道路舗装に適用してもよい。
~コッター式継手~
上記実施形態では、大型車両駐車場への適用を念頭に、一般的な連結部への適用例について説明したが、本願樹脂製目地板3は、コッター式継手の目地として好適である。
図14Aはコッター式継手の各構成を示し、図14Bはコッター式継手による連結状態を示す。
連結金具の対向面にはスリットが設けられている。継手は平面視ダンベル状を有する。対向する連結金具の開口部およびスリットが形成する形状と、継手の平面視ダンベル状が対応している。
さらに、継手は、二つの継手端部に上から下に向かう方向に互いに離れるようなテーパが形成されている。対向するテーパは雌の楔状を形成する。連結金具の側面部内壁にも、上から下に向かう方向に互いに離れるようなテーパが設けられている。対向するテーパは雄の楔状を形成する。雌の楔状と雄の楔状とが対応している。
継手を対向する連結金具に挿入すると、雄の楔状が雌の楔状に食い込む。これにより連結金具間には互いに引き合うようなプレストレスが導入される。さらに、ボルトが螺合されているため、楔が抜けることはない。強固な連結部4が形成される。
対向するコンクリート床版2,2は、樹脂製目地板3を介して、連結部4により連結される。なお、樹脂製目地板3の連結部相当箇所には切り欠けが設けられている(図4類似)。
ところで、従来技術に係るコッター式継手においても、目地にグラウト注入するのが一般的である。しかしながら、グラウト注入には以下のような課題がある。
注入したグラウトは所定強度発現までに数時間を要し、コッター式継手による抜群の施工性を損なうおそれがある。
グラウトによる目地は経年劣化により割れやすくなる。特にコッター式継手ではプレストレスが導入されているため、より割れやすくなる。
連結性を高めるため、コンクリート床版側面にはホゾが設けられている。グラウトがホゾまで回り込むことにより、連結性が向上する。しかしながら、施工実務において、グラウト注入不足により、ところどころ空洞になる不具合が散見される。
このようなグラウト注入目地に係る課題に対し、本願出願人は鉄板により代替することを企図した。しかしながら、鉄板目地には以下のような課題があることがわかった。
コッター式継手により比較的強いプレストレスが導入されると、鉄板の剛性が強すぎるため、コンクリートが欠けるおそれがある。
さらに、鉄板目地には錆に係る課題がある。なお、目地では水に係る不具合が多発している。錆びに係る不具合と水に係る不具合は相互に悪影響を及ぼす。
鉄板目地をコンクリート床版側面のホゾに食い込ませるように鉄板を加工することは、製作手間および製作コストを要する。
上記課題に対し、樹脂製目地板3は高剛性とともに適度な弾性機能を発揮する。その結果、以下のような効果を期待できる。
グラウト目地は施工性が劣るのに対し、樹脂製目地板3は施工性に優れている。グラウト目地は経年劣化により割れやすくなるのに対し、樹脂製目地板3はほぼ劣化しない。
鉄板目地ではプレストレスに対しコンクリートが欠けるおそれがあるのに対し、樹脂製目地板3は僅かながら弾性変形し、コンクリートが欠けるおそれはない。鉄板目地には錆びるおそれがあるのに対し、樹脂製目地板3は錆びない。
グラウト目地では、ホゾに対しグラウト注入不足のおそれがあり、鉄板目地では、ホゾに適用するような加工が手間である。これに対し、樹脂製目地板3はホゾに適用するような加工が容易であり、ホゾに確実に食い込む。
コッター式継手によるプレストレスにより、樹脂製目地板3は僅かながら弾性変形する。その結果、樹脂製目地板3はコンクリート床版2,2に密着するため、水が入り込みにくい。
以上のように、コッター式継手の目地として、樹脂製目地板3はグラウト目地や鉄板目地にはない効果を有する。
1 コンクリート床版構造体
2 コンクリート床版
3 樹脂製目地板
4 連結部
5 連結金具
6 ボルト-ナット構造
7 蓋
8 シール
10 構造体連結部

Claims (5)

  1. 複数のコンクリート床版と、
    前記複数のコンクリート床版のうち対向するコンクリート床版間であって対向全面範囲に介挿される樹脂製目地板と、
    前記樹脂製目地板を介して前記対向するコンクリート床版の端部同士を連結する連結部と
    を備え
    前記樹脂製目地板の圧縮強度が20N/mm2以上、前記コンクリート床版のコンクリート圧縮強度以下である
    コンクリート床版構造体。
  2. 前記樹脂製目地板は繊維チップを含む
    請求項1記載のコンクリート床版構造体。
  3. 前記連結部はコッター式継手構造である
    請求項1または2記載のコンクリート床版構造体。
  4. 請求項1~3いずれか記載のコンクリート床版構造体が敷設されて形成される大型車両駐車場構造。
  5. 車両通路と、前記車両通路に沿って複数隣接して設けられる駐車マスとを備え、
    前記車両通路の進行方向と前記駐車マスの長手方向は、35~55度の斜角を形成し、
    前記駐車マスの車両前輪対応位置に前記コンクリート床版構造体が敷設されている
    請求項4記載の大型車両駐車場構造。
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