JP7328485B2 - ウナギ仔魚養殖用飼料および養殖装置 - Google Patents

ウナギ仔魚養殖用飼料および養殖装置 Download PDF

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特許法第30条第2項適用 第30条第2項適用、平成30年12月4日に放送されたCHUKYO TV NEWSという番組において発表
本発明は、ウナギ仔魚養殖用飼料および養殖装置に関する。
ウナギは、脊索動物門、硬骨魚類綱、ウナギ目に属する魚であり、海水域と淡水域を巡回する複雑な生活史を有する。具体的には、ウナギは、海水域において孵化し、孵化直後の仔魚(レプトセファルス)から稚魚(シラスウナギ)に成長するまでの期間を海水域で過ごす。そして、シラスウナギに成長した後に沿岸・河川に移動し、5~10年前後の成長期間を過ごして成魚となった後に産卵回遊に向かう。
従来のウナギ養殖では、シラスウナギを採集して養殖施設で成魚まで成長させることが行われている。このような養殖施設において使用する飼料の一例が特許文献1に開示されている。この特許文献1に記載の飼料は、(A)粉末酸、(B)炭酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩、及び(C)2重量%水溶液粘度500mPa・s以下の水溶性高分子(CMC-Na)が飼料表面に付着してなる養魚用固形飼料である。この飼料を投餌すると、上記(A)成分と(B)成分とが反応して二酸化炭素が発生し、二酸化炭素の気泡が(C)成分の粘着効果によって飼料表面に保持される。これによって、固形飼料を水面に浮遊させ、給餌効率を向上させることができる。
また、近年では、シラスウナギの漁獲量が減少傾向にあり、稚魚の不足に伴う成魚の価格高騰が問題となっている。このため、ウナギの養殖においては、稚魚から成魚までの成長期間だけでなく、孵化から産卵までの生活史の全てを管理する完全養殖を実用化させることが強く求められている。かかる完全養殖の実用化のための技術の一つとして、レプトセファルスをシラスウナギまで成長させるためのウナギ仔魚用飼料が特許文献2において提案されている。
特開2004-49172号公報 特許第4530248号
しかしながら、レプトセファルスをシラスウナギまで成長させる養殖技術は、未だ実用化には至っていないのが現状であり、孵化から3日程度の短期間にレプトセファルスの大部分が死亡してしまい、生存率が数%まで低下することが確認されている。
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その主な目的は、レプトセファルスからシラスウナギへの成長期間における生存率を向上させ、ウナギの完全養殖の実用化に貢献する技術を提供することである。
本発明者らは、上述の目的を達成する手段を開発するにあたって、孵化直後のレプトセファルスが適切な摂餌行動を行っておらず、栄養不良によって死亡している可能性が高いことに着目した。そして、自然界におけるレプトセファルスの摂餌行動を考慮した上で検討を重ねた結果、下記の知見を得た。
上述の通り、自然界においてウナギが孵化するのは海水域であり、この海水域では、微生物の死骸や排泄物などの微小な有機物が水中に分散・滞留するマリンスノーと呼ばれる現象が生じている。孵化直後のレプトセファルスは、遊泳して積極的に餌を捕食することが困難であるため、このマリンスノー中の有機物が口に接触した際に摂餌行動をとっていると考えられている。このため、水面に浮遊する飼料を与えても、レプトセファルスが適切な摂餌行動をとることができず、栄養不良によって死亡してしまうと推測される。
また、アブラツノザメ等の深海鮫の成熟卵などをペースト状に調製した飼料を水底に沈殿させ、水槽の上面から光を照射するという給餌手段も提案されている。かかる手段によると、レプトセファルスが水底に向かうため、水底に沈殿した飼料に対して摂餌行動をとらせることができる。しかし、このような水底に沈殿する飼料は、水槽の壁面(例えば、底面)に付着して水質を悪化させる原因になり得る。また、粉末状の配合飼料を水底に沈殿させても、レプトセファルスは、適切な摂餌行動をとらないことが確認されている。
上述の検討に基づいて、本発明者らは、粉末状の飼料を飼育水中で分散・滞留させ、自然界におけるマリンスノー態様を水槽内で再現できる養殖用固形飼料を開発できれば、レプトセファルスに適切な摂餌行動をとらせ、栄養不良による死亡を抑制できると考えた。さらに、このような飼育水中で滞留する飼料は、水槽の壁面に付着して水質が悪化することも抑制できると考えた。
ここに開示されるウナギ仔魚養殖用飼料(以下、「養殖用飼料」ともいう)は、かかる知見に基づいてなされたものである。この養殖用飼料は、飼育水に投与してから少なくとも48時間後に飼育水中で分散・滞留していることを特徴とする。
かかる養殖用飼料は、水面に浮遊したり、水底に沈殿したりすることなく、飼育水中で分散・滞留した状態が長期間維持される。これによって、飼育水中でマリンスノー態様を再現することができるため、積極的な捕食行動ができないレプトセファルスに適切に飼料を供給することができる。したがって、ここに開示される養殖用飼料によると、栄養不良によるレプトセファルスの死亡を抑制し、シラスウナギへの成長期間における生存率を向上させることができるため、ウナギの完全養殖の実用化に大きく貢献できる。また、かかる養殖用飼料は、水槽の壁面に付着して水質が悪化することを抑制することもできるため、水槽の清掃や水交換の頻度を減らすという観点からも好適である。
ここに開示される養殖用飼料の好ましい一態様では、平均粒子径が60μm以下の粉末状飼料であり、飼育水に対して不溶性の増粘多糖類を含み、かつ、飼育水と比重が同程度である。
一例として、上述した平均粒子径、増粘多糖類、比重の3つの要素を適切に調節にすることによって、少なくとも48時間後に飼育水中で分散・滞留する養殖用飼料を得ることができる。これにより、マリンスノーを適切に再現し、レプトセファルスへ好適に飼料を供給することができる。また、本態様における養殖用飼料は、仔魚の口径(典型的には、100μm程度)を考慮して、平均粒子径が60μm以下の範囲に調節されているため、より適切な摂食行動を促すことができる。
上述した飼育水と比重を同程度にする態様において、当該比重は1.015以上1.03以下であることが好ましい。
上述の通り、レプトセファルスは、海水域に生息するため、海水を再現した環境で飼育することが求められる。一般的な海水の比重は1.023程度であり、水温や成分によって変動し得るため、養殖用飼料の比重を1.015以上1.03以下の範囲内に調節することによって、水中で分散・滞留状態を長期間維持することができる。
上述した増粘多糖類を含む態様において、増粘多糖類は、カラギーナン、ペクチン、キサンタンガムの少なくとも一つを含むことが好ましい。
これにより、養殖用飼料が水中へ溶解することを適切に防止し、分散・滞留する状態をより長期間維持することができる。
また、ここに開示される養殖用飼料の他の好ましい態様では、魚油をさらに含む。
これによって、好適な栄養を仔魚に供給し、栄養不良による死亡をより好適に抑制することができる。
また、本発明の他の側面として養殖装置が提供される。ここに開示される養殖装置は、上述した何れかの態様のウナギ仔魚養殖用飼料を使用した種苗生産に用いられる養殖装置である。かかる養殖装置は、飼育水と仔魚を収容する水槽と、水槽の外部へ飼育水を流出させる流出口と、水槽の内部へ飼育水を流入させる流入口と、流出口から流出した飼育水を流入口へ移送することによって水槽内の飼育水を循環させる循環ポンプとを備えている。そして、ここに開示される養殖装置の流入口は、水槽の側面から飼育水を流入させる側面流入口と、水槽の底面から飼育水を流入させる底面流入口とを備えている。
上記構成の養殖装置では、循環ポンプを稼働させることによって、側面流入口によって形成される横方向の流れと、底面流入口によって形成される縦方向の流れとが混合した複雑な水流が水槽内に形成される。これによって、生息域に似た水流を生じさせ、上述した養殖用飼料をより好適に分散・滞留させ、マリンスノーにより近似した環境を再現することができる。
ここに開示される養殖装置の好ましい一態様では、側面流入口と底面流入口の少なくとも一方が複数形成されている。
これによって、横方向と縦方向が混合した複雑な水流をより効果的に生じさせることができる。
ここに開示される養殖装置の好ましい一態様では、循環ポンプと側面流入口との間に、循環ポンプから移送された飼育水を一時的に保持し、ウナギ仔魚養殖用飼料が投入される飼料投入部が設けられている。
これによって、側面流入口からの水流に乗せて水槽内に養殖用飼料を供給できるため、養殖用飼料を水槽内でより好適に分散・滞留させることができる。
また、上記飼料投入部を設ける態様においては、飼料投入部の内部に、平面視において千鳥状に配置された複数枚の仕切り板が配置されていることが好ましい。
これによって、飼料投入部の内部で養殖用飼料を分散させることができるため、養殖用飼料が好適に分散した水流を水槽内に供給できる。
ここに開示される養殖装置の好ましい一態様では、流出口が底面流入口の近傍に設けられている。
ここに開示される養殖装置では、底面流入口によって、水底から水面に向かう縦方向の水流が生じている。この底面流入口の近傍に流出口を設けることによって、水槽外部へ仔魚が流出することを抑制できる。
ここに開示される養殖装置の好ましい一態様では、流出口が側面流入口の近傍に設けられている。ここに開示される養殖装置では、側面流入口から横方向の水流が生じている。この側面流入口の近傍に流出口を設けた場合も、水槽外部へ仔魚が流出することを抑制できる。また、流出口は、底面流入口と側面流入口の各々の近傍に設けられているとより好ましい。これによって、水槽の上層~下層の全域に亘って好適に飼育水を循環させることができる。
ここに開示される養殖装置の好ましい他の態様では、流出口が水槽の底面の中央部近傍に設けられている。この場合、残餌や老廃物等の廃棄物を水槽から容易に流出させ、飼育水の水質の悪化をより好適に抑制することができる。
ここに開示される養殖装置の好ましい一態様では、流出口から循環ポンプの間に、泡沫分離装置と、生物ろ過装置と、脱窒装置とが設けられている。
これらの水質改善に寄与する装置を流出口から循環ポンプの循環ラインに設けることによって、水槽内の飼育水の水質を好適な状態に維持することが容易になる。
ここに開示される養殖装置の好ましい一態様では、飼料投入部の内部にエアレーションチューブが挿入されており、当該飼料投入部の内部の飼育水に酸素が供給される。これによって、多くの酸素を含み、かつ、好適に飼料が分散した飼育水を水槽内に供給することができる。
また、上述した構成の養殖装置は、必ずしも、上述した何れかの態様のウナギ仔魚養殖用飼料を使用しなくてもよく、従来から使用されている通常の飼料を用いることもできる。このような場合でも、水槽内の仔魚に適切に飼料を供給できる。
カラギーナンを添加したウナギ仔魚養殖用飼料を海水と混合した状態を撮影した顕微鏡写真である。 本発明の一実施形態に係るウナギ仔魚養殖用飼料を海水に投与した後、48時間静置した状態を撮影した写真である。 本発明の一実施形態に係る養殖装置を模式的に示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る養殖装置の側面流出口の近傍を模式的に示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る養殖装置の底面流出口の近傍を模式的に示す側面図である。 本発明の一実施形態に係る養殖装置を模式的に示すブロック図である。
以下、本発明の一実施形態について説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
1.ウナギ仔魚養殖用飼料
ここに開示されるウナギ仔魚養殖用飼料は、飼育水に投与してから少なくとも48時間後に飼育水中で分散・滞留していることを特徴とする。このように、水面に浮遊したり、水底に沈殿したりすることなく、飼育水中で長期間分散・滞留することによって、マリンスノー態様を再現し、レプトセファルスに適切な摂食行動をとらせることができる。このため、かかる養殖用飼料によると、栄養不良によるレプトセファルスの死亡を抑制し、ウナギの完全養殖の実用化に貢献することができる。
上述の養殖用飼料の具体的な一例として、本実施形態に係る養殖用飼料について説明する。本実施形態では、(1)平均粒子径と、(2)増粘多糖類、(3)比重の3つの要素を適切に調節にすることによって、投与してから少なくとも48時間後に飼育水中で分散・滞留する養殖用飼料を実現する。以下、各々の要素について説明する。
(1)平均粒子径
本実施形態に係る養殖用飼料は、微細な飼料粒からなる粉末状の飼料である。この粉末状飼料の平均粒子径が大きくなり過ぎると分散性が低下して飼料が水底に沈殿しやすくなる。また、レプトセファルスの口の大きさは100μm程度であり、これを超える大きさの飼料を投入しても、適切な摂餌行動をとることが困難になる。一方、平均粒子径が小さくなり過ぎると、水面に浮遊する飼料が生じやすくなる。さらに、平均粒子径が小さくなるに従って飼料と飼育水との接触面積が増加するため、飼育水に飼料が溶解しやすくなる。また、平均粒子径が30μmを下回る養殖用飼料は、作製が難しく、安定的な供給が困難である。本実施形態に係る養殖用飼料は、上述の点を考慮して飼育水中に分散・滞留させるために、平均粒子径が所定の範囲内に調節されている。なお、生産効率を考慮すると、上記養殖用飼料の平均粒子径の下限は、30μm以上が好ましく、35μm以上がより好ましく、40μm以上がさらに好ましく、45μm以上が特に好ましい。一方、レプトセファルスの食道の径は口よりも小さいため、摂食した飼料が容易に胃まで届くようにするという観点から、養殖用飼料の平均粒子径の上限は、60μm以下が好ましく、55μm以下がより好ましく、50μm以下がさらに好ましい。なお、本明細書における「平均粒子径」は、顕微鏡観察において対物ミクロメーターと接眼ミクロメーターを用いて、複数の視野の各々において所定の個数の粒子(例えば、10の視野で5個ずつ)の粒子径を測定し、その平均値を算出することによって求めることができる。
(2)増粘多糖類
本実施形態に係る養殖用飼料は、飼育水に対して不溶性の増粘多糖類を含有する。これによって、水中への養殖用飼料の溶解を防止し、長期間の分散・滞留が可能になる。増粘多糖類は、飼育水の水質を考慮した上で、従来公知の増粘多糖類の中から適宜選択することができる。かかる増粘多糖類の一例として、カラギーナン、ペクチン、キサンタンガム、マンナン、メチルセルロース、寒天、ジェランガム、プルラン、澱粉、ローカストビーンガム、カードラン、アルギン酸及びその塩類、アラビアガム、キトサン、デキストリン、可食性水溶性セルロースなどが挙げられる。これらの中でも、カラギーナン、ペクチン、キサンタンガムは、養殖用飼料が水中へ溶解することを適切に防止し、分散・滞留する状態をより長期間維持することができるため好適である。例えば、図1に示すように、カラギーナンを添加した場合、カラギーナンに飼料粒が被覆されて、寒天状の養殖用飼料を得ることができ、飼育水への溶解が好適に防止されることが確認されている。かかる寒天状の養殖用飼料は、例えば、次の手順に従って作製することができる。先ず、飼料粉末にカラギーナンを添加しながら加熱し、固形化するまで自然冷却する。その後、ゲル状の飼料を真空凍結乾燥機でフリーズドライし、上述した粒子径を有する粉体になるまで粉砕処理を行う。なお、本実施形態に係る養殖用飼料は、上述した増粘多糖類の中から一種のみを選択して使用してもよいし、複数種類を混合して使用してもよい。
また、水中への飼料の溶解をより適切に防止するという観点から、増粘多糖類の添加量の下限は、1wt%以上が好ましく、1.5wt%以上がより好ましく、2wt%以上がさらに好ましい。一方、増粘多糖類の添加量が一定量を超えると、溶解防止効果が飽和するだけでなく、飼料中の栄養成分の割合が少なくなる可能性がある。かかる観点から、増粘多糖類の添加量の上限は、4wt%以下が好ましく、3.5wt%以下がより好ましく、3wt%以下がさらに好ましい。なお、本明細書における「添加量」は、養殖用飼料の総量を100wt%としたときの比率である。
(3)比重
次に、本実施形態に係る養殖用飼料は、飼育水と同程度の比重を有するように比重が調節されている。これによって、投入した飼料が水面に浮遊することや、水底に沈殿することを防止し、長期間の分散・滞留に貢献することができる。この養殖用飼料の比重は、飼育環境に応じて適宜変更される。例えば、ウナギの仔魚(レプトセファルス)は、自然界において海水域に生息するため、海水を再現した環境で飼育することが求められる。そして、一般的な海水の比重は、1.023程度であり、水温や成分によって変動し得る。このため、レプトセファルスを飼育する際には、飼育環境の水質や水温を考慮し、飼料の比重を1.015以上1.03以下の範囲内に調節することが好ましい。これによって、飼料をより好適に分散・滞留させることができる。なお、養殖用飼料の比重は、飼育水の比重と完全に同一である必要はない。すなわち、本明細書における「比重が同程度」とは、短期的な飼育環境の変化や飼料の製造環境の違いなどによって、飼育水の比重と養殖用飼料の比重との間に、本発明の効果に影響しない程度の僅かな誤差が生じた場合を包含する。具体的には、本明細書における「比重が同程度」とは、飼育水の比重と養殖用飼料の比重との誤差が±0.005の範囲内にある場合を包含する。なお、飼育水への分散性・滞留性をより好適に向上させるという観点からは、上記誤差が±0.001の範囲内であることが好ましく、±0.0005の範囲内であることがより好ましい。
また、養殖用飼料の比重を調整する手段は、種々の手段を特に制限なく採用することができ、ここに開示される技術を限定するものではない。かかる比重調整手段の一例として、含有成分(増粘多糖類や後述の栄養成分)の比率の調節などが挙げられる。また、レプトセファルスは、塩分濃度に耐性があり、生息可能な塩分濃度が比較的に広いという特徴を有している。このため、適切な栄養成分を配合した飼料を作製した後に、当該飼料の比重に合わせて飼育水の方の比重を調整してもよい。
以上のように、本実施形態に係る養殖用飼料は、(1)平均粒子径と、(2)増粘多糖類と、(3)比重の3つの要素を調節することによって、飼育水中での長期間の分散・滞留を実現したものである。図2は、本実施形態に係るウナギ仔魚養殖用飼料を海水に投与した後、48時間静置した状態を撮影した写真である。この写真に示されるように、本実施形態に係る養殖用飼料は、飼育水中で好適に分散・滞留をさせてマリンスノーを再現することができ、この分散・滞留状態を48時間以上維持することができる。すなわち、本実施形態に係る養殖用飼料によると、投与してから少なくとも48時間は、飼育水中に高度に分散・滞留し、レプトセファルスに適切な摂食行動をとらせることができるため、栄養不良によるレプトセファルスの死亡を抑制し、ウナギの完全養殖の実用化に貢献することができる。さらに、本実施形態に係る養殖用飼料は、水中に浮遊するため、水槽の壁面に飼料が付着して水質が悪化することを抑制するという効果も発揮することもできる。これによって、水槽の清掃や水交換の頻度を減らすことができる。
なお、本明細書における「ウナギ」とは、ウナギ目魚類を指すものであり、「ウナギ仔魚(レプトセファルス)」とは、ウナギ目の葉形仔魚を指す。このようなレプトセファルスの一例として、ニホンウナギ(Anguilla japonica)、ニューギニアウナギ(Anguilla bicolor pacifica)、オオウナギ(Anguilla marmorata)、ヨーロッパウナギ(Anguilla anguilla)、オーストラリアウナギ(Anguilla australis australis)、モザンビークウナギ(Anguilla mossambica)もしくはアメリカウナギ(Anguilla rostrata)等のウナギ科魚類の仔魚が挙げられる。ここに開示される技術によると、これらのウナギ科魚類の仔魚の生存率を大幅に向上させ、ウナギ科魚類の完全養殖の実用化に大きく貢献することができる。また、ここに開示されるウナギ仔魚養殖用飼料は、スズハモ(Muraenesox bagio)もしくはハモ(Muraenesox cinereus)等のウナギ目ハモ科魚類の仔魚、マアナゴ(Conger myriaster)、ゴテンアナゴ(Anago anago)もしくはチンアナゴ(Heteroconger hassi)等のウナギ目アナゴ科魚類の仔魚やウツボ(Gymnothorax kidako)等のウナギ目ウツボ科魚類の仔魚の飼育・養殖に使用することもできる。
また、本実施形態に係る養殖用飼料は、上記(1)~(3)で説明した要素の他に、種々の栄養成分を含有する。栄養成分は、仔魚の生命を維持し、仔魚の成長を促す各種栄養素(蛋白質、炭水化物、脂肪、ビタミン、ミネラル)を供給する物質であれば、特に制限せずに使用することができる。また、栄養成分は、飼育対象の魚種や日齢などを考慮して適宜変更することが好ましい。一例として、人工飼育で約160~400日までのニホンウナギの仔魚を対象とする場合には、魚粉、オキアミミール、イカミール、エビミール、コペポーダ粉末、魚介抽出物(例えば、アブラツノザメの卵の加工物)、レシチン、飼料用酵母、酵母抽出物、植物エキス、リン酸カルシウム、天然ベタイン、甘草末、ショ糖、乳成分(例えば、乳糖、脱脂粉乳など)、デキストリン、難消化性デキストリン、植物油脂、大豆成分(例えば、大豆ペプチド、調整豆乳粉末など)、カゼインカルシウム、カゼインナトリウム、炭酸マグネシウム、ピロリン酸鉄、パントテン酸カルシウム、葉酸、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンD、ビタミンK、香料などを使用できる。また、栄養成分として、魚油をさらに添加することが好ましい。これによって、好適な栄養素を仔魚に供給し、栄養不良による死亡をより好適に抑制できる。かかる魚油の一例として、タラ肝油、イカ肝油、イワシ油、マグロ油、ニシン油、カツオ油、サバ油、サケ油などが挙げられる。
以上、本発明の一実施形態に係るウナギ仔魚養殖用飼料について説明した。なお、上述した実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、本発明を限定することを意図したものではない。例えば、上述の実施形態では、(1)平均粒子径と、(2)増粘多糖類と、(3)比重の3つの要素を調節することによって、飼育水中での分散・滞留を48時間以上維持している。しかし、飼育水中での分散・滞留を長期間維持する具体的な手段は、上述の実施形態に限定されず、例えば、飼料粒の形状、空気含有量などの要素を調節してもよい。また、ここに開示されるウナギ仔魚養殖用飼料は、飼育水の流速や換水率を調節し、緩やかな水流が存在する環境にて使用することが好ましい。これによって、飼育水中での分散・滞留状態をより好適に維持することができる。また、上記したように、飼育水の方の比重を調節することによって、飼育水中での分散・滞留を48時間以上維持することもできる。
2.飼育装置
次に、ここに開示されるウナギ仔魚養殖用飼料を使用した種苗生産に好適な養殖装置について説明する。図3は本実施形態に係る養殖装置を模式的に示す斜視図である。図4は本実施形態に係る養殖装置の底面流出口近傍を模式的に示す平面図である。図5は本実施形態に係る養殖装置の側面流出口近傍を模式的に示す側面図である。図6は本実施形態に係る養殖装置を模式的に示すブロック図である。なお、図3~図5中の符号Xは「幅方向」を示し、符号Yは「奥行方向」を示し、符号Zは「高さ方向」を示す。但し、これらの方向は、説明の便宜上定めたものであり、本実施形態に係る養殖装置1の設置方向を限定することを意図したものではない。
(1)全体構成
図3に示すように、本実施形態に係る養殖装置1は、水槽10と、流出口20と、流入口30、40と、循環ポンプ50とを備えている。以下、各構造について説明する。
(2)水槽
本実施形態における水槽10は、奥行方向Yの寸法よりも幅方向Xの寸法の方が長い楕円形の略ドーナツ状水槽である。具体的には、この水槽10は、底面12と、楕円形状の外壁14と、底面から上方に向かって立設する楕円形の中心部16とを備えている。このような形状の水槽10は、楕円形の水槽10内部を循環する横方向の水流F1を容易に生じさせることができるため好ましい。また、かかる略ドーナツ状水槽は、残餌や排出物等の廃棄物を水槽の底面の中央付近に集積させやすく、水質の悪化を好適に抑制できるという観点からも好ましい。
(3)循環ポンプ
詳しくは後述するが、本実施形態に係る養殖装置1は、流出口20と流入口30、40を備えている。そして、これらの流出口20と流入口30、40には、送液管52が接続されており、各々の送液管52が循環ポンプ50と接続されている。これによって、循環ポンプ50を稼働させた際に、流出口20から流出した飼育水を流入口30、40へ移送し、水槽10内の飼育水を循環させることができる。一例として、水槽10の容量が100L~200Lの範囲内の場合には、循環ポンプ50の送液量を100L/h~200L/h(一例として、水槽10の容量が100Lの場合には100L/h)に設定することによって、側面流入口30と底面流入口40の各々から適切な水流を生じさせ、水槽10内でマリンスノーをより容易に再現することができる。なお、循環ポンプ50は、公知の送液ポンプを特に制限なく使用することができ、ここに開示される技術を制限するものではないため、詳細な説明を省略する。
(4)流出口
流出口20は、水槽10の外部へ飼育水を流出させるために設けられている。流出口は、水槽内の水流等を考慮した所望の位置に形成することができる。図3~図5に示すように、本実施形態では、水槽10の底面12に形成された底面流入口40の近傍と、側面に形成された側面流入口30の近傍の各々に流出口20が設けられている。このように水流を生じさせる流入口(ここでは、側面流入口30と底面流入口40)の近傍に流出口20を設けることによって、仔魚が流出口20に吸い込まれて死亡することを抑制することができる。また、本実施形態のように、側面流入口30と底面流入口40の各々の近傍に流出口20を設けた場合、水槽10の上層~下層の全域に亘って好適に飼育水を循環することができる。さらに、図3に示すように、本実施形態では、底面側と側面側の各々において複数の流出口20が形成されている。そして、各々の流出口20と送液管52との間には、四角柱状の容器である合流部22が形成されている。すなわち、本実施形態に係る養殖装置1は、各々の流出口20から水槽10の外部に流出した飼育水を合流部22で合流させた後に、送液管52を介して循環ポンプ50に移送するように構成されている。これによって、飼育水の流出速度と流出圧を低減させ、仔魚の流出をより適切に防止することができる。なお、複数の流出口と合流部を形成する場合、仔魚の流出をより好適に防止するという観点から、隣接する流出口と流入口の数を同数にし、流入口一個に流出口を一個対応させるとより好ましい。なお、仔魚が水槽10の外部に流出することをさらに好適に防止するために、流出口20には、メッシュ(典型的にはステンレス製のメッシュ)が取り付けられていると好ましい。かかるメッシュの口径は、150μm未満が好適である。また、流出口20は、水槽10から流出する飼育水の量を換水率に応じて調節できる構造を有していることが好ましい。例えば、上述した循環ポンプ50の送液量を100L/hに設定した場合には、流出口20にバルブを設けて、水槽からの流出量を100L/hに調節することが好ましい。
(5)流入口
流入口30、40は、流出口20から流出した飼育水を水槽10の内部へ再び流入させるために設けられている。ここで、本実施形態に係る養殖装置1は、側面流入口30と、底面流入口40の2種類の流入口を備えている。
(a)側面流入口
側面流入口30は、水槽10の側面から飼育水を流入させるために設けられている。この側面流入口30によって、水槽10内に横方向の水流F1を生じさせることができる。また、本実施形態に係る養殖装置1では、水槽10の外壁14に、複数の側面流入口30が水槽10の高さ方向Zに沿って連続して形成されている。これによって、水槽10内の高さ方向Zにおいて均一な横方向の水流F1を安定して生じさせることができる。
また、図3および図4に示すように、本実施形態に係る養殖装置1では、循環ポンプ50と側面流入口30との間に、循環ポンプ50から移送された飼育水を一時的に保持し、養殖用飼料が投入される飼料投入部32が設けられている。この飼料投入部32は、水槽10の側面に取り付けられた三角柱状の容器であり、側面流入口30を介して水槽10の内部と連通している。この飼料投入部32の上面には、給餌口34が設けられており、この給餌口34から養殖用飼料が投入される。これによって、飼料投入部32の内部で養殖用飼料が撹拌され、当該飼料が分散された飼育水を調製し、これを側面流入口30からの水流に乗せて水槽10内に供給できるため、水槽10内で好適に養殖用飼料を分散・滞留させてマリンスノー態様を再現しやすくなる。また、飼料投入部32には、自動給餌装置が取り付けられているとより好ましい。この自動給餌装置によって定期的(例えば、1時間ごと)に飼料を投入することによって、仔魚の周囲に常に飼料が浮遊している状態を作り出すことができるため、より適切に仔魚に飼料を供給することができる。
また、本実施形態における飼料投入部32の内部には、平面視において千鳥状に配置された複数枚の仕切り板36が配置されている。これによって、飼料投入部32の内部に複雑な水流を発生させ、養殖用飼料を好適に分散させることができる。また、この仕切り板36には、開口部36aが形成されていてもよい。この場合、より好適に飼料を分散させることができる。また、飼料投入部32の内部における飼料の分散をより好適に行うという観点から、飼料投入部32の内部にエアレーションチューブを挿入してもよい。これによって、多くの酸素を含み、かつ、好適に飼料が分散した飼育水を水槽10内に供給することができる。
また、上述したように、本実施形態における飼料投入部32は、三角柱状の容器であり、側面流入口30に向かって奥行方向Yの寸法が狭まるような傾斜面32aが水槽10と反対側の面に形成されている。この傾斜面32aによって、水槽10の外壁14に沿った水流F1aを側面流入口30から生じさせ、楕円形の水槽10の周方向に沿った横方向の水流F1を容易に形成することができる。なお、この傾斜面32aの傾斜角θ1は、10°~45°程度が好ましく、15°~30°程度がより好ましい。また、水槽10の外壁14に沿った水流F1aをより好適に生じさせるという観点から、側面流入口30の壁面は、傾斜面32aの傾斜角θ1と同等の角度を有していると好ましい。
(b)底面流入口
次に、底面流入口40は、水槽10の底面12から飼育水を流入させるために設けられている。この底面流入口40によって、水槽10内に縦方向の水流F2を生じさせることができる。また、本実施形態に係る養殖装置1では、水槽10の底面12に、複数の底面流入口40が水槽10の奥行方向Yに連続して並ぶように形成されている。これによって、奥行方向Yにおいて均一な縦方向の水流F2を安定して生じさせることができる。
また、図3および図5に示すように、本実施形態に係る養殖装置1では、循環ポンプ50と底面流入口40との間に、循環ポンプ50から移送された飼育水を一時的に保持する保持部42が設けられている。この保持部42は、水槽10の底面12に取り付けられた三角柱状の容器であり、底面流入口40を介して水槽10の内部と連通している。この保持部は、上述した飼料投入部32(図4参照)と同様に、底面流入口40に向かって高さ方向Zの寸法が狭まるような傾斜面42aが水槽10と反対側の面に形成されている。これによって、水槽10の底面12に沿うような水流F2aを底面流入口40から生じさせ、楕円形の水槽10の周方向に沿った横方向の水流F1を容易に形成することができる。なお、この傾斜面42aの傾斜角θ2は、10°~60°程度が好ましく、45°~60°程度が好ましい。なお、底面流入口の構造は、上述の形態に限定されない。例えば、三角柱状の保持部42を設けずに、送液管52を底面流入口40に直接接続してもよい。この場合には、送液管52と底面流入口40とのなす角度(送液管52の接続角度)を上述の傾斜面42aの傾斜角θ2と同等の角度にしてもよいし、底面流入口40の壁面に上記傾斜角θ2と同程度の傾斜を設けてもよい。
(6)水槽内の水流
本実施形態に係る養殖装置1では、循環ポンプ50を稼働させた際に、側面流入口30によって形成される横方向の水流F1と、底面流入口40によって形成される縦方向の水流F2とが混合した複雑な水流が水槽10の内部に形成される。これによって、自然界に似た水流を生じさせることができるため、上述した実施形態に係る養殖用飼料によるマリンスノー再現効果をより好適に発揮させることができる。
なお、本実施形態に係る養殖装置には、必ずしも、ここに開示されるウナギ仔魚養殖用飼料を使用しなくてもよく、従来から使用されている通常の飼料を用いることもできる。このような場合でも、マリンスノーに近似した状態を生じさせ、水槽内の仔魚に適切に飼料を供給できる。
(7)他の構造
また、上述した構造の養殖装置1を使用する場合、水槽10内の飼育水を排出する排水口60を底面中央部近傍に設けることが好ましい。この排水口60は、通常の稼働中は封止されているが、飼育水の交換などを行う際に開かれる。このとき、底面流入口40から縦方向の水流F2を生じさせながら排水を行うことによって、排水口60から仔魚が流出することを抑制できる。また、横方向の水流F1によって、仔魚の排泄物や残餌が排水口60の周囲に集められるため、これらの廃棄物を容易に回収することもできる。なお、排水口60の上部には、仔魚の流出を防ぐという観点から、目の細かなステンレスメッシュが取り付けられていることが好ましい。
また、本実施形態に係る養殖装置1は、流出口20から流入口30、40の間に、種々の水質改善装置を備えていてもよい。具体的には、図6に示すように、流出口20から流入口30、40の間に、泡沫分離装置70、生物ろ過装置80、脱窒装置90を配置する形態が挙げられる。泡沫分離装置70は、水槽10から流出した飼育水に微細な気泡を供給する。これによって、飼育水中に分散・懸濁した廃棄物(排泄物や残餌)が気泡の気液界面に吸着して水面に上昇するため、廃棄物の回収が容易になる。また、生物ろ過装置80は、硝化細菌などが生息する水槽である。かかる生物ろ過装置80内に飼育水を保持することによって、アンモニア、亜硝酸イオン、硝酸イオンなどを無害化することができる。また、脱窒装置90は、脱窒細菌などが生息する水槽である。かかる脱窒装置90内に飼育水を保持することによって、生物ろ過装置80を通過した後の飼育水に含まれる窒素化合物を分子状窒素に分解して無害化することができる。上記したように、ここに開示される養殖用飼料は、飼育水中に容易に分散・滞留し、飼育水中から回収することが困難であるため、上述したような水質改善装置を配置した方が好ましい。
以上、本発明の一実施形態に係る飼育装置について説明した。なお、上述した実施形態は、本発明を限定することを意図したものではなく、種々の変更を行うことができる。例えば、上述の実施形態では、側面流入口30と底面流入口40の各々の近傍に流出口20が設けられているが、流出口20を形成する位置は、上述の形態に限定されない。例えば、側面流入口30と底面流入口40の何れか一方の近傍に流出口が設けられていてもよい。この場合でも、仔魚の流出を抑制しつつ好適に飼育水を循環させることができる。また、流出口は、水槽の底面の中央部近傍(図3中の排出口60の近傍)に設けられていてもよい。上述したように、底面の中央部近傍は、残餌や老廃物等の廃棄物が溜まりやすい位置であるため、ここに流出口を設けることによって、廃棄物を水槽から容易に流出させ、飼育水の水質の悪化を好適に抑制することができる。
以上、本発明の他の側面として、水槽内でマリンスノー態様を好適に再現できる養殖装置について説明した。但し、ここに開示される養殖用飼料は、図3~図6に示される養殖装置1を使用することを前提としたものではない。図2に示すように、ここに開示される養殖用飼料は、水流が生じない通常の容器の内部でも十分に分散・滞留させることができる。また、ここに開示される養殖用飼料は、飼育水中に空気を供給するエアレーションなどを使用した場合でも、飼育水中に好適に分散・滞留させることができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 養殖装置
10 水槽
12 底面
14 外壁
16 中心部
20 流出口
22 合流部
30 側面流入口(流入口)
32 飼料投入部
32a 傾斜面
34 給餌口
36 仕切り板
36a 開口部
40 底面流入口(流入口)
42 保持部
42a 傾斜面
50 循環ポンプ
52 送液管
60 排水口
70 泡沫分離装置
80 ろ過装置
90 脱窒装置

Claims (2)

  1. 平均粒子径が30μm~60μmの粉末状飼料であり、
    飼育水に対して不溶性の増粘多糖類であるカラギーナンを含み、
    比重が1.015以上1.03以下であり、
    表面が前記カラギーナンに被覆された寒天状の飼料粒を含み、
    飼育水に投与してから少なくとも48時間後に、前記飼料粒が前記飼育水中で分散・滞留していることを特徴とする、ウナギ仔魚養殖用飼料。
  2. 魚油をさらに含む、請求項1に記載のウナギ仔魚養殖用飼料。
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