JP7317758B2 - 全固体リチウムイオン電池用酸化物系正極活物質の前駆体、全固体リチウムイオン電池用酸化物系正極活物質、全固体リチウムイオン電池用正極、全固体リチウムイオン電池、全固体リチウムイオン電池用酸化物系正極活物質の前駆体の製造方法及び全固体リチウムイオン電池用酸化物系正極活物質の製造方法 - Google Patents
全固体リチウムイオン電池用酸化物系正極活物質の前駆体、全固体リチウムイオン電池用酸化物系正極活物質、全固体リチウムイオン電池用正極、全固体リチウムイオン電池、全固体リチウムイオン電池用酸化物系正極活物質の前駆体の製造方法及び全固体リチウムイオン電池用酸化物系正極活物質の製造方法 Download PDFInfo
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Description
本発明の実施形態に係る全固体リチウムイオン電池用酸化物系正極活物質の前駆体は、組成式:(NixCoyMn1-x-y)CO3(式中、0.16≦x≦0.17、0.16≦y≦0.17である。)で表される。
本発明の実施形態に係る全固体リチウムイオン電池用酸化物系正極活物質は、組成式:LiaNibCocMn1-b-cO2+α(式中、1.40≦a≦1.48、0.16≦b≦0.17、0.16≦c≦0.17、0.45≦α≦0.62である。)で表される。
空隙率=空隙部の面積/(粉体部の面積+空隙部の面積)×100
とする。10個の二次粒子の断面について空隙率を求めて、その平均値をその前駆体二次粒子断面の空隙率とすることができる。
次に、本発明の実施形態に係る全固体リチウムイオン電池用酸化物系正極活物質の前駆体の製造方法について説明する。
本発明の実施形態に係る全固体リチウムイオン電池用酸化物系正極活物質の製造方法は、まず、上述の本発明の実施形態に係る全固体リチウムイオン電池用酸化物系正極活物質の前駆体に、Ni、Co及びMnからなる金属の原子数の和(Me)とリチウムの原子数との比(Li/Me)が1.40~1.48となるようにLiを混合して、リチウム混合物を形成する。次に、当該リチウム混合物を750~950℃で焼成する。このようにして、組成式:LiaNibCocMn1-b-cO2+α(式中、1.40≦a≦1.48、0.16≦b≦0.17、0.16≦c≦0.17、0.45≦α≦0.62である。)で表され、平均粒径D50が8.0~16.0μmであり、タップ密度が1.6~2.0g/ccであり、円形度が0.88~0.95である全固体リチウムイオン電池用酸化物系正極活物質を作製することができる。
本発明の実施形態に係る全固体リチウムイオン電池用酸化物系正極活物質を用いて、全固体リチウムイオン電池用正極を作製することができる。また、本発明の実施形態に係る全固体リチウムイオン電池用酸化物系正極活物質を用いて正極層を形成し、固体電解質層、当該正極層及び負極層を備えた全固体リチウムイオン電池を作製することができる。
硫酸ニッケル、硫酸コバルト及び硫酸マンガンの1.5mol/Lの水溶液をそれぞれ調製した。
次に、これらを所定量秤量して、Ni:Co:Mn=16.7:16.7:66.6となるように混合溶液を調製した。
次に、撹拌翼付属の反応槽へ、調整した混合金属塩溶液を送液した。また、反応槽内のpHが8.8になるように1.5mol/Lの炭酸ナトリウム水溶液を反応槽へ送液し、ニッケル・コバルト・マンガンの複合炭酸塩を沈殿させた。このとき反応槽内が、晶析反応条件の反応温度60℃となるようにウォータージャケットにて保温した。反応で生成する共沈物の酸化を防止するために反応槽へ窒素ガスを導入した。反応槽へ導入するガスはヘリウム、ネオン、アルゴン、炭酸ガスなどの酸化を促進しないガスであれば、上記の窒素ガスに限らず使用することができる。
また、各原料は、反応槽に同時に少量ずつ連続供給して反応させた。
次に、得られた沈殿物を吸引ろ過した後、水洗して、120℃にて12時間乾燥させることで、前駆体であるNi-Co-Mn複合炭酸塩粒子(組成:Ni0.167Co0.167Mn0.666CO3)を作製した。
次に、当該複合炭酸塩粒子のNi、Co、Mnからなる金属の原子数の和をMeとした場合、リチウム(Li)原子数との比(Li/Me)が1.40となるように水酸化リチウムを加え、自動乳鉢で30分間混合し、混合粉を作製した。
次に、当該混合粉をアルミナこう鉢に充填し、マッフル炉にて焼成温度850℃、保持時間8h、大気雰囲気にて焼成を行い、正極活物質を得た。
実施例2は、実施例1におけるNi-Co-Mn複合炭酸塩粒子(組成:Ni0.167Co0.167Mn0.666CO3)のNi、Co、Mnからなる金属の原子数の和をMeとした場合、リチウム原子数との比(Li/Me)を1.44とし、マッフル炉にて焼成温度900℃、保持時間8h、大気雰囲気にて焼成を行った以外、実施例1と同様の条件で正極活物質を作製した。
実施例3は実施例1における反応槽内の混合液のpHが8.3となるように、炭酸ナトリウム水溶液を前記反応槽内の混合液中に添加し、晶析法によってNi-Co-Mnの複合炭酸塩を共沈させた。このときの反応槽内の混合液の温度は60℃となるようにウォータージャケットで保温した。
このようにして作製されたNi-Co-Mn複合炭酸塩粒子(組成:Ni0.167Co0.167Mn0.666CO3)のNi、Co、Mnからなる金属の原子数の和をMeとした場合、リチウム原子数との比(Li/Me)が1.40となるように水酸化リチウムと混合して、自動乳鉢で30分間、混合し、混合された粉体をアルミナこう鉢に充填し、マッフル炉にて焼成温度800℃、保持時間8h、大気雰囲気にて焼成を行った以外、実施例1と同様の条件で正極活物質を作製した。
実施例4は、実施例3におけるNi-Co-Mn複合炭酸塩粒子(組成:Ni0.167Co0.167Mn0.666CO3)のNi、Co、Mnからなる金属の原子数の和をMeとした場合、リチウム原子数との比(Li/Me)を1.44とし、マッフル炉にて焼成温度950℃、保持時間8h、大気雰囲気にて焼成を行った以外、実施例3と同様の条件で正極活物質を作製した。
実施例5は実施例1における反応槽内の混合液のpHを8.2、アンモニウムイオン濃度2.5g/Lとなるように、アンモニア水と炭酸ナトリウム水溶液を前記反応槽内の混合液中に添加し、晶析法によってNi-Co-Mnの複合炭酸塩を共沈させた。このときの反応槽内の混合液の温度は60℃となるようにウォータージャケットで保温した。
このようにして作製されたNi-Co-Mn複合炭酸塩粒子(組成:Ni0.167Co0.167Mn0.666CO3)のNi、Co、Mnからなる金属の原子数の和をMeとした場合、リチウム原子数との比(Li/Me)が1.40となるように水酸化リチウムと混合して、自動乳鉢で30分間、混合し、混合された粉体をアルミナこう鉢に充填し、マッフル炉にて焼成温度750℃、保持時間8h、大気雰囲気にて焼成を行った以外、実施例1と同様の条件で正極活物質を作製した。
実施例6は、実施例5におけるNi-Co-Mn複合炭酸塩粒子(組成:Ni0.167Co0.167Mn0.666CO3)のNi、Co、Mnからなる金属の原子数の和をMeとした場合、リチウム原子数との比(Li/Me)を1.48とし、マッフル炉にて焼成温度850℃、保持時間8h、大気雰囲気にて焼成を行った以外、実施例5と同様の条件で正極活物質を作製した。
実施例7は実施例1における硫酸ニッケル、硫酸コバルト及び硫酸マンガンの1.5mol/Lの水溶液をそれぞれ調製した。
次に、これらを所定量秤量して、Ni:Co:Mn=17.0:17.0:66.0となるように混合溶液を調製した。
反応槽内の混合液のpHが8.5となるように、炭酸ナトリウム水溶液を前記反応槽内の混合液中に添加し、晶析法によってNi-Co-Mnの複合炭酸塩を共沈させた。このときの反応槽内の混合液の温度は55℃となるようにウォータージャケットで保温した。
このようにして作製されたNi-Co-Mn複合炭酸塩粒子(組成:Ni0.170Co0.170Mn0.660CO3)のNi、Co、Mnからなる金属の原子数の和をMeとした場合、リチウム原子数との比(Li/Me)が1.44となるように水酸化リチウムと混合して、自動乳鉢で30分間、混合し、混合された粉体をアルミナこう鉢に充填し、マッフル炉にて焼成温度800℃、保持時間8h、大気雰囲気にて焼成を行った以外、実施例1と同様の条件で正極活物質を作製した。
実施例8は実施例1における硫酸ニッケル、硫酸コバルト及び硫酸マンガンの1.5mol/Lの水溶液をそれぞれ調製した。
次に、これらを所定量秤量して、Ni:Co:Mn=16.0:16.0:68.0となるように混合溶液を調製した。
反応槽内の混合液のpHが8.5となるように、炭酸ナトリウム水溶液を前記反応槽内の混合液中に添加し、晶析法によってNi-Co-Mnの複合炭酸塩を共沈させた。このときの反応槽内の混合液の温度は65℃となるようにウォータージャケットで保温した。
このようにして作製されたNi-Co-Mn複合炭酸塩粒子(組成:Ni0.160Co0.160Mn0.680CO3)のNi、Co、Mnからなる金属の原子数の和をMeとした場合、リチウム原子数との比(Li/Me)が1.44となるように水酸化リチウムと混合して、自動乳鉢で30分間、混合し、混合された粉体をアルミナこう鉢に充填し、マッフル炉にて焼成温度800℃、保持時間8h、大気雰囲気にて焼成を行った以外、実施例1と同様の条件で正極活物質を作製した。
比較例1は、実施例1におけるNi-Co-Mn複合炭酸塩粒子(組成:Ni0.167Co0.167Mn0.666CO3)のNi、Co、Mnからなる金属の原子数の和をMeとした場合、リチウム原子数との比(Li/Me)を1.20とし、マッフル炉にて焼成温度800℃、保持時間8h、大気雰囲気にて焼成を行った以外、実施例1と同様の条件で正極活物質を作製した。
比較例2は実施例1における反応槽内の混合液のpHが9.5となるように、炭酸ナトリウム水溶液を前記反応槽内の混合液中に添加し、晶析法によってNi-Co-Mnの複合炭酸塩を共沈させた。このときの反応槽内の混合液の温度は50℃となるようにウォータージャケットで保温した。
このようにして作製されたNi-Co-Mn複合炭酸塩粒子(組成:Ni0.167Co0.167Mn0.666CO3)のNi、Co、Mnからなる金属の原子数の和をMeとした場合、リチウム原子数との比(Li/Me)が1.40となるように水酸化リチウムと混合して、自動乳鉢で30分間、混合し、混合された粉体をアルミナこう鉢に充填し、マッフル炉にて焼成温度750℃、保持時間8h、大気雰囲気にて焼成を行った以外、実施例1と同様の条件で正極活物質を作製した。
比較例3は実施例1における反応槽内の混合液のpHが7.8となるように、炭酸ナトリウム水溶液を前記反応槽内の混合液中に添加し、晶析法によってNi-Co-Mnの複合炭酸塩を共沈させた。
このようにして作製されたNi-Co-Mn複合炭酸塩粒子(組成:Ni0.148Co0.156Mn0.696CO3)のNi、Co、Mnからなる金属の原子数の和をMeとした場合、リチウム原子数との比(Li/Me)が1.44となるように水酸化リチウムと混合して、自動乳鉢で30分間、混合し、混合された粉体をアルミナこう鉢に充填し、マッフル炉にて焼成温度750℃、保持時間8h、大気雰囲気にて焼成を行った以外、実施例1と同様の条件で正極活物質を作製した。
比較例4は実施例1における反応槽内の混合液のpHが8.5、アンモニウムイオン濃度5g/Lとなるように、アンモニア水と炭酸ナトリウム水溶液を前記反応槽内の混合液中に添加し、晶析法によってNi-Co-Mnの複合炭酸塩を共沈させた。このときの反応槽内の混合液の温度は60℃となるようにウォータージャケットで保温した。
このようにして作製されたNi-Co-Mn複合炭酸塩粒子(組成:Ni0.135Co0.126Mn0.739CO3)のNi、Co、Mnからなる金属の原子数の和をMeとした場合、リチウム原子数との比(Li/Me)が1.60となるように水酸化リチウムと混合して、自動乳鉢で30分間、混合し、混合された粉体をアルミナこう鉢に充填し、マッフル炉にて焼成温度800℃、保持時間8h、大気雰囲気にて焼成を行った以外、実施例1と同様の条件で正極活物質を作製した。
上述のようにして、実施例1~8、比較例1~4にてそれぞれ酸化物系正極活物質前駆体及び酸化物系正極活物質を作製し、それらの平均粒径D50、タップ密度、円形度、粒子断面の空隙率、比表面積を測定し、さらに当該正極活物質を用いた全固体リチウムイオン電池の電池特性を測定した。また、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP-OES)及びイオンクロマトグラフ法により、正極活物質のLi、Ni、Mn、Coの含有量を測定した。その分析結果から、当該正極活物質をLiaNibCocMn1-b-cの金属組成で表した場合のa、b、cを求めた。その結果、後述の表1及び表2の正極活物質作製条件で示す組成と同様であることを確認した。なお、表2のLi/Me比は上記式中のaに対応する。
酸化物系正極活物質前駆体及び酸化物系正極活物質の平均粒径D50は、Microtrac製MT3300EXIIにより測定した。
タップ密度は、作製した酸化物系正極活物質前駆体及び正極活物質について、セイシン企業製のタップデンサーを用いて測定した。具体的には、10ccのメスシリンダーに正極活物質の前駆体粒子、または、正極活物質粒子5gを投入し、当該タップデンサーに設置し、1500回上下振動し、メスシリンダーの目盛を読み取り、正極活物質の前駆体粒子、または、正極活物質粒子の体積と質量からタップ密度を算出した。
円形度は、作製した酸化物系正極活物質前駆体及び正極活物質について、Malvern社製の粒子画像分析装置「Morphologi G3」にて測定した。具体的には、当該粒子画像分析装置にて、取得した2万個以上の粒子の光学画像から、「solidity=0.93」のパラメータを用いてフィルタ処理を行い、測定した。
粒子断面の空隙率は、作製した前駆体を、エポキシ樹脂中に埋め込み、機械研磨した断面を、日本電子製JXA-8500Fにて観察した。得られた画像から、解析ソフトを用いて前駆体二次粒子1つの断面の粉体部と空隙部を色分けし、それぞれの面積を求め、
空隙率=空隙部の面積/(粉体部の面積+空隙部の面積)×100
とする。10個の二次粒子の断面について空隙率を求めて、その平均値をその前駆体二次粒子断面の空隙率とした。
比表面積は、作製した酸化物系正極活物質前駆体及び正極活物質について、Quantachrome製 Monosorb Model MS-21を用い、窒素ガスの正極活物質の前駆体粒子、または、正極活物質粒子への吸着量を測定することにより、比表面積を算出することで評価した。
以下、全固体電池セルの作製はアルゴン雰囲気下のグローブボックス内にて行った。実施例1~8、比較例1~4で得られた酸化物系正極活物質をそれぞれLiOC2H5とNb(OC2H5)5にて被覆した後に、酸素雰囲気にて400℃で1時間焼成し、ニオブ酸リチウムのアモルファス層にて表面を被覆した正極材活物質を作製した。
次に、当該表面を被覆した正極材活物質を75mgと、硫化物固体電解質材料Li3PS4を25mgとを、それぞれ測りとって混合し、正極合材を得た。
また、硫化物固体電解質材料Li3PS4を80mg測りとり、ペレット成形機を用いて5MPaの圧力でプレスし、固体電解質層を形成した。当該固体電解質層の上に正極合材を10mg投入し、30MPaの圧力でプレスして合材層を作製した。
次に、得られた固体電解質層と正極活物質層との合材層の上下を裏返し、固体電解質層側に、SUS板にLi箔(5mm径×厚み0.1mm)を貼り合わせたものを設け、20MPaの圧力でプレスしてLi負極層とした。これによって、正極活物質層、固体電解質層及びLi負極層がこの順で積層された積層体を作製した。
次に、当該積層体をSUS304製の電池試験セルに入れて拘束圧をかけて全固体二次電池とし、25℃電池初期特性(充電容量、放電容量、充放電特性)を測定した。なお、充放電条件は、充電条件:CC/CV 4.7V,0.1C、放電条件:CC 0.05C,3.0Vまでである。
実施例1~8の正極活物質は、いずれも、組成式:LiaNibCocMn1-b-cO2+α(式中、1.40≦a≦1.48、0.16≦b≦0.17、0.16≦c≦0.17、0.45≦α≦0.62である。)で表され、平均粒径D50が8.0~16.0μmであり、タップ密度が1.6~2.0g/ccであり、円形度が0.88~0.95であった。このため、いずれも高容量でタップ密度の高い正極活物質が得られた。
比較例1は、Li/Me比が低く、結晶性が低いため、放電容量が低い。
比較例2、3は、粉体内部の空隙率が高く、全固体電池を作製した際に空隙による内部抵抗が増大してしまうため、放電容量が低い。また粒子径が小さく粉体密度が上がらないため体積当たりのエネルギー密度が低い。
比較例4は、アンモニウムイオン濃度が高いため、複合炭酸塩粒子の金属組成がズレてしまっている。また、αの値が高く、充放電時の酸素イオンの酸化還元反応の活性が低いため放電容量が低い。
Claims (10)
- 組成式:(NixCoyMn1-x-y)CO3
(式中、0.16≦x≦0.17、0.16≦y≦0.17である。)で表され、
平均粒径D50が7.0~17.0μmであり、タップ密度が1.6~2.0g/ccであり、円形度が0.88~0.95であり、粒子断面の空隙率が2~10%である全固体リチウムイオン電池用酸化物系正極活物質の前駆体。 - 比表面積が7~25m2/gである請求項1に記載の全固体リチウムイオン電池用酸化物系正極活物質の前駆体。
- 組成式:LiaNibCocMn1-b-cO2+α
(式中、1.40≦a≦1.48、0.16≦b≦0.17、0.16≦c≦0.17、0.45≦α≦0.62である。)
で表され、平均粒径D50が8.0~16.0μmであり、タップ密度が1.6~2.0g/ccであり、円形度が0.88~0.95である全固体リチウムイオン電池用酸化物系正極活物質。 - 比表面積が2.0~4.0m2/gである請求項3に記載の全固体リチウムイオン電池用酸化物系正極活物質。
- 請求項3または4に記載の全固体リチウムイオン電池用酸化物系正極活物質を備えた全固体リチウムイオン電池用正極。
- 正極層、負極層及び固体電解質層を備え、
前記正極層が、請求項3または4に記載の全固体リチウムイオン電池用酸化物系正極活物質を含む全固体リチウムイオン電池。 - ニッケル塩の水溶液、コバルト塩の水溶液、マンガン塩の水溶液、及び、炭酸塩の水溶液を混合して反応液を作製する工程と、
前記反応液中のpHを8.2~8.8、アンモニウムイオン濃度を0~2.5g/L、液温を55~65℃に制御しながら晶析反応を行う工程と、
を含み、
組成式:(NixCoyMn1-x-y)CO3
(式中、0.16≦x≦0.17、0.16≦y≦0.17である。)で表される、全固体リチウムイオン電池用酸化物系正極活物質の前駆体の製造方法。 - 前記前駆体の平均粒径D50が7.0~17.0μmであり、タップ密度が1.6~2.0g/ccであり、比表面積が7~25m2/gであり、円形度が0.88~0.95であり、粒子断面の空隙率が2~10%である請求項7に記載の全固体リチウムイオン電池用酸化物系正極活物質の前駆体の製造方法。
- 請求項7または8に記載の方法で製造された前記前駆体に、Ni、Co及びMnからなる金属の原子数の和(Me)とリチウムの原子数との比(Li/Me)が1.40~1.48となるようにLiを混合して、リチウム混合物を形成する工程と、
前記リチウム混合物を、750~950℃で焼成する工程と、
を含む全固体リチウムイオン電池用酸化物系正極活物質の製造方法。 - 前記正極活物質は、組成式:LiaNibCocMn1-b-cO2+α
(式中、1.40≦a≦1.48、0.16≦b≦0.17、0.16≦c≦0.17、0.45≦α≦0.62である。)
で表され、平均粒径D50が8.0~16.0μmであり、タップ密度が1.6~2.0g/ccであり、円形度が0.88~0.95である請求項9に記載の全固体リチウムイオン電池用酸化物系正極活物質の製造方法。
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