JP7322989B1 - 化粧シートおよびその製造方法、ならびに、樹脂層およびその製造方法 - Google Patents

化粧シートおよびその製造方法、ならびに、樹脂層およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7322989B1
JP7322989B1 JP2022017025A JP2022017025A JP7322989B1 JP 7322989 B1 JP7322989 B1 JP 7322989B1 JP 2022017025 A JP2022017025 A JP 2022017025A JP 2022017025 A JP2022017025 A JP 2022017025A JP 7322989 B1 JP7322989 B1 JP 7322989B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
layer
decorative sheet
resin layer
resins
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022017025A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2023114609A (ja
Inventor
光男 櫻井
慎吾 生田目
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2022017025A priority Critical patent/JP7322989B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7322989B1 publication Critical patent/JP7322989B1/ja
Publication of JP2023114609A publication Critical patent/JP2023114609A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Landscapes

  • Finishing Walls (AREA)
  • Floor Finish (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】高い強度を有し、かつ、環境負荷を低減した化粧シートを提供する。【解決手段】再生樹脂、バージン樹脂およびセルロースナノファイバーを含有する樹脂層を有する、化粧シートとする。【選択図】図3

Description

本開示は、化粧シートおよびその製造方法、ならびに、樹脂層およびその製造方法に関する。
近年のリサイクル技術の発達に応じて、環境保全や資源の有効利用の観点から、廃材のリサイクルが広く進められている。従来、各種の建材、家具等の表面に意匠性を付与するために、各種の化粧シートが用いられている。化粧シートには、オレフィン系樹脂または塩化ビニル系樹脂に代表される樹脂が使用されているため、その廃材を利用するニーズが高まっている。
例えば、廃材から得られる再生樹脂(リサイクル品)のみを利用した場合、必要となる物性が得られない場合がある。そのため、再生樹脂とバージン樹脂とを混合して用いる方法が提案されている。再生樹脂とバージン樹脂とを混合することで、マテリアルリサイクルが可能となり、温室効果ガスの排出量抑制が可能となる。
例えば、特許文献1には、PP射出成形品廃材を粉砕して得た粉粒体とバージンPPを主原料とし、該主原料にタルクを5~40%混合して成形したことを特徴とする車両内装品用素材ボードが開示されている。また、特許文献2には、塩ビ樹脂含有廃材を300μm以下に粉体化した粉体と、バージン塩ビ樹脂と、可塑剤と、を混合してシートを形成する工程を備える、再生塩ビ防水シートの製造方法が開示されている。
特開平7-258486号公報 特開2007-238887号公報
環境保全および資源の有効利用の観点から、廃材から得られた再生樹脂を用いた化粧シートが求められている。また、例えば建材に用いられる化粧シートには、高い強度が求められている。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、高い強度を有し、かつ、環境負荷を低減した化粧シートを提供することを目的とする。
本開示においては、再生樹脂、バージン樹脂およびセルロースナノファイバーを含有する樹脂層を有する、化粧シートを提供する。
本開示においては、化粧シートに用いられる樹脂層であって、再生樹脂、バージン樹脂およびセルロースナノファイバーを含有する、樹脂層を提供する。
本開示においては、再生樹脂を準備する準備工程と、上記再生樹脂、バージン樹脂およびセルロースナノファイバーを溶融混錬して樹脂組成物を得る溶融混練工程と、上記樹脂組成物を用いて樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、を有する、化粧シートの製造方法を提供する。
本開示においては、化粧シートに用いられる樹脂層の製造方法であって、再生樹脂を準備する準備工程と、上記再生樹脂、バージン樹脂およびセルロースナノファイバーを溶融混錬して樹脂組成物を得る溶融混練工程と、上記樹脂組成物を用いて樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、を有する、樹脂層の製造方法を提供する。
本開示においては、高い強度を有し、かつ、環境負荷を低減した化粧シートを提供できるという効果を奏する。
本開示における化粧シートを例示する概略断面図である。 本開示における化粧シートを例示する概略断面図である。 本開示における化粧シートを例示する概略断面図である。
下記に、図面等を参照しながら、実施の形態を説明する。ただし、本開示は、多くの異なる態様で実施することが可能であり、下記に例示する実施の形態の記載内容に限定されるべきではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状について模式的に表す場合があるが、これはあくまで一例であり、限定して解釈されるべきではない。
本明細書において、ある部材の上に、他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」あるいは「下に」と表記する場合、特に断りの無い限り、ある部材に接するように、直上あるいは直下に、他の部材を配置する場合と、ある部材の上方あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合と、の両方を含む。また、本明細書において、ある部材の面に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「面に」と表記する場合、特に断りの無い限り、ある部材に接するように、直上あるいは直下に、他の部材を配置する場合と、ある部材の上方あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合と、の両方を含む。
A.化粧シート
図1~図3は、本開示における化粧シートを例示する概略断面図である。図1に示す化粧シート10は、基材層1および表面保護層2を有する。図1における基材層1は、再生樹脂、バージン樹脂およびセルロースナノファイバーを含有する樹脂層である。また、図2に示す化粧シート10は、厚さ方向Dにおいて、基材層1、意匠層3、および、表面保護層2を、この順に有している。図2における基材層1も、再生樹脂、バージン樹脂およびセルロースナノファイバーを含有する樹脂層である。
図3に示す化粧シート10は、厚さ方向Dにおいて、裏面層7、基材層1、意匠層3、接着剤層5、フィルム層4、プライマー層6、および、表面保護層2を、この順に有している。図3において、基材層1およびフィルム層4の少なくとも一方は、再生樹脂、バージン樹脂およびセルロースナノファイバーを含有する樹脂層である。
本開示によれば、樹脂層が、再生樹脂およびバージン樹脂に加え、セルロースナノファイバーを含有することで、高い強度を有し、かつ、環境負荷を低減した化粧シートとなる。上述したように、環境保全および資源の有効利用の観点から、廃材から得られた再生樹脂を用いた化粧シートが求められている。しかしながら、再生樹脂を使用すると、化粧シートの強度が低下する場合がある。これは、再生樹脂は一般的に熱履歴を含むため、熱による樹脂の劣化が生じているためである。そのため、再生樹脂とバージン樹脂とを混合して化粧シートを得る方法が提案されている。一方、例えば建材等の耐久消費財は、耐久性に関する要求事項が、衣料品、食料品、日用品等の非耐久消費財、および、包装材に比べて厳しい。そのため、耐久消費財に使用される化粧シートには、高い強度が求められており、再生樹脂とバージン樹脂とを混合した場合であっても、化粧シートが十分な強度を得ることができない場合がある。具体的に、化粧シートが硬く(脆く)なることで、加工時に破れが生じる場合がある。
これに対して、本開示における樹脂層は、再生樹脂およびバージン樹脂に加えて、セルロースナノファイバーを含有する。従って、高強度な樹脂層を有する化粧シートとなる。セルロースナノファイバーは、通常の紙に使用されているセルロースに比べ、同質量において繊維の本数が飛躍的に多くなるため、化粧シートの強度向上に適しているという利点がある。
また、化粧シートの強度向上のために、樹脂層に無機粒子等の補強材を混合することが考えられるが、無機粒子等の補強材は、粒径が大きいため透明性が悪化しやすい。一方、セルロースナノファイバーは、寸法がナノサイズレベルであるため、樹脂層の透明性の悪化を抑制することができる。従って、本開示においては、補強材を混合することによる意匠性の悪化が抑制される。
また、例えば、ガラス繊維または炭素繊維を補強材として使用することも考えられるが、樹脂への分散性が悪いため、化粧シートの柔軟性および耐候性が悪化する。一方、セルロースナノファイバーは、ガラス繊維または炭素繊維よりも、樹脂への分散性が良好である。従って、本開示においては、補強材を混合することによる柔軟性および耐候性の悪化が抑制される。
また、セルロースナノファイバーの原料であるセルロース繊維は、木材等のパルプを原料とするバイオマスである。従って、セルロースナノファイバーを使用することによって、温室効果ガスの排出量を抑制可能であり、環境負荷低減が期待される。さらに、セルロースナノファイバーは、ガラス繊維および炭素繊維とは異なり、リサイクル性が高く、環境配慮型の素材である。具体的には、ガラス繊維および炭素繊維は、耐熱性が高いために処理が難しく、マテリアルリサイクルを行うと繊維長が短くなり、利用価値が低下する。一方、セルロースナノファイバーは、マテリアルリサイクル時の繊維破断が少なく、物性の低下が少ないという利点を有する。また、ガラス繊維および炭素繊維は、不燃性または難燃性であるため、サーマルリサイクルに適しているとはいえない。これに対して、セルロースナノファイバーは、燃焼しやすい材料であるため、サーマルリサイクルに適しているという利点を有する。
1.樹脂層
本開示における樹脂層は、再生樹脂、バージン樹脂およびセルロースナノファイバーを含有する。
(1)再生樹脂
本開示における再生樹脂は、少なくとも一回以上、成形加工工程に供された履歴を有する樹脂である。再生樹脂は、例えば、樹脂を含有する廃材(樹脂含有廃材)を粉砕して得られた粉砕物である。また、再生樹脂は、上記粉砕物を、溶融混練し、ペレット状に加工した再生樹脂ペレットであってもよい。粉砕物をペレット状に加工することで、例えば、押出成形時の生産安定性を向上させることができる。また、再生樹脂は、通常、熱履歴を有する。
再生樹脂としては、例えば、合成樹脂、天然樹脂が挙げられる。合成樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、アイオノマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合等の塩化ビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレングリコール-テレフタル酸-イソフタル酸共重合体、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等のポリエステル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル-(メタ)アクリル酸ブチル共重合体等のアクリル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、三酢酸セルロース、セロファン、セルロイド等のセルロース系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABD)等のスチレン系樹脂が挙げられる。また、熱可塑性樹脂の別の例として、ポリビニルアルコール、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂が挙げられる。天然樹脂としては、例えば、天然ゴム、松脂、琥珀が挙げられる。本開示における樹脂層は、再生樹脂を1種のみ含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。
再生樹脂は、バイオマス由来のポリエチレンを含んでいてもよい。バイオマス由来のポリエチレンを含むことにより、化石燃料由来の原料を好適に削減し、環境負荷を好適に低減することができる。「バイオマス由来のポリエチレン」とは、原料として少なくとも一部にバイオマス由来の原料を用いたものであって、原料の全てがバイオマス由来のものであることを意味するものではない。なお、バイオマス由来の原料を用いているか否かは、後述する「バイオマス度」において記載する放射性炭素(C14)測定により判別することができる。バイオマス由来のポリエチレンは、例えば、バイオマス由来のエチレンを含むモノマーの重合体である。
再生樹脂がバイオマス由来のポリエチレンを含む場合、樹脂層のバイオマス度は、例えば、15%以上であり、30%以上であってもよく、45%以上であってもよい。一方、樹脂層のバイオマス度は、例えば、80%以下であり、70%以下であってもよい。
「バイオマス度」(バイオマス由来のポリエチレンを含む樹脂層中のバイオマス由来の炭素濃度)は、放射性炭素(C14)測定によるバイオマス由来の炭素の含有量を測定した値である。大気中の二酸化炭素には、C14が一定割合(105.5pMC)で含まれているため、大気中の二酸化炭素を取り入れて成長する植物、例えばトウモロコシ中のC14含有量も105.5pMC程度であることが知られている。また、化石燃料中にはC14が殆ど含まれていないことも知られている。したがって、ポリエチレン中の全炭素原子中に含まれるC14の割合を測定することにより、バイオマス由来の炭素の割合を算出することができる。すなわち、ポリオレフィン中のC14の含有量をPC14とした場合の、バイオマス由来の炭素の含有量Pbioは、以下のようにして求めることができる。
bio(%)=PC14/105.5×100
再生樹脂は、添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、無機質剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、着色剤、サイズ剤、定着剤が挙げられる。
上述したように、再生樹脂は、例えば、樹脂含有廃材を粉砕することにより、得られる。樹脂含有廃材としては、例えば、廃材となった化粧シート(廃材化粧シート)が挙げられる。特に、樹脂含有廃材として、廃材化粧シートの樹脂層(廃材樹脂層)を用いることが好ましい。例えば、建材メーカー、壁紙問屋、住宅メーカーから、多量の樹脂含有廃材が発生する。樹脂層を作製する際に発生する、端材、成形不良品、規格外品が、樹脂含有廃材となり得る。同様に、化粧シートを作製する際に発生する、端材、成形不良品、規格外品も、樹脂含有廃材となり得る。また、廃材となった建材から分別した、廃材化粧シートまたは廃材樹脂層も、樹脂含有廃材となり得る。
樹脂含有廃材の粉砕方法としては、所望の大きさに粉砕することができれば特に限定されないが、種々公知の粉砕方法を採用することができる。具体的には、押出成形またはカレンダー成形が安定して行える程度の大きさに粉砕することが好ましい。樹脂含有廃材の粉砕方法の具体例としては、粉砕機、切削装置が挙げられる。また、粉砕物から、必要に応じて異物の除去を行うことが好ましい。異物の除去は、例えば、風篩により可能である。
(2)バージン樹脂
本開示におけるバージン樹脂は、成形加工工程に供された履歴を有しない樹脂である。バージン樹脂は、いわゆる未使用の樹脂である。なお、バージン樹脂は、再生樹脂とは異なり、通常、上述した添加剤を含有しない。
バージン樹脂としては、例えば、合成樹脂、天然樹脂が挙げられる。これらの樹脂については、上述した再生樹脂として例示したものと同様の樹脂が挙げられる。バージン樹脂と再生樹脂とは、同種であってもよく、異種であってもよいが、同種であることが好ましい。例えば、バージン樹脂がオレフィン系樹脂である場合、再生樹脂もオレフィン系樹脂であることが好ましい。具体的に、バージン樹脂がポリエチレンである場合、再生樹脂もポリエチレンであることが好ましい。同様に、バージン樹脂がポリプロピレンである場合、再生樹脂もポリプロピレンであることが好ましい。また、バージン樹脂が塩化ビニル系樹脂である場合、再生樹脂も塩化ビニル系樹脂であることが好ましい。具体的に、バージン樹脂がポリ塩化ビニルである場合、再生樹脂もポリ塩化ビニルであることが好ましい。
(3)セルロースナノファイバー
セルロースナノファイバー(CNF)は、一般的に、高強度、低熱膨張、高比表面積、軽量等の優れた特長を有する。セルロースナノファイバーは、パルプ等のセルロース繊維を、ナノサイズレベルまで解繊処理したものであり、通常の紙に使用されているセルロースに比べ、同質量において繊維の本数が飛躍的に多くなる。従って、樹脂層がセルロースナノファイバーを含むことにより、高い強度を得ることができる。さらには、樹脂層がセルロースナノファイバーを含むことにより、高い柔軟性および高い寸法安定性が得られる。
本開示におけるセルロース繊維は、植物由来、微生物由来、藻類由来または尾索動物亜門動物(ホヤ)由来の、セルロース、ヘミセルロースおよびリグノセルロースの少なくともいずれか一方を含有する繊維であることが好ましい。
本開示におけるセルロースナノファイバーの種類は特に制限されず、どのような種類のセルロースナノファイバーでも使用可能である。このようなセルロースナノファイバーは、公知の方法により調製でき、また市販品として入手することができる。
セルロースナノファイバーの平均繊維径は、例えば、2nm以上15000nm以下であり、10nm以上10000nm以下であってもよく、10nm以上1000nm以下であってもよく、10nm以上100nm以下であってもよい。また、セルロースナノファイバーの平均繊維長さは、例えば0.01mm以上0.7mm以下であり、0.02mm以上0.6mm以下であってもよい。また、セルロースナノファイバーの平均アスペクト比(平均繊維長さ/平均繊維径)は、例えば、10以上であり、100以上であってもよい。
本開示における樹脂層は、疎水化処理が施されたセルロースナノファイバーを含むことが好ましい。セルロース繊維は、高い親水性を有するため、樹脂への分散性が悪い場合があり、ナノファイバー状に微細化されたセルロースを用いていたとしても、樹脂と混合する際にセルロース繊維同士が再凝集を起こす場合がある。これに対し、疎水化処理が施されたセルロースナノファイバーを用いることにより、樹脂への分散性が良好となる。
疎水化処理としては、従来公知の方法を採用することができる。例えば、セルロース繊維を解繊処理前、解繊処理中または解繊処理後に、種々の繊維修飾剤によって化学修飾を行う方法が挙げられる。また、後述する溶融混錬中またはその後に、種々の繊維修飾剤によって化学修飾を行ってもよい。
疎水化処理の具体例としては、セルロース繊維を構成する糖類の水酸基の水素原子の代わりに、置換基(化学修飾基)を導入する処理が挙げられる。セルロースナノファイバーの繊維修飾剤としては、セルロースの水酸基と反応する化合物を使用することができる。上記繊維修飾剤としては、セルロース繊維の表面に存在する水酸基と反応可能な官能基を少なくとも一つ有する化合物であれば特に限定されない。例えば、イソシアナート基を含む化合物、エポキシ基を含む化合物、アミノ基を含む化合物、酸、酸無水物、アルコール、シラン化合物、ハロゲン化試薬、環状エステル化合物、環状アミド化合物が挙げられる。
セルロースナノファイバーの疎水化処理の他の具体例としては、乾燥処理が挙げられる。乾燥方法は、限定はされないが、例えば、噴霧乾燥法、真空乾燥法、気流乾燥法、流動層乾燥法が挙げられる。例えば、乾燥前に、セルロースナノファイバーに有機成分を配合した後に、セルロースナノファイバーを乾燥することで、有機成分を含有したCNF乾燥体が得られる。有機成分としては、例えば、水、または、エタノール、メタノール等水可溶性アルコールに溶解可能な界面活性剤が挙げられる。界面活性剤は、アニオン系界面活性剤であってもよく、ノニオン系界面活性剤であってもよく、アニオン系界面活性剤およびノニオン系界面活性剤の混合物であってもよい。界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、グリセリンが挙げられる。
樹脂層におけるセルロースナノファイバーの含有量は、樹脂成分(再生樹脂およびバージン樹脂の合計)100質量部に対して、例えば、5質量部以上であり、8質量部以上であってもよく、10質量部以上であってもよい。セルロースナノファイバーの含有量が少なすぎると、高い強度の樹脂層を得ることができない可能性がある。一方、セルロースナノファイバーの含有量は、樹脂成分100質量部に対して、例えば、45質量部以下であり、40質量部以下であってもよい。セルロースナノファイバーの含有量が多すぎると、耐衝撃性が悪くなる可能性がある。
(4)その他成分
本開示における樹脂層は、上記再生樹脂、上記バージン樹脂および上記セルロースナノファイバー以外の他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、可塑剤、相溶性改善剤、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、無機質剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、着色剤、サイズ剤、定着剤等の添加剤が挙げられる。
(i)可塑剤
本開示における樹脂層は、可塑剤を含んでいてもよい。特に、樹脂層が塩化ビニル系樹脂を含む場合、可塑剤を含むことが好ましい。可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート(DOP)、ジイソノニルフタレート(DINP)等のフタル酸エステル系可塑剤、ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペート等のアジピン酸エステル系可塑剤、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート等のリン酸エステル系可塑剤、トリ-2-エチルヘキシルトリメリテート(TOTM)、トリ-n-オクチルトリメリテート等のトリメリット酸エステル系可塑剤が挙げられる。樹脂層における可塑剤の含有量は、特に限定されないが、樹脂成分(再生樹脂およびバージン樹脂の合計)100質量部に対して、例えば、15質量部以上、45質量部以下である。
(ii)相溶性改善剤
本開示における樹脂層は、相溶性改善剤を含んでいてもよい。相溶性改善剤は、成形時における樹脂組成物の流動性の低下を抑制する。相溶性改善剤としては、例えば、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-無水マレイン酸共重合体、プロピレン-(メタ)アクリル酸共重合体、プロピレン-無水マレイン酸共重合体等の共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン-無水マレイン酸-(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン-プロピレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-プロピレン-無水マレイン酸共重合体等の三元系共重合体、(メタ)アクリル酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリエチレン、(メタ)アクリル酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン等の酸変性樹脂が挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(5)樹脂層
樹脂層の形状としては、例えば、シート状が挙げられる。樹脂層の厚さは、特に限定されないが、例えば、10μm以上300μm以下である。
樹脂層は、例えば密着性向上を目的として、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、例えば、酸化法、凹凸化法が挙げられる。酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン-紫外線処理法が挙げられる。凹凸化法としては、例えば、サンドブラスト法、溶剤処理法が挙げられる。
2.表面保護層
本開示における化粧シートは、樹脂層の一方の面側に、表面保護層を有していてもよい。図1に示すように、化粧シート10は、表面保護層2を最表層として有していてもよい。表面保護層を有することにより、耐久性(例えば、耐傷性、耐汚染性、耐候性)を付与することができる。一方、化粧シートは、表面保護層を有していなくてもよい。
(1)樹脂成分
表面保護層は、樹脂成分を含有する。樹脂成分は、主にバインダー樹脂として機能する。表面保護層は、樹脂成分として、樹脂組成物、および、その硬化物の少なくとも一方を含有することが好ましい。上記硬化物は、硬化性樹脂組成物を電離放射線により硬化した硬化物であってもよく、硬化性樹脂組成物を熱により硬化した硬化物であってもよい。
硬化性樹脂組成物としては、例えば、電離放射線硬化性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物が挙げられる。耐擦傷性および生産効率の観点では、電離放射線硬化性樹脂組成物が好ましい。すなわち、表面保護層は、樹脂成分として、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物を含有することが好ましい。
電離放射線硬化性樹脂組成物の具体例としては、電子線硬化性樹脂組成物、紫外線硬化性樹脂組成物が挙げられる。中でも、電子線硬化性樹脂組成物は、重合開始剤が不要のため臭気が少ない、着色が生じにくい等の利点がある。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物(以下、「電離放射線硬化性化合物」ともいう)を含む組成物である。電離放射線硬化性官能基は、電離放射線の照射によって架橋硬化する基であり、その具体例としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合を有する官能基が挙げられる。また、電離放射線硬化性官能基の他の具体例としては、エポキシ基、オキセタニル基が挙げられる。本明細書において、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基またはメタクロイル基をいう。また、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートをいう。また、電離放射線とは、電磁波または荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものをいい。電離放射線の具体例としては、紫外線(UV)、電子線(EB)が挙げられる。電離放射線の他の具体例としては、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性化合物を1種のみ含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。電離放射線硬化性化合物の種類は、特に限定されず、公知の重合性モノマー、公知の重合性オリゴマー(重合性プレポリマー)を用いることができる。
電離放射線硬化性化合物は、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物を含むことが好ましい。中でも、電離放射線硬化性化合物は、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する、多官能性(メタ)アクリレート系化合物を含むことが好ましい。多官能性(メタ)アクリレート系化合物は、モノマーであってもよく、オリゴマーであってもよい。
多官能性(メタ)アクリレート系化合物は、2官能(メタ)アクリレート系モノマーであってもよく、3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーであってもよい。2官能(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエトキシジアクリレート、ビスフェノールAテトラプロポキシジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレートが挙げられる。3官能以上の(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
多官能性(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等のアクリレート系重合体が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、多価アルコールおよび有機ジイソシアネートと、ヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。また、エポキシ(メタ)アクリレートは、例えば、エポキシ系樹脂と、(メタ)アクリル酸との反応によって得られる。この反応の際に、多塩基酸およびフェノール類の少なくとも一方を、さらに用いてもよい。エポキシ系樹脂は、2官能であってもよく、3官能以上であってもよい。また、エポキシ系樹脂としては、例えば、芳香族エポキシ系樹脂、脂環族エポキシ系樹脂、脂肪族エポキシ系樹脂が挙げられる。
電離放射線硬化性化合物は、シリコーン(メタ)アクリレートを含んでいてもよい。シリコーン(メタ)アクリレートを用いることで、表面保護層の耐汚染性が向上する。シリコーン(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリシロキサンを含むシリコーンオイルが挙げられる。シリコーン(メタ)アクリレートは、ポリシロキサンの末端に、(メタ)アクリル基を導入した変性シリコーンオイルであってもよい。シリコーン(メタ)アクリレートの含有量は、電離放射線硬化性化合物(シリコーン(メタ)アクリレートを除く)100質量部に対して、例えば、1質量部以上、7質量部以下であり、2質量部以上、5質量部以下であってもよい。
電離放射線硬化性化合物が、紫外線硬化性化合物である場合、電離放射線硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤、光重合促進剤等の添加剤を含むことが好ましい。光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α-ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α-アシルオキシムエステル、チオキサントンが挙げられる。光重合促進剤としては、例えば、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルが挙げられる。
一方、熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物である。この樹脂組成物は、加熱により、硬化する。熱硬化性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、尿素メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、硬化剤および硬化触媒等の添加剤を含有していてもよい。
(2)添加剤
表面保護層は、添加剤として、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗アレルゲン剤の少なくとも一つをさらに含有していてもよい。酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。中でも、リン系酸化防止剤は、光による表面保護層の変色を効果的に抑制できる。また、光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系化合物が挙げられる。ヒンダードアミン系化合物は、通常、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン骨格を分子内に含む構造を有する。ヒンダードアミン系化合物としては、例えば、NH型ヒンダードアミン系化合物、NR型ヒンダードアミン系化合物、NOR型ヒンダードアミン系化合物が挙げられる。また、紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤が挙げられる。
表面保護層の厚さは、特に限定されないが、例えば、1μm以上50μm以下である。表面保護層が薄いと、十分に耐久性を付与することができない場合があり、表面保護層が厚いと、意匠層の視認性が低下してしまう場合がある。表面保護層の厚さは、3μm以上40μm以下であってもよく、5μm以上35μm以下であってもよい。
表面保護層の形成方法としては、例えば、樹脂成分と、添加物とを含有する混合物を、樹脂層の面に塗工し、乾燥し、硬化させる方法が挙げられる。また、離型性を有する基板の面に、上記混合物を塗工し、乾燥し、硬化させて表面保護層を形成し、その表面保護層を、樹脂層上に転写してもよい。
3.意匠層
本開示における化粧シートは、樹脂層の一方の面側に、意匠層を有していてもよい。また、化粧シートは、樹脂層および表面保護層の間に、意匠層を有していてもよい。意匠層を設けることで、化粧シートの意匠性が向上する。一方、化粧シートは、意匠層を有していなくてもよい。また、化粧シートを厚さ方向に沿って平面視した場合に、意匠層は、化粧シートの全面に配置されていてもよく、化粧シートの一部に配置されていてもよい。
意匠層としては、例えば、ベタ層(インキをベタ塗りした層)、絵柄層(インキを印刷した層)が挙げられる。絵柄層における絵柄(模様)としては、例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様、草花模様が挙げられる。
意匠層は、通常、着色剤およびバインダー樹脂を含有する。着色剤としては、例えば、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、ニッケルアゾ錯体、フタロシアニンブルー、アゾメチンアゾブラック等の有機顔料(染料を含む)、アルミニウム、真鍮等の金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等のパール顔料が挙げられる。
バインダー樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリルポリオール系樹脂、アクリル系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂、ブチラール系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン-アクリル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニルーアクリル共重合体、塩素化プロピレン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、酢酸セルロース系樹脂が挙げられる。
意匠層は、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、硬化剤、可塑剤、触媒等の添加剤を含有していてもよい。意匠層の厚さは、例えば、0.5μm以上、20μm以下であり、1μm以上、10μm以下であってもよく、2μm以上、5μm以下であってもよい。
意匠層の形成方法としては、例えば、着色剤、バインダー樹脂および溶剤を含有するインキを塗工し、その後、乾燥する方法が挙げられる。塗工法としては、グラビア印刷法が好ましい。
4.化粧シート
本開示における化粧シートは、上述した樹脂層を少なくとも有する。上述した樹脂層は、化粧シートを構成する層のうち、樹脂を含有する任意の層である。また、化粧シートは、上述した樹脂層を1層のみ有していてもよく、2層以上有していてもよい。
化粧シートは、通常、樹脂を含有する基材層を有する。本開示においては、基材層が、上述した樹脂層であることが好ましい。一方、化粧シートは、基材層および表面保護層の間に、樹脂を含有するフィルム層を有していてもよい。すなわち、化粧シートは、基材層、フィルム層および表面保護層を、厚さ方向において、この順に有していてもよい。この場合、基材層およびフィルム層の少なくとも一方が、上述した樹脂層であることが好ましい。フィルム層の詳細については、後述する。
化粧シートは、例えば、裏面層、意匠層、接着剤層、フィルム層、プライマー層、発泡樹脂層、非発泡樹脂層の少なくとも一層を、さらに備えていてもよい。化粧シートの層構成としては、例えば、以下に示す層構成が挙げられる。
(1)基材層/表面保護層
(2)基材層/プライマー層/表面保護層
(3)基材層/意匠層/表面保護層
(4)基材層/意匠層/プライマー層/表面保護層
(5)基材層/接着剤層/フィルム層/表面保護層
(6)基材層/接着剤層/意匠層/フィルム層/表面保護層
(7)基材層/意匠層/接着剤層/フィルム層/表面保護層
(8)基材層/フィルム層/プライマー層/表面保護層
(9)基材層/接着剤層/フィルム層/プライマー層/表面保護層
(10)基材層/接着剤層/意匠層/フィルム層/プライマー層/表面保護層
(11)基材層/意匠層/接着剤層/フィルム層/プライマー層/表面保護層
(12)基材層/発泡樹脂層/表面保護層
(13)基材層/発泡樹脂層/プライマー層/表面保護層
(14)基材層/発泡樹脂層/意匠層/表面保護層
(15)基材層/発泡樹脂層/意匠層/プライマー層/表面保護層
(16)基材層/発泡樹脂層/接着剤層/フィルム層/表面保護層
(17)基材層/発泡樹脂層/接着剤層/意匠層/フィルム層/表面保護層
(18)基材層/発泡樹脂層/意匠層/接着剤層/フィルム層/表面保護層
(19)基材層/発泡樹脂層/フィルム層/プライマー層/表面保護層
(20)基材層/発泡樹脂層/接着剤層/フィルム層/プライマー層/表面保護層
(21)基材層/発泡樹脂層/接着剤層/意匠層/フィルム層/プライマー層/表面保護層
(22)基材層/発泡樹脂層/意匠層/接着剤層/フィルム層/プライマー層/表面保護層
上記「/」は、各層の相対的な位置関係を示しており、例えば「A/B/C」は、A、BおよびCが、厚さ方向に沿って、この順に配置されていることを意味する。また、例えば「A/B」と記載した場合、AおよびBは、直接接触するように配置されていてもよく、他の層を介して配置されていてもよい。また、上記(12)~(22)に例示するように、化粧シートが発泡樹脂層を備える場合、その発泡樹脂層の片面または両面に、非発泡樹脂層が配置されていてもよい。
(1)基材層
本開示における基材層は、上述した樹脂層であることが好ましい。一方、化粧シートが、基材層以外の層として、上述した樹脂層を有する場合、基材層には、任意の材料を用いることができる。基材層の構成材料(樹脂を除く)としては、例えば、繊維質材料、金属材料、非金属無機材料が挙げられる。
基材層に用いられる繊維質材料としては、例えば、薄葉紙、クラフト紙、上質紙、和紙、チタン紙、リンター紙、硫酸紙、パラフィン紙、パーチメント紙、グラシン紙、壁紙用裏打紙、板紙および石膏ボード用原紙等の紙が挙げられる。上記紙は、一般紙であってもよく、難燃紙であってもよい。難燃紙は、一般紙の中に難燃剤を含有させた紙である。難燃剤としては、例えば尿素、アンモニウム化合物等の窒素化合物、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物(好ましくは水和物)、自消性を有するリンまたはハロゲン元素を含む難燃剤が挙げられる。中でも、水酸化マグネシウムのように、結晶水を含む化合物は、燃焼分解時に結晶水の気化熱によって難燃化を図ることができる。繊維質材料の別の例としては、織布、不織布が挙げられる。織布または不織布に用いられる繊維としては、例えば、天然繊維(例えば絹、木綿、麻)、ガラス繊維、炭素繊維が挙げられる。
基材層に用いられる金属としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金(例えばジュラルミン)、鉄、鉄合金(例えば炭素鋼、ステンレス鋼)、銅、銅合金(例えば、真鍮、青銅)、金、銀、クロム、ニッケル、コバルト、スズ、チタンが挙げられる。また、金属の表面に、めっき処理が施されていてもよい。
基材層に用いられる非金属無機材料としては、例えば、セメント、ALC(軽量気泡コンクリート)、石膏、珪酸カルシウム、木片セメント等の非セラミック系窯業材料、陶磁器、土器、硝子、琺瑯等のセラミック系窯業材料、石灰岩(大理石を含む)、花崗岩、安山岩等の天然石が挙げられる。
基材層は、必要に応じて、難燃剤、無機質剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、着色剤、サイズ剤、定着剤等の添加剤を含有していてもよい。また、基材層は、例えば密着性向上を目的として、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、例えば、酸化法、凹凸化法が挙げられる。酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン-紫外線処理法が挙げられる。凹凸化法としては、例えば、サンドブラスト法、溶剤処理法が挙げられる。
基材層は、単層であってもよく、2層以上の積層体であってもよい。後者の場合、基材層は、構成材料の種類が同じ層を2層以上有していてもよく、構成材料の種類が異なる層を2層以上有していてもよい。また、基材層が2層以上の積層体である場合、そのうちの少なくとも1層が、上述した樹脂層であってもよい。基材層の形状としては、例えば、シート状が挙げられる。基材層の厚さは、特に限定されないが、例えば、10μm以上300μm以下である。基材層の坪量は、特に限定されないが、例えば、50g/m以上300g/m以下であり、60g/m以上160g/m以下であってもよい。
(2)フィルム層
化粧シートは、基材層および表面保護層の間に、フィルム層を有していてもよい。フィルム層を設けることで、化粧シートの強度が向上する。特に、化粧シートの用途が床用化粧シートである場合、化粧シートはフィルム層を有することが好ましい。床用化粧シートには高い強度が求められるからである。また、化粧シートが意匠層を有する場合、フィルム層は、意匠層と表面保護層との間に配置されていることが好ましい。フィルム層が意匠層を効果的に保護できるからである。
フィルム層は、透明であってもよく、半透明であってもよく、不透明であってもよい。また、フィルム層は、着色されていてもよく、着色されていなくてもよい。化粧シートが意匠層を有する場合、フィルム層は、意匠層を識別可能な透明性を有していることが好ましい。
フィルム層は、樹脂を含有する。上記樹脂としては、例えば、オレフィン系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、フッ素系樹脂が挙げられる。上記樹脂は、酸変性した樹脂であってもよい。オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、オレフィン共重合体が挙げられる。ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソプレンが挙げられ、中でも、ポリエチレンが好ましい。
オレフィン共重合体は、特に限定されないが、エチレンを含むエチレン共重合体が好ましい。エチレン共重合体としては、例えば、エチレン-α,β不飽和カルボン酸エステル共重合体が挙げられる。エチレン-α,β不飽和カルボン酸エステル共重合体としては、例えば、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)が挙げられる。
フィルム層の厚さは、例えば、3μm以上、25μm以下であり、5μm以上、20μm以下であってもよい。また、フィルム層の形成方法としては、例えば、Tダイ押出し等の押出機を用いた押出成膜が挙げられる。また、フィルム層を予め作製し、他の層と熱ラミネートしてもよい。また、必要に応じて、硬化処理を行ってもよい。
(3)発泡樹脂層
化粧シートは、基材層および表面保護層の間に、発泡樹脂層を有していてもよい。発泡樹脂層を設けることで、化粧シートの意匠性および質感が向上する。特に、化粧シートの用途が壁用化粧シート(壁紙)である場合、化粧シートは発泡樹脂層を有することが好ましい。一方、化粧シートは、発泡樹脂層を有していなくてもよい。また、本開示における化粧シートは、発泡樹脂層を形成する前のシートであってもよい。この場合、化粧シートは、後述する発泡剤含有樹脂層を有する。
発泡樹脂層は、樹脂を含有する。発泡樹脂層は、上記樹脂の硬化物を含有していてもよい。上記樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、塩化ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン系共重合体(ABS系樹脂)、アクリロニトリル-スチレン系共重合体、ナイロン、アセタール系樹脂、アクリル系樹脂、カーボネート系樹脂、エステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、ウレタン系樹脂が挙げられる。
発泡樹脂層は、樹脂として、オレフィン系樹脂を含有することが好ましい。オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、オレフィンビニルエステル共重合体、オレフィン不飽和カルボン酸共重合体、オレフィン不飽和カルボン酸エステル共重合体が挙げられる。
ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)が挙げられ、中でもPEが好ましい。PEとしては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が挙げられる。
オレフィンビニルエステル共重合体は、オレフィンおよびビニルエステルをモノマー成分として含む共重合体であり、二元または三元以上の共重合体であってもよい。上記オレフィンとしては、例えばエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセンが挙げられる。一方、上記ビニルエステルとしては、例えば酢酸ビニル、カプロン酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニルが挙げられる。
オレフィンビニルエステル共重合体の具体例としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-カプロン酸ビニル共重合体、エチレン-プロピオン酸ビニル共重合体、エチレン-カプリル酸ビニル共重合体、エチレン-ラウリル酸ビニル共重合体、エチレン-ステアリン酸ビニル共重合体が挙げられる。
オレフィン不飽和カルボン酸共重合体は、オレフィンおよび不飽和カルボン酸をモノマー成分として含む共重合体であり、二元または三元以上の共重合体であってもよい。上記オレフィンとしては、例えばエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセンが挙げられる。一方、上記不飽和カルボン酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸が挙げられる。
オレフィン不飽和カルボン酸共重合体の具体例としては、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)が挙げられる。
オレフィン不飽和カルボン酸エステル共重合体としては、例えば、エチレン-メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン-エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン-メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン-エチルメタクリレート共重合体(EEMA)が挙げられる。
発泡樹脂層は、無機充填剤を含有していてもよい。無機充填剤を添加することにより、難燃性が向上する。無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物、二酸化チタンが挙げられる。無機充填剤の含有量は、発泡樹脂層を構成する樹脂100質量部に対して、例えば、30質量部以上、150質量部以下であり、40質量部以上、100質量部以下であってもよい。無機充填剤の平均粒子径(D50)は、例えば、5μm以上、25μm以下であり、5μm以上、15μm以下であってもよい。
発泡樹脂層は、内部に気泡を有する。気泡は、独立気泡であってもよく、連続気泡であってもよい。また、発泡樹脂層において、独立気泡および連続気泡が混在していてもよい。気泡は、発泡剤含有樹脂層に含まれる発泡剤が発泡することにより形成され、その数、大きさ、密度、形状は、特に限定されない。
発泡樹脂層は、必要に応じて、顔料、酸化防止剤、光安定剤、架橋剤、架橋助剤、発泡助剤、防虫剤、防腐剤、抗菌剤、希釈剤、消臭剤、可塑剤等の添加剤を含有していてもよい。また、発泡樹脂層は、未発泡の発泡剤を含有していてもよい。発泡樹脂層の厚さは、例えば、350μm以上、1500μm以下であり、500μm以上、1200μm以下であってもよい。
発泡樹脂層の形成方法は、特に限定されないが、樹脂および発泡剤を含有する発泡剤含有樹脂層を加熱し、発泡させて、発泡樹脂層を形成する方法が挙げられる。発泡剤としては、例えば、有機系熱分解型発泡剤が挙げられる。有機系熱分解型発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド等のアゾ系発泡剤、オキシベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジド系発泡剤が挙げられる。発泡剤の他の具体例としては、重曹等の無機系発泡剤が挙げられる。また、発泡剤は、マイクロカプセル型発泡剤であってもよい。また、発泡剤含有樹脂層の形成方法としては、例えば、Tダイ押出し機等の押出し機を用いた押出成膜が挙げられる。
(4)非発泡樹脂層
化粧シートは、基材層および表面保護層の間に、非発泡樹脂層を有していてもよい。非発泡樹脂層は、発泡剤の発泡による気泡を含まない層である。化粧シートが発泡樹脂層を有する場合、非発泡樹脂層は、発泡樹脂層の基材層側の面に配置されていてもよく、発泡樹脂層の表面保護層側の面に配置されていてもよい。一方、化粧シートは、非発泡樹脂層を有しなくてもよい。
ここで、発泡樹脂層の基材層側の面に配置される非発泡樹脂層を、非発泡樹脂層Aと称する。非発泡樹脂層Aを設けることで、発泡樹脂層および基材層の密着性が向上する。非発泡樹脂層Aは、樹脂を含有し、上記樹脂の硬化物を含有していてもよい。非発泡樹脂層Aの詳細については、発泡剤を用いたことを除き、上記「(3)発泡樹脂層」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。非発泡樹脂層Aおよび発泡樹脂層は、同種の樹脂を含有していてもよく、異種の樹脂を含有していてもよい。非発泡樹脂層Aの厚さは、例えば、5μm以上、50μm以下である。
また、発泡樹脂層の表面保護層側の面に配置される非発泡樹脂層を、非発泡樹脂層Bと称する。非発泡樹脂層Bを設けることで、例えば、装飾層の意匠性が向上したり、発泡樹脂層の耐傷性が向上したりする。非発泡樹脂層Bは、樹脂を含有し、上記樹脂の硬化物を含有していてもよい。非発泡樹脂層Bの詳細については、発泡剤を用いたことを除き、上記「(3)発泡樹脂層」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。非発泡樹脂層Bおよび発泡樹脂層は、同種の樹脂を含有していてもよく、異種の樹脂を含有していてもよい。非発泡樹脂層Bの厚さは、例えば、5μm以上、10μm以下である。化粧シートは、非発泡樹脂層Aおよび非発泡樹脂層Bの両方を有していてもよい。
非発泡樹脂層の形成方法としては、例えば、Tダイ押出し機等の押出し機を用いた押出成膜が挙げられる。
(5)接着剤層
化粧シートは、接着剤層を有していてもよい。接着剤層の位置は、特に限定されない。また、化粧シートがフィルム層を有する場合、接着剤層は、基材層およびフィルム層の間に配置されていてもよい。また、化粧シートが意匠層を有する場合、接着剤層は、意匠層の基材層とは反対側の面に配置されていてもよい。また、基材層が2層以上の積層体である場合、基材層を構成する各層の間に接着剤層が配置されていてもよい。また、化粧シートは、基材層の表面保護層とは反対側の面に、接着剤層(裏面接着剤層)を有していてもよい。この場合、化粧シートは、接着剤層の基材層とは反対側の面に、剥離可能なセパレータ層を有していてもよい。
接着剤層は、樹脂を含有する。上記樹脂としては、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン-アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン-アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体(EMAA)、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化オレフィン系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体系樹脂、ビニルブチラール系樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂繊維素誘導体、ゴム系樹脂が挙げられる。
接着剤層の厚さは、例えば、0.1μm以上、10μm以下である。また、接着剤層の形成方法としては、例えば、樹脂および溶剤を含有する樹脂組成物を塗工し、その後、乾燥する方法が挙げられる。
(6)プライマー層
化粧シートは、表面保護層の基材層側の面に、プライマー層を有していてもよい。プライマー層を設けることで、基材層と表面保護層との密着性が向上し、例えば、紫外線に暴露した際の層間密着性の低下を抑制できる。また、プライマー層を設けることで、表面保護層の耐擦傷性が向上する。
プライマー層は、バインダー樹脂を少なくとも含有する。バインダー樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリルポリオール系樹脂、アクリル系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂、ブチラール系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン-アクリル共重合体、ポリカーボネート系ウレタン-アクリル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-アクリル共重合体、塩素化プロピレン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、酢酸セルロース系樹脂が挙げられる。プライマー層は、樹脂を1種のみ含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。
プライマー層は、バインダー樹脂の硬化物を含有していてもよい。硬化剤としては、例えば、イソシアネート系硬化剤、エポキシ系硬化剤が挙げられる。バインダー樹脂の硬化物は、特に、アクリルポリオール系樹脂等のポリオール系樹脂を、イソシアネート系硬化剤で架橋硬化した硬化物であることが好ましい。
プライマー層は、紫外線吸収剤および光安定剤の少なくとも一方をさらに含有していてもよい。紫外線吸収剤および光安定剤については、一般的なものを使用できる。プライマー層の厚さは、例えば、0.01μm以上、10μm以下であり、0.7μm以上、8μm以下であってもよく、1μm以上、6μm以下であってもよい。また、プライマー層の形成方法としては、例えば、バインダー樹脂および溶剤を含有する樹脂組成物を塗工し、その後、乾燥する方法が挙げられる。必要に応じて、硬化処理を行ってもよい。
(7)裏面層
化粧シートは、基材層の表面保護層側とは反対側の面に、裏面層を有していてもよい。裏面層としては、例えば、裏面接着剤層、セパレータ層が挙げられる。裏面接着剤層としては、上記「(5)接着剤層」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
(8)化粧シート
化粧シートは、基材層を基準として、表面保護層側の最表面に、エンボス模様を有していてもよい。中でも、表面保護層の基材層とは反対側の面に、エンボス模様が配置されていることが好ましい。エンボス模様としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝が挙げられる。
エンボス模様の形成方法としては、例えば、化粧シートを加熱し、エンボス版を押圧する方法が挙げられる。化粧シートの加熱温度は、例えば、80℃以上、260℃以下であり、85℃以上、200℃以下であってもよく、100℃以上、180℃以下であってもよい。
4.用途
本開示における化粧シートの用途は、特に限定されないが、例えば、建材が挙げられる。具体例としては、下記(1)~(5)が挙げられる。
(1)住宅、事務所、店舗、病院、診療所等の建築物の壁、床、天井等の内装部分の表面材
(2)住宅、事務所、店舗、病院、診療所等の建築物の外壁、屋根、軒天井、戸袋等の外装部分の表面材
(3)窓、窓枠、扉、扉枠等の建具の表面材
(4)手すり、腰壁、廻り縁、敷居、鴨井、笠木等の造作部材の表面材
(5)塀、門扉、物干台の柱、手すり等の屋外(外装)部分の表面材
B.化粧シートの製造方法
本開示においては、再生樹脂を準備する準備工程と、上記再生樹脂、バージン樹脂およびセルロースナノファイバーを溶融混錬して樹脂組成物を得る溶融混練工程と、上記樹脂組成物を用いて樹脂層を形成する樹脂層形成工程を有する、化粧シートの製造方法を提供する。
本開示によれば、再生樹脂およびバージン樹脂に加えて、セルロースナノファイバーを含有する樹脂組成物を用いることで、高い強度を有し、かつ、環境負荷を低減した樹脂層が得られる。その樹脂層を用いることで、高い強度を有し、かつ、環境負荷を低減した化粧シートが得られる。
1.準備工程
本開示における準備工程は、再生樹脂を準備する工程である。再生樹脂は、樹脂含有廃材を処理することで自ら準備してもよく、他者から購入することで準備してもよい。樹脂含有廃材から再生樹脂を得る方法については、上記「A.化粧シート」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
2.溶融混錬工程
本工程における溶融混練工程は、上記再生樹脂、バージン樹脂およびセルロースナノファイバーを溶融混錬して樹脂組成物を得る工程である。樹脂組成物は、必要に応じて添加剤を含有していてもよい。バージン樹脂、セルロースナノファイバーおよび添加剤については、上記「A.化粧シート」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
溶融混練工程においては、再生樹脂、バージン樹脂およびセルロースナノファイバーをそれぞれ準備し、溶融混錬して樹脂組成物を得る。また、ベース樹脂にセルロースナノファイバーを高濃度で含有するマスターバッチを準備し、次いで、適切な濃度となるように、マスターバッチと、バージン樹脂と、再生樹脂とを溶融混錬して樹脂組成物を得てもよい。この場合、マスターバッチのベース樹脂として、上記バージン樹脂を用いてもよい。
例えば、オレフィン系樹脂を含有する樹脂層を形成する場合、オレフィン系樹脂であるバージン樹脂および上記セルロースナノファイバーを含有するマスターバッチを準備し、次いで、適切な濃度となるように、マスターバッチ(セルロースナノファイバーおよびオレフィン系樹脂)、バージン樹脂(オレフィン系樹脂)、および、再生樹脂(オレフィン系樹脂)の量を調整し、これらを溶融混錬することにより、樹脂組成物を得ることができる。樹脂組成物は、酸変性樹脂を含んでいてもよい。
また、例えば、塩化ビニル系樹脂を含有する樹脂層を形成する場合、セルロースナノファイバー、バージン樹脂(塩化ビニル系樹脂)、および、再生樹脂(塩化ビニル系樹脂)の量を調整し、これらを溶融混錬することにより、樹脂組成物を得ることができる。樹脂組成物は、可塑剤を含んでいてもよい。
混練装置としては、例えば、単軸押出機、二軸押出機、二軸混練機、ニーダー、バンバリーミキサー、往復式混練機(BUSS KNEADER)、ロール混練機等の、公知の混練装置が挙げられる。溶融条件は、樹脂の溶融温度に応じて適宜設定される。
再生樹脂およびバージン樹脂の配合割合は、特に限定されない。再生樹脂およびバージン樹脂の合計を100質量部とした場合に、再生樹脂の割合は、例えば、10質量部以上、90質量部以下であり、20質量部以上、80質量部以下であってもよく、30質量部以上、70質量部以下であってもよく、40質量部以上、60質量部以下であってもよい。再生樹脂の配合量が少ないと、環境負荷低減効果やコストダウン効果が得られにくい。一方、バージン樹脂の配合量が少ないと、高い強度を得ることが困難となる場合がある。
3.樹脂層形成工程
本開示における樹脂層形成工程は、樹脂組成物を用いて樹脂層を形成する工程である。樹脂層を形成する方法としては、例えば、押出成形、カレンダー成形が挙げられる。これにより、シート状の樹脂層が得られる。
4.その他工程
本開示における化粧シートの製造方法は、表面保護層形成工程、意匠層形成工程、接着剤層形成工程、フィルム層形成工程、プライマー層形成工程、および裏面層形成工程のいずれか1以上の工程を含んでもよい。また、上述した各工程により得られる化粧シートについては、上述した「A.化粧シート」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
C.樹脂層
本開示においては、化粧シートに用いられる樹脂層であって、再生樹脂、バージン樹脂およびセルロースナノファイバーを含有する、樹脂層を提供する。
本開示によれば、再生樹脂およびバージン樹脂に加えて、セルロースナノファイバーを含有することから、高い強度を有し、かつ、環境負荷を低減した樹脂層となる。本開示における樹脂層は、通常、シート状である。そのため、樹脂層は、樹脂シートと称することもできる。本開示における樹脂層については、上述した「A.化粧シート」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
D.樹脂層の製造方法
本開示においては、化粧シートに用いられる樹脂層の製造方法であって、再生樹脂を準備する準備工程と、上記再生樹脂、バージン樹脂およびセルロースナノファイバーを溶融混錬して樹脂組成物を得る溶融混練工程と、上記樹脂組成物を用いて樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、を有する、樹脂層の製造方法を提供する。
本開示によれば、再生樹脂およびバージン樹脂に加えてセルロースナノファイバーを含有する樹脂組成物を用いることで、高い強度を有し、かつ、環境負荷を低減した樹脂層が得られる。準備工程、溶融混錬工程および樹脂層形成工程については、「B.化粧シートの製造方法」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
本開示は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態は例示であり、本開示における特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示における技術的範囲に包含される。
1 … 基材層
2 … 表面保護層
3 … 意匠層
4 … フィルム層
5 … 接着剤層
6 … プライマー層
7 … 裏面層
10 … 化粧シート

Claims (11)

  1. 再生樹脂、バージン樹脂およびセルロースナノファイバーを含有し、木材、竹、またはコルクの粉塵を含有しない樹脂層を有し、
    前記再生樹脂、およびバージン樹脂が、塩化ビニル系樹脂である、化粧シート。
  2. 前記化粧シートは、前記樹脂層の一方の面側に、表面保護層を有する、請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記化粧シートは、前記樹脂層の一方の面側に、意匠層を有する、請求項1または請求項2に記載の化粧シート。
  4. 前記セルロースナノファイバーが、疎水化処理が施されたセルロースナノファイバーを含む、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の化粧シート。
  5. 前記化粧シートは、基材層および表面保護層を、厚さ方向において、この順に有し、
    前記基材層が、前記樹脂層である、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の化粧シート。
  6. 前記化粧シートは、基材層、フィルム層および表面保護層を、厚さ方向において、この順に有し、
    前記基材層および前記フィルム層の少なくとも一方が、前記樹脂層である、請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の化粧シート。
  7. 前記化粧シートは、前記基材層および前記表面保護層の間に、発泡樹脂層を有する、請求項5または請求項6に記載の化粧シート。
  8. 前記化粧シートは、建材に用いられる、請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載の化粧シート。
  9. 化粧シートに用いられる樹脂層であって、
    再生樹脂、バージン樹脂およびセルロースナノファイバーを含有し、木材、竹、またはコルクの粉塵を含有せず、
    前記再生樹脂、およびバージン樹脂が、塩化ビニル系樹脂である、樹脂層。
  10. 再生樹脂を準備する準備工程と、
    前記再生樹脂、バージン樹脂およびセルロースナノファイバーを溶融混錬して樹脂組成物を得る溶融混練工程と、
    前記樹脂組成物を用いて樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、を有し、
    前記再生樹脂、および前記バージン樹脂が塩化ビニル系樹脂であり、
    前記樹脂層が、木材、竹、またはコルクの粉塵を含有しない、化粧シートの製造方法。
  11. 化粧シートに用いられる樹脂層の製造方法であって、
    再生樹脂を準備する準備工程と、
    前記再生樹脂、バージン樹脂およびセルロースナノファイバーを溶融混錬して樹脂組成物を得る溶融混練工程と、
    前記樹脂組成物を用いて樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、を有し、
    前記再生樹脂、および前記バージン樹脂が塩化ビニル系樹脂であり、
    前記樹脂層が、木材、竹、またはコルクの粉塵を含有しない、樹脂層の製造方法。
JP2022017025A 2022-02-07 2022-02-07 化粧シートおよびその製造方法、ならびに、樹脂層およびその製造方法 Active JP7322989B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022017025A JP7322989B1 (ja) 2022-02-07 2022-02-07 化粧シートおよびその製造方法、ならびに、樹脂層およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022017025A JP7322989B1 (ja) 2022-02-07 2022-02-07 化粧シートおよびその製造方法、ならびに、樹脂層およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP7322989B1 true JP7322989B1 (ja) 2023-08-08
JP2023114609A JP2023114609A (ja) 2023-08-18

Family

ID=87519445

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022017025A Active JP7322989B1 (ja) 2022-02-07 2022-02-07 化粧シートおよびその製造方法、ならびに、樹脂層およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7322989B1 (ja)

Citations (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002227381A (ja) 2000-11-30 2002-08-14 Takehiro Sangyo:Kk 床敷用化粧ブロック
JP2003034011A (ja) 2001-07-25 2003-02-04 Toppan Printing Co Ltd 床用化粧シート
US20150072102A1 (en) 2012-10-22 2015-03-12 Us Floors, Inc. Engineered Waterproof Flooring and Wall Covering Planks
JP2016188299A (ja) 2015-03-30 2016-11-04 花王株式会社 ポリ塩化ビニル樹脂組成物
WO2018012643A1 (ja) 2016-07-15 2018-01-18 スターライト工業株式会社 樹脂組成物およびその製造方法
JP2019173253A (ja) 2018-03-27 2019-10-10 株式会社富山環境整備 繊維材料の製造方法及び複合材料の製造方法並びに繊維材料及び複合材料
JP2019172752A (ja) 2018-03-27 2019-10-10 三菱製紙株式会社 ミクロフィブリル化セルロース含有ポリプロピレン樹脂複合体の製造方法
JP2020093406A (ja) 2018-12-10 2020-06-18 タキロンシーアイ株式会社 化粧シート
JP2020146997A (ja) 2019-03-15 2020-09-17 タキロンシーアイ株式会社 化粧シート
JP2020193266A (ja) 2019-05-28 2020-12-03 旭化成株式会社 樹脂成形体の製造方法
JP2021006604A (ja) 2019-06-28 2021-01-21 大王製紙株式会社 セルロース繊維複合再生樹脂及びその製造方法
JP2021025038A (ja) 2019-08-07 2021-02-22 三菱ケミカル株式会社 ポリエーテルポリカーボネートジオール及びその製造方法
JP2021187959A (ja) 2020-05-29 2021-12-13 株式会社Lixil 建具用ポリ塩化ビニル樹脂組成物及びその製造方法並びに建具
WO2022118792A1 (ja) 2020-12-01 2022-06-09 東亞合成株式会社 塩化ビニル樹脂組成物及びその製造方法、並びに成形体
CN114920507A (zh) 2022-06-20 2022-08-19 中南林业科技大学 一种强韧净醛地聚物基生态板及其制备方法

Patent Citations (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002227381A (ja) 2000-11-30 2002-08-14 Takehiro Sangyo:Kk 床敷用化粧ブロック
JP2003034011A (ja) 2001-07-25 2003-02-04 Toppan Printing Co Ltd 床用化粧シート
US20150072102A1 (en) 2012-10-22 2015-03-12 Us Floors, Inc. Engineered Waterproof Flooring and Wall Covering Planks
JP2016188299A (ja) 2015-03-30 2016-11-04 花王株式会社 ポリ塩化ビニル樹脂組成物
WO2018012643A1 (ja) 2016-07-15 2018-01-18 スターライト工業株式会社 樹脂組成物およびその製造方法
JP2019173253A (ja) 2018-03-27 2019-10-10 株式会社富山環境整備 繊維材料の製造方法及び複合材料の製造方法並びに繊維材料及び複合材料
JP2019172752A (ja) 2018-03-27 2019-10-10 三菱製紙株式会社 ミクロフィブリル化セルロース含有ポリプロピレン樹脂複合体の製造方法
JP2020093406A (ja) 2018-12-10 2020-06-18 タキロンシーアイ株式会社 化粧シート
JP2020146997A (ja) 2019-03-15 2020-09-17 タキロンシーアイ株式会社 化粧シート
JP2020193266A (ja) 2019-05-28 2020-12-03 旭化成株式会社 樹脂成形体の製造方法
JP2021006604A (ja) 2019-06-28 2021-01-21 大王製紙株式会社 セルロース繊維複合再生樹脂及びその製造方法
JP2021025038A (ja) 2019-08-07 2021-02-22 三菱ケミカル株式会社 ポリエーテルポリカーボネートジオール及びその製造方法
JP2021187959A (ja) 2020-05-29 2021-12-13 株式会社Lixil 建具用ポリ塩化ビニル樹脂組成物及びその製造方法並びに建具
WO2022118792A1 (ja) 2020-12-01 2022-06-09 東亞合成株式会社 塩化ビニル樹脂組成物及びその製造方法、並びに成形体
CN114920507A (zh) 2022-06-20 2022-08-19 中南林业科技大学 一种强韧净醛地聚物基生态板及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2023114609A (ja) 2023-08-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008075367A (ja) 床材及びその製造方法
JP6969704B2 (ja) 化粧シート及びこれを用いた化粧材、並びに表面保護層用樹脂組成物
JP5316528B2 (ja) 床材用化粧シート
JP7322989B1 (ja) 化粧シートおよびその製造方法、ならびに、樹脂層およびその製造方法
JP2013224024A (ja) 化粧シート
JPWO2020067469A1 (ja) 化粧シート及びこれを用いた化粧材
JP4273877B2 (ja) 床材
WO2020203956A1 (ja) 化粧シート、化粧材及び樹脂組成物
JP2006326897A (ja) 樹脂積層体
JP7095249B2 (ja) 化粧部材及びこれを用いた化粧材
JP4453660B2 (ja) 化粧材の製造方法
JP2005336382A (ja) 建材のための保護シートおよび建材の保護方法
JP2006219573A (ja) 木質樹脂成形体
JP2020055135A (ja) 化粧材
JP7275757B2 (ja) 化粧材
JP7491356B2 (ja) 化粧シートおよび化粧部材
WO2021049611A1 (ja) 化粧材及び化粧部材
JP4148006B2 (ja) 床材の補間部材
JP7491355B2 (ja) 化粧シートおよび化粧部材
WO2020203954A1 (ja) 化粧材及び該表面保護層形成用樹脂組成物
JP2023095019A (ja) 積層シート
JP2004306405A (ja) 木質樹脂発泡成形体及び化粧材
JP2012211401A (ja) 抗アレルゲン性壁紙
JP2010222777A (ja) 壁紙
JP2003155368A (ja) 木質樹脂発泡成形体及び化粧材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220524

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20220524

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220614

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20220809

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221206

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20230123

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230403

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230627

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230710

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7322989

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150