JP5474754B2 - 電線の接合方法 - Google Patents

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Description

この発明は、回転電機等の巻線に使用される電線の接合方法に関する。
従来から、複数の芯線からなる電線の導体部分を束ね、接続される端子の幅に合わせて幅方向を規制しプレス成形により加圧して平板状に成形し、成形後に端子に挿入して超音波振動によって電線を端子に接合する電線の接合方法が知られている(特許文献1参照)。
また、複数の電線同士を接合するために、2本の電線同士を接合する度毎に加圧を行い超音波振動で複数の芯線を接合する技術も知られている(特許文献2参照)。
特開2006−172927号公報 特開2007−185706号公報
しかしながら、前者の電線の接合方法においては、複数段の電線が積層された場合に、最上段とその下の電線との間には十分に超音波振動が作用するが、最下段の電線と最下段の上の電線との間に加えられる超音波振動が不十分となり電線同士の接合が弱くなってしまうという課題がある。また、横方向に隣り合う電線間に対しては加圧力は印加されないため、横方向に隣り合う電線の接合力が弱くなってしまう。
また、後者の電線の接合方法においては、接合部の数と同じ回数だけ加圧・加振動の工程が必要となり生産性が悪いという課題がある。
そこで、この発明は、電線同士の接合強度が、横方向に並んだ電線同士を含めて高く、接合する際の生産性を高めることができる電線の接合方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載した発明は、絶縁被覆(例えば、実施形態における絶縁被覆5)が剥離されたN(N≧3)本の電線(例えば、実施形態における電線1〜電線4)の芯線(例えば、実施形態における芯線11〜14’)に対して、超音波振動を与えて電線同士を接合する電線の接合方法であって、前記N本の電線を同一平面上かつ平行に並べて、端から(N−1)番目までの電線(例えば、実施形態における電線1,2,3)を折り曲げて、n(n=1,2,…N−2,N−1)番目の電線の芯線と(n+1)番目からN番目までの電線の芯線に重なる重なり部を形成する工程と、前記重なり部において接触する電線の芯線同士を押圧する方向に圧力を印加しかつ超音波振動を与えて、前記n番目の電線の芯線と前記(n+1)番目からN番目までの電線の芯線それぞれとを接合する接合部(例えば、実施形態における接合部a,b,c,d,e,f)を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
請求項に記載した発明によれば、n番目の電線の芯線と(n+1)番目からN番目までの電線の芯線それぞれとを一回の加圧・超音波振動によって接合できるため生産性を高めることができる。
また、N本の電線の芯線それぞれを、(N−1)本の電線の芯線それぞれとを接合する接合部を形成することができるため、接合力を更に向上させることができる。
また、重なり部において接触する電線の芯線同士を押圧する方向に圧力を印加するため、電線同士の接合力を向上させることができる。
そして、接触する電線の芯線同士が重なる重なり部に対して超音波振動を付与するため、電線同士の接合力を向上させることができる。
第1の参考例の4本の電線を示し、図1(a)は平面図、図1(b)は側面図、図1(c)は正面図である。 第1の参考例の製造工程を示し、図2(a)は平面図、図2(b)は側面図、図2(c)は正面図である。 第1の参考例の製造方法に用いられる超音波溶接装置の構成図である。 第1の参考例の超音波溶接装置による溶接作業を行う様子を示す斜視図である。 第1の参考例の超音波溶接装置による溶接作業を行う様子を示す要部正面図である。 第1の参考例の超音波溶接装置による溶接作業を行う様子を示す要部平面図である。 第2の参考例の4本の電線を示し、図7(a)は平面図、図7(b)は側面図、図7(c)は正面図である。 第2の参考例の製造工程を示し、図8(a)は平面図、図8(b)は側面図、図8(c)は正面図である。 この発明の実施形態の4本の電線を示し、図9(a)は平面図、図9(b)は側面図、図9(c)は正面図である。 この発明の実施形態の製造工程を示し、図10(a)は平面図、図10(b)は側面図、図10(c)は正面図である。 この発明の実施形態の接合箇所を示す図である。 第3の参考例の製造工程を示す図であり、超音波溶接装置に電線をセットした状態を示す正面図である。 図12の電線の配置状態を示す側面図である。 第3の参考例の接合状況を示す電線の芯線の正面図である。
次に、第1の参考例を図面に基づいて説明する。この参考例の電線の接合方法はハイブリッド車両、燃料電池車両、電気自動車に用いられる回転電機である走行駆動用のモータの巻き線に用いられ(以下の各参考例と実施形態においても同様)、以下に示す工程で接合される。
図1(a)〜図1(c)に示すように、中実丸断面の4本の電線1,2,3,4の絶縁被覆5を先端部で剥離しておき、そのうちの3本の電線2,3,4を後述する超音波溶接装置20(図3参照)のアンビル6上に載置する。ここで載置された3本の電線2,3,4は先端部を揃えた状態で同一平面上に並べられる。尚、図1は、アンビル6に載置した状態を示しているので、左から2,3,4番目の電線2,3,4のみを実線で示す。
次に、4本の電線1,2,3,4の残りの1本の電線1を、電線2の隣に並べ、図2(a)〜図2(c)に示すように各電線1〜4の長手方向に向かってクランク状に一段(電線の直径分だけ)高い位置まで屈曲させた後に、残りの3本の電線2,3,4の配列方向に屈曲部Kで直角に折り曲げて、アンビル6上の3本の電線2,3,4の上に載置する。
このとき、クランク状に折り曲げる部位及び直角に折り曲げ屈曲部Kは、絶縁被覆5が剥離された部位である。
図3に示すのは、いわゆるウエッジリード方式の超音波溶接装置20であって、重ね合わせた被溶接部材の接合面に中庸な圧力を印加しながら超音波振動を与えることにより原子拡散を誘起させ、相互金属の原子的な結合を行う溶接装置である。
超音波溶接装置20は、溶接する部材を設置する台座であるアンビル6を備え、アンビル6の上方には、加圧装置7を備えている。加圧装置7は上下方向に移動可能に設けられ、上端にマス8を下端にチップ9を備えている。チップ9がアンビル6上の被溶接部材を上方向から押圧する。加圧装置7には溶接する部材に並行振動を与えるトランスジューサー10が接続されている。
図4〜図6に示すようにアンビルには4本の電線1,2,3,4を側部から保持する凹部15が形成されている。この凹部15の底壁16には4本の電線1,2,3,4をガイドする4つのガイド溝21,22,23,24が各電線1,2,3,4の長手方向に沿って形成されている。チップ9には電線1の折り曲げられた芯線11に対応する位置であって4本の電線1,2,3,4の並ぶ方向に沿う押圧部30が形成され、押圧部30の下面には押圧力を高めるための凹凸部31が形成されている。図4において、トランスジューサー10により印加される振動の方向は矢印で示すように各電線1,2,3,4の長手方向に沿う方向である。
屈曲形成された電線1を既にアンビル6上に載置された3本の電線2,3,4の端に載置すると、折り曲げられた電線1の折り曲げられた芯線11が他の3本の電線2,3,4の芯線12,13,14,に重なり重なり部が形成される。言い換えると、電線1と他の3本の電線2,3,4の芯線同士を押圧する方向(上下方向)において、電線1の芯線11が他の3本の電線2,3,4の芯線12,13,14それぞれに対して、間に別の電線が介在することなく重なっている。ここで、3本の電線2,3,4は平行に並べてあり、3本の電線2,3,4に直交する方向に屈曲部Kで折り曲げた電線1の芯線11と他の3本の電線2,3,4の芯線12,13,14,との重なり部の幅Lは、3本の電線2,3,4に直交する方向における3本の電線2,3,4の芯線12,13,14の配列幅と等しくなっている。したがって、直交する方向に折り曲げられた電線1の先端部は電線1とは反対側に配列された電線4の端から突出していない。
電線1の芯線11の折り曲げられた部分が他の3本の電線2,3,4の芯線12,13,14に重なった重なり部において、接触する電線の芯線同士を押圧する方向、つまり上から下向きの方向に、マス8による加圧力をチップ9により電線1の芯線11の折り曲げられた部分に印加する。押圧力を印加する際に、トランスジューサー10によって加圧装置7に水平方向に超音波振動を与えると、電線1の芯線11と他の3本の電線2,3,4の芯線12,13,14,それぞれとが重なり部において溶接接合され、ここに一回の作業で接合部a,b,cが形成される(図2(c)参照)。これによって、電線1の芯線11が他の3本の電線2,3,4の芯線12,13,14,それぞれに接合される。
したがって、上記第1の参考例によれば、電線1の芯線11と残りの3本の電線2,3,4の芯線12,13,14それぞれとを一回の加圧動作と、これと同時に行われる超音波振動によって接合することができるので、生産性を高めることができる。
また、重なり部において接触する電線の芯線同士が上下に位置し、これらに対して上方から押圧力を印加するため、電線1と残りの3本の電線2,3,4それぞれとの接合力を向上させることができる。よって、電線1と他の電線2,3,4のみならず、電線1を介して横方向の電線2,3,4同士の接合強度を高めることができる。
そして、接触する電線の芯線同士が重なる重なり部に対して超音波振動を付与するため、重なり部が複数段ある場合に比較して、電線同士の接合力を向上させることができる。
とりわけ、電線1に対して残りの3本の電線2,3,4が同一平面上に並べられるため、電線1と他の各電線2,3,4との接合力が均等になり、各接合部a,b,cにおいて接合力にバラツキが生ずるのを防止できる。
また、3本の電線2,3,4に直交する方向に屈曲部Kで折り曲げた電線1の芯線11と他の3本の電線2,3,4の芯線12,13,14,との重なり部の幅Lは、3本の電線2,3,4に直交する方向における3本の電線2,3,4の芯線12,13,14の配列幅と等しくなっており、直交する方向に折り曲げられた電線1の先端部は電線1とは反対側に配列された電線4の端から突出していないため、重なり部が3本の電線2,3,4の芯線12,13,14,から突出せず、重なり部のサイズを小さくすることができる。
次に、第2の参考例を図7(a)〜図8(c)に基づいて図3を援用して説明する。尚、第1の参考例と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。また、超音波溶接装置の基本的構成は前述した参考例と同様であるので説明は省略する(以下の実施形態と参考例においても同様)。
この第2の参考例において、中実丸断面の4本の電線1,2,3,4の絶縁被覆5を先端部で剥離しておく工程を有する点、そのうちの3本の電線2,3,4を後述する超音波溶接装置20(図3参照)のアンビル6上に載置しておく工程を有する点、4本の電線1,2,3,4の残りの1本の電線1を、電線2の隣に並べ、図2(a)〜図2(c)に示すように各電線1〜4の長手方向に向かってクランク状に一段(電線の直径分だけ)高い位置まで屈曲させた後に、残りの3本の電線2,3,4の配列方向に屈曲部Kで直角に折り曲げて、アンビル6上の3本の電線2,3,4の上に載置する工程を有する点は第1の参考例と同様である。尚、図7は、アンビル6に載置した状態を示しているので、左から2,3,4番目の電線2,3,4のみを実線で示す。
ここで、この参考例では、電線1を3本の電線2,3,4の長手方向に直交する方向に折り曲げた際に、3本の電線2,3,4に電線1の芯線11から突出部分が生じないようにして重なり部が形成される。つまり、超音波溶接装置20により電線1の芯線11と他の3本の電線2,3,4の芯線11,12’,13’との重なり部を溶接することによって接合部a,b,cが3本の電線2,3,4の芯線11,12’,13’の先端部に形成される(図8(a)〜図8(c)参照)。
そのため、この参考例では、図7(a)に示すように、電線1の絶縁被覆5を剥離して露出した芯線11の長さよりも、他の3本の電線2,3,4の芯線12’,13’,14’の長さが短く形成されている。具体的には、他の3本の電線2,3,4を電線1の芯線11よりも長さEだけ短くしている。この長さEは、電線の直径に電線1以外の電線2,3,4の数、この参考例では「3」を乗じた値となる。
したがって、この参考例によれば、上記参考例の効果に加えて、3本の電線2,3,4の芯線12’,13’,14’の長さが長さEだけ短くなって最小限に押さえられるため、接合部a,b,cのサイズを小さくすることができる。
次に、この発明の実施形態を図9(a)〜図11に基づいて図3を援用して説明する。尚、第1の参考例と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
の実施形態においても、中実丸断面の4本の電線1,2,3,4の絶縁被覆5を先端部で剥離しておく工程を有する点は第1の参考例と同様である。
この実施形態では、超音波溶接を行うに先だってアンビル6上に載置される4本の電線1,2,3,4を同一平面上かつ平行に並べて、端から3番目までの電線1,2,3を各々直角に折り曲げる。これにより1番目の電線1の芯線11と2番目から4番目までの電線2,3,4の芯線12,13,14’とが重なる重なり部が形成され、2番目の電線2の芯線12と3番目と4番目の電線3,4の芯線13,14’とが重なる重なり部が形成され、最後に3番目の電線3の芯線13と4番目の電線4の芯線14’とが重なる重なり部が形成される。ここで、アンビル6は各重なり部を受けられる形状に形成され、チップ9もこれに対応して形成されている。
次いで、これら重なり部において接触する電線の芯線同士を押圧する方向に圧力を印加しかつ超音波振動を与えることで、電線1の芯線11と2番目から4番目までの電線2,3,4の芯線12,13,14’との間、電線2の芯線12と電線3,4の芯線13,14’との間、電線3の芯線13と電線4の芯線14’との間に6箇所の接合部a,b,c,d,e,fが形成される。
具体的には、図9(a)〜図9(c)に示すように、4本の電線1,2,3,4を同一平面上かつ平行に並べて、図9(a)において左側から数えて4番目の電線4の芯線14’を他の電線1,2,3の芯線11,12,13よりも電線の芯線の直径分だけ短くしておく。尚、図9はアンビル6に載置した状態を示しているので、左から4番目の電線4のみを実線で示す。次に、図10(a)に示すように、左側から3番目の電線3の芯線13を長手方向に向かってクランク状に一段(電線の直径分だけ)高い位置まで屈曲させた後に、4本の電線1,2,3,4の配列方向に屈曲部K1で直角に折り曲げて、右側に位置する4番目の電線4の芯線14’の上に載置する。このときには、電線3の芯線13の折り曲げられた部分の端部は左から4番目の電線4の端から外側には突出しないようにする。また、この3番目の電線3の芯線13と4番目の電線4の芯線14’との重なり部(後に接合部fとなる)は4番目の電線4の芯線14’の先端部に位置する。
次いで、左から2番目の電線2の芯線12を先の電線3と同じように長手方向に向かってクランク状に一段(電線の直径分だけ)高い位置まで屈曲させた後に、4本の電線1,2,3,4の配列方向に直角であって先の電線3の芯線13に接するようにして屈曲部K2で折り曲げて、右側に位置する3番目と4番目の電線3,4の芯線13,14’の上に載置する。このときには、左から2番目の電線2の折り曲げられた芯線12の端部は左から4番目の電線4の端から外側には突出しないようにする。
そして最後に、左側の電線1の芯線11を先の電線2と同じように長手方向に向かってクランク状に一段(電線の直径分だけ)高い位置まで屈曲させた後に、4本の電線1,2,3,4の配列方向に直角であって先の電線2の芯線12に接するようにして屈曲部K3で折り曲げて、右側に位置する2番目,3番目,4番目の電線2,3,4の芯線12,13,14’の上に載置する。このときにも、折り曲げられた左側の電線1の芯線11の端部は左から4番目の電線4の端から外側には突出しないようにする。
このようにして、図11に示すように、図9(a)の左側から1番目の電線1の芯線11と2番目、3番目、4番目の電線2,3,4の芯線12,13,14’それぞれとの間には重なり部(後に接合部a,b,cとなる)が形成され、左から2番目の電線2の芯線12は3番目、4番目の電線3,4の芯線13,14’それぞれとの間に重なり部(後に接合部d,eとなる)が形成され、左から3番目の電線3の芯線13と4番目の電線4の芯線14’との間には重なり部(後に接合部fとなる)が形成される。
これら6箇所の重なり部を超音波溶接装置20のアンビル6で受け、重なり部を上から下に向かって加圧装置7のチップ9で押圧し、かつ、トランスジューサー10により超音波振動を付与して、一回の作業で各重なり部に接合部a,b,c,d,e,fを形成して4本の電線1,2,3,4を接合する。
この実施形態によれば、1番目の電線1の芯線11と2番目〜4番目の電線2,3,4の芯線12,13,14’、2番目の電線2の芯線12と3番目,4番目の電線3,4の芯線13,14’、3番目の電線3の芯線13と4番目の電線4の芯線14’とのそれぞれを一回の加圧・超音波振動によって接合できるため生産性を高められる。
また、1番目の電線1と2番目〜4番目の電線2,3,4との接合部a,b,cだけではなく、更に2番目の電線2と3番目、4番目の電線3,4との接合部d,eと、3番目の電線3と4番目の電線4と接合部fとが形成されるため、接合力を更に向上させることができる。
また、接合部a〜fを形成する際に各重なり部において接触する各電線1,2,3,4の芯線11,12,13,14’同士を押圧する上下方向に超音波溶接装置20の加圧装置7により圧力を印加するため、電線同士の接合力を向上させることができる。
そして、接触する電線1〜4の芯線11〜14’同士が重なる重なり部に対して超音波振動を付与するため、電線同士の接合力を向上させることができる。
次に、第3の参考例を図12〜図14に基づいて説明する。この参考例は前述した各参考例や実施形態と同様に、絶縁被覆5が剥離された4本の電線1,2,3,4の芯線11,12,13,14に対して、超音波振動を与えて電線同士を接合する電線の接合方法であるが、この参考例では4本の電線1,2,3,4は同一平面上ではない状態で並べて電線1の芯線11と他の3本の電線2,3,4の芯線12,13,14とを接合している。
具体的には、図12に示すように、超音波溶接装置20のアンビル6’は凹部15’を備え、この凹部15’には電線4の芯線14を受け入れる断面半円形凹溝36が形成されている。断面半円形凹溝36内に電線4の芯線14が配置され、この電線4の芯線14の上に振り分けるようにして、互いに接触する2本の電線2,3の芯線12,13がアンビル6’の両側壁37にも接触した状態で載置されている。そして、2本の電線2,3の芯線12,13の上に電線1の芯線11が載置されている。したがって、4本の電線1,2,3,4の芯線11,12,13,14が、前述した参考例や実施形態のように平面上にはなく、垂直方向側が長い菱形に並んで配置されている。
ここで、図13に示すように各電線1,2,3,4の芯線11,12,13,14は各々同じ長さに設定されているが、電線1と電線4の芯線11,14が電線2と電線3の芯線12,13よりも前側に突出するようにして、電線1,2,3,4がアンビル6’に配置されている。
また、アンビル6’に対向するチップ9’の押圧部30’には、アンビル6’の凹部15’に載置された最上部の電線1の芯線11の上半部を押圧するように、断面半円形状の凹溝38が形成されている。
4本の電線1,2,3,4を接合するには、各電線1,2,3,4を図12,図13に示すように真っ直ぐにしてアンビル6’上に配置し、この状態で電線1の芯線11を図13に矢印で示すように加圧装置7のチップ9’の凹溝38で下側に押圧する。すると、電線1と電線4との芯線11,14同士が上下方向で重なる重なり部が形成される(図12鎖線参照)と共に電線1と電線2,3とが上下方向で重なる重なり部が形成される。
この状態で接触する電線1を電線2,3,4に対して押圧したまま、且つトランスジューサー10により超音波振動を与える。これにより、図14に示すように、各重なり部が電線1の芯線11と、他の3本の電線4,2,3の芯線14,12,13との接合部a’,b’,c’となり電線1と電線2,3と電線4とが接合される。尚、電線1を押圧する力により、電線2,3の芯線12,13と電線4の芯線14とが重なる重なり部も形成されるため、ここにおいても、接合部a’,b’,c’よりは結合力は小さいが接合部x,yが形成される(図13では図示省略)。尚、図13では接合部a’となる部分を電線1,4の各々についてa’として示した。
したがって、この参考例においても、電線1の芯線11と残りの3本の電線2,3,4の芯線12,13,14それぞれとを一回の加圧・超音波振動によって接合することができるので、生産性を高めることができる。
また、重なり部において接触する電線1の芯線11と電線2、3,4の芯線12,13,14同士がほぼ上下に位置し、これらを上方から押圧する方向に圧力を印加するため、電線1と残りの3本の電線2,3,4それぞれとの接合力を向上させることができる。
そして、接触する電線1の芯線11と電線2、3,4の芯線12,13,14同士が重なる重なり部に対して超音波振動を付与するため、重なり部が複数段ある場合に比較して、電線同士の接合力を向上させることができる。
とりわけ、電線1に対して残りの3本の電線2,3,4が互いに角度をもってはいるがほぼ均等に配置されるため、電線1と他の各電線2,3,4との接合力が均等になり、各接合部において接合力にバラツキが生ずるのを防止できる。
尚、この発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、走行駆動用モータの巻き線に用いられる電線を例にして説明したが、走行駆動用のモータに限られず、様々なモータの電線に用いることができ、更にモータの電線以外の電線にも使用できる。
5 絶縁被覆
1,2,3,4 電線
11,12,13,14’ 芯線
a,b,c,d,e,f 接合部

Claims (1)

  1. 絶縁被覆が剥離されたN(N=3,4,…)本の電線の芯線に対して、超音波振動を与えて電線同士を接合する電線の接合方法であって、
    前記N本の電線を同一平面上かつ平行に並べて、端から(N−1)番目までの電線を折り曲げて、n(n=1,2,…N−2,N−1)番目の電線の芯線と(n+1)番目からN番目までの電線の芯線に重なる重なり部を形成する工程と、
    前記重なり部において接触する電線の芯線同士を押圧する方向に圧力を印加しかつ超音波振動を与えて、前記n番目の電線の芯線と前記(n+1)番目からN番目までの電線の芯線それぞれとを接合する接合部を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする電線の接合方法。
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