<第1の実施形態>
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図を参照しながら説明する。
以下、高フレームレートとは60p以上のフレームレートを指す。
図1は、本実施形態に係る撮像装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。
本実施形態では、撮像装置100において、高フレームレートでの動画を撮像中は、そのフレームレートの切り替えをフレーム値の切り替わり時にのみ可能とし、実時間に合った可変リフレッシュレートでの再生や出力を行うことを可能とする。
撮像装置100は、マイコンと呼ばれるシステム制御部101、撮像部102、撮像素子部103、動画像記憶部104、表示部105、表示用データ記憶部106、及び入力部107を備える。
入力部107は、ジョグダイヤル、ダイヤルスイッチ等からなり、入力部107を介してユーザが行うさまざまな入力操作(ユーザ指示)が受け付けられる。
システム制御部101は、CPU(Central Proccessing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、システムタイマーを含む。システム制御部101は1以上のプロセッサから構成され、不図示のプログラムメモリから読み出したプログラムに基づいて各種処理を実行する。システム制御部101はRAMを作業エリアとしてROMに格納された制御プログラムを実行して各種制御を行う。
また、システム制御部101は、ソフトウェア構成として、システム制御部101は、撮像信号制御部108、動画像制御部109、表示制御部110、表示用データ制御部111、及び入力制御部112を有する。さらに、システム制御部101は、タイムコード制御部113、タイムコード生成部114、及び外部出力制御部115を有する。
撮像部102は、フォーカスレンズやズームレンズ、絞り、シャッターなどの光学部を含み、外部から入る光学像に対して適切な光学処理を行い、撮像素子部103に送る。また、撮像信号制御部108からの制御信号を受け取ることでフォーカスレンズやズームレンズ、絞り、シャッターなどの光学部の制御を行う。
撮像素子部103は、撮像部102により光学処理された光学像を電気信号に変換する処理を行い、変換された電気信号を撮像信号制御部108に送る。撮像素子部103は、CCD(Carhge Coupled Device Image Sensor)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子で構成される。
動画像記憶部104は、動画像データを保持するためのメモリであり、SDカード等により構成される。
撮像信号制御部108は、撮像素子部103から得られた電気信号に対してA/D変換処理や増幅処理などの画像処理を施し、映像信号を生成する。生成される映像信号は記録方式によりそのフレームレート(1秒間のフレーム数)が異なる。NTSC方式の場合は120p/60p/60i/30p/24p、PAL方式の場合は100p/50p/50i/25pのいずれかである。また、記録画像サイズも4096x2160画素、3840x2160画素、2160x1080画素、1920x1080画素、1280x720画素、1440x1080画素等に設定することが可能である。以下の説明では基本的に記録画像サイズを1920x1080画素とし、フレームレートを120pや30pに記録中に切替可能とし、その映像信号を動画像制御部109に送る。また、フォーカスレンズやズームレンズ、絞り、シャッターなどの不図示の光学部の制御信号を撮像部102に送ることが可能である。
動画像制御部109は、映像信号の圧縮(エンコード)や伸張(デコード)する機能を備える。よって、例えば、撮像信号制御部108から映像信号が送られてきた場合、動画像制御部109は、映像信号を圧縮(エンコード)して生成し、その生成された動画像データを動画像記憶部104に出力する。また、入力部107から入力制御部112を介して送られるユーザ指示に応じて動画像制御部109は動画像記憶部104に対してユーザが所望する動画像データの送信を要求する。この要求に応じて、動画像記憶部104から動画像データが送られてくると、動画像制御部109は伸張(デコード)を行い、表示制御部110に送る。これにより、表示部105に動画像データの表示が行われる。さらに、動画像制御部109はタイムコード制御部113からタイムコードが送られてきた場合は、動画像データにタイムコードを重畳してから圧縮(エンコード)を行う。これにより、撮像信号制御部108から送られる映像信号から生成した動画像データや動画像記憶部104から送られる動画像データを外部出力制御部115にタイムコードと一緒に出力することが可能である。
本実施形態では、圧縮されたビデオフレームはタイムコード等の管理情報や音声データと共にMXF(Material eXchange Format)というコンテナ構造のファイルフォーマットで記録する場合を例に説明する。但し、AVCHD(Advanced Video Codec High Definition)やMP4(MPEG-4 Part14またはISO/IEC14496-14:2003)等のファイルフォーマットであっても何ら問題はない。
動画像記憶部104に記録されるMXFのフォルダ構成を図2Aに示す。
動画像記憶部104が入力部107から入力制御部112を介して送られるユーザ指示に応じて初期化されると、動画像記憶部104にCONTENSフォルダ201やCLIPS001フォルダ202が生成される。
さらに入力部107からのユーザ指示に応じて動画像データの記録が開始されると、ストリームファイルであるMXFファイル204や編集情報を記載したXMLファイル205が1クリップとして動画像記憶部104に記録される。新たに動画像データの記録が開始する毎に、MXFファイル204及びXMLファイル205とは異なるファイル名が付されたMXFファイル及びXMLファイルが新たなクリップとして動画像記憶部104に記録される。このように動画像記憶部104に記録される複数のクリップの情報を一つにまとめている管理ファイルがINDEX.MIF203である。これにより、動画像記憶部104に記録されたクリップ数が増えた場合であっても、クリップ単位でフォルダ内を解析しなくてもINDEX.MIF203のみを解析すればクリップの情報を解析できるので、解析時間を軽減できる。また、フレーム単位に設定する必要があるフレーム番号やタイムコード等はMXFファイル204に記録される。
次にMXFファイル204のコンテナ構造(ストリーム構成)を図2Bに示す。
MXFファイル204は、ヘッダ210、複数のフレーム(以下、フレーム情報)211、及びフッタ212により構成される。
ヘッダ210は、MXFファイル204の開始を示し、MXFファイル204に関するメタ情報が記録されている。画像データを記録するにあたり、記録する解像度やフレームレートの情報等をこのヘッダ210の領域に記録する。
複数のフレーム情報211は夫々、各フレームのデータを表す。具体的には、各フレームのメタ情報213、画像データ214、音声データ215から構成される。
フッタ212は、MXFファイル204の終了を示す情報である。
フレーム番号は、開始フレームに0、続くフレームに1,2,3、・・・の値が割り当てられる。各フレームのフレーム情報211におけるメタ情報213の領域に、その割り当てられたフレーム番号が記録される。
XMLファイル205は、マークアップ言語のXML(ExtensibleMarkupLanguage)ファイルであり、タグ情報を使用して編集情報を書き込むことも可能である。
図1に戻り、外部出力制御部115は、動画像制御部109から送られてくる動画像データを外部に出力する。外部出力制御部115は、SDI(SerialDigitalInterface)端子やHDMI(High-DefinitionMultimediaInterface)端子などの外部出力端子で構成される。
動画像記憶部104は、MPEG2(Moving Picture Experts Group)、H.264、H.265等の形式に基づいた動画像データを記憶する。また、動画像制御部109から受けた指示により動画像データの書き込みや読み出しを行うことも可能である。
入力制御部112は、入力部107から受け取ったユーザによる入力操作内容(指示)を適切な処理制御部に伝える処理を行う。入力制御部112は、ユーザ指示に応じて、動画像制御部109に対し、動画像データの記録開始の要求、記録停止の要求、記録フレームレートの設定を行うことが可能である。また、入力制御部112は、ユーザ指示に応じて、表示用データ制御部111に対し、表示用データ記憶部106にあるユーザが所望する表示用データを表示部105に表示する要求を行うことができる。また、入力制御部112は、ユーザ指示に応じて、タイムコード制御部113に対し、ユーザが所望するタイムコード設定制御を行わせることができる。
表示用データ制御部111は、入力部107から入力制御部112を介して送られるユーザ指示に応じて表示用データを表示用データ記憶部106から読み出し、その表示用データを表示制御部110に送る。
表示用データ記憶部106は、表示用データを格納しており、表示用データ制御部111から受けた指示により表示用データが読み出される。
表示制御部110は、表示用データ制御部111から送られる表示用データと動画像制御部109から送られる映像信号を合成し、表示部105で表示できる形式の動画像データに変換し、表示部105に送る。
表示部105は、表示制御部110から送られた動画像データを表示する。表示部105は、LCD(Liquid Crystal Monitor)やEVF(Electronic View Finder)などの液晶画面で構成される。
動画像記憶部104や表示用データ記憶部106はHDD(Hard Disk Drive)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスク、不揮発性のメモリーカードなどの記憶媒体で構成される。
タイムコード生成部114は、タイムコード制御部113より受けた指示によりタイムコードの生成を行う。タイムコードは時、分、秒、フレーム、サブフレームの単位で生成可能であり、設定されている記録フレームレートによってフレーム数は変わる。サブフレームとは、タイムコードの単位の1つであるフレームの単位より短い時間を表現するための単位であり、後述する拡張タイムコードをタイムコードとして使用する場合に用いられる。従来のタイムコード及び拡張タイムコードについて図3に示す。タイムコードの設定値の詳細はSMPTE ST 12に記載されているため、ここでの詳細な説明は省略する。SMPTE ST 12-1、SMPTE ST 12-2で定義されている従来のタイムコードの設定値は、00~23までの時間301、00~59までの分302、00~59までの秒303、00~29までのフレーム304の単位で表現される。しかし、120pなど、フレームレートが高くなるとSMPTE ST 12-1、SMPTE ST 12-2では区別することができず、タイムコードの設定値が同一となるフレームが複数存在することになってしまう。そのため、高フレームレートで動画を記録する場合は、高フレームレートを識別するためにSMPTE ST 12-3に定義されている拡張タイムコードをタイムコードとして使用する。これにより、タイムコードの設定値は、時間301、分302、秒303、フレーム304の単位に加えて、00~31までのサブフレーム305の単位での表現ができる。すなわち、フレーム304とサブフレーム305を用いることで、0~959の960pまで各フレームに対して異なるタイムコードの設定値を付加して識別することが可能となる。
図1に戻り、タイムコード制御部113は、タイムコード生成部114により生成されるタイムコードを読み出し動画像制御部109に送る。また、入力部107から入力制御部112を介して送られるユーザ指示に応じてタイムコード生成部114にタイムコードを送る。
動画像記憶部104により動画像データとして記録される映像信号のフレームレートについて図4Aを用いて説明する。
タイミングチャート4001は、固定フレームレート(Constant Frame Rate=以下、CFR)の映像信号を示すタイミングチャートである。フレームレートは30p固定でA1フレーム、A2フレーム・・・という順序で記録されていく。
タイミングチャート4002は、可変フレームレート(Variable Frame Rate=以下、VFR)の映像信号を示すタイミングチャートである。A1フレームからA4フレームまでは30pであり、A5フレームからA8フレームまでは120p、A9フレーム、A10フレーム・・・は30pという順序で記録されていく。
動画像記憶部104に記憶された動画像データを読み出す(再生する)場合や、撮像信号制御部108で生成された映像信号を直接表示部105や外部出力制御部115に出力する場合に用いられるリフレッシュレートについて図4Bを用いて説明する。
タイミングチャート4101は、フレームレート30pの固定リフレッシュレートの動画像データとして、図4Aのタイミングチャート4002に示すVFRの映像信号を動画像記憶部104に記録した場合のタイミングチャートである。以下、固定リフレッシュレートは、Constant Refresh Rateの略であるCRRと表記する。
タイミングチャート4102は、可変リフレッシュレートの動画像データとして、図4Aのタイミングチャート4002に示すVFRの映像信号を動画像記憶部104に記録した場合のタイミングチャートである。以下、可変リフレッシュレートは、Variable Refresh Rateの略であるVRRと表記する。ここでは、リフレッシュレートを、A1フレームからA4フレームまでは30p、A5フレームからA8フレームまでは120p、A9フレーム、A10フレーム・・・は30pとして映像信号を出力する。
この場合、図4Cに示すように、タイミングチャート4002に示すA5~A8フレームは、フレームレート120pの映像信号である。しかし、タイミングチャート4101に示す様に、この映像信号がCRRのリフレッシュレートの動画像データとして記録された場合、フレームレート30pで読み出し(再生)されるため、映像信号のフレームレートより1/4スロー再生となる。一方、タイミングチャート4102に示す様に、この映像信号がVRRのリフレッシュレートの動画像データとして記録された場合、フレームレート120pで読み出し(再生)されるため、映像信号のフレームレートと同じ等倍再生となる。
このため、VFRの映像信号を符号化した動画像データを、表示部105や外部出力制御部115に対してCRRで読み出すかVRRで読み出すかによって、記録時のタイムコードの制御を変える必要がある。CRRで読み出す場合は、VFRで記録した全てのフレームのタイムコードをフレームレート30pとするタイムコードに変換する制御を行う。そのようにタイムコードを制御することによりCRRでの動画像データの再生時においてフレームレート120pの映像信号を符号化した部分の動画像データは1/4スロー再生される。同様にVRRで読み出す場合は、VFRで記録した全てのフレームのタイムコードのサブフレームを考慮したタイムコードとする制御を行う。そのようにタイムコードを制御することによりVRRでの動画像データの再生時においてフレームレート120pの映像信号を符号化した部分の動画像データは記録時と同じフレームレート120pで再生される。
本実施形態では、VFRの映像信号を符号化した動画像データをVRRで読み出す場合、映像信号のフレームレート切替処理は、動画像データの記録の際のインクリメントによりタイムコードのフレームの値が切り替わるタイミングでのみ行われる。このフレームレート切替処理の詳細について図5のフローチャートを参照して説明する。
図5は、撮像装置100で実行される、本実施形態に係るフレームレート切替処理のフローチャートである。撮像装置100に電源が入り、起動している状態において、システム制御部101がプログラムメモリから読み出したプログラムを実行することにより本処理が実行される。
ステップS501では、入力制御部112は、後述する図7AのUI上で入力部107へのユーザ操作によりVFR記録モードが有効にされたかどうかを判定する。VFR記録モードが有効にされた場合(ステップS501でYES)、ステップS502へ進む。VFR記録モードが有効にされていない場合(ステップS501でNO)、本フローチャートの処理は実行されない。そのため、ステップS501へ戻り、VFR記録モードが有効にされたことに応じて、ステップS502以降の処理を実行する。
ステップS502では、入力制御部112は、後述する図7BのUI上で入力部107へのユーザ操作により再生時のリフレッシュレート情報(以下「再生リフレッシュレート情報」という)が選択されたかどうかを判定する。尚、本実施形態では、再生リフレッシュレート情報としてCRR及びVRRのいずれか一方が選択される。再生リフレッシュレート情報が選択された場合(ステップS502でYES)、ステップS503へ進む。再生リフレッシュレート情報が選択されていない場合(ステップS502でNO)、ステップS501へ戻る。ステップS502で再生リフレッシュレート情報としてCRRが選択された場合、入力制御部112は、タイムコード制御部113に対し、サブフレームを考慮しないタイムコードのインクリメント制御を行うよう指示する。一方、ステップS502で再生リフレッシュレート情報としてVRRが選択された場合、入力制御部112は、タイムコード制御部113に対し、サブフレームを考慮したタイムコードのインクリメント制御を行うよう指示する。
ステップS503では、入力制御部112は入力部107に対して、動画像データの記録開始の要求のユーザ指示があったかどうかを判定する。記録開始の要求があった場合(ステップS503でYES)、ステップS504へ進む。記録開始の要求がなかった場合(ステップS503でNO)、ステップS503へ戻る。
尚、ステップS503で記録開始の要求がなかった場合、すなわち、動画像データの非記録中である場合にも、入力制御部112は、入力部107に対して、フレームレート切替要求のユーザ指示があったかどうかを判定するようにしてもよい。動画像データの非記録中にフレームレート切替要求があった場合、タイムコードの記録は行っていないので、そのフレームレート切替要求があったタイミングでフレームレートを切り替える。また、動画像データの非記録中に再生リフレッシュレート情報の変更のユーザ指示を受け付け可能とし、入力制御部112は、入力部107に対して、再生リフレッシュレート情報の変更のユーザ指示があったかどうかを判定するようにしてもよい。再生リフレッシュレート情報の変更のユーザ指示があった場合、入力制御部112は、タイムコード制御部113に対し、変更後の再生リフレッシュレート情報に応じた制御を行うよう指示する。
ステップS504では、入力制御部112は、ステップS502で選択された再生リフレッシュレート情報を動画像記憶部104にメタデータとして記録するよう動画像制御部109に指示し、ステップS505へ進む。動画像記憶部104がMXFのファイルフォーマットで動画像データを記録する場合、再生リフレッシュレート情報は図2AのINDEX.MIF203に記録される。
ステップS505では、動画像制御部109が記録最小単位であるGOP(Group Of Picture)数を取得し、ステップS506へ進む。例えば、ステップS503で記録開始の要求があった場合、記録開始時のデフォルトのフレームレートは30pであるので、GOP数、すなわち、再生させる動画像データの1GOPあたりのフレーム数は、15である。この場合、ユーザからの記録停止の要求があっても、フレーム番号が15の整数倍にならないと動画像データの記録は停止されない。
ステップS506では、入力制御部112は、動画像制御部109に対して動画像ファイルをオープンするように指示を行い、ステップS507へ進む。
ステップS507では、動画像制御部109は、ステップS506の入力制御部112からの指示に応じて、撮像信号制御部108からの1フレーム分の映像信号を圧縮(エンコード)して動画像データ(符号化データ)を生成し、ステップS508へ進む。このとき入力制御部112は、タイムコード制御部113に対してタイムコードを動画像制御部109に送付するように指示を行う。タイムコード制御部113は、この入力制御部112からの指示に応じてタイムコードを動画像制御部109に送付すると、ステップS509へ進む。
ステップS508では、動画像制御部109は、まず、ステップS507で生成した1フレーム分の動画像データにメタデータを付加する。このメタデータには、ステップS507での入力制御部112からの指示に応じてタイムコード制御部113から送られてきたタイムコードが含まれる。その後、動画像制御部109はタイムコードを含むメタデータを付加した動画像データを動画像記憶部104に記憶した後、ステップS509へ進む。このステップS508の処理はステップS507で1フレーム分の映像信号から動画像データが生成される毎に行われる。すなわち、動画像制御部109は、ステップS503のユーザからの記録開始があった場合、1フレーム分の映像信号から動画像データを生成する毎に、タイムコードを重畳(付加)して動画像記憶部104に記録する制御を行う。
ステップS509では、タイムコード制御部113は、ステップS502で選択されたリフレッシュレート情報に応じたタイムコードのインクリメントをタイムコード生成部114に指示し、ステップS510へ進む。すなわち、タイムコード生成部114は、タイムコードが動画像制御部109に送付される毎に、つまり、タイムコードが動画像データに重畳される毎に、ステップS502で選択されたCRR又はVRRでのタイムコードのインクリメントを行う。
ステップS510では、入力制御部112は入力部107に対して、記録停止の要求のユーザ指示があったかどうかを判定する。記録停止の要求があった場合(ステップS510でYES)、ステップS511へ進む。記録停止の要求がなかった場合(ステップS510でNO)、ステップS514へ進む。
ステップS511では、入力制御部112は、まず、動画像制御部109に対して動画像記憶部104にステップS508で送ったメタデータ情報に含まれるフレーム番号の送信を要求する。その後、この要求に応じて動画像制御部109から送信されたフレーム番号に基づき、入力制御部112は、ステップS505で取得したGOP数の整数倍分のフレームが動画像記憶部104に記録されているか(記録最小単位の境界であるか)否かを判定する。GOP数の整数倍分のフレームが記録されている場合(ステップS511でYES)、ステップS512へ進む。GOP数の整数倍分のフレームが記録されていない場合(ステップS511でNO)、ステップS507に戻る。記録停止の要求があったにもかかわらず、ステップS511でNOと判断された場合や、ステップS512でNOと判断された場合は、記録停止の処理を実行するまで記録停止の要求があったと判定される。つまり、記録停止の要求を受けた後は、ステップS511でYESと判断され、かつ、ステップS512でYESと判断されてステップS513の処理を行うまで、ステップS510ではYESと判断され、ステップS507~S509の処理が繰り返される。
ステップS512では、入力制御部112は、まず、タイムコード制御部113に対してステップS509でインクリメントされたタイムコードの値の送信を要求する。その後、入力制御部112は、この要求に応じてタイムコード制御部113から送信されたタイムコードの値に基づき、タイムコードのサブフレームの値がゼロであるかどうかを判定する。この判定は、一連の動画像データを複数のファイルに分割して記録する場合などにかかる判定をせずステップS513に進みファイルをクローズした場合の不具合をなくすため行われる。すなわち、このような場合にかかる判定をしないと、次のファイルに記録される動画像データの最初のフレームのタイムコードのサブフレームの値がゼロでないところから開始してしまう場合がある。その場合、サブフレームを使用しない従来のタイムコードと互換性がなくなってしまうという不具合が生じる。よって、本実施形態では、ステップS512でサブフレームの値がゼロであると判定された場合、つまり、タイムコードのフレーム304の単位の値の切り替わるタイミングでのみ、ステップS513に進みファイルをクローズする。一方、ステップS512でサブフレームの値がゼロでないと判定された場合はステップS507に戻る。尚、サブフレームの値がゼロでない場合は、タイムコードのフレームの値をインクリメントし、サブフレームの値をゼロにしてステップS513に進むようにしてもよい。また、一連の動画像データを複数のファイルに分割して記録するファイル分割記録を行う場合と、ファイル分割記録を行わない場合とで、ファイルをクローズするタイミングを切り替えるようにしてもよい。例えば、ファイル分割記録を行う場合、次のフレームのサブフレームの値がゼロとなるタイミングでファイルをクローズして、タイムコードのフレーム304の単位の値の切り替わるタイミングで、動画像データを分割して複数のファイルに記録するようにする。一方、ファイル分割記録を行わない場合、サブフレームの値に関わらずファイルをクローズするようにするとよい。ファイル分割記録を実行する条件が満たされるか否かに応じて、これらの処理を切り替えるようにするとよい。
ステップS513では、入力制御部112は、動画像制御部109に対して動画像ファイルをクローズするように指示を行い、本処理を終了する。
ステップS514では、入力制御部112は、入力部107に対して、フレームレート切替要求のユーザ指示があったかどうかを判定する。フレームレート切替要求があった場合(ステップS514でYES)、後述する図7CのUIを表示し、切替後のフレームレートがユーザ選択された後、ステップS515へ進む。フレームレート切替要求がなかった場合(ステップS514でNO)、ステップS507に戻る。
ステップS515では、入力制御部112は、ステップS502で再生リフレッシュレートとしてVRRが選択されているかどうかを判定する。すなわち、タイムコード制御部113がサブフレームを考慮した(以下「VRR用の」という)タイムコードのインクリメント制御中であるかどうかを判定する。VRR用のタイムコードのインクリメント制御中である場合(ステップS515でYES)、ステップS516へ進む。一方、VRR用のタイムコードではなくCRR用のタイムコードのインクリメント制御中である場合(ステップS515でNO)、ステップS517へ進み、フレームレート切替要求があったタイミングでフレームレートを切り替える。
ステップS516では、入力制御部112は、まず、タイムコード制御部113に対してステップS509でインクリメントされたタイムコードの値の送信を要求する。その後、入力制御部112は、この要求に応じてタイムコード制御部113から送信されたタイムコードの値に基づき、タイムコードのサブフレームの値がゼロかどうかを判定する。つまり、次のフレームに付加するタイムコードのサブフレームの値がゼロとなり、タイムコードのフレーム304単位の値の切り替わるタイミングであるかを判定する。詳細は図5のタイミングチャートを使用して説明する。次のフレームに付加すべきタイムコードのサブフレームの値がゼロである場合(ステップS516でYES)、ステップS517へ進む。タイムコードのサブフレームの値がゼロでない場合(ステップS516でNO)、ステップS507に戻る。尚、ステップS512とは異なり、ステップS516では、サブフレームの値がゼロでない場合に、タイムコードのフレームの値をインクリメントし、サブフレームの値をゼロにしてステップS517に進むことはできない。実時間に合った可変リフレッシュレートでの再生や出力が行えなくなるためである。フレームレート切替要求のユーザ指示があったにもかかわらず、ステップS516でNOと判断された場合は、ステップS517でフレームレート切り替え処理を行うまで、ステップS514において、フレームレート切替要求のユーザ指示があったと判定される。つまり、フレームレート切替要求のユーザ指示があったが、次のフレームのタイムコードのサブフレームの値がゼロとならない場合は、ステップS507からの処理を繰り返す。その後、次のフレームのサブフレームの値がゼロとなり、タイムコードのフレーム304単位の値の切り替わりタイミングとなったときに、ステップS517に進む。
ステップS517では、入力制御部112は、撮像信号制御部108に対してフレームレート切り替え要求を行う。これにより、撮像信号制御部108で生成される映像信号のフレームレートを、ステップS514でのフレームレート切替要求に応じて、30pから120pに切り替えたり、120pから30pに切り替えることが可能となる。つまり、次にステップS507で取得するフレーム以降の映像信号(動画像データ)から、フレームレートが変更されることになる。そのため、ステップS516でサブフレームの値がゼロであると判定されてステップS517でフレームレートを変更する場合は、タイムコードのサブフレームの値がゼロとなるタイミングで、フレームレートが変更されることになる。その後、ステップS507に戻る。
尚、ステップS514のフレームレート切替要求を判別し、どのようなフレームレートからどのようなフレームレートへの切替要求かに応じて、処理を切り替えるようにしてもよい。30fpsの低フレームレートから120fps等の高フレームレートへの切替要求と判別された場合、ステップS515の判定を行わず、サブフレームの値に関わらずステップS514から直接ステップS517に進む。一方、120fps等の高フレームレートから30fpsの低フレームレートへの切替要求と判別された場合には、ステップS515に進むようにするとよい。サブフレームの値が常にゼロとなる低フレームレートから高フレームレートに切り替えた場合、VRR用のタイムコードのインクリメント制御中でも、次のフレーム、つまり、サブフレームの値がゼロとなるフレームからフレームレートが切り替わる。このため、再生や出力が実時間とずれることはないからである。尚、以下、高フレームレートとして、120fpsを例に説明するが、240fps等の他のフレームレートを設定可能としてもよい。また、120fpsから240fpsへのフレームレートの切り替えや、120fpsから240fpsへのフレームレートの切り替えを可能に構成してもよい。この場合、再生や出力が実時間とずれないようにするために、ステップS515の判定を行い、サブフレームの値がゼロとなるタイミングでフレームレートを切り替えるようにするとよい。
図6は、図5のフレームレート切替処理を説明するためのタイミングチャートである。
ここでは、図5のステップS501でVFR記録モードが有効にされ、且つ、ステップS502で再生リフレッシュレート情報としてVRRが選択された後、ステップS503でユーザより動画像データの記録開始の要求があった場合を説明する。ここではさらに、動画像データの記録中に、記録開始時のデフォルトのフレームレート30pからフレームレート120pへの切り替え要求があり、さらにその後フレームレート30pへの切り替え要求があった場合について説明する。
図6に示す様に、動画像データの記録は、A1フレームからA3フレームにおいてはフレームレート30pで行われている。また、再生リフレッシュレート情報としてVRRが選択されているため、タイムコードのインクリメント制御はサブフレームを考慮して行われる。よって、各フレームのタイムコードの値は、時、分、秒、フレーム、サブフレームの順で記載される。具体的には、A1フレームのタイムコードの値は00:00:00:00.0となり、A2,A3フレームは30pで記録されているため、夫々のタイムコードの値は00:00:00:01.0、00:00:00:02.0となる。
A3フレームでユーザから30pから120pへのフレームレート切替要求があった場合(ステップS514でYES)、次のA4フレームから映像信号のフレームレートが120pに変更される(ステップS517)。A3フレームまでの映像信号のフレームレートが30pであるため、A4フレームのVRR用のタイムコードのサブフレームの値は、A4フレームからの映像信号のフレームレートの切り替えの有無に関係なく、ゼロとなるためである。
図6に示す様に、その後、動画像データの記録は、A4フレームからA11フレームにおいてはフレームレート120pで行われている。また、現在のフレームレートは高フレームレートであるため、これら各フレームのタイムコードにはサブフレームも用いられる。具体的には、A4フレームのタイムコードの値は00:00:00:03.0、A5フレームのタイムコードの値は00:00:00:03.1・・・とインクリメントしていく。
この場合、A9フレームでユーザから120pから30pへのフレームレート切替要求があった場合(ステップS514でYES)、次のA10フレームでは映像信号のフレームレートは30pに変更されない。A10フレームから映像信号のフレームレートを120pから30pに切り替えてしまうと、VRR用のタイムコードは、A9フレームの00:00:00:04.1からA10フレームで00:00:00:05.0となってしまうからである。すなわち、VRRでの再生が実時間からずれてしまうからである。そこで、本実施形態では、A9フレームでユーザから120pから30pへのフレームレート切替要求があった場合、ステップS509でインクリメントされたVRR用のタイムコードのサブフレームの値がゼロとなったかを判断する。図6の例では、A11フレームの動画像データの記録時にステップS509でインクリメントされたVRR用のタイムコードのサブフレームの値がゼロとなる。よって、次のA12フレームからフレームレートを切り替える。これにより、VRRでの再生を実時間に合わせることが可能となる。
図6に示す様に、その後、動画像データの記録は、A12フレームからA14フレームにおいてはフレームレート30pで行われている。よって、これら各フレームのタイムコードのサブフレームの値はゼロとなる。
尚、入力部107によるユーザからのフレームレート切替要求の操作内容によってはサブフレームの値を考慮することなくフレームレートの切り替えを行ってもよい。ただし、その場合、実時間に合ったVRRでの再生は担保できなくなる。
次に図7A~Dを用いて、ユーザが入力部107により、VFR記録モードのON/OFFを選択したり、再生リフレッシュレート情報を選択したり、動画像データの記録中にフレームレートを切り替えたりするためのUI表示について説明する。なお、表示制御部110は、動画像制御部109から送られる映像信号とOSD表示(表示用データ)を重畳し、動画像データとして表示部105に出力することが可能である。
図7Aは、VFR記録モード設定画面のUI表示である。
VFR記録モード設定画面は、動画像表示部7000、残記録時間表示部7001、動作状況表示部7002、タイムコード表示部7003、及びメニュー設定表示部7004を有する。
動画像表示部7000は、動画像制御部109から送られる映像信号に基づく動画像を表示する表示部である。動画像表示部7000には、残記録時間表示部7001、動作状況表示部7002、タイムコード表示部7003、及びメニュー設定表示部7004がOSD表示として重畳される。
残記録時間表示部7001は、動画像記憶部104において動画像データの記録が可能な残り時間を示す表示部である。例えば、図7Aの残記録時間表示部7001aでは、動画像記憶部104としてSDカードが用いられており、その残り時間は9分であることを示す、SD 9minが表示される。
動作状況表示部7002は、撮像装置100の動作状況を示す表示部である。例えば、後述する図7Cの動作状況表示部7002cのように●が表示されている場合、現在撮像装置100において動画像データが記録中である。一方、図7Aの動作状況表示部7002aのように●が表示されてない場合、現在撮像装置100において動画像データは非記録中である。
タイムコード表示部7003は、タイムコード生成部114により生成されたタイムコードの値を示す表示部である。例えば、図7Aのタイムコード表示部7003aでは、デフォルトのフレームレート30pに基づき、00:00:00:01と表示される。
メニュー設定表示部7004は、入力部107へのユーザ操作に応じて各種メニューを設定するための表示部である。例えば、図7Aのメニュー設定表示部7004aは、VFR記録モードをON(有効)にするかOFF(無効)にするか選択するための画面を表示する。図7Aに示す様に、ここではVFR記録モードがONに設定される。
図7Bは、再生リフレッシュレート情報設定画面のUI表示である。ここでは図7Aと同じ構成に関しては同一の番号を付与し、説明を省略する。
図7Aのメニュー設定表示部7004aでVFR記録モードがONに設定された場合、撮像装置100の動作状況はVFR記録モードの記録待機状態となる。よって、図7Bの動作状況表示部7002bには、その旨を示すVFR STBYが表示される。
また、図7Bのメニュー設定表示部7004bは、再生リフレッシュレート情報をCRR、VRRのどちらにするかの選択画面を表示する。
図7Cは、VFRで動画像データの記録中に、入力部107に対してフレームレート切換要求のユーザ指示があった場合に表示されるフレームレート設定画面のUI表示である。
フレームレート設定画面は、図7Aの画面と同様、動画像表示部7000、残記録時間表示部7001、動作状況表示部7002、タイムコード表示部7003、及びメニュー設定表示部7004を有する他、実時間表示部7201を有する。
撮像装置100の動作状況がVFRで動画像データの記録中の状態である場合、図7Cの動作状況表示部7002cには、その旨を示す●VFR RECが表示される。
また、タイムコード表示部7003cに示すように、VFR記録が開始されているためタイムコードは歩進する。例えば、図7Cのタイムコード表示部7003cでは、フレームレート30pの映像信号を符号化した動画像データの記録中であり、再生リフレッシュ情報がVRRに設定されているので、00:00:00:12.0と表示される。
実時間表示部7201cは、動画像データとして記録された映像信号のフレームレート(fps)と、その動画データのリフレッシュレート(p)を実時間として表示する。ここでは、記録中のフレームレートが30pであり、再生リフレッシュ情報がVRRに設定されているため、実時間表示部7201には実時間を表す30fps/30pと表示される。
メニュー設定表示部7004cは、フレームレートの選択画面を表示する。
図7Dは、VFRで動画像データの記録中にフレームレートを30pから120pに切り替えた後のUI表示である。ここでは図7Cと同じ構成に関しては同一の番号を付与し、説明を省略する。
タイムコード表示部7003dは、タイムコード生成部114により生成されたタイムコードの値を表示する。例えば、図7Dのタイムコード表示部7003dでは、フレームレート120pの映像信号を符号化した動画像データの記録中であり、再生リフレッシュ情報がVRRに設定されているので、00:00:00:12.1と表示される。
また、記録中のフレームレートが120pであり、再生リフレッシュ情報がVRRに設定されているため、実時間表示部7201dには実時間を表す120fps/120pが表示される。
<第2の実施形態>
図8は、本実施形態に係る撮像装置800のハードウェア構成を示すブロック図である。
撮像装置800は、外部出力端子に対してVRR出力する際の映像信号に記録制御情報を重畳する。このため、撮像装置800は、システム制御部101の代わりにシステム制御部801を有し、動画像制御部109の代わりに動画像制御部802を有し、外部出力制御部115の代わりに外部出力制御部803を有する点で撮像装置100と異なる。尚、図1に示す撮像装置100と同一部分には同一番号を付し、重複部分の詳細説明を省略する。
システム制御部801は、CPU(Central Proccessing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、システムタイマーを含む。システム制御部801はRAMを作業エリアとしてROMに格納された制御プログラムを実行して各種制御を行う。
動画像制御部802は、映像信号の圧縮(エンコード)や伸張(デコード)する機能を備える。よって、例えば、撮像信号制御部108から映像信号が送られてきた場合、動画像制御部802は、映像信号を圧縮(エンコード)し、圧縮(エンコード)された動画像データを動画像記憶部104に出力する。また、入力部107から入力制御部112を介して送られるユーザ指示に応じて動画像制御部802は動画像記憶部104に対してユーザが所望する動画像データの送信を要求する。そして、この要求に応じて、動画像記憶部104から動画像データが送られてくると、動画像制御部802は伸張(デコード)を行い、表示制御部110に送る。これにより、表示部105に動画像データの表示が行われる。さらに、動画像制御部802はタイムコード制御部113からタイムコードが送られてきた場合は、映像信号にタイムコードを重畳してから圧縮(エンコード)を行う。また、撮像信号制御部108から送られる映像信号や動画像記憶部104から送られる動画像データを外部出力制御部115にフレーム毎の映像データにタイムコードを重畳して送ることが可能である。さらに、動画像制御部802は、入力部107によるユーザからの記録開始、記録停止の要求を入力制御部112を介して受け取り、記録制御情報として外部出力制御部803に対して送ることが可能である。
外部出力制御部803は、動画像制御部802から、フレーム毎の映像データにタイムコードが重畳された映像信号、及び記録制御情報が送られると、その映像信号に記録制御情報を重畳して外部装置に出力する。外部出力制御部803は、SDI(SerialDigitalInterface)端子やHDMI(High-DefinitionMultimediaInterface)端子などの外部出力端子で構成される。外部出力制御部803がHDMI 2.1の規格に準拠する場合、外部出力に対してVRRでの映像出力をすることが可能であり、さらに記録制御情報を重畳すると外部レコーダーに対して記録制御を行うことができる。すなわち本実施形態では、外部レコーダーに非圧縮の映像信号をVFR記録させることが可能となる。
本実施形態では、VFRの映像信号をVRRで外部出力する場合、外部出力制御部803に対する映像信号のフレームレート切替処理は、動画像データの記録の際のインクリメントによりタイムコードのフレームの値が切り替わるタイミングでのみ行われる。この外部出力制御部803に対するフレームレート切替処理の詳細について図9のフローチャートを参照して説明する。
図9は、撮像装置800で実行される、外部出力制御部803に対する本実施形態に係るフレームレート切替処理のフローチャートである。撮像装置800に電源が入り、起動している状態において、システム制御部801がプログラムメモリから読み出したプログラムを実行することにより本処理が実行される。尚、図5のフローチャートと同一ステップには同一番号を付し、重複部分の詳細説明を省略する。
図9の処理では、図5のステップS503の代わりにステップS901が実行され、図5のステップS504~S506の代わりにステップS902が実行される。また、図5のステップS507,S508の代わりに、ステップS903、S904が実行される。また、図5のステップS510の代わりにステップS905が実行され、図5のステップS513の代わりにステップS906が実行され、図5のステップS515の代わりにステップS907が実行される。
ステップS901では、入力制御部112は入力部107に対して、外部出力制御部803への映像信号の外部出力開始の要求のユーザ指示があったかどうかを判定する。外部出力開始の要求があった場合(ステップS901でYES)、ステップS902へ進む。外部出力開始の要求がなかった場合(ステップS901でNO)、ステップS901に戻る。尚、本実施形態では、かかる外部出力開始の要求があった場合、入力制御部112は、ステップS902で後述するように外部出力制御部803に対して外部出力する映像信号に記録制御情報を重畳するよう指示を行う。だが、かかる指示を行うかどうかを入力部107によりユーザが選択するようにしてもよい。また、図9においては不図示であるが、入力制御部112は、かかる外部出力開始の要求があった場合、タイムコード制御部113に対してタイムコードを動画像制御部802に送付するように指示を行う。また、入力制御部112は、動画像制御部802に対して、撮像信号制御部108から送られてきた映像信号のフレーム毎の映像データにタイムコード制御部113から送られてきたタイムコードを重畳する制御をするよう指示する。
ステップS902では、入力制御部112は、外部出力制御部803に対して、記録開始制御情報を外部出力する映像信号に重畳するよう指示した後、ステップS509の処理を行なう。
次に、ステップS903では、動画像制御部802は、撮像信号制御部108からの1フレーム分の映像信号を取得し映像データを生成して、ステップS904に進む。
ステップS904では、動画像制御部802は、ステップS903で取得した1フレーム分の映像データに、タイムコード制御部113から送られてきたタイムコードを重畳して、外部出力制御部803により外部出力する。
その後、ステップS509において、図5のフローチャートと同様にタイムコードのインクリメントを行う。すなわち、タイムコード生成部114は、タイムコードが動画像制御部802に送付される毎に、つまり、1フレーム分の映像データにタイムコードが重畳される毎に、ステップS502で選択されたCRR又はVRRでのタイムコードのインクリメントを行う。
その後ステップS905に進む。外部出力制御部803から外部出力される映像信号には、フレーム毎の映像データ及びタイムコードが格納される信号領域以外に、メタデータを重畳する信号領域を有する。よって、ステップS902では、外部出力制御部803がHDMI端子、SDI端子のいずれであっても、そのメタデータが格納される信号領域に記録開始制御情報を重畳する。これにより、外部レコーダー側が対応していれば撮像装置800の記録制御に連動して、外部レコーダーへの記録制御を行うことが可能となる。
ステップS905では、入力制御部112は入力部107に対して、外部出力制御部803への映像信号の外部出力停止の要求のユーザ指示があったかどうかを判定する。外部出力停止の要求があった場合(ステップS905でYES)、ステップS512でYESと判定された場合、ステップS906に進む。外部出力停止の要求がなかった場合(ステップS905でNO)、ステップS514へ進む。
ステップS906では、入力制御部112は、外部出力制御部803に対して、記録停止制御情報を外部出力する映像信号に重畳するよう指示する。記録停止制御情報も記録開始制御情報と同様に、外部出力制御部803から外部出力される映像信号のメタデータが格納される領域に重畳される。
ステップS514では、入力制御部112は、入力部107に対して、フレームレート切替要求のユーザ指示があったかどうかを判定する。フレームレート切替要求があった場合(ステップS514でYES)、後述する図10BのUIを表示し、切替後のフレームレートがユーザ選択された後、ステップS907へ進む。フレームレート切替要求がなかった場合(ステップS514でNO)、ステップS509に戻る。
ステップS907では、入力制御部112は、ステップS502で再生リフレッシュレートとしてVRRが選択されているかどうか、すなわち、VRR用のタイムコードのインクリメント制御中であるかを判定する。さらに、入力制御部112は、外部出力制御部803がVFRで映像信号を外部出力しているかどうかを判定する。VRR用のタイムコードのインクリメント制御中であり、かつ外部出力制御部803がVFRで映像信号を外部出力している場合(ステップS907でYES)、ステップS516へ進む。一方、そうでない場合(ステップS907でNO)、ステップS517へ進む。外部出力制御部803がHDMI端子の場合、HDMI 2.1に接続先が対応しているかどうかの情報を接続先から取得することができる。よって、HDMI 2.1に接続先が対応しているという情報を接続先から取得した場合、入力制御部112は、ステップS907では外部出力制御部803にVRR用のタイムコードを出力しているかどうかのみを判定するようにしてもよい。これに対し、外部出力制御部803がSDI端子の場合、接続先の情報を取得することはできない。よってこの場合は、HDMI 2.1に接続先が対応しているかどうかは、撮像装置800がVFR出力しているかどうかで判別を行う。
尚、図9の処理において、VFR記録モードが有効にされ、再生リフレッシュレート情報としてVRRが選択された場合、外部出力制御部803に出力中の映像信号のフレームレートの切り替えは図6のタイミングチャートと同様となるため省略する。
次に図10A~Cを用いて、ユーザが入力部107により外部出力制御部803に対して記録制御情報を重畳する設定に切り替えるためのUI表示について説明する。
図10Aは、外部出力制御部803に対する記録制御情報設定画面のUI表示である。ここでは図7Aと同じ構成に関しては同一の番号を付与し、説明を省略する。
本実施形態のように映像信号を外部出力する場合、動画像記憶部104への動画像データの記録は行われないため、図10Aに示す様に、残記録時間表示部7001eでは、動画像記憶部104において動画像データの記録が可能な残り時間は表示されない。
また、動作状況表示部7002eは、本実施形態のように映像信号を外部出力する場合、撮像装置100ではなく、外部出力制御部803の動作状況が示される。例えば、後述する図10Bの動作状況表示部7002fのように●が表示されている場合、現在外部出力制御部803において映像信号が外部出力中である。一方、図7Aの動作状況表示部7002aのように●が表示されてない場合、現在外部出力制御部803において映像信号は外部非出力中である。
メニュー設定表示部7004eは、外部出力制御部803に対して記録制御情報の重畳を有効にするかどうかの選択画面を表示する。
図10Bは、外部出力制御部803へのVFRでの映像信号の出力中に、入力部107に対してフレームレート切替要求のユーザ指示があった場合に表示されるフレームレート設定画面のUI表示である。ここでは図7Cと同じ構成に関しては同一の番号を付与し、説明を省略する。
外部出力制御部803の動作状況がVFRでの映像信号の外部出力中の状態である場合、図10Bの動作状況表示部7002fには、その旨を示す●EXT VFR RECが表示される。
また、タイムコード表示部7003fに示すように、VFRでの映像信号の外部出力が開始されているためタイムコードは歩進する。例えば、図10Bのタイムコード表示部7003fでは、フレームレート30pでの映像信号の外部出力中であり、再生リフレッシュ情報がVRRに設定されているので、00:00:00:12.0と表示される。
また、外部出力中の映像信号のフレームレートが30pであり、再生リフレッシュ情報がVRRに設定されているため、実時間表示部7201fには実時間を表す30fps/30pが表示される。
メニュー設定表示部7004fは、フレームレートの選択画面を表示する。
図10Cは、外部出力制御部803へのVFRでの映像信号の出力中にフレームレートを30pから120pに切り替えた後のUI表示である。ここでは図10Bと同じ構成に関しては同一の番号を付与し、説明を省略する。
タイムコード表示部7003gは、タイムコード生成部114により生成されたタイムコードの値を表示する。例えば、図10Cのタイムコード表示部7003gでは、フレームレート120pでの映像信号の外部出力中であり、再生リフレッシュ情報がVRRに設定されているので、00:00:00:12.1と表示される。
また、外部出力中の映像信号のフレームレートが120pであり、再生リフレッシュ情報がVRRに設定されているため、実時間表示部7201gには実時間を表す120fps/120pが表示される。
本実施形態では外部出力制御部803に対しての説明を行ったが、第1の実施形態で説明した動画像記憶部104へのVFRでの動画像データの記録と外部出力制御部803へのVFRでの映像信号の出力を同時に行ってもよい。
<第3の実施形態>
図11は、本実施形態に係る撮像装置1100のハードウェア構成を示すブロック図である。
本実施形態では、撮像装置1100が過去所定の時間分だけの動画像データを蓄積するプレ記録中である場合、高フレームレートでの動画を撮像中は、そのフレームレートの切り替えをフレーム値の切り替わり時にのみとする。これにより、プレ記録中も実時間に合った可変リフレッシュレートでの再生や出力を行うことを可能とする。このため、撮像装置1100は、システム制御部101の代わりにシステム制御部1101を有し、動画像制御部109の代わりに動画像制御部1102を有する点で撮像装置100と異なる。尚、図1に示す撮像装置100や図8に示す撮像装置800と同一部分には同一番号を付し、重複部分の詳細説明を省略する。
システム制御部1101は、CPU(Central Proccessing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、システムタイマーを含む。システム制御部1101はRAMを作業エリアとしてROMに格納された制御プログラムを実行して各種制御を行う。
動画像制御部1102は、映像信号の圧縮(エンコード)や伸張(デコード)する機能を備える。よって、例えば、撮像信号制御部108から映像信号が送られてきた場合、動画像制御部1102は、映像信号を圧縮(エンコード)し、圧縮(エンコード)された動画像データを動画像記憶部104に出力する。また、入力部107から入力制御部112を介して送られるユーザ指示に応じて動画像制御部1102は動画像記憶部104に対してユーザが所望する動画像データの送信を要求する。この要求に応じて、動画像記憶部104から動画像データが送られてくると、動画像制御部1102は伸張(デコード)を行い、表示制御部110に送る。これにより、表示部105に動画像データの表示が行われる。さらに、動画像制御部1102はタイムコード制御部113からタイムコードが送られてきた場合は、映像信号にタイムコードを重畳してから圧縮(エンコード)を行う。また、撮像信号制御部108から送られる映像信号や動画像記憶部104から送られる動画像データを外部出力制御部115にタイムコードと一緒に送ることが可能である。さらに、動画像制御部1102は、入力部107によるユーザからの記録開始、記録停止の要求を入力制御部112を介して受け取り、外部出力制御部803に対して送ることが可能である。さらに、動画像制御部1102は、入力部107によるユーザからのプレ記録モードを有効にする要求(プレ記録の開始要求)を入力制御部112を介して受け取り、プレ記録を開始することが可能である。ここでプレ記録とは、過去の圧縮(エンコード)された動画像データをシステム制御部1101のRAM(動画像蓄積部)に蓄積し、ユーザから記録開始要求があったタイミングでその蓄積された動画像データを含む動画像データの記録を開始する機能である。本実施形態では、過去3秒分の圧縮(エンコード)された動画像データをRAMに蓄積可能な場合を例に説明する。すなわち、本実施形態では、プレ記録を行った場合、動画像記憶部104への動画像データの記録を開始要求の3秒前からの動画像データを記録することが可能となる。
本実施形態では、VFRの映像信号を符号化した動画像データをVRRで読み出す場合、映像信号のフレームレート切替処理は、プレ記録中、すなわちRAMへの3秒分の動画像データの蓄積中においても図5の処理と同様のタイミングでのみ行われる。すなわち、動画像データの記録の際のインクリメントによりタイムコードのフレームの値が切り替わるタイミングでのみ行われる。このフレームレート切替処理について図12A,Bのフローチャートを参照して説明する。
図12Aは、撮像装置1100で実行される、本実施形態に係るプレ記録を行う場合のフレームレート切替処理のフローチャートである。撮像装置1100に電源が入り、起動している状態において、システム制御部101がプログラムメモリから読み出したプログラムを実行することにより本処理が実行される。尚、図5のフローチャートと同一ステップには同一番号を付し、重複部分の詳細説明を省略する。
図12Aの処理は、ステップS503の代わりにステップS1203が実行される点で図5の処理と異なる。
図12Aにおいて、まず、ステップS501,S502を実行すると、ステップS1201に進み、図12Bのプレ記録中を含めた記録開始までの制御処理を行なう。すなわち、VFRで動画像データの記録を開始する前にユーザのプレ記録の開始要求に応じてプレ記録を開始する。ステップS1201の処理が終了すると、図12Aに示すステップS504以降の処理が行なわれる。
図12Bにおいて、まず、ステップS1202で、入力制御部112は、後述する図13AのUI上で入力部107へのユーザ操作によりプレ記録モードが有効にされたかどうかを判定する。プレ記録モードが有効にされた場合、すなわちユーザからのプレ記録の開始要求があった場合(ステップS1202でYES)、ステップS505a,S507aで図5のステップS505,S507と同様の処理が行なわれ、ステップS1203へ進む。プレ記録モードが有効にされていない場合(ステップS1202でNO)、ステップS503aへ進む。尚、ステップS507と同様、ステップS507aでも、入力制御部112は、タイムコード制御部113に対してタイムコードを動画像制御部1102に送付するように指示を行う。タイムコード制御部113は、この入力制御部112からの指示に応じてタイムコードを動画像制御部1102に送付すると、ステップS509aへ進む。
ステップS1203では、動画像制御部1102は、ステップS507aで1フレーム分の映像信号を圧縮して生成した動画像データと、タイムコード制御部113からのタイムコードを含むメタデータを多重化し、システム制御部1101のRAMに蓄積する。すなわち、動画像制御部1102は、ステップS1202のユーザからのプレ記録の開始要求があった場合、1フレーム分の映像信号から動画像データを生成する毎に、RAMに蓄積する制御を行う。その後、ステップS509aに進む。ここで、RAMは少なくとも3秒分の動画像データとメタデータを保持できるだけの容量を有している。また、動画像制御部1102からの動画像データとメタデータが3秒分の蓄積量を超えた場合は、RAM上の古い動画像データとメタデータの領域に新しい動画像データとメタデータが上書きされる。
ステップS509aでは、タイムコード制御部113は、ステップS502で選択されたリフレッシュレート情報に応じたタイムコードのインクリメントをタイムコード生成部114に指示する。すなわち、タイムコード制御部113は、タイムコードを動画像制御部1102に送付する毎に、ステップS502で選択されたCRR又はVRRでのタイムコードのインクリメントをタイムコード生成部114に行わせる。その後、ステップS514a~S517aで図5のステップS514~517と同様の処理が行なわれ、ステップS503へ進む。
ステップS503aでは、入力制御部112は入力部107に対して、動画像データの記録開始の要求のユーザ指示があったかどうかを判定する。記録開始の要求があった場合(ステップS503aでYES)、ステップS1204へ進む。記録開始の要求がなかった場合(ステップS503aでNO)、ステップS507aへ戻る。
ステップS1204では、入力制御部112は、動画像制御部1102に対して、ステップS1203の指示によりRAMに蓄積されている3秒分の動画像データとメタデータを動画像記憶部104に記録するよう指示し、本処理を終了する。
尚、図12Aにおいて、VFR記録モードが有効にされ、再生リフレッシュレート情報としてVRRが選択された場合、図12Bの処理におけるプレ記録中のフレームレートの切り替えは図6のタイミングチャートと同様となるため省略する。
次に図13A~Cを用いて、ユーザが入力部107により、プレ記録モードのON/OFFを選択したり、プレ記録中にフレームレートを切り替えたりするためのUI表示について説明する。
図13Aは、プレ記録モード設定画面のUI表示である。ここでは図7Aと同じ構成に関しては同一の番号を付与し、説明を省略する。
メニュー設定表示部7004hは、プレ記録モードをON(有効)にするかOFF(無効)にするか選択するための画面を表示する。
図13Bは、プレ記録中に、入力部107に対してフレームレート切換要求のユーザ指示があった場合に表示されるフレームレート設定画面のUI表示である。ここでは図7Cと同じ構成に関しては同一の番号を付与し、説明を省略する。
図7Aのメニュー設定表示部7004aでVFR記録モードがONに設定された後、図13Aのメニュー設定表示部7004hでプレ記録モードがONに設定された場合、撮像装置1100の動作状況はVFR記録モードでのプレ記録中の状態となる。よって、図13Bの動作状況表示部7002iには、その旨を示すPRE VFR STBYが表示される。
また、タイムコード表示部7003cに示すように、プレ記録中のためタイムコードは歩進する。タイムコードが歩進しないと、蓄積されるメタデータのタイムコードは同じ値になってしまうからである。
図13Cは、プレ記録中にフレームレートを30pから120pに切り替えた後のUI表示である。
以上のUI表示を用いることにより、ユーザはプレ記録中もVFR記録中と同じようにフレームレート切替要求を行うことが可能となる。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
また、上述の実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、記録媒体から直接、或いは有線/無線通信を用いてプログラムを実行可能なコンピュータを有するシステム又は装置に供給し、そのプログラムを実行する場合も本発明に含む。
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータに供給、インストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明に含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体、光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリでもよい。
また、プログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバに本発明を形成するコンピュータプログラムを記憶し、接続のあったクライアントコンピューはがコンピュータプログラムをダウンロードしてプログラムするような方法も考えられる。