JP7327922B2 - 土壌障害の予防又は改善剤 - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日:平成30年3月5日 ウェブサイトのアドレス:http://www.jsbba.or.jp/MeetingofJSBBA/2018/MeetingofJSBBA2018.pdf 公開日:平成30年3月16日 集会名、開催場所:日本農芸化学会2018年度名古屋大会 名城大学天白キャンパスA29会場(名古屋市天白区塩釜口一丁目501番地)
本発明は、容易に調製及び使用することができ、植物の生育が抑制される土壌障害を予防し、あるいは障害土壌における植物の生育の抑制を改善することができる土壌障害の予防又は改善剤に関する。
様々な要因、例えば、土壌中の微量元素及び土壌細菌のバランス、並びに病害菌及びアレロパシー作用による植物成長抑制物質の存在により、植物の生育が妨げられる障害が土壌に発生することが知られている。このような土壌障害は、作物の生育不良、収量低下、及び品質の悪化を招くおそれがある。
このような土壌障害を改善するために、様々な方法が知られている。例えば、種々の薬剤(例えば、クロルピクリン)を用いた土壌消毒により、病害虫による土壌障害を改善することが知られている。その他に、特許文献1には、トマトの青枯病を抑制するために、乾留して得られる、CaO:2質量%以上を含有する炭化物を、トマトの育成土壌に混合処理する方法が記載されている。また、特許文献2には、連作障害を改良するための、フェノール性酸を含有する土壌改良剤が記載されている。
一方、液体中に微細な気泡を混入させた液体が、様々な作用を有することが知られている。例えば、液体中に気泡を混入させることにより、洗浄効果を高め、肌に刺激を与える等の効果が得られることが知られている(特許文献3~5)。また、本願の出願人は、液体中に微細気泡を発生させる装置を開示しており(特許文献6)、かかる微細気泡含有液体が各種洗浄のために使用できることも開示している。
特開2005-6593号公報 特開平8-239661号公報 特開2010-7315号公報 特開2009-274026号公報 特開2009-78140号公報 特許第4999996号公報
土壌消毒剤の使用は、土壌中に存在する有用微生物までも殺菌することにより、土壌中の生態系を大きく変化させ、新たな土壌障害を招くおそれがある。また、土壌消毒剤はその調製及び使用が容易ではなく、経済的負担も大きい。その上、上記のように、土壌障害には様々な要因が考えられ、病害細菌の殺菌のみでは必ずしも十分に土壌障害を改善することができるとは限らない。
本発明は、容易に調製及び使用することができ、植物の生育を抑制する土壌障害を予防し、あるいは障害土壌における植物の生育の抑制を改善することができる土壌障害の予防又は改善剤を提供することを目的とする。
発明者らは、従来の土壌消毒剤と比べて容易に調製及び使用することができる、微細な気泡を混入させた液状物が、障害土壌における植物の生育の抑制を改善することができ、当該液状物が土壌障害の予防又は改善に有用であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の土壌障害の予防又は改善剤は、液状媒体中に平均径が100μm以下の気泡を含有する。
(A)実施例で調製したUFB1中の気泡の粒径分布及び気泡密度の測定結果を示す図;(B)調製直後から191日までのUFB1中の平均粒径及び気泡密度の測定結果を示す図である。 (A)実施例で調製したUFB1の、調製直後から86日までの活性酸素種(ROS)の量の測定結果を示す図;(B)原料水のバブル発生器への循環時間と調製されたUFB1中の活性酸素種の量の測定結果を示す図である。 試験例1(トマトの生育試験)における、(A)発芽率(%);(B)地上部の高さ(cm)及び乾燥重量(g)、並びに根の乾燥重量の測定結果を示す図である。 試験例2(レタスの生育試験)の結果を示す図である。 試験例3(青枯病菌の増殖抑制試験)の結果を示す図である。図中、OD600の測定値は実測値であり、バーは標準誤差(n=3)を表す。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。尚、本明細書における考察についての記述は、単に発明者個人の考察を示しているに過ぎず、何ら本発明を定義する記載ではなく、また、本発明を定義する意図も全く存在しない。
本発明の土壌障害の予防又は改善剤(以下、「本剤」という。)は、液状媒体中に平均径が100μm以下の気泡を含有する。尚、「予防又は改善剤」には、予防又は改善のいずれか一方だけを実現する態様だけでなく、予防及び改善の両者を実現する態様も含む。
前記「平均径」は、流体力学径(液中粒子の直径)の個数平均を意味する。該平均径は、具体的には、ナノサイト ナノ粒子解析システムのナノ粒子トラッキング解析により測定された値である。該解析は、例えば、ナノサイト社製「NS500」及び「LM10」により行うことができる。
前記気泡内に含まれる気体は、植物の生育を抑制しない限り、その種類に特に限定はない。前記気体は1種でもよく、2種以上の混合気体でもよい。前記気体としては、例えば、空気、酸素、水素、窒素、アルゴン、及び二酸化炭素並びにこれらの混合気体が挙げられる。
前記平均径は100μm以下、好ましくは50μm以下、好ましくは30μm以下、更に好ましくは10μm以下である。前記平均径が前記範囲内であると、障害土壌における植物の生育の抑制の改善及び/又は土壌障害の予防をすることができるので好ましい。この場合、前記平均径の下限値は、次に述べる前記平均径の下限値とすることができる。
また、前記気泡の平均径が1μm未満の、いわゆるナノレベルであると、気泡の安定性に優れているので好ましい。前記平均径がナノレベルである場合、好ましくは500nm以下である。前記平均径がナノレベルである場合、前記平均径の上限値は、500nm、450nm、400nm、350nm、300nm、250nm、及び200nmからなる群から選択することができる。前記平均径の下限値は、10nm、20nm、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、85nm、90nm、95nm、100nm、105nm、110nm、115nm、及び120nmからなる群から選択することができる。前記平均径がナノレベルである場合、前記平均径の好ましい範囲は、前記の上限値及び下限値の組み合わせとすることができる。例えば、前記平均径は、1~500nm、10~500nm、20~500nm、30~500nm、40~500nm、50~500nm、60~500nm、70~500nm、80~500nm、80~400nm、80~300nm、90~200nm、95~200nmとすることができる。
前記気泡の濃度(個数濃度)は、植物の生育を抑制しない限り、必要に応じて適宜決定することができる。前記気泡の濃度として純水を用いた場合、好ましくは1×10個/ml以上、更に好ましくは1×10個/ml以上、より好ましくは2.5×10個/ml以上である。尚、前記気泡の個数濃度は、上記のナノ粒子トラッキング解析により測定することができる。
前記液状媒体の種類は、植物の発芽又は生育を抑制しない限り特に限定はない。前記溶媒として通常は水が用いられる。前記水として、例えば、蒸留水、超純粋、高純粋、純水、水道水、イオン交換水、濾過水、電解水、及び天然水が使用できる。
前記「土壌障害」は、土壌で植物を栽培する際、当該植物の生育の抑制(例えば、発芽率低下、生育不良、収量低下、品質悪化)が生じる限り、その具体的内容及び原因には特に限定はない。前記土壌障害として具体的には、例えば、連作障害及び病害菌による土壌障害が挙げられる。前記病害菌として具体的には、例えば、青枯病菌(Ralstonia solanacearum)が挙げられる。
本剤の一つの実施態様として、更に活性酸素種(ROS)を含有する態様が挙げられる。前記「活性酸素種」は、反応性の高い酸素種であればよく、例えば、一重項酸素、スーパーオキサイドアニオンラジカル(O )、過酸化水素(H)、ヒドロキシルラジカル(・OH)及びオゾン(O)、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。より具体的な実施態様として、前記活性酸素種として少なくともスーパーオキサイドアニオンラジカル(O )を含む態様が挙げられる。
植物の生育を抑制しない限り、本剤は前記気泡以外の他の成分を含んでいてもよい。該他の成分として、例えば、殺菌剤、肥料、増粘剤、着色料、及び香料等の公知の添加剤が挙げられる。具体的な実施態様として、本剤は、土壌の改良及び植物の生育の促進のための公知の成分を含んでいてもよい。
本書面において、植物の「生育」は、植物のライフサイクルにおける植物の成長の全てが含まれる。前記「生育」に包含される態様として、例えば、発芽、根の発達、茎葉の生育、花芽分化、及び果実の発育が挙げられる。
植物の生育が必要である限り、本剤の適用対象には特に限定はない。本剤の適用対象としては、圃場(ハウス圃場を含む)、家の花壇、芝草を生育させるゴルフ場のグリーン及び公園等が挙げられる。
前記「植物」の種類には特に限定はない。前記「植物」として例えば、各種作物、観賞用の各種植物、及び芝草が挙げられる。前記作物として例えば、食用作物、飼料作物、緑肥作物、園芸作物、及び工芸作物が挙げられる。前記食用作物として例えば、野菜類(果菜類、葉菜類、根菜類)、果樹類、穀物類が挙げられる。
本剤の一つの実施態様として、土壌病害細菌の増殖の抑制に用いることが挙げられる。この実施態様によれば、土壌病害細菌に起因する土壌障害を予防又は改善することができるので好ましい。前記土壌病害細菌は、植物の生育に悪影響を及ぼす性質を有する細菌であればよく、その種類に限定はない。前記土壌病害細菌として、例えば、トマトの病害菌として知られている青枯病菌(Ralstonia solanacearum)が挙げられる。
本剤の別な実施態様として、植物及び微生物等の生物に由来する、植物の生育を抑制するケミカルの無毒化に用いることもできる。この実施態様によれば、いわゆるアレロパシー成分の蓄積による土壌障害を改善することができるので好ましい。前記アレロパシー成分は植物の生育に悪影響を及ぼす性質を有する化学物質であればよく、その種類に限定はない。前記アレロパシー成分として、例えば、クマリン、アスパラガス酸、メチルイソシアネート、ミリタリン、(-)-3-ヒドロキシ-β-イオノン等の多数が挙げられる。
本剤の調製方法には特に限定はない。本剤は、例えば、常温又は加圧下で前記液状媒体に気体を吹き込み、撹拌及びせん断等の方法で微細気泡を発生させることにより調製することができる。前記気泡の平均径及び/又は個数濃度は、液状媒体の種類、気体の吹き込み量、撹拌及び先端等の条件を適宜設定することにより調整することができる。また、本剤は、特許第4999996号公報に記載のバブル発生器に、原料となる液状媒体を通すことにより調製することができる。例えば、前記バブル発生器を水道蛇口に取り付け、水道水を該バブル発生器に通すことにより、本剤を調製することができる。この方法によれば、土壌消毒剤と比べて、一般家庭においても容易に調製して使用することができるので好ましい。
本剤の利用の形態には特に限定はない。上記のように、適宜のバブル発生器を水道蛇口に取り付け、水道水を該バブル発生器に通すことにより本剤を調製し、直ちに土壌に散布してもよい。この場合、植物を栽培する前の土壌に本剤を散布してもよく、あるいは植物栽培時に土壌に散布してもよい。後者の方法であれば、植物への水分供給も兼ねることができるので好ましい。また、前記のように、前記気泡の平均径がナノレベルであれば、前記気泡の液状媒体中での安定性が高い。よって、適宜の方法により予め調製した本剤を適宜の容器に充填及び/又は貯蔵し、必要に応じて土壌に散布してもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。尚、本発明は、実施例に示す形態に限定されない。本発明の実施形態は、目的及び用途等に応じて、本発明の範囲内で種々変更することができる。
(1)ナノ気泡含有水の調製及び分析
ナノ気泡含有水生成装置として、特許第4999996号記載のバブル発生器(田中金属製作所製)を用いた(オリフィス径;φ3.5)。原料水である純水(ミリポア製RO水)を水圧0.3MPaで該発生器に通すことにより(循環時間;30分間)、ナノ気泡含有水1(UFB1)を得た。また、ナノ気泡含有水生成装置として、別のUFB作成装置(NFラボ製)を用い、原料水として水道水を用いて、ナノ気泡含有水2(UFB2)を得た(平均粒子径;185±54nm)。
「LM10V-HS」(ナノサイト社製)を用いて(英国Malvern社製CMOSカメラ、紫色レーザー(405nm、<60mW)、解析ソフト:NTA3.2)、調製直後のUFB1中の気泡の粒径及び粒径分布を測定した。その結果を図1(A)に示す。また、調製直後から190日後までの平均粒径及び気泡密度を、上記装置を用いて測定した。その結果を図1(B)に示す。
図1(A)より、UFB1中の気泡の粒径の最頻値は129nmであり、気泡の約90%は、粒径が200nmであった。図1(B)より、90日後のUFB1中の平均粒子径及び気泡密度には大きな変化はなく、UFB1中の気泡は安定であることが分かる。
MCLA化学発光法により、調製直後から86日後までの活性酸素種(ROS)の発生量(相対値)を測定した。その結果を図2(A)に示す。また、前記バブル発生器へ原料水を循環させる時間を変えてUFB1を調製し、MCLA化学発光法により、得られたUFB1活性酸素種(ROS)の発生量(相対値)を測定した。その結果を図2(B)に示す。
図2(A)より、UFB1中からは活性酸素種が検出され、その量は86日後も大きな変化はなく、安定に存在していることが分かる。
(2)試験例1:障害土壌における植物の障害緩和試験(I)
(A)障害土壌の調製
プランタ(25L)で3本のトマト(Solanum lycopersicum)の苗を5月から12月まで栽培した。土壌として、キャンパス近くの運河土手の土と無菌土壌(「メトロミックス350」、SUNGRO Horticulture社製)とを1:2の割合で混ぜた土壌を使用した。その後、根の周囲の土壌を障害土壌として回収し、ビニール袋に小分けして使用まで低温室にて保管した。
(B)栽培土壌の調製
前記障害土壌を30cmの角形ザルに移し、障害土壌1kg当たり約1Lの純水(ミリポア社製RO水)又はUFB1で洗浄することにより、栽培土壌(純水)及び栽培土壌(UFB1)を調製した。
(C)発芽試験用土壌の調製及び発芽試験
前記栽培土壌、市販の培養土(商品名「スーパーミックスA」、株式会社サカタのタネ製)、及び赤玉土を1:1:0.2(体積比)の割合で混合することにより、発芽試験用土壌を調製した。該土壌をセルトレイに充填し、そこにトマトの種子(Solanum lycopersicum、「甘っこ」、アタリヤ製)を播種した。播種したセルトレイをプラスチックトレイに収めた。栽培温度を22℃とし、12時間光照射して栽培した。栽培中、栽培土壌(純水)を含む発芽試験用土壌には純水(ミリポア製RO水)を、栽培土壌(UFB1)を含む発芽試験用土壌にはUFB1を、それぞれ底面から潅水した。種子を植えてから27日後に生育している個体数の比率を発芽率(%)とした。その結果を図3(A)に示す。
(D)生育試験
ロックウール88ブロック(日東紡製)を水道水でよく洗い、水道水を溜めたプラスチックトレイに置き、トマト種子(Solanum lycopersicum、「甘っこ」、アタリヤ製)を一粒ずつ置いた。毎日12時間光照射して22℃で栽培した。3週間後に芽生えの生育状況がそろったトマト苗を生育試験用の植物苗として用いた。
前記栽培土壌(純水)又は栽培土壌(UFB1):スーパーミックスA:赤玉土を2:2:1の割合でよく混ぜて、生育試験用土壌を調製した。これを20連結の小ポットの底部に少量を詰め、その上に前記ロックウールで育てたトマト苗を乗せ、周りを生育試験用土壌で覆った。毎日12時間の光照射、温度は22℃で栽培を続けた。栽培土壌(純水)を含む生育試験用土壌にはその後も純水(RO水)を、栽培土壌(UFB1)を含む生育試験用土壌にはその後もUFB1を、それぞれ底面から潅水した。それぞれの水には1L当たり0.25gの「ハイポネックス」(株式会社ハイポネックスジャパン製)粉末(4000倍希釈)を入れた。播種から34日後(植え替えから14日後)に収穫して、地上部高さ(cm)、地上部乾燥重量(g)、及び根乾燥重量(g;ロックウールから出ている部分の乾燥重量)を測定した。その結果を図3(B)に示す。
図3(A)より、障害土壌において、トマトの発芽が強く阻害されたのに対し、UFB1を散布することにより、発芽率が改善したことが分かる。また、図3(B)より、UFB1を用いた場合には、地上部の高さ及び乾燥重量、並びに根の乾燥重量がいずれも増加していることから、UFB1により、トマトの成長が促進されたことが分かる。これらの結果から、UFB1により、土壌障害で制限された植物の成長をある程度、回復できることが分かる。
(3)試験例2:障害土壌における植物の障害緩和試験(II)
(A)生育試験用土壌の調製
圃場(横浜市)の土壌を3号プラスチック鉢10個に入れ、レタス種子(品種:リバーグリーン、サカタのタネ製)を3粒ずつ播種し、20℃の人工気象機(20℃、12時間明/暗)で水道水と「ハイポネックス」(株式会社ハイポネックスジャパン製)1000倍希釈液を適宜、与えながら栽培した。53日後、土壌を回収し、「マグアンプK」(株式会社ハイポネックスジャパン製)を適量混合して、再度レタス種子(品種:リバーグリーン、サカタのタネ製)を播種して81日間栽培し、地上部を除いた。根の残った土壌に、再びレタス種子(品種:リバーグリーン、サカタのタネ製)を播種し、35日間、水道水で栽培した。
以上のように、圃場の土壌を用いて都合、3回連作した。次に、今度は同じ圃場の土壌ではあるが、レタスを半年以上栽培した時のレタス根周辺の土壌を採取し、「マグアンプK」(株式会社ハイポネックスジャパン製)を適量混合して、7号達磨鉢3つに分け入れた。そこに、3回目の連作で35日間栽培した苗を3つずつ植え込んだ。その後、4か月間栽培を続けた。その土壌を生育試験用土壌として用いたが、生育しているレタスの根には根こぶセンチュウの感染において典型的な症状であるこぶが多数見られた。
(B)栽培試験
上記の生育試験用土壌を篩に掛けた後、10.5cmプラスチックポットに入れた。プラスチックポットは対照区(水道水)とUFB2(NFラボ製)でそれぞれ3個ずつ用意した。2品種のレタス種子(品種名:リバーグリーン及びファルコン、いずれもサカタのタネ製)をポットあたり5粒播種し、人工気象機(20℃、12時間明/暗)で栽培し、3連の試験を行った。試験後のレタスを採取し、発芽率(%)、並びに地上部及び根の新鮮重(mg/固体)を測定した。その結果を図4に示す。
図4より、いずれの品種のレタスも、連作障害土壌での発芽率が低下しているのに対し、UFB2を用いた場合には、発芽率が回復していることが分かる。また、図4より、UFB2を用いた場合には、地上部及び根の新鮮重がいずれも増加していることから、UFB2により植物の生育が促進されたことが分かる。
(5)試験例3:土壌障害細菌の増殖抑制効果
土壌障害細菌として、青枯病菌(Ralstonia solanacearum)を用いた。青枯病菌を液体培地(CPG培地(カザミノ酸1g/L、ペプトン10g/L、グルコース5g/L))に接種し、28℃で一晩前培養した。該液体培地の1/100倍量を試験培地(90%のUFB1又はRO水を含むCPG培地)に添加し、28℃で24時間振とう培養した。培養後、試験培地のOD600を測定した。その結果を図5に示す。
図5より、純水を添加した培地と比べて、UFB1を添加した培地の方が低いOD600値を示した。この結果から、UFB1は青枯病菌の増殖を直接抑制できることが分かる。

Claims (3)

  1. (i)平均径が500nm以下の空気を含む気泡からなる水、又は(ii)平均径が500nm以下の空気を含む気泡と、肥料、増粘剤、着色料、又は香料と、からなる水であり、土壌に散布される、土壌病害細菌又はアレロパシー成分の蓄積による土壌障害の予防又は改善剤。
  2. 土壌病害細菌の増殖を抑制する、請求項1に記載の土壌障害の予防又は改善剤。
  3. 前記土壌病害細菌が青枯病菌である、請求項2に記載の土壌障害の予防又は改善剤。
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