JP7322416B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は画像形成装置に関する。
特許文献1に従来の画像形成装置の一例が開示されている。この画像形成装置では、画像形成部によって一方の面に画像が形成されたシートが反転搬送路によって再び画像形成部に搬送され、他方の面にも画像が形成される。
反転搬送路には、搬送方向に直交する幅方向の一端側に1つの斜送ローラ及び基準ガイドが配置されており、斜送ローラよりも搬送方向の上流側には第2搬送ローラ対が配置され、斜送ローラよりも搬送方向の下流側には第2反転搬送ローラ対が配置されている。また、反転搬送路に搬送されるシートは、第2搬送ローラ対と第2反転搬送ローラ対との間において、1つの斜送ローラのみによって斜送されながら、基準ガイドに押し付けられて幅方向の位置が規制される。
特開2018-172215号公報
ところで、シートの両面に画像形成する処理の速度向上のため、同時に複数のシートを画像形成装置内で処理する場合がある。具体例としては、一方の面に画像が形成されたシートを反転搬送路の途中で待機させて、次のシートを画像形成部へ搬送させる場合がある。このような場合において、待機させようとするシートを1つの斜送ローラのみでニップした状態で停止させてしまうと、停止しようとするシートに作用する摩擦抵抗等により、シートが斜送ローラを回転中心として回転する可能性がある。これにより、シート先端部が基準ガイドから離れる方向に回転してしまう不具合が発生するおそれがある。
その結果、この画像形成装置では、反転搬送路においてシートを待機させるときに、シートが基準ガイドに倣うことができず、シートの幅方向の位置を適正に規制することが難しくなるという問題がある。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、再搬送部においてシートを待機させるときに、シートの幅方向の位置を適正に規制できる画像形成装置を開示することを目的とする。
本発明の画像形成装置は、シートに画像を形成する画像形成部と、画像形成部によって一方の面に画像が形成されたシートを再び画像形成部に搬送する再搬送部と、を備えた画像形成装置であって、再搬送部は、第1搬送ローラと、第1搬送ローラよりも搬送方向の下流側に設けられる第2搬送ローラと、第1搬送ローラよりも搬送方向の下流側かつ第2搬送ローラよりも搬送方向の上流側に設けられるとともに搬送方向に直交する幅方向の一端側に向けてシートを斜送する1つの斜送ローラであって、第1搬送ローラ及び第2搬送ローラから離間した状態にあるシートを単独で斜送可能な斜送ローラと、幅方向の一端側に配置されるとともに斜送ローラによって斜送されるシートの幅方向の位置を規制する基準ガイドと、を有し、再搬送部を制御するとともに、シートを再搬送部で待機させる待機動作を実行する制御部をさらに備え、制御部は、待機動作を実行するときに、斜送ローラと、第1搬送ローラ及び第2搬送ローラの一方と、の2つのローラにシートがニップされた状態で、斜送ローラと、第1搬送ローラ及び第2搬送ローラの一方と、の2つのローラを停止させることを特徴とする。
本発明の画像形成装置では、斜送ローラが第1搬送ローラと第2搬送ローラとの間にあるシートを単独で斜送し、シートを基準ガイドに倣わせることにより、シートの幅方向の位置を規制する。そして、シートが再搬送部で待機するときに、斜送ローラと、もう一つのローラ、すなわち第1搬送ローラ及び第2搬送ローラの一方、とによって、待機させようとするシートを2箇所でニップする状態でそれらのローラを停止させる。これにより、シートを待機させるときに、そのシートに摩擦抵抗や慣性力等が作用する場合でも、2箇所でニップされたシートの挙動を安定させることができる。その結果、そのシートが斜送ローラを回転中心として基準ガイドに倣わない方向に回転してしまう不具合を抑制できる。
したがって、本発明の画像形成装置では、再搬送部においてシートを待機させるときに、シートの幅方向の位置を適正に規制できる。さらに、この画像形成装置では、待機していたシートを再び搬送するときに、そのシートに摩擦抵抗や慣性力等が作用する場合も同様に、2箇所でニップされたシートの挙動を安定させることができる。
実施例の画像形成装置の模式断面図である。 装置本体と、カバー部材を取り除いた状態の再搬送ユニットと、上側梁部材及び対向部材を取り除いた状態の接続ユニットとを主に示す部分上面図である。 再搬送ユニットを引出し位置に移動させた状態の画像形成装置の模式断面図である 再搬送ユニットと、接続ユニットとを示す斜視図である。 カバー部材を取り除いた状態の再搬送ユニットと、上側梁部材及び対向部材を取り除いた状態の接続ユニットとを示す斜視図である。 位置決め凹部等に示す再搬送ユニットの部分斜視図である。 接続ユニットの断面図である。 シートに対する斜送ローラ及び基準ガイド等の作用を説明する模式上面図である。 待機動作によってシートを待機させた状態を示す画像形成装置の部分模式断面図である 変形例に係り、待機動作によってシートを待機させた状態を示す画像形成装置の部分模式断面図である
以下、本発明を具体化した実施例について図面を参照しつつ説明する。
(実施例)
図1に示すように、実施例の画像形成装置1は、本発明の画像形成装置の具体的態様の一例である。画像形成装置1は、電子写真方式により、シートSHに複数色の画像を形成するカラーレーザプリンタである。
図1では、紙面右側を装置の前側と規定し、紙面上側を装置の上側と規定して、前後方向及び上下方向を表示する。また、装置を前側から見た場合に左手に来る側、すなわち図1の紙面手前側を装置の左側と規定する。そして、図2以降の各図に示す前後方向、左右方向及び上下方向は、全て図1に対応させて表示する。以下、図1等に基づいて、画像形成装置1が備える各構成要素について説明する。
<装置本体、搬送経路、供給部、画像形成部及び排出部等の構成>
図1に示すように、画像形成装置1は、装置本体2、供給部20、画像形成部3及び排出部29を備えている。
装置本体2は、筐体と、筐体内に設けられた図示しない内部フレームとを含んで構成されている。図2に簡略して示す一対のサイドフレーム90L、90Rも、内部フレームである。一対のサイドフレーム90L、90Rは、装置本体2の左面側と左面側とに配置されている。一対のサイドフレーム90L、90Rは、左右方向において互いに対向し、それぞれ前後方向及び上下方向に延びている。
図1に示すように、装置本体2内には、シートトレイ収容部2Aが設けられている。シートトレイ収容部2Aは、装置本体2の前面の下部分に開口し、装置本体2の後面に向かって凹む内部空間である。
シートトレイ収容部2Aには、シートトレイ2Cが装着されている。シートトレイ2Cは、略水平方向に延びる略箱状体であり、上方が開放されている。シートトレイ2Cの内部には、画像が形成されるシートSHが積層状態で収容される。シートSHは、普通の用紙やOHPシート、厚紙等である。
装置本体2の上面には、排出トレイ2Tが設けられている。排出トレイ2Tには、画像が形成されたシートSHが排出される。
供給部20、画像形成部3及び排出部29は、装置本体2内において、シートトレイ収容部2A及びシートトレイ2Cよりも上方に設けられている。供給部20、画像形成部3及び排出部29は、図示しない内部フレームに組み付けられている。
図2に簡略して示すように、装置本体2内には、制御部C1及び駆動源M1が設けられている。制御部C1は、図示しないCPU、ROM、RAMを主とするマイクロコンピュータをして構成されている。ROMには、CPUが画像形成装置1の各種動作を制御するためのプログラムや、識別処理を実行するためのプログラムなどが格納されている。RAMはCPUが上記プログラムを実行する際に用いるデータや信号を一時的に記録する記憶領域、或いはデータ処理の作業領域として使用される。本実施例では、制御部C1及び駆動源M1は、装置本体2の左面と、左方のサイドフレーム90Lとの間に配置されている。供給部20、画像形成部3及び排出部29は、制御部C1に制御され、駆動源M1の駆動力が図示しない駆動力伝達部を経由して伝達されることにより作動する。
図1に示すように、装置本体2内は、搬送経路P1が設けられている。搬送経路P1は、シートトレイ2Cの前端部から上向きにU字形状に湾曲するように延びた後、後向きに略水平に延び、さらに、装置本体2の後面側において上向きにU字形状に湾曲するように延びて排出トレイ2Tに至る略S字状の経路である。
供給部20は、シートトレイ2Cに収容されたシートSHを供給ローラ21、分離ローラ22及び分離パッド22Aにより1枚ずつ搬送経路P1に送り出す。そして、供給部20は、搬送経路P1のUターンする部位に配設された搬送ローラ対23A、23B及びレジストローラ対24A、24Bにより、シートSHを画像形成部3に向けて搬送する。
搬送経路P1におけるレジストローラ対24A、24Bと画像形成部3との間には、センサ3Sが設けられている。センサ3Sは、例えば、シートSHに当接して揺動するアクチュエータの変位をフォトインタラプタ等の光学式センサ等により検出する周知のものが採用される。
レジストローラ対24A、24Bによって搬送されるシートSHをセンサ3Sが検知すると、その検知結果が制御部C1に伝達される。制御部C1は、その検知結果に基づいて、シートSHが画像形成部3に到達するタイミング等を判断し、上記の各構成要素の作動や停止のタイミングを制御する。
画像形成部3は、カラー印刷が可能な、いわゆるダイレクトタンデム方式のものである。画像形成部3は、周知の構成であるプロセスカートリッジ7、転写ベルト6、スキャナ部8及び定着器9等を有している。
プロセスカートリッジ7は、ブラック、イエロー、マゼンダ、シアンの4色のトナーに対応し、搬送経路P1の略水平部分に沿って直列する4つのカートリッジの集合体である。プロセスカートリッジ7は、各色のトナーにそれぞれ対応する4個の感光ドラム5や、図示しない現像ローラ、帯電器及びトナー収容部等を有している。
転写ベルト6は、各感光ドラム5に対して搬送経路P1の略水平部分を挟んで下側に位置している。転写ベルト6は、搬送されるシートSHを各感光ドラム5と共に挟持しながら循環する。
スキャナ部8は、レーザ光源、ポリゴンミラー、fθレンズ及び反射鏡等から構成されている。スキャナ部8は、上方からレーザビームをプロセスカートリッジ7内の各感光ドラム5に照射する。
定着器9は、プロセスカートリッジ7よりも後方に設けられている。定着器9は、搬送経路P1に対して上側に位置する加熱ローラ9Aと、搬送経路P1を挟んで下から加熱ローラ9Aに向けて押圧される加圧ローラ9Bとを有している。定着器9は、プロセスカートリッジ7の下方を通過したシートSHを加熱ローラ9Aと加圧ローラ9Bとにより加熱及び加圧する。
搬送経路P1における加熱ローラ9A及び加圧ローラ9Bよりも後方には、センサ9Sが設けられている。センサ9Sの構成は、センサ3Sと同様である。
定着器9を通過するシートSHをセンサ9Sが検知すると、その検知結果が制御部C1に伝達される。制御部C1は、その検知結果に基づいて、シートSHが画像形成部3を抜けるタイミング等を判断し、上記の各構成要素の作動や停止のタイミングを制御する。
排出部29は、排出ローラ29A、排出ピンチローラ29B及びフラッパ29Fを有している。排出ローラ29A及び排出ピンチローラ29Bは、搬送経路P1の最下流側に位置している。
フラッパ29Fは、装置本体2内における排出ローラ29A及び排出ピンチローラ29Bよりも後方かつ下方の位置に設けられている。フラッパ29Fは、その下端部が図示しないフレーム部材に揺動可能に支持されており、図1に実線で示す位置と、図1に二点鎖線で示す位置との間で揺動可能である。
フラッパ29Fは、図示しないバネによって、図1に二点鎖線で示す位置に保持されている。シートSHが搬送経路P1に沿って排出トレイ2Tに向かって搬送される場合、フラッパ29Fは、そのシートSHに押されて図1に実線で示す位置に揺動し、そのシートSHの搬送を妨げないようになっている。
画像形成部3は、以下のようにして、搬送経路P1に沿って搬送されるシートSHに画像を形成する。すなわち、各感光ドラム5の表面は、その回転に伴って、帯電器により一様に正帯電された後、スキャナ部8から照射されるレーザビームの高速走査により露光される。これにより、各感光ドラム5の表面には、シートSHに形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。次に、トナー収容部からトナーが静電潜像に対応して各感光ドラム5の表面に供給される。シートSHがシートトレイ2Cに収容されている状態では、シートSHの一方の面SH1は、下を向いている。そして、シートSHが搬送経路P1に沿って搬送されて画像形成部3を通過する際、シートSHの一方の面SH1は、上を向いて感光体ドラム5と対面する。このため、各感光ドラム5の表面上に担持されたトナーがシートSHの一方の面SH1に転写され、定着器9で加熱及び加圧される。その結果、トナーがシートSHに定着する。
定着器9を通過したシートSHは、排出部29の排出ローラ29A及び排出ピンチローラ29Bにニップされ、排出ローラ29Aが正回転することにより、排出トレイ2Tに排出される。
<再搬送経路及び再搬送部等の概略構成>
装置本体2内は、シートSHの一方の面SH1とは反対の面にも画像を形成するための再搬送経路P2が設けられている。再搬送経路P2は、排出部29から装置本体2の後面に沿って下向きに延びた後に向きを変え、シートトレイ2Cの下方で前向きに略水平に延び、装置本体2の前面側でさらに向きを変え、上向きに延びて搬送経路P1における分離ローラ22と搬送ローラ対23A、23Bとの間の位置に合流する経路である。
再搬送経路P2に沿って搬送されるシートSHの搬送方向を搬送方向D1とする。搬送方向D1は、下向きから前向きに略水平に進む方向に変わり、さらに、上向きに変わる。または、再搬送経路P2によって搬送されるシートSHの幅方向は、左右方向である。
排出部29は、搬送経路P1に沿って搬送されたシートSHを反転させて再搬送経路P2に送り出す反転機構を兼ねている。より詳しくは、排出ローラ29A及び排出ピンチローラ29BがシートSHを挟んで排出トレイ2Tに向けて排出する途中において、センサ9SがシートSHの後端縁を検知しなくなってから所定のタイミングで、制御部C1が排出ローラ29Aを正回転から逆回転に切り替える。所定のタイミングは、シートSHの後端縁がフラッパ29Fを通過して、フラッパ29Fが図1に二点鎖線で示す位置に揺動した後となるように設定されている。その結果、そのシートSHは、逆回転する排出ローラ29Aと、排出ピンチローラ29Bと、図1に二点鎖線で示す位置にあるフラッパ29Fとにより、再搬送経路P2に送り出される。
画像形成装置1は、再搬送部10を備えている。再搬送部10は、図1及び図3に示す反転ガイド61と、図1~図6及び図8に示す再搬送ユニット100と、図1~図5及び図8に示す接続ユニット200と、図1及び図3に示す戻しガイド69と、を有している。再搬送ユニット100は、本発明の「第1ユニット」の一例である。接続ユニット200は、本発明の「第2ユニット」の一例である。
再搬送部10は、排出部29によって反転されたシートSHを反転ガイド61、再搬送ユニット100、接続ユニット200及び戻しガイド69によって、再搬送経路P2に沿って搬送し、再び画像形成部3に戻す。そして、画像形成部3において、シートSHの一方の面SH1とは反対の面にも画像が形成された後、そのシートSHが排出トレイ2Tに排出される。再搬送部10の具体的構成を以下に詳しく説明する。
<反転ガイド及び第1搬送ローラ等の構成>
反転ガイド61は、再搬送経路P2における排出部29から装置本体2の後面に沿って下向きに延びる部分を規定している。反転ガイド61における搬送方向D1の中間部には、第1搬送ローラ11及びピンチローラ11Pが設けられている。
第1搬送ローラ11は、幅方向に対して平行な第1軸心X11周りに回転する直送ローラである。ピンチローラ11Pは、第1搬送ローラ11に向けて押圧されている。図2に示すように、第1搬送ローラ11及びピンチローラ11Pは、シートSHを幅方向においてニップする長さを大きく確保するように左右方向に長くなっている。
左方のサイドフレーム90Lには、第3伝達部G3が設けられている。第3伝達部G3は、簡略して示すが複数のギヤや伝達軸等を含んで構成されており、駆動源M1からの駆動力を第1搬送ローラ11に伝達する。なお、第3伝達部G3は、駆動源M1からの駆動力の伝達及び遮断を状況に応じて切り替え可能なクラッチを含んでいてもよい。
図1に示すように、第1搬送ローラ11及びピンチローラ11Pは、排出部29によって反転されたシートSHをニップして、再搬送ユニット100に向けて搬送する。
<戻しガイドの構成>
戻しガイド69は、シートトレイ2Cの前端部の内部に設けられている。戻しガイド69は、本発明の「第2湾曲部」の一例である。より詳しくは、シートトレイ2Cの前端部には、延出部2C1が形成されている。延出部2C1は、シートトレイ2Cの底面2C2よりも下向きに延出し、底壁2Dに接近している。
戻しガイド69の入口は、延出部2C1の後を向く面に開いている。戻しガイド69の出口は、シートトレイ2Cの前端部の上を向く面に開いている。戻しガイド69は、再搬送経路P2における装置本体2の前面側で前向きから上向きに向きを変え、上向きに延びて搬送経路P1に合流する部分を規定している。
第3再搬送経路P23は、戻しガイド69内においてシートが通過する搬送経路のことであり、戻しガイド69によって規定される再搬送経路P2における前向きから向きを変えて搬送経路P1に合流する部分である。第3再搬送経路P23における搬送方向D1の上流側端部は、延出部2C1に位置している。
<再搬送ユニット、斜送ローラ及び駆動ローラ等の構成>
再搬送ユニット100は、シートトレイ2Cよりも下方において水平方向に延びて配置されている。再搬送ユニット100は、再搬送経路P2における下向きから前向きに向きを変える湾曲部分と、前向きに略水平に延びる部分の一部とを規定している。再搬送ユニット100によって規定される再搬送経路P2の略水平に延びる部分の一部を第1再搬送経路P21とする。
再搬送ユニット100は、図1に示すように装置本体2に収容される収容位置と、図3に示すように収容位置から後方に引き出された引出し位置との間で移動可能である。本実施例では、再搬送ユニット100は、引出し位置においてその全体が装置本体2の外側に位置する状態となる。なお、図3においては画像形成装置1の下方に再搬送ユニット100が配置されているが、実際には再搬送ユニット100は、画像形成装置1の後側に水平方向に沿って引き出される。
再搬送経路P2においてシートSHの詰まりが発生した場合には、ユーザが再搬送ユニット100を収容位置から引出し位置に引き出すことで、その詰まったシートSHを取り除くことができる。
図4に示すように、再搬送ユニット100は、第1ガイド部材110及びカバー部材120を有している。図2及び図5に示す再搬送ユニット100は、カバー部材120を取り除いた状態である。
図2、図4及び図5に示すように、第1ガイド部材110の左右の側面には、ガイドリブ119L、119Rが形成されている。ガイドリブ119L、119は、第1ガイド部材110の左右の側面から幅方向の外側に突出し、かつ前後方向に延びている。
再搬送ユニット100のガイドリブ119L、119が図2に示す一対のサイドフレーム90L、90Rに形成された図示しないガイドレールに案内されることにより、再搬送ユニット100が図1に示す収容位置と、図3に示す引出し位置との間で円滑に移動するようになっている。図2に示す再搬送ユニット100も、収容位置にある状態である。
図1、図2及び図5に示すように、第1ガイド部材110の上面には、湾曲搬送面116G及び第1搬送面110Gが形成されている。湾曲搬送面116Gは、本発明の「第1湾曲部」の一例である。第1搬送面110Gと後述する第2搬送面210Gとは、本発明の「水平部」の一例である。
湾曲搬送面116Gは、第1ガイド部材110の後端側に位置し、再搬送経路P2における下向きから前向きに向きを変える湾曲部分を下から規定している。湾曲搬送面116Gは、複数のリブの先端縁によって形成される実質的な湾曲面である。
図2及び図5に示すように、湾曲搬送面116Gの左端側には、サイドシュート118が組み付けられている。サイドシュート118は、湾曲搬送面116Gに案内されるシートSHの左端縁を案内する。
第1搬送面110Gは、湾曲搬送面116Gにおける搬送方向D1の下流側の端部に接続し、第1ガイド部材110の前端まで略水平に延びている。第1搬送面110Gは、第1再搬送経路P21を下から規定している。第1搬送面110Gは、複数のリブの先端縁によって形成される実質的な平面である。
図2に示すように、第1搬送面110Gにおける幅方向の中央を通過して搬送方向D1に延びる仮想線を中心線LC1とする。第1搬送面110Gの左端縁側で中心線LC1と平行に延びる仮想線を左基準線LL1とする。第1搬送面110Gの右端縁側で中心線LC1と平行に延びる仮想線を右基準線LR1とする。
左基準線LL1と右基準線LR1との幅方向の距離は、第1搬送面110G上を搬送されるシートSHの幅方向の長さと等しく設定されている。中心線LC1と左基準線LL1との幅方向の距離と、中心線LC1と右基準線LR1との幅方向の距離とは、等しく設定されている。
つまり、第1搬送面110G上を搬送されるシートSHの左端縁を左基準線LL1と一致させることにより、そのシートSHの幅方向の中央を中心線LC1と一致させることができる。中心線LC1は、画像形成部3の幅方向の中央とも一致している。
図2及び図5に示すように、第1ガイド部材110の第1搬送面110Gにおける幅方向の一端側、すなわち左端側には、基準ガイド30が配置されている。基準ガイド30は、下壁31、基準壁32及び上壁33を有する略C字断面形状の板金部材である。基準ガイド30は、下壁31が第1搬送面110Gと面一となり、かつ基準壁32が左基準線LL1上に位置して搬送方向D1に添って延びる状態で、第1ガイド部材110に組み付けられている。
図8に示すように、基準ガイド30の基準壁32の後端側は、搬送方向D1の上流側に向かうにつれて左基準線LL1から左方にずれるように折れ曲がっている。サイドシュート118の側壁118Aの前端は、基準壁32の後端に右から隣接し、左基準線LL1に接している。側壁118Aは、搬送方向D1の上流側に向かうにつれて左基準線LL1から左方にずれるように傾斜している。なお、サイドシュート118の側壁118Aの前端に、円柱形状のピンを配置してもよい。
図4に示すように、カバー部材120は板金部材であり、第1ガイド部材110の第1搬送面110Gのほぼ全体を上から覆っている。カバー部材120の後端側かつ左端側には、斜送ローラ13Pが保持されている。
図2及び図5では、斜送ローラ13Pが図4と同じ位置に図示され、図1に示す駆動ローラ13が斜送ローラ13Pの下方に配置されて隠れている。図2に示すように、斜送ローラ13Pは、幅方向に対して傾斜する第1軸心X13P周りに回転可能である。第1軸心X13Pは、斜送ローラ13Pの右端が斜送ローラ13Pの左端よりも前方にずれるように傾斜している。
図1に示すように、第1ガイド部材110には、駆動ローラ13が回転可能に支持されている。駆動ローラ13は、第1再搬送経路P21を挟んで斜送ローラ13Pに下から当接している。
図5に示すように、駆動ローラ13の左右方向に延びる回転軸13Sは、その左端が第1ガイド部材110の左側面から突出している。回転軸13Sの左端には、平歯ギヤ13Gが固定されている。
図2に示すように、左方のサイドフレーム90Lには、第1伝達部G1が設けられている。第1伝達部G1は、簡略して示すが複数のギヤや伝達軸等を含んで構成されており、駆動源M1からの駆動力を平歯ギヤ13G、回転軸13S及び駆動ローラ13を経由して斜送ローラ13Pに伝達する。なお、第1伝達部G1は、駆動源M1からの駆動力の伝達及び遮断を状況に応じて切り替え可能なクラッチを含んでいてもよい。
図示は省略するが、第1伝達部G1は、平歯ギヤ13Gに前方から噛合する平歯ギヤを有している。そして、再搬送ユニット100が図1に示す収容位置から後向きに引き出されて図3に示す引出し位置に移動するときに、平歯ギヤ13Gがその平歯ギヤから離間する一方、再搬送ユニット100が引出し位置から前向きに押されて収容位置に移動するときに、平歯ギヤ13Gがその平歯ギヤと噛合するようになっている。
斜送ローラ13P及び駆動ローラ13は、第1搬送ローラ11及びピンチローラ11Pによって搬送されるシートSHを第1搬送面110G上でニップして、接続ユニット200に向けて搬送する。この際、駆動ローラ13によって従動回転する斜送ローラ13Pは、第1軸心X13Pの傾斜により、第1搬送面110G上のシートSHを基準ガイド30の基準壁32に向けて斜送する。
図6に示すように、再搬送ユニット100の第1ガイド部材110の前端面には、2つの位置決め凹部110Kが設けられている。各位置決め凹部110Kは、第1ガイド部材110の前端面から後向きに凹む略矩形穴であって、幅方向において互いに離間している。
また、第1ガイド部材110の前端面における幅方向の中央には、アクチュエータ押圧部110Jが前向きに突出するように形成されている。
<接続ユニット、第2搬送ローラ及びアクチュエータ等の構成>
図1に示すように、接続ユニット200は、シートトレイ2Cよりも下方において水平方向に延びて配置されている。また、接続ユニット200は、前後方向において、再搬送ユニット100、及びシートトレイ2Cの延出部2C1と並んで配置されている。
接続ユニット200は、再搬送経路P2における前向きに略水平に延びる部分を規定している。再搬送経路P2における前向きに略水平に延びる部分を第2再搬送経路P22とする。
第2再搬送経路P22は、第1再搬送経路P21における搬送方向D1の下流側端部及び第3再搬送経路P23における搬送方向D1の上流側端部に接続している。つまり、再搬送経路P2は、シートSHの搬送方向D1の順に、第1再搬送経路P21、第2再搬送経路P22、及び第3再搬送経路P23を有している。
再搬送経路P2における略水平に延びる部分が第1再搬送経路P21と第2再搬送経路P22とに分割されていることにより、図3に示すように、第1搬送面110Gの搬送方向D1の長さは、再搬送されるシートSHの搬送方向D1の長さよりもある程度短くなっている。
図2、図4、図5及び図7に示すように、接続ユニット200は、下側梁部材230、第2ガイド部材210、対向部材220及び上側梁部材240を含んでいる。下側梁部材230、第2ガイド部材210、対向部材220及び上側梁部材240は、図示しない複数の締結ネジによって互いに連結されている。
下側梁部材230は、接続ユニット200の最下部に配置されている。下側梁部材230は板金部材であり、左右方向に延びている。図2に示すように、下側梁部材230の左右の端部は、一対のサイドフレーム90L、90Rに連結されている。また、図5に示すように、下側梁部材230の左右の端部は、一対のサイドフレーム90L、90Rから上向きに突出するように設けられた位置決めピン90Pによって、位置決めされている。
図5及び図7に示すように、第2ガイド部材210は樹脂成形品であり、下側梁部材230によって下から支持されている。第2ガイド部材210の上面には、第2搬送面210Gが形成されている。第2搬送面210Gは、第2ガイド部材210の上面の後端から前端まで略水平に延びている。第2搬送面210Gは、第2再搬送経路P22を下から規定している。図2に示すように、中心線LC1は、第2搬送面210Gにおける幅方向の中央を通過している。
第2搬送面210Gと上述した第1搬送面110Gとは、本発明の「水平部」の一例である。図1に示すように、第1搬送面110G及び第2搬送面210Gは、搬送方向D1を略水平方向に維持したままで斜送ローラ13Pを通過して第2搬送ローラ12に至るようにシートSHを案内する。
図5及び図7に示すように、第2ガイド部材210には、2つの位置決め凸部210Kが設けられている。各位置決め凸部210Kは、第2ガイド部材210の後面から再搬送ユニット100の第1ガイド部材110に向かうように後向きに突出している。各位置決め凸部210Kは、第1ガイド部材110の各位置決め凹部110Kに整合する位置に配置され、幅方向において互いに離間している。
再搬送ユニット100が収容位置にある状態で、各位置決め凸部210Kが各位置決め凹部110Kに嵌入する。これにより、図2に示すように、再搬送ユニット100が接続ユニット200及び装置本体2に対して位置決めされる。
図7に示すように、対向部材220は樹脂成形品であり、第2ガイド部材210よりも上方に配置されている。対向部材220は、第2搬送面210Gに対して隙間を有して対向している。対向部材220の下面には、案内面220Gが形成されている。案内面220Gは、第2再搬送経路P22を上から規定している。
図4及び図7に示すように、上側梁部材240は、接続ユニット200の最上部に配置されている。上側梁部材240は板金部材であり、左右方向に延びている。上側梁部材240は、対向部材220を上から補強している。
図2、図5及び図7に示すように、接続ユニット200の第2ガイド部材210側には、2個の第2搬送ローラ12が設けられている。
各第2搬送ローラ12は、その上端側が第2搬送面210Gから露出する状態で、幅方向に対して平行な第2軸心X12周りに回転可能である。図2に示すように、各第2搬送ローラ12は、中心線LC1に対して左方と右方とに等距離で離間するように配置されている。
図7に示すように、接続ユニット200の対向部材220側には、2個のピンチローラ12Pが設けられている。各ピンチローラ12Pは、その下端側が案内面220Gから露出する状態で、対向部材220に保持されている。各ピンチローラ12Pは、上側梁部材240と対向部材220との間に配置された図示しない押圧部材によって、各第2搬送ローラ12に向けて押圧されている。
図5に示すように、各第2搬送ローラ12の左右方向に延びる回転軸12Sは、その左端が第2ガイド部材210の左側面から突出している。回転軸12Sの左端には、平歯ギヤ12Gが固定されている。
図2に示すように、左方のサイドフレーム90Lには、第2伝達部G2が設けられている。第2伝達部G2は、簡略して示すが複数のギヤや伝達軸等を含んで構成されており、駆動源M1からの駆動力を平歯ギヤ12G及び回転軸12Sを経由して各第2搬送ローラ12に伝達する。なお、第2伝達部G2は、駆動源M1からの駆動力の伝達及び遮断を状況に応じて切り替え可能なクラッチを含んでいてもよい。
各第2搬送ローラ12及び各ピンチローラ12Pは、斜送ローラ13P及び駆動ローラ13によって斜送されるシートSHを第2搬送面210G上でニップして、第3再搬送経路P23を規定する戻しガイド69に向けて搬送する。
図1に示すように、再搬送経路P2における第1搬送ローラ12から各第2搬送ローラ12までの経路長は、再搬送されるシートSHの搬送方向D1の長さより大きく設定されている。このため、斜送ローラ13P及び駆動ローラ13は、第1搬送ローラ11及び第2搬送ローラ12から離間した状態にあるシートSHを単独で斜送可能となっている。
図2、図5及び図7に示すように、接続ユニット200の第2ガイド部材210側には、第2搬送面210G上を通過するシートSHの有無を検知するアクチュエータ70が設けられている。アクチュエータ70は、第2搬送面210Gの後端側に配置されており、幅方向に対して平行な揺動軸心X70周りに揺動可能である。
図2に示すように、アクチュエータ70は、斜送ローラ13Pよりも搬送方向D1の下流側かつ第2搬送ローラ12よりも搬送方向D1の上流側に設けられている。また、アクチュエータ70は、中心線LC1上に配置されている。
図7に示すように、接続ユニット200の第2ガイド部材210側には、捩じりコイルバネ70Tが設けられている。捩じりコイルバネ70Tは、アクチュエータ70を搬送方向D1の上流側に付勢する付勢力を発揮する。
図2、図7及び図8に示すアクチュエータ70(70A)は、第2搬送面210Gから上向きに突出する第1待機位置にある状態を示している。図7に示すように、第1待機位置にあるアクチュエータ70(70A)の上端は、案内面220Gよりも上方に位置している。
図5及び図7に示すアクチュエータ70(70B)は、捩じりコイルバネ70Tの付勢力によって第1待機位置から搬送方向D1の上流側に揺動して第2待機位置に保持された状態を示している。
図7に示すアクチュエータ70(70C)は、第2搬送面210G上を通過するシートSHに押されて捩じりコイルバネ70Tの付勢力に抗して第1待機位置から搬送方向D1の下流側に倒れた通過位置にある状態を示している。通過位置にあるアクチュエータ70(70C)は、第2搬送面210Gの下方に退避してシートSHの通過を許容する。
図2に示すように、再搬送ユニット100が引出し位置から収容位置に移動することにより、第1ガイド部材110のアクチュエータ押圧部110Jがアクチュエータ70を前向きに押す。これにより、アクチュエータ70(70A)は、第1待機位置に保持される。
その一方、図5に示すように、再搬送ユニット100が収容位置から引出し位置に移動することにより、第1ガイド部材110のアクチュエータ押圧部110Jがアクチュエータ70に対して後方に離間し、アクチュエータ70が第1待機位置から搬送方向D1の上流側に揺動する。これにより、アクチュエータ70(70B)は、第2待機位置に保持される。
図2及び図5に示すように、アクチュエータ70の左右方向に延びる揺動軸70Sは、その左端が第2ガイド部材210の左側面から突出している。揺動軸70Sの左端には、被検知部70Qが形成されている。被検知部70Qは、揺動軸心X70の径外方向であって、アクチュエータ70が突出する方向と同じ方向に突出する板状片である。
図2に簡略して示すように、左方のサイドフレーム90Lにおける被検知部70Qに対応する位置には、フォトインタラプタ70Uが設けられている。フォトインタラプタ70Uは、発光部から受光部に至る光路が被検知部70Qによって遮断されることにより、アクチュエータ70が第1待機位置にあることを検知し、ON信号を制御部C1に伝達する。その一方、フォトインタラプタ70Uは、光路が被検知部70Qによって開放されることにより、アクチュエータ70が第1待機位置にないことを検知し、OFF信号を制御部C1に伝達する。
制御部C1は、駆動源M1が作動していない状態において、フォトインタラプタ70UからON信号を受信したときに、再搬送ユニット100が収容位置にあると判断する一方、フォトインタラプタ70UからOFF信号を受信したときに、再搬送ユニット100が収容位置にないと判断する。
また、制御部C1は、シートSHを再搬送するために駆動源M1が作動する状態において、フォトインタラプタ70UからON信号を受信したときに、アクチュエータ70が第1待機位置にあって第2搬送面210G上にシートSHが無いと判断する一方、フォトインタラプタ70UからOFF信号を受信したときに、アクチュエータ70が通過位置にあって第2搬送面210G上にシートSHが有ると判断する。
つまり、アクチュエータ70は、第2搬送面210G上のシートSHの有無の検知と、再搬送ユニット100の位置の検知とを兼ねている。
<再搬送されるシートに対する斜送ローラ及び基準ガイド等の作用>
図8に示すシートSH(SHa)は、直送ローラである第1搬送ローラ11と斜送ローラ13とにニップされた状態からさらに搬送方向D1に搬送され、シートSHの後端が第1搬送ローラ11から離間し、斜送ローラ13が単独で斜送し始めた状態を示している。なお、シートSHが単独で斜送されるとは、シートSHの後端が第1搬送ローラ11よりも搬送方向D1の下流側に位置し、シートSHの前端が第2搬送ローラ12よりも搬送方向D1の上流側に位置している状態において、シートSHが斜送ローラ13のみによって斜送されている状態のことである。また、図8に示すシートSH(SHa)は、一例として、幅方向の位置がずれており、中心線LC1に対して傾斜した状態を示している。
斜送ローラ13は、このようなシートSH(SHa)を基準ガイド30の基準壁32に向けて斜送する。これにより、シートSH(SHa)の左端縁は、左基準線LL1に対して傾斜した状態で、サイドシュート118の側壁118Aの前端に当接する。
そして、斜送ローラ13は、サイドシュート118の側壁118Aの前端を回転中心として、第1搬送面110G上のシートSH(SHa)を図8の時計方向に回転させる。その結果、図8に示すシートSH(SHb)のように、シートSH(SHb)の左端縁が基準ガイド30の基準壁32に倣う状態となる。
これにより、再搬送部10は、シートSH(SHb)の左端縁を左基準線LL1と一致させ、シートSH(SHb)の幅方向の中央を中心線LC1と一致させて、シートSHの幅方向の位置を適正に規制する。
さらに、斜送ローラ13が単独でシートSH(SHb)を搬送方向D1に搬送すると、シートSH(SHb)が第1待機位置にあるアクチュエータ70(70A)を押すので、アクチュエータ70が通過位置に揺動する。その結果、制御部C1は、第2搬送面210G上のシートSHが有ると判断し、各種のタイミング制御等に利用する。
そして、図8に示すシートSH(SHc)のように、斜送ローラ13と直送ローラである2個の第2搬送ローラ12とにニップされて姿勢が変化し難い状態となって、さらに第3再搬送経路P23に向けて搬送される。図9に示すシートSH(SHc)は、図8に示すシートSH(SHc)と同じ状態である。
<シートを再搬送部で待機させる待機動作の詳細>
画像形成装置1では、シートSHの両面に画像形成する処理の速度向上のため、同時に複数枚のシートSHを画像形成装置1内で処理する場合がある。具体例としては、一方の面SH1に画像が形成されたシートSHを再搬送経路P2の途中で待機させて、次のシートSHを画像形成部3へ搬送させる場合がある。
この場合において、制御部C1は、アクチュエータ70による第2搬送面210G上のシートSHの有無の検知を利用して再搬送部10を制御し、アクチュエータ70が通過位置に倒れたタイミングから所定時間経過した後に、シートSHを再搬送部10で待機させる待機動作を実行する。
ここで、本実施例では、制御部C1は、待機動作を実行するときに、第1伝達部G1及び第2伝達部G2を制御して、図8及び図9に示すシートSH(SHc)のように、斜送ローラ13Pと、第2搬送ローラ12と、の2つのローラにシートSHがニップされた状態で、斜送ローラ13Pと、第2搬送ローラ12と、の2つのローラを停止させる。その結果、待機させようとするシートSH(SHc)は、第1搬送面110G及び第2搬送面210G上において停止する。
そして、制御部C1は、所定の待機時間が経過した後、第1伝達部G1及び第2伝達部G2を制御して、斜送ローラ13Pと、第2搬送ローラ12と、の2つのローラを回転させ、待機させていたシートSH(SHc)を第3再搬送経路P23に向けて搬送する。
このような待機動作により、画像形成装置1は、同時に複数枚のシートSHを画像形成装置1内で処理する動作を好適に実施できる。
<作用効果>
実施例の画像形成装置1では、図8に示すシートSH(SHa、SHb)のように、斜送ローラ13Pが第1搬送ローラ11と第2搬送ローラ12との間にあるシートSHを単独で斜送し、シートSHを基準ガイド30に倣わせることにより、シートSHの幅方向の位置を規制する。
そして、図8及び図9に示すシートSH(SHc)のように、シートSHが再搬送部10で待機するときに、斜送ローラ13Pと、もう一つのローラ、すなわち第2搬送ローラ12、とによって、待機させようとするシートSH(SHc)を2箇所でニップする状態でそれらのローラを停止させる。
ここで、図8に示すように、シートSHを待機させるときに、そのシートSHに摩擦抵抗や慣性力等が作用する場合があり、主に摩擦抵抗から慣性力を引いた力F1が作用し易い。この力F1は、幅方向における基準ガイド30とは反対側の位置で搬送方向D1の上流側に向かって作用し易い。
この点、画像形成装置1では、待機させようとするシートSH(SHc)を斜送ローラ13Pと、第2搬送ローラ12、とによって、2箇所でニップすることにより、シートSHの挙動を安定させることができる。その結果、そのシートSHが斜送ローラ13Pを回転中心として基準ガイド30に倣わない方向に、すなわち図8の反時計方向に回転してしまう不具合を抑制できる。
したがって、実施例の画像形成装置1では、再搬送部10においてシートSHを待機させるときに、シートSHの幅方向の位置を適正に規制できる。
さらに、この画像形成装置1では、待機していたシートSHを再び搬送するときにも、そのシートSHに摩擦抵抗や慣性力等が作用する場合があり、主に摩擦抵抗と慣性力とを足した力F2が作用し易い。この力F2も、幅方向における基準ガイド30とは反対側の位置で搬送方向D1の上流側に向かって作用し易い。この場合も同様に、2箇所でニップされたシートSH(SHc)を第3再搬送経路P23に向けて搬送するときの挙動を安定させることができる。
また、この画像形成装置1では、図2に示すように、直送ローラである第1搬送ローラ11及び第2搬送ローラ12により、斜送ローラ13Pが単独でシートSHを斜送しない区間において、シートSHを真っ直ぐに搬送させることができる。
さらに、この画像形成装置1では、図8に示すシートSH(SHc)のように、制御部C1は、斜送ローラ13Pのみによって斜送されたシートSHが直送ローラである第2搬送ローラ12にニップされて挙動が安定した後で、そのシートSHに対して待機動作を行うので、待機させようとするシートSHの挙動をより安定させることができる。
また、この画像形成装置1では、図8に示すように、再搬送部10における斜送ローラ13Pよりも搬送方向D1の下流側、かつ第2搬送ローラ12よりも搬送方向D1の上流側に設けられたアクチュエータ70がシートSHに当接することによって、アクチュエータ70からシートSHに反力が作用し、シートSHの挙動を不安定にすることが考えられる。この点、制御部C1が待機動作を上記のように行うことにより、シートSHの挙動に対するアクチュエータ70の影響を抑制できる。
さらに、この画像形成装置1では、図9に示すように、第1搬送面110G及び第2搬送面210G上で平坦な状態となっているシートSHに作用する摩擦抵抗は、湾曲搬送面116G又は戻しガイド69で湾曲した状態となっているシートSHに作用する摩擦抵抗と比較して小さい。このため、制御部C1が待機動作を行うときに、シートSHを第1搬送面110G及び第2搬送面210G上において停止させることにより、図8に示す力F1、F2を小さくし易いので、そのシートSHの挙動をより安定させることができる。
また、この画像形成装置1では、図3に示すように、再搬送ユニット100を引出し位置に移動させることにより、再搬送部10に詰まったシートSHの除去作業等を容易に実施できる。
さらに、この画像形成装置1では、再搬送ユニット100を引出し位置に移動させても、アクチュエータ70は装置本体2内に残るので、アクチュエータ70の破損を抑制できる。また、再搬送ユニット100の収容位置と引出し位置との間でも移動にかかわらず、図2に示すように、接続ユニット200に設けられたアクチュエータ70の被検知部70Qと、装置本体2に設けられたフォトインタラプタ70Uとの位置関係を一定に維持できるので、シートSHの有無を精度良く検知できる。
<変形例>
図10に示す変形例のように、制御部C1は、待機動作を実行するときに、第1搬送ローラ11と斜送ローラ13PとにシートSH(SHd)がニップされた状態で、第1搬送ローラ11と斜送ローラ13Pとを停止させてもよい。この場合も、実施例の画像形成装置1と同様に、待機させようとするシートSH(SHd)が斜送ローラ13Pを回転中心として基準ガイド30に倣わない方向に回転してしまう不具合を抑制できる。その結果、変形例においても、再搬送部10においてシートSHを待機させるときに、シートSHの幅方向の位置を適正に規制できる。
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
本発明は例えば、画像形成装置又は複合機等に利用可能である。
1…画像形成装置、SH…シート、3…画像形成部
SH1…シートの一方の面、10…再搬送部、11…第1搬送ローラ
D1…搬送方向、12…第2搬送ローラ
13P…斜送ローラ、30…基準ガイド、C1…制御部
X11…第1軸心、X12…第2軸心、70…アクチュエータ
2C…シートトレイ、116G…第1湾曲部(湾曲搬送面)
110G、210G…水平部(110G…第1搬送面、210G…第2搬送面)
69…第2湾曲部(戻しガイド)、2…装置本体
100…第1ユニット(再搬送ユニット)
200…第2ユニット(接続ユニット)

Claims (5)

  1. シートに画像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部によって一方の面に画像が形成されたシートを再び前記画像形成部に搬送する再搬送部と、
    を備えた画像形成装置であって、
    前記再搬送部は、
    第1搬送ローラと、
    前記第1搬送ローラよりも搬送方向の下流側に設けられる第2搬送ローラと、
    前記第1搬送ローラよりも前記搬送方向の下流側かつ前記第2搬送ローラよりも前記搬送方向の上流側に設けられるとともに前記搬送方向に直交する幅方向の一端側に向けてシートを斜送する1つの斜送ローラであって、前記第1搬送ローラ及び前記第2搬送ローラから離間した状態にあるシートを単独で斜送可能な前記斜送ローラと、
    前記幅方向の前記一端側に配置されるとともに前記斜送ローラによって斜送されるシートの前記幅方向の位置を規制する基準ガイドと、
    前記斜送ローラよりも前記搬送方向の下流側、かつ前記第2搬送ローラよりも前記搬送方向の上流側に設けられ、シートと当接可能であり、シートの有無を検知するアクチュエータと、
    を有し、
    前記再搬送部を制御するとともに、シートを前記再搬送部で待機させる待機動作を実行する制御部をさらに備え、
    前記制御部は、前記待機動作を実行するときに、前記アクチュエータでシートの先端を検知してから前記第2搬送ローラのニップ位置をシートの先端が通過するまでシートを搬送し、前記斜送ローラと前記第2搬送ローラとにシートがニップされた状態で、前記斜送ローラと前記第2搬送ローラとを停止させることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第1搬送ローラは、前記幅方向に対して平行な第1軸心周りに回転する直送ローラであり、
    前記第2搬送ローラは、前記幅方向に対して平行な第2軸心周りに回転する直送ローラである請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記画像形成部よりも下方に設けられ、前記画像形成部に供給されるシートを収容するシートトレイを備え、
    前記再搬送部は、
    前記斜送ローラよりも前記搬送方向の上流側に配置され、前記搬送方向を下向きから略水平方向に変更するように湾曲してシートを案内する第1湾曲部と、
    前記シートトレイよりも下方の位置で前記第1湾曲部における前記搬送方向の下流側の端部に接続され、前記搬送方向を略水平方向に維持したままで前記斜送ローラを通過して前記第2搬送ローラに至るようにシートを案内する水平部と、
    前記水平部における前記搬送方向の下流側の端部に接続され、前記搬送方向を略水平方向から上向きに変更するように湾曲してシートを案内する第2湾曲部と、
    を有し、
    前記制御部は、前記待機動作を実行するときに、待機させようとするシートを前記水平部において停止させる請求項1又は2記載の画像形成装置。
  4. 前記画像形成部、前記再搬送部及び前記シートトレイを収容する装置本体を備え、
    前記再搬送部は、
    前記斜送ローラと、前記水平部の一部とを含み、前記装置本体内に収容される収容位置と、前記収容位置から引き出された引出し位置との間で移動可能な第1ユニットと、
    前記第2搬送ローラと、前記水平部の他部とを含む第2ユニットと、
    を有している請求項記載の画像形成装置。
  5. 前記第2ユニットは、前記アクチュエータを含んでいる請求項記載の画像形成装置。
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