JP7323742B2 - 芽胞形成菌含有抗菌性レーヨン繊維 - Google Patents
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Description
[1]抗菌活性を備えた芽胞形成菌がレーヨン繊維に定着していることを特徴とする芽胞形成菌含有抗菌性レーヨン繊維。
[2]上記[1]記載の芽胞形成菌含有抗菌性レーヨン繊維で構成された不織布。
[3]上記[2]記載の不織布を用いてなる農業用資材。
[4]抗菌活性を備えた芽胞形成菌であって芽胞状態の芽胞形成菌とビスコースとを混合した後、紡糸する工程を含む、芽胞形成菌含有抗菌性レーヨン繊維の製造方法。
これにより、芽胞形成菌がレーヨン繊維に定着することとなる。この定着した芽胞形成菌が発揮する抗菌活性によって、洗濯回数を重ねても抗菌性の長期維持及び生乾き臭の抑制が可能となる。
以下、これについて説明する。
その定着場所は、レーヨン繊維の内部及び表面と考えられる。
芽胞形成菌は、分裂増殖を繰り返す通常の活動状態では栄養細胞として存在し、レーヨン繊維内において移動したり、適当な栄養分に接することで増殖することができる。
一方、低水分、貧栄養、低酸素、高温等の生育に不都合な環境下では、芽胞を形成し、芽胞状態となる。
そして、生育に不都合な状況が終了すれば、栄養細胞となって抗菌性を発揮することができる。
これにより、芽胞形成菌はレーヨン繊維に長期に亘って定着することができるため、洗濯回数を重ねても抗菌性の長期維持を可能にしていると推察される。
本発明の抗菌性レーヨン繊維で構成された不織布の製造方法の好例は、乾式法によってフリース形成させたものをニードルパンチ法により繊維を絡ませる方法である。
この要望に対し、本発明の抗菌性レーヨン繊維で構成された不織布は、前記(i)と(ii)の作用によって雑菌に対する防御性が高まっているため、分解性を遅らせることが可能である。
抗菌活性の評価には、以下の芽胞形成菌を供試した。
・バチルス属に属する芽胞形成菌:BS-T2株
・スポロラクトバチルス属に属する芽胞形成菌:Sporolactobacillus laevolacticusに属するNBRC102473株
被験菌として、黒カビ(Cladosporium cladosporioides)と赤カビ(Rhodotorula minuta)を用いた。
GYP培地(glucose 2質量%、yeast extract 0.5質量%、pepton 0.5質量%)を用いて、各芽胞形成菌と各被験菌をそれぞれ並列接種培養と交差接種培養を行い、抗菌性を評価した。なお、培養温度は30℃とした。
その結果、BS-T2株とNBRC102473株は、並列接種培養と交差接種培養の両方において、各被験菌に対して強い抗菌性を示したことから、抗菌活性を有することが確認された。
ビスコース(セルロース含有率:9質量%、アルカリ含有率:5質量%、pH14)100質量部に対して、芽胞状態のBS-T2株の懸濁液(菌数:4.2×108CFU/mL)の量が10質量部の割合となるように、ビスコースとBS-T2株の懸濁液を混合し、紡糸原液を調製した。
次に、紡糸口金(孔径:0.06mm、ノズル数:13000個)を47℃の凝固浴(硫酸95g/L、硫酸ナトリウム350g/L及び硫酸亜鉛12.5g/Lを含有する硫酸水溶液)に含浸させた状態で、紡糸口金のノズルから紡糸原液を紡糸速度60m/minにて押し出し、凝固させることによって紡糸し、延伸させた後、切断した。これにより、繊度1.4デシテックス、繊維長38mmのレーヨン繊維を得た。
製造例1における芽胞状態のBS-T2株の懸濁液(菌数:4.2×108CFU/mL)の代わりに、栄養細胞の状態で生存するBS-T2株の懸濁液(菌数:2.7×108CFU/mL)を用いて製造例1と同様にビスコースと混合したものについて、これを寒天培地上で培養したが、BS-T2株は検出限界以下であった。
製造例1で得られたレーヨン繊維を長さ3cmに切断したものを束ねて、重さ0.1gの繊維束を作製した。この繊維束を50mLの蒸留水中でマグネチックスターラーを用いて100rpmで30秒間撹拌した後、ドライヤーを用いて50℃の温風で10分間、完全に水分が無くなるまで乾燥させた。以上の一連の操作を1回の“ゆすぎ”とした。ゆすぎは計20回実施し、0、1、2、3、5、10、20回ゆすぎ後に0.01gずつサンプリングし、レーヨン繊維中に残存する菌数を測定し、繊維1g中の菌数に換算した。結果を図1に示した。なお、図1の縦軸において、例えば、「1.E+0.9」は、1.0×109を意味する。
生乾き菌として、モラクセラ(Moraxella)属に属するMoraxella osloensis NBRC111460株(以下「モラクセラ菌」という。)を用いた。
モラクセラ菌培養液(BHI液体培地で培養。菌数:3.4×107CFU/mL)100μlを直径8.2cmシャーレに入れたBHI寒天培地上に全体的に塗沫した後、当該BHI寒天培地上に製造例1で得られたレーヨン繊維を置床し、30℃で3日間培養した。対照として、上記同様にモラクセラ菌培養液をBHI寒天培地上に全体的に塗沫した後、当該BHI寒天培地上にBS-T2株を含有していないレーヨン繊維を高圧蒸気滅菌したものを置床し、30℃で3日間培養した。
これに対し、製造例1で得られたレーヨン繊維を置床したシャーレは、図2に示したように、レーヨン繊維に定着していたBS-T2株が、レーヨン繊維を起点としてBHI寒天培地上に増殖して広がった一方で、モラクセラ菌の生育が顕著に抑制された。これは、BS-T2株がモラクセラ菌に対して抗菌作用を発揮したためと考えられる。
製造例1で得られたレーヨン繊維を長さ3cmに切断したものを束ねて、重さ0.1gの繊維束を作製した。
この繊維束をモラクセラ菌培養液(BHI液体培地で培養。菌数:2.8×107CFU/mL)に1分間完全に浸漬させた後、モラクセラ菌の増殖・活動が活発になると考えられる生乾き再現環境下(30℃、90%RH、1L容器内)においた。なお、容器は、雑菌の混入を防ぐため、通気口にメンブレンフィルターを貼った構造とした。この環境下で7日間以上かけてゆっくり乾燥させた。
対照として、BS-T2株を含有していないレーヨン繊維の繊維束(長さ3cm、重さ0.1g)を高圧蒸気滅菌したものを上記と同様にして、モラクセラ菌培養液に浸漬し、生乾き再現環境下においた後、7日間以上かけてゆっくり乾燥させた。
乾燥後、蒸留水で繊維に付着した菌を溶出させ、モラクセラ菌及びバチルス菌の菌数を測定した(表1)。
(不織布の作製)
製造例1と同様にして得られたレーヨン繊維(繊維長は任意)を乾式法によってフリース形成させたものをニードルパンチ法により繊維を絡ませる方法により不織布(製造例1の不織布)を得た。BS-T2株を含有させなかった以外は製造例1と同様にして得たレーヨン繊維(繊維長は任意)から、上記と同様の方法によって、不織布(対照の不織布)を得た。
製造例1の不織布と対照の不織布をそれぞれ10×10cmの大きさとしたものを試料とした。
各試料の絶乾重量(105℃・2時間)を計量した。
市販のプランター(最上部の平面視面積:1080cm2)に、市販の培養土(花と野菜の土)2kg(容量:約3L)を均平になるように入れた(高さ:2~3cm)。
次に、上記培養土の上に、試料を平らに載せた。
その上に、さらに上記培養土2kgを均平になるように入れた。
培養土の乾燥防止のために、7日間に1回、純水を500mL散布した。
試験開始28日後に試料を取り出し、試料が破壊されない程度で可能な限り培養土を除去し、絶乾重量(105℃・2時間)を計量した。
分解率を、分解率(%)=(試験前試料の絶乾重量-試験後試料の絶乾重量)/試験前試料の絶乾重量×100により求めた。
結果を表2に示した。
Claims (4)
- 抗菌活性を備えた芽胞形成菌がレーヨン繊維に定着していることを特徴とする芽胞形成菌含有抗菌性レーヨン繊維。
- 請求項1記載の芽胞形成菌含有抗菌性レーヨン繊維で構成された不織布。
- 請求項2記載の不織布を用いてなる農業用資材。
- 抗菌活性を備えた芽胞形成菌であって芽胞状態の芽胞形成菌とビスコースとを混合した後、紡糸する工程を含む、芽胞形成菌含有抗菌性レーヨン繊維の製造方法。
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US20020164775A1 (en) | 2001-03-01 | 2002-11-07 | Swensen Charles Christopher | Compositions and methods for destroying allergens |
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