以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施形態に係るボウルユニットを模式的に示す正面図である。
図2は、ボウルユニットを模式的に示す分解斜視図である。
図3は、ボウル、支持部材、排水ソケットの取付け状態を示す断面図である。
図4は、図3中のボウル、排水ソケット、固定部材を拡大して示す断面図である。
図5は、固定部材の下ナットを取外して支持部材の下方からみた斜視図である。
図1に示すように、手洗器500は、ボウルユニット100と、水栓装置200と、を備えている。手洗器500は、例えばトイレ室の内部に設けられるトイレ用の手洗器である。手洗器500は、例えばトイレ室に設置されるキャビネットに設けられる。手洗器500は、例えば洗面所に設けられる洗面化粧台であってもよい。ボウルユニット100は、支持部材10と、ボウル20と、排水ソケット30と、シール部材60と、を備える。
水栓装置200は、吐水口210を有しており、吐水口210の下方に設けられたボウル20に向かって水を吐出する。使用者は、水栓装置200からの吐水により、手などを洗うことができる。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。
また、本願明細書においては、ボウルユニット100と向き合う使用者からみて手前側を「前方」とし、奥側を「後方」とし、上側を「上方」とし、下側を「下方」とし、右側を「右側方」とし、左側を「左側方」として説明する。
この例では、水栓装置200は、支持部材10に取付けられている。また、この例では、水栓装置200は、ボウル20の左側方に取付けられている。水栓装置200は、例えばボウル20の右側方や後方に取付けられてもよい。また、水栓装置200は、例えばボウル20に取付けられてもよいし、ボウル20の後方の壁に取付けられてもよい。
支持部材10は、ボウル20を支持する。支持部材10は、例えば床または壁に支持される。支持部材10は、略水平方向に拡がる板状の部材である。支持部材10は、例えばキャビネットの天板(カウンタ)である。換言すれば、手洗器500は、例えばキャビネットの上部に設けられる。支持部材10は、例えば金属製の板状の部材であってもよい。
図2~図4に示すように、支持部材10は、上下方向に貫通する開口部11を有している。すなわち、開口部11は、支持部材10の上面10aから下面10bに向けて貫通している。開口部11は、上下方向においてボウル20と重なる位置に設けられる。開口部11は、ボウル20の排水部22の外径よりも大きく形成されている。これにより、開口部には、ボウル20の排水部22が挿通する。
開口部11の上面視における形状は、例えばボウル20の上面視における形状に対応している。例えば、開口部11の上面視における形状は、ボウル20の上面視における形状に対応して略矩形状である。なお、開口部11の上面視における形状は、これに限定されない。
また、支持部材10は、開口部11を挟んだ左右両側に、前後方向に延びる軸部挿通孔12が形成されている。各軸部挿通孔12は、支持部材10の上面10aから下面10bに向けて貫通している。軸部挿通孔12には、ボウル20および排水ソケット30を支持部材10に固定するための固定部材70の軸部71が挿通する。軸部挿通孔12は、固定部材70の軸部71の外径よりも大きく形成され、前後方向に延びる長孔となっている。これにより、ボウル20は、支持部材10に対して前後方向に移動可能となっている。なお、軸部挿通孔12は、左右方向に長く形成されていてもよいし、軸部71の外径よりも大きな内径を有する円形孔でもよい。すなわち、ボウル20は、支持部材10に対して前後方向に移動可能に限らず、左右方向に移動可能としてもよい。
ボウル20は、支持部材10の上面10aに載置される。ボウル20は、水栓装置200の吐水口210の下方に設けられる。ボウル20は、例えば陶器製からなり、吐水口210から吐出された水を受けて下方に排出する。ボウル20は、吐水口210から吐出された水を受ける本体部21と、本体部21の下端から下方に延びる排水部22と、を有する。排水部22は、筒体からなり本体部21を流れる水を開口部11を介して下方に排水する。本体部21の内壁には、例えば本体部21内の水を排水部22に導くための傾斜が設けられている。
本体部21の少なくとも一部は、支持部材10の上面10aよりも上方に位置する。換言すれば、本体部21の少なくとも一部は、支持部材10の上面10aから上方に突出する。図3に示すように、本体部21の底部21aは、支持部材10の開口部11の内部に位置している。この場合、開口部11は、底部21aの外径寸法よりも大きく形成されている。これにより、ボウル20を前後方向に移動可能としている。なお、本体部21の底部21aが、支持部材10の下面10bに位置する構成であってもよい。
本体部21は、下面から本体部21の内部に向けて貫通する貫通孔21bを有している。この貫通孔21bは、排水部22を挟んで左右両側に形成されている。各貫通孔21bは、支持部材10の軸部挿通孔12に対応する位置に設けられ、上端側の開口で後述する固定部材70の上ナット72が軸部71に螺合している。
排水部22は、支持部材10の開口部11に挿通している。この場合、排水部22は、下端22aが支持部材10の下面10bよりも下方に突出している。これにより、排水部22の下端22aに排水ソケット30を接続しやすくしている。なお、排水部22は、例えば下端22aが開口部11の内部に位置していてもよいし、開口部11の上方に位置していてもよい。
排水ソケット30は、支持部材10の開口部11の下方に位置して、ボウル20の排水部22と接続される。排水ソケット30は、後述の固定部材70により支持部材10に固定されている。排水ソケット30は、支持部材10の下面10bに固定され、ボウル20の排水部22と排水管80との間を接続する。そして、排水ソケット30は、支持部材10の下面10bに固定されるソケット支持材40と、ソケット支持材40の下面43bに固定されるソケット本体50と、を有している。なお、支持部材10の開口部11の内部に排水ソケット30が配置されていてもよい。
ソケット支持材40は、例えば金属製の板材を折曲加工することにより形成されている。図2~図4に示すように、ソケット支持材40は、開口部11を跨ぐように支持部材10の開口部11の下方に取付けられている。そして、ソケット支持材40は、支持部材10の下面10bに取付けられる一対の取付部41と、各取付部41間を接続する接続部43と、を有している。
ソケット支持材40の取付部41は、例えば薄板状に形成され、支持部材10の下面10bに当接する。取付部41は、上下方向に貫通する貫通孔42を有している。この貫通孔42は、支持部材10に形成された軸部挿通孔12に対応する位置に形成され、軸部挿通孔12から突出する固定部材70の軸部71が挿通する。ソケット支持材40は、取付部41の下面側で固定部材70の下ナット73を軸部71に螺合させることにより、支持部材10の下面10bに取付けられる。なお、ソケット支持材40の取付部41が支持部材10の下面10bに直接当接していなくてもよく、例えばソケット支持材40の取付部41と支持部材10の下面10bとの間にスペーサなどを介在させてもよい。
貫通孔42は、例えば円形孔に形成され、軸部71の外径よりも大きな孔径を有している。これにより、ソケット支持材40は、支持部材10に対して水平方向に移動可能となっている。すなわち、排水ソケット30は、支持部材10の下面10bに対する取付位置を調整可能としている。その結果、貫通孔42は、ボウル20の排水部22、ソケット本体50、および排水管80の製造公差を吸収して、これらを同じ軸心O-Oに合わせることができる。
ソケット支持材40の接続部43は、例えば薄板状に形成され、支持部材10の開口部11の下方に位置している。接続部43は、取付部41よりも下方に位置して、支持部材10の下面10bとの間に隙間を形成している。
図2に示すように、接続部43は、中央部に挿通孔44が形成されている。図3に示すように、挿通孔44は、上面43aから下面43bに貫通する円形孔からなり、下方からソケット本体50のボウル接続部51が挿通する。また、挿通孔44には、上方からボウル20の排水部22が挿通する。挿通孔44の孔径は、ボウル接続部51の外径よりも大きく形成されている。これにより、ソケット本体50は、ボウル接続部51が挿通孔44に遊嵌するので、ソケット支持材40に対して水平方向の位置を調整可能にしている。なお、挿通孔44は、円形孔に限られず、長孔や切り欠きなどであってもよい。
接続部43は、挿通孔44の外周側に周方向に離間して4個のねじ孔45を有している。これらねじ孔45は、ソケット本体50をソケット支持材40の下面43bに取付けるためのねじ55が螺合する。
ソケット本体50は、ソケット支持材40を構成する接続部43の下面43bに取付けられる。このソケット本体50は、例えば樹脂材料により筒状に形成されている。ソケット本体50は、上端側がボウル20の排水部22と接続され、下端側が排水管80と接続される。そして、ソケット本体50は、上端側に位置するボウル接続部51と、ボウル接続部51から径方向外側に向けて延びるフランジ部52と、ボウル接続部51から下方に向けて延びる排水管接続部54と、を有している。
ソケット本体50のボウル接続部51は、上方が開口したカップ状に形成され、上端側がソケット支持材40の挿通孔44に下方から挿通する。ボウル接続部51は、内径が排水部22の外径よりも大きくなっており、内部に排水部22が挿入される。これにより、ソケット本体50とボウル20の排水部22とが接続される。
ソケット本体50のフランジ部52は、例えば板状に形成され、ボウル接続部51の外周から突出している。本実施形態では、フランジ部52をボウル接続部51の上下方向の途中位置から突出させて、ボウル接続部51の上端側をソケット支持材40の挿通孔44に挿通させている。なお、フランジ部52は、ボウル接続部51の上端側から径方向外側に向けて突出させてもよい。
フランジ部52は、上面がソケット支持材40の接続部43の下面43bに当接する。フランジ部52は、接続部43の各ねじ孔45に対応する位置に、それぞれねじ挿通孔53を有している。ソケット本体50は、ねじ55をねじ挿通孔53を介して接続部43のねじ孔45に螺合させることにより、ソケット支持材40に取付けられる。この場合、ねじ挿通孔53の孔径は、ねじ55の軸部よりも大きく形成されている。これにより、ソケット本体50は、ソケット支持材40に対して水平方向の位置を調整可能としている。
ソケット本体50の排水管接続部54は、ボウル接続部51の下端から下方に延びる筒状に形成され、ボウル接続部51と排水管80とを接続する。換言すれば、ボウル20の排水部22は、ソケット本体50のボウル接続部51および排水管接続部54を介して、排水管80と接続される。
シール部材60は、ボウル20の排水部22の外周側に取付けられている。このシール部材60は、例えば弾性を有するゴムなどの樹脂材料からなり、ボウル20の排水部22と排水ソケット30のソケット本体50との間を塞いでいる。シール部材60は、上下方向に延びる筒部61と、筒部61の上下方向に並んで設けられ、筒部61の外周から径方向外側に向けて突出する複数の突出部62と、を有する。
シール部材60の筒部61は、ボウル20の排水部22の外周側に弾性状態で嵌込まれている。突出部62は、筒部61の外周から突出する円板状に形成され、上下方向に離間して複数個(例えば、3個)設けられている。突出部62は、筒部61の上端側に位置する上突出部62aと、上突出部62aの下方に位置する中突出部62bと、中突出部62bの下方に位置する下突出部62cと、を有している。このように、突出部62を複数個設けることで、例えば支持部材10を厚みが異なる支持部材に交換して、ボウル接続部51に対する排水部22の挿入量が変化しても、突出部62をボウル接続部51の内面に当接させて、排水部22と排水ソケット30(ボウル接続部51)との間のシール性を担保することができる。
突出部62は、上突出部62aから下突出部62cに向けて徐々に外径が小さくなっている。すなわち、シール部材60は、外形形状が上端から下端に向けて先細りに形成されている。これにより、ソケット本体50と排水部22に取付けられたシール部材60との着脱がしやすくなっている。なお、上突出部62a、中突出部62b、および下突出部62cは、それぞれ同じ外径となっていてもよい。
本実施形態では、上突出部62aと中突出部62bとがボウル接続部51の内面に当接している。すなわち、シール部材60は、上突出部62aと中突出部62bとで二重にシールすることにより、ソケット本体50から外部に水が漏れるのを抑制している。下突出部62cは、シール部材60の下端側で径方向外側に向けて突出することにより、シール部材60の剛性を高めている。なお、シール部材60は、下突出部62cもボウル接続部51の内面に当接させてもよい。また、シール部材60は、各突出部62a、62b、62cが一体に形成された場合を例に挙げて説明している。しかし、これに限らず、例えばシール部材は、各突出部が分割して形成されていてもよい。すなわち、複数個のシール部材を排水部22に設けてもよい。
固定部材70は、ボウル20と排水ソケット30とを支持部材10に固定する。すなわち、固定部材70は、ボウル20と排水ソケット30とを支持部材10に共締めしている。換言すると、排水ソケット30は、固定部材70を介してボウル20に一体的に保持されている。そして、固定部材70は、外周におねじが形成された軸部71と、軸部71の上端に螺合する上ナット72と、軸部71の下端に螺合する下ナット73と、を有している。
固定部材70の軸部71は、ボウル20とソケット支持材40とを接続する。軸部71は、上端がボウル20の内部に位置して、支持部材10の軸部挿通孔12とソケット支持材40の貫通孔42とを介して下方に向けて延びている。上ナット72は、例えばクリップナットからなり、ボウル20の内部で軸部71に螺合している。下ナット73は、ソケット支持材40の取付部41の下面側に位置して、軸部71の下端に螺合している。
これにより、ボウル20と排水ソケット30とは、固定部材70により支持部材10に一体的に固定される。従って、ボウル20の排水部22の軸線と、ソケット本体50の軸線とがずれるのを抑制できる。また、固定部材70により、ボウル20と排水ソケット30とを支持部材10に共締めしているので部品点数を少なくすることができ、コストを低減することができる。また、固定部材70のみでボウル20と排水ソケット30とを支持部材10に組付けることができるので、組付作業の作業性を向上できる。
排水管80は、排水ソケット30の排水管接続部54と、床または壁に設けられた排出部85と、を接続する。排水管80は、例えば排水トラップを有する。排水トラップは、例えば上方からの排水を2か所のU字構造を介して床に設けられた排出部85に流す、いわゆるSトラップであってもよいし、上方からの排水を1か所のU字構造を介して壁に設けられた排出部85に流すいわゆるPトラップであってもよい。この例では、排水管80は、Pトラップを有する。
次に、ボウル20および排水ソケット30を支持部材10に組付ける場合について説明する。
まず、固定部材70の上ナット72を貫通孔21bの上端側に位置させた状態で、軸部71を上ナット72に螺合させる。これにより、軸部71は、貫通孔21bから下方に向けて突出した状態となる。次に、支持部材10の開口部11の上方からボウル20の排水部22を挿通させると共に、軸部71を支持部材10の軸部挿通孔12に挿通させる。これにより、ボウル20は、支持部材10の上面10aに載置される。
また、ソケット本体50のボウル接続部51の上端をソケット支持材40の下方から挿通孔44に挿入させる。この状態で、ねじ55をねじ挿通孔53を介してねじ孔45に螺合させることにより、排水ソケット30の組付けが行われる。
次に、ボウル20の排水部22の下端22aからシール部材60を嵌め込む。そして、ソケット本体50のボウル接続部51の内部に、シール部材60が取付けられた排水部22を嵌め込む。また、ソケット支持材40の貫通孔42から軸部71を挿通させる。この場合、シール部材60は、例えば上突出部62aと下突出部62cとがボウル接続部51の内面に弾性をもって接触することにより、ボウル接続部51と排水部22との間をシールする。
ここで、ボウル20の排水部22は、支持部材10の下面10bよりも下方に突出している。これにより、作業者は、支持部材10の下面10b側から開口部11を覗き込まなくても、排水部22を視認することができる。従って、排水部22にシール部材60を嵌め込む場合や、排水部22とボウル接続部51とを接続するときの作業の作業性を向上できる。
また、ソケット支持材40の貫通孔42は、軸部71よりも大きな孔径となっている。これにより、ボウル20の排水部22の軸線と排水ソケット30(ソケット本体50)の軸線とを合わせた状態で、ボウル20と排水ソケット30とを支持部材10に組付けることができる。すなわち、貫通孔42は、支持部材10、ボウル20、および排水ソケット30の製造公差によるずれを吸収することができる。
そして、下ナット73を軸部71の下端に螺合させる。これにより、ボウル20と排水ソケット30とを一緒に支持部材10に組付けることができる。すなわち、固定部材70は、軸部71、上ナット72、および下ナット73により、ボウル20と排水ソケット30とを支持部材10に共締めしている。従って、固定部材70により、ボウル20と排水ソケット30とを同時に支持部材10に固定することができるので、組付作業の作業性を向上できる。
ボウル20は、底部21aに設けられた排水部22が排水ソケット30を介して排水管80に接続されている。ここで、上述した従来技術では、排水ソケットが支持部材に載置されているので、下方から排水ソケットが押されてしまったときに、排水ソケットとボウルの排水部とがずれてしまう虞がある。また、排水ソケットは、支持部材に載置されているだけなので安定性が悪い。従って、ボウルの排水部を排水ソケットの内部に挿入するときに、排水部と排水ソケットの軸心がずれてしまう虞がある。
しかし、本実施形態では、排水ソケット30を支持部材10の下面10bに固定している。具体的には、図3、図4に示すように、排水ソケット30のソケット支持材40は、固定部材70により、支持部材10の下面10bに固定されている。これにより、排水ソケット30の安定性を向上できる。従って、下方ないし左右方向から排水ソケット30が押されてしまったときや、排水ソケット30が接続される排水管80(トラップ部)が押されてしまったときでも、ボウル20の排水部22から排水ソケット30がずれてしまうのを抑制できる。
また、ボウル20を支持部材10に載置した状態で、排水ソケット30を支持部材10の下面10b側からボウル20の排水部22に組付けることができる。従って、組付時に排水ソケット30のソケット本体50と排水部22とがずれてしまうことを抑制できる。
また、排水ソケット30のソケット本体50を交換するときには、ねじ55をねじ孔45から取外して、ソケット本体50を下方に引き抜くことでソケット本体50を排水部22から取外すことができる。そして、新たなソケット本体50を下方から排水部22に嵌め込んで、ねじ55をねじ挿通孔53を介してねじ孔45に螺合させることにより、ソケット本体50の交換を行うことができる。
この場合、ねじ挿通孔53の孔径は、ねじ55の軸部よりも大きく形成されている。また、ソケット支持材40の挿通孔44の孔径は、ソケット本体50のボウル接続部51の外径よりも大きくなっている。これにより、挿通孔44とねじ挿通孔53とは、新たなソケット本体50の製造公差を吸収することができる。すなわち、ソケット本体50は、ソケット支持材40に対して水平方向の位置を調整可能としている。従って、ソケット本体50と排水部22との軸線を合わせた状態でソケット本体50をソケット支持材40に取付けることができる。
また、シール部材60は、ボウル20の排水部22と、排水ソケット30と、の間を上下方向に離間した複数の突出部(例えば、上突出部62aと中突出部62b)で塞いでいる。これにより、例えば支持部材10を厚みが異なる支持部材に交換した場合や、ボウル20を他の仕様のボウルに交換した場合に、排水ソケット30に対する排水部22の挿入量が変化したときでも、シール部材60は排水部22と排水ソケット30(ボウル接続部51)との間のシール性を効果的に保つことができる。
また、排水ソケット30は、支持部材10の下面10bに固定されるソケット支持材40と、ソケット支持材40の下面43bに固定されるソケット本体50と、を有する。これにより、例えばソケット本体50を各製品で共通化でき、コストを低減することができる。例えば、ボウル20や支持部材10を他の製品に交換した場合でも、ソケット支持材交換するだけで、ソケット本体50を変えることなくボウルユニットを組付けることができる。
次に、ボウル20を支持部材10の前方に移動させる場合について説明する。ボウル20を前方に移動させることにより、ボウル20の後方に隙間Sを形成することができる。この隙間Sには、例えばボウル20から跳ねた水を抑えたり、意匠性を有したりする化粧パネル600を配設することができる。
図6は、図1中のボウルユニット、固定部材を矢示A-A方向からみた断面図である。
図7は、図6中のボウルを前方に移動させた状態を示す断面図である。
支持部材10の開口部11は、少なくとも前後方向が開口部11の内部に位置するボウル20の底部21aよりも大きく形成されている。また、支持部材10の軸部挿通孔12は、固定部材70の軸部71の外径よりも大きく形成され前後方向に延びる長孔となっている。そして、排水ソケット30は、固定部材70を介してボウル20に一体的に保持されている。
ボウル20を前方に移動させるには、まず固定部材70の下ナット73を緩める。そして、ボウル20と排水ソケット30とを前方に引っ張る。この場合、軸部71は、軸部挿通孔12の内部を前方に移動する。これにより、ボウル20の後方に隙間Sを形成することができる。そして、図7に示すように、この隙間Sに化粧パネル600を設けることができる。すなわち、ボウル20を前方に移動させることにより、支持部材10の後端側に上下方向に延びる化粧パネル600を後付けすることができる隙間Sを確保することができる。
これにより、支持部材10およびボウル20を交換することなく、ボウル20の後方に化粧パネル600を設けることができる。また、化粧パネル600は、支持部材10の上面10aに簡単に取付けることができるので、ボウルユニット100が配設されるトイレ室や洗面所などの模様替えを簡単に行うことができる。
なお、上述した実施形態では、排水ソケット30をソケット支持材40とソケット本体50とにより分割した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば排水ソケットは、ソケット支持材とソケット本体とが一体に形成されていてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、ボウルユニットが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。