JP4127373B2 - 内燃機関のイオン電流検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数気筒からなる内燃機関に配設された複数の点火コイルへの通電/遮断による点火コイル相互間の電源電圧の上昇や振動によるイオン電流変化の影響を受けることなく点火系異常を正確に検出可能な内燃機関のイオン電流検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図11に示すように、例えば、左右バンクに各6気筒を搭載した12気筒(複数気筒)からなる所謂、V型内燃機関10において、車載バッテリBatt に接続した1次電源電圧線(+B線)LVB1 をイグニッションスイッチIGSWを介して内燃機関10近傍まで延長したのち分岐部BP を設け、この分岐部BP にて左バンク用の中間電源電圧線LVM-L及び右バンク用の中間電源電圧線LVM-Rに分岐し、この中間電源電圧線LVM-L,LVM-Rを左右バンクの各気筒近傍まで延長し、これら各気筒に対応する分割電源電圧線LVD-L,LVD-Rを用い左右バンクの各気筒の点火プラグに対応する点火コイル及びそのコントロール部からなる点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R に接続した配線構造が知られている。
【特許文献】
特開昭62−70646号公報(第3頁〜第4頁)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、図12は、前述の図11にも適応される一般的な、バッテリBatt から左右バンクの各1気筒に対応する点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R までの電気的な接続関係を示す等価回路及びイオン検出回路を含む回路図である。また、図13は図12における各種信号等の遷移状態を示すタイムチャートである。
【0004】
図12において、まず、バッテリBatt に接続された1次電源電圧線LVB1 にはハーネスのインダクタンスLh 及び抵抗Rh が存在している。また、図11にも示したように、1次電源電圧線LVB1 は分岐部BP にて左バンク用の中間電源電圧線LVM-L及び右バンク用の中間電源電圧線LVM-Rに分岐され、左右バンクの各気筒に対応する分割電源電圧線LVD-L,LVD-Rにて左右バンクの各気筒の点火プラグIp-L ,Ip-R に対応する点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R に接続されている。ここで、点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R の1次コイル側には、それぞれコイル側抵抗Rc-L ,Rc-R が存在し、それぞれコイル電源電圧VB-L ,VB-R が印加されている。また、点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R の2次コイル側には、それぞれ点火プラグ電圧Vp-L ,Vp-R が発生され、点火プラグIp-L ,Ip-R のそれぞれの両電極間に印加される。そして、分割電源電圧線LVD-L,LVD-R近傍にはそれぞれ雑防(雑音防止)コンデンサCn-L ,Cn-R が接続されている。更に、点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R の各スイッチング素子には点火信号IGt-L,IGt-Rが所定のタイミングにてそれぞれ入力される。
【0005】
イオン検出回路20L ,20R は、周知のように、点火プラグIp-L ,Ip-R 及び点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R の2次巻線側と共に、2次電流が還流する電流路を形成するよう直列接続のツェナダイオード23,24が接続されている。ここで、ツェナダイオード24は2次電流の流れる方向に対して順方向に接続されている。なお、ツェナダイオード23は2次電流の流れる方向に対して逆方向に接続され、これに並列に接続されたイオン電流検出電圧を印加する電源としてのコンデンサ21を充電するためのダイオードである。また、ツェナダイオード24に並列にイオン電流検出抵抗22が接続されている。そして、点火プラグIp-L ,Ip-R を流れるイオン電流の大きさに基づくイオン電流検出抵抗22の端子間電圧がイオン電流として増幅器25を介してECU30側に出力される。
【0006】
すると、図13に示すように、例えば、左バンクの何れかの気筒(後述の次気筒)に対する点火信号IGt-Lの通電中(時刻t00以降)に右バンクの何れかの気筒(後述の前気筒)に対する点火信号IGt-Rの点火タイミング(時刻t01)があると、左バンクの点火コイル/イグナイタIC/IG-L に印加されているコイル電源電圧VB-L が、時刻t01以降に示す逆起電圧ΔVB に起因して数十〔V:ボルト〕分だけ瞬間的に上昇する。このとき、点火コイル/イグナイタIC/IG-L は再通電状態となり、時刻t01以降に示すように、点火プラグ電圧Vp-Lに数〔kV:キロボルト〕のコイルオン電圧ΔVonが重畳してしまうこととなる。このコイルオン電圧ΔVonの重畳により、点火系異常を検出するためのイオン電流信号を電圧値に変換したイオン信号Vi 〔V〕にノイズ成分が重畳することとなり、時刻t02、時刻t03に示すように、判定のための比較値(閾値)Vthを下回ることとなる。
【0007】
このようにして、イオン信号Vi が比較値Vthにて比較されたCPU取込信号Vt がECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)30に取込まれる。ECU30は、周知の各種演算処理を実行する中央処理装置としてのCPU31、この他、制御プログラムや制御マップ等を格納したROM、各種データ等を格納するRAM、B/U(バックアップ)RAM、入出力回路及びそれらを接続するバスライン等からなる論理演算回路として構成されている。
【0008】
すると、図13に示すように、本来のECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)30内のCPU31に対するCPU取込信号Vt の正常時における終了タイミングHe ′が異常時における短めの終了タイミングHe 等となってしまうことで、点火系異常に対する正確な判定が得られなくなるという不具合があった。
【0009】
そこで、この発明はかかる不具合を解決するためになされたもので、複数気筒からなる内燃機関に配設された複数の点火コイルへの通電/遮断による点火コイル相互間の電源電圧の上昇や振動によるイオン電流変化の影響を受けることなく、点火系異常を正確に検出可能な内燃機関のイオン電流検出装置の提供を課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の内燃機関のイオン電流検出装置によれば、車載バッテリから内燃機関の所定の運転条件における通電に際して2つ以上で重なりを有する複数の点火コイルにおいて、イオン電流検出手段で点火プラグにイオン電流検出電圧が印加され、点火プラグによる点火後の燃焼イオンが検出されると共に、点火コイル通電開始時のイオン電流変化により点火コイルへの通電状態、または点火プラグのくすぶり状態が検出される際、前気筒を点火する点火タイミング(以下、「前気筒の点火タイミング」という)が通電開始禁止区間演算手段による次気筒の通電開始禁止区間内となるときには、次気筒の点火コイルの通電開始タイミング(以下、「次気筒の通電開始タイミング」という)が通電開始禁止区間以前に設定変更、または前気筒の点火タイミングが通電開始禁止区間内となる内燃機関の運転条件に基づきタイミング設定変更・補正手段により次気筒の通電開始タイミングが補正される。これにより、複数気筒からなる内燃機関に配設された複数の点火コイルへの通電/遮断による点火コイル相互間の電源電圧の上昇や振動によるイオン電流変化の影響を受けることのないよう通電モニタ判定区間を設定することができ、点火コイルにおける通電異常や点火プラグにおけるくすぶり異常等の点火系異常が正確に検出されるという効果が得られる。
【0011】
請求項2の内燃機関のイオン電流検出装置によれば、車載バッテリから内燃機関の所定の運転条件における通電に際して2つ以上で重なりを有する複数の点火コイルにおいて、イオン電流検出手段で点火プラグにイオン電流検出電圧が印加され、点火プラグによる点火後の燃焼イオンが検出されると共に、点火コイル通電中のイオン電流変化により点火コイルへの通電状態、または点火プラグのくすぶり状態が検出される際、前気筒の点火タイミングが前気筒以外の何れかの気筒の点火コイル通電中のイオン電流検出区間と重なるか、または重なると予測される内燃機関の運転条件での運転を検出したときには、補正切替選択手段により何れかの気筒の点火コイル通電中のイオン電流検出における出力信号に対する比較レベルが補正、または判定値を補正、またはそれらが切替選択される。これにより、複数気筒からなる内燃機関に配設された複数の点火コイルへの通電中のイオン電流検出区間にて点火コイル相互間のイオン電流変化の影響を受けることが防止され、点火コイルにおける通電異常や点火プラグにおけるくすぶり異常等の点火系異常が正確に検出されるという効果が得られる。
【0012】
請求項3の内燃機関のイオン電流検出装置によれば、車載バッテリから内燃機関の所定の運転条件における通電に際して2つ以上で重なりを有する複数の点火コイルにおいて、イオン電流検出手段で点火プラグにイオン電流検出電圧が印加され、点火プラグによる点火後の燃焼イオンが検出されると共に、点火コイル通電中のイオン電流変化により点火コイルへの通電状態、または点火プラグのくすぶり状態が検出される際、前気筒の点火タイミングが前気筒以外の何れかの気筒の点火コイル通電中のイオン電流検出区間と重なるか、または重なると予測される内燃機関の運転条件での運転を検出したときには、判定禁止手段により前気筒以外の何れかの気筒の点火コイル通電中のイオン電流検出による判定が禁止される。これにより、複数気筒からなる内燃機関に配設された複数の点火コイルへの通電中のイオン電流検出区間にて点火コイル相互間のイオン電流変化の影響を受けるとき、または受けると予測されるときには前気筒以外の何れかの気筒の点火コイル通電中のイオン電流検出による判定が禁止されるため、点火コイルにおける通電異常や点火プラグにおけるくすぶり異常等の判定が適切なタイミングにて実施されるという効果が得られる。
【0013】
請求項4の内燃機関のイオン電流検出装置によれば、車載バッテリから内燃機関の所定の運転条件における通電に際して2つ以上で重なりを有する複数の点火コイルにおいて、イオン電流検出手段で点火プラグにイオン電流検出電圧が印加され、点火プラグによる点火後の燃焼イオンが検出されると共に、複数の点火コイル通電中のイオン電流変化により点火コイルへの通電状態、または点火プラグのくすぶり状態が検出される際、信号比較手段で点火コイル通電中のイオン電流値が所定の比較レベルと比較され、信号処理設定手段で点火コイル通電中のイオン電流値の信号処理区間が設定される。そして、タイミング検出手段により信号比較手段からの出力値が比較レベル以上となる立上がりタイミング、また、信号比較手段からの出力値が比較レベル以下となる立下がりタイミングが検出され、この出力値が予め設定された特定タイミング区間内であるときにはイオン電流値が有効であるとして、信号処理設定手段で設定された信号処理区間内で、時間演算手段によりタイミング検出手段の出力値から時間が算出され、その時間が予め設定された所定判定時間以上であるときには有効時間判定手段で有効出力と判定される。そして、特定区間判定手段からの出力値と有効時間判定手段からの出力値とが共に有効判定であるときには、状態判定手段により点火コイルへの通電状態が正常で、点火プラグがくすぶり状態であると判定される。これにより、点火コイルにおける通電異常や点火プラグにおけるくすぶり異常等がイオン電流変化の影響を受けることなく簡単に判定できるという効果が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
【0015】
〈実施例1〉
図1は本発明の実施の形態の第1実施例にかかる内燃機関のイオン電流検出装置で使用されているECU30内のCPU31における通電開始タイミング設定の処理手順を示すフローチャートである。この図1の通電開始タイミング設定ルーチンに基づき、図2を参照して説明する。ここで、図2は図1の処理に対応する前気筒及び次気筒に対する点火信号における通電開始タイミングを示すタイムチャートである。なお、この通電開始タイミング設定ルーチンは所定時間毎にCPU31にて繰返し実行される。
【0016】
また、本発明の実施の形態の第1実施例にかかる内燃機関のイオン電流検出装置におけるバッテリから内燃機関の各気筒の点火コイル/イグナイタまでの配線構造は前述の従来装置における図11の概略図、その等価回路及びイオン電流検出回路は図12の回路図と同一であるためその詳細な説明を省略する。
【0017】
図1において、まず、ステップS101で、図2に実線にて示す前気筒の点火信号における前気筒の点火タイミングTe 、また、図2に破線にて示す次気筒の算出点火信号における前気筒に続く次気筒の通電開始タイミングTs がそれぞれ算出される。次にステップS102に移行して、ステップS101で算出された前気筒の点火タイミングTe が次気筒の通電開始タイミングTs にて設定される通電モニタ判定区間であり、通電開始禁止区間dT内になるかが判定される。ここでは、次の不等式(1)が成立するかが判定される。
【0018】
【数1】
Ts −Te <dT ・・・(1)
【0019】
ステップS102の判定条件が成立、即ち、前気筒の点火タイミングTe が次気筒の通電開始禁止区間dT内になり、上述の不等式(1)が成立するときにはステップS103に移行し、図2に実線にて示す次気筒の設定点火信号における次気筒の新たな通電開始タイミングTs ′が通電開始禁止区間dT以前になるよう次式(2)にて設定変更され、本ルーチンを終了する。
【0020】
【数2】
Ts ′←Te +dT ・・・(2)
【0021】
一方、ステップS102の判定条件が成立せず、即ち、ステップS101で算出された前気筒の点火タイミングTe が通電開始禁止区間dT内になく、上述の不等式(1)が成立しないときにはステップS101で算出された次気筒の通電開始タイミングTs を設定変更する必要がないためステップS103がスキップされ、本ルーチンを終了する。
【0022】
次に、本発明の実施の形態の第1実施例にかかる内燃機関のイオン電流検出装置で使用されているECU30内のCPU31における通電開始タイミング設定に代わる通電開始タイミング補正の処理手順を示す図3のフローチャートに基づいて説明する。なお、この通電開始タイミング補正ルーチンは所定時間毎にCPU31にて繰返し実行される。
【0023】
図3において、まず、ステップS201で、内燃機関10の機関回転速度が図示しないクランク角センサからの出力信号に基づき算出される。次にステップS202に移行して、ステップS201で算出された機関回転速度が通電開始禁止領域内にあるかが判定される。即ち、このときの機関回転速度が前気筒及び次気筒の点火信号における通電オーバラップの発生する運転条件にあるかが判定される。ステップS202の判定条件が成立、即ち、機関回転速度が通電開始禁止領域内にあるときにはステップS203に移行し、次気筒の通電開始タイミングが補正され、本ルーチンを終了する。一方、ステップS202の判定条件が成立せず、即ち、機関回転速度が通電開始禁止領域内にないときには次気筒の通電開始タイミングを補正する必要がないためステップS203がスキップされ、本ルーチンを終了する。
【0024】
このように、本実施例の内燃機関のイオン電流検出装置は、車載バッテリBatt から電源供給するバッテリ点火方式による複数気筒からなる内燃機関10に配設され、内燃機関10の所定の運転条件における通電に際して2つ以上で重なりを有する複数の点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R と、点火プラグIp-L ,Ip-R にイオン電流検出電圧を印加し、点火プラグIp-L ,Ip-R による点火後の燃焼イオンを検出すると共に、点火コイル通電開始時のイオン電流変化により点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R への通電状態、または点火プラグIp-L ,Ip-R のくすぶり状態を検出するイオン電流検出手段としてのイオン検出回路20L ,20R と、点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R による点火プラグIp-L ,Ip-R への点火が先行する前気筒の点火タイミングと点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R による点火プラグIp-L ,Ip-R への点火が前気筒に続く次気筒の通電開始タイミングとに基づき、次気筒の点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R の通電開始後における所定のイオン電流検出区間を通電開始禁止区間として算出するECU30内のCPU31にて達成される通電開始禁止区間演算手段と、前気筒に対する点火タイミングが次気筒の通電開始禁止区間内となるときには、次気筒の点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R の通電開始タイミングを通電開始禁止区間以前に設定変更、または前気筒に対する点火タイミングが通電開始禁止区間内となる内燃機関10の運転条件としての機関回転速度に基づき次気筒の点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R の通電開始タイミングを補正するECU30内のCPU31にて達成されるタイミング設定変更・補正手段とを具備するものである。
【0025】
つまり、バッテリBatt から内燃機関10の所定の運転条件における通電に際して2つ以上で重なりを有する複数の点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R において、前気筒に対する点火タイミングが次気筒の通電開始禁止区間内となるときには、次気筒の点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R の通電開始タイミングが通電開始禁止区間以前に設定変更、または前気筒に対する点火タイミングが通電開始禁止区間内となる内燃機関10の運転条件としての機関回転速度に基づき次気筒の点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R の通電開始タイミングが補正される。
【0026】
これにより、複数気筒からなる内燃機関10に配設された複数の点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R への通電/遮断による点火コイル相互間の電源電圧の上昇や振動によるイオン電流変化の影響を受けることのないよう通電モニタ判定区間を設定することができるため、点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R における通電異常や点火プラグIp-L ,Ip-R におけるくすぶり異常等の点火系異常を正確に検出することができる。
【0027】
〈実施例2〉
図4は本発明の実施の形態の第2実施例にかかる内燃機関のイオン電流検出装置で使用されているECU30内のCPU31におけるイオン信号に対する比較レベル切替の処理手順を示すフローチャートである。この図4に示す比較レベル切替ルーチンに基づき、図5、図6及び図7を参照して説明する。なお、この比較レベル切替ルーチンは所定時間毎にCPU31にて繰返し実行される。
【0028】
ここで、図5は図4の処理に対応するイオン信号及びCPU取込信号の遷移状態を示すタイムチャートである。また、図6は本実施例における比較レベル切替を示す回路ブロック図である。そして、図7は本実施例における次気筒の設定点火信号に対する通電モニタ区間及びくすぶりモニタ区間を示す説明図である。更に、本発明の実施の形態の第2実施例にかかる内燃機関のイオン電流検出装置におけるバッテリから内燃機関の各気筒の点火コイル/イグナイタまでの配線構造は前述の従来装置における図11の概略図、その等価回路及びイオン電流検出回路は図12の回路図と同一であるためその詳細な説明を省略する。
【0029】
図4において、まず、ステップS301で、前気筒の点火タイミングTe 、前気筒に続く次気筒の通電開始タイミングTs がそれぞれ算出される。次にステップS302に移行して、ステップS301で算出された前気筒の点火タイミングTe が次気筒の通電開始タイミングTs にて設定される通電モニタ判定区間であり、通電開始禁止区間dT内になるかが判定される。これらのステップS301、ステップS302については、上述の第1実施例におけるステップS101、ステップS102に対応しており、上述の不等式(1)が成立するかが判定される。
【0030】
ステップS302の判定条件が成立、即ち、前気筒の点火タイミングTe が次気筒の通電開始禁止区間dT内になり、上述の不等式(1)が成立するときにはステップS303に移行し、図5に実線にて示すように、イオン電流信号を電圧値に変換したイオン信号Vi に対してノイズ成分が重畳して大きく変化する可能性があるとして比較レベルが低い方のVth2に切替えられ、本ルーチンを終了する。これにより、図5に示すように、CPU取込信号Vt の立下がりタイミングHe は比較レベルVth1による時刻t11から比較レベルVth2による時刻t12までに延長され、後述のノイズ成分が重畳することのないときの立下がりタイミングHe ′に近づけることができる。
【0031】
一方、ステップS302の判定条件が成立せず、即ち、ステップS301で算出された前気筒の点火タイミングTe が通電開始禁止区間dT内になく、上述の不等式(1)が成立しないときにはステップS304に移行し、イオン信号Vi に対してノイズ成分が重畳することのないため比較レベルが高い方のVth1に切替えられ、本ルーチンを終了する。これにより、図5に示すように、CPU取込信号Vt の立下がりタイミングHe ′は比較レベルVth1による時刻t13となる。
【0032】
上述のルーチンによれば、図6の回路ブロック図に示すように、イオン検出回路20L (20R )からのイオン信号Vi がECU30内の信号レベル比較回路32に入力される。そして、ECU30内のCPU31によって信号レベル比較回路32で用いられるイオン信号Vi に対する比較レベルがVth1とVth2とで切替えられる。これにより、図7に次気筒の設定点火信号に対する通電モニタ区間及びくすぶりモニタ区間を示すように、ECU30内の信号レベル比較回路32からCPU31のラッチポートに取込まれる次気筒の設定点火信号に対する通電モニタ及びくすぶりモニタの判定区間となる時間検出のためのCPU取込信号Vt が他からのノイズ成分の影響を受けることを少なくできるため、点火系異常を正確に検出することができる。
【0033】
このように、本実施例の内燃機関のイオン電流検出装置は、車載バッテリBatt から電源供給するバッテリ点火方式による複数気筒からなる内燃機関10に配設され、内燃機関10の所定の運転条件における通電に際して2つ以上で重なりを有する複数の点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R と、点火プラグIp-L ,Ip-R にイオン電流検出電圧を印加し、点火プラグIp-L ,Ip-R による点火後の燃焼イオンを検出すると共に、点火コイル通電中のイオン電流変化により点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R への通電状態、または点火プラグIp-L ,Ip-R のくすぶり状態を検出するイオン電流検出手段としてのイオン検出回路20L ,20R と、点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R による点火プラグIp-L ,Ip-R への点火が先行する前気筒の点火タイミングが、前気筒以外の何れかの気筒の点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R 通電中のイオン電流検出区間と重なるか、または重なると予測される内燃機関10の運転条件での運転を検出したときには、前気筒以外の何れかの気筒の点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R 通電中のイオン電流検出における出力信号に対する比較レベルをVth1とVth2とで切替選択するECU30内のCPU31にて達成される補正切替選択手段とを具備するものである。
【0034】
つまり、バッテリBatt から内燃機関10の所定の運転条件における通電に際して2つ以上で重なりを有する複数の点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R において、前気筒に対する点火タイミングが前気筒以外の何れかの気筒の点火コイル通電中のイオン電流検出区間と重なるか、または重なると予測される内燃機関の運転条件として所定の機関回転速度における運転を検出したときには、前気筒以外の何れかの気筒の点火コイル通電中のイオン電流検出における出力信号に対する比較レベルがVth1とVth2とで切替選択される。
【0035】
これにより、複数気筒からなる内燃機関10に配設された複数の点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R への通電中のイオン電流検出区間にて点火コイル相互間のイオン電流変化の影響を受けることが防止されるため、点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R における通電異常や点火プラグIp-L ,Ip-R におけるくすぶり異常等の点火系異常を正確に検出することができる。
【0036】
〈実施例3〉
図8は本発明の実施の形態の第3実施例にかかる内燃機関のイオン電流検出装置で使用されているECU30内のCPU31におけるイオン電流検出による判定禁止の処理手順を示すフローチャートである。この図8に示すイオン電流検出による判定禁止ルーチンに基づいて説明する。なお、この判定禁止ルーチンは所定時間毎にCPU31にて繰返し実行される。
【0037】
ここで、本発明の実施の形態の第3実施例にかかる内燃機関のイオン電流検出装置におけるバッテリから内燃機関の各気筒の点火コイル/イグナイタまでの配線構造は前述の従来装置における図11の概略図、その等価回路及びイオン電流検出回路は図12の回路図と同一であるためその詳細な説明を省略する。
【0038】
図8において、まず、ステップS401で、内燃機関10の機関回転速度が図示しないクランク角センサからの出力信号に基づき算出される。次にステップS402に移行して、ステップS401で算出された機関回転速度がイオン電流検出禁止領域内にあるかが判定される。ステップS402の判定条件が成立、即ち、機関回転速度がイオン電流検出禁止領域内にあるときにはステップS403に移行し、次気筒のイオン電流検出による判定が禁止され、本ルーチンを終了する。一方、ステップS402の判定条件が成立せず、即ち、機関回転速度がイオン電流検出禁止領域内にないときには次気筒のイオン電流検出による判定を禁止する必要がないためステップS403がスキップされ、本ルーチンを終了する。
【0039】
このように、本実施例の内燃機関のイオン電流検出装置は、車載バッテリBatt から電源供給するバッテリ点火方式による複数気筒からなる内燃機関10に配設され、内燃機関10の所定の運転条件における通電に際して2つ以上で重なりを有する複数の点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R と、点火プラグIp-L ,Ip-R にイオン電流検出電圧を印加し、点火プラグIp-L ,Ip-R による点火後の燃焼イオンを検出すると共に、点火コイル通電中のイオン電流変化により点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R への通電状態、または点火プラグIp-L ,Ip-R のくすぶり状態を検出するイオン電流検出手段としてのイオン検出回路20L ,20R と、点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R による点火プラグIp-L ,Ip-R への点火が先行する前気筒の点火タイミングが、前気筒以外の何れかの気筒の点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R 通電中のイオン電流検出区間と重なるか、または重なると予測される内燃機関10の運転条件での運転として機関回転速度がイオン電流検出禁止領域内となることを検出したときには、前気筒以外の何れかの気筒の点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R 通電中のイオン電流信号を電圧値に変換したイオン信号Vi 検出による判定を禁止するECU30内のCPU31にて達成される判定禁止手段とを具備するものである。
【0040】
つまり、バッテリBatt から内燃機関10の所定の運転条件における通電に際して2つ以上で重なりを有する複数の点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R において、前気筒に対する点火タイミングが前気筒以外の何れかの気筒の点火コイル通電中のイオン電流検出区間と重なるか、または重なると予測される内燃機関の運転条件として所定の機関回転速度における運転を検出したときには、前気筒以外の何れかの気筒の点火コイル通電中のイオン電流検出による判定が禁止される。
【0041】
これにより、複数気筒からなる内燃機関10に配設された複数の点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R への通電中のイオン電流検出区間にて点火コイル相互間のイオン電流変化の影響を受けるとき、または受けると予測されるときには前気筒以外の何れかの気筒の点火コイル通電中のイオン電流検出による判定が禁止されるため、点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R における通電異常や点火プラグIp-L ,Ip-R におけるくすぶり異常等の判定を適切なタイミングにて実施することができる。
【0042】
〈実施例4〉
図9は本発明の実施の形態の第4実施例にかかる内燃機関のイオン電流検出装置で使用されているECU30内のCPU31におけるイオン電流検出による通電正常/通電異常判定の処理手順を示すフローチャートである。この図9に示す通電正常/通電異常判定ルーチンに基づき、図10を参照して説明する。なお、この通電正常/通電異常判定ルーチンは所定時間毎にCPU31にて繰返し実行される。
【0043】
ここで、図10は図9の処理に対応する点火信号、イオン信号及びCPU取込信号の遷移状態を示すタイムチャートである。更に、本発明の実施の形態の第4実施例にかかる内燃機関のイオン電流検出装置におけるバッテリから内燃機関の各気筒の点火コイル/イグナイタまでの配線構造は前述の従来装置における図11の概略図、その等価回路及びイオン電流検出回路は図12の回路図と同一であるためその詳細な説明を省略する。
【0044】
図9において、まず、ステップS501で、図10に示すように、イオン検出回路20L (20R )からのイオン信号Vi に対するCPU取込信号Vt が信号処理区間内であるかが判定される。ステップS501の判定条件が成立、即ち、イオン信号Vi に対する信号処理区間内であるときにはステップS502に移行し、イオン信号Vi が信号レベル比較回路32にて比較処理されたCPU取込信号Vt の立上がりエッジが所定区間内にあるかが判定される。ステップS502の判定条件が成立、即ち、CPU取込信号Vt の立上がりエッジが所定区間内にあるときには、そのCPU取込信号Vt の立上がりエッジから立下がりエッジまでの時間が検出される。
【0045】
次にステップS504に移行して、ステップS503で検出された時間が所定の正常な時間内にあるかが判定される。ステップS504の判定条件が成立、即ち、CPU取込信号Vt の立上がりエッジから立下がりエッジまでの時間が所定の正常な時間内にあるときにはステップS505に移行し、点火信号による通電が正常であるとして、本ルーチンを終了する。一方、ステップS502の判定条件が成立せず、即ち、CPU取込信号Vt の立上がりエッジが所定区間内にないとき、またはステップS504の判定条件が成立せず、即ち、CPU取込信号Vt の立上がりエッジから立下がりエッジまでの時間が所定の正常な時間内にないときにはステップS506に移行し、点火信号による通電が異常であるとして、本ルーチンを終了する。なお、ステップS501の判定条件が成立せず、即ち、イオン信号Vi に対する信号処理区間内でないときには、何もすることなく本ルーチンを終了する。
【0046】
このように、本実施例の内燃機関のイオン電流検出装置は、車載バッテリBatt から電源供給するバッテリ点火方式による複数気筒からなる内燃機関10に配設され、内燃機関10の所定の運転条件における通電に際して2つ以上で重なりを有する複数の点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R と、点火プラグIp-L ,Ip-R にイオン電流検出電圧を印加し、点火プラグIp-L ,Ip-R による点火後の燃焼イオンを検出すると共に、複数の点火コイル通電中のイオン電流変化により点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R への通電状態、または点火プラグIp-L ,Ip-R のくすぶり状態を検出するイオン電流検出手段としてのイオン検出回路20L ,20R と、点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R 通電中のイオン電流値としてイオン電流信号を電圧値に変換したイオン信号Vi を所定の比較レベルVthと比較するECU30内のCPU31、信号レベル比較回路32にて達成される信号比較手段と、点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R 通電中のイオン信号Vi の信号処理区間を設定するECU内のCPU31にて達成される信号処理設定手段と、前記信号比較手段からの出力値としてイオン信号Vi が比較レベルVth以上となるときのCPU取込信号Vt の立上がりタイミング、また、前記信号比較手段からの出力値としてイオン信号Vi が比較レベルVth以下となるときのCPU取込信号Vt の立下がりタイミングを検出するECU30にて達成されるタイミング検出手段と、前記タイミング検出手段の出力値が予め設定された特定タイミング区間内のときには、イオン電流値を有効信号とするECU30にて達成される特定区間判定手段と、前記信号処理設定手段により設定された信号処理区間内で、前記タイミング検出手段の出力値から時間を算出するECU30にて達成される時間演算手段と、前記時間演算手段により算出された時間が予め設定された所定判定時間以上のとき、有効出力と判定するECU30にて達成される有効時間判定手段と、前記特定区間判定手段からの出力値と前記有効時間判定手段からの出力値とが共に有効判定であるときには、点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R への通電状態が正常で、点火プラグIp-L ,Ip-R がくすぶり状態であると判定するECU30にて達成される状態判定手段とを具備するものである。
【0047】
つまり、バッテリBatt から内燃機関10の所定の運転条件における通電に際して2つ以上で重なりを有する複数の点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R において、イオン信号Vi が比較レベルVth以上となるときのCPU取込信号Vt の立上がりタイミング、また、イオン信号Vi が比較レベルVth以下となるときのCPU取込信号Vt の立下がりタイミングにて設定された出力値が予め設定された特定タイミング区間内であるときにはイオン電流値を有効であるとし、その出力値から時間を算出し、その時間が予め設定された所定判定時間以上であるときには有効出力と判定される。このときには、点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R への通電状態が正常で、点火プラグIp-L ,Ip-R がくすぶり状態であると判定される。
【0048】
これにより、複数気筒からなる内燃機関10に配設された複数の点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R への通電中において、イオン信号Vi が比較レベルVthと比較され、その立上がりタイミングから立下がりタイミングまでの出力値が特定タイミング区間内であるときにはイオン信号Vi が有効信号とされ、イオン信号Vi の信号処理区間内でその出力値から時間が算出される。この時間が予め設定された所定判定時間以上であるかによって、点火コイル/イグナイタIC/IG-L ,IC/IG-R における通電異常や点火プラグIp-L ,Ip-R におけるくすぶり異常等が判定できるためイオン電流変化の影響を受けることなく簡単となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施の形態の第1実施例にかかる内燃機関のイオン電流検出装置で使用されているECU内のCPUにおける通電開始タイミング設定の処理手順を示すフローチャートである。
【図2】 図2は図1の処理に対応する前気筒及び次気筒に対する点火信号における通電開始タイミングを示すタイムチャートである。
【図3】 図3は本発明の実施の形態の第1実施例にかかる内燃機関のイオン電流検出装置で使用されているECU内のCPUにおける通電開始タイミング設定に代わる通電開始タイミング補正の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】 図4は本発明の実施の形態の第2実施例にかかる内燃機関のイオン電流検出装置で使用されているECU内のCPUにおけるイオン信号に対する比較レベル切替の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】 図5は図4の処理に対応するイオン信号及びCPU取込信号の遷移状態を示すタイムチャートである。
【図6】 図6は本発明の実施の形態の第2実施例にかかる内燃機関のイオン電流検出装置における比較レベル切替を示す回路ブロック図である。
【図7】 図7は本発明の実施の形態の第2実施例にかかる内燃機関のイオン電流検出装置における次気筒の設定点火信号に対する通電モニタ区間及びくすぶりモニタ区間を示す説明図である。
【図8】 図8は本発明の実施の形態の第3実施例にかかる内燃機関のイオン電流検出装置で使用されているECU内のCPUにおけるイオン電流検出による判定禁止の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】 図9は本発明の実施の形態の第4実施例にかかる内燃機関のイオン電流検出装置で使用されているECU内のCPUにおけるイオン電流検出による通電正常/通電異常判定の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】 図10は図9の処理に対応する点火信号、イオン信号及びCPU取込信号の遷移状態を示すタイムチャートである。
【図11】 図11は従来及び本発明の実施の形態の第1実施例乃至第4実施例にかかる内燃機関のイオン電流検出装置におけるバッテリから内燃機関の各気筒の点火コイル/イグナイタまでの配線構造を示す概略図である。
【図12】 図12は図11に対応する一般的なバッテリから内燃機関の左右バンクの各1気筒分の点火コイル/イグナイタ及び点火プラグまでの電気的な接続関係を示す等価回路図である。
【図13】 図13は図12における各種信号等の遷移状態を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
10 内燃機関
30 ECU(電子制御ユニット)
Batt バッテリ
IC/IG-L ,IC/IG-R 点火コイル/イグナイタ
Ip-L ,Ip-R 点火プラグ
Claims (4)
- 車載バッテリから電源供給するバッテリ点火方式による複数気筒からなる内燃機関に配設され、前記内燃機関の所定の運転条件における通電に際して2つ以上で重なりを有する複数の点火コイルと、
点火プラグにイオン電流検出電圧を印加し、前記点火プラグによる点火後の燃焼イオンを検出すると共に、前記点火コイル通電開始時のイオン電流変化により前記点火コイルへの通電状態、または前記点火プラグのくすぶり状態を検出するイオン電流検出手段と、
先行する前気筒を点火する点火タイミング(以下、「前気筒の点火タイミング」という)と前記前気筒に続く次気筒の前記点火コイルへの通電開始タイミング(以下、「次気筒の通電開始タイミング」という)とをそれぞれ算出し、算出された前記前気筒の点火タイミングと前記次気筒の通電開始タイミングとに基づき、前記次気筒の通電開始タイミング後における所定のイオン電流検出区間を通電開始禁止区間として設定する通電開始禁止区間演算手段と、
前記前気筒の点火タイミングが前記次気筒の前記通電開始禁止区間内となると推定されたときには、前記次気筒の通電開始タイミングを前記通電時間開始禁止区間以前に設定変更、または前記前気筒の点火タイミングが前記通電開始禁止区間内となる前記内燃機関の運転条件に基づき前記次気筒の通電開始タイミングを補正するタイミング設定変更・補正手段と
を具備することを特徴とする内燃機関のイオン電流検出装置。 - 車載バッテリから電源供給するバッテリ点火方式による複数気筒からなる内燃機関に配設され、前記内燃機関の所定の運転条件における通電に際して2つ以上で重なりを有する複数の点火コイルと、
点火プラグにイオン電流検出電圧を印加し、前記点火プラグによる点火後の燃焼イオンを検出すると共に、前記点火コイル通電中のイオン電流変化により前記点火コイルへの通電状態、または前記点火プラグのくすぶり状態を検出するイオン電流検出手段と、
前記点火コイルによる前記点火プラグへの点火が先行する前気筒の点火タイミングが、前記前気筒以外の何れかの気筒の前記点火コイル通電中のイオン電流検出区間と重なるか、または重なると予測される前記内燃機関の運転条件での運転を検出したときには、前記前気筒以外の何れかの気筒の前記点火コイル通電中のイオン電流検出における出力信号に対する比較レベルを補正、または判定値を補正、またはそれらを切替選択する補正切替選択手段と
を具備することを特徴とする内燃機関のイオン電流検出装置。 - 車載バッテリから電源供給するバッテリ点火方式による複数気筒からなる内燃機関に配設され、前記内燃機関の所定の運転条件における通電に際して2つ以上で重なりを有する複数の点火コイルと、
点火プラグにイオン電流検出電圧を印加し、前記点火プラグによる点火後の燃焼イオンを検出すると共に、前記点火コイル通電中のイオン電流変化により前記点火コイルへの通電状態、または前記点火プラグのくすぶり状態を検出するイオン電流検出手段と、
前記点火コイルによる前記点火プラグへの点火が先行する前気筒の点火タイミングが、前記前気筒以外の何れかの気筒の前記点火コイル通電中のイオン電流検出区間と重なるか、または重なると予測される前記内燃機関の運転条件での運転を検出したときには、前記前気筒以外の何れかの気筒の前記点火コイル通電中のイオン電流検出による判定を禁止する判定禁止手段と
を具備することを特徴とする内燃機関のイオン電流検出装置。 - 車載バッテリから電源供給するバッテリ点火方式による複数気筒からなる内燃機関に配設され、前記内燃機関の所定の運転条件における通電に際して2つ以上で重なりを有する複数の点火コイルと、
点火プラグにイオン電流検出電圧を印加し、前記点火プラグによる点火後の燃焼イオンを検出すると共に、複数の前記点火コイル通電中のイオン電流変化により前記点火コイルへの通電状態、または前記点火プラグのくすぶり状態を検出するイオン電流検出手段と、
前記点火コイル通電中のイオン電流値を所定の比較レベルと比較する信号比較手段と、
前記点火コイル通電中のイオン電流値の信号処理区間を設定する信号処理設定手段と、
前記信号比較手段からの出力値が比較レベル以上となる立上がりタイミング、また、前記信号比較手段からの出力値が比較レベル以下となる立下がりタイミングを検出するタイミング検出手段と、
前記タイミング検出手段の出力値が予め設定された特定タイミング区間内のときには、前記イオン電流値を有効信号とする特定区間判定手段と、
前記信号処理設定手段により設定された前記信号処理区間内で、前記タイミング検出手段の出力値から時間を算出する時間演算手段と、
前記時間演算手段により算出された時間が予め設定された所定判定時間以上のとき、有効出力と判定する有効時間判定手段と、
前記特定区間判定手段からの出力値と前記有効時間判定手段からの出力値とが共に有効判定であるときには、前記点火コイルへの通電状態が正常であり、前記点火プラグがくすぶり状態であると判定する状態判定手段と
を具備することを特徴とする内燃機関のイオン電流検出装置。
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