JP7316498B2 - 診断システム、診断方法、プログラム及び記録媒体 - Google Patents

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Description

本開示は、機器の状態を判定する診断システム、診断方法、プログラム及び記録媒体に関する。
特許文献1は、経年劣化による回転装置の異常の誤診断を低減することが可能な異常診断装置(診断システム)を開示する。特許文献1の異常診断装置は、回転装置(駆動装置)に生じる振動を検出する振動検出部としての加速度センサと、回転装置の異常を診断する異常診断ユニットと、鉄道車両の走行速度である車速を検出する車速センサと、を備える。
特開2017-32467号公報
診断装置は、駆動装置を有する機器を診断するように構成されている。診断システムは、駆動装置に供給される電流に関する波形を示す波形データを取得する取得部と、機器の状態を判定する判定部とを備える。判定部は、波形データから、駆動装置にかかる力の特定方向の成分に起因する変化を得て、得られた変化から機器の状態を判定するように構成されている。
この診断装置は、機器の状態の判定の精度を向上できる。
図1は、実施形態の診断システムの説明図である。 図2は、上記診断システムでの診断の対象となる機器の一例の説明図である。 図3は、上記機器の駆動装置に供給される電流に関する波形の説明図である。 図4は、上記機器の駆動装置に供給される電流に関する波形の説明図である。 図5は、上記診断システムの動作のフローチャートである。 図6は、上記診断システムでの診断の対象となる他の機器の説明図である。 図7は、上記診断システムでの診断の対象となるさらに他の機器の説明図である。 図8は、上記診断システムでの診断の対象となるさらに他の機器の説明図である。
1.実施形態
1.1 概要
図1は、実施形態の診断システム10を示す。診断システム10は、取得部11と、判定部13とを備える。取得部11は、機器30の駆動装置31に供給される電流I30に関する波形を示す波形データを取得する。判定部13は、波形データから得られる、駆動装置31にかかる力の特定方向の成分に起因する変化から、機器30の状態を判定する。
機器30においては、機器30の状態と、駆動装置31にかかる力の特定方向の成分に起因する変化との間に相関があることが見いだされた。診断システム10では、機器30の状態を判定するにあたって、機器30の駆動装置31に供給される電流I30に関する波形を示す波形データを利用する。診断システム10では、機器30の状態を判定するにあたって、駆動装置31に供給される電流I30に関する波形を示す波形データが得られればよい。そのため、駆動装置31の近傍にセンサを設置する場合とは異なり、機器30の状態の判定においては、駆動装置31の周辺環境の影響を受け難くなる。したがって、診断システム10によれば、機器30の状態の判定の精度を向上できる。
特許文献1に記載の診断装置では、回転装置に生じる振動を検出するために、加速度センサが複列円すいころ軸受の近傍に配設される。しかしながら、回転装置(駆動装置)の近傍に加速度センサ(センサ)があることによって、そのセンサは回転装置の周辺環境(周囲温度等)による様々な影響を受ける。これは、機器の状態の判定の精度の低下の一因となり得る。
実施形態における診断システム10では、前述のように、機器30の状態の判定の精度を向上できる。
1.2 詳細
以下、診断システム10について更に詳細に説明する。診断システム10は、機器30の診断を行うように構成されている。診断システム10での診断の対象となる機器30は、一例としては、作業機器である。作業機器は、所定の作業を実行する機器である。所定の作業の例としては、材料や物品の加工、搬送、配置、及び実装が挙げられる。加工は、例えば、中ぐり、穴あけ、ねじ立て、切断、研磨等の物理的な処理、及び、加熱、冷却等の化学的な処理を含み得る。また、搬送は、部品や製品等の固体物品の搬送に限らず、流路内での流体の搬送等も含む。このような作業機器としては、旋盤、マシニングセンタ、エンドミル、グラインダ、ドリル等の工作機械、部品実装機、搬送機、熱処理装置、ポンプ(例えば、真空ポンプ)、コンプレッサ、研磨装置(例えば、化学機械研磨装置)、及びこれらの組み合わせなどが挙げられる。
1.2.1 機器
図2は、機器30の一例である機器40を示す。機器40は、旋盤としての機能を有する。機器40は、マシニングセンタとしての機能を有していてよい。機器40は、機構部41と、駆動装置42と、制御装置43とを含む。
機構部41は、所定の作業を実行するための装置である。所定の作業は、刃具411及びワーク412の一方の他方に対する回転によって、ワーク412を加工する作業である。つまり、機器40は、ワーク412を加工して所望の形状の部材を得るための装置である。ここでは、機構部41は、刃具411に対して回転軸C412を中心にワーク412を回転させることで、ワーク412の加工を行う。つまり、機器40は、旋盤としての機能を有する。刃具411は、ワーク412を加工するための部材である。刃具411は交換可能である。ワーク412は、一例としては、金属体である。
駆動装置42は、機構部41を駆動するための装置である。言い換えれば、駆動装置42は、機構部41の動力源である。駆動装置42は、複数のモータ421、422を含む。モータ421、422は、与えられた電流に応じて出力が変化する。
モータ421は、ワーク412の回転軸C412に沿った方向で刃具411をワーク412に対して所定位置に保持するために利用される。つまり、駆動装置42は、モータ421によって、刃具411及びワーク412の一方の他方に対する回転軸C412に沿った方向D412で刃具411とワーク412との一方を他方に押し当てるように構成される。本実施形態では、モータ421のロータ421aの回転軸C421aの方向D421aは、刃具411及びワーク412の一方の他方に対する回転軸C412に沿った方向D412であるが、これに限定されない。
モータ422は、いわゆる送りモータである。モータ422は、刃具411を加工方向に移動させるために利用される。つまり、刃具411には、モータ422によって、刃具411のワーク412へ送る送り方向D411に反する力(送り分力)が生じる。本実施形態では、モータ422のロータ422aの回転軸C422aの方向D422aは、刃具411及びワーク412の一方の他方に対する送り方向D411であるが、これに限定されない。
モータ421、422は、交流で動作する交流モータである。交流モータは、三相交流モータや単相交流モータであってよい。具体的には、モータ421、422は、与えられた交流電流の基準周波数の変化に応じて出力(単位時間当たりの回転数)が変化する。一例として、基準周波数が高くなれば出力が大きくなり(出力軸の回転が速くなり)、基準周波数が低くなれば出力が小さくなる(出力軸の回転が遅くなる)。
制御装置43は、駆動装置42を制御するように構成されている。制御装置43は、電源装置431、432を備える。電源装置431、432は、駆動装置42のモータ421、422にそれぞれ電流I41、I42を供給する。特に、電源装置431、432は、機構部41で所定の作業を実行するために、駆動装置42のモータ421、422にそれぞれ電流I41、I42を供給する。つまり、電流I41、I42は、機器40の所定の作業の実行中に駆動装置42に供給される。電源装置431、432は、モータ421、422に電線441、442を介してそれぞれ接続されている。本実施形態では、モータ421、422は交流モータであるから、電流I41、I42は、基準周波数を有する交流電流である。電源装置431、432は、電流I41、I42の基準周波数を調整する機能を有する。電源装置431、432は、周知の交流電源回路により実現可能であるから詳細な説明は省略する。
1.2.2 診断システム
機器40に関しては、診断システム10は、機器40の状態として刃具411の状態を判定する。刃具411の状態は、損傷の有無で大きく2種類に大別される。診断システム10は、刃具411に損傷がない場合に、機器40の状態が正常であると判定する。刃具411の損傷の例としては、逃げ面摩耗(フランク摩耗)、すくい面摩耗(クレータ摩耗)、チッピング、欠損、塑性変形、構成刃先(溶着)、熱亀裂(サーマルクラック)、境界摩耗、フレーキングが挙げられる。ここで、刃具411の摩耗は、同じ機器40であれば、同じように起きる。しかし、刃具411の欠損及びその予兆については、どのような欠損が起きるのかは同じ機器40であってもケースバイケースであり、特定が難しい。つまり、刃具411の損傷は、特定しやすい損傷と、特定しにくい損傷とがあり得る。診断システム10は、刃具411の特定しやすい損傷がある場合に、機器40の状態を異常と判定する。一方で、診断システム10は、刃具411の特定しにくい損傷がある場合に、機器40の状態を不特定状態と判定する。つまり、本実施形態でいう、異常は、診断システム10にとって特定しやすい損傷に起因する既知の異常であって、不特定状態は、診断システム10にとって特定しにくい損傷に起因する未知の異常であるといえる。未知の異常には、欠損の予兆も含まれることになる。
診断システム10は、図1に示すように、測定部20を備える。また、診断システム10は、取得部11と、抽出部12と、判定部13と、出力部14と、収集部15と、生成部16と、記憶部17と、を備える。
測定部20は、機器30の駆動装置31に供給される電流I30を測定し、電流I30に関する波形を示す波形データ(電流波形データ)を出力する。測定部20は、電源装置33から駆動装置31への電流I30が流れる電線32に取り付けられる。測定部20は、電流センサを含む。本実施形態では、測定部20は、微分型の電流センサを含む。したがって、波形データは、電流I30の微分の波形を示すデータである。この種の微分型の電流センサとしては、サーチコイルが挙げられる。この種の微分型の電流センサを用いることで、測定部20を、完成後の機器30の電線32に後付けすることが可能になる。
刃具411の状態が正常でない場合、刃具411でワーク412を加工する際に、せん断や、むしれ、き裂が刃具411に生じる場合がある。このような場合、ワーク412の回転軸C412に沿った方向D412において、駆動装置42に力がかかり得る。ワーク412を工具(刃具411)で押し付ける方向のこのような力は背分力ともいわれる。また、加工方向すなわち刃具411がワーク412へ移動する移動方向である送り方向D411に反する力は送り分力ともいわれる。
特に、駆動装置42において、ワーク412の回転軸C412に沿った方向D412で刃具411をワーク412に対して所定位置に保持するモータ421のロータ421aには、ワーク412の回転軸C412に沿った方向に力がかかる。この力は、機器40の所定の作業の実行中に駆動装置42のモータ421のロータ421aにかかる。このような力は、ロータ421aの角速度の変化に影響を及ぼし得る。ロータ421aの角速度の変化は、モータ421に供給される電流I41に反映され得る。また、ワーク412の回転軸C412に沿った方向に力がかかって、刃具411が所定位置からずれた場合には、制御装置43は、刃具411を所定位置に戻す制御を実行する。よって、このような制御による電流の変化が、モータ421に供給される電流I41に生じ得る。
つまり、駆動装置42(モータ421のロータ421a)にかかる力の特定方向(ここでは、刃具411及びワーク412の一方の他方に対する回転軸C412に沿った方向D412の成分に起因する変化が、駆動装置42(モータ421のロータ421a)に供給される電流I41に生じ得る。特に、電流I41は、機器40の所定の作業の実行中に駆動装置42(モータ421のロータ421a)に供給される。そこで、測定部20は、機器40の駆動装置42に供給される電流I41を測定し、電流I41に関する波形を示す波形データ(電流波形データ)を出力する。一例として、測定部20は、電源装置431から駆動装置42のモータ421への電流I41が流れる電線441に取り付けられる。ここで、波形データは、電流I41の微分の波形を示すデータである。
このように、診断システム10では、測定部20を駆動装置42(モータ421のロータ421a)の近傍に設置する必要がない。測定部20は、モータ421に供給される電流を測定できればよいから、制御装置43を収納する制御盤等の内部に設置できる。よって、機構部41において、測定部20の設置のための装置や、配線の引き回しが不要であり、また、測定部20の設置に起因するバランス調整等の必要がなくなる。更に、そのため、測定部20の設置にあたって、ワーク412の加工の環境下で測定部20を使用できるようにするための対策(例えば、耐油対策、耐熱対策、防水対策等)が必要ない。よって、測定部20のメンテナンスの負担を軽減可能である。また、機器40の作業中でも、波形データの取得が可能である。そのため、診断システム10での診断のために、機器40の作業を中断する必要がない。よって、診断による加工サイクルの長期化が低減され得る。更に、機器40の作業中でも、波形データの取得が可能であることから、刃具411の状態(例えば、刃具411の摩耗の度合)を随時把握でき、刃具411を使用可能な状態まで使い切ることができるようになる。また、正常とも異常とも異なる不特定状態を検出可能であるから、刃具411が不特定状態であることで生じ得る不具合(例えば、不良品の生産)を低減できる。つまり、診断システム10によって、機器40の保全として従来の時間基準保全(TBM)ではなく状態基準保全(CBM)が適用可能となる。
取得部11は、機器30の駆動装置31に供給される電流I30に関する波形を示す波形データ(電流波形データ)を取得する。より詳細には、取得部11は、測定部20に接続されており、測定部20から波形データを取得する。測定部20からの波形データは、電流I30の微分の波形を示すデータである。
機器40に関しては、取得部11は、機器40の駆動装置42に供給される電流I41に関する波形を示す波形データ(電流波形データ)を取得する。
抽出部12は、取得部11で取得された波形データから、判定部13で利用する情報を取得する。判定部13で利用する情報は、駆動装置にかかる力の特定方向の成分に起因する変化に関する情報である。抽出部12は、取得部11で取得された波形データが示す波形を周波数軸波形に変換する(図3及び図4参照)。抽出部12は、変換によって得られた周波数軸波形から、駆動装置31にかかる力の特定方向の成分に起因する変化を含み得る部分(着目部分)を抽出する。
図3及び図4は、機器40の駆動装置42に供給される電流I41に関する波形を示す波形データ(電流波形データ)から得られた周波数軸波形を示す。図3及び図4において、横軸は周波数を示し、縦軸はその周波数の電流の成分の大きさを示す。図3は、刃具411が正常である場合の電流を示し、図4は、刃具411に欠損が生じている場合の電流を示す。図3及び図4では変化P10が見られる。変化P10は、刃具411及びワーク412の一方の他方に対する回転軸C412に沿った方向D412で、駆動装置42のモータ421のロータ421aにかかる力に起因すると考えられる。よって、抽出部12は、周波数軸波形から、駆動装置42にかかる背分力に起因する変化を含み得る部分(着目部分)を抽出する。図3及び図4の例では、抽出部12は、周波数軸波形から、変化P10が現れる7kHz10kHzの周波数領域を、着目部分K3、K4としてそれぞれ抽出することができる。
判定部13は、駆動装置31にかかる力の特定方向の成分に起因する変化から機器30の状態を判定する。本実施形態では、判定部13は、抽出部12で抽出された着目部分K3、K4に基づいて、機器30の状態を判定する。機器40の場合、機器40の状態は、正常、異常、及び、正常と異常とのどちらでもない不特定状態を含む。つまり、判定部13は、機器40の状態が、正常、異常、及び不特定状態のいずれであるかを判定する。
判定部13は、学習済みモデルM11、M12を利用して、着目部分K3、K4から機器40の状態を判定する。学習済みモデルM11は、与えられた入力である着目部分K3、K4に対して、未知値(未知度)を出力するように設計されている。判定部13は、抽出部12から得た着目部分K3、K4を学習済みモデルM11に与え、これによって学習済みモデルM11から得られた値(未知値)に基づいて、機器40の状態が不特定状態かどうかを判定する。例えば、未知値が閾値以上であれば、判定部13は、機器40の状態を不特定状態と判定する。また、未知値がその閾値未満であれば、判定部13は、機器40の状態を不特定状態ではないと判定する。このような学習済みモデルM11は、機器40が正常又は異常である場合の着目部分K3、K4を学習用データ(訓練標本)として用いた教師なし学習により生成することができる。学習済みモデルM12は、与えられた入力(着目部分K3.K4)に対して、異常値(異常度)を出力するように設計されている。判定部13は、抽出部12から得た着目部分を学習済みモデルM12に与え、これによって学習済みモデルM12から得られた値(異常値)に基づいて、機器40の状態が正常か異常かを判定する。例えば、異常値が閾値以上であれば、判定部13は、機器40の状態を異常と判定する。また、異常値が閾値未満であれば、判定部13は、機器40の状態を正常と判定する。このような学習済みモデルM12は、異常値に対応するラベルと着目部分との関係を規定する学習用データ(データセット)を用いた教師あり学習により生成することができる。学習済みモデルM11、M12は、記憶部17に記憶されている。なお、記憶部17は、刃具411の種類毎に、学習済みモデルM11、M12のセットを記憶してよい。つまり、記憶部17は、学習済みモデルM11、M12の複数のセットを記憶してよい。
出力部14は、判定部13での判定の結果を出力する。出力部14は、例えば、音声出力装置と、ディスプレイと、を有する。ディスプレイは、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの薄型のディスプレイ装置である。出力部14は、判定部13での判定の結果をディスプレイに表示したり、音声出力装置で報知したりしてもよい。また、出力部14は、判定部13での判定の結果をデータとして外部装置に送信したり、蓄積したりしてもよい。なお、出力部14は、音声出力装置とディスプレイとの両方を有する必要はない。また、出力部14は、判定部13での判定の結果を電子メール等で出力することもできる。
収集部15は、取得部11で取得されたデータを収集して蓄積する。本実施形態では、取得部11で取得されたデータは、測定部20からの波形データを含む。収集部15が収集したデータは、学習済みモデルM11、M12の生成・更新に利用される。
生成部16は、判定部13が利用する学習済みモデルM11、M12を生成する。生成部16は、所定量以上の学習用データを用いて、機械学習アルゴリズムによって学習済みモデルM11、M12を生成する。学習用データは、予め用意されていてもよいし、収集部15が蓄積したデータから生成されてもよい。収集部15が蓄積したデータから生成された学習用データを採用することで、学習済みモデルM11、M12を用いた状態の判定の精度の更なる向上が見込める。特に、不特定状態と判定された場合であっても、正常又は異常と判断してよい場合があれば、正常又は異常としてよい不特定状態について追加学習を行い、正常又は異常の判定の精度の向上が図れる。生成部16は、新しく生成した学習済みモデルM11、M12を評価し、学習済みモデルM11、M12の評価が向上すると、記憶部17に記憶されている学習済みモデルM11、M12を新しく生成した学習済みモデルM11、M12に置き換えて、学習済みモデルM11、M12を更新する。学習済みモデルM11、M12の生成の方法としては、上述したように、状態の内容に応じて、教師なし学習、教師あり学習を適宜利用できる。なお、教師なし学習としては、代表的な、主成分分析、自己組織化マップ、オートエンコーダ等の次元圧縮手法を利用できる。また、教師あり学習としては、代表的な、教師あり学習機構を有する多層ニューラルネットワークを利用できる。
診断システム10において、取得部11と、抽出部12と、判定部13と、出力部14と、収集部15と、生成部16とは、例えば、1以上のプロセッサ10a(一例としてはマイクロプロセッサ)と1以上のメモリとを含むコンピュータシステムにより実現され得る。つまり、1以上のプロセッサが1以上のメモリに記憶された1以上のプログラムを実行することで、取得部11と、抽出部12と、判定部13と、出力部14と、収集部15と、生成部16として機能する。1以上のプログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体10bに記録されて提供されてもよい。
1.3 動作
次に、診断システム10の基本的な動作について簡単に説明する。以下では、説明を簡略化するために、機器40の機構部41に関する診断について説明する。図5は診断システム10の動作のフローチャートである。
診断システム10は、取得部11により、機器40の駆動装置42のモータ421に供給される電流I41に関する波形を示す波形データ(電流波形データ)を取得する(ステップS11)。次に、診断システム10は、抽出部12により、取得部11で取得された波形データが示す波形を周波数軸波形に変換し、周波数軸波形から、駆動装置42(ロータ421a)にかかる力の特定方向の成分に起因する変化を含む部分を抽出する(ステップS12)。すなわち、抽出部12は、抽出した部分から変化を得る。この後に、診断システム10は、判定部13により、複数の学習済みモデルM11、M12を利用して、抽出部12で抽出された部分から、機器40の状態を判定する(ステップS13)。最後に、診断システム10は、出力部14により、判定部13での判定の結果の出力を行う(ステップS14)。このように、診断システム10は、駆動装置42に供給される電流I41に関する波形を示す波形データから、駆動装置42で駆動される機構部41の診断をしてその結果を提示できる。
1.4 適用例
1.4.1 適用例1
図6は、図1に示す機器30の一例である機器50の説明図である。診断システム10は、図6に示す機器50にも適用可能である。取得部11、抽出部12、判定部13、出力部14、収集部15、生成部16、及び記憶部17のそれぞれについては、上記の機器40の場合の説明を、機器40及びその関連要素(駆動装置42等)を、機器50及びその関連要素(駆動装置52等)に読み替えて援用する。
機器50は、ポンプである。機器50が搬送する流体は、特に限定されないが、一例としては、気体である。つまり、機器50は、真空ポンプであってよい。真空ポンプは、半導体装置の製造等、種々の分野で利用される。機器50は、機構部51と、駆動装置52と、制御装置53とを含む。
機構部51は、所定の作業を実行するための装置である。所定の作業は、インペラ512の回転によって、流体を搬送する作業である。機構部51は、流路を構成する筒体511と、筒体511内に配置されるインペラ512と、インペラ512の軸受け513とを有する。回転軸C512を中心とするインペラ512の回転によって、筒体511の開口511aから流体が筒体511内に引き込まれ、開口511bから排出される。
駆動装置52は、機構部51を駆動するための装置である。言い換えれば、駆動装置52は、機構部51の動力源である。駆動装置52は、モータ521を含む。モータ521は、与えられた電流に応じて出力が変化する。
モータ521は、回転モータである。モータ521は、インペラ512の回転に利用される。つまり、駆動装置52は、モータ521によって、インペラ512を回転させる。本実施形態では、モータ521のロータ521aの回転軸C521aの方向D521aは、インペラ512の回転軸C512に沿った方向D512であるが、これに限定されない。
モータ521は、交流で動作する交流モータである。交流モータは、三相交流モータや単相交流モータであってよい。具体的には、モータ521は、与えられた交流電流の基準周波数の変化に応じて出力(単位時間当たりの回転数)が変化する。一例として、基準周波数が高くなれば出力が大きくなり(出力軸の回転が速くなり)、基準周波数が低くなれば出力が小さくなる(出力軸の回転が遅くなる)。
制御装置53は、駆動装置52を制御するように構成されている。制御装置53は、電源装置531を備える。電源装置531は、駆動装置52のモータ521に電流I50を供給する。特に、電源装置531は、機構部51で所定の作業を実行するために、駆動装置52のモータ521に電流I50を供給する。つまり、電流I50は、機器50の所定の作業の実行中に駆動装置52に供給される。電源装置531は、モータ521に電線541を介して接続されている。本実施形態では、モータ521は交流モータであるから、電流I50は、基準周波数を有する交流電流である。電源装置531は、電流I50の基準周波数を調整する機能を有する。電源装置531は、周知の交流電源回路により実現可能であるから詳細な説明は省略する。
診断システム10は、機器50の状態としてインペラ512の状態や軸受け513の劣化を判定する。インペラ512の状態は、インペラ512が正しく回転しているかどうかで大きく2種類に大別される。診断システム10は、インペラ512が正しく回転している場合に、機器50の状態が正常であると判定する。インペラ512が正しく回転していない場合の例としては、アンバランスの発生やインペラ512の欠損がある。例えば、アンバランスは、インペラ512に異物が付着すると生じ得る。そして、アンバランスが生じた場合には、インペラ512の回転軸C512に直交する面P512内において、回転軸C512が面P512と交差する回転中心512cからインペラ512の重心が逸脱し得る。これは、インペラ512の軸受け513の劣化や、フレーキングの一因となり得る。このような軸受け513のフレーキング等は、同じ機器50であれば、同じように起きる。よって、教師ありで劣化の度合いを出力することができる。しかし、インペラ512の欠損については、どのような欠損が起きるのかは同じ機器50であってもケースバイケースであり、特定が難しい。診断システム10は、インペラ512にアンバランスが生じている場合に、機器50の状態を異常と判定する。一方で、診断システム10は、正常でも異常でもない場合に、機器50の状態を不特定状態と判定する。つまり、本実施形態でいう、異常は、診断システム10にとって特定しやすい損傷に起因する既知の異常であって、不特定状態は、診断システム10にとって特定しにくい損傷に起因する未知の異常であるといえる。
インペラ512にアンバランスが生じた場合、インペラ512は、インペラ512の中心軸512dが回転軸C512に交差した状態で回転することとなる。これによって、インペラ512には回転軸C512に交差する方向に力がかかる。このような力は、駆動装置52に伝達され得る。つまり、インペラ512の回転軸C512に交差する方向において、駆動装置52に力がかかり得る。特に、駆動装置52において、インペラ512を回転させるモータ521のロータ521aに、インペラ512の回転軸C512に交差する方向に力がかかる。この力は、機器50の所定の作業の実行中に駆動装置52(モータ521のロータ521a)にかかる。このような力は、ロータ521aの角速度の変化に影響を及ぼし得る。ロータ521aの角速度の変化は、モータ521に供給される電流I50に反映され得る。
つまり、駆動装置52(モータ521のロータ521a)にかかる力の特定方向(ここでは、インペラ512の回転軸に交差する方向)の成分に起因する変化が、駆動装置52(モータ521のロータ521a)に供給される電流I50に生じ得る。特に、電流I50は、機器50の所定の作業の実行中に駆動装置52(モータ521のロータ521a)に供給される。そこで、測定部20は、機器50の駆動装置52に供給される電流I50を測定し、電流I50に関する波形を示す波形データ(電流波形データ)を出力する。一例として、測定部20は、電源装置531から駆動装置52のモータ521への電流I50が流れる電線541に取り付けられる。ここで、波形データは、電流I50の微分の波形を示すデータである。
このように、診断システム10では、測定部20を駆動装置52(モータ521のロータ521a)の近傍に設置する必要がない。測定部20は、モータ521に供給される電流を測定できればよいから、制御装置53を収納する制御盤等の内部に設置できる。よって、機構部51において、測定部20の設置のための装置や、配線の引き回しが不要であり、また、測定部20の設置に起因するバランス調整等の必要がなくなる。更に、そのため、測定部20の設置にあたって、筒体511内で測定部20を使用できるようにするための対策(例えば、耐油対策、耐熱対策、防水対策等)が必要ない。よって、測定部20のメンテナンスの負担を軽減可能である。また、機器50の作業中でも、波形データの取得が可能である。そのため、診断システム10での診断のために、機器50の作業を中断する必要がない。更に、機器50の作業中でも、波形データの取得が可能であることから、インペラ512の状態を随時把握できる。特に、インペラ512のアンバランスが続くと、インペラ512の軸受けが劣化又は破損し、これによって、機器50が故障することがある。よって、診断システム10では、機器50が故障する前の予兆を検知できて、機器50の故障を未然に防止することができ得る。つまり、診断システム10によって、機器50の保全として従来の時間基準保全(TBM)ではなく状態基準保全(CBM)が適用可能となる。
1.4.2 適用例2
図7は、図1に示す機器30の一例である機器60の説明図である。診断システム10は、図7に示す機器60にも適用可能である。取得部11、抽出部12、判定部13、出力部14、収集部15、生成部16、及び記憶部17のそれぞれについては、上記の機器40の場合の説明を、機器40及びその関連要素(駆動装置42等)を、機器60及びその関連要素(駆動装置62等)に読み替えて援用する。
機器60は、部品実装機である。換言すれば、機器60は、部品の実装(組み立て)を行うためのロボット(ロボットアーム)である。一例として、機器60は、多関節ロボットである。機器60は、機構部61と、駆動装置62と、制御装置63とを含む。
機構部61は、所定の作業を実行するための装置である。所定の作業は、部品611に部品612を取り付ける作業である。一例では、部品611は円筒状の部材であり、部品612は円柱状の部材である。部品611は、円形状の孔611aを有している。部品611に部品612を取り付ける作業は、部品612を部品611の孔611aに挿入する作業である。このため、機構部61は、部品612を保持する機能、及び部品612を搬送する機能を有している。ここでは、機構部61は、人の手及び腕を模した形状である。
駆動装置62は、機構部61を駆動するための装置である。言い換えれば、駆動装置62は、機構部61の動力源である。駆動装置62は、モータ621、622を含む。モータ621、622は、与えられた電流に応じて出力が変化する。モータ621、622は、例えば、回転モータ、直動モータである。モータ621、622は、交流で動作する交流モータである。交流モータは、三相交流モータや単相交流モータであってよい。具体的には、モータ621、622は、与えられた交流電流の基準周波数の変化に応じて出力(単位時間当たりの回転数)が変化する。一例として、基準周波数が高くなれば出力が大きくなり(出力軸の回転が速くなり)、基準周波数が低くなれば出力が小さくなる(出力軸の回転が遅くなる)。
モータ621、622は、所定方向D612に沿って部品612を部品611に近付けるために利用される。つまり、駆動装置62は、モータ621、622によって、所定方向D612に沿って部品612を部品611に近付けるように構成される。ここで、所定方向D612は、部品611の中心軸611cの方向である。
制御装置63は、駆動装置62を制御するように構成されている。制御装置63は、電源装置631、632を備える。電源装置631、632は、駆動装置62のモータ621、622に電流I61、I62を供給する。特に、電源装置631、632は、機構部61で所定の作業を実行するために、駆動装置62のモータ621、622に電流I61、I62を供給する。つまり、電流I61、I62は、機器60の所定の作業の実行中に駆動装置62に供給される。電源装置631、632は、モータ621、622に電線641、642を介して接続されている。モータ621、622は交流モータであるから、電流I61、I62は、基準周波数を有する交流電流である。電源装置631、632は、電流I61、I62の基準周波数を調整する機能を有する。電源装置631、632は、周知の交流電源回路により実現可能であるから詳細な説明は省略する。
診断システム10は、機器60の状態として、部品611に対する部品612の取り付けの状態を判定する。取り付けの状態は、部品612を部品611の孔611aに挿入する際の、部品612の状態である。診断システム10は、部品612を部品611の孔611aに正しく挿入できる場合に、機器60の状態が正常であると判定する。部品612を部品611の孔611aに正しく挿入できない場合の例としては、こじりの発生や、部品(部品611及び/又は部品612)の破損がある。こじりは、部品612が部品611の孔611aにこじりながら無理に押し込まれることである。こじりは、交差やハンドリングの微妙な差で、部品611に対して部品612が基準位置からずれたり傾いたりすると生じ得る。こじりが生じた場合には、場合によっては、不良品となるが、不良品にならないまでも、部品611及び/又は部品612に微妙なヒビが生じたりして、部品611及び/又は部品612の損傷の一因となる。こじりは、同じ機器60であれば、同じように起きる。しかし、部品の欠損については、どのような欠損が起きるのかは同じ機器60であってもケースバイケースであり、特定が難しい。診断システム10は、こじりが生じている場合に、機器60の状態を異常と判定する。一方で、診断システム10は、正常でも異常でもない場合に、機器50の状態を不特定状態と判定する。よって、異常は、診断システム10にとって特定しやすい欠損に起因する既知の異常であって、不特定状態は、診断システム10にとって特定しにくい欠損に起因する未知の異常であるといえる。
こじりが生じた場合、部品612は所定方向D612に沿った方向において部品611の上面や孔611aの内面に強く接触することになる。これによって、部品612には所定方向D612に沿った方向に力がかかる。このような力は、駆動装置62に伝達され得る。つまり、所定方向D612に平行な方向において、駆動装置62に力がかかり得る。駆動装置62において、モータ621、622のロータ621a、622aに、所定方向D612に平行な方向に力がかかる。この力は、機器60の所定の作業の実行中に駆動装置62にかかる。このような力は、ロータ621a、622aの角速度の変化に影響を及ぼし得る。ロータ621a、622aの角速度の変化は、モータ621、622に供給される電流I61、I62に反映され得る。このような力は、特に、駆動装置62において、部品612に近いモータ621のロータ621aにかかりやすい。
つまり、駆動装置62(モータ621、622のロータ621a、622a)にかかる力の特定方向(ここでは、所定方向D612)の成分に起因する変化が、駆動装置62(モータ621、622のロータ621a、622a)に供給される電流I61、I62に生じ得る。特に、電流I61、I62は、機器60の所定の作業の実行中に駆動装置62(モータ621のロータ621a)に供給される。そして、このような力は、特に、駆動装置62において、部品612に近いモータ621のロータ621aにかかりやすい。そこで、測定部20は、機器60の駆動装置62に供給される電流I61を測定し、電流I61に関する波形を示す波形データ(電流波形データ)を出力する。一例として、測定部20は、電源装置631から駆動装置62のモータ621への電流I61が流れる電線641に取り付けられる。ここで、波形データは、電流I61の微分の波形を示すデータである。
このように、診断システム10では、測定部20を駆動装置62(モータ621のロータ621a)の近傍に設置する必要がない。測定部20は、モータ621に供給される電流を測定できればよいから、制御装置63を収納する制御盤等の内部に設置できる。よって、機構部61において、測定部20の設置のための装置や、配線の引き回しが不要であり、また、測定部20の設置に起因するバランス調整等の必要がなくなる。更に、そのため、測定部20の設置にあたって、測定部20を使用できるようにするための対策(例えば、耐油対策、耐熱対策、防水対策等)が必要ない。よって、測定部20のメンテナンスの負担を軽減可能である。また、機器60の作業中でも、波形データの取得が可能である。そのため、診断システム10での診断のために、機器60の作業を中断する必要がない。更に、機器60の作業中でも、波形データの取得が可能であることから、部品611に対する部品612の取り付けの状態を随時把握できる。そのため、機器60が異常である場合に(つまり、こじりが発生した場合に)、判定の結果を制御装置63にフィードバックすることによって、即座に機器60での作業を中断させることが可能となる。そのため、こじりの発生を低減するために部品612を部品611に挿入する速度を低下させる必要性が低下し、部品612を部品611に挿入する速度を向上させることが可能となる。これは、生産性の向上に寄与する。同様に、機器60が不特定状態である場合に、判定の結果を制御装置63にフィードバックすることによって、即座に機器60での作業を中断させることも可能である。つまり、診断システム10によって、機器60の保全として従来の時間基準保全(TBM)ではなく状態基準保全(CBM)が適用可能となる。
1.4.3 適用例3
図8は、図1に示す機器30の一例である機器70の説明図である。診断システム10は、図8に示す機器70にも適用可能である。取得部11、抽出部12、判定部13、出力部14、収集部15、生成部16、及び記憶部17のそれぞれについては、上記の機器40の場合の説明を、機器40及びその関連要素(駆動装置42等)を、機器70及びその関連要素(駆動装置72等)に読み替えて援用する。
機器70は、研磨装置である。特に、機器70は、化学機械研磨を行うための研磨装置である。機器70は、機構部71と、駆動装置72と、制御装置73とを含む。
機構部71は、所定の作業を実行するための装置である。所定の作業は、研磨パッド712により対象物716の研磨を行う作業である。対象物716は、一例として、シリコン基板等の半導体基板(半導体ウェハ)である。機構部71は、研磨プレート711と、研磨パッド712と、キャリア713と、ドレッサ714と、スラリーフィーダ715とを備える。研磨プレート711は、対象物716の表面を研磨するための研磨パッド712を保持する。キャリア713は、対象物716を保持する。特に、対象物716の表面を研磨パッド712の表面に接触させた状態で、対象物716を保持する。ドレッサ714は、研磨パッド712の表面の状態を整えるために用いられる。特に、ドレッサ714は、研磨パッド712の表面の目詰まりや異物を除去し、研磨パッド712の表面の再生をして、研磨速度を回復させるために用いられる。スラリーフィーダ715は、研磨パッド712の表面に、スラリーを供給する。スラリーは、対象物716の機械的研磨を補助する役割を果たす。
駆動装置72は、機構部71を駆動するための装置である。言い換えれば、駆動装置72は、機構部71の動力源である。駆動装置72は、モータ721、722、723を含む。モータ721、722、723は、与えられた電流に応じて出力が変化する。
モータ721、722、723は、回転するロータ721a、722a、723aをそれぞれ有する回転モータである。モータ721は、ドレッサ714の回転に利用される。つまり、駆動装置72は、モータ721によって、ドレッサ714を回転させる。モータ722は、キャリア713の回転に利用される。つまり、駆動装置72は、モータ722によって、キャリア713を回転させる。このように、駆動装置72は、モータ721、722によって、対象物716とドレッサ714とを回転させるように構成される。モータ723は、研磨プレート711の回転に利用される。つまり、駆動装置72は、モータ723によって、研磨プレート711を回転させる。
モータ721、722、723は、交流で動作する交流モータである。交流モータは、三相交流モータや単相交流モータであってよい。具体的には、モータ721、722、723は、与えられた交流電流の基準周波数の変化に応じて出力(単位時間当たりの回転数)が変化する。一例として、基準周波数が高くなれば出力が大きくなり(出力軸の回転が速くなり)、基準周波数が低くなれば出力が小さくなる(出力軸の回転が遅くなる)。
制御装置73は、駆動装置72を制御するように構成されている。制御装置73は、電源装置731、732、733を備える。電源装置731、732、733は、駆動装置72のモータ721、722、723に電流I71、I72、I73を供給する。特に、電源装置731、732、733は、機構部71で所定の作業を実行するために、駆動装置72のモータ721、722、723に電流I71、I72、I73を供給する。つまり、電流I71、I72、I73は、機器70の所定の作業の実行中に駆動装置72に供給される。電源装置731、732、733は、モータ721、722、723に電線741、742、743を介して接続されている。ここでは、モータ721、722、723は交流モータであるから、電流I71、I72、I73は、基準周波数を有する交流電流である。電源装置731、732、733は、電流I71、I72、I73の基準周波数を調整する機能を有する。電源装置731、732、733は、周知の交流電源回路により実現可能であるから詳細な説明は省略する。
診断システム10は、機器70の状態として研磨パッド712とドレッサ714の状態を判定する。研磨パッド712の状態は、研磨パッド712の表面の損傷の有無で大きく2種類に大別される。診断システム10は、研磨パッド712の表面に損傷がない場合に、機器70の状態が正常であると判定する。研磨パッド712の表面の損傷の例としては、摩耗及び欠損が挙げられる。ここで、研磨パッド712の表面の摩耗は、同じ機器70であれば、同じように起きる。しかし、研磨パッド712の表面の欠損については、ドレッサ714の状態による、研磨パッド712へのスラリーの馴染み具合等により、どのような欠損が起きるのかは同じ機器70であってもケースバイケースであり、特定が難しい。つまり、研磨パッド712の表面の損傷は、特定しやすい損傷と、特定しにくい損傷とがあり得る。診断システム10は、特定しやすい研磨パッド712の損傷がある場合に、機器70の状態を異常と判定する。一方で、診断システム10は、特定しにくい研磨パッド712の損傷がある場合に、機器70の状態を不特定状態と判定する。つまり、本実施形態でいう、異常は、診断システム10にとって特定しやすい損傷に起因する既知の異常であって、不特定状態は、診断システム10にとって特定しにくい損傷に起因する未知の異常であるといえる。
特に、駆動装置72において、研磨パッド712の表面に損傷が生じた場合には、ドレッサ714を研磨パッド712に押し当てる方向D714において、モータ721のロータ721aにかかる力が変化し得る。この力は、機器70の所定の作業の実行中に駆動装置72(モータ721のロータ721a)にかかる。このような力は、ロータ721aの角速度の変化に影響を及ぼし得る。ロータ721aの角速度の変化は、モータ721に供給される電流I71に反映され得る。
つまり、駆動装置72(モータ721のロータ721a)にかかる力の特定方向(ここでは、ドレッサ714を研磨パッド712に押し当てる方向D714)の成分に起因する変化が、駆動装置72(モータ721のロータ721a)に供給される電流I71に生じ得る。特に、電流I71は、機器70の所定の作業の実行中に駆動装置72(モータ721のロータ721a)に供給される。そこで、測定部20は、機器70の駆動装置72に供給される電流I71を測定し、電流I71に関する波形を示す波形データ(電流波形データ)を出力する。一例として、測定部20は、電源装置731から駆動装置72のモータ721への電流I71が流れる電線741に取り付けられる。ここで、波形データは、電流I71の微分の波形を示すデータである。
このように、診断システム10では、測定部20を駆動装置72(モータ721のロータ721a)の近傍に設置する必要がない。測定部20は、モータ721に供給される電流を測定できればよいから、制御装置73を収納する制御盤等の内部に設置できる。よって、機構部71において、測定部20の設置のための装置や、配線の引き回しが不要であり、また、測定部20の設置に起因するバランス調整等の必要がなくなる。更に、そのため、測定部20の設置にあたって、研磨パッド712近傍で測定部20を使用できるようにするための対策(例えば、耐油対策、耐熱対策、防水対策等)が必要ない。よって、測定部20のメンテナンスの負担を軽減可能である。また、機器70の作業中でも、波形データの取得が可能である。そのため、診断システム10での診断のために、機器70の作業を中断する必要がない。更に、機器70の作業中でも、波形データの取得が可能であることから、研磨パッド712の状態を随時把握できる。特に、研磨パッド712の摩耗の程度の判断が可能となるから、研磨パッド712の表面が摩耗しきってから、研磨パッド712を交換することが可能となる。つまり、研磨パッド712をその使用時間ではなく、実際の摩耗の状態に応じて交換するから、研磨パッド712を効率的に使用できる。つまり、診断システム10によって、機器70の保全として従来の時間基準保全(TBM)ではなく状態基準保全(CBM)が適用可能となる。
1.5 まとめ
以上述べた診断システム10は、取得部11と、判定部13とを備える。取得部11は、機器30の駆動装置31に供給される電流I30に関する波形を示す波形データを取得する。判定部13は、波形データから得られる、駆動装置31にかかる力の特定方向の成分に起因する変化から、機器30の状態を判定する。診断システム10によれば、機器30の状態の判定の精度を向上できる。
換言すれば、診断システム10は、下記の診断方法を実行しているといえる。診断方法は、取得ステップと、判定ステップとを備える。取得ステップは、機器30の駆動装置31に供給される電流I30に関する波形を示す波形データを取得するステップである。判定ステップは、波形データから得られる、駆動装置31にかかる力の特定方向の成分に起因する変化から、機器30の状態を判定するステップである。このような診断方法によれば、機器30の状態の判定の精度を向上できる。
診断システム10は、1以上のプロセッサを含むコンピュータシステムにより実現されている。つまり、診断システム10は、1以上のプロセッサがプログラム(診断プログラム)を実行することにより実現される。このプログラムは、1以上のプロセッサに診断方法を実行させるためのプログラム(コンピュータプログラム)である。このようなプログラムによれば、診断方法と同様に、機器30の状態の判定の精度を向上できる。
2.変形例
本開示の実施形態は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下に、上記実施形態の変形例を列挙する。
判定部13は、機器30の状態を、正常状態、異常状態、及び、不特定状態のいずれかとしているが、これに限定されない。判定部13は、正常状態、異常状態、及び、不特定状態のそれぞれについて、度合いを判断してよい。これによって、診断システム10は、正常、異常、及び、不特定状態の度合いに応じて、異なる通知をすることができる。一例として、診断システム10は、正常の度合いが低い場合には、異常又は不特定状態となる可能性が高いことを通知してよい。また、診断システム10は、異常、及び、不特定状態の度合いが閾値を超える場合には、機器30の動作の停止、通知等の処理をしてよい。あるいは、機器30の状態は、正常状態、異常状態、及び、不特定状態の3種類に限定されず、4種類以上の状態であってもよいし、2種類の状態であってもよい。
例えば、診断システム10は、測定部20を備えている必要はない。一例として、測定部20が予め機器30に備えられていれば、診断システム10は、取得部11、抽出部12、判定部13、出力部14、収集部15、生成部16、及び記憶部17を有しているだけでもよい。
ここで、測定部20は、必ずしも、微分型の電流センサを含む必要はなく、その他の周知の電流センサであってもよい。
また、診断システム10は、必ずしも、収集部15、生成部16、及び記憶部17を有している必要はない。つまり、診断システム10は、学習済みモデルM11、M12、…を自身で更新する機能を有していなくてよい。また、記憶部17は、複数の学習済みモデルM11、M12、…を記憶している必要はない。
また、診断システム10は、抽出部12を備えていなくてもよい。例えば、抽出部12での処理をユーザが代替して行う場合、診断システム10は、駆動装置31にかかる力の特定方向の成分に起因する変化P10を含む部分を抽出しなくてよい。また、取得部11で取得された波形データが示す波形の全体を入力として学習済みモデルM11、M12から機器30の状態を出力として得てよい。つまり、変化P10を含む部分の抽出を省略してよい。
また、診断システム10は、出力部14を有している必要はない。一例として、診断システム10は、判定部13で判定された機器30の状態を、診断システム10外に出力可能であってよい。
また、診断システム10は、複数のコンピュータにより構成されていてもよく、診断システム10の機能(特に、取得部11、抽出部12、判定部13、出力部14、収集部15、及び生成部16)は、複数の装置に分散されていてもよい。例えば、取得部11、抽出部12、判定部13及び出力部14は、機器のある施設に設置されるパーソナルコンピュータ等に設けられてよく、生成部16及び出力部14は、外部のサーバ等に設けられてよい。この場合、パーソナルコンピュータとサーバとが協働することで、診断システム10が実現される。更に、診断システム10の機能の少なくとも一部が、例えば、クラウド(クラウドコンピューティング)によって実現されていてもよい。
以上述べた診断システム10の実行主体は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを有する。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における診断システム10の実行主体としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されていてもよいが、電気通信回線を通じて提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1または複数の電子回路で構成される。ここでは、ICやLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(verylarge scale integration)、若しくはULSI(ultra large scale integration)と呼ばれるものであってもよい。LSIの製造後にプログラムされる、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FGPA)、又はLSI内部の接合関係の再構成又はLSI内部の回路区画のセットアップができる再構成可能な論理デバイスも同じ目的で使うことができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
3.態様
上記実施形態及び変形例から明らかなように、本開示は、下記の態様を含む。以下では、実施形態との対応関係を明示するためだけに、符号を括弧付きで付している。
第1の態様は、診断システム(10)であって、取得部(11)と、判定部(13)とを備える。前記取得部(11)は、機器(30、40、50、60、70)の駆動装置(31、42、52、62、72)に供給される電流(I30、I41、I42、I50、I61、I62、I71、I72、I73)に関する波形を示す波形データを取得する。前記判定部(13)は、前記波形データから得られる、前記駆動装置(31)にかかる力の特定方向の成分に起因する変化から、前記機器(30、40、50、60、70)の状態を判定する。この態様によれば、機器(30、40、50、60、70)の状態の判定の精度を向上できる。
第2の態様は、第1の態様の診断システム(10)に基づく。第2の態様では、前記機器(30、40、50、60、70)は、所定の作業を実行する作業機器である。前記電流(I30、I41、I42、I50、I61、I62、I71、I72、I73)は、前記機器(30)の前記所定の作業の実行中に前記駆動装置(31)に供給される。前記力は、前記機器(30、40、50、60、70)の前記所定の作業の実行中に前記駆動装置(31)にかかる。この態様によれば、機器(30)での作業を中断することなく、機器(30、40、50、60、70)の状態の判定が可能となる。
第3の態様は、第2の態様の診断システム(10)に基づく。第3の態様では、前記駆動装置(42、52、62、72)は、モータ(421、422、521、621、622、721、722、723)を含む。前記駆動装置(31、42、52、62、72)にかかる力は、前記モータ(421、422、521、621、622、721、722、723)のロータ(421a、422a、521a、621a、622a、721a、722a、723a)にかかる力である。この態様によれば、機器(40、50、60、70)の状態の判定の精度を更に向上できる。
第4の態様は、第3の態様の診断システム(10)に基づく。第4の態様では、前記所定の作業は、刃具(411)及びワーク(412)の一方の他方に対する回転によって、前記ワーク(412)を加工する作業である。前記駆動装置(42)は、前記モータ(421)によって、前記回転の回転軸に沿った方向で前記刃具(411)と前記ワーク(412)との一方を他方に押し当てるように構成される。前記特定方向は、前記回転軸に沿った方向ある。この態様によれば、機器(40)の状態の判定の精度を更に向上できる。
第5の態様は、第3の態様の診断システム(10)に基づく。第5の態様では、前記所定の作業は、インペラ(512)の回転によって、流体を搬送する作業である。前記駆動装置(52)は、前記モータ(521)によって、前記インペラ(512)を回転させるように構成される。前記特定方向は、前記インペラ(512)の回転軸に交差する。この態様によれば、機器(50)の状態の判定の精度を更に向上できる。
第6の態様は、第3の態様の診断システム(10)に基づく。第6の態様では、前記所定の作業は、第1部品(611)に第2部品(612)を取り付ける作業である。前記駆動装置(62)は、前記モータ(621、622)によって、所定方向に沿って前記第2部品(612)を前記第1部品(611)に近付けるように構成される。前記特定方向は、前記所定方向である。この態様によれば、機器(60)の状態の判定の精度を更に向上できる。
第7の態様は、第3の態様の診断システム(10)に基づく。第7の態様では、前記所定の作業は、研磨パッド(712)により対象物(716)の研磨を行う作業である。前記駆動装置(72)は、前記モータ(721)によって、ドレッサ(714)の前記研磨パッド(712)への押し当てを行うように構成される。前記特定方向は、前記ドレッサ(714)を前記研磨パッド(712)に押し当てる方向であるこの態様によれば、機器(70)の状態の判定の精度を更に向上できる。
第8の態様は、第1~第7の態様のいずれか一つの診断システム(10)に基づく。第8の態様では、前記機器(30、40、50、60、70)の状態は、正常、異常、及び、正常と異常とのどちらでもない不特定状態を含む。この態様によれば、機器(30、40、50、60、70)の状態が診断システム(10)にとって未知の状態であっても、不特定状態として検知することが可能となるから、機器(30、40、50、60、70)の管理者に注意を促すことが可能となる。
第9の態様は、第8の態様の診断システム(10)に基づく。第9の態様では、前記判定部(13)は、前記機器(30、40、50、60、70)の状態が前記不特定状態でない場合に、正常か異常かを判定する。この態様によれば、機器(30、40、50、60、70)の状態の判定の精度を更に向上できる。
第10の態様は、第1~第9の態様のいずれか一つの診断システム(10)に基づく。第10の態様では、前記診断システム(10)は、前記波形を周波数軸波形に変換し、前記周波数軸波形から前記変化を含み得る部分を抽出する抽出部(12)を更に備える。前記判定部(13)は、前記抽出部(12)で抽出された前記部分に基づいて、前記機器(30、40、50、60、70)の状態を判定する。この態様によれば、機器(30、40、50、60、70)の状態の判定の精度を更に向上できる。
第11の態様は、第10の態様の診断システム(10)に基づく。第11の態様では、前記判定部(13)は、学習済みモデル(M11、M12)を利用して、前記部分から前記機器(30、40、50、60、70)の状態を判定する。この態様によれば、機器(30、40、50、60、70)の状態の判定の精度を更に向上できる。
第12の態様は、第1~第11の態様のいずれか一つの診断システム(10)に基づく。第12の態様では、前記診断システム(10)は、前記電流(I30、I41、I42、I50、I61、I62、I71、I72、I73)を測定して前記波形データを出力する測定部(20)を更に備える。前記測定部(20)は、微分型の電流センサを含む。この態様によれば、機器(30、40、50、60、70)の状態の判定の精度を向上できる。
第13の態様は、第12の態様の診断システム(10)に基づく。第13の態様では、前記測定部(20)は、前記電流(I30、I41、I42、I50、I61、I62、I71、I72、I73)が流れる電線(32、441、442、541、641、642、741、742、743)に取り付けられる。この態様によれば、診断システム(10)の実装が容易になる。
第14の態様は、診断方法であって、取得ステップと、判定ステップとを含む。前記取得ステップは、機器(30、40、50、60、70)の駆動装置(31、42、52、62、72)に供給される電流(I30、I41、I42、I50、I61、I62、I71、I72、I73)に関する波形を示す波形データを取得するステップである。前記判定ステップは、前記波形データから得られる、前記駆動装置(31、42、52、62、72)にかかる力の特定方向の成分に起因する変化から、前記機器(30、40、50、60、70)の状態を判定するステップである。この態様によれば、機器(30、40、50、60、70)の状態の判定の精度を向上できる。
第15の態様は、プログラムであって、1以上のプロセッサに、第14の態様の診断方法を実行させるための、プログラムである。この態様によれば、機器(30、40、50、60、70)の状態の判定の精度を向上できる。
10 診断システム
11 取得部
12 抽出部
13 判定部
M11,M12 学習済みモデル
30 機器
31 駆動装置
32 電線
I30 電流
40 機器
411 刃具
412 ワーク
42 駆動装置
421,422 モータ
421a,422a ロータ
441,442 電線
I41,I42 電流
50 機器
512 インペラ
513 軸受け
52 駆動装置
521 モータ
521a ロータ
541 電線
I50 電流
60 機器
611 部品(第1部品)
612 部品(第2部品)
62 駆動装置
621,622 モータ
621a,622a ロータ
641,642 電線
I61,I62 電流
70 機器
712 研磨パッド
714 ドレッサ
716 対象物
72 駆動装置
721,722,723 モータ
721a,722a,723a ロータ
741,742,743 電線
I71,I72,I73 電流

Claims (16)

  1. 駆動装置を有する機器を診断するように構成された診断システムであって、
    前記駆動装置に供給される電流に関する波形を示す波形データを取得する取得部と、
    前記波形データから、前記駆動装置にかかる力の特定方向の成分に起因する変化を得て、
    前記得られた変化から前記機器の状態を判定する、
    ように構成された判定部と、
    を備えた診断システム。
  2. 前記機器は、所定の作業を実行する作業機器であり、
    前記電流は、前記機器の前記所定の作業の実行中に前記駆動装置に供給され、
    前記力は、前記機器の前記所定の作業の実行中に前記駆動装置にかかる、請求項1に記載の診断システム。
  3. 前記駆動装置は、ロータを有するモータを含み、
    前記駆動装置にかかる前記力は前記ロータにかかる、請求項2に記載の診断システム。
  4. 前記所定の作業は、刃具及びワークの一方の他方に対する回転軸を中心にした回転によって前記ワークを加工する作業であり、
    前記駆動装置は、前記モータによって、前記回転軸に沿った方向で前記刃具と前記ワークとの一方を他方に押し当てるように構成され、
    前記特定方向は前記回転軸に沿った方向である、請求項3に記載の診断システム。
  5. 前記所定の作業は、回転軸を中心とするインペラの回転によって流体を搬送する作業であり、
    前記駆動装置は、前記モータによって前記インペラを回転させるように構成され、
    前記特定方向は、前記インペラの前記回転軸に交差する、請求項3に記載の診断システム。
  6. 前記所定の作業は、第1部品に第2部品を取り付ける作業であり、
    前記駆動装置は、前記モータによって、所定方向に前記第2部品を前記第1部品に近付けるように構成され、
    前記特定方向は前記所定方向である、請求項3に記載の診断システム。
  7. 前記所定の作業は、研磨パッドにより対象物を研磨する作業であり、
    前記駆動装置は、前記モータによって、所定方向にドレッサを前記研磨パッドへ押し当てるように構成され、
    前記特定方向は前記所定方向である、請求項3に記載の診断システム。
  8. 前記機器の状態は、正常、異常、及び、正常と異常とのどちらでもない不特定状態を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の診断システム。
  9. 前記判定部は、前記機器の状態が前記不特定状態でない場合に、正常か異常かを判定する、請求項8に記載の診断システム。
  10. 前記波形を周波数軸波形に変換し、前記周波数軸波形から前記変化を含み得る部分を抽出する抽出部を更に備え、
    前記判定部は、前記抽出部で抽出された前記部分に基づいて、前記機器の状態を判定する、請求項1から9のいずれか一項に記載の診断システム。
  11. 前記判定部は、学習済みモデルを利用して、前記部分から前記機器の状態を判定する、請求項10に記載の診断システム。
  12. 前記電流を測定して前記波形データを出力する測定部を更に備え、
    前記測定部は、微分型の電流センサを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の診断システム。
  13. 前記測定部は、前記電流が流れる電線に取り付けられる、請求項12に記載の診断システム。
  14. 駆動装置を有する機器の診断方法であって、
    前記駆動装置に供給される駆動電流に関する波形を示す波形データを取得するステップと、
    前記波形データから、前記駆動装置にかかる力の特定方向の成分に起因する変化を得るステップと、
    前記得られた変化から前記機器の状態を判定するステップと、
    を含む、診断方法。
  15. 1以上のプロセッサに請求項14に記載の診断方法を実行させるためのプログラム。
  16. 1以上のプロセッサに請求項14に記載の診断方法を実行させるためのプログラムを記録した記録媒体。
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