JP7298142B2 - アクネ菌および表皮ブドウ球菌を減少させることなく黄色ブドウ球菌を減少させる選択的抗菌用繊維構造物および該繊維構造物を含有する抗菌用製品 - Google Patents

アクネ菌および表皮ブドウ球菌を減少させることなく黄色ブドウ球菌を減少させる選択的抗菌用繊維構造物および該繊維構造物を含有する抗菌用製品 Download PDF

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Description

本発明は、悪玉菌の増殖を抑える選択的抗菌用製品に関する。
近年健康志向の高まりから抗菌に対する素材の開発が求められており、その分野としては化粧品、フェイスマスク、肌着、寝具等多岐にわたる。
しかしながら、抗菌剤は皮膚刺激性等の影響が指摘されており(非特許文献1)、化粧品、フェイスマスク、肌着、寝具等、皮膚に接触する用途における使用では特に懸念される。また、こうした抗菌剤は肌の常在菌のうち、悪玉菌の代表であり、皮膚感染症や食中毒を引き起こす黄色ブドウ球菌やマラセチア菌を排除するのには役立つが、同時に肌を健康に保つ表皮ブドウ球菌やアクネ菌等の善玉菌も排除してしまうので、この点においても肌に悪い影響を及ぼす。
鹿庭正昭、「家庭用品に使用される化学物質による健康被害と安全対策」、国立医薬品食品衛生研究所報告、2006年、第124号、p.1-20
上述したように、抗菌剤は菌を排除する効果は有するが菌の選択性は有さないため、有用な菌まで排除してしまうという欠点があった。こうしたことは皮膚に接触する用途では特に懸念されるところであり、常在菌のうち悪玉菌の働きを抑え、善玉菌に対しては無毒のものが求められるが、従来の技術ではそれが困難であった。本発明は、かかる従来技術の現状に鑑みて創案されたものであり、その目的は、肌の常在菌のうち悪玉菌の増殖を抑える選択的抗菌用製品を提供することにある。
本発明者は、上述の目的を達成するために鋭意検討を進めた結果、H型カルボキシル基を有する部材において、該部材中のH型カルボキシル基量を0.2~3.0mmol/gの範囲に調整するとともに、2価以上の金属イオンを対イオンとする塩型カルボキシル基の量を0.5mmol/g未満とすることにより、肌の常在菌のうち悪玉菌のみの増殖を抑える選択的抗菌用製品となることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は以下の手段により達成される。
(1) 繊維状であるH型カルボキシル基を有する素材を含有する繊維構造物において、H型カルボキシル基の量が0.2~3.0mmol/gであり、かつ、2価以上の金属イオンを対イオンとする塩型カルボキシル基の量が0.5mmol/g未満あることを特徴とするアクネ菌および表皮ブドウ球菌を減少させることなく黄色ブドウ球菌を減少させる選択的抗菌用繊維構造物。
) (1)に記載のアクネ菌および表皮ブドウ球菌を減少させることなく黄色ブドウ球菌を減少させる選択的抗菌用繊維構造物を皮膚に接触する部分に含有している抗菌用製品。
) 肌着、靴下、手袋、寝具の側地、フェイスマスク、化粧用コットンまたはウェットティッシュであることを特徴とする()に記載の抗菌用製品。
本発明の特筆すべき効果は、製品の皮膚に接触する部分に、H型カルボキシル基量が0.2~3.0mmol/gであり、かつ、2価以上の金属イオンを対イオンとする塩型カルボキシル基の量が0.5mmol/g未満である部材を用いることで、肌の常在菌のうち悪玉菌の増殖を抑える選択的抗菌用製品となることを見出した点である。かかる本発明の選択的抗菌用製品は善玉菌を温存しつつ、悪玉菌の増殖を選択的に抑えることができるため、肌を健康に保つことができ、肌着、寝具の側地、フェイスマスクなどの皮膚に接触する製品として好適に利用できるものである。
本発明は、H型カルボキシル基を有する素材を含有する部材において、H型カルボキシル基量が0.2~3.0mmol/gであり、かつ、2価以上の金属イオンを対イオンとする塩型カルボキシル基の量が0.5mmol/g未満であることを特徴とする悪玉菌の増殖を抑える選択的抗菌用部材である。
まず、本発明に採用するH型カルボキシル基を有する素材は、該官能基を有していれば制限されるものではなく、低分子状から高分子状のものまで使用できる。また、その形状としては、液体状、固体状(例えば、繊維状、粒子状、塗膜状、フィルム状等)があり制限されるもので無く、どれを選択するかは加工性、耐久性、用途等を加味して選択できる。
かかるH型カルボキシル基を有する素材のうち、低分子状の素材としては、酢酸、酪酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、安息香酸等が挙げられる。
また、高分子状の素材としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸及びアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸の共重合ポリマー等が挙げられる。
繊維状の素材としては、ヒドラジン等の架橋剤による架橋導入処理とアルカリ性化合物による加水分解処理を施して得られる架橋アクリレート系繊維を酸処理して得られる繊維や特開2013-147774に記載された方法で得ることができる繊維などがある。繊維状の素材は、耐久性や風合いが重視される肌着、寝具の側地等に用いられる本発明の選択的抗菌用部材に好適に利用できる。
上述の架橋アクリレート系繊維としては、例えば特開2000-314082号公報に記載のように、アクリロニトリル含有率が85~95重量%であるアクリル系繊維に対するヒドラジン系化合物による架橋処理によって導入される窒素含有量の増加が、1.0~5.0重量%である架橋アクリレート系繊維であって、残存ニトリル基の一部が加水分解処理により3.0~6.0meq/gのアルカリ金属塩型カルボキシル基に変換されている繊維が挙げられる。このような架橋アクリレート系繊維を硝酸水溶液に浸漬するなどして塩型カルボキシル基をH型カルボキシル基に変換したものを本発明におけるH型カルボキシル基を有する繊維状の素材として採用することができる。なお、H型カルボキシル基の量は加水分解処理における薬剤濃度、反応時間、反応温度などを変化させることによって調整することができる。
また、粒子状の素材としては、陽イオン交換樹脂や特開2013-147473号公報に記載された方法で製造できるH型カルボキシル基を有する架橋粒子などが挙げられる。
本発明に言う悪玉菌とは、増殖により肌の炎症や肌荒れを引き起こす菌のことで黄色ブドウ球菌やマラセチア菌、白癬菌、カンジダ菌等が該当するが、この中でも黄色ブドウ球菌が特に問題となることが多い。また、善玉菌とは肌の乾燥を防ぎ外部刺激から守る働きをする菌のことで表皮ブドウ球菌、アクネ菌等が該当する。
本発明の選択的抗菌用部材は、H型カルボキシル基量として0.2~3.0mmol/g、好ましくは0.5~2.0mmol/g有するようになるように、上述したH型カルボキシル基を有する素材を含有させたものである。H型カルボキシル基量が0.2mmol/gに満たない場合、悪玉菌の増殖を抑えることが難しくなり、逆に、3.0mmol/gを超える場合には、悪玉菌だけでなく、善玉菌の増殖も抑えてしまうこととなる。
H型カルボキシル基を上記範囲とすることによって、悪玉菌の増殖を選択的に抑えることができる理由は定かではないが、悪玉菌と善玉菌は増殖に好適な環境が異なっており、悪玉菌はH型カルボキシル基に対する耐性が弱い、又は該官能基の存在で増殖が抑制されやすい可能性がある。
また、本発明の選択的抗菌用部材においては、塩型カルボキシル基量をできるだけ少なくすることが望ましい。特に、2価以上の金属イオンを対イオンとする塩型カルボキシル基の量を0.5mmol/g未満とすることが肝要である。2価金属イオンの塩型カルボキシル基量が0.5mmol/gを超えると、善玉菌であるアクネ菌の増殖できなくなる。また、1価の金属イオンを対イオンとする塩型カルボキシル基についても、2価金属イオンの塩型カルボキシル基ほどではないが善玉菌の増殖を抑制する効果があるため、その含有量を2.0mmol/g以下とすることが好ましく、1.0mmol/g以下とすることがより好ましい。
本発明の選択的抗菌用部材としては、フィルム、塗膜、ビーズ、射出成形体等の樹脂成形体や、糸、ヤーン(ラップヤーンも含む)、フィラメント、織物、編物、不織布、紙状物、シート状物、積層体、綿状体(球状や塊状のものを含む)等の繊維構造物などを挙げることができる。また、かかる本発明の選択的抗菌用部材は、上記したH型カルボキシル基量を満たす限りであれば、H型カルボキシル基を有する素材単独で構成されていてもよいし、他の素材と組み合わせたものであってもよい。
具体的な例としては、液体状あるいは溶剤に溶解して溶液状としたH型カルボキシル基を有する素材をフィルムや生地に塗布して得られるシートや、繊維状のH型カルボキシル基を有する素材を、他の繊維状素材と混用した糸、編織物、不織布などの繊維構造物を挙げることが出来る。
上記の繊維構造物において併用しうる他の繊維状素材としては特に制限はなく、公用されている天然繊維、有機繊維、半合成繊維、合成繊維が用いられ、さらには無機繊維、ガラス繊維等も用途によっては採用し得る。具体的な例としては、綿、麻、絹、羊毛、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、アクリル繊維などを挙げることができる。
また、本発明の選択的抗菌用製品は、上述した本発明の選択的抗菌用部材を製品の表層部などの皮膚に接触する部分に含有させたものである。かかる本発明の選択的抗菌用製品は、善玉菌を温存しつつ、悪玉菌の増殖を選択的に抑えることができるという効果を有するものである。このことから、皮膚に長時間あるいは広い面積で接触する製品として適している。具体的な製品としては、上述した様々な形態の本発明の選択的抗菌用部材のうちの編物を用いた肌着、靴下、手袋、織物または編物を側地に用いた寝具、不織布を顔面に接触する側に用いたフェイスマスク、化粧用コットン、不織布を用いたウェットティッシュなどが挙げられる。
以下に本発明の理解を容易にするために実施例を示すが、これらはあくまで例示的なものであり、本発明の要旨はこれらにより限定されるものではない。なお、実施例中、部及び百分率は特に断りのない限り重量基準で示す。
<H型カルボキシル基量、塩型カルボキシル基量の測定>
十分乾燥した試料約1gを精秤し(W1g)、これに200mlの1mol/L塩酸水溶液を加え、試料を浸漬させて、30分間放置した後、ガラスフィルターで濾過し、水を加えて水洗する。この処理を3回繰返した後、濾液のpHが5以上になるまで十分に水洗する。次にこの資料を200mlの純水に入れ、1mol/L塩酸水溶液を添加してpH2にした後、0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液で情報に従って滴定曲線を求める。該滴定曲線から、全カルボキシル基に消費された水酸化ナトリウム水溶液消費量(Vml)を求め、次式によって全カルボキシル基量を求める。
全カルボキシル基量(mmol/g)=(0.1×V)/W1
次に、上記の全カルボキシル基量の測定方法において、最初の1mol/L塩酸水溶液への浸漬およびそれに続く水洗を実施しないこと以外は同様にして、H型カルボキシル基量を算出する。さらに、かかるH型カルボキシル基量を上記の全カルボキシル基量から差し引くことで、塩型カルボキシル基量を算出する。
<抗菌試験>
37℃で約20時間前培養した菌を滅菌生理食塩液に懸濁した後、OD630nmを約0.12に調整した。その後、1/2ニュートリエント培地で約100倍に希釈し、試験菌液とした。滅菌したバイアル瓶(30mL容量)にあらかじめ消毒用エタノールを十分噴霧後、安全キャビネット内で乾燥させた各供試試料(コントロールは綿繊維)0.4gをバイアル瓶の底部に添加した。試験菌液0.2mLずつを加えた後、37℃で18時間前培養した。培養直後および37℃で18時間後に、各バイアルに緩衝生理食塩液20mLを加え、30回激しく振り混ぜた(100倍)。生理食塩液で10から10倍希釈した。原液および各希釈液1mLずつをそれぞれ2枚ずつの滅菌プラスチックシャーレに加え、滅菌後約50℃に保温したニュートリエント寒天培地約20mLを加え、混釈した。冷却し、37℃で約48時間培養後、出現する菌数を計測し、下記式により菌増殖値を計算した。
菌増殖値=LOG(培養後の菌数)-LOG(培養前の菌数)
菌増殖値が正の値であれば菌が増殖していることを示し、負の値であれば菌が減少していることを示す。
<実施例1>
アクリロニトリル90%及びアクリル酸メチル10%からなるアクリロニトリル系重合体10部を48%のチオシアン酸ナトリウム水溶液90部に溶解した紡糸原液を用いて常法にて紡糸を行い、アクリル繊維を得た。得られたアクリル繊維を15%ヒドラジン水溶液中で110℃×3時間架橋導入処理を行い水洗した。次に、8%硝酸水溶液中で110℃×1時間酸処理を行い水洗した。続いて5%水酸化ナトリウム水溶液中で、90℃で1時間加水分解処理を行い水洗し、塩型のカルボキシル基を有する架橋アクリレート系繊維を得た。その後3%硝酸水溶液中にて110℃×1時間酸処理を行い水洗して、H型カルボキシル基を有する繊維を得た。得られた繊維の抗菌性能を評価した結果を表に示す。
<実施例2~5>
実施例1において水酸化ナトリウム水溶液での加水分解処理の時間を、実施例2では40分、実施例3では20分、実施例4では10分、実施例5では5分に変えた以外は同様に行いH型カルボキシル基を有する繊維を得た。得られた繊維の抗菌性能を評価した結果を表に示す。
<実施例6>
下記比較例1で得られたH型カルボキシル基を有する繊維を30%、ポリエステルを70%の割合で混合してカードウェブとし、ニードルパンチ法により目付50g/mの不織布を作成した。得られた不織布の抗菌性能を評価した結果を表に示す。
<実施例7>
実施例1において、水酸化ナトリウム水溶液での加水分解処理の時間を30分に変えたこと、および、3%硝酸水溶液中での酸処理の代わりに、リン酸ナトリウム緩衝液によるpH=7.0への調整処理を行うこと以外は同様にして、H型カルボキシル基とNa塩型カルボキシル基を有する繊維を得た。得られた繊維の抗菌性能を評価した結果を表に示す。
<実施例8>
実施例1において、8%硝酸水溶液中での酸処理後の水洗までは同様に行い、続いて5%水酸化ナトリウム水溶液中で、90℃で15分間加水分解処理を行い水洗し、次に5%硫酸マグネシウム水溶液中で80℃×1時間処理を行い水洗した。得られた繊維を純水中に加え、3%硝酸水溶液を加えることでpH5.0に調整することにより、H型カルボキシル基とMg塩型カルボキシル基を有する繊維を得た。得られた繊維の抗菌性能を評価した結果を表に示す。
<実施例9>
実施例8において、5%硫酸マグネシウム水溶液の代わりに5%硫酸カルシウム水溶液を用いること以外は同様にして、H型カルボキシル基とCa塩型カルボキシル基を有する繊維を得た。得られた繊維の抗菌性能を評価した結果を表に示す。
<比較例1>
実施例1において、水酸化ナトリウム水溶液での加水分解処理の時間を70分に変えたこと以外は同様に行いH型カルボキシル基を有する繊維を得た。得られた繊維の抗菌性能を評価した結果を表に示す。
<比較例2>
実施例1において、水酸化ナトリウム水溶液での加水分解処理の時間を1分に変えたこと以外は同様に行いH型カルボキシル基を有する繊維を得た。得られた繊維の抗菌性能を評価した結果を表に示す。
<比較例3>
実施例1で得られた原料のアクリル繊維に4級アンモニウム抗菌剤を0.2重量%付与して得られた繊維の抗菌性能を評価した結果を表に示す。
<比較例4>
実施例1で得られた原料のアクリル繊維に硝酸銀水溶液に浸漬し、加熱乾燥させることによって、銀を0.2重量%付与した繊維の抗菌性能を評価した結果を表に示す。
<比較例5>
実施例1において、8%硝酸水溶液中での酸処理後の水洗までは同様に行い、続いて5%水酸化ナトリウム水溶液中で、90℃で30分間加水分解処理を行い水洗し、次に5%硫酸マグネシウム水溶液中で80℃×1時間処理を行い水洗した。得られた繊維を純水中に加え、3%硝酸水溶液を加えることでpH7.0に調整することにより、H型カルボキシル基とMg塩型カルボキシル基を有する繊維を得た。得られた繊維の抗菌性能を評価した結果を表に示す。
<比較例6>
比較例5において、5%硫酸マグネシウム水溶液の代わりに5%硫酸カルシウム水溶液を用いること以外は同様にして、H型カルボキシル基とCa塩型カルボキシル基を有する繊維を得た。得られた繊維の抗菌性能を評価した結果を表に示す。
Figure 0007298142000001
本発明に特定するH型カルボキシル基量を有する実施例1~5の繊維では善玉菌の数の減少は見られず、悪玉菌のみを選択的に減少させることが出来ている。また、実施例6の部材は、比較例1の繊維を含有する部材であるが、部材としてのH型カルボキシル基量が本発明に特定する範囲内となっているため、悪玉菌のみを選択的に減少させることが出来ている。
さらに、実施例7~9の繊維についても悪玉菌のみを選択的に減少させることが出来ている。ただし、実施例7~9の繊維は塩型カルボキシル基を有しているため、同等のH型カルボキシル基を有する実施例4の部材と比べて、善玉菌の増殖値が少なくなり、悪玉菌の減少効果も小さくなっている。
一方、H型カルボキシル基が本発明より多い比較例1の部材では善玉菌の増殖が抑制され、H型カルボキシル基が本発明より少ない比較例2の部材では悪玉菌の増殖の抑制が出来ていないことが分かる。また、比較例3の4級アンモニウム抗菌剤を付与した繊維や比較例4の銀系の抗菌剤を付与した繊維は悪玉菌よりも、善玉菌の減少が大きくなっており、これら比較例の素材は肌に悪い影響を与えることが分かる。さらに、比較例5および6の部材においては、2価金属イオンを対イオンとする塩型カルボキシル基を多く有するため、善玉菌であるアクネ菌が減少する結果となっている。

Claims (3)

  1. 繊維状であるH型カルボキシル基を有する素材を含有する繊維構造物において、H型カルボキシル基の量が0.2~3.0mmol/gであり、かつ、2価以上の金属イオンを対イオンとする塩型カルボキシル基の量が0.5mmol/g未満あることを特徴とするアクネ菌および表皮ブドウ球菌を減少させることなく黄色ブドウ球菌を減少させる選択的抗菌用繊維構造物。
  2. 請求項1に記載のアクネ菌および表皮ブドウ球菌を減少させることなく黄色ブドウ球菌を減少させる選択的抗菌用繊維構造物を皮膚に接触する部分に含有している抗菌用製品。
  3. 肌着、靴下、手袋、寝具の側地、フェイスマスク、化粧用コットンまたはウェットティッシュであることを特徴とする請求項に記載の抗菌用製品。
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