JP7319567B2 - 信号処理装置、信号処理方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、信号処理装置、信号処理方法及びプログラムに関する。
光ファイバ(伝送路)を伝送された光信号における偏波及び偏波モード分散の状態は、光ファイバの温度及び振動等の条件に応じて変動する。このため、デジタルコヒーレント光伝送(digital coherent optical transmission)では、受信側の信号処理装置に備えられた適応等化器が、偏波の分離と偏波モード分散(Polarization Mode Dispersion : PMD)の補償とを、光ファイバを伝送された光信号に対して実行する。
また、L0ノルムの制約を有するLMS(Least Mean Squared)アルゴリズムが、スパース(sparse)な特性の推定に適したアルゴリズムとして提案されている(特許文献1参照)。
Yuantao Gu, Jian Jin, and Shunliang Mei,"l0 Norm Constraint LMS Algorithm for Sparse System Identification", IEEE Signal Processing Letters, 16(9):774-777, 2009
信号処理装置の小型化及び集積化の観点から、デジタルコヒーレント光伝送に必須の素子であるDSP(Digital Signal Processor)の消費電力の低減が求められている。DSPでは、DSP全体の消費電力の約2割を適応等化器の消費電力が占める場合がある。ここで、適応等化器に備えられる適応フィルタのタップの個数が少ないほど、適応等化器の消費電力は低減される。
しかしながら、適応等化器に備えられた適応フィルタのタップの個数が少ない場合、信号処理装置が偏波モード分散を補償する性能は低下してしまう。このように、適応等化処理の消費電力が低減された場合には、偏波モード分散を補償する性能を信号処理装置が維持することができないという問題がある。
上記事情に鑑み、本発明は、適応等化処理の消費電力が低減されても、光信号に生じた偏波モード分散を補償する性能を維持することが可能である信号処理装置、信号処理方法及びプログラムを提供することを目的としている。
本発明の一態様は、光信号の伝送路に関する特性を、L0ノルムが所定値以下である第1のタップ係数ベクトルで近似する係数更新部と、前記第1のタップ係数ベクトルの各タップ係数のうちで、絶対値が閾値未満であるタップ係数を0に置き換えることによって、第2のタップ係数ベクトルを生成するゼロ化部と、前記伝送路を経由して受信された光信号に応じたデジタル信号に対して、前記第2のタップ係数ベクトルに基づいて適応等化処理を実行する適応フィルタとを備える信号処理装置である。
本発明により、適応等化処理の消費電力が低減されても、光信号に生じた偏波モード分散を補償する性能を維持することが可能である。
実施形態における、信号処理装置の構成例を示す図である。 実施形態における、適応等化器の構成例を示す図である。 実施形態における、適応フィルタの構成例を示す図である。 実施形態における、コスト関数のL0ノルム項と、導関数との例を示す図である。 実施形態における、信号処理装置の動作例を示すフローチャートである。 実施形態における、シミュレーション装置の構成例を示す図である。 実施形態における、L0ノルムが制約された場合のシミュレーション結果の例を示す図である。 実施形態における、L0ノルムが制約されない場合のシミュレーション結果の例を示す図である。
本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、信号処理装置1の構成例を示す図である。信号処理装置1は、デジタルコヒーレント光伝送における信号処理を実行する装置である。信号処理装置1は、例えば、適応フィルタのタップ係数ベクトルに関するL0ノルムの制約を有するLMSアルゴリズム等を利用して、消費電力が低減された適応等化処理を実行する。信号処理装置1は、適応等化処理の消費電力が低減されても、光信号に生じた偏波モード分散を補償する性能を維持する。
信号処理装置1は、送信処理部2と、符号化部3と、マッピング部4と、送信波形等化部5と、波長分散補償部6と、適応等化器7(Adaptive EQualizer : AEQ)と、誤り訂正部8と、受信処理部9とを備える。
信号処理装置1の一部又は全部は、DSP、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサが、不揮発性の記録媒体(非一時的な記録媒体)である記憶装置からメモリ10に展開されたプログラムを実行することにより、ソフトウェアとして実現される。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置などの非一時的な記録媒体である。プログラムは、電気通信回線を経由して送信されてもよい。
信号処理装置1の一部又は全部は、例えば、LSI(Large Scale Integration circuit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等を用いた電子回路(electronic circuit又はcircuitry)を含むハードウェアを用いて実現されてもよい。
送信処理部2と符号化部3とマッピング部4と送信波形等化部5とは、デジタルコヒーレント光伝送における送信側の処理を実行する。送信処理部2は、送信対象のビット列を生成する。符号化部3は、送信対象のビット列に対して、FEC(forward error correction : 前方誤り訂正)符号化処理を実行する。符号化部3は、得られた送信信号をマッピング部4に出力する。マッピング部4は、符号化部3から出力された送信信号を、シンボルにマッピングする。送信波形等化部5は、シンボルにマッピングされた送信信号の波形の歪みを補償する。送信波形等化部5は、波形の歪みが補償された光信号を、光ファイバを経由して所定の通信装置に送信する。所定の通信装置は、信号処理装置1を備えていてもよい。
波長分散補償部6と適応等化器7と誤り訂正部8と受信処理部9とは、デジタルコヒーレント光伝送における受信側の処理を実行する。波長分散補償部6は、伝送路を伝送された光信号を取得し、取得された光信号に応じたデジタル信号を生成する。すなわち、波長分散補償部6は、受信された光信号のX偏波に応じたデジタル信号「xi」及び「xq」と、受信された光信号のY偏波に応じたデジタル信号「yi」及び「yq」とを取得する。
波長分散補償部6は、光ファイバ(伝送路)において光信号の波形に生じた波長分散を補償する処理を、受信された光信号に応じたデジタル信号に対して実行する。波長分散補償部6は、波長分散が補償された光信号のX偏波に応じたデジタル信号と、波長分散が補償された光信号のY偏波に応じたデジタル信号とを、適応等化器7に出力する。
以下では、数式において文字の上に付されている記号は、その文字の直前に記載される。例えば、数式において文字「x」の上に付されている記号「^」は、「^x」のように文字「x」の直前に記載される。
適応等化器7は、X偏波に応じたデジタル信号と、Y偏波に応じたデジタル信号とに対して、適応フィルタの複数のタップに対して設定されたタップ係数ベクトルに応じて適応等化処理を実行する。適応等化器7は、適応等化処理が実行されたX偏波に応じたデジタル信号「^x」と、適応等化処理が実行されたY偏波に応じたデジタル信号「^y」とを、誤り訂正部8に出力する。
誤り訂正部8は、適応等化処理が実行されたX偏波に応じたデジタル信号「^x」と、適応等化処理が実行されたY偏波に応じたデジタル信号「^y」とを、適応等化器7から取得する。誤り訂正部8は、光ファイバにおいて符号間干渉(シンボル間干渉)によって光信号に生じた符号誤りを、適応等化処理が実行されたデジタル信号において訂正する。誤り訂正部8は、符号誤りが訂正されたデジタル信号を、受信処理部9に出力する。受信処理部9は、符号誤りが訂正されたデジタル信号に対して、所定の受信処理を実行する。
次に、適応等化器7の詳細を説明する。
図2は、適応等化器7の構成例を示す図である。一般的に、適応等化器は、4個の複素フィルタ、又は、8個の実数フィルタを備える。図2では、適応等化器7は、係数更新部70-1~70-2と、ゼロ化部71-1~71-2と、適応フィルタ72-1~72-4(4個の複素フィルタ)と、加算部73-1~73-2とを備える。係数更新部70-1は、ゼロ化部71-1を備えてもよい。係数更新部70-2は、ゼロ化部71-2を備えてもよい。
適応等化器7は、偏波回転及び偏波モード分散に起因して「xi」、「xq」、「yi」及び「yq」の各デジタル信号のレーンに周波数特性を持って分配された信号成分を、適応フィルタ72-1~72-4を用いて復元する。
以下、係数更新部70-1~70-2に共通する事項については、符号の一部を省略して「係数更新部70」と表記する。ゼロ化部71-1~71-2に共通する事項については、符号の一部を省略して「ゼロ化部71」と表記する。適応フィルタ72-1~72-4に共通する事項については、符号の一部を省略して「適応フィルタ72」と表記する。加算部73-1~73-2に共通する事項については、符号の一部を省略して「加算部73」と表記する。
係数更新部70は、光信号の伝送路に関する特性を近似するスパースなモデルを導出する。すなわち、係数更新部70は、光信号の伝送路に関する特性を近似するスパースなタップ係数ベクトルを導出する。伝送路に関する特性は、スパースでない特性でもよい。スパースでない特性とは、例えば、光信号の偏波モード分散の特性である。
係数更新部70-1は、波長分散が補償された光信号のX偏波に応じたデジタル信号と、波長分散が補償された光信号のY偏波に応じたデジタル信号とを、波長分散補償部6から取得する。係数更新部70-1は、適応等化処理が実行されたX偏波に応じたデジタル信号「^x」を、加算部73-1から取得する。
係数更新部70-1は、適応フィルタ72-1に備えられた各タップのタップ係数として、スパースなタップ係数ベクトルを導出する。適応フィルタ72-2についても同様である。係数更新部70-1は、導出されたタップ係数ベクトルを、ゼロ化部71-1に出力する。
係数更新部70-2は、波長分散が補償された光信号のX偏波に応じたデジタル信号と、波長分散が補償された光信号のY偏波に応じたデジタル信号とを、波長分散補償部6から取得する。係数更新部70-2は、適応等化処理が実行されたY偏波に応じたデジタル信号「^y」を、加算部73-2から取得する。
係数更新部70-2は、適応フィルタ72-3に備えられた各タップのタップ係数として、スパースなタップ係数ベクトルを導出する。適応フィルタ72-4についても同様である。係数更新部70-2は、導出されたタップ係数ベクトルを、ゼロ化部71-2に出力する。
ゼロ化部71は、タップ係数ベクトルの要素(タップ係数)の絶対値が閾値以上であるか否かを、タップ係数ベクトルの要素ごとに判定する。
ゼロ化部71-1は、タップ係数ベクトルにおいて絶対値が閾値未満であるタップ係数が含まれていない場合、係数更新部70-1によって導出されたタップ係数ベクトルを、適応フィルタ72-1に出力する。ゼロ化部71-1は、タップ係数ベクトルにおいて絶対値が閾値未満であるタップ係数が含まれている場合、タップ係数ベクトルにおいて絶対値が閾値未満であるタップ係数の値を0に更新し、更新されたタップ係数ベクトルを適応フィルタ72-1に設定する。適応フィルタ72-2に対しても同様である。
ゼロ化部71-2は、タップ係数ベクトルにおいて絶対値が閾値未満であるタップ係数が含まれていない場合、係数更新部70-2によって導出されたタップ係数ベクトルを、適応フィルタ72-3に出力する。ゼロ化部71-2は、タップ係数ベクトルにおいて絶対値が閾値未満であるタップ係数が含まれている場合、タップ係数ベクトルにおいて絶対値が閾値未満であるタップ係数の値を0に更新し、更新されたタップ係数ベクトルを適応フィルタ72-3に設定する。適応フィルタ72-4に対しても同様である。
適応フィルタ72は、有限インパルス応答(Finite Impulse Response : FIR)フィルタを用いて構成される。適応フィルタ72の各タップには、ゼロ化部71から出力されたタップ係数ベクトルに基づいて、タップ係数が設定される。
適応フィルタ72-1は、X偏波に応じたデジタル信号「x」に対して、適応等化処理を実行する。適応フィルタ72-1は、X偏波に応じたデジタル信号「x」に対する適応等化処理の結果を、加算部73-1に出力する。適応フィルタ72-2は、Y偏波に応じたデジタル信号「y」に対して、適応等化処理を実行する。適応フィルタ72-2は、Y偏波に応じたデジタル信号「y」に対する適応等化処理の結果を、加算部73-1に出力する。
適応フィルタ72-3は、Y偏波に応じたデジタル信号「y」に対して、適応等化処理を実行する。適応フィルタ72-3は、Y偏波に応じたデジタル信号「y」に対する適応等化処理の結果を、加算部73-2に出力する。適応フィルタ72-4は、X偏波に応じたデジタル信号「x」に対して、適応等化処理を実行する。適応フィルタ72-4は、X偏波に応じたデジタル信号「x」に対する適応等化処理の結果を、加算部73-2に出力する。
加算部73-1は、適応フィルタ72-1におけるデジタル信号「x」に対する適応等化処理の結果と、適応フィルタ72-2におけるデジタル信号「y」に対する適応等化処理の結果との加算結果を、X偏波に応じたデジタル信号の推定結果「^x」として、誤り訂正部8に出力する。
加算部73-2は、適応フィルタ72-3におけるデジタル信号「y」に対する適応等化処理の結果と、適応フィルタ72-4におけるデジタル信号「x」に対する適応等化処理の結果との加算結果を、Y偏波に応じたデジタル信号の推定結果「^y」として、誤り訂正部8に出力する。
図3は、適応フィルタ72の構成例を示す図である。適応フィルタ72は、遅延部720-1~720-(N-1)と、乗算部721-1~721-Nと、加算部722-1~722-(N-1)とを備える。ここで、「N」は2以上の整数である。
遅延部720は、適応フィルタ72に入力された信号を遅延させる。乗算部721は、遅延部720の出力に対して、タップ係数を複素乗算する。加算部722は、乗算部721の出力と前段の加算部722の出力とを複素加算する。
FIRフィルタの長さ(実際に使用されるタップの個数)が長くなるほど、適応フィルタ72の消費電力は高くなる。偏波モード分散を補償する性能を向上させるためには、FIRフィルタの長さを長くする必要がある。偏波モード分散に起因して生じる偏波間の最大遅延(DGD: differential group delay)よりも長いFIRフィルタが必要である。すなわち、FIRフィルタの長さが式(1)を満たす必要がある。
Figure 0007319567000001
ここで、「Ltap」は、FIRフィルタの長さ(タップの個数)を表す。「ΔT」は、サンプリング周期を表す。「τDGD」は、偏波間の最大遅延を表す。適応等化器7が4個の適応フィルタ72(複素FIRフィルタ)を備えている場合、「4×Ltap」回の複素乗算と、「4×(Ltap-1)」回の複素加算とが必要になる。
[適応等化処理の概要]
係数更新部70は、光信号の伝送路に関する特性を、スパースなタップ係数ベクトルで近似する。タップ係数ベクトルがスパースであるか否か(L0ノルムが制約を満たすか否か)は、例えば、タップ係数ベクトルのL0ノルム(0以外である要素の個数)が所定値以下であるか否かに基づいて定められる。
係数更新部70は、タップ係数ベクトルのL0ノルムが所定値以下であるという制約を有する最適化アルゴリズム(最急降下法のアルゴリズム)を用いて、光信号の伝送路に関する特性を、スパースなタップ係数ベクトルで近似する。最急降下法のアルゴリズム(最適化アルゴリズム)として、L0ノルムの制約を有するLMSアルゴリズム、L0ノルムの制約を有するRLS(Recursive Least Square)アルゴリズム、又は、L0ノルムの制約を有する定包絡線(Constant Modulus Algorithm : CMA)アルゴリズムが用いられる。
係数更新部70は、第1のタップ係数ベクトルを生成する。第1のタップ係数ベクトルは、再帰的な最適化の過程が実行されるためのタップ係数ベクトルである。
ゼロ化部71は、第1のタップ係数ベクトルに基づいて、第2のタップ係数ベクトルを生成する。ゼロ化部71は、第1のタップ係数ベクトルにおいて、絶対値が閾値未満である要素(タップ係数)が存在しない場合、第1のタップ係数ベクトルを第2のタップ係数ベクトルとする。
ゼロ化部71は、第1のタップ係数ベクトルにおいて、絶対値が閾値未満である要素(タップ係数)が存在する場合、絶対値が閾値未満である要素を0に置き換える。ゼロ化部71は、絶対値が閾値未満であった要素が0に置き換えられた第1のタップ係数ベクトルを、第2のタップ係数ベクトルとする。すなわち、ゼロ化部71は、第1のタップ係数ベクトルにおける絶対値が閾値未満の要素を0に変更した結果を、第2のタップ係数ベクトルとする。
ゼロ化部71は、第2のタップ係数ベクトルを、適応フィルタ72に設定する。第2のタップ係数ベクトルは、適応フィルタ72において主信号の等化に使用される。
係数更新部70又はゼロ化部71は、タップ係数ベクトルのL0ノルム(0以外である要素の個数)を導出する。係数更新部70又はゼロ化部71は、タップ係数ベクトルのL0ノルムが所定値以下となるように、コスト関数等のパラメータを調整する。
[スパースなFIRフィルタについて]
FIRフィルタの長さ「Ltap」が短いほど、適応等化処理の消費電力が低減される。デジタルコヒーレント光伝送では、信号処理装置は、タップの個数が少ない適応フィルタを用いて、消費電力を低減することができる。また、信号処理装置は、タップの個数が多い適応フィルタにおいて、各タップのうちの一部に0以外のタップ係数を乗算し、残りのタップのタップ係数を0に固定しておくことで、消費電力を低減することができる。しかしながら、適応等化処理の消費電力が低減された場合には、偏波モード分散を補償する性能を信号処理装置が維持することができない。
そこで、信号処理装置1は、光信号の伝送路に関する特性を近似するように、適応フィルタ72において多くのタップのタップ係数を0とする。これによって、適応フィルタ72では、電力を消費する演算(乗算、加算)の回数が減少する。つまり、0を用いる演算では、実際には何も実行されないので、電力が消費されない。
例えば音響システム及び無線通信の伝送路におけるマルチパスに関する特性は、スパースな特性である。信号処理装置1は、スパースな特性を補償する場合、スパースな適応フィルタ72を備える。スパースな適応フィルタ72では、FIRフィルタの長さ「Ltap」が長くても、0以外を用いる乗算を実行するタップが少ないので、演算量は少ない。
[アルゴリズムについて]
伝送路に関する特性が既知である場合、信号処理装置1は、伝送路に関する特性の逆特性に相当するインパルス応答を、FIRフィルタのタップ係数ベクトルとする。
伝送路に関する特性が未知である場合、信号処理装置1は、LMSアルゴリズム、RLSアルゴリズム、又は、定包絡線アルゴリズム等を用いて、伝送路に関する特性を推定する。信号処理装置1は、FIRフィルタの出力信号の値と目標値との誤差を最小化するように、タップ係数ベクトルを最適化する。
タップ係数ベクトルのL0ノルムの制約を有するLMSアルゴリズムは、スパースな特性の推定に適したアルゴリズムである。通常のLMSアルゴリズムでは、2乗誤差を最小化することが目標とされる。
これに対して、タップ係数ベクトルのL0ノルムの制約を有するLMSアルゴリズムでは、2乗誤差「|e(n)|」と、0以外のタップ係数を使用するタップの個数「||w(n)||」との両方を最適化することが目標とされる。偏波モード分散の特性はスパースな特性ではないが、信号処理装置1は、L0ノルムの制約を有するLMSアルゴリズム等を用いて、偏波モード分散の特性を表すコスト関数おける2乗誤差と0以外のタップ係数を使用するタップの個数との両方を最適化する。
[偏波モード分散の特性がスパースな特性に近似されることについて]
伝送路に関する特性は、スパースな特性ではない。それにも関わらず、伝送路に関する特性は、L0ノルムの制約を有するCMAアルゴリズム等を用いて、スパースな特性(スパースなモデル)に近似可能である。
[L0ノルムの制約を有するLMSアルゴリズムについて]
係数更新部70は、L0ノルムの制約を有するLMSアルゴリズムを用いる最急降下法によって、コスト関数の値が最小となる点を導出する。コスト関数は、適応フィルタ72から出力された信号とターゲット信号(目標値)との誤差の絶対値の2乗の項(2乗誤差)と、L0ノルムに比例する項とを用いて表される。すなわち、コスト関数「ξ(n)」は、誤差「e(n)」と、タップ係数ベクトル「w(n)」のL0ノルム「||w(n)||」とを用いて、式(2)のように表される。
Figure 0007319567000002
ここで、「γ」は、誤差「e(n)」と、L0ノルム「||w(n)||」とのバランスをとるためのパラメータである。変数「n」は、時間ステップを表す。
係数更新部70は、所定時間長におけるL0ノルムの平均値が許容範囲(最大値「Lmax」)を超えている場合、適応フィルタ72から出力された信号と予め定められたターゲット信号との誤差「||e(n)||」に対して、L0ノルム「||w(n)||」の割合を大きくしてもよい。係数更新部70は、所定時間長におけるL0ノルムの平均値が許容範囲(最小値「Lmin」)を下回っている場合、誤差に対して、L0ノルムの割合を小さくしてもよい。
最急降下法を実行する際、係数更新部70は、タップ係数ベクトル「w(n)」の自由度(例えば、タップ長「N」が2である場合、2次元空間)に対して、コスト関数「ξ」の局所傾きを、タップ係数ベクトル「w(n)」の周辺で導出する。係数更新部70は、コスト関数「ξ」を小さくする方向に時間ステップだけ時刻をずらした新たなタップ係数ベクトル「w(n+1)」を導出する。
係数更新部70は、新たなタップ係数ベクトルの導出を繰り返すことで、コスト関数「ξ(n)」を最小化するタップ係数ベクトル「w(n)」を導出する。係数更新部70は、タップ係数ベクトル「w(n)」を用いて式(3)のように、新たなタップ係数ベクトル「w(n+1)」を導出する。
Figure 0007319567000003
ここで、第1項の「w」は、タップ係数ベクトルのi番目の要素を表す。第2項の「μe(n)x(n-i)」は、誤差「e(n)」を最小化する項である。「μ」は、収束のスピードを制御するためのステップサイズを表す。ステップサイズは、小さな正の実数である。「x(n)」は、適応フィルタにおけるn番目のタップへの入力信号を表す。第3項(タップ係数ベクトルを更新する項)の「μγfβ(w(n))」は、L0ノルムを最小化する項(ゼロ・アトラクタ)である。ゼロ・アトラクタは、タップ係数の絶対値が小さい場合に、式(3)の値を0に近づける。「fβ(w(n))」は、コスト関数「ξ(n)」のL0ノルムに比例する成分のタップ係数ベクトル「w」についての導関数である。タップ係数ベクトル「w」についての導関数は、一例として、式(4)のように表される。「β」は、ゼロ・アトラクタの値の範囲を決める係数である。
Figure 0007319567000004
L0ノルム「||w(n)||」の定義には、任意性がある。例えば、0以外であるタップ係数が設定されたタップの個数であると、L0ノルム「||w(n)||」が定義された場合、L0ノルム「||w(n)||」はタップ係数ベクトル「w」で微分不可能となる。タップ係数が0であるか0以外であるかは不連続だからである。以下では、L0ノルム「||w(n)||」は、式(5)のように近似される。
Figure 0007319567000005
「β」の値が無限大である場合、式(5)が式(4)と等しくなるが、式(5)は微分不可能になる。そのため、「β」は、所定の大きさの実数に定められる。また、指数演算の演算量が多いので、式(5)は式(6)のように近似される。
Figure 0007319567000006
式(4)は、式(7)のように表される。
Figure 0007319567000007
式(7)は、実装に関して有利である。
図4は、コスト関数のL0ノルム項と、導関数「fβ(w)」との例を示す図である。図4では、タップ係数ベクトルのi番目の要素「w」は、実数である。コスト関数のL0ノルム項は、エネルギーポテンシャルと理解されてもよい。
導関数「fβ(w)」は、力の場と理解されてもよい。
[L0ノルムの制約を有するCMAアルゴリズムについて]
LMSアルゴリズムは、システムの推定するアルゴリズムとして広く使用されている。LMSアルゴリズムでは、最適化のため、誤差「e」が導出される必要がある。既知信号又は仮判定を用いて、誤差「e」が導出される方法が一般的である。誤差「e」は、式(8)のように表される。
Figure 0007319567000008
ここで、「y」は、フィルタ出力信号を表す。「^y」は、ターゲット信号(目標値)である。ターゲット信号は、既知情報として又は仮判定の結果として得られる。デジタルコヒーレント光伝送では、レーザ光の位相雑音が大きい。このためデジタルコヒーレント光伝送では、例えば、位相不感応なCMAアルゴリズムが用いられる。
CMAアルゴリズムにおけるタップ係数ベクトルを更新する式は、LMSアルゴリズムにおけるタップ係数ベクトルを更新する式と同じである。CMAアルゴリズムにおける誤差の算出方法は、LMSアルゴリズムにおける誤差の算出方法と異なる。CMAアルゴリズムにおける誤差の算出方法は、式(9)のように表される。
Figure 0007319567000009
ここで、「|^y|」は、ターゲット信号の電力を表す。ターゲット信号の電力が例えばQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)のように一定である場合、「|^y|」は1とされてもよい。L0ノルムの制約を有するCMAアルゴリズムでは、コスト関数は、式(10)のように表される。
Figure 0007319567000010
タップ係数ベクトルを更新する式は、式(11)のように表される。
Figure 0007319567000011
[タップ係数の値を0にすることについて]
L0ノルムの制約を有するアルゴリズムが用いられることによって、偏波モード分散の特性のスパース化が可能である。しかし、L0ノルムの制約を有するアルゴリズムは、タップ係数ベクトルの各要素の値を0に近い値にするのであって、タップ係数ベクトルの各要素の値を0にする訳ではない。
演算量が削減されるようにする観点では、タップ係数ベクトルの各要素(各タップ係数)の値は0であることが好ましい。そこで、ゼロ化部71は、L0ノルムの制約を有するアルゴリズムによって導出されたタップ係数ベクトルの要素の絶対値が閾値未満である場合、絶対値が閾値未満であるタップ係数の値を0に変更する。
係数更新部70は、第1のタップ係数ベクトルを生成する。ゼロ化部71は、第1のタップ係数ベクトルに基づいて、第2のタップ係数ベクトルを生成する。なお、ゼロ化部71は、第2のタップ係数ベクトルを生成する代わりに、L0ノルムの制約を有するアルゴリズムにおける再帰的な最適化過程に、第1のタップ係数ベクトルにおいて絶対値が閾値未満であるタップ係数を0に変更する処理を組み込んでもよい。
次に、信号処理装置1の動作例を説明する。
[所望のL0ノルムを得るためのフィードバック制御について]
L0ノルムの制約を有するアルゴリズムでは、コスト関数に従ってL0ノルムが最適化される。最適化の結果、係数更新部70は、0以外のタップ係数を使用するタップの個数を予測することができない。L0ノルムの評価係数が不変であっても、0以外のタップ係数を使用するタップの個数は、伝送路の状態に応じて変動する。
しかし、係数更新部70が消費電力を制御するという観点では、0以外のタップ係数を使用するタップの個数(演算量)を係数更新部70が指定することが望ましい。これによって、消費電力の許容値を信号処理装置の消費電力が超えないようにすることができる。
そこで、係数更新部70は、各適応フィルタ72(FIRフィルタ)のL0ノルムを導出する。係数更新部70は、一定範囲にL0ノルムが収まるように、「γ」等のパラメータをコスト関数にフィードバックする。
消費電力の許容値が例えば信号処理装置1の放熱容量に応じて定められるので、信号処理装置1の消費電力が許容値を短時間だけ超えていても、所定時間長におけるL0ノルムの平均値が許容範囲に収まっていれば問題はない。このため、係数更新部70は、所定時間長におけるL0ノルムの平均値に基づいて、「γ」等のパラメータをコスト関数にフィードバックしてもよい。
図5は、信号処理装置1の動作例を示すフローチャートである。係数更新部70は、パラメータ「γ」と、FIRフィルタの長さの最大値「Lmax」と、FIRフィルタの長さの最小値「Lmin」とを定める(ステップS101)。係数更新部70は、式(3)のようにタップ係数ベクトルを更新する(ステップS102)。係数更新部70は、各適応フィルタ72(FIRフィルタ)のL0ノルムを導出する(ステップS103)。係数更新部70は、所定時間長におけるL0ノルムの平均値「L」を導出する(ステップS104)。
係数更新部70は、所定時間長におけるL0ノルムの平均値「L」が最大値「Lmax」を超えているか否かを判定する(ステップS105)。所定時間長におけるL0ノルムの平均値「L」が最大値「Lmax」を超えている場合(ステップS105:YES)、係数更新部70は、パラメータ「γ」を大きくする(ステップS106)。係数更新部70は、ステップS102に処理を戻す。
所定時間長におけるL0ノルムの平均値「L」が最大値「Lmax」以下である場合(ステップS105:NO)、係数更新部70は、所定時間長におけるL0ノルムの平均値「L」が最小値「Lmin」未満であるか否かを判定する(ステップS107)。所定時間長におけるL0ノルムの平均値「L」が最小値「Lmin」未満である場合(ステップS107:NO)、係数更新部70は、パラメータ「γ」を小さくする(ステップS108)。係数更新部70は、ステップS102に処理を戻す。
所定時間長におけるL0ノルムの平均値「L」が最小値「Lmin」以上である場合(ステップS107:NO)、係数更新部70は、ステップS102に処理を戻す。
次に、シミュレーションの結果例を説明する。
図6は、シミュレーション装置11の構成例を示す図である。シミュレーション装置11は、信号生成部100と、DACモデル部101と、偏波モード分散部102と、ノイズ処理部103と、ADCモデル部104と、適応フィルタ105と、位相補償部106と、モニタ処理部107とを備える。
シミュレーション装置11の一部又は全部は、DSP、CPU等のプロセッサが、不揮発性の記録媒体(非一時的な記録媒体)である記憶装置からメモリに展開されたシミュレーションモデルのプログラムを実行することにより、ソフトウェアとして実現される。シミュレーション装置11の一部又は全部は、例えば、LSI、ASIC、PLD又はFPGA等を用いた電子回路を含むハードウェアを用いて実現されてもよい。
信号生成部100は、指示に基づいて、偏波多重(Dual Polarization:DP)のQPSK信号を生成する。偏波多重のQPSK信号のボーレートは、一例として59.8GBdである。信号生成部100は、偏波多重のQPSK信号をDACモデル部101に出力する。
DACモデル部101は、DAC(Digital Analog Converter)のモデルに基づいて、偏波多重のQPSK信号の波形データを生成する。DACモデル部101における信号の帯域幅「B」は、一例として30GHzである。DACの分解能を表す有効ビット数(Effective number of bits : ENoB)は、一例として5.5である。
偏波モード分散部102は、偏波多重のQPSK信号の波形データに対して、偏波モードの分散処理を実行する。ノイズ処理部103は、偏波モードが分散された波形データに、ノイズを付加する。光信号対雑音比(Optical Signal to Noise Ratio)は、一例として29dBである。
ADCモデル部104は、ノイズが付加された波形データに対して量子化処理を実行することによって、波形データをデジタル信号(数値信号)に変換する。DACの帯域幅「B」は、一例として30GHzである。ADCモデル部104における信号の帯域幅「B」は、一例として30GHzである。
適応フィルタ105の構成は、図2に示された適応フィルタ72の構成と同様である。適応フィルタ105に備えられたタップの個数は、一例として31個である。適応フィルタ105は、ADCモデル部104によって生成されたデジタル信号に対して、適応等化処理を実行する。
位相補償部106は、適応等化処理が実行されたデジタル信号に対して、4乗法による位相補償を実行する。モニタ処理部107は、位相補償処理が実行されたデジタル信号のコンスタレーションを、所定の表示装置に表示する。モニタ処理部107は、デジタル信号のビットエラーレート(bit error rate)を測定してもよい。
図7は、L0ノルムが制約された場合のシミュレーション結果(受信された光信号のコンスタレーション、タップ係数等)の例を示す図である。図8は、L0ノルムが制約されない場合のシミュレーション結果(受信された光信号のコンスタレーション、タップ係数等)の例を示す図である。
図7では、図8に示されたCMAアルゴリズムと比較して多くのタップのタップ係数が、L0ノルムの制約を有するCMAアルゴリズムによって、0付近の値を示している。
L0ノルムの制約を有しないCMAアルゴリズムによって補償された信号の品質は、図8に示された各コンスタレーションに示されているように良好である。L0ノルムの制約を有するCMAアルゴリズムによって補償された信号の品質は、図7に示された各コンスタレーションに示されているように、図8と同様に良好である。このことは、スパースでない偏波モード分散の特性をスパースなモデルに、L0ノルムの制約を有するCMAアルゴリズムによって近似可能(スパース化可能)であることを示している。
以上のように、実施形態の信号処理装置1は、適応等化器7を備える。適応等化器7は、係数更新部70と、ゼロ化部71と、適応フィルタ72とを備える。係数更新部70は、光信号の伝送路に関する特性を、L0ノルムが所定値以下である第1のタップ係数ベクトルで近似する。ゼロ化部71は、第1のタップ係数ベクトルの各タップ係数のうちで、絶対値が閾値未満であるタップ係数を0に置き換えることによって、第2のタップ係数ベクトルを生成する。適応フィルタ72は、伝送路を経由して受信された光信号に応じたデジタル信号に対して、第2のタップ係数ベクトルに基づいて適応等化処理を実行する。
これによって、適応等化処理の消費電力が低減されても、光信号に生じた偏波モード分散を補償する性能を維持することが可能である。
光信号の伝送特性を推定するための最適化アルゴリズム(例えば、CMAアルゴリズム)にタップ係数ベクトルのL0ノルムの制約が課されることで、係数更新部70は、スパースなタップ係数ベクトルを作成する。すなわち、係数更新部70は、0以外のタップ係数を使用するタップの個数が閾値以下である適応フィルタ(タップ長が制約以下である適応フィルタ)を作成する。これによって、偏波モード分散の補償性能を係数更新部70が維持することが可能である。係数更新部70は、DSPの性能を維持しながら、消費電力を低減することが可能である。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
本発明は、光伝送システムの適応等化器に適用可能である。
1…信号処理装置、2…送信処理部、3…符号化部、4…マッピング部、5…送信波形等化部、6…波長分散補償部、7…適応等化器、8…誤り訂正部、9…受信処理部、10…メモリ、11…シミュレーション装置、70…係数更新部、71…ゼロ化部、72…適応フィルタ、73…加算部、100…信号生成部、101…DACモデル部、102…偏波モード分散部、103…ノイズ処理部、104…ADCモデル部、105…適応フィルタ、106…位相補償部、107…モニタ処理部、720…遅延部、721…乗算部、722…加算部

Claims (4)

  1. 光信号の伝送路に関する特性を、L0ノルムが所定値以下である第1のタップ係数ベクトルで近似する係数更新部と、
    前記第1のタップ係数ベクトルの各タップ係数のうちで、絶対値が閾値未満であるタップ係数を0に置き換えることによって、第2のタップ係数ベクトルを生成するゼロ化部と、
    前記伝送路を経由して受信された光信号に応じたデジタル信号に対して、前記第2のタップ係数ベクトルに基づいて適応等化処理を実行する適応フィルタと
    を備え
    前記係数更新部は、前記L0ノルムの平均値が許容範囲を超えている場合、前記適応フィルタから出力された信号と予め定められたターゲット信号との誤差に対して、前記L0ノルムの割合を大きくし、前記L0ノルムの平均値が前記許容範囲を下回っている場合、前記誤差に対して、前記L0ノルムの割合を小さくする、
    信号処理装置。
  2. 前記係数更新部は、前記L0ノルムが所定値以下であるという制約を有する最急降下法のアルゴリズムを用いて、前記伝送路に関する特性を前記第1のタップ係数ベクトルで近似する、請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 信号処理装置が実行する信号処理方法であって、
    光信号の伝送路に関する特性を、L0ノルムが所定値以下である第1のタップ係数ベクトルで近似する係数更新ステップと、
    前記第1のタップ係数ベクトルの各タップ係数のうちで、絶対値が閾値未満であるタップ係数を0に置き換えることによって、第2のタップ係数ベクトルを生成するゼロ化ステップと、
    前記伝送路を経由して受信された光信号に応じたデジタル信号に対して、前記第2のタップ係数ベクトルに基づいて適応等化処理を実行する適応フィルタステップと
    を含み、
    前記係数更新ステップは、前記L0ノルムの平均値が許容範囲を超えている場合、前記適応等化処理を実行する適応フィルタから出力された信号と予め定められたターゲット信号との誤差に対して、前記L0ノルムの割合を大きくし、前記L0ノルムの平均値が前記許容範囲を下回っている場合、前記誤差に対して、前記L0ノルムの割合を小さくすることを含む、
    信号処理方法。
  4. 請求項1又は請求項に記載の信号処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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