JP7316457B2 - 点火制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、点火制御装置に関する。
近年、車両の燃費向上のため、理論空燃比よりも希薄な混合気で運転する技術(超希薄燃焼)や、燃焼後の排気ガスの一部を取り入れ、再度吸気させる技術(例えば、EGR(Exhaust Gas Recirculation))などを取り入れた内燃機関の制御装置が開発されている。このような技術では、希薄な混合気を気筒内で十分に拡散させて点火プラグによる着火性を向上させる必要がある。その技術の一つとして、気筒内へ供給する空気に乱流(タンブル)を発生させるものがあった。
また、1次コイルに流れる1次電流を通電又は遮断することで2次コイルに2次電流(1次電流とは逆方向のマイナスの電流)を発生させて2次コイルに誘起された2次電圧が点火プラグに印加されて火花放電を起こす点火制御装置が知られている。この点火制御装置に関して、例えば、点火プラグの電極に高エネルギを印加するコイルや、1次コイルへの通電を重畳するコイル等の技術が提案されている。
しかし、前述のようなコイルを使用した場合、点火コイルが火花放電を発生する点火工程の後半には、混合気が乱流を起こしやすくなると共に、点火コイルの放電エネルギが低下する。この乱流により、点火プラグの電極間に生じる火花放電が吹き消え、再び火花放電が発生するといった、本来の仕様でない多重放電が引き起こされていた。このように火花放電が吹き消えた後、点火コイルに残った放電エネルギにより再度火花放電が発生する現象を「リストライク」と呼ぶ。リストライクが発生すると、点火プラグの電極間には容量(アーク)放電が発生し、点火プラグの電極が摩耗する。そして、1回の点火工程内で多重放電(複数回のリストライク)が発生すると点火プラグの電極摩耗が促進されてしまう。そこで、多重放電の発生時に点火プラグの電極摩耗を防ぐための技術として、以下の特許文献1に開示された技術が知られていた。
この特許文献1には、「点火プラグの火花放電を強制的に遮断する内燃機関用の点火装置において、火花放電遮断制御は、2次コイルに発生する2次電流が所望の値以下になると動作させる」と記載されている。
特開2015-132170号公報
特許文献1に開示された技術では、火花放電を発生させている最中に2次電流が所定値を下回った場合、1次コイルに2次電流と逆方向に通電するよう回路構成を切り替えることにより、多重放電が遮断される。しかしながら、この技術を用いるためには、従来の点火回路に比べて、2次電流の計測装置の追加、及び2次電流に応じて回路構成を切り替える部品の追加が必要である。このため、点火回路の部品点数が増え、製品コストが増加していた。
また、特許文献1に開示された技術と同様の挙動を、点火回路への部品追加無しで実現しようとする場合は、1次コイルへ再通電することが想定される。しかし、リストライクの発生有無を判断しなければ、リストライクが発生しない状況でも再通電することとなり、点火回路が不要なエネルギを消費する恐れがあった。
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、リストライクの発生による点火プラグの摩耗を抑制することを目的とする。
本発明は、1次側に配置された1次コイルと、2次側に配置された2次コイルとを有する点火コイルに入力される点火信号により、1次コイルに流れる1次電流の通電及び遮断が制御され、1次電流が遮断されたことで2次コイルに誘起された2次電圧及び2次電流が、2次コイルに接続される点火プラグに印加されて発生した火花放電により、混合気が気筒内の燃焼室で点火される内燃機関の点火を制御する点火制御装置であり、1回の点火工程内で1次電流の再通電の開始時期及び終了時期を演算し、再通電の終了時期と、燃焼室内の筒内圧力を検出する筒内圧力検出部が検出した筒内圧力により演算されるピーク2次電流及び2次電流傾きに基づいて演算される2次電流が予め設定されたリストライク発生閾値を超えるリストライク発生時期とを比較して再通電の実施有無を判定し、再通電の開始時期をリストライク発生時期に合わせる点火信号演算部と、点火工程内で少なくとも1回以上の火花放電を発生させるための点火信号を生成して点火コイルに出力した後、点火信号演算部により再通電を実施すると判定された場合に点火信号を生成して再通電の開始時期に点火信号を点火コイルに出力し、点火信号演算部により再通電を実施しないと判定された場合に点火信号を生成しない点火信号生成部と、を備える。
本発明によれば、点火制御装置に点火制御のための部品を追加しなくても、必要最小限のエネルギ消費でリストライクの発生を抑えるため、点火プラグの摩耗を抑制することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施の形態に係る内燃機関の全体構成例を示す図である。 本発明の一実施の形態に係るECUの構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態に係る点火信号演算部の構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態に係る点火コイルの構成例を示す図である。 本発明の一実施の形態に係る点火制御処理の例を示すフローチャートである。 図5のステップS1における点火時期1演算処理の一例を示すフローチャートである。 図5のステップS2における通電時間1演算処理の一例を示すフローチャートである。 図5のステップS3における通電2開始時期演算処理の一例を示すフローチャートである。 ピーク2次電流及び2次電流傾きの特性、並びに通電2開始時期、ピーク2次電流、2次電流傾き及びリストライク発生閾値の一例を示す図である。 図5のステップS4における点火時期2演算処理の一例を示すフローチャートである。 図5のステップS5における通電2実施有無判定処理の一例を示すフローチャートである。 図5のステップS6における点火信号生成処理の一例を示すタイミングチャートである。 本発明の一実施の形態に係る通電2実施有無判定処理の一例を示すタイミングチャートである。 図13における回転数1000、2000、4000、6000rpmでの点火時期1から上死点時期までの時間の一例を示す。
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
[一実施の形態]
始めに、本発明の一実施の形態に係る内燃機関の一例について説明する。
図1は、内燃機関100の全体構成例を示す図である。内燃機関100は、理論空燃比よりも希薄な混合気で燃焼することが可能な超希薄燃焼や、EGRガスを吸気に取り込んだ混合気を燃焼するEGRを採用した構成としている。
内燃機関100が備える気筒101の頂部に燃焼室が形成される。この燃焼室には、点火電圧が印加される点火プラグ102、点火プラグ102へ点火電圧を印加する点火コイル103、燃料噴射弁104が設置されている。気筒101では、ピストン106がクランクシャフト107の回転角度に応じて上下することにより気筒101内部の圧力が変化する。そこで、筒内圧センサ105は、気筒101内部の圧力(筒内圧)を計測し、ECU(Engine Control Unit)123に筒内圧を出力する。クランク角センサ108は、クランクシャフト107の角回転度(クランク角)を計測し、ECU123にクランク角を出力する。
吸気系を構成する吸気管109には、エアフローセンサ110、スロットル弁111、スロットルポジションセンサ112等が設置される。
エアフローセンサ110は、吸気管109から気筒101に吸入される空気の吸入空気量及び吸気温度を計測する。
スロットル弁111は、吸気管109に流入する空気量、及び吸気管109内の吸気管圧力を調整する。
スロットルポジションセンサ112は、スロットル弁111の開度を検出する。
そして、吸気管109内の空気は、吸気弁113が開くことによって燃焼室内に吸入される。
また、排気系を構成する排気管114には、触媒上流空燃比センサ115、排気ガス浄化触媒116、触媒下流空燃比センサ117等が設置される。
触媒上流空燃比センサ115は、空燃比検出器の一態様であって、排気ガス浄化触媒116の上流側にて排気ガスの空燃比を検出する。
排気ガス浄化触媒116は、排気ガスを浄化する触媒である。
触媒下流空燃比センサ117は、空燃比検出器の一態様であって、排気ガス浄化触媒116の下流側にて排気ガスの空燃比を検出する。
燃焼室で燃焼した排気ガスは、排気弁118が開くことによって燃焼室から排気管114に排出され、排気ガスの後処理が行われる。
EGR管119は、排気管114と吸気管109に接続される。EGR弁120が開くことによって、EGR管119内の排気ガスが吸気管109へ還流される。EGR流量センサ121は、吸気管109へ還流される排気ガスの流量(EGR流量)を計測し、ECU123にEGR流量を出力する。
また、内燃機関100内には、水温センサ122が設置される。水温センサ122は、気筒101等を冷却する冷却水の水温を計測し、ECU123に冷却水の水温を出力する。
これらの内燃機関100に設置された各種のセンサおよびアクチュエータはECU123と接続され、制御されている。ECU123は、各種のセンサが計測した値に基づいて、アクチュエータの動作状況を管理する。このため、ECU123は、内燃機関100の動作を制御する内燃機関制御装置の一例として用いられる。ただし、本実施の形態では、特に点火プラグ102の点火時期を制御することに注目し、ECU123が点火制御装置の一例として用いられるものとする。
また、上記の構成において、燃料噴射弁104は吸気管109内に設置してもよい。燃料噴射弁104を吸気管109内に設置した構成とすることで、ポート噴射式の内燃機関に本発明を適用することも可能となる。
<ECUの構成例>
図2は、ECU123の構成例を示すブロック図である。
ECU123は、CPU(Central Processing Unit)201、メモリ202、点火信号生成部204及び上死点検出部205を備える。ECU123は、点火コイル103へ点火信号を送信することにより、点火プラグ102を制御している。
CPU201は、メモリ202からプログラムを読み出し、このプログラムを実行することで、ECU123内の各部の動作を制御する。メモリ202は、プログラムの実行に際して必要なデータを一時記憶するRAM(Random Access Memory)、プログラムが記憶されるROM(Read Only Memory)等により構成されている。
CPU201は、点火信号演算部203を備える。点火信号演算部203には、EGR流量センサ121が計測したEGR流量、クランク角センサ108が計測したクランク角、筒内圧センサ105が計測した筒内圧、水温センサ122が計測した水温が入力する。
そして、点火信号演算部203は、各センサから入力した、EGR流量、クランク角、筒内圧及び水温に加えて、メモリ202から読み出した各種の情報に基づいて点火信号を演算する。点火信号演算部203の詳細な内部構成及び処理については、後述する図3にて説明する。点火信号演算部203が演算した点火信号演算結果は、点火信号生成部204に出力される。
点火信号生成部204は、点火信号演算結果に基づいて点火信号を生成し、点火コイル103に点火信号を送信する。
ここで、点火制御装置(ECU123)は、1回の点火工程内で1次電流の再通電の開始時期及び終了時期を演算し、再通電の終了時期と、2次電流が予め設定されたリストライク発生閾値を超えるリストライク発生時期とを比較して再通電の実施有無を判定し、再通電の開始時期をリストライク発生時期に合わせる点火信号演算部(点火信号演算部203)と、点火工程内で少なくとも1回以上の火花放電を発生させるための点火信号を生成して点火コイル103に出力した後、点火信号演算部203により再通電を実施すると判定された場合に点火信号を生成して再通電の開始時期に点火信号を点火コイル103に出力し、点火信号演算部203により再通電を実施しないと判定された場合に点火信号を生成しない点火信号生成部(点火信号生成部204)と、を備える。この点火信号演算部203は、リストライクの発生頻度が低下する時期を、点火プラグ102の電極間における混合気の流速が低減する時期であって、上死点の時期以降とする。
また、点火制御装置(ECU123)は、気筒101内を運動するピストン106の上死点を検出する上死点検出部(上死点検出部205)を備える。上死点検出部205は、クランク角センサ108と、メモリ202に格納された情報により構成される。クランク角センサ108がクランクシャフト107のクランク角を検出すると、メモリ202に対して時系列にクランク角の値[deg]を書き込む。そして、上死点検出部205は、メモリ202から読み出したクランク角に基づいてピストン106の上死点を検出することが可能である。
<点火信号演算部の構成例>
図3は、点火信号演算部203の構成例を示すブロック図である。
点火信号演算部203は、点火時期1演算部301、通電時間1演算部302、通電2開始時期演算部303、点火時期2演算部304及び通電2実施有無判定部305を備える。点火信号演算部(点火信号演算部203)は、再通電の開始時期、再通電の終了時期、及び上死点の時期を、ピストン106の回転角度に基づいて演算する。
点火信号演算部(点火信号演算部203)が有する第1点火時期演算部(点火時期1演算部301)は、基本点火時期からリタード指令値を減じて、第1点火時期(点火時期1)を演算する。すなわち、点火時期1演算部301は、メモリ202に格納された基本点火時期、及びリタード指令値に基づいて点火時期1を演算する。点火時期1は、例えば、燃焼サイクルの最初(1回目)にONされた点火信号がOFFされる時期を表す。点火信号がOFFされると、点火プラグ102の電極間に火花放電が発生し、混合気が点火される。なお、燃焼サイクルの最初(1回目)に点火信号がONからOFFされるまでに点火コイル103に通電される1次電流を「通電1」と呼ぶ。また、通電1が開始される時期を「通電1開始時期」と呼ぶ。通電1は、後述する実施有無が判定される再通電に対する1次電流を表しており、燃焼サイクルの最初(1回目)に限らず、2回目、3回目の場合もある。
点火信号演算部(点火信号演算部203)が有する第1通電時間演算部(通電時間1演算部302)は、基本通電時間、及び内燃機関(内燃機関100)を冷却する冷却水の水温に基づいて、第1通電時間(通電時間1)を演算する。なお、第1通電時間演算部(通電時間1演算部302)は、基本通電時間、水温、及び燃焼後の排気ガスの一部がEGRガスとして排気管114から吸気管109に還流されるように接続されるEGR管119内のEGRガスの流量に基づいて第1通電時間(通電時間1)を演算することが可能である。すなわち、通電時間1演算部302は、水温、EGR流量、メモリ202に格納された基本通電時間から通電時間1を演算する。通電時間1は、通電1開始時期から点火時期1まで点火信号がONされる時間を表す。
点火信号演算部(点火信号演算部203)が有する第2通電開始時期演算部(通電2開始時期演算部303)は、内燃機関(内燃機関100)の回転数を検出する回転数検出部(クランク角センサ108)が検出した回転数と、燃焼室内の筒内圧力を検出する筒内圧力検出部(筒内圧センサ105)が検出した筒内圧力と、実施有無が判定される再通電の前に通電された1次電流の遮断時期と、予め設定されたリストライク発生閾値とに基づいて、再通電の開始時期である第2通電開始時期(通電2開始時期)を演算する第2通電開始時期演算部(通電2開始時期演算部303)を有する。すなわち、通電2開始時期演算部303は、通電時間1演算部302により演算された通電時間1、クランク角、筒内圧、メモリ202に格納されたコイル設計情報及びリストライク発生閾値に基づいて、通電2開始時期を演算する。コイル設計情報は、リストライク発生閾値の算出に際して元となる情報である。点火時期2に合わせて点火コイル103に再通電される1次電流を「通電2」と呼ぶ。また、通電2が開始される時期を「通電2開始時期」と呼ぶ。
また、点火信号演算部(点火信号演算部203)が有する第2点火時期演算部(点火時期2演算部304)は、再通電が遮断されて発生する火花放電により混合気が点火される第2点火時期(点火時期2)を演算する。すなわち、点火時期2演算部304は、上死点検出部205により検出された上死点、メモリ202から読み出された流速低減余裕量に基づいて点火時期2を演算する。点火時期2は、点火時期1の次(2回目以降)にONされた点火信号がOFFされる時期を表す。この点火時期2は、通電2実施有無判定部305により補正される前の値であるため、「補正前点火時期2」とも呼ぶ。
また、点火信号演算部(点火信号演算部203)が有する再通電実施判定部(通電2実施有無判定部305)は、第2通電開始時期(通電2開始時期)及び第2点火時期(点火時期2)に基づいて、再通電の実施有無を判定して点火信号演算結果を出力する。すなわち、通電2実施有無判定部305は、通電2開始時期演算部303が演算した通電2開始時期と、点火時期2演算部304から入力した補正前点火時期2の補正値とに基づいて通電時間2を演算する。通電時間2は、点火時期2でONされた点火信号がOFFされるまでの時間を表す。そして、通電2実施有無判定部305は、通電2の実施有無を判定する。
点火時期1演算部301により演算した点火時期1、通電時間1演算部302により演算した通電時間1、点火時期2演算部304により演算した点火時期2、通電2実施有無判定部305により演算した通電時間2は、点火信号演算結果として点火信号を生成する点火信号生成部204に入力される。
点火信号生成部(点火信号生成部204)は、再通電の直前の点火時期である第1点火時期(点火時期1)、再通電の直前に通電される1次電流の第1通電時間(通電時間1)、第2点火時期(点火時期2)、及び点火信号演算結果に基づいて生成した点火信号を点火コイル(点火コイル103)に出力する。
<点火コイルの構成例>
図4は、点火コイル103の構成例を示す図である。
点火コイル103は、電源401と、1次コイル402と、スイッチングデバイス403と、2次コイル404とを備える。
電源401は、1次コイル402に1次電流及び1次電圧を供給する。
スイッチングデバイス403は、ECU123(点火信号生成部204)から送信される点火信号のON又はOFFに応じて1次コイル402の通電又は非通電を切り替える。
2次コイル404は、1次コイル402と並列に設置される。2次コイル404の一端は接地され、他端は点火プラグ102の電極に接続される。
1次コイル402への通電/非通電に応じて1次コイル402と2次コイル404との間で相互誘導が生じ、2次コイル404に高電圧(2次電圧)及び2次電流が発生する。
この2次電圧及び2次電流が点火プラグ102に印加されて、点火プラグ102の電極間で火花放電が発生する。
なお、点火コイル103は、一つ以上の1次コイル402、及び一つ以上の2次コイル404を設けた点火制御回路として構成してもよい。このような構成とした点火コイル103に対して、本発明を適用することも可能である。
以上のように、本実施の形態に係る点火制御装置(ECU123)は、1次側に配置された1次コイル(1次コイル402)と、2次側に配置された2次コイル(2次コイル404)とを有する点火コイル(点火コイル103)に入力される点火信号により、1次コイル402に流れる1次電流の通電及び遮断が制御され、1次電流が遮断されたことで2次コイル404に誘起された2次電圧及び2次電流が、2次コイル404に接続される点火プラグ102に印加されて発生した火花放電により、混合気が気筒内の燃焼室で点火される内燃機関100の点火を制御する構成としている。
このようにECU123では、再通電の終了時期と、2次電流が予め設定されたリストライク発生閾値を超えるリストライク発生時期(例えば、上死点以降)との関係に基づいて再通電の実施有無が判定される。このため、ECU123に2次電流の計測装置の追加、及び2次電流に応じて回路構成を切り替える部品の追加による製品コストの増加を抑えることができる。また、点火信号生成部204は、点火信号演算部203が再通電を実施しないと判定した場合に点火信号を生成しないので、再通電に伴う余計なエネルギ消費が抑えられる。点火信号生成部204は、点火信号演算部203が再通電を実施すると判定した場合にだけ点火信号を生成するので、必要最小限のエネルギ消費でリストライクの発生を抑制することができ、点火プラグ102の摩耗を低減することができる。
<点火制御処理の例>
次に、ECU123で行われる点火制御処理の例について、図5~図12を参照して説明する。
図5は、点火制御処理の例を示すフローチャートである。
始めに、点火時期1演算部301は、図6に示す制御フローに従い、点火時期1を演算する(S1)。
次に、通電時間1演算部302は、図7に示す制御フローに従い、通電時間1を演算する(S2)。
次に、通電2開始時期演算部303は、図8に示す制御フローに従い、通電2開始時期を演算する(S3)。
次に、点火時期2演算部304は、図10に示す制御フローに従い、補正前点火時期2を演算する(S4)。
次に、通電2実施有無判定部305は、図11に示す制御フローに従い、通電2の実施有無を判定し、通電時間2を演算する(S5)。
次に、点火信号生成部204は、図12に示すタイミングチャートに従い、点火信号を生成する(S6)。
図6は、図5のステップS1における点火時期1演算処理の一例を示すフローチャートである。
始めに、点火時期1演算部301は、メモリ202から基本点火時期、リタード指令値を取得する(S11)。
次に、点火時期1演算部301は、「点火時期1=基本点火時期+リタード指令値」の式を用いて点火時期1を演算し(S12)、図5に処理を戻す。点火時期1演算部301は、予め内燃機関100の仕様毎に設定した値を使用し、例えば、「基本点火時期=上死点-所定進角量(10deg等)」の式を用いて基本点火時期を設定する。また、点火時期1演算部301は、内燃機関100の運転状態に応じて、基本点火時期からの遅角量をリタード指令値として設定する。
図7は、図5のステップS2における通電時間1演算処理の一例を示すフローチャートである。
始めに、通電時間1演算部302は、基本通電時間、水温、EGR流量を取得する(S21)。
次に、通電時間1演算部302は、「通電時間1=基本通電時間-水温×水温係数+EGR流量×EGR係数」の式を用いて通電時間1を演算し(S22)、図5に処理を戻す。通電時間1演算部302は、予め内燃機関100と点火コイル103の仕様毎に設定された値を基本通電時間として使用する。また、水温が低くなるほど火花放電が飛びにくくなるため、通電時間1演算部302は、水温が低くなるほど通電時間を長くするように水温係数を設定する。また、EGR流量が多いほど火花放電を飛ばす際に高エネルギが必要となるため、通電時間1演算部302は、EGR流量が多いほど通電時間を長くするようにEGR係数を設定する。
図8は、図5のステップS3における通電2開始時期演算処理の一例を示すフローチャートである。
図9は、ピーク2次電流及び2次電流傾きの特性、並びに通電2開始時期、ピーク2次電流、2次電流傾き及びリストライク発生閾値の一例を示す図である。図9(a)には、横軸を筒内圧、縦軸をピーク2次電流値としたグラフ901の例が示される。図9(b)には、横軸を筒内圧、縦軸を2次電流傾きとしたグラフ902の例が示される。図9(c)には、点火時期1t903、ピーク2次電流904、2次電流傾き905、通電2開始時期t907の例が示される。
始めに、通電2開始時期演算部303は、通電時間1、クランク角、筒内圧、コイル設計情報、リストライク発生閾値を取得する(S31)。リストライク発生閾値は、通電2開始時期演算部303により予め算出された状態でメモリ202に格納されているが、ステップS31の実行に合わせて算出されてもよい。
次に、通電2開始時期演算部303は、ピーク2次電流、2次電流傾きを演算する(S32)。図9(a)のグラフ901は、筒内圧が高くなるにつれて、高かったピーク2次電流値が低くなるピーク2次電流値特性を表している。そこで、通電2開始時期演算部303は、筒内圧に応じたピーク2次電流値を予め計測しておき、演算する。
また、図9(b)のグラフ902は、筒内圧が高くなるにつれて、なだらかだった2次電流傾きが急になる2次電流傾き特性を表している。そこで、通電2開始時期演算部303は、筒内圧に応じた2次電流傾きを予め計測しておき、演算する。
次に、通電2開始時期演算部303は、通電2開始時期を次式(1)によって演算し(S33)、図5に処理を戻す。
通電2開始時期=点火時期1t903+{(ピーク2次電流904-リストライク発生閾値906)÷2次電流傾き905}×時間角度変換係数・・・(1)
式(1)における時間角度変換係数は、例えば、4つの気筒101を有し、各気筒101が吸気、圧縮、燃焼、排気のサイクルを720deg毎に繰り返す内燃機関100である場合は、次式(2)によって演算される。
時間角度変換係数=(回転数[rpm]×720[deg])÷2×60[s]・・・(2)
図9(c)の点火時期1t903で2次コイル404に大きなピーク2次電流904が通電されると、点火コイル103の電極で放電が発生する。その後、2次電流傾き905に示すように一定の減少率で2次電流が減少していく。ここで、点火時期t908まで放置すると、2次電流が0になる。しかし、リストライクが発生しやすくなる。
そこで、ECU123は、予め2次コイル404の電流である2次電流を計測し、リストライクが頻発する2次電流の閾値をリストライク発生閾値906として設定する。点火信号演算部(点火信号演算部203)は、2次電流が予め設定されたリストライク発生閾値を超える時期をリストライク発生時期とし、再通電の開始時期をリストライク発生時期に合わせる。そして、ECU123の点火信号生成部204は、2次電流の値がリストライク発生閾値906未満になる通電2開始時期t907にて2次電流が0となるように点火信号を生成する。このため、リストライクの発生が抑えられる。
以上のように、第2通電開始時期演算部(通電2開始時期演算部303)は、第1通電時間(通電時間1)、内燃機関(内燃機関100)の回転数、筒内圧力に基づいて、2次電流のピーク値、及びピーク値から減少する2次電流の傾きを演算し、第1点火時期(点火時期1)に対して、2次電流のピーク値、及び2次電流の傾き、及びリストライク発生閾値に基づいて演算した時間を加算して、第2通電開始時期(通電2開始時期)を演算する。そして、通電2開始時期演算部303は、リストライクが頻発する領域を避けるように通電2開始時期を設定することで、多重放電の発生を抑制して点火プラグ102の摩耗を低減することが可能となる。
図10は、図5のステップS4における点火時期2演算処理の一例を示すフローチャートである。
始めに、点火時期2演算部304は、上死点検出部205から上死点を取得し、メモリ202等から流速低減余裕量を取得する(S41)。上死点は予め内燃機関100の仕様に基づいて上死点検出部205により設定される。また、流速低減余裕量は予め内燃機関100の運転状態と上死点以降の流速又はリストライク発生頻度を計測した結果から、流速又はリストライク発生頻度が十分に低下する値を設定することが望ましい。
次に、点火時期2演算部304は、「点火時期2=上死点+流速低減余裕量」の式を用いて点火時期2を設定し(S42)、図5に処理を戻す。
以上のように、本実施の形態に係る点火制御装置は、内燃機関100の上死点を検出する上死点検出部205を備える。点火信号演算部203は、点火時期2を、少なくとも上死点以降に設定し、上死点以降は点火プラグ102の電極間の流速が低減することでリストライク頻度が低くなるため、点火プラグ102の摩耗を低減することができる。
図11は、図5のステップS5における通電2実施有無判定処理の一例を示すフローチャートである。
始めに、通電2実施有無判定部305は、通電2開始時期演算部303から通電2開始時期を取得し、点火時期2演算部304から点火時期2を取得する(S51)。
次に、通電2実施有無判定部305は、通電2開始時期が点火時期2よりも進角側であるか否かを判定する(S52)。
通電2実施有無判定部305は、通電2開始時期が点火時期2よりも進角側であると判定した場合(S52のYES)、「通電時間2=点火時期2-通電2開始時期」の式を用いて通電時間2を設定し(S53)、図5に処理を戻す。
一方、通電2実施有無判定部305は、通電2開始時期が点火時期2よりも進角側でないと判定した場合(S52のNO)、通電時間2に0を設定し(S54)、図5に処理を戻す。なお、通電2実施有無判定部305は、通電2開始時期=点火時期2の場合にも、ステップS54に進み、通電時間2に0を設定する。
以上のように、点火信号演算部(点火信号演算部203)は、再通電の終了時期よりもリストライク発生時期が進角側である場合に再通電を実施すると判定し、再通電の終了時期よりもリストライク発生時期が遅角側である場合に再通電を実施しないと判定する。このように再通電の実施有無が判定されるので、点火信号演算部203が再通電を実施すると判定した場合にだけ点火信号を生成する。ここで、通電2実施有無判定部305は、点火時期2よりも通電2開始時期が進角側である場合は再通電を実施する判定結果を点火信号生成部204に出力する。点火信号生成部204は、この判定結果に基づいて生成した点火信号を点火コイル103に出力するので、点火コイル103が点火プラグ102を点火することができる。このようにECU123は、必要最小限のエネルギ消費でリストライクの発生を抑制することができ、点火プラグ102の摩耗を低減することができる。
また、通電2実施有無判定部305は、点火時期2よりも通電2開始時期が遅角側である場合は再通電を実施しない判定結果を点火信号生成部204に出力する。点火信号生成部204は、この判定結果に基づいて点火信号を生成しないので、点火コイル103が点火プラグ102を点火することはない。ここで、上死点以降に設定された通電2開始時期では点火プラグ102の電極間の流速が低減することでリストライクが発生しなくなるので、点火信号生成部204は点火信号を生成せず、点火コイル103が通電2を実施しない。このため、通電2に伴う点火コイル103での不要なエネルギ消費を抑制することができる。
図12は、図5のステップS6における点火信号生成処理の一例を示すタイミングチャートである。このタイミングチャートには、点火信号、1次電流、2次電流及び流速の様子が示される。なお、流速とは、点火プラグ102の電極間における混合気の流速を表す。
点火信号生成部204には、図5のステップS1~S5により生成された点火時期1、通電時間1、点火時期2、通電時間2が入力される。点火信号生成部204は、点火時期1を時間t1202、通電時間1を時間t1202-時間t1201、点火時期2を時間t1204、通電時間2を時間t1204-時間t1203となるように、点火信号を生成する。ここで、時間t1201は、点火時期1に合わせて点火コイル103に通電される1次電流(通電1)の通電1開始時期を表す。また、時間t1203は、1次電流(通電2)の通電2開始時期を表す。
以下、点火信号生成部204により行われる点火信号の生成処理について説明する。
時間t1201(通電1開始時期)において、点火信号がOFFからONになると、1次コイル402への通電が開始される。1次コイル402への通電継続と共に、1次コイル402に流れる1次電流が増加し、1次コイル402と2次コイル404との間に形成される磁界が強くなっていく。
時間t1202(点火時期1)において、点火信号がONからOFFになると、1次コイル402に通電される1次電流が0になる。1次電流が0になると同時に、1次コイル402と2次コイル404との間の相互誘導に伴い、2次コイル404に流れる2次電流が急増し、点火プラグ102から火花放電を発生させる。この2次電流は、時間t1202後、時間経過と共に減少していく。
一般的に、時間t1202は点火プラグ102の電極間の流速が大きいタイミングとなるように設定される。電極間の流速が大きいので、電極間で発生した火花放電が長く伸びることで燃焼成立性が高まる。よって、時間t1202の付近では上死点手前で点火プラグ102の電極間の流速が最も大きい状態となる。その後、燃焼室内にてタンブル崩壊が発生することにより、点火プラグ102の電極間の流速は時間経過と共に減少していく。
時間t1203(通電2開始時期)において、点火信号が再度OFFからONとなり、1次コイル402に通電することで、1次コイル402に2次電流と逆向きの電流が流れ、2次電流が0となる。
ステップS3における通電2開始時期演算処理にて、通電2開始時期演算部303は、この時間t1203の発生時期を、リストライク発生閾値以下である2次電流が、リストライク発生閾値を超える時間と一致させる。このように通電2開始時期演算部303が、時間t1203の発生時期を調整することにより、リストライクの頻発を防ぎ、点火プラグ102の摩耗を抑制することができる。
また、時間t1204(点火時期2)において、点火信号が再度ONからOFFになると、1次電流が0になると共に、2次電流が急増し、点火プラグ102から火花放電が発生する。しかし、時間t1204はステップS4により上死点以降となって、タンブル崩壊が進んでおり、点火プラグ102の電極間の流速が減少している。このため、点火プラグ102の電極間に生じる火花放電が吹き消え、再び火花放電が発生するといった多重放電は発生せず、多重放電による点火プラグ102の摩耗も発生しない。
図13は、本実施の形態に係る通電2実施有無判定処理の一例を示すタイミングチャートである。図13に示す上死点時期t1301は、上死点の時期を表す。図13(a)は、点火時期1がBTDC30degである場合を表し、図13(b)は点火時期1がBTDC10degである場合を表し、図13(c)は点火時期1がATDC(After Top Dead Center)10degである場合を表す。
図14は、図13における回転数1000、2000、4000、6000rpmでの点火時期1から上死点時期t1301までの時間の一例を示す。例えば、図13(a)では、点火時期1(t1302)から上死点時期t1301までの時間を表し、図13(b)では、点火時期1(t1307)から上死点時期t1301までの時間を表す。また、図13(c)では、点火時期1(t1312)から上死点時期t1301までの時間を表す。回転数が異なる場合、点火時期1(固定角)と上死点(固定角)間の時間が変化する。そこで、図14より、低い回転数であれば、点火時期1から上死点時期t1301までの時間が長く、高い回転数であれば、点火時期1から上死点時期t1301までの時間が短くなることが示される。
図13(a)から図13(c)は、点火時期1及び回転数が異なる場合において、通電2実施有無判定部305が、通電2を実施するか否かを判定した結果を記載したタイミングチャートである。また、図13(a)から図13(c)において、上死点時期t1301は点火時期2に一致する。また、図13(a)から図13(c)では、点火時期1から2次電流がリストライク発生閾値を下回るまでの時間が0.7ms、2次電流が0まで減少する時間が1.0msである場合を想定してタイミングチャートが記載される。
図13(a)に示す点火時期1t1302がBTDC30degである場合の通電2開始時期は、1000rpmの場合が時期t1303、2000rpmの場合が時期t1304、4000rpmの場合が時期t1305、6000rpmの場合が時期t1306で表される。
図14のBTDC30degでの各回転数における点火時期1t1302から上死点時期t1301までの時間は、いずれもプラスである。また、図13(a)に示すように、時期t1303から時期t1306は、上死点時期t1301よりも進角側である。このため、通電2実施有無判定部305は、各通電2開始時期から上死点時期t1301までの間、通電2を実施する。
図13(b)に示す点火時期1t1307がBTDC10degである場合の通電2開始時期は、1000rpmの場合が時期t1308、2000rpmの場合が時期t1309、4000rpmの場合が時期t1310、6000rpmの場合が時期t1311で表される。
図14のBTDC10degでの各回転数における点火時期1t1307から上死点時期t1301までの時間は、いずれもプラスである。また、図13(b)に示すように、時期t1308、t1309は、上死点時期t1301よりも進角側である。このため、通電2実施有無判定部305は、図11に示した通電2実施有無判定処理(ステップS52のYES)に基づき、各通電2開始時期から上死点時期t1301までの間、通電2を実施する。一方、図13(b)より時期t1310,t1311は上死点時期t1301よりも遅角側であることが示される。このため、通電2実施有無判定部305は、図11に示した通電2実施有無判定処理(ステップS52のNO)に基づき、通電2を実施しない。
図13(c)に示す点火時期1t1312がATDC10degである場合を表す。通電2開始時期は、1000rpmの場合が時期t1313、2000rpmの場合が時期t1314、4000rpmの場合が時期t1315、6000rpmの場合が時期t1316で表される。
図14のATDC10degでの各回転数における点火時期1t1312から上死点時期t1301までの時間は、いずれもマイナスである。また、図13(c)に示すように、時期t1313から時期t1316は、上死点時期t1301よりも遅角側であることが示される。このため、通電2実施有無判定部305は、図11のフローチャートに基づき、通電2を実施しない。
以上の処理により、図13(a)に示す時期t1303から時期t1306、図13(b)に示す時期t1308、時期t1309において、通電2実施有無判定部305は、1次コイル402へ通電することにより、多重放電の発生を抑制して点火プラグ102の摩耗を低減することが可能となる。
また、点火プラグ102の電極間の流速が低減することでリストライク頻度が低くなる上死点を通電2開始時期とすることにより、点火プラグ102の摩耗をさらに抑制することができる。また、図13(b)に示す時期t1310、時期t1311、図13(c)に示す時期t1313から時期t1316が通電2開始時期となった場合は、既に上死点時期t1301を通過しており、点火プラグ102の電極間の流速が低減することでリストライク頻度が低くなっている。このため、通電2実施有無判定部305は、通電2を実施しないことで不要なエネルギ消費を抑制することができる。
以上説明した一実施の形態に係るECU123では、内部処理により再通電の終了時期と、2次電流が予め設定されたリストライク発生閾値を超えるリストライク発生時期との関係に基づいて再通電の実施有無を判定する。このため、点火コイル103の動作を制御するための回路部品を追加して製品コストを増加させなくてもよい。また、再通電を実施すると判定された場合に、点火信号の生成が行われ、再通電を実施しないと判定された場合には、点火信号の生成が行われない。このように常に点火信号の生成が行われるわけではないので、必要最小限のエネルギ消費でリストライクの発生を抑制することができ、点火プラグ102の摩耗を低減することができる。
また、超希薄燃焼やEGRを実施する場合でも、本実施の形態に係る再通電の実施有無の判定、及び点火信号の生成処理が行われるので、リストライクの発生を抑制し、さらに点火プラグ102の摩耗を抑制することが可能となる。このため、本実施の形態に係る技術は、点火プラグ102の長寿命化に寄与する。
なお、内燃機関100は、EGRを実施しない構成としてもよい。
なお、本発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために内燃機関及び点火制御装置の構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、本実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
100…内燃機関、102…点火プラグ、103…点火コイル、106…ピストン、123…ECU、203…点火信号演算部、204…点火信号生成部、205…上死点検出部、301…点火時期1演算部、302…通電時間1演算部、303…通電2開始時期演算部、304…点火時期2演算部、305…通電2実施有無判定部、402…1次コイル、404…2次コイル

Claims (9)

  1. 1次側に配置された1次コイルと、2次側に配置された2次コイルとを有する点火コイルに入力される点火信号により、前記1次コイルに流れる1次電流の通電及び遮断が制御され、前記1次電流が遮断されたことで前記2次コイルに誘起された2次電圧及び2次電流が、前記2次コイルに接続される点火プラグに印加されて発生した火花放電により、混合気が気筒内の燃焼室で点火される内燃機関の点火を制御する点火制御装置において、
    1回の点火工程内で前記1次電流の再通電の開始時期及び終了時期を演算し、前記再通電の終了時期と、前記燃焼室内の筒内圧力を検出する筒内圧力検出部が検出した前記筒内圧力により演算されるピーク2次電流及び2次電流傾きに基づいて演算される前記2次電流が予め設定されたリストライク発生閾値を超えるリストライク発生時期とを比較して前記再通電の実施有無を判定し、前記再通電の開始時期を前記リストライク発生時期に合わせる点火信号演算部と、
    前記点火工程内で少なくとも1回以上の火花放電を発生させるための前記点火信号を生成して前記点火コイルに出力した後、前記点火信号演算部により前記再通電を実施すると判定された場合に前記点火信号を生成して前記再通電の開始時期に前記点火信号を前記点火コイルに出力し、前記点火信号演算部により前記再通電を実施しないと判定された場合に前記点火信号を生成しない点火信号生成部と、を備える
    点火制御装置。
  2. 前記気筒内を運動するピストンの上死点を検出する上死点検出部を備える
    請求項1に記載の点火制御装置。
  3. 前記点火信号演算部は、前記再通電の開始時期、前記再通電の終了時期、及び前記上死点の時期を、前記ピストンの回転角度に基づいて演算し、前記再通電の終了時期よりも前記リストライク発生時期が進角側である場合に前記再通電を実施すると判定し、前記再通電の終了時期よりも前記リストライク発生時期が遅角側である場合に前記再通電を実施しないと判定する
    請求項2に記載の点火制御装置。
  4. 前記点火信号演算部は、前記内燃機関の回転数を検出する回転数検出部が検出した前記回転数と、前記筒内圧力と、実施有無が判定される前記再通電の前に通電された前記1次電流の遮断時期と、前記リストライク発生閾値とに基づいて、前記再通電の開始時期である第2通電開始時期を演算する第2通電開始時期演算部を有する
    請求項に記載の点火制御装置。
  5. 前記点火信号演算部は、
    前記再通電が遮断されて発生する前記火花放電により前記混合気が点火される第2点火時期を演算する第2点火時期演算部と、
    前記第2通電開始時期及び前記第2点火時期に基づいて、前記再通電の実施有無を判定して点火信号演算結果を出力する再通電実施判定部と、を有し、
    前記点火信号生成部は、前記再通電の直前の点火時期である第1点火時期、前記再通電の直前に通電される前記1次電流の第1通電時間、前記第2点火時期、及び前記点火信号演算結果に基づいて生成した前記点火信号を前記点火コイルに出力する
    請求項に記載の点火制御装置。
  6. 前記第2通電開始時期演算部は、前記第1通電時間、前記内燃機関の回転数、前記筒内圧力に基づいて、前記2次電流のピーク値、及び前記ピーク値から減少する前記2次電流の傾きを演算し、前記第1点火時期に対して、前記2次電流のピーク値、及び前記2次電流の傾き、及び前記リストライク発生閾値に基づいて演算した時間を加算して、前記第2通電開始時期を演算する
    請求項に記載の点火制御装置。
  7. 前記点火信号演算部は、
    基本点火時期からリタード指令値を減じて、前記第1点火時期を演算する第1点火時期演算部と、
    基本通電時間、及び前記内燃機関を冷却する冷却水の水温に基づいて、前記第1通電時間を演算する第1通電時間演算部と、を有する
    請求項に記載の点火制御装置。
  8. 前記第1通電時間演算部は、前記基本通電時間、前記水温、及び燃焼後の排気ガスの一部がEGRガスとして排気管から吸気管に還流されるように接続されるEGR管内の前記EGRガスの流量に基づいて前記第1通電時間を演算する
    請求項に記載の点火制御装置。
  9. 前記内燃機関は、理論空燃比よりも希薄な混合気で超希薄燃焼する
    請求項に記載の点火制御装置。
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