JP7315597B2 - ジョイント用整列治具、ジョイント前電線束サブアッシー、溶着機、及び電線束ジョイント方法 - Google Patents
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Description
前記ジョイント用整列治具は、他の電線束に対し溶着によるジョイントをする前の前記複数本の電線を電線軸直交方向に並べるための電線整列部と、前記複数本の電線における前記導体露出部の導体先端部が突き当たる先端突き当て部と、該先端突き当て部及び前記電線整列部を繋ぎ且つ前記導体露出部に対する前記電線軸直交方向からの前記溶着によるジョイントが可能な形状に形成される繋ぎ部とを有することを特徴とする。
図1において、製造設備としての溶着機1は、ジョイント前電線束サブアッシー2、3(電線束及び他の電線束)のそれぞれ整列した導体露出部同士を、縦積みの状態で、溶着によりジョイントするために備えられる。溶着の前後に当たっては、所定の電線束ジョイント方法が採用される。また、溶着によるジョイント状態の信頼性を高めるために、ジョイント前電線束サブアッシー2、3には、それぞれジョイント用整列治具4が設けられる。
図1において、溶着機1は、溶着機本体5と、溶着手段6と、ガイド部材7と、二つの振動減衰部材8とを備えて構成される。溶着機本体5は、ここでは公知の超音波溶着機(超音波ジョイント装置などと呼んでもよい)が採用される。溶着機本体5には、溶着手段6を制御するための図示しない制御部や、作業者が溶着によるジョイント作業をするための図示しない操作部などが設けられる。
図2を参照しながら作業者19による作業の流れについて説明をする。図2(a)において、第一作業台20では、ジョイント前電線束サブアッシー2(図3(a)を参照しながら後述する)が形成される。別な言い方をいすれば、図1の左側(レフト側、L側)からガイド部材7にセットされるジョイント前電線束サブアッシー2が第一作業台20において形成される。第一作業台20には、電線を収容したパイプが横並びで複数設けられ、所定のパイプから電線を引き出しながらジョイント前電線束サブアッシー2が形成される(サブアッシー形成工程)。第一作業台20で形成されたジョイント前電線束サブアッシー2は、棚21にストックされる。棚21にストックされたジョイント前電線束サブアッシー2は、後に溶着機1の左隣まで搬送される。
図3(a)及び図5において、ジョイント前電線束サブアッシー2は、複数本の電線28と、電線保持竿29と、ジョイント用整列治具4とを有して、例えば図示の如く形成される。電線28は、本実施例において五本使用される(本数は一例であるものとする)。電線28は、導体と絶縁体(被覆)とを備えて構成され、五本とも同じサイズや、異なるサイズのものが適宜採用される(本実施例では五本とも同じサイズのものを採用する)。電線28は、所望の長さに形成され、一端側にはジョイント用整列治具4が、また、他端側には公知の端子金具30が設けられる。
図4において、ジョイント用整列治具4は、電線束同士のジョイント状態の信頼性を高めるために備えられる。ジョイント用整列治具4は、樹脂成形品であって、電線整列部34と、先端突き当て部35と、繋ぎ部36とを有して例えば図示のような形状に形成される(尚、図4では紙面のスペースの関係上、長手方向の長さを短縮したような形状でジョイント用整列治具4を示すものとする)。ジョイント用整列治具4は、複数本の電線28の一端側に着脱自在に設けられる。複数本の電線28の一端側に設けられたジョイント用整列治具4は、電線保持竿29の治具着脱部32に着脱自在に取り付けられる。
上記構成及び構造において、以下、電線束ジョイント方法について説明をする。この電線束ジョイント方法は、図3(a)に示すジョイント前電線束サブアッシー2を「電線束46」、図3(b)に示すジョイント前電線束サブアッシー3を「他の電線束47」と呼ぶことにすると、電線束46及び他の電線束47同士を超音波溶着によるジョイントをして、ジョイント部48を有するジョイント後電線束49を形成するための方法である。電線束ジョイント方法は、例えば、治具取付工程と、サブアッシー形成工程と、振動対策工程と、溶着前工程と、溶着工程と、溶着後工程とを含んで、これら工程を順に行うような方法である(一例であるものとする)。
以上、図1ないし図8を参照しながら説明してきたように、本発明の一実施形態であるジョイント用整列治具4によれば、複数本の電線28を電線軸直交方向に並べるための電線整列部34と、複数本の電線25における導体露出部43の導体先端部44が突き当たる先端突き当て部35と、この先端突き当て部35及び電線整列部34を繋ぎ且つ導体露出部43に対する電線軸直交方向からの超音波溶着によるジョイントが可能な形状に形成される繋ぎ部36とを有することから、電線整列部34にて複数本の電線28を電線軸直交方向に並べて電線28のバラケを防止することができ、また、先端突き当て部35にて導体先端部44のズレも防止することができる。さらに、ジョイント用整列治具4を用いることで、導体露出部43同士の重ね合わせのズレ(縦積みのズレ)を防止することもできる。
図9において、実施例2の溶着機1は、ジョイント前電線束サブアッシー2、3(電線束及び他の電線束)のそれぞれ整列した導体露出部43同士を、縦積みの状態で、超音波溶着によりジョイントするために備えられる。超音波溶着の前後に当たっては、所定の電線束ジョイント方法が採用される。また、超音波溶着によるジョイント状態の信頼性を高めるために、ジョイント前電線束サブアッシー2、3には、それぞれ実施例2のジョイント用整列治具50が設けられる。ジョイント用整列治具50に関し以下で説明をするが、実施例1の振動減衰部材8の機能を持たせたものになる。実施例2の溶着機1は、実施例1の振動減衰部材8が存在しない装置になる。
図9及び図10において、ジョイント用整列治具50は、実施例1と同様に電線束同士のジョイント状態の信頼性を高めるために備えられる。ジョイント用整列治具50は、電線整列部51と、先端突き当て部52と、繋ぎ部53と、振動減衰部材54とを有して例えば図示形状に形成される。ジョイント用整列治具50は、複数本の電線28の一端側に着脱自在に設けられる。複数本の電線28の一端側に設けられたジョイント用整列治具50は、電線保持竿29の治具着脱部32(図3参照)に着脱自在に取り付けられる。
実施例2の電線束ジョイント方法は、例えば、治具取付工程と、サブアッシー形成工程と、溶着前工程と、溶着工程と、溶着後工程とを含んで、これら工程を順に行うような方法である(一例であるものとする)。具体的な説明は省略するが、実施例1の電線束ジョイント方法から振動対策工程を除くとともに、溶着後工程における振動減衰部材8(図7参照)の取り外し作業を除いたような方法である。
実施例2の場合も、電線28のバラケを防止することができ、また、導体先端部44のズレも防止することができる。さらに、導体露出部43同士の重ね合わせのズレ(縦積みのズレ)を防止することもできる。
Claims (10)
- 他の電線束に対し溶着によるジョイントをする前の複数本の電線を電線軸直交方向に並べるための電線整列部と、
前記複数本の電線における導体露出部の導体先端部が突き当たる先端突き当て部と、
該先端突き当て部及び前記電線整列部を繋ぎ且つ前記導体露出部に対する前記電線軸直交方向からの前記溶着によるジョイントが可能な形状に形成される繋ぎ部とを有し、
前記繋ぎ部は、前記先端突き当て部及び前記電線整列部を前記電線の電線軸方向に繋ぐように前記電線軸方向及び前記複数本の電線が並ぶ前記電線軸直交方向に延びる平板状の部分である
ことを特徴とするジョイント用整列治具。 - 請求項1に記載のジョイント用整列治具において、
当該ジョイント用整列治具は、前記繋ぎ部又は前記先端突き当て部が分離可能な形状に形成される
ことを特徴とするジョイント用整列治具。 - 請求項1又は2に記載のジョイント用整列治具において、
前記電線整列部は、本体部と、該本体部に形成され且つ前記複数本の電線における被覆同士の間に配置される整列ガイド部と、該整列ガイド部により整列された前記複数本の電線を押さえるため前記本体部に連続する電線押さえ部とを有する
ことを特徴とするジョイント用整列治具。 - 請求項3に記載のジョイント用整列治具において、
前記電線整列部は、前記溶着によるジョイントの際に生じる振動を減衰させるための振動減衰部材を更に有する
ことを特徴とするジョイント用整列治具。 - 他の電線束に対し溶着によるジョイントをする前の複数本の電線と、
該複数本の電線の一端側に取り付けられた請求項1、2又は3に記載のジョイント用整列治具と、
該ジョイント用整列治具及び前記複数本の電線の他端側をそれぞれ保持する電線保持竿とを有する
ことを特徴とするジョイント前電線束サブアッシー。 - 他の電線束に対し溶着によるジョイントをする前の複数本の電線と、
該複数本の電線の一端側に取り付けられた請求項4に記載のジョイント用整列治具と、
該ジョイント用整列治具及び前記複数本の電線の他端側をそれぞれ保持する電線保持竿とを有する
ことを特徴とするジョイント前電線束サブアッシー。 - 整列した導体露出部を二つ重ねた状態で、溶着によるジョイントをするための溶着手段と、
該溶着手段が設けられた溶着機本体と、
該溶着機本体に対し着脱自在な形状に形成され且つ二つのジョイント前電線束サブアッシーが所定の配置でセットされるガイド部材と、
前記ジョイント前電線束サブアッシーにおける複数本の電線の中間に着脱自在に設けられて、前記溶着手段により生じた振動を減衰させるための振動減衰部材とを備え、
前記ジョイント前電線束サブアッシーは、
他の電線束に対し溶着によるジョイントをする前の前記複数本の電線と、
該複数本の電線の一端側に取り付けられたジョイント用整列治具と、
該ジョイント用整列治具及び前記複数本の電線の他端側をそれぞれ保持する電線保持竿とを有し、
前記ジョイント用整列治具は、
他の電線束に対し溶着によるジョイントをする前の前記複数本の電線を電線軸直交方向に並べるための電線整列部と、
前記複数本の電線における前記導体露出部の導体先端部が突き当たる先端突き当て部と、
該先端突き当て部及び前記電線整列部を繋ぎ且つ前記導体露出部に対する前記電線軸直交方向からの前記溶着によるジョイントが可能な形状に形成される繋ぎ部とを有する
ことを特徴とする溶着機。 - 整列した導体露出部を二つ重ねた状態で、溶着によるジョイントをするための溶着手段と、
該溶着手段が設けられた溶着機本体と、
該溶着機本体に対し着脱自在な形状に形成され且つ二つのジョイント前電線束サブアッシーが所定の配置でセットされるガイド部材とを備え、
前記ジョイント前電線束サブアッシーは、
他の電線束に対し溶着によるジョイントをする前の前記複数本の電線と、
該複数本の電線の一端側に取り付けられたジョイント用整列治具と、
該ジョイント用整列治具及び前記複数本の電線の他端側をそれぞれ保持する電線保持竿とを有し、
前記ジョイント用整列治具は、
他の電線束に対し溶着によるジョイントをする前の前記複数本の電線を電線軸直交方向に並べるための電線整列部と、
前記複数本の電線における前記導体露出部の導体先端部が突き当たる先端突き当て部と、
該先端突き当て部及び前記電線整列部を繋ぎ且つ前記導体露出部に対する前記電線軸直交方向からの前記溶着によるジョイントが可能な形状に形成される繋ぎ部とを有し、
前記電線整列部は、本体部と、該本体部に形成され且つ前記複数本の電線における被覆同士の間に配置される整列ガイド部と、該整列ガイド部により整列された前記複数本の電線を押さえるため前記本体部に連続する電線押さえ部とを有し、
前記電線整列部は、前記溶着によるジョイントの際に生じる振動を減衰させるための振動減衰部材を更に有する
ことを特徴とする溶着機。 - 他の電線束に対し溶着によるジョイントをする前の複数本の電線の一端側にジョイント用整列治具を取り付ける治具取付工程と、
前記ジョイント用整列治具及び前記複数本の電線の他端側をそれぞれ電線保持竿で保持してジョイント前電線束サブアッシーを形成するサブアッシー形成工程と、
前記ジョイント前電線束サブアッシーにおける前記複数本の電線の中間に、前記溶着によるジョイントの際に生じる振動を減衰させるための着脱自在な振動減衰部材を設ける振動対策工程と、
溶着機の溶着機本体に対し着脱自在なガイド部材の所定位置に、二つの前記ジョイント前電線束サブアッシーをそれぞれセットして、整列した導体露出部を二つ重ねた状態にする溶着前工程と、
前記二つ重ねた状態の前記整列した導体露出部を前記溶着機本体の溶着手段にて溶着し、ジョイント部を有するジョイント後電線束を形成する溶着工程と、
前記ジョイント後電線束を前記ガイド部材にセットしたままの状態で前記溶着機本体から取り外すとともに、前記振動減衰部材も取り外す溶着後工程とを行い、
前記ジョイント用整列治具は、
前記他の電線束に対し溶着によるジョイントをする前の前記複数本の電線を電線軸直交方向に並べるための電線整列部と、
前記複数本の電線における前記導体露出部の導体先端部が突き当たる先端突き当て部と、
該先端突き当て部及び前記電線整列部を繋ぎ且つ前記導体露出部に対する前記電線軸直交方向からの前記溶着によるジョイントが可能な形状に形成される繋ぎ部とを有する
ことを特徴とする電線束ジョイント方法。 - 他の電線束に対し溶着によるジョイントをする前の複数本の電線の一端側にジョイント用整列治具を取り付ける治具取付工程と、
前記ジョイント用整列治具及び前記複数本の電線の他端側をそれぞれ電線保持竿で保持してジョイント前電線束サブアッシーを形成するサブアッシー形成工程と、
溶着機の溶着機本体に対し着脱自在なガイド部材の所定位置に、二つの前記ジョイント前電線束サブアッシーをそれぞれセットして、整列した導体露出部を二つ重ねた状態にする溶着前工程と、
前記二つ重ねた状態の前記整列した導体露出部を前記溶着機本体の溶着手段にて溶着し、ジョイント部を有するジョイント後電線束を形成する溶着工程と、
前記ジョイント後電線束を前記ガイド部材にセットしたままの状態で前記溶着機本体から取り外す溶着後工程とを行い、
前記ジョイント用整列治具は、
他の電線束に対し溶着によるジョイントをする前の前記複数本の電線を電線軸直交方向に並べるための電線整列部と、
前記複数本の電線における前記導体露出部の導体先端部が突き当たる先端突き当て部と、
該先端突き当て部及び前記電線整列部を繋ぎ且つ前記導体露出部に対する前記電線軸直交方向からの前記溶着によるジョイントが可能な形状に形成される繋ぎ部とを有し、
前記電線整列部は、本体部と、該本体部に形成され且つ前記複数本の電線における被覆同士の間に配置される整列ガイド部と、該整列ガイド部により整列された前記複数本の電線を押さえるため前記本体部に連続する電線押さえ部とを有し、
前記電線整列部は、前記溶着によるジョイントの際に生じる振動を減衰させるための振動減衰部材を更に有する
ことを特徴とする電線束ジョイント方法。
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