JP7316184B2 - 補助工法 - Google Patents

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Description

本発明は、地盤中に線状の空間を掘削する際の補助工法に関するものである。
従来、地盤にトンネル等の空間を掘削する際には、切羽前方の先行変位を計測して施工に伴う影響が地上に及ぶのを防止している。変位の計測方法として、トンネルの掘削予定箇所の上方の地盤内に略水平にボーリング孔を設け、ボーリング孔に沈下測定システムを設置する方法があった(例えば、特許文献1参照)。
また、トンネル掘削予定箇所上の変位計測開始点に向けてトンネル切羽から管を打設し、変位計測開始点までトンネルを掘削した後、トンネル掘削面に露出した管に端部から変位計を挿入する方法があった(例えば、特許文献2参照)。
特開2002-90187号公報 特許第6019011号公報
しかしながら、これらの方法は、いずれも変位計を配置するための削孔や管の打設を直線状に実施するものである。そのため、トンネルの曲線部を施工する場合などには適用が困難であった。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすることは、線状の空間を掘削する際に、切羽前方および後方の地盤の変位を容易に且つ確実に計測できる補助工法を提供することである。
前述した目的を達成するために第1の発明は、地盤中に線状の空間を掘削する際の補助工法であって、削孔ロッドに振動を、ないしは前記削孔ロッドの先端ビットに打撃を加えつつ、前記削孔ロッドの回転と非回転を制御することにより、線状の計画掘削範囲の上方に曲線状の孔を削孔する工程aと、前記孔の内部に配置された変位計を用いて前記計画掘削範囲の直上の地盤の変位を計測しつつ、前記計画掘削範囲を掘削して線状の空間を形成する工程bと、を具備し、前記変位計が、前記孔内に配置された管材の内周面に沿って貼り付けられた光ファイバケーブルであり、前記工程aにおいて、前記光ファイバケーブルが貼り付けられた状態の前記管材を、前記削孔ロッドの内部に仕込んだ状態で、前記孔を削孔することを特徴とする補助工法である。
前記工程aにおいて、前記削孔終了後に、前記管材内部に充填材を充填した後、前記削孔ロッドを前記孔から引き抜き、前記引き抜きの際に前記管材の外周部と前記孔の壁面との間に充填材を充填してもよい。
第2の発明は、地盤中に線状の空間を掘削する際の補助工法であって、削孔ロッドに振動を、ないしは前記削孔ロッドの先端ビットに打撃を加えつつ、前記削孔ロッドの回転と非回転を制御することにより、線状の計画掘削範囲の上方に曲線状の孔を削孔する工程aと、前記孔の内部に配置された変位計を用いて前記計画掘削範囲の直上の地盤の変位を計測しつつ、前記計画掘削範囲を掘削して線状の空間を形成する工程bと、具備し、前記変位計が、前記孔内に配置された管材の内周面に沿って貼り付けられた光ファイバケーブルであり、前記管材には芯材が通され、前記管材は可撓性を有し、前記芯材の軸方向に沿うように折り畳み可能であることを特徴とする補助工法である。
前記工程aにおいて、前記削孔終了後に、前記削孔ロッドの内部に、前記芯材が通され前記光ファイバケーブルが内周面に沿って貼り付けられた前記管材を、折り畳んだ状態で挿入し、前記削孔ロッドの撤去後に、前記管材の内側に充填材を送り出して、前記管材を拡径させ、前記管材の内側および、前記管材の外周面と前記孔の壁面との間に充填材を充填してもよい。
本発明によれば、削孔ロッドに振動または打撃を加えつつ回転と非回転を制御することで、計画された方向に削孔を行うことができる。そのため、線状の計画掘削範囲の上方に曲線状の孔を削孔することができ、この孔の内部に変位計を配置することで、計画掘削範囲を掘削する際に切羽前方および後方の地盤の変位を容易に且つ確実に計測できる。本発明で削孔ロッドに加える振動成分は、軸方向であってもよいし、複数方向であってもよい。複数方向の振動成分を加えることにより、地盤が硬い場合や、地盤の硬さが変化する場合にも、削孔方向がぶれることなく、計画された方向に削孔を行うことができる。
前記変位計が、前記孔内に配置された管材の内周面に沿って貼り付けられた光ファイバケーブルであることにより、孔内に変位計を容易に配置し、地盤の微小な変位を計測することができる。
第3の発明は、地盤中に線状の空間を掘削する際の補助工法であって、削孔ロッドに振動を、ないしは前記削孔ロッドの先端ビットに打撃を加えつつ、前記削孔ロッドの回転と非回転を制御することにより、線状の計画掘削範囲の上方に曲線状の孔を削孔する工程aと、前記孔の内部に配置された変位計を用いて前記計画掘削範囲の直上の地盤の変位を計測しつつ、前記計画掘削範囲を掘削して線状の空間を形成する工程bと、を具備し、前記計画掘削範囲の延伸方向に並ぶ複数の前記孔が削孔されており、前記複数の孔の内部にそれぞれ配置された変位計を用いて、前記計画掘削範囲の直上の地盤の変位を計測しつつ、前記計画掘削範囲を掘削することを特徴とする補助工法である。
前記工程aで、前記削孔ロッドを地盤の表面から発進させて前記孔を削孔し、前記工程aを繰り返すことで、前記複数の孔を削孔してもよい
また、前記工程aで、前記削孔ロッドを地下構造物の内部から発進させて、前記計画掘削範囲の一部の上方に前記孔を削孔し、前記工程bで、前記計画掘削範囲の一部を掘削し、前記工程aと前記工程bとを繰り返すことで、前記複数の孔を削孔してもよい。
削孔ロッドの回転と非回転を制御することで、シールドのセグメントや鉄筋コンクリート構造物等の地下構造物を直接切削して削孔ロッドを設置する事が出来る。
第4の発明は、地盤中に線状の空間を掘削する際の補助工法であって、削孔ロッドに振動を、ないしは前記削孔ロッドの先端ビットに打撃を加えつつ、前記削孔ロッドの回転と非回転を制御することにより、線状の計画掘削範囲の上方に曲線状の孔を削孔する工程aと、前記孔の内部に配置された変位計を用いて前記計画掘削範囲の直上の地盤の変位を計測しつつ、前記計画掘削範囲を掘削して線状の空間を形成する工程bと、を具備し、前記工程aで、前記削孔ロッドを地下構造物の内部から発進させ、前記地下構造物がトンネルであり、前記計画掘削範囲は、前記トンネルの外側にあり、前記トンネルの軸方向から見て上下方向に延びる部分を有し両端が前記トンネルの外壁面に位置し、前記トンネルの軸方向に所定の間隔をおいて配置されることを特徴とする補助工法である。これにより、トンネルの軸方向に所定の間隔をおいて線状の空間を掘削した後、線状の空間を作業空間として用いることができる。
この場合、前記工程aで、1本の前記計画掘削範囲に対して、上部では前記計画掘削範囲の外側に、下部では前記計画掘削範囲の内側に、前記孔を削孔してもよい。これにより、上下方向に延びる部分を有し両端がトンネルの外壁面に位置する計画掘削範囲を掘削する際にも地盤の変位を計測できる。
第5の発明は、地盤中に線状の空間を掘削する際の補助工法であって、削孔ロッドに振動を、ないしは前記削孔ロッドの先端ビットに打撃を加えつつ、前記削孔ロッドの回転と非回転を制御することにより、線状の計画掘削範囲の上方に曲線状の孔を削孔する工程aと、前記孔の内部に配置された変位計を用いて前記計画掘削範囲の直上の地盤の変位を計測しつつ、前記計画掘削範囲を掘削して線状の空間を形成する工程bと、を具備し、前記工程bの後に、前記線状の空間に凍結管を配置して、前記線状の空間の周囲に凍土を形成する工程cをさらに具備することを特徴とする補助工法である。これにより、線状の空間の周囲の地盤を改良することができる。
この場合、前記工程cで、前記孔の内部に配置された光ファイバケーブルを用いて前記凍土の形成状況を検知してもよい。これにより、地盤の改良状況を容易に把握できる。
第6の発明は、地盤中に線状の空間を掘削する際の補助工法であって、削孔ロッドに振動を、ないしは前記削孔ロッドの先端ビットに打撃を加えつつ、前記削孔ロッドの回転と非回転を制御することにより、線状の計画掘削範囲の上方に曲線状の孔を削孔する工程aと、前記孔の内部に配置された光ファイバケーブルによる変位計を用いて前記計画掘削範囲の直上の地盤の変位を計測しつつ、前記計画掘削範囲を掘削して線状の空間を形成する工程bと、を具備し、前記計画掘削範囲は、立坑間に設定され、前記工程bにおいて、前記計画掘削範囲はシールド機を用いて掘削され、前記空間はシールドトンネルであり、前記掘削時に、切羽前方において地盤の沈下が計測された場合には、前記シールド機の速度や土砂の取り込み量を制御して地盤の沈下を抑制し、前記掘削時に、切羽後方において地盤の沈下が計測された場合には、前記シールドトンネルの壁面と覆工との間の裏込め材の量を増やすことにより地盤の沈下を抑制することを特徴とする補助工法である。
この場合、前記孔は、前記シールド機の発進側の立坑またはシールドトンネル覆工部から前記削孔ロッドを発進させて削孔され、前記発進の際には、前記立坑または前記シールドトンネル覆工部のシールドセグメントを切削してもよい。
また、前記削孔ロッドを、前記地盤の表面から発進させて前記孔を削孔し、前記孔が鉛直断面および平面視において曲線部を有してもよい。
また、第1-6の発明において、前記計画掘削範囲が曲線部を有してもよい。
本発明では削孔ロッドに振動または打撃を加えつつ回転と非回転を制御することで計画された方向に削孔を行うことができるので、計画掘削範囲が曲線部を有する場合でも、計画掘削範囲の上方に計画掘削範囲に沿って曲線状の孔を削孔することができる。トンネル径と比べ変位計設置削孔径は小径であるため容易に曲線状の削孔が出来る。
また、前記工程aでは、前記孔を、平面視において前記計画掘削範囲の幅の範囲内に位置するように、且つ、前記孔の下端と前記計画掘削範囲の天端との離隔が前記計画掘削範囲の幅以下となるように削孔することが望ましい。
これにより、計画掘削範囲の掘削時に地盤に変位が生じる可能性が高い部分に孔を配置し、切羽前方および後方の地盤の変位を計測することができる。
本発明によれば、線状の空間を掘削する際に、切羽前方および後方の地盤の変位を容易に且つ確実に計測できる補助工法を提供できる。
地盤1中に設定された線状の計画掘削範囲7を示す図。 (a)は削孔ロッド2の先端付近の断面図、(b)は孔5の鉛直方向の断面図。 光ファイバケーブル17の他の設置方法を示す図。 他の断面形状を有する計画掘削範囲7を示す図。 線状の空間から削孔ロッド2を発進させる例を示す図。 地盤1から削孔ロッド2を発進させる例を示す図。 (a)は地盤1中に設定された線状の計画掘削範囲7cを示す図、(b)は地盤1中に設定された線状の計画掘削範囲7dを示す図。 地盤1中に設定された線状の計画掘削範囲7eを示す図。 地盤1に線状の空間9fを形成する方法を示す図。 地盤1に線状の空間9fを形成する方法を示す図。 地盤1に線状の空間9g-1を形成する方法を示す図。 掘削された空間9g-2の斜視図。 凍土27を用いて地盤1を改良した状態を示す図。 地盤1に大径の線状の空間9h-3を形成する方法を示す図。
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、地盤1中に設定された線状の計画掘削範囲7を示す図である。図1(a)は地盤1の鉛直方向の断面図、図1(b)は図1(a)の線A-Aによる断面図、図1(c)は図1(a)の線B-Bによる断面図である。
図1(a)(b)に示すように、地盤1には、地下構造物である発進用の立坑3と到達用の立坑3とが設けられる。第1の実施形態では、立坑3同士の間に地下トンネルである空間9を形成する。
空間9を形成するための計画掘削範囲7は、立坑3同士の間に設定される。計画掘削範囲7は線状であり、平面視において曲線部を有する。図1(c)に示すように、計画掘削範囲7は、鉛直方向の断面が円形である。
地盤1中に線状の空間9を掘削するには、まず、計画掘削範囲7の上方に曲線状の孔5を削孔する。孔5は、図1(b)に示すように、平面視において計画掘削範囲7の幅11の範囲内に位置するように削孔される。また、図1(c)に示すように、孔5の下端と計画掘削範囲7の天端との離隔13が計画掘削範囲7の幅11以下となるように削孔される。
図2(a)は、削孔ロッド2の先端付近の断面図である。孔5の削孔には、図2(a)に示す削孔ロッド2を用いる。図2に示すように、削孔ロッド2は、管状材であり、先端ビット4に削孔方向決定部材6が設けられる。削孔ロッド2は、大きな靱性を有する。削孔方向決定部材6は、削孔ロッド2の軸方向(図2に示す矢印Xの方向)に対して所定の角度をなすように取り付けられる。削孔ロッド2の先端付近には詰め物8が設けられる。
ボーリングマシンは、削孔ロッド2の全体を矢印Fに示すように回転させることができる。さらに、必要に応じて削孔ロッド2を先端ビット4の方向に押し出すことが可能である。削孔ロッド2は、ボーリングマシンによって軸方向に振動が加えられるような構成、ないしは、先端ビット4の基端部側に設置されたハンマー等で先端ビット4に打撃が加えられるような構成とする。
削孔ロッド2は、回転と、削孔ロッド2への軸方向の振動ないしは先端ビット4への打撃とを組み合わせることで直進する。また、削孔ロッド2の回転を停止して非回転の状態で削孔ロッド2への軸方向の振動ないしは先端ビット4への打撃を加えることで、先端ビット4に設けられた削孔方向決定部材6の方向への削孔が行われ、削孔方向を任意の方向に曲げることができる。なお、掘削対象となる地盤の状況に応じて単位時間あたりの打撃回数を増減するなどして、振動ないしは打撃の加え方と押し出し力を調整することによって、削孔の曲率を調整することもできる。
図1に示す孔5は、上記した削孔ロッド2に軸方向に振動を加えつつ、ないしは削孔ロッド2の先端ビット4に打撃を加えつつ、削孔ロッド2の回転と非回転を制御することにより、発進用の立坑3から削孔ロッド2を発進させて削孔される。このとき、削孔ロッド2の先端ビット4に設置した発信器の位置を地上部もしくは立坑3からリアルタイムで探査してもよい。また、削孔中の適切な時期に削孔ロッド2の先端ビット4付近にジャイロスコープを挿入して引き込んで、削孔ロッド2の削孔軌跡を計測してもよい。
図2(b)は、孔5の鉛直方向の断面図である。図2(b)に示すように、孔5には管材15が配置され、管材15の内部には変位計である光ファイバケーブル17が配置される。管材15は変位計の保護管であり、塩ビ管等の変形が容易な硬質樹脂製の管が用いられる。管材15の内部や、管材15の外周と孔5の壁面との間には充填材19が充填される。
図2(b)に示すように孔5の内部に光ファイバケーブル17を設置するには、例えば、図2(a)に示すように、光ファイバケーブル17を内周面に沿って貼り付けた状態の管材15を削孔ロッド2の内部に仕込んだ状態で、削孔ロッド2を用いて孔5を削孔する。そして、詰め物8を削孔ロッド2から前方に(図2(a)の左側に)押し出して撤去するか、削孔ロッド2の内部に残置した状態で、管材15の内部に充填材19を充填する。次に、削孔ロッド2を孔5から抜く。このとき、管材15の外周面と孔5の壁面との間にも充填材19を充填する。
なお、孔5の内部への光ファイバケーブル17の設置方法はこれに限らない。例えば、削孔ロッド2で孔5を掘削した後に、光ファイバケーブル17が張り付けられた管材15を挿入してもよい。また、地盤が十分に硬い場合には、削孔ロッドを引き抜いた後に、光ファイバケーブル17が張り付けられた管材15を孔5に挿入してもよい。また、掘削後に管材と光ファイバとを挿入する場合には、以下の方法でもよい。
図3は、光ファイバケーブル17の他の設置方法を示す図であり、図3(a)は、削孔ロッド2の先端付近の断面図、図3(b)(c)は孔5の鉛直方向の断面図である。
図3に示す例では、図3(a)に示すように、管材15等を削孔ロッド2の内部に仕込まない状態で、削孔ロッド2を用いて孔5を削孔する。そして、詰め物8を削孔ロッド2から前方に押し出すか、後方に引き戻して撤去する。次に、図3(b)に示すように、芯材16が通され光ファイバケーブル17が内周面に沿って貼り付けられた管材15aを、削孔ロッド2の内部に挿入する。管材15aは、可撓性を有し、折り目が芯材16の軸方向に沿うように折りたたみ可能な、例えば軟質樹脂製のフレキシブルホース等である。芯材16は、管材15aと比較して、削孔ロッド2に挿入可能な程度に剛性が高いものとする。
その後、削孔ロッド2を孔5から撤去して、管材15aを広げるための空間を孔5内に形成する。そして、図3(c)に示すように、管材15aの内側に充填材19を送り出し、充填材19の圧力によって管材15aの断面を拡大する。管材15aの先端は開口しているので、管材15aの先端の開口から管材15aの外周面と孔5の壁面との間にも充填材19が充填される。
このように、芯材16を用いることで、光ファイバケーブル17を曲線状の削孔ロッド2の内部に容易に挿入することができるとともに、充填材19の充填性を両立することができる。例えば、例えば硬質樹脂からなる管材15を用いた場合には、管材15の径が大きくなると、剛性が高くなりすぎて、曲線状の削孔ロッド2内への挿入性が悪化する。しかし、管材15の径を小さくしすぎると、その後の充填材19の充填性が悪くなる。これに対し、芯材16を用いることで、管材15aには剛性が不要である。また、充填材19の充填時には、管材15aを拡径させることができるため、充填性を確保することができる。なお、図2(a)に示すように、光ファイバケーブル17を内周面に沿って貼り付けた状態の管材15を削孔ロッド2の内部に仕込んだ状態で孔5を削孔する場合にも、管材15を管材15aのように、削孔ロッド2の曲線に追従が容易な軟質樹脂製としてもよい。この場合には、芯材16は必ずしも必要ではない。
なお、変位計は光ファイバケーブル17に限らず、他の変位計を用いてもよい。例えば、変位計として3軸重力加速度センサを用いた3D地中変位計を用いてもよい。3D地中変位計を用いる場合には、上記した光ファイバケーブル17と同様の手順で設置してもよいし、削孔ロッド2で削孔した孔5内に管材を挿入して管材の外周面と孔5の壁面との間にセメントミルクを充填した後、管材の内部に3D地中変位計を挿入して適切に固定してもよい。
孔5の内部に光ファイバケーブル17等の変位計を配置したら、変位計を用いて計画掘削範囲7の直上の地盤1の変位を計測しつつ、発進用の立坑3側から計画掘削範囲7を掘削して、図1(a)に示す線状の空間9を到達側の立坑3まで延伸する。計画掘削範囲7は、シールド機等を用いて掘削される。
計画掘削範囲7の掘削時に、切羽前方において地盤1の沈下が計測された場合には、例えば、シールド機の速度や土砂の取り込み量などを制御して沈下を抑制する。また、切羽後方において地盤1の沈下が計測された場合には、例えば空間9の壁面と覆工との間の裏込め材の量を増やすなどして沈下を抑制する。
このように、第1の実施形態によれば、靱性の大きい削孔ロッド2を用い、削孔ロッド2に軸方向に振動を加えつつ、ないしは先端ビット4に打撃を加えつつ、削孔ロッド2の回転と非回転を制御する。これにより、削孔方向がぶれることなく、曲線部を有する線状の計画掘削範囲7の上方に曲線状の孔5を削孔することができる。
第1の実施形態では、孔5内に変位計を配置することで、計画掘削範囲7を掘削する際に、切羽前方および後方の地盤1の変位を容易に且つ確実に計測できる。変位計として光ファイバケーブル17を用いれば、一度に長距離に亘って変位計を配置し、地盤1の微小な変位を計測することができる。
第1の実施形態では、孔5を、計画掘削範囲7の幅11の範囲内に位置するように、且つ、孔5の下端と計画掘削範囲7の天端との離隔13が計画掘削範囲7の幅11以下となるように削孔することにより、掘削によってゆるみやすい範囲に孔5が形成される。そのため、孔5の内部の変位計により、地盤1に生じる沈下等の変位を直ぐに検知することができる。
なお、第1の実施形態では計画掘削範囲7の鉛直方向の断面を円形としたが、断面の形状はこれに限らない。図4は、他の断面形状を有する計画掘削範囲7を示す図である。図4(a)(b)に示すように、計画掘削範囲7の鉛直方向の断面が円形でない場合にも、孔5を、計画掘削範囲7の幅11の範囲内に位置するように、且つ、孔5の下端と計画掘削範囲7の天端との離隔13が計画掘削範囲7の幅11以下となるように削孔することが望ましい。
また、地盤1に孔5を削孔する際の削孔ロッド2の動作は上記したものに限らない。例えば、ボーリングマシンが図2に示す削孔ロッド2に、軸方向に垂直な矢印Yの方向などの振動成分を加えてもよく、三次元的に振動を付与してもよい。削孔ロッド2に軸方向の振動や打撃を加えるとロッドが長い場合には衝撃力が減衰するが、複数方向に振動を加えればロッドが長い場合にも振動が減衰せずに伝播するため長距離の削孔が可能である。また、複数方向に振動を加えれば、地盤1が硬い場合や、地盤1の硬さが変化する場合にも、削孔方向がぶれることなく、計画された方向に曲線状に削孔を行うことができる。
また、第1の実施形態では立坑3から削孔ロッド2を発進させたが、削孔ロッド2の発進位置はこれに限らない。図5は、線状の空間から2を発進させる例を示す図である。
図5(a)に示す例では、発進側の立坑3から所定の距離だけ空間9を形成した後、削孔ロッド2を空間9から発進させて、計画掘削範囲7の上方に孔5aを削孔する。そして、孔5aの内部に配置された変位計を用いて計画掘削範囲7の直上の地盤1の変位を計測しつつ、計画掘削範囲7を掘削して線状の空間9を到達側の立坑3まで延伸する。
図5(b)に示す例では、計画掘削範囲7aの全長が削孔ロッド2による削孔可能長さよりも長い。この場合、削孔ロッド2を切羽10の後方の空間9aから発進させて、計画掘削範囲7aの上方に孔5aを削孔する工程と、孔5aの内部に配置された変位計を用いて計画掘削範囲7aの直上の地盤1の変位を計測しつつ計画掘削範囲7aを掘削して線状の空間9aを所定の長さだけ延伸する工程とを、計画掘削範囲7aの延伸方向に並ぶ複数の孔5a-1、5a-2、…、5a-nについて繰り返す。
以下、本発明の別の例について、第2~第8の実施形態として説明する。各実施形態はそれまでに説明した実施形態と異なる点について説明し、同様の構成については図等で同じ符号を付すなどして説明を省略する。また、第1の実施形態も含め、各実施形態で説明する構成は必要に応じて組み合わせることができる。
[第2の実施形態]
図6は、地盤1から削孔ロッド2を発進させる例を示す図である。第2の実施形態は、削孔ロッド2を地盤1の表面から発進させる点で第1の実施形態と主に異なる。
図6(a)に示す例では、削孔ロッド2を地盤1の表面から発進させて、計画掘削範囲7の上方に孔5bを削孔する。そして、孔5bの内部に配置された変位計を用いて計画掘削範囲7の直上の地盤1の変位を計測しつつ、計画掘削範囲7を掘削して線状の空間9を到達側の立坑3まで延伸する。
図6(b)に示す例では、計画掘削範囲7bの全長が削孔ロッド2による削孔可能長さよりも長い。この場合、削孔ロッド2を地盤1の表面から発進させて、計画掘削範囲7bの上方に、計画掘削範囲7bの延伸方向に並ぶ複数の孔5b-1、5b-2、…、5b-nを削孔する。そして、複数の孔5b-1、5b-2、…、5b-nの内部に配置された変位計を用いて計画掘削範囲7bの直上の地盤1の変位を計測しつつ、計画掘削範囲7bを掘削して線状の空間9bを到達側の立坑3まで延伸する。
[第3の実施形態]
図7(a)は、地盤1中に設定された線状の計画掘削範囲7cを示す図である。第3の実施形態は、削孔ロッド2を地盤1の表面から発進させる点、山岳トンネルである空間9cを形成する点で第1の実施形態と主に異なる。
計画掘削範囲7cは線状であり、例えば図7(a)に示すように鉛直断面において上に凸の曲線部を有する。計画掘削範囲7cは、平面視において曲線部を有してもよい。
地盤1中に線状の空間9cを掘削するには、削孔ロッド2を地盤1の表面から発進させて、計画掘削範囲7cの上方に曲線状の孔5cを削孔する。そして、孔5cの内部に配置された変位計を用いて計画掘削範囲7cの直上の地盤1の変位を計測しつつ、計画掘削範囲7cを掘削して線状の空間9cを形成する。
[第4の実施形態]
図7(b)は、地盤1中に設定された線状の計画掘削範囲7dを示す図である。第4の実施形態は、削孔ロッド2を地盤1の表面から発進させる点、アンダーパスである空間9dを形成する点で第1の実施形態と主に異なる。
計画掘削範囲7dは線状であり、図7(b)に示すように鉛直断面において下に凸の曲線部を有する。計画掘削範囲7dは、平面視において曲線部を有してもよい。
地盤1中に線状の空間9dを掘削するには、削孔ロッド2を地盤1の表面から発進させて、計画掘削範囲7dの上方に曲線状の孔5dを削孔する。そして、孔5dの内部に配置された変位計を用いて計画掘削範囲7dの直上の地盤1の変位を計測しつつ、計画掘削範囲7dを掘削して線状の空間9dを形成する。
[第5の実施形態]
図8は、地盤1中に設定された線状の計画掘削範囲7eを示す図である。図8(a)は地盤1の平面図を、図8(b)は図8(a)の線C-Cによる断面図を示す。第5の実施形態は、削孔ロッド2を地盤1の表面から発進させる点、立坑3eの底部を拡幅して空間を形成する点で第1の実施形態と主に異なる。
図8(a)に示すように計画掘削範囲7eは線状であり、平面視において立坑3eから放射状に設定される。また、計画掘削範囲7e同士の間には、拡幅範囲23が設定される。
立坑3eの底部を拡幅して空間を形成するには、削孔ロッド2を地盤1の表面から発進させて、計画掘削範囲7eの上方に曲線状の孔5eを削孔する。そして、孔5eの内部に配置された変位計を用いて計画掘削範囲7eの直上の地盤1の変位を計測しつつ、計画掘削範囲7eを掘削して線状の空間を放射状に形成する。その後、拡幅範囲23を掘削し、立坑3eの底部の周囲に平面視において略円形の空間を形成する。
[第6の実施形態]
図9は、地盤1に線状の空間9fを形成する方法を示す図である。図9(a)は地盤1中に設定された線状の計画掘削範囲7fの鉛直方向の断面図を、図9(b)は図9(a)の線D-Dによる断面図を示す。
図9に示すように、地盤1には地下構造物であるトンネル21が設けられる。第6の実施形態では、トンネル21の両側にトンネル21に沿って空間9fを形成する。
空間9を形成するための計画掘削範囲7fは線状であり、図9(a)(b)に示すようにトンネル21の両側にトンネル21に沿って設定される。図9(b)に示すように、トンネル21の曲線部分では計画掘削範囲7fも曲線となる。
地盤1中に線状の空間9fを掘削するには、トンネル21の両端の立坑3fのうち、一方の立坑3fの両側に空間9fの一部を掘削する。そして、削孔ロッド2を空間9fの内部から発進させて、計画掘削範囲7fの上方に、計画掘削範囲7fの延伸方向に沿って曲線状の孔5fを削孔する。孔5fは、図9(a)(b)に示すように1本の計画掘削範囲7fに対して複数本配置してもよい。孔5fを削孔したら、孔5fの内部に配置された変位計を用いて計画掘削範囲7fの直上の地盤1の変位を計測しつつ、シールド機等で計画掘削範囲7fを他方の立坑3fまで掘削し、図9(b)に示す空間9fをトンネル21の両側に沿って延長する。
なお、図9では、孔5fを計画掘削範囲7fの延伸方向に沿って削孔したが、計画掘削範囲7fの延伸方向に直交する断面に沿って削孔してもよい。
図10は、地盤1に線状の空間9fを形成する方法を示す図である。図10(a)は地盤1中に設定された線状の計画掘削範囲7fの鉛直方向の断面図を、図10(b)は図10(a)の線D2-D2による断面図を、図10(c)は掘削された空間9fの斜視図を示す。図10(b)ではトンネル21の直線部分のみを図示しているが、トンネル21の曲線部分では計画掘削範囲7fも曲線となる。
図10に示す例において地盤1中に線状の空間9fを掘削するには、削孔ロッド2をトンネル21の内部から発進させて、計画掘削範囲7fの上方に、計画掘削範囲7fの延伸方向に直交する断面に沿って曲線状の孔5f’を削孔する。孔5f’は、図10(b)に示すように計画掘削範囲7fの延伸方向に所定の間隔31をおいて配置される。孔5f’を削孔したら、孔5f’の内部に配置された変位計を用いて計画掘削範囲7fの直上の地盤1の変位を計測しつつ、シールド機等で計画掘削範囲7fを掘削し、図10(c)に示すようにトンネル21の両側に線状の空間9fを形成する。
[第7の実施形態]
図11は、地盤1に線状の空間9g-1を形成する方法を示す図である。図11(a)は線状の計画掘削範囲7g-1、7g-2が設定された地盤1の鉛直方向の断面図を、図11(b)は図11(a)の線E-Eによる断面図を、図11(c)は空間9g-1が掘削された地盤1の鉛直方向の断面図を示す。図12は掘削された空間9g-2の斜視図を示す。
図11に示すように、地盤1には地下構造物であるトンネル21が設けられる。第7の実施形態では、トンネル21を拡幅して空間9g-2を形成する。空間9g-2は、地盤1の掘削作業を、計画掘削範囲7g-1の掘削と計画掘削範囲7g-2の掘削との2段階に分けて実施することで形成される。
計画掘削範囲7g-1は、図11(a)に示すように、線状であり、トンネル21の外側に設定される。計画掘削範囲7g-1は、トンネル21の軸に垂直な平面内において上下方向に延びる部分を有し、両端がトンネル21の外壁面に位置する。計画掘削範囲7g-1は、図11(b)に示すようにトンネル21の軸方向に所定の間隔33をおいて配置される。また、計画掘削範囲7g-2は、図11(b)に示すようにトンネル21の軸方向に沿って線状に設定される。
計画掘削範囲7g-1を掘削するには、まず、削孔ロッド2をトンネル21の内部から発進させて、図11(a)に示すように、トンネル21の軸方向から見たときに計画掘削範囲7g-1の外側に沿うように曲線状の孔5g-1を削孔する。また、計画掘削範囲7g-1の内側に沿うように曲線状の孔5g-2を削孔する。すなわち、1本の計画掘削範囲7g-1に対して、計画掘削範囲7g-1の上部においては計画掘削範囲7g-1の上方に孔5g-1を削孔し、計画掘削範囲7g-1の下部においては計画掘削範囲7g-1の上方に孔5g-2を削孔する。
孔5g-1、5g-2を削孔したら、孔5g-1、5g-2の内部に配置された変位計を用いて計画掘削範囲7g-1の直上の地盤1の変位を計測しつつ、計画掘削範囲7g-1を掘削して、図11(c)に示すようにトンネル21の外側に線状の空間9g-1を形成する。
その後、線状の空間9g-1を作業空間として用いて計画掘削範囲7g-2を掘削し、図12に示すようにトンネル21を拡幅した空間9g-2を形成する。計画掘削範囲7g-2を掘削する際には、必要に応じて、孔5g-1の内部に配置した変位計を用いて計画掘削範囲7g-2の直上の地盤1の変位を計測する。
なお、計画掘削範囲7g-2を掘削する際には、予め計画掘削範囲7g-2の外周付近の地盤1を改良してもよい。図13は、凍土27を用いて地盤1を改良した状態を示す図である。
図13に示す例では、空間9g-1を形成した後、空間9g-1に凍結管25を配置して空間9g-1の周囲に凍土27を造成する。空間9g-1はトンネル21の外側に円弧状に形成されるため、凍土27は空間9g-1に沿って造成される。また、トンネル21の軸方向に隣接する空間9g-1に配置した凍結管25によって造成された複数の凍土27が一体となることにより、凍土27はトンネル21の軸方向にも連続して計画掘削範囲7g-2の外周付近に沿ってアーチ状に造成される。計画掘削範囲7g-2の掘削時には、アーチ状の凍土27によって空間9g-2の壁面の崩落が防止される。
なお、凍土27の造成時には、孔5g-1、5g-2の内部に配置された光ファイバケーブルを用いて凍土27の形成状況を検知してもよい。このようにすれば、地盤1の改良状況を容易に把握し、空間9g-2を安全に掘削することができる。
図11に示す計画掘削範囲7g-1は、トンネル21の軸に垂直な平面内において上下方向に延びる部分を有するが、計画掘削範囲7g-1の配置はこれに限らない。計画掘削範囲7g-1は、トンネル21の軸方向から見たときに上下方向に延びる部分を有すればよく、上下方向に延びる部分がトンネル21の軸に垂直な平面に対して多少傾いた平面内に位置する場合もある。
[第8の実施形態]
図14は、地盤1に大径の線状の空間9h-3を形成する方法を示す図である。図14に示す各図は、地盤1の鉛直方向の断面を示す図である。図14(a)は孔5h-1を削孔した状態を示す図、図14(b)は孔5h-2を削孔した状態を示す図、図14(c)は空間9h-2を形成した状態を示す図、図14(d)は空間9h-3を形成した状態を示す図である。
線状の空間9h-3は大断面の地下トンネルである。空間9h-3は、地盤1の掘削作業を、計画掘削範囲7h-1の掘削と計画掘削範囲7h-2の掘削と計画掘削範囲7h-3の掘削との3段階に分けて実施することで形成される。
このような空間9h-3を形成するには、まず、形成予定の空間9h-3の外周に、図14(a)に示すように所定の間隔をおいて複数本の線状の計画掘削範囲7h-1を設定する。そして、地盤1の表面や地下構造物の内部から削孔ロッド2を発進させて、複数本の計画掘削範囲7h-1のうち形成予定の空間9h-3の上部に配置されたものの上方に、計画掘削範囲7h-1の延伸方向に沿って孔5h-1を削孔する。
次に、図14(b)に示すように、孔5h-1の内部に配置された変位計を用いて計画掘削範囲7h-1の直上の地盤1の変位を計測しつつ、小口径のシールド機で計画掘削範囲7h-1を掘削して線状の空間9h-1を形成する。
空間9h-1を形成したら、図14(b)に示すように、空間9h-1同士の間に線状の計画掘削範囲7h-2を設定する。そして、複数の計画掘削範囲7h-2のうち形成予定の空間9h-3の上部に配置されたものの上方に、計画掘削範囲7h-2の延伸方向に沿って孔5h-2を削孔する。
次に、図14(c)に示すように、孔5h-2の内部に配置された変位計を用いて計画掘削範囲7h-2の直上の地盤1の変位を計測しつつ、小口径のシールド機で計画掘削範囲7h-2を掘削して線状の空間9h-2を形成する。隣接する空間9h-1と空間9h-2とは重なり合って連通する。
線状の空間9h-2を形成したら、図14(c)に示すように、空間9h-1と空間9h-2とに囲まれた部分に線状の計画掘削範囲7h-3を設定する。そして、孔5h-1、5h-2の内部に配置された変位計を用いて計画掘削範囲7h-3の直上の地盤1の変位を計測しつつ、計画掘削範囲7h-3を掘削して線状の空間9h-3を形成する。
なお、図14では地盤1の鉛直方向の断面のみを示しているが、孔5h-1、5h-2は、平面視において曲線部を有している。また、孔5h-1、5h-2は対応する計画掘削範囲の幅11の範囲内に位置するように、且つ、孔5h-1、5h-2の下端と対応する計画掘削範囲の天端との離隔が幅11以下となるように削孔されるのが望ましい。
図14では、形成予定の空間9h-3の上部に配置された計画掘削範囲7h-1、7h-2の上方に孔5h-1、5h-2を削孔したが、孔5h-1、5h-2は必要に応じて間引いてもよい。また、形成予定の空間9h-3の下部に配置された計画掘削範囲7h-1、7h-2の上方に孔5h-1、5h-2を削孔してもよい。
計画掘削範囲7h-3を掘削する前には、必要に応じて、空間9h-1、9h-2内を通る先行覆工を構築してもよい。また、空間9h-1、9h-2内に凍結管を配置して、計画掘削範囲7h-3の外周を囲むように凍土を造成してもよい。
第2から第8の実施形態においても、第1の実施形態と同様に靱性の大きい削孔ロッドを用い、削孔ロッドに軸方向に振動を加えつつ、ないしは先端ビットに打撃を加えつつ、削孔ロッドの回転と非回転を制御することにより、削孔方向がぶれることなく、線状の計画掘削範囲の上方に曲線状の孔を削孔することができる。また、孔内に配置された変位計を用いることで、計画掘削範囲を掘削する際に、切羽前方および後方の地盤1の変位を容易に且つ確実に計測できる。
さらに、孔を、計画掘削範囲の幅の範囲内に位置するように、且つ、孔の下端と計画掘削範囲の天端との離隔が計画掘削範囲の幅以下となるように削孔することにより、孔が地盤1のゆるみやすい範囲に形成される。そのため、孔に配置された変位計により、地盤1に生じる沈下等の変位を直ぐに検知することができる。
1………地盤
2………削孔ロッド
3、3e………立坑
4………先端ビット
5、5a、5a-1、5a-2、5a-n、5b、5b-1、5b-2、5b-n、5c、5d、5e、5f、5f’5g-1、5g-2、5h-1、5h-2………孔
6………削孔方向決定部材
7、7a、7b、7c、7d、7e、7f、7g-1、7g-2、7h-1、7h-2、7h-3………計画掘削範囲
8………詰め物
9、9a、9b、9c、9d、9f、9g-1、9g-2、9h-1、9h-2、9h-3………空間
10………切羽
11………幅
13………離隔
15、15a………管材
16………芯材
17………光ファイバケーブル
19………充填材
21………トンネル
23………拡幅範囲
25………凍結管
27………凍土
31、33………間隔

Claims (16)

  1. 地盤中に線状の空間を掘削する際の補助工法であって、
    削孔ロッドに振動を、ないしは前記削孔ロッドの先端ビットに打撃を加えつつ、前記削孔ロッドの回転と非回転を制御することにより、線状の計画掘削範囲の上方に曲線状の孔を削孔する工程aと、
    前記孔の内部に配置された変位計を用いて前記計画掘削範囲の直上の地盤の変位を計測しつつ、前記計画掘削範囲を掘削して線状の空間を形成する工程bと、
    を具備し、
    前記変位計が、前記孔内に配置された管材の内周面に沿って貼り付けられた光ファイバケーブルであり、
    前記工程aにおいて、前記光ファイバケーブルが貼り付けられた状態の前記管材を、前記削孔ロッドの内部に仕込んだ状態で、前記孔を削孔することを特徴とする補助工法。
  2. 前記工程aにおいて、前記削孔終了後に、前記管材内部に充填材を充填した後、前記削孔ロッドを前記孔から引き抜き、前記引き抜きの際に前記管材の外周部と前記孔の壁面との間に充填材を充填することを特徴とする請求項1に記載の補助工法。
  3. 地盤中に線状の空間を掘削する際の補助工法であって、
    削孔ロッドに振動を、ないしは前記削孔ロッドの先端ビットに打撃を加えつつ、前記削孔ロッドの回転と非回転を制御することにより、線状の計画掘削範囲の上方に曲線状の孔を削孔する工程aと、
    前記孔の内部に配置された変位計を用いて前記計画掘削範囲の直上の地盤の変位を計測しつつ、前記計画掘削範囲を掘削して線状の空間を形成する工程bと、
    を具備し、
    前記変位計が、前記孔内に配置された管材の内周面に沿って貼り付けられた光ファイバケーブルであり、
    前記管材には芯材が通され、前記管材は可撓性を有し、前記芯材の軸方向に沿うように折り畳み可能であることを特徴とする補助工法。
  4. 前記工程aにおいて、前記削孔終了後に、前記削孔ロッドの内部に、前記芯材が通され前記光ファイバケーブルが内周面に沿って貼り付けられた前記管材を、折り畳んだ状態で挿入し、前記削孔ロッドの撤去後に、前記管材の内側に充填材を送り出して、前記管材を拡径させ、前記管材の内側および、前記管材の外周面と前記孔の壁面との間に充填材を充填することを特徴とする請求項3に記載の補助工法。
  5. 地盤中に線状の空間を掘削する際の補助工法であって、
    削孔ロッドに振動を、ないしは前記削孔ロッドの先端ビットに打撃を加えつつ、前記削孔ロッドの回転と非回転を制御することにより、線状の計画掘削範囲の上方に曲線状の孔を削孔する工程aと、
    前記孔の内部に配置された変位計を用いて前記計画掘削範囲の直上の地盤の変位を計測しつつ、前記計画掘削範囲を掘削して線状の空間を形成する工程bと、
    を具備し、
    前記計画掘削範囲の延伸方向に並ぶ複数の前記孔が削孔されており、前記複数の孔の内部にそれぞれ配置された変位計を用いて、前記計画掘削範囲の直上の地盤の変位を計測しつつ、前記計画掘削範囲を掘削することを特徴とする補助工法。
  6. 前記工程aで、前記削孔ロッドを地盤の表面から発進させて前記孔を削孔し、前記工程aを繰り返すことで、前記複数の孔を削孔することを特徴とする請求項に記載の補助工法。
  7. 前記工程aで、前記削孔ロッドを地下構造物の内部から発進させて、前記計画掘削範囲の一部の上方に前記孔を削孔し、
    前記工程bで、前記計画掘削範囲の一部を掘削し、
    前記工程aと前記工程bとを繰り返すことで、前記複数の孔を削孔することを特徴とする請求項に記載の補助工法。
  8. 地盤中に線状の空間を掘削する際の補助工法であって、
    削孔ロッドに振動を、ないしは前記削孔ロッドの先端ビットに打撃を加えつつ、前記削孔ロッドの回転と非回転を制御することにより、線状の計画掘削範囲の上方に曲線状の孔を削孔する工程aと、
    前記孔の内部に配置された変位計を用いて前記計画掘削範囲の直上の地盤の変位を計測しつつ、前記計画掘削範囲を掘削して線状の空間を形成する工程bと、
    を具備し、
    前記工程aで、前記削孔ロッドを地下構造物の内部から発進させ、
    前記地下構造物がトンネルであり、前記計画掘削範囲は、前記トンネルの外側にあり、前記トンネルの軸方向から見て上下方向に延びる部分を有し両端が前記トンネルの外壁面に位置し、前記トンネルの軸方向に所定の間隔をおいて配置されることを特徴とする補助工法。
  9. 前記工程aで、1本の前記計画掘削範囲に対して、上部では前記計画掘削範囲の外側に、下部では前記計画掘削範囲の内側に、前記孔を削孔することを特徴とする請求項記載の補助工法。
  10. 地盤中に線状の空間を掘削する際の補助工法であって、
    削孔ロッドに振動を、ないしは前記削孔ロッドの先端ビットに打撃を加えつつ、前記削孔ロッドの回転と非回転を制御することにより、線状の計画掘削範囲の上方に曲線状の孔を削孔する工程aと、
    前記孔の内部に配置された変位計を用いて前記計画掘削範囲の直上の地盤の変位を計測しつつ、前記計画掘削範囲を掘削して線状の空間を形成する工程bと、
    を具備し、
    前記工程bの後に、
    前記線状の空間に凍結管を配置して、前記線状の空間の周囲に凍土を形成する工程cをさらに具備することを特徴とする補助工法。
  11. 前記工程cで、前記孔の内部に配置された光ファイバケーブルを用いて前記凍土の形成状況を検知することを特徴とする請求項10記載の補助工法。
  12. 地盤中に線状の空間を掘削する際の補助工法であって、
    削孔ロッドに振動を、ないしは前記削孔ロッドの先端ビットに打撃を加えつつ、前記削孔ロッドの回転と非回転を制御することにより、線状の計画掘削範囲の上方に曲線状の孔を削孔する工程aと、
    前記孔の内部に配置された光ファイバケーブルによる変位計を用いて前記計画掘削範囲の直上の地盤の変位を計測しつつ、前記計画掘削範囲を掘削して線状の空間を形成する工程bと、
    を具備し、
    前記計画掘削範囲は、立坑間に設定され、
    前記工程bにおいて、前記計画掘削範囲はシールド機を用いて掘削され、前記空間はシールドトンネルであり、
    前記掘削時に、切羽前方において地盤の沈下が計測された場合には、前記シールド機の速度や土砂の取り込み量を制御して地盤の沈下を抑制し、
    前記掘削時に、切羽後方において地盤の沈下が計測された場合には、前記シールドトンネルの壁面と覆工との間の裏込め材の量を増やすことにより地盤の沈下を抑制することを特徴とする補助工法。
  13. 前記孔は、前記シールド機の発進側の立坑またはシールドトンネル覆工部から前記削孔ロッドを発進させて削孔され、前記発進の際には、前記立坑または前記シールドトンネル覆工部のシールドセグメントを切削することを特徴とする請求項12に記載の補助工法。
  14. 前記削孔ロッドを、前記地盤の表面から発進させて前記孔を削孔し、前記孔が鉛直断面および平面視において曲線部を有することを特徴とする請求項12に記載の補助工法。
  15. 前記計画掘削範囲が曲線部を有することを特徴とする請求項1から請求項14のいずれかに記載の補助工法。
  16. 前記工程aで、前記孔を、平面視において前記計画掘削範囲の幅の範囲内に位置するように、且つ、前記孔の下端と前記計画掘削範囲の天端との離隔が前記計画掘削範囲の幅以下となるように削孔することを特徴とする請求項1から請求項15のいずれかに記載の補助工法。
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