以下、本発明に係る加熱調理器を、図面を参照して説明する。本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、本発明は、以下の各実施の形態に示す構成のうち、組合せ可能な構成のあらゆる組合せを含むものである。また、図面に示す加熱調理器は、本発明の加熱調理器が適用される機器の一例を示すものであり、図面に示された加熱調理器によって本発明の適用機器が限定されるものではない。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」など)を適宜用いるが、これらは説明のためのものであって、本発明を限定するものではない。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る加熱調理器100の分解斜視図である。加熱調理器100は、天板1と、天板1の下に設けられた筐体2とを有している。天板1と筐体2とで、加熱調理器100の外郭が構成されている。図1では、天板1の上に鍋などの調理容器30が載置された状態が図示されている。天板1には、調理容器30を誘導加熱するための加熱口として、加熱口4a、加熱口4b、及び加熱口4cを備えている。筐体2の中であって、加熱口4a、加熱口4b、及び加熱口4cのそれぞれの下側には、加熱コイル5a、加熱コイル5b、及び加熱コイル5cが設けられている。また、天板1には、後述する電源供給端子3a及び電源供給端子3bが設けられている。
本実施の形態では、加熱口4a~4cを設けた例を示すが、これらの数及び配置は、図示のものと異なっていてもよい。例えば、加熱口の数は1つであってもよい。また、加熱口は、例えば略直線状に横に並べて配置されていてもよい。
天板1は、全体が耐熱強化ガラス又は結晶化ガラス等の赤外線を透過する材料で構成されており、筐体2の上部開口の外周との間に、ゴム製パッキン又はシール材を介して水密状態に固定される。天板1には、加熱コイル5a、加熱コイル5b、及び加熱コイル5cの加熱範囲である加熱口4a、加熱口4b、及び加熱口4cを示すため、塗料の塗布又は印刷等により円形の表示が施されている。
天板1の前側部分及び筐体2の前面には、調理容器30を加熱する際の加熱コイル5a、加熱コイル5b、及び加熱コイル5cの出力及び調理メニュー等を設定するための入力装置として、操作部8が設けられている。また、天板1の前側部分には、加熱調理器100の動作状態及び操作部8からの入力内容等を表示する表示部9が設けられている。操作部8は、例えばプッシュスイッチ又はタクトスイッチなどの機械的なスイッチ、電極の静電容量の変化により入力操作を検知するタッチスイッチなどを含んでいる。表示部9は、例えばLCD(Liquid Crystal Device)又はLED(Light Emitting Diode)等を含んでいる。例えば、LCDの上面にタッチスイッチを配置したタッチパネルで、操作部8と表示部9とを構成してもよい。
天板1の下方であって筐体2の内部には、加熱コイル5a、加熱コイル5b、及び加熱コイル5cが設けられている。加熱コイル5a、加熱コイル5b、及び加熱コイル5cは、絶縁皮膜された例えば銅又はアルミなどからなる導電線が巻かれて構成されている。なお、加熱コイルの数及び配置は、図示のものに限定されない。また、加熱コイル5a、加熱コイル5b、及び加熱コイル5cの少なくとも一つが、輻射によって加熱するタイプの電気ヒータ、例えばニクロム線、ハロゲンヒータ、ラジエントヒータ等であってもよい。
筐体2の内部には、加熱コイル5a、加熱コイル5b、及び加熱コイル5cに高周波電力を供給するインバータ回路6と、インバータ回路6を含め加熱調理器100全体の動作を制御する制御部7とが設けられている。インバータ回路6により高周波電力が加熱コイル5a、加熱コイル5b、及び加熱コイル5cに供給されることで、加熱コイル5a、加熱コイル5b、及び加熱コイル5cから高周波磁界が発生する。高周波磁界によって、調理容器30の底が励磁され、調理容器30の底に渦電流が発生する。この渦電流と、調理容器30が持つ抵抗とによりジュール熱が発生し、調理容器30内の食材が加熱される。
図2は、実施の形態1に係る加熱調理器100の天板1の斜視図である。図2には、調理容器30を併せて図示している。天板1には、電源供給端子3a及び電源供給端子3bが設けられている。電源供給端子3a及び3bは、電気機器の電源プラグが挿入されるプラグ受けを有し、電源プラグと電気的に接続される。
図2で例示する電源供給端子3aは、AC200Vを出力するためのものであり、AC200Vに対応したプラグ受けを有している。電源供給端子3bは、AC100Vを供給するためのものであり、AC100Vに対応したプラグ受けを有している。電源供給端子3a及び電源供給端子3bは、天板1の後部に、左右に並んで配置されている。
なお、電源供給端子の数及び配置は、図2に示したものに限定されない。電源供給端子は1つでもよいし、3つ以上であってもよい。また、電源供給端子は、図1に示した筐体2の側壁に設けられていてもよい。加熱調理器100がビルトイン型の加熱調理器である場合には、筐体2の前、後、右、左の側壁のうち、筐体2の前の側壁に電源供給端子を設けるとよい。このようにすることで、使用者は電源プラグの抜き差しを行いやすい。加熱調理器100が据え置き型の加熱調理器である場合には、筐体2の前、右、又は左の側壁に電源供給端子を設けるとよい。また、天板1の周囲に設けられる部材に、電源供給端子が配置されていてもよい。具体的には、例えば天板1の縁に設けられた金属製の枠に、電源供給端子が設けられていてもよい。
電源供給端子は、DC電圧を出力する端子、例えばUSB端子であってもよい。また、電源供給端子のプラグ受けの形状も、図2で例示したものに限定されない。
図3は、実施の形態1に係る加熱調理器100の機能構成を説明するためのブロック図である。図3では、電源供給端子3aに接続された電源プラグ42、電源プラグ42に接続された電源コード41及び電源コード41に接続された電気機器40を併せて図示している。
加熱調理器100は、商用電源20から電力供給を受けて動作する。商用電源20からは、例えばAC200Vの電圧が入力される。商用電源20から、制御部7、インバータ回路6a~6c、及び電圧調整部11に電力が供給される経路を、第1電力供給経路16と称する。
加熱調理器100には、加熱コイル5a、5b、及び5cのそれぞれに高周波電流を供給するインバータ回路6a、6b、及び6cが設けられている。図1では、図の煩雑化を防ぐために一つのインバータ回路6を図示したが、本実施の形態では加熱コイル5a、5b、及び5cと同数のインバータ回路6a、6b、及び6cが設けられている。インバータ回路6a、6b、及び6cは、20kHz~約40kHzの高周波電流を出力可能に構成されており、制御部7によって高周波電流の出力周波数が制御される。
電圧調整部11は、電源供給端子3a及び3bに電力を供給するための給電回路である。本実施の形態の電圧調整部11は、AC/ACコンバータである。電圧調整部11は、降圧比を異ならせることによって、出力電圧の異なる電源供給端子3aと電源供給端子3bとに電源電圧を印加する。電圧調整部11は、出力電圧がAC200Vである電源供給端子3aに電源電圧を印加する場合には、降圧比を1として調整した電圧を印加する。電圧調整部11は、出力電圧がAC100Vである電源供給端子3bに電源電圧を供給する場合には、AC200VをAC100Vに降圧させて出力する。電圧調整部11は、制御部7によって、電源電圧の出力動作が制御される。
インバータ回路6a、6b及び6cには、電流検出部10a、10b及び10cが接続されている。電流検出部10a、10b及び10cは、インバータ回路6a、6b及び6cに入力される電流値を検出するセンサである。電圧調整部11には、電流検出部10dが接続されている。電流検出部10dは、電圧調整部11に入力される電流値を検出するセンサである。総電流検出部10は、商用電源20から電力供給を受けるすべての電気部品に入力される電流値の総和を検出するセンサである。総電流検出部10は、第1電力供給経路16における、すべての電気負荷よりも上流側に接続されている。総電流検出部10及び電流検出部10a、10b、及び10cが検出した電流値は、制御部7に入力される。
制御部7は、専用のハードウェア、又はメモリとメモリに格納されるプログラムを実行するCPUとを有するマイクロコンピュータで構成される。制御部7には、記憶部7aが設けられている。記憶部7aは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリである。
商用電源20から加熱調理器100内の電気負荷への電力供給経路である第1電力供給経路16において、総電流検出部10の入力側には、第1電源スイッチ12が設けられている。第1電源スイッチ12は、商用電源20から加熱調理器100の電気部品へ電力供給するか否かを切り換えるためのスイッチである。ここでいう電気部品は、少なくともインバータ回路6a~6c、制御部7及び電圧調整部11を含む。第1電源スイッチ12がオンのときには、制御部7に電力供給され、インバータ回路6a~6c及び電圧調整部11に電力供給可能な状態になる。第1電源スイッチ12がオフ状態のときには、電気部品へは電力供給が行われない。第1電源スイッチ12は、第1電源操作部13によってオン、オフ状態が切り換えられる。第1電源操作部13は、使用者の操作入力を受け付け、第1電源スイッチ12のオン、オフ状態を切り換える。第1電源操作部13がオン状態になるように操作されると、第1電源スイッチ12がオンする。
また、操作部8は、調理メニューの設定の操作入力を受け付ける調理メニュー設定部8aを有している。記憶部7aには、複数の調理メニューが予め記憶されており、記憶された調理メニューが表示部9に表示される。使用者は、表示部9に表示された調理メニューの中から、調理メニュー設定部8aを用いて調理メニューを選択し、それを設定する。
次に、加熱調理器100の動作概要を説明する。天板1の加熱口4aの上に調理容器30が載置されかつ第1電源操作部13を介して第1電源スイッチ12がオンした状態で、操作部8に加熱開始の指示が入力されたとする。操作部8からの加熱開始の信号を取得した制御部7は、加熱口4aに対応したインバータ回路6aを駆動する。インバータ回路6aは、高周波電流を加熱コイル5aに供給し、加熱コイル5aの周囲に高周波磁界が発生する。この高周波磁界の作用により、前述のように調理容器30が発熱して、調理容器30内の調理物が加熱される。インバータ回路6aに入力される電流の値は、電流検出部10aにより検出され、検出された電流値は制御部7に入力される。制御部7は、入力された電流値が目標値に近づくように、インバータ回路6aを制御する。
また、第1電源スイッチ12がオンしており、かつ加熱コイル5a~5bによる調理容器30の加熱が行われていない状態で、電源プラグ42を介して電源供給端子3aに接続された電気機器40の動作スイッチがオンされたとする。そうすると、電圧調整部11から電源供給端子3aに電力供給される。これにより、電気機器40が電源供給端子3aからの電力によって作動する。電圧調整部11に入力される電流の値は、電流検出部10dによって検出され、検出された電流値は制御部7に入力される。
本実施の形態の加熱調理器100の特徴の一つは、一つの加熱口での調理メニューの調理を、加熱コイル5a~5cのいずれかと電気機器40とを、同時あるいは交互に用いて行うことにある。以下、加熱コイル5aと電源供給端子3aに接続された電気機器40を用いて調理を行う場合を例に、加熱調理器100の動作を説明する。
ここで、一つの加熱口4aに対応した加熱コイル5aに供給される電力量を、第1電力量と称する。また、電源供給端子3aから電気機器40に供給される電力量を、第2電力量と称する。
加熱コイル5aと電気機器40とを用いた調理を行うときの制御情報として、調理メニューテーブルが記憶部7aに記憶されている。図4は、実施の形態1に係る調理メニューテーブルの例を説明する図である。調理メニューテーブルは、調理メニューと、当該調理メニューで使用される総和電力量の上限値と、当該調理メニューで使用される電気機器40の使用電力量である第2電力量と、が対応づけられたものである。調理メニューとは、例えば両面魚焼き、煮込み、又は炒めものなど、調理の種類を特定したものである。調理メニューによって、適した電力量は異なる。例えば、じっくり煮込む調理メニューに適した電力量は、短時間で食材を加熱すべき調理メニューに適した電力量よりも小さい。じっくり煮込む調理メニューに対し、使用者が高出力での加熱を設定してしまうと、過電力で調理されて調理の失敗につながりうる。そこで、本実施の形態では、調理メニューごとに、総和電力量の上限値が設定されている。また、調理メニューによって、使用される電気機器40が予め定められており、その定められた電気機器40の使用電力量が、第2電力量として調理メニューテーブルに記憶されている。
電気機器40は、例えば、電気ヒータ、攪拌機、湯沸かしポット、及び送風機等である。電気ヒータは、供給された電力によって発熱する発熱体を有するシーズヒータ、ハロゲンヒータ、又は遠赤外線ヒータ等であり、調理容器30内の食材を上又は横から加熱する。攪拌機は、モータと、モータに連結されたシャフトと、シャフトに取り付けられた羽根とを有し、供給された電力によってモータが作動することにより、シャフトを介して羽根が回転する。この攪拌機の羽根が調理容器30内の食材に浸かるようにして設置されることにより、攪拌機が調理容器30内の食材を攪拌する。湯沸かしポットは、水を収容する容器と供給された電力によって発熱する発熱体を有し、発熱体によって容器内の水を加熱する。送風機は、モータと、モータに連結されたシャフトと、シャフトに取り付けられた羽根とを有し、供給された電力によってモータが作動することにより、シャフトを介して羽根が回転する。この送風機の羽根が回転することで送出される風によって、調理容器30又は調理容器30内の食材を冷却する。
図4において、調理メニューの「上下から加熱-両面魚焼き」には、総和電力量の上限値として3000Wが設定され、第2電力量として1000Wが設定されている。この調理メニューは、加熱コイル5aを用いた調理容器30の下方からの加熱と、電気ヒータである電気機器40を用いた調理容器30の上からの加熱と、を組み合わせて行う調理である。「上下から加熱-両面魚焼き」では、食材である魚の上下を高温で加熱して表面をぱりっとさせるために、後述する「上下から加熱-煮込み」と比べて大きい値が上限値として設定されている。電気機器40に電力が供給されている状態において、加熱コイル5aに供給される第1電力量の上限は、総和電力量の上限値から第2電力量を引いた値、すなわち2000Wである。
図4において、調理メニューの「上下から加熱-煮込み」には、総和電力量の上限値として1000Wが設定され、第2電力量として500Wが設定されている。この調理メニューは、加熱コイル5aを用いた調理容器30の下方からの加熱と、電気ヒータである電気機器40を用いた調理容器30の上からの加熱と、を組み合わせて行う調理である。「上下から加熱-煮込み」では、調理容器30内の食材の水分を過度に蒸発させずにじっくり煮込むために、前述の「上下から加熱-両面魚焼き」と比べて小さい値が上限値として設定されている。電気機器40に電力が供給されている状態において、加熱コイル5aに供給される第1電力量の上限は、総和電力量の上限値から第2電力量を引いた値、すなわち500Wである。
図4において、調理メニューの「攪拌加熱-煮込み」には、総和電力量の上限値として1000Wが設定され、第2電力量として700Wが設定されている。この調理メニューは、加熱コイル5aを用いた調理容器30の下方からの加熱と、攪拌機である電気機器40を用いた調理容器30内の食材の攪拌と、を組み合わせて行う調理である。電気機器40に電力が供給されている状態において、加熱コイル5aに供給される第1電力量の上限は、総和電力量の上限値から第2電力量を引いた値、すなわち300Wである。
このように、「上下から加熱-両面魚焼き」を第1調理メニュー、「上下から加熱-煮込み」を第2調理メニュー、とすると、第1調理メニューと第2調理メニューとでは、加熱コイル5aと電気機器40とに同時に電力供給する際の、第1電力量の上限値が異なる。なお、調理メニューは、食材の種類及び量のいずれか又は両方によって細分化されていてもよい。例えば、図4に例示した「攪拌加熱-煮込み」という調理メニューが、野菜、肉などの食材によって異なる調理メニューとして記憶されていてもよい。
図5は、実施の形態1に係る加熱調理器100の、加熱コイル5aと電気機器40とを用いた調理の動作を説明するフローチャートである。開始時において、第1電源スイッチ12はオン状態であるものとする。
まず、使用者は、調理容器30を加熱口4aに載置する(S1)。続けて、使用者は、電気機器40の電源プラグ42を、電源供給端子3aに接続する(S2)。なお、電気機器40は、加熱口4aでの調理に適した位置に配置されるものとする。例えば、電気機器40が電気ヒータであって、調理容器30内の食材を上から加熱する場合には、加熱口4a上の調理容器30の上に電気機器40が配置される。
次に、調理メニュー設定部8aを介して調理メニューが設定される(S3)。次に、加熱コイル5aに供給される電力、すなわち火力に相当する第1電力量が、操作部8を介して設定される(S4)。次に、調理開始の指示が、操作部8を介して入力される(S5)。
そうすると、加熱コイル5a及び電源供給端子3aに、電力供給が開始される(S6)。電源供給端子3aへの電力供給は、図4に例示した調理メニューテーブルに設定された第2電力量に基づいて行われる。電力供給が開始されると、加熱コイル5a及び電源供給端子3aに入力されている電流値の総和、加熱コイル5aに入力されている電流値、及び電圧調整部11に入力されている電流値が検出される(S7)。これらの電流値は、総電流検出部10、電流検出部10a及び電流検出部10dによって検出され、制御部7に入力される。
続けて、総和電力量が上限値を超えるか否かが判定される(S8)。具体的には、制御部7は、総電流検出部10が検出した電流値と、商用電源20の入力電圧200Vという値から、総和電力量を算出し、算出した総和電力量と、ステップS3で設定された調理メニューに対応づけられた総和電力量の上限値とを比較する。そして、算出した総和電力量が上限値を超えない場合には(S8;NO)、ステップS9に進み、超える場合には(S8;YES)、ステップS10に進む。
ステップS9では、ステップS4で設定された第1電力量を加熱コイル5aに供給し、かつ、ステップS3で設定された調理メニューに対応した第2電力量を電源供給端子3aに供給する。このように、使用者によって設定された加熱コイル5aへの供給電力量と、第2電力量との総和が、上限値を超えない場合には、使用者に設定された通りの第1電力量を加熱コイル5aに供給する。
ステップS10では、総和電力量が上限値を超えないように、第1電力量が制御される。具体的には、電源供給端子3aにはステップS3で設定された調理メニューに対応した第2電力量が供給されており、総和電力量から電源供給端子3aに供給している第2電力量を引いた残りの電力量が上限となるように、第1電力量が制御される。使用者によって設定された加熱コイル5aへの供給電力量と、第2電力量との総和が、上限値を超える場合には、加熱コイル5aに供給される第1電力量を減らすことによって、調理に使用される電力量を抑制する。具体的には、電流検出部10aで検出される電流値を用いたフィードバック制御により、制御部7がインバータ回路6aを駆動する。入力電圧が200Vであるため、第1電力量を1500Wに制御したいときには、電流検出部10aが検出した電流値が7.5Aとなるように、制御部7はインバータ回路6aに対して駆動周波数を制御するPWM(Pulse Width Modulation)信号を出力する。このように、調理メニューごとに設定された総和電力量の範囲内で、加熱コイル5a及び電源供給端子3aに電力が供給される。
以上のように、本実施の形態の加熱調理器100は、電気機器40の電源プラグ42と接続されて電気機器40に電源を供給する電源供給端子3aを備えた。このため、電源プラグの差込口を増設しにくいキッチンにおいて、電気機器40を使用しやすくなる。また、本実施の形態によれば、加熱コイル5aに供給される第1電力量と電源供給端子3aを介して電気機器40に供給される第2電力量との総和である総和電力量が、調理メニューに応じて設定された上限値を超えない。調理メニューに応じて設定された総和電力量を超えないので、仮に使用者が操作部8に過度な出力を設定したとしても、その調理メニューにとっての過電力が調理に使用されることがなく、調理の失敗が生じにくい。
例えば、図4で例示した調理メニュー「上下から加熱-両面魚焼き」の場合、総和電力量の上限値である3000Wを超える電力で、調理を行えないようになっている。このため、使用者が加熱コイル5aの第1電力量として3000Wを設定したとしても、電気ヒータである電気機器40での食材の加熱中には加熱コイル5aには2000Wの電力しか供給されない。仮に、電気ヒータである電気機器40が1000Wで加熱中に、使用者が設定したとおりの3000Wの電力が加熱コイル5aに投入されたとすると、「上下から加熱-両面魚焼き」という調理メニューにとっての過電力にて、調理が行われることになる。そうすると、魚が焼けすぎて、調理が失敗しうる。また、「上下から加熱-煮込み」において、この調理メニューの総和電力量の上限値を超える電力にて調理が行われると、調理容器30内の食材の水分の蒸発が過度に進み、焦げ付くことになる。また、「攪拌加熱-煮込み」において、この調理メニューの総和電力量の上限値を超える電力にて調理が行われると、調理容器30内の食材の水分の蒸発が過度に進み、焦げ付くことになる。しかし、本実施の形態によれば、調理メニューに応じた総和電力量の上限値を超えないように、第1電力量及び第2電力量が制御されるので、調理の失敗を生じさせにくい。さらに、調理メニューにとっての過電力が調理に使われることがないので、無駄な電力使用を回避することができる。
なお、図4において、電気機器40として電気ヒータを用いる「上下から加熱-両面魚焼き」と「上下から加熱-煮込み」とにおいて、第2電力量に異なる値が設定されている例を説明した。同じ電気ヒータが電気機器40として使用される場合には、図5のステップS9及びS10において、制御部7は、電圧調整部11を間欠動作させることによって、電源供給端子3aから電気機器40に供給する第2電力量を制御する。すなわち、電気ヒータである電気機器40の定格電力は予め決まっているため、調理メニューテーブルで設定された第2電力量となるように、電流検出部10dが検出した電流値に基づいて、電圧調整部11を間欠動作させる。例えば、定格電力1000Wの電気機器40に供給する第2電力量を、500Wとする場合には、オンデューティを500W/1000W=50%として、電圧調整部11から電源供給端子3aに電圧を印加する。このようにすることで、電気機器40に供給する第2電力量が調整される。
また、図5では、ステップS3で設定された調理メニューに対応した電気機器40が、電源供給端子3aに接続されているものとして、制御部7が第1電力量及び第2電力量を制御することを説明した。しかし、調理メニューに対応した電気機器40が電源供給端子3aに接続されていないことも考えられる。このため、調理メニューに対応した電気機器40の接続を使用者に促すために、調理メニューが操作部8に設定されたときに、接続すべき電気機器40の情報を表示部9に表示してもよい。これに代えて、あるいはこれに加えて、操作部8に、電気機器40の設定を受け付ける入力部を設け、接続した電気機器40を使用者に入力させてもよい。このようにすることで、調理メニューに対応していない電気機器40が誤って電源供給端子3aに接続されることを抑制することができる。また、制御部7は、電流検出部10dが検出した電流値に基づいて、接続された電気機器40を判別してもよい。具体的には、調理メニューに対応した第2電力量が電気機器40に供給された状態で、電流検出部10dが検出した電流値と、第2電力量に対応する電流値とを比較し、両者が異なる場合には調理メニューに対応していない電気機器40が接続されていると判定する。これに加えて、電流検出部10dが検出する電流値の波形と、調理メニューに対応した電気機器40の電流値の波形とを比較し、両者が異なる場合は調理メニューに対応していない電気機器40が接続されていると判定してもよい。例えば、電気ヒータと、攪拌機のモータとでは、電流検出部10dが検出する電流値の波形が異なるので、このことを利用して調理メニューに対応した電気機器40が接続されているか否かを判定することができる。そして、制御部7は、調理メニューに対応した電気機器40が接続されていないと判定した場合には、加熱コイル5a及び電気機器40への電力供給を停止し、表示部9にエラーメッセージを表示する。このようにすることで、調理メニューに対応していない電気機器40にて調理が行われることによる、調理の失敗を抑制することができる。
また、電圧調整部11に入力される電流の値を検出する電流検出部10dの検出値に基づいて、電圧調整部11からの出力を制限してもよい。例えば、電気機器40として抵抗10Ωの電気ヒータが用いられ、これがAC200Vの電源供給端子3aに接続されると、4000Wという過大電力が電気ヒータに供給されてしまう。このため、電流検出部10dの検出値が閾値に到達すると、制御部7にて電圧調整部11の出力を停止させる。例えば、電流検出部10dの検出値の閾値を15Aとすると、電源供給端子3aに接続された電気機器40に対しては3000W、電源供給端子3bに接続された電気機器40に対しては1500Wを上限として、電圧調整部11から電力供給される。このように、電流検出部10dによって検出された電流値に基づいて電力制限をかけることで、過大電力が供給されることによる電気機器40の破損を回避することができる。
なお、上記説明では、一つの加熱口4aにて、加熱コイル5aと電気機器40とを用いた調理メニューに基づく調理が行われる例を説明した。この調理と同時に、加熱コイル5b、5c及び電源供給端子3bに接続される電気機器40に電力が供給されることもある。そのような場合には、総電流検出部10が検出する電流値から、加熱コイル5b、5c及び電源供給端子3bに接続される電気機器40に入力される電流値を引いた値を、加熱口4aにおける調理メニューを用いた調理の総和電力量として用いる。
また、インバータ回路6a~6cに供給される電力量の総和が閾値に達した場合に、電源供給端子3a及び電源供給端子3bを使用できないようにするデマンド制御を行ってもよい。インバータ回路6a~6cに供給される電力量の総和は、電流検出部10a~10cが検出した電流値に基づいて算出される。ここで用いる閾値は、例えば、AC200V機器である加熱調理器100の上限電力6000Wとすることができる。制御部7は、インバータ回路6a~6cに供給される電力量の総和が閾値に達すると、電圧調整部11に通電停止の信号を出力する。このようにすることで、加熱調理器100の定格内で電力を使用することができる。電源供給端子3a及び電源供給端子3bを使用できないようにする場合には、表示部9にその旨を表示することで、使用者の利便性を向上させることができる。
実施の形態2.
本実施の形態では、調理メニューに応じた調理シーケンスにて、加熱コイル5a及び電気機器40への電力供給を行う制御例を説明する。本実施の形態は、実施の形態1に組み合わせられる。本実施の形態では、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
まず、調理シーケンスについて説明する。調理シーケンスとは、加熱コイル5a及び電気機器40に電力供給して作動させるタイミング、並びに作動させるときに加熱コイル5a及び電気機器40に投入される第1電力量及び第2電力量を、時系列で定めたものである。
例えば、電力供給するタイミングを異ならせて、加熱コイル5aと電気機器40とに交互に電力供給する調理シーケンスが考えられる。この場合、加熱コイル5aに電力供給する時間と、電気機器40に電力供給する時間は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。異なる場合には、加熱コイル5aと電気機器40の電力供給時間の比率を設定するための操作入力を受け付ける入力部を、操作部8に設けてもよい。また、調理シーケンスは、例えば、加熱コイル5aと電気機器40の一方に連続的に電力供給し、他方に間欠的に電力供給するものであってもよい。この場合、間欠的に電力供給するタイミングを設定するための操作入力を受け付ける入力部を、操作部8に設けてもよい。
調理シーケンスは、調理メニューと対応づけられて記憶部7aに記憶されうる。1つの調理メニューに対して1つの調理シーケンスが設けられてもよいし、1つの調理メニューに対して複数種類の調理シーケンスが設けられてもよい。そのほか、操作部8に、調理シーケンスを選択する操作入力を受け付ける入力部を設けてもよい。この場合、表示部9にて予め記憶された選択可能な調理シーケンスの一覧を表示し、その一覧の中から操作部8によって選択された調理シーケンスが設定される。これに代えて、あるいはこれに加えて、操作部8に、加熱コイル5a及び電気機器40に電力を投入するタイミング並びに第1電力量及び第2電力量を設定する入力部を設け、使用者が調理シーケンスを調理の都度作成できるようにしてもよい。
図6は、実施の形態2に係る加熱調理器100の、加熱コイル5aと電気機器40とを用いた調理の動作を説明するフローチャートである。開始時において、第1電源スイッチ12はオン状態であるものとする。
まず、使用者は、調理容器30を加熱口4aに設置する(S11)。続けて、使用者は、電気機器40の電源プラグ42を、電源供給端子3aに接続する(S12)。次に、調理メニュー設定部8aを介して調理メニューが設定される(S13)。次に、調理シーケンスが設定される(S14)。ステップS14における調理シーケンスの設定方法の具体例は、前述の通りである。次に、調理開始の指示が、操作部8を介して入力される(S15)。
そうすると、ステップS14で設定された調理シーケンスにしたがって、加熱コイル5aと電源供給端子3aのいずれか又は両方に、電力供給が開始される(S16)。
ここで、調理シーケンスにしたがった電力供給の制御の具体例を説明する。図7は、実施の形態2に係る電力供給のシーケンス制御の第1の例を説明する図である。図7の例では、加熱コイル5aへの1500Wの第1電力量の供給と、電気機器40への1000Wの第2電力量の供給とが、交互に行われている。加熱コイル5aへ1500Wの電力供給が行われている間は、電気機器40には電力供給が行われず、加熱コイル5aへの電力供給が行われていない間に、電気機器40に1000Wの電力供給が行われている。
図8は、実施の形態2に係る電力供給のシーケンス制御の第2の例を説明する図である。図8の例では、電気機器40への1000Wの第2電力量の供給が、連続して行われている。これと同時に、加熱コイル5aへの第1電力量の供給が、間欠的に行われている。加熱コイル5aへの1回当たりの通電時間は、図8に示すように通電するタイミングによって異なっている。また、加熱コイル5aに供給する第1電力量の値も、1000W~1500Wの範囲で、通電するタイミングによって異なっている。
このように、第1電力量及び第2電力量を供給するタイミング及びその供給時間と、第1電力量の値とが、調理シーケンスにしたがって制御される。
図6の説明を続ける。ステップS16における電力供給の際には、電力供給状態が検出され、この検出結果に基づいたフィードバック制御が行われる。具体的には、制御部7は、総電流検出部10によって検出される電流値、電流検出部10aによって検出されるインバータ回路6aに入力される電流値及び電流検出部10dによって検出される電圧調整部11に入力される電流値を取得する。これらの電流値を用いて、設定された調理シーケンスで定められた第1電力量が加熱コイル5aに供給され、第2電力量が電気機器40に供給されるように、インバータ回路6a及び電圧調整部11が制御される。
インバータ回路6aの制御を具体的に説明する。制御部7は、調理シーケンスにて設定された第1電力量が、設定された時間だけ供給されるように、インバータ回路6にPWM信号を送信する。電力供給時間は、制御部7に設けられたカウンタでカウントされる。第1電力量の値は、電流検出部10aの検出電流を用いた電力フィードバックにより制御される。
電圧調整部11の制御を具体的に説明する。制御部7は、調理シーケンスにて設定された通電時間の間、電気機器40に通電されるように、電圧調整部11に出力信号を送信する。通電時間は、制御部7に設けられたカウンタでカウントされる。制御部7は、電圧調整部11の通電時間を制御するが、印加電圧の値は制御せず、電源供給端子3a及び3bに定められた電圧が電圧調整部11から印加される。電気機器40に供給される電力は、電源供給端子3aに接続される電気機器40の電気的な仕様に依存するので、電圧調整部11の電力供給時間のみを制御するのである。例えば、電気機器40が抵抗10Ωの電気ヒータである場合と、電気機器40が抵抗100Ωの電気ヒータである場合とでは、電力量は異なる。したがって、電圧調整部11は、電源供給端子3a及び3bに決められた電圧を印加し、その通電時間が制御部7によって制御される。
加熱コイル5a及び電気機器40に供給される総和電力量は、総電流検出部10が検出した電流値に基づいて算出される。具体的には、総和電力量=200V×総電流検出部10が検出した電流値、である。制御部7は、総和電力量が、調理メニュー又は調理シーケンスで定められた上限値を超えないように、加熱コイル5a及び電源供給端子3aに電力を供給する。例えば、特定の制御シーケンスを用いる調理において、電気機器40として抵抗値の異なる電気ヒータが使用された場合には、電気機器40に供給される第2電力量が異なるが、総和電力量はその上限値を超えないように制御される。総和電力量が上限値を超えないようにする第1電力量及び第2電力量の制御は、図5のステップS7~S10で説明したとおりである。このため、実施の形態1と同様に、調理メニューにおける過電力が調理に使われることがなく、調理の失敗を生じさせにくくまた無駄な電力使用を回避することができる。
調理停止の指示が、操作部8を介して入力される(S17)。そうすると、制御部7はインバータ回路6a及び電圧調整部11からの電力供給を停止させる。
このように、本実施の形態によれば、調理シーケンスにしたがって、加熱コイル5a及び電気機器40への電力供給のタイミングが制御される。このため、加熱コイル5aと電気機器40とを用いた自動調理が可能な加熱調理器100を提供することができ、使用者の調理の利便性を向上させることができる。
実施の形態3.
本実施の形態では、電圧調整部11への電力供給経路を2種類設けた態様を説明する。本実施の形態は、実施の形態1又は2に組み合わせられる。本実施の形態では、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
図9は、実施の形態3に係る加熱調理器100の機能構成を説明するためのブロック図である。図9において、実施の形態1と同様に、商用電源20から電圧調整部11への電力供給経路として、第1電源スイッチ12がオン状態のときに電力供給を行う第1電力供給経路16を有する。本実施の形態では、この第1電力供給経路16に加え、第2電力供給経路17が設けられている。第2電力供給経路17は、第1電源スイッチ12がオフ状態のときに、商用電源20から電圧調整部11に電力を供給する経路である。制御部7及びインバータ回路6a~6cには、第2電力供給経路17によっては電力が供給されない。第1電力供給経路16と第2電力供給経路17とは、択一的に使用される。
第2電力供給経路17には、第2電源スイッチ14が設けられている。第2電源スイッチ14は、商用電源20から電圧調整部11へ第2電力供給経路17を介して電力供給可能な状態とするか否かを切り換えるためのスイッチである。第2電源スイッチ14がオンのときには電圧調整部11に電力供給が可能な状態であり、第2電源スイッチ14がオフのときには第2電力供給経路17により電力供給ができない状態となる。第2電源スイッチ14は、操作部8の一部である第2電源操作部15によって、オン状態とオフ状態とが切り換えられる。第2電源操作部15は、使用者の操作入力を受け付け、第2電源スイッチ14のオン状態とオフ状態とを切り換える。第2電源操作部15がオン状態になるように操作されると、第2電源スイッチ14がオンする。第2電源スイッチ制御部7に電力が供給されている状態であれば、制御部7は、第2電源スイッチ14がオン状態であるかオフ状態であるかの情報を取得することができ、また第2電源スイッチ14のオン状態とオフ状態とを切り換えることができる。
第1電源スイッチ12がオン状態かつ第2電源スイッチ14がオフ状態のときには、第1電力供給経路16を介して電圧調整部11に電力供給される。第1電源スイッチ12がオフ状態かつ第2電源スイッチ14がオン状態のときには、第2電力供給経路17を介して電圧調整部11に電力供給される。
第1電源スイッチ12がオン状態で、かつ第2電源スイッチ14がオン状態のときには、制御部7は、第2電源スイッチ14がオン待機状態であることを記憶部7aに記憶し、第2電源スイッチ14をオフ状態にする。電圧調整部11へは、第1電力供給経路16を介して電力供給される。その後、使用者による第1電源操作部13に対するオフ操作あるいはオートパワーオフ機能により、第1電源スイッチ12がオフ状態になるとき、制御部7は、記憶部7aに記憶されたオン待機状態の情報に基づいて第2電源スイッチ14をオン状態に切り換える。このようにすると、第1電源スイッチ12がオフ状態になって、加熱コイル5a~5cに電力供給されない場合でも、電源供給端子3a及び3bに対して第2電力供給経路17により電力供給される。
ここで、オートパワーオフ機能とは、第1電源スイッチ12がオン状態のときに、加熱調理器100に操作が行われない時間が閾値を超えると、第1電源スイッチ12を自動的にオフ状態にする機能である。制御部7に設けられたカウンタによって、加熱調理器100に対する操作が行われていない時間がカウントされ、このカウント結果に基づいて第1電源スイッチ12がオフ状態に切り換えられる。
また、第2電力供給経路17から電圧調整部11に電力が供給されている状態で、第1電源操作部13が操作されることによって第1電源スイッチ12がオン状態になったとする。そうすると、第1電力供給経路16からの通電によって起動した制御部7は、第2電源スイッチ14がオン状態であることを検出し、第2電源スイッチ14がオン待機状態であることを記憶部7aに記憶し、第2電源スイッチ14をオフ状態にする。その後の動作は、前述のとおりである。
このように、本実施の形態では、電源供給端子3a及び3bに電力を供給する電圧調整部11への電力供給経路として、第2電力供給経路17を設けた。第2電力供給経路17の第2電源スイッチ14がオン状態になると、インバータ回路6a~6及び制御部7に電力が供給されず加熱調理器100による加熱を行っていない状態でも、電源供給端子3a及び3bから電気機器40へ電力供給を行うことができる。例えば、加熱コイル5a~5cで加熱調理を行わないために第1電源操作部13をオフ状態にして第1電源スイッチ12がオフ状態になっている場合でも、使用者は加熱調理器100から電力供給を受けて電気機器40を使用することができる。また、電気機器40の使用中に、オートパワーオフ機能によって第1電源スイッチ12がオフ状態になった場合でも、第2電力供給経路17によって電力供給が継続されるので、電気機器40の使用が中断されず、使い勝手がよい。