以下、本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
[1.構成]
<全体構成>
図1に示す踏み間違い加速抑制装置1は、アクセルペダルの踏み間違いによる車両の加速を抑制する装置である。本実施形態の踏み間違い加速抑制装置1は、出荷後の車両に搭載可能、すなわち車両に後付けで搭載可能に構成されている。踏み間違い加速抑制装置1は、アクセルペダルセンサ31、シフトレバーセンサ32、車速センサ33、障害物センサ34、右ターンセンサ35、左ターンセンサ36、及び走行制御装置40を備える車両に搭載される。踏み間違い加速抑制装置1は、装置本体10及びHMI部50を備える。HMIは、Human Machine Interfaceの略語である。
アクセルペダルセンサ31は、アクセル開度を検出するためのセンサである。アクセル開度は、百分率で表される。運転者がアクセルペダルを全く踏んでいないときのアクセル開度が0%である。運転者がアクセルペダルを上限まで踏んでいるときのアクセル開度が100%である。アクセルペダルセンサ31は、装置本体10を介して、検出したアクセル開度を示す信号を走行制御装置40に出力する。以下、アクセルペダルセンサ31により検出されたアクセル開度を第1アクセル開度、第1アクセル開度を示す信号を第1アクセル信号ともいう。
シフトレバーセンサ32は、シフトレバーの操作位置がリバースかそれ以外かを検出するためのセンサである。シフトレバーセンサ32は、検出されたシフトレバーの操作位置を示す信号であるシフトレバー信号を装置本体10に出力する。
車速センサ33は、車両の走行速度を検出するためのセンサである。車速センサ33は、車両の走行速度に応じた信号である車速信号を装置本体10に出力する。
障害物センサ34は、車両の前方に存在する障害物を検出するためのセンサである。障害物とは、例えば、歩行者、他の車両、壁などを指す。障害物センサ34としては、例えば、超音波センサ、ミリ波センサ、CCDイメージセンサ、CMOSセンサ、赤外線イメージセンサ等を使用することができる。障害物センサ34は、車両に対して、例えば、車両の製造時に搭載されてもよいし、装置本体10と共に後付けで搭載されてもよい。障害物センサ34は、検出した障害物に関する情報を示す信号である障害物信号を装置本体10に出力する。障害物に関する情報には、例えば、障害物までの距離等の情報が含まれる。
右ターンセンサ35は、右方向を表示する方向指示灯に印加される信号を検出するためのセンサである。以下、右方向を表示する方向指示灯を右指示灯51、右指示灯51に印加される信号を右ターン信号ともいう。
左ターンセンサ36は、左方向を表示する方向指示灯に印加される信号を検出するためのセンサである。以下、左方向を表示する方向指示灯を左指示灯61、左指示灯61に印加される信号を左ターン信号ともいう。
右ターン信号及び左ターン信号は、後述する図6及び図7に示すように、いずれも電圧値として検出される。右ターン信号及び左ターン信号は、Loレベル(以下、Loと記載)及びHiレベル(以下、Hiと記載)といった、2値のいずれかの値であり得る。
なお、図6及び図7では、右ターン信号に関しては、紙面の下側から上側に向かう方向がLoからHiへの電圧の変化を示し、紙面の上側から下側に向かう方向がHiからLoへの電圧の変化を示す。また、左ターン信号に関しては、紙面の上側から下側に向かう方向がLoからHiへの電圧の変化を示し、紙面の下側から上側に向かう方向がHiからLoへの電圧の変化を示す。
ウインカ及びハザードの点滅周期は、法律(すなわち、道路運送車両法)の記載である「毎分60回以上120回以下の一定の周期で点滅するものであること」を満たすように、予め定められている。つまり、右指示灯51及び左指示灯61には、ウインカ又はハザードとして上述の法律を満たす点滅周期で点灯及び消灯するように、右ターン信号及び左ターン信号が印加される。
なお、点灯周期は、図6に示すように、点灯期間及び消灯期間を含む。点灯期間は、ハザード又はウインカとして右指示灯51及び左指示灯61が点灯する期間であり、消灯期間は、ハザード又はウインカとして右指示灯51及び左指示灯61が消灯する期間である。以下では、ウインカの点滅周期及びハザードの点滅周期を、単に点滅周期、ともいう。
実施形態では、図示しないが、例えば、右指示灯51及び左指示灯61がいずれも消灯している定常状態では、右ターン信号及び左ターン信号は、いずれも電圧がLoに保たれている状態である。また、例えば、ウインカの操作レバーが操作された場合には、右ターン信号及び左ターン信号のいずれか一方がパルス信号に変化する。パルス信号とは、LoからHiへ及びHiからLoへの電圧の変化を繰り返す信号を指す。
また、例えば、ハザードのスイッチが押下された場合には、右ターン信号及び左ターン信号がいずれもパルス信号に変化する。パルス信号が印加された状態における右指示灯51及び左指示灯61は、電圧がHiのときに点灯して電圧がLoのときに消灯することを繰り返す。すなわち、当該状態における右指示灯51及び左指示灯61は、点滅している。
このように、右指示灯51及び左指示灯61のいずれか一方が点滅している状態において、右指示灯51及び左指示灯61は、ウインカとして機能している。右指示灯51及び左指示灯61が共に点滅している状態において、右指示灯51及び左指示灯61は、ハザードランプとして機能している。
車両において、右指示灯51は、一般的に、運転席から見て右前方、右側方及び右後方にそれぞれ設けられている。右ターンセンサ35は、複数の右指示灯51についての共通線から右ターン信号を検出してもよいし、各右指示灯51についての分岐線から右ターン信号を検出してもよい。また、右ターンセンサ35は、上記の共通線及び分岐線における、右指示灯51の光源よりも手前側で右ターン信号を検出してもよいし、右指示灯51の光源よりも後ろ側で右ターン信号を検出してもよい。また、例えばシーケンシャルウインカのように、右指示灯51が複数の光源により構成されている場合、右ターンセンサ35は、これら複数の光源のうち、いずれの光源に印加される電圧を右ターン信号として検出してもよい。
車両において、左指示灯61は、一般的に、運転席から見て左前方、左側方及び左後方にそれぞれ設けられている。左ターンセンサ36は、複数の左指示灯61についての共通線から左ターン信号を検出してもよいし、各左指示灯61についての分岐線から左ターン信号を検出してもよい。また、左ターンセンサ36は、上記の共通線及び分岐線における、左指示灯61の光源よりも手前側で左ターン信号を検出してもよいし、左指示灯61の光源よりも後ろ側で左ターン信号を検出してもよい。
また、例えばシーケンシャルウインカのように、左指示灯61が複数の光源により構成されている場合、左ターンセンサ36は、これら複数の光源のうち、いずれの光源に印加される電圧を左ターン信号として検出してもよい。
右ターンセンサ35及び左ターンセンサ36は、検出した右ターン信号及び左ターン信号をそれぞれ装置本体10に出力する。
図1に示す装置本体10は、略直方形状の筐体を有する装置である。装置本体10は、筐体の表面に複数の端子を備える。複数の端子には、アクセル信号入力端子21、シフトレバー信号入力端子22、車速信号入力端子23、障害物信号入力端子24、右ターン信号入力端子25、左ターン信号入力端子26、アクセル信号出力端子27、及び通信端子28が含まれる。また、装置本体10は、筐体の内部に、車両制御部11、踏み間違い判定部12、及び機能検出部13を備える。
装置本体10は、車両に後付けで搭載されるため、一般的に、車両内のネットワーク、例えばCANネットワークに接続することが容易でない。このため、装置本体10は、ワイヤーハーネスを介して端子とセンサ等とを接続することにより、各種信号を取得する。なお、CANは、登録商標である。
具体的には、ワイヤーハーネスを介して、以下のように接続されている。アクセル信号入力端子21は、アクセルペダルセンサ31に接続されている。シフトレバー信号入力端子22は、シフトレバーセンサ32に接続されている。車速信号入力端子23は、車速センサ33に接続されている。障害物信号入力端子24は、障害物センサ34に接続されている。右ターン信号入力端子25は、右ターンセンサ35に接続されている。左ターン信号入力端子26は、左ターンセンサ36に接続されている。
また、アクセル信号入力端子21は、信号線を介して、車両制御部11及び踏み間違い判定部12にも接続されている。シフトレバー信号入力端子22、車速信号入力端子23、及び障害物信号入力端子24は、信号線を介して、踏み間違い判定部12にもそれぞれ接続されている。右ターン信号入力端子25及び左ターン信号入力端子26は、信号線を介して、機能検出部13にもそれぞれ接続されている。
アクセル信号出力端子27は、ワイヤーハーネスを介して、走行制御装置40に接続されている。アクセル信号出力端子27は、信号線を介して、車両制御部11にも接続されている。
通信端子28は、ローカルCAN信号線を介して、HMI部50に接続されている。通信端子28は、信号線を介して、車両制御部11にも接続されている。これにより、装置本体10とHMI部50との間で通信が行われる。
装置本体10は、図示しない、CPU、ROM及びRAM等といったメモリを有する周知のマイクロコンピュータを備える。装置本体10が備える車両制御部11、踏み間違い判定部12及び機能検出部13それぞれの機能は、CPUが非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、ROMが非遷移的実体的記録媒体に相当する。また、プログラムが実行されることにより、当該プログラムに対応する方法が実行される。なお、装置本体10は、1つのマイクロコンピュータを備えてもよいし、複数のマイクロコンピュータを備えてもよい。
HMI部50は、車両制御部11の指示に従い、運転者に対する報知を行う。運転者に対する報知の方法としては、例えば、音声や警告音等の音の出力、文字画像やアイコン等の画像の表示、又はこれらの組み合わせを採用することができる。
本実施形態におけるHMI部50は、装置本体10と異なる筐体に形成されている。当該筐体は、表示部を有する。本実施形態におけるHMI部50は、例えば、表示部に画像を表示することにより、運転者に対する報知を行う。例えば、アクセルペダルを離すよう運転者に警告する報知では、HMI部50は、「アクセルペダルを離してください」等の文字画像を表示部に表示する。
また、例えば、右指示灯51又は左指示灯61に関する異常を運転者に注意喚起する報知では、HMI部50は、方向指示灯を模したアイコン等を表示部に表示する。表示部としては、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等を使用することができる。
走行制御装置40は、装置本体10から出力された第1アクセル信号又は後述する第2アクセル信号に応じて、車両の駆動力を制御する装置である。走行制御装置40としては、例えば、エンジンを制御するECUが該当する。
[2.処理]
次に、装置本体10が備える車両制御部11、踏み間違い判定部12及び機能検出部13がそれぞれ実行する処理について説明する。
[2-1.踏み間違い判定処理]
踏み間違い判定部12は、踏み間違い判定処理を実行する。踏み間違い判定処理とは、アクセルペダルセンサ31により出力された第1アクセル信号、シフトレバーセンサ32により出力されたシフトレバー信号、車速センサ33により出力された車速信号、及び障害物センサ34により出力された障害物信号に基づいて、アクセルペダルが踏み間違えられたかを判定する処理をいう。なお、ここでいう踏み間違えられたとは、アクセルペダルが踏み間違えられる可能性がある状況であることをいう。アクセルペダルが踏み間違えられたと判定した場合、踏み間違い判定部12は、車両制御部11に対して、その旨の通知を行う。
具体的には、踏み間違い判定部12は、まず、アクセルペダルセンサ31により出力された第1アクセル信号、シフトレバーセンサ32により出力されたシフトレバー信号、車速センサ33により出力された車速信号、及び障害物センサ34により出力された障害物信号を取得する。続いて、これら信号に基づいて、踏み間違い判定部12は、第1アクセル開度が予め定められた基準アクセル開度以上であること、車両の進行方向に障害物が存在すること、及び車両の走行速度が予め定められた基準速度以下であること、という要件が全て満たされるかを判定する。
本実施形態における、車両の進行方向に障害物が存在することという要件は、具体的には、シフトレバーの操作位置がリバース以外であり、且つ、車両の前方に障害物が存在することを指す。上記の要件が全て満たされると判定した場合、踏み間違い判定部12は、アクセルペダルが踏み間違えられたと判定する。そして、踏み間違い判定部12は、車両制御部11に対して、アクセルペダルが踏み間違えられたと判定した旨の通知を行う。以下、当該通知を踏み間違い通知ともいう。
踏み間違い判定部12は、車両のイグニッションスイッチがONにされている状態において、予め定められた周期で、踏み間違い判定処理を実行する。なお、ここでいう周期は、後述するターン検出周期、ハザード検出周期、要否検出周期、と同じ周期であってもよい。なお、以下では、ターン検出周期、ハザード検出周期、要否検出周期を、単に検出周期、ともいう。検出周期は、踏み間違い判定部12、機能検出部13、車両制御部11が作動し得る最も短い周期であり得る。
[2-2.機能検出部による処理]
機能検出部13は、右指示灯51及び左指示灯61の点灯及び消灯の状態に基づいて、右指示灯51及び左指示灯61による機能を検出する。ここでいう機能とは、ウインカとしての機能及びハザードとしての機能のいずれかをいう。機能検出部13は、ターン検出部131とハザード検出部132とを備える。ターン検出部131は、ターン検出処理を実行し、右指示灯51及び左指示灯61がウインカとして機能している状態であるか否かを検出する。ハザード検出部132は、ハザード検出処理を実行し、右指示灯51及び左指示灯61が共に点灯してハザードとして機能している状態であるか否かを検出する。
[2-2(a).ターン検出処理]
ターン検出部131は、図2に示すターン検出処理を実行する。ターン検出部131は、車両のイグニッションスイッチがONにされたことをきっかけとして、予め定められたターン検出周期(例えば、数msec~数十msec)で、ターン検出処理を繰り返し実行する。ターン検出周期は、上述の点滅周期(例えば、1sec)よりも、非常に短い。換言すれば、ターン検出周期は、ウインカとしての点灯期間よりも、又はウインカとしての消灯期間よりも、非常に短い。
具体的には、ターン検出部131は、16msecをターン検出周期として、16msec毎にターン検出処理を実行してもよい。ただし、ターン検出処理が実行される周期はこれに限定されるものではない。
ターン検出部131は、ターン検出処理によって、右ターンセンサ35から出力された右ターン信号及び左ターンセンサ36から出力された左ターン信号に基づいて、右指示灯51及び左指示灯61がウインカとして機能している状態を検出する。また、ターン検出部131は、ターン検出処理によって、右ターン信号及び左ターン信号に基づいて、右指示灯51及び左指示灯61がウインカとして機能することを停止した状態を検出する。
まず、S5では、ターン検出部131は、右ターンセンサ35から右ターン信号を取得し、左ターンセンサ36から左ターン信号を取得する。
続くS10では、ターン検出部131は、本ステップの時点(すなわち、S5にて右ターン信号及び左ターン信号が新たに取得された時点)で、右指示灯51及び左指示灯61がウインカとして機能している状態が、既に検出されているか否かを判定する。ここでいうウインカとして機能しているとは、右折を示すウインカとして機能している状態、及び、左折を示すウインカとして機能している状態、の両方を含む。ターン検出部131は、後述する右折確定フラグ及び左折確定フラグのうちの一方がセットされている場合に、右指示灯51及び左指示灯61がウインカとして機能していると判定する。
ここで、右折確定フラグは、右指示灯51及び左指示灯61が右折を示すウインカとして機能している状態が検出されている場合にセットされ、右折を示すウインカとして機能することを停止した場合にリセットされるフラグである。一方、左折確定フラグは、右指示灯51及び左指示灯61が左折を示すウインカとして機能している状態が検出されている場合にセットされ、左折を示すウインカとして機能することを停止した場合にリセットされるフラグである。なお、右指示灯51及び左指示灯61がウインカとして機能していない状態には、定常状態及びハザードとして機能している状態が含まれる。
ターン検出部131は、右指示灯51及び左指示灯61がウインカとして機能していない状態が検出される場合に処理をS15へ移行させ、ウインカとして機能している状態が検出される場合に処理をS55へ移行させる。
ターン検出部131は、S15-S50では、右指示灯51及び左指示灯61がウインカとして機能する状態が新たに検出されるか否かを判定する。そして、ターン検出部131は、ウインカとして機能する状態が新たに検出される場合に、機能に対応するフラグとして、右折確定フラグ及び左折確定フラグのいずれかをセットする。
ここで、S15-S30では、ターン検出部131は、右指示灯51及び左指示灯61が右折を示すウインカとして機能する状態が新たに検出されるか否かを判定する。
S15では、ターン検出部131は、左ターン信号がLo且つ右ターン信号がHiであるか、否かを判定する。ターン検出部131は、左ターン信号がLo且つ右ターン信号がHiである場合に処理をS20へ移行させ、左ターン信号がLo且つ右ターン信号がHiでない場合に処理をS35へ移行させる。なお、ここでいう左ターン信号がLo且つ右ターン信号がHiでない場合には、左ターン信号及び右ターン信号の両方がHiである状態、左ターン信号及び右ターン信号の両方がLoである状態、右ターン信号がLo且つ左ターン信号がHiである状態、が含まれ得る。
S20では、ターン検出部131は、カウント値CTO_Rを1つカウントアップする。カウント値CTO_Rは、左ターン信号がLo且つ右ターン信号がHiである状態が連続して検出された回数(すなわち、期間)をカウントするためのカウント値である。
続くS25では、ターン検出部131は、左ターン信号がLo且つ右ターン信号がHiである状態が連続して検出された期間が、予め定められた期間である点灯検出時間以上であるか否かを判定する。点灯検出時間は、上述の点滅周期(例えば、約1sec)よりも十分短い時間であり、十数msec-数十msec程度であり得る。本実施形態では、ターン検出部131は、カウント値CTO_Rが予め定められた点灯検出回数(例えば、3回)以上である場合に、左ターン信号がLo且つ右ターン信号がHiである状態が連続して検出された期間が点灯検出時間以上であると判定する。この場合、点灯検出時間は約50msec程度となる。なお、点灯検出回数は、1以上の整数であり得るが、信頼性を考慮して、点灯検出回数は3以上であることが望ましい。
ターン検出部131は、左ターン信号がLo且つ右ターン信号がHiである状態が連続して検出された期間が点灯検出時間以上であると判定される場合に処理をS30へ移行させ、点灯検出時間未満であると判定される場合に本ターン検出処理を終了する。
ターン検出部131は、S30では、右折確定フラグをセットする。また、ターン検出部131は、本ターン検出処理内で用いられる各カウント値をリセット(すなわち、値を0に初期化)し、左折確定フラグをリセットする。そして、ターン検出部131は、本ターン検出処理を終了する。
一方、S35-S50では、ターン検出部131は、右指示灯51及び左指示灯61が左折を示すウインカとして機能する状態が新たに検出されるか否かを判定する。
S35では、ターン検出部131は、左ターン信号がHi且つ右ターン信号がLoであるか、否かを判定する。ターン検出部131は、左ターン信号がHi且つ右ターン信号がLoである場合に処理をS40へ移行させ、左ターン信号がHi且つ右ターン信号がLoでない場合に、本ターン検出処理を終了させる。なお、ここでいう左ターン信号がHi且つ右ターン信号がLoでない場合には、左ターン信号及び右ターン信号の両方がHiである状態、左ターン信号及び右ターン信号の両方がLoである状態、が含まれ得る。
S40では、ターン検出部131は、カウント値CTO_Lを1つカウントアップする。カウント値CTO_Lは、左ターン信号がHi且つ右ターン信号がLoである状態が連続して検出された回数(すなわち、期間)をカウントするためのカウント値である。
続くS45では、ターン検出部131は、左ターン信号がHi且つ右ターン信号がLoである状態が連続して検出された期間が、上述の点灯検出時間以上であるか否かを判定する。本実施形態では、ターン検出部131は、カウント値CTO_Lが上述の点灯検出回数(例えば、3回)以上である場合に、左ターン信号がHi且つ右ターン信号がLoである状態が連続して検出された期間が点灯検出時間以上であると判定する。
ターン検出部131は、左ターン信号がHi且つ右ターン信号がLoである状態が連続して検出された期間が点灯検出時間以上であると判定される場合に処理をS50へ移行させ点灯検出時間未満であると判定される場合に本ターン検出処理を終了する。
ターン検出部131は、S50では、左折確定フラグをセットする。また、ターン検出部131は、本ターン検出処理内で用いられる各カウント値をリセット(すなわち、値を0に初期化)し、右折確定フラグをリセットする。そして、ターン検出部131は、本ターン検出処理を終了する。
ターン検出部131は、S55-S100では、右指示灯51及び左指示灯61がウインカとして機能することを停止する状態が新たに検出されるか否かを判定する。
S55では、ターン検出部131は、右指示灯51及び左指示灯61がハザードとして機能する状態が検出されているか否かを判定する。具体的には、ターン検出部131は、後述するハザード確定フラグがセットされている場合に、右指示灯51及び左指示灯61がハザードとして機能する状態が検出されていると判定する。ハザード確定フラグは、右指示灯51及び左指示灯61が共に点滅してハザードとして機能している状態が検出されている場合にセットされ、ハザードとして機能することを停止した場合にリセットされるフラグである。
ターン検出部131は、右指示灯51及び左指示灯61がハザードとして機能する状態が検出されていると判定する場合に本ターン検出処理を終了し、ハザードとして機能する状態が検出されていないと判定する場合に処理をS60へ移行させる。
続くS60では、ターン検出部131は、右指示灯51及び左指示灯61が左折を示すウインカとして機能しているか否かを判定する。具体的には、ターン検出部131は、左折確定フラグがセットされている場合に、左折を示すウインカとして機能していると判定する。ターン検出部131は、右指示灯51及び左指示灯61が左折を示すウインカとして機能している場合に処理をS85へ移行させる。また、ターン検出部131は、右指示灯51及び左指示灯61が左折を示すウインカとして機能していない場合(すなわち、右折を示すウインカとして機能している場合)に処理をS65へ移行させる。
ここで、S65-S80では、ターン検出部131は、右指示灯51及び左指示灯61が右折を示すウインカとして機能することを停止する状態が新たに検出されるか否かを判定する。
S65では、ターン検出部131は、右ターン信号がLoであるか否かを判定する。ターン検出部131は、右ターン信号がLoである場合に処理をS70へ移行させ、右ターン信号がHiである場合は以上で本ターン検出処理を終了する。
S70では、ターン検出部131は、カウント値CTF_Rを1つカウントアップする。カウント値CTF_Rは、右指示灯51及び左指示灯61が右折を示すウインカとして機能していることが検出されている場合に、右ターン信号がLoである状態が連続して検出された回数(すなわち、期間)をカウントするためのカウント値である。
続くS75では、ターン検出部131は、右ターン信号がLoである状態が連続して検出された期間が、予め定められた判定時間以上であるか否かを判定する。判定時間は、例えば、上述の点滅周期相当(例えば、約1000msec)又は点滅周期以上であり得る。本実施形態では、ターン検出部131は、カウント値CTF_Rが予め定められた判定回数(例えば、63回)以上である場合に、右ターン信号がLoである状態が連続して検出された期間が判定時間以上であると判定する。この場合、判定時間は約1sec程度となる。
ターン検出部131は、右ターン信号がLoである状態が連続して検出された期間が判定時間以上であると判定された場合に処理をS80へ移行させ、判定時間未満であると判定された場合に本ターン検出処理を終了する。
ターン検出部131は、S80では、右折確定フラグをリセットし、本ターン検出処理内で用いられる各カウント値をリセット(すなわち、値を0に初期化)する。そして、ターン検出部131は、以上で本ターン検出処理を終了する。
一方、S85-S100では、ターン検出部131は、右指示灯51及び左指示灯61が左折を示すウインカとして機能することを停止する状態が新たに検出されるか否かを判定する。
S85では、ターン検出部131は、左ターン信号がLoであるか否かを判定する。ターン検出部131は、左ターン信号がLoである場合に処理をS90へ移行させ、左ターン信号がHiである場合は以上で本ターン検出処理を終了する。
S90では、ターン検出部131は、カウント値CTF_Lを1つカウントアップする。カウント値CTF_Lは、右指示灯51及び左指示灯61が左折を示すウインカとして機能していることが検出されている場合に、左ターン信号がLoである状態が連続して検出された回数(すなわち、期間)をカウントするためのカウント値である。
続くS95では、ターン検出部131は、左ターン信号がLoである状態が連続して検出された期間が、上述の判定時間以上であるか否かを判定する。本実施形態では、ターン検出部131は、上述と同様に、カウント値CTF_Lが予め定められた判定基準回数(例えば、63回)以上である場合に、左ターン信号がLoである状態が連続して検出された期間が判定時間以上であると判定する。
ターン検出部131は、左ターン信号がLoである状態が連続して検出された期間が判定時間以上であると判定された場合に処理をS100へ移行させ、判定時間未満であると判定された場合に本ターン検出処理を終了する。
ターン検出部131は、S100では、左折確定フラグをリセットし、本ターン検出処理内で用いられる各カウント値をリセット(すなわち、値を0に初期化)する。そして、ターン検出部131は、以上で本ターン検出処理を終了する。
[2-2(b).ハザード検出処理]
ハザード検出部132は、図3に示すハザード検出処理を実行する。ハザード検出部132は、車両のイグニッションスイッチがONにされたことをきっかけとして、予め定められたハザード検出周期(例えば、数msec~数十msec)で、ハザード検出処理を繰り返し実行する。ハザード検出周期は、上述の点滅周期(例えば、約1sec)よりも、非常に短い。換言すれば、ハザード検出周期は、ハザードとしての点灯期間よりも、ハザードとしての消灯期間よりも、非常に短い。
具体的には、ハザード検出部132は、16msecをハザード検出周期として、16msec毎にハザード検出処理を実行してもよい。ただし、ハザード検出処理が実行される周期はこれに限定されるものではない。
ハザード検出部132は、ハザード検出処理によって、右ターン信号及び左ターン信号に基づいて、右指示灯51及び左指示灯61がハザードとして機能している状態を検出する。また、ハザード検出部132は、ハザード検出処理によって、右ターン信号及び左ターン信号に基づいて、右指示灯51及び左指示灯61がハザードとして機能することを停止した状態を検出する。
まず、S110では、ハザード検出部132は、右ターンセンサ35から右ターン信号を取得し、左ターンセンサ36から左ターン信号を取得する。
続くS115では、ハザード検出部132は、本ステップの時点(換言すれば、S110にて右ターン信号及び左ターン信号が新たに取得された時点)で、右指示灯51及び左指示灯61がハザードとして機能している状態が、既に検出されているか否かを判定する。ここでいうハザードとして機能しているとは、右指示灯51及び左指示灯61が共に点灯及び共に消灯を繰り返している状態をいう。
ハザード検出部132は、ハザード確定フラグがセットされている場合に、右指示灯51及び左指示灯61がハザードとして機能している状態が既に検出されていると判定する。なお、右指示灯51及び左指示灯61がハザードとして機能していない状態には、定常状態及びウインカとして機能している状態が含まれる。
ハザード検出部132は、右指示灯51及び左指示灯61がハザードとして機能していない状態が検出される場合に処理をS120へ移行させ、ハザードとして機能している状態が検出される場合に処理をS150へ移行させる。
ここで、ハザード検出部132は、S120-S145では、右指示灯51及び左指示灯61がハザードとして機能する状態が新たに検出されるか否かを判定する。そして、ハザード検出部132は、ハザードとして機能する状態が新たに検出される場合に、機能に対応するフラグとして、ハザード確定フラグをセットする。
S120では、ハザード検出部132は、右ターン信号がHiであるか否かを判定する。ハザード検出部132は、右ターン信号がHiである場合に処理をS125へ移行させ、右ターン信号がHiでない(すなわち、Loである)場合に本ハザード検出処理を終了する。
S125では、ハザード検出部132は、カウント値CHO_Rを1つカウントアップする。カウント値CHO_Rは、右指示灯51及び左指示灯61がハザードとして機能していない状態が検出されているときに、右ターン信号がHiである状態が連続して検出された回数(すなわち、期間)をカウントするためのカウント値である。
S130では、ハザード検出部132は、左ターン信号がHiであるか否かを判定する。ハザード検出部132は、左ターン信号がHiである場合に処理をS135へ移行させ、右ターン信号がHiでない(すなわち、Loである)場合に本ハザード検出処理を終了する。
S135では、ハザード検出部132は、カウント値CHO_Lを1つカウントアップする。カウント値CHO_Lは、右指示灯51及び左指示灯61がハザードとして機能していない状態が検出されているときに、左ターン信号がHiである状態が連続して検出された回数(すなわち、期間)をカウントするためのカウント値である。
S140では、ハザード検出部132は、右ターン信号がHiである状態が連続して検出された期間及び左ターン信号がHiである状態が連続して検出された期間の両方が、予め定められた期間(例えば、上述の点灯検出時間)以上であるか否かを判定する。本実施形態では、ハザード検出部132は、カウント値CHO_R及びカウント値CHO_Lが上述の点灯検出回数(例えば、3回)以上である場合に、点灯検出時間以上であると判定する。
ハザード検出部132は、右ターン信号がHiである状態が検出された期間及び左ターン信号がHiである状態が検出された期間の両方が点灯検出時間以上であると判定される場合に処理をS145へ移行させ、点灯検出時間未満であると判定される場合に本ターン検出処理を終了する。
ハザード検出部132は、S145では、ハザード確定フラグをセットする。また、ハザード検出部132は、本ターン検出処理内で用いられる各カウント値をリセット(すなわち、値を0に初期化)する。そして、ハザード検出部132は、本ターン検出処理を終了する。
一方、S150-S180では、ハザード検出部132は、右指示灯51及び左指示灯61がハザードとして機能することを停止する状態が新たに検出されるか否かを判定する。
S150では、ハザード検出部132は、右ターン信号がLoであるか否かを判定する。ハザード検出部132は、右ターン信号がLoである場合に処理をS155へ移行させ、右ターン信号がLOでない(すなわち、Hiである)場合に、本ハザード検出処理を終了する。
S155では、ハザード検出部132は、カウント値CHF_Rを1つカウントアップする。カウント値CHF_Rは、右指示灯51及び左指示灯61がハザードとして機能している状態が検出されているときに、右ターン信号がLoである状態が連続して検出された回数(すなわち、期間)をカウントするためのカウント値である。
続くS160では、ハザード検出部132は、右ターン信号がLoである状態が連続して検出された期間が、予め定められた基準時間以上であるか否かを判定する。基準時間は、例えば、上述の点滅周期相当(例えば、約1000msec)又は点滅周期以上であり得る。本実施形態では、ハザード検出部132は、カウント値CHF_Rが予め定められた基準回数(例えば、63回)以上である場合に、右ターン信号がLoである状態が連続して検出された期間が基準時間以上であると判定する。
ハザード検出部132は、右ターン信号がLoである状態が連続して検出された期間が基準時間以上であると判定された場合に処理をS180へ移行させ、基準時間未満であると判定された場合に処理をS165へ移行する。
S165では、ハザード検出部132は、左ターン信号がLoであるか否かを判定する。ハザード検出部132は、左ターン信号がLoである場合に処理をS170へ移行させ、左ターン信号がLOでない(すなわち、Hiである)場合に、本ハザード検出処理を終了する。
S170では、ハザード検出部132は、カウント値CHF_Lを1つカウントアップする。カウント値CHF_Lは、右指示灯51及び左指示灯61がハザードとして機能している状態が検出されているときに、左ターン信号がLoである状態が連続して検出された回数(すなわち、期間)をカウントするためのカウント値である。
続くS175では、ハザード検出部132は、左ターン信号がLoである状態が連続して検出された期間が、上述の基準時間以上であるか否かを判定する。本実施形態では、ハザード検出部132は、カウント値CHF_Lが予め定められた基準回数(例えば、63回)以上である場合に、左ターン信号がLoである状態が連続して検出された期間が上述の基準時間以上であると判定する。
ハザード検出部132は、左ターン信号がLoである状態が連続して検出された期間が基準時間以上であると判定された場合に処理をS180へ移行させ、基準時間未満であると判定された場合に本ハザード検出処理を終了する。
S180では、ハザード検出部132は、ハザード確定フラグをリセットする。また、ハザード検出部132は、本ハザード検出処理内で用いられる各カウント値をリセット(すなわち、値を0に初期化)する。そして、ハザード検出部132は、以上で本ハザード検出処理を終了する。
[2-3.車両制御部]
車両制御部11は、図4に示す抑制要否処理、及び、図5に示す車両制御処理を実行する。
[2-3(a).抑制要否処理]
車両制御部11は、図4に示す抑制要否処理を実行する。抑制要否処理とは、車両の加速を抑制するための制御を有効にするか無効にするかを設定するための処理である。
車両制御部11は、車両のイグニッションスイッチがONにされたことをきっかけとして、予め定められた要否検出周期(例えば、数msec~数十msec)で、抑制要否処理を繰り返し実行する。要否検出周期は、ハザードの点滅周期よりも、より詳細にはハザードの点灯期間よりも、又ハザードの消灯期間よりも、非常に短い。
また、要否検出周期は、ウインカの点滅周期よりも、より詳細にはウインカの点灯期間よりも、又ウインカの消灯期間よりも、非常に短い。具体的には、車両制御部11は、16msecを要否検出周期として、16msec毎に抑制要否検出処理を実行してもよい。ただし、抑制要否検出処理が実行される周期はこれに限定されるものではない。
まず、S201では、車両制御部11は、右指示灯51及び左指示灯61がウインカとして機能している状態が検出されているか否かを判定する。ここでいうウインカとして機能している状態には、右折を示すウインカとして機能している状態、及び、左折を示すウインカとして機能している状態、の両方を含む。具体的には、車両制御部11は、右折確定フラグ又は左折確定フラグがセットされている場合に、右指示灯51及び左指示灯61がウインカとして機能している状態が検出されている、と判定する。
なお、右指示灯51及び左指示灯61がウインカとして機能している状態が検出されていない状態には、定常状態及びハザードとして機能している状態が含まれ得る。
車両制御部11は、右指示灯51及び左指示灯61がウインカとして機能している状態が検出されていると判定する場合に、処理をS205へ移行させる。また、車両制御部11は、右指示灯51及び左指示灯61がウインカとして機能している状態が検出されていないと判定する場合に、処理をS202へ移行させる。
S202では、車両制御部11は、右指示灯51及び左指示灯61がハザードとして機能している状態が検出されているか否かを判定する。車両制御部11は、ハザード確定フラグがセットされている場合に、右指示灯51及び左指示灯61がハザードとして機能している状態が検出されていると判定する。車両制御部11は、右指示灯51及び左指示灯61がハザードとして機能している状態が検出されていると判定される場合に処理をS203へ移行させ、ハザードとして機能している状態が検出されていないと判定される場合に処理をS204へ移行させる。
S203では、車両制御部11は、抑制フラグをセットする。抑制フラグは、車両の加速を抑制する制御を有効とするか無効とするかを示すためのフラグである。抑制フラグがセットされている場合、車両の加速を抑制する制御が有効であることを示す。そして、車両制御部11は、以上で本抑制要否処理を終了する。
S204では、車両制御部11は、抑制フラグをリセットする。抑制フラグがリセットされている場合、車両の加速を抑制する制御が無効であることを示す。そして、車両制御部11は、以上で本抑制要否処理を終了する。
S205では、車両制御部11は、右指示灯51及び左指示灯61がハザードとして機能している状態が検出されているか否かを判定する。車両制御部11は、S202と同様に、右指示灯51及び左指示灯61がハザードとして機能している状態が検出されていると判定される場合に処理をS206へ移行させる。また、車両制御部11は、ハザードとして機能している状態が検出されていないと判定される場合に、本抑制要否処理を終了する。
S206では、車両制御部11は、抑制フラグをリセットする。また、車両制御部11は、ハザード確定フラグをリセットし、上述のハザード検出処理にて使用される各カウント値をリセット(すなわち、0に初期化)する。そして、車両制御部11は、以上で抑制要否処理を終了する。
つまり、車両制御部11が実行する抑制要否処理では、ターン検出部131によってウインカとして機能している状態が検出され、ハザード検出部132によってハザードとして機能している状態が検出されている場合、ウインカとして機能している状態が優先される。ターン検出部131によってウインカとして機能している状態が検出され、ハザード検出部132によってハザードとして機能している状態が検出されている場合には、例えば、運転者が右指示灯51及び左指示灯61をハザードとして機能させた直後にウインカとして機能させる場合、が挙げられる。基準時間が右点灯時間よりも十分に長く、又基準時間が左点灯時間よりも十分に長いため、ハザード確定フラグがリセットされないうちに、左折確定フラグ又は右折確定フラグがセットされる状態が生じ得るからである。
[2-3(b).車両制御処理]
車両制御部11は、図5に示す車両制御処理を実行する。車両制御処理とは、アクセルペダルセンサ31により出力された第1アクセル信号を走行制御装置40に出力するか、第1アクセル信号に代えて第2アクセル信号を走行制御装置40に出力するか、を判定する処理である。第2アクセル信号とは、第1アクセル信号が示す第1アクセル開度よりも小さい第2アクセル開度を示す信号を指す。車両制御部11は、車両のイグニッションスイッチがONにされたことをきっかけとして、予め定められた周期で、車両制御処理を繰り返し実行する。ここでいう周期は、上述の検出周期と同じ周期であってもよい。
まず、S301では、車両制御部11は、アクセルペダルセンサ31により出力された第1アクセル信号を取得する。
続いて、S302では、車両制御部11は、踏み間違い判定部12により上述した踏み間違い通知が行われたかを判定する。
S302では、車両制御部11は、踏み間違い判定部12により踏み間違い通知が行われたと判定した場合、処理をS303に移行させ、踏み間違い通知が行われていないと判定した場合、処理をS306へ移行させる。
S303では、車両制御部11は、機能検出部13によってハザード確定フラグがセットされているか否かを判定する。車両制御部11は、ハザード確定フラグがセットされていると判定した場合、処理をS304に移行させ、ハザード確定フラグがセットされていないと判定した場合、処理をS306へ移行させる。
S304では、車両制御部11は、HMI部50に対して、アクセルペダルの踏み間違いが行われた可能性がある旨を運転者に注意喚起する報知処理を実行するように指示を行う。当該指示が行われた場合、HMI部50は、例えば、該注意喚起のためのメッセージやアイコン等を表示部に表示する。なお、HMI部50は、該注意喚起のための音声や警告音等の出力を行ってもよい。
続くS305では、車両制御部11は、第2アクセル信号を走行制御装置40に出力する。そして、車両制御部11は、以上で車両制御処理を終了する。第2アクセル信号が走行制御装置40に出力された場合、車両の加速は抑制される。
一方、S302で踏み間違い判定部12により踏み間違い通知が行われなかったと判定された場合に移行するS306では、車両制御部11は、第1アクセル信号を走行制御装置40に出力する。そして、車両制御部11は、以上で車両制御処理を終了する。第1アクセル信号が走行制御装置40に出力された場合、車両の加速は抑制されない。
このようにして、車両制御部11は、ハザード確定フラグがセットされているか否かに基づいて、第1アクセル信号及び第2アクセル信号のいずれを出力するかを特定する。第1アクセル信号を走行制御装置40に出力することによって、車両の加速を抑制しないための制御を行い、第2アクセル信号を走行制御装置40に出力することによって、車両の加速を抑制するための制御を行う。
[2-4.作動]
踏み間違い加速抑制装置1による作動を、図6及び図7を用いて説明する。以下の図では、点滅周期、すなわち、点灯期間及び消灯期間は一定であるように示される。但し、点滅周期、点灯期間及び消灯期間は、右指示灯51及び左指示灯61の温度等によって、上述の法律で規定される範囲内において変動し得る。
また、以下の説明では、ウインカの操作レバーが操作されたとき、又はハザードスイッチが押下されたとき、右ターン信号及び左ターン信号が、ともに、Hi→Lo→Hi…のように、変化して出力される例を説明する。但し、車種によっては、右ターン信号及び左ターン信号は、Lo→Hi→Lo→…のように、変化して出力され得る。
図6は、定常状態においてハザードスイッチが押下された場合、及び、定常状態においてウインカの操作レバー(例えば、右折)が操作された場合の、右ターン信号及び左ターン信号の変化を示す。
時刻t0においてハザードスイッチが押下されると、右指示灯51及び左指示灯61が共に点灯を開始する。右ターン信号及び左ターン信号が連続して共にHiである状態に基づいて、時刻t0から点灯検出時間以上が経過した時刻t1において、ハザード確定フラグがセットされる。つまり、ハザード確定フラグがセットされた時点で、踏み間違い加速抑制装置1では、ハザードとして機能している状態が検出される。抑制フラグがセットされると、車両の加速を抑制する制御が有効となる。
なお、本実施形態では、踏み間違い判定部12によって踏み間違いと判定されて踏み間違い通知が出力されており、且つ、抑制フラグがセットされている(すなわち、有効である)場合に、車両の加速を抑制する制御が行われる。
時刻t2においてハザードスイッチが再び押下されると、右指示灯51及び左指示灯61は共に点滅することを停止する。右ターン信号及び左ターン信号が連続して共にLoである状態に基づいて、時刻t2から基準時間以上が経過した時刻t3において、ハザード確定フラグがリセットされる。つまり、ハザード確定フラグがリセットされた時点で、踏み間違い加速抑制装置1では、ハザードとして機能することが停止している状態が検出される。抑制フラグがリセットされると、車両の加速を抑制する制御が無効となる。
なお、本実施形態では、抑制フラグがリセット(すなわち、無効と)されると、注意喚起指示を行った上で、車両の加速を抑制する制御が行われる。
定常状態にて、時刻t4において、ウインカ(例えば、右折)の操作レバーが操作された場合、右ターン信号が点滅する。右ターン信号が連続してHiである状態に基づいて、時刻t4から点灯検出時間以上が経過した時刻t5において、右折確定フラグがセットされる。つまり、右折確定フラグがセットされた時点で、踏み間違い加速抑制装置1では、右折を示すウインカとして機能している状態が検出される。
右折確定フラグがセットされても、抑制フラグはリセットされたままであり、車両の加速を抑制する制御は無効となっている。
なお、図示しないが、ウインカの操作レバーが元に戻されると、右ターン信号の点滅が停止する。そして、右ターン信号が連続して共にLoである状態に基づいて、ウインカの操作レバーが元に戻されてから判定時間以上が経過した後に、右折確定フラグがリセットされる。つまり、右折確定フラグがリセットされた時点で、踏み間違い加速抑制装置1では、右折を示すウインカとして機能することを停止している状態が検出される。
右折確定フラグがリセットされても、抑制フラグはリセットされたままであり、車両の加速を抑制する制御は無効となっている。ここでは、右折のためにウインカの操作レバーが操作された場合について説明したが、左折のためにウインカの操作レバーが操作された場合も、踏み間違い加速抑制装置1は同様に作動する。
一方で、定常状態ではなく、例えば右指示灯51及び左指示灯61が共にハザードとして点滅している状態で、停止している車両を速やかに発進させたい運転状況があり得る。この場合、ハザードスイッチが押下された直後にウインカの操作レバーが操作され得る。図7は、運転者によってハザードが解除された直後にウインカの操作レバー(例えば、右折)が操作された場合の右ターン信号及び左ターン信号の変化を示す。
時刻t10にてハザードスイッチが押下されると、時刻t11にてハザード確定フラグがセットされる。時刻t11では、抑制フラグがセットされ、車両の加速を抑制する制御が有効となる。
時刻t12にてハザードスイッチが再び押下されると、右指示灯51及び左指示灯61が共にハザードとしての点滅を停止する。時刻t12では、ハザード確定フラグはセットされたままである。ハザード確定フラグがリセットされる迄には、換言すれば、踏み間違い加速抑制装置1にてハザードとして機能していることが停止した状態が検出される迄には、時刻t12から基準時間以上経過することが必要であるからである。
図7の例では、時刻t12の直後の時刻t13において、ウインカ(例えば、右折)の操作レバーが操作され、右ターン信号が点滅する。時刻t12から基準時間以上が経過していない時刻t13の時点では、ハザード確定フラグが継続してセットされている。また、右折確定フラグはまだセットされていない。つまり、抑制フラグはセットされており、車両の加速を抑制する制御が継続して有効となっている。
時刻t13以降はウインカとしての作動が開始されるので、一般に、運転者も周囲の車両もウインカを作動させている運転者の車両が速やかに加速するであろうと考えると思われる。仮に、時刻t13の時点で運転者がアクセルペダルを踏みこんだときに車両が速やかに加速されないと、周囲の車両との思わぬ衝突のような危険が生じるおそれが考えられる。
本実施形態では、時刻t13から点灯検出時間以上が経過した時刻t14にて上述と同様に右折確定フラグがセットされると、これに基づいて、制御要否処理によって強制的にハザード確定フラグがリセットされ、且つ、抑制フラグがリセットされる。これにより、抑制フラグに基づく車両の加速を抑制する制御は無効とされ、時刻t13から基準時間以上の経過を待つことなく、時刻t13から点灯検出時間相当の遅れで、速やかに車両の加速を抑制する制御が解除される。
[3.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(3a)踏み間違い加速抑制装置1は機能検出部13と車両制御部11とを備え、機能検出部13はターン検出部131とハザード検出部132とを備える。
ここで、車両制御部11は、ターン検出部131及びハザード検出部132によって右指示灯51及び左指示灯61の機能としてハザード機能のみが検出されている場合に、車両の加速を抑制するための制御を行う。ハザード機能のみが検出されている場合とは、ターン検出部131にて右指示灯51及び左指示灯61がウインカとして機能していない状態が検出され、ハザード検出部132にて右指示灯51及び左指示灯61がハザードとして機能している状態が検出されている場合をいう。
ハザードとしての機能及びウインカとしての機能それぞれを、ターン検出部131及びハザード検出部132といった異なる構成によって検出することにより、右指示灯51及び左指示灯61がハザードとして機能している状態を確実に検出することができる。結果として、ハザードとして機能している状態が検出される場合に、車両の加速を抑制する制御を確実に行うことができる。
一方、車両制御部11は、ターン検出部131にて右指示灯51及び左指示灯61がウインカとして機能している状態が検出され、ハザード検出部132にて右指示灯51及び左指示灯61がハザードとして機能している状態が検出される場合、以下のように作動する。つまり、車両制御部11は、ウインカとして機能している状態をハザードとして機能している状態よりも優先させて、ハザードとして機能している状態を無効にし、車両の加速を抑制しないための制御(すなわち、ハザード確定フラグのリセット)を行う。
ここで、比較のため、例えば、本実施形態とは異なる装置(以下、比較装置)として、右指示灯51及び左指示灯61がハザードとして使用されている状態が検出されている間、車両の加速を抑制する制御を継続する装置を考える。比較装置では、ハザードとしての使用が中止された状態が検出されたことをきっかけとして、車両の加速を抑制する制御を解除するものとする。なお、比較装置では、ハザードとしての使用が中止された状態の検出は、本実施形態と同様に、ハザードスイッチの押下ではなく、右ターン信号及び左ターン信号に基づいて行われるものとする。
このような比較装置では、ハザードとしての使用の中止を検出するためには、ハザードとして左右共に点灯する状態が出現してから次の点滅周期に、再びハザードとして左右共に点灯する状態が出現しないことを検出する必要がある。つまり、ハザードの中止のためハザードスイッチが押下されたとしても、ハザードとしての使用の中止を検出できるのは点滅周期相当の時間の経過後であるため、この間は車両の加速を抑制する制御が継続する。
このため、比較装置では、運転者が方向指示器をハザードからウインカに切り替えてすぐに加速して車両を発進させようとしても、加速を抑制する制御が継続しているおそれがある。例えば、運転者も周囲の車両も、ウインカを作動させている運転者の車両が速やかに加速するであろうと思っているところ、加速を抑制する制御が継続していると、思わぬ衝突のような危険が生じ得ることが考えられる。
これに対して、本実施形態の踏み間違い加速抑制装置1では、ウインカとして機能しているか否か、ハザードとして機能しているか否か、をターン検出部131及びハザード検出部132といった異なる構成によって検出する。そして、踏み間違い加速抑制装置1は、上述の両方の状態が検出されるタイミングでは、ハザードよりもウインカとして機能している状態が検出されていることを優先させて、車両の加速を抑制しないように制御を行う。
これにより、運転者や周囲の車両が意図しない加速抑制を行わないようにすることができる。結果として、方向指示器の点滅状態に応じて、より安全に寄与するように、車両の加速を抑制することができる。
(3b)ターン検出部131は、右指示灯51及び左指示灯61のうちの一方が点灯してから、上述の点滅周期よりも短い予め定められた点灯検出時間が経過した後に、右指示灯51及び左指示灯61がウインカとして機能している状態を検出する。
これにより、上述の両方の状態が検出されるようなタイミングにおいても、点滅周期相当の時間である上述の基準時間の経過を待つことなく、ウインカとして機能している状態を速やかに検出できる。つまり、仮に、車両の加速を抑制する制御が実行されていたとしても、点灯検出時間の経過を待つことなく、車両の加速の抑制を速やかに解除することができる。
(3c)ハザード検出部132は、ハザードとして機能している状態が検出されているとき、右指示灯51及び左指示灯61が共に消灯してから点滅周期以上の上述の基準時間が経過した後に、右指示灯51及び左指示灯61がハザードとして機能することを停止している状態を検出する。車両制御部11は、右指示灯51及び左指示灯61がハザードとして機能することを停止している状態が検出される場合に、車両の加速を抑制しないための制御を行う。
基準時間の経過後にハザードとして機能すること停止したか否かが検出(すなわち、判定)されるので、ハザードとして機能することを停止した状態を確実に検出することができる。また、ハザードとして機能することを停止した状態が検出されると車両の加速を抑制しないように制御が行われるので、ハザードが消灯した状態が検出された以降はスムーズに車両を加速させることができる。
(3d)機能検出部13は、ハザードスイッチの押下やウインカの操作レバーの操作そのものを検出するのではなく、右ターン信号及び左ターン信号に基づいて、右指示灯51及び左指示灯61がハザード及びウインカとして機能している状態を検出する。
ウインカとして機能しているか及びハザードとして機能しているかは、ウインカが操作されたことを示す信号、及びハザードスイッチが押下されたことを示す信号を取得することによっても検出可能である。但し、これらの信号は、例えばCANネットワーク等といった車両に搭載されるネットワークから取得する必要があり、車両に後付けされる装置においては取得が容易でない。
踏み間違い加速抑制装置1では、ネットワークを介さず、右指示灯51及び左指示灯61から直接的に取得可能な右ターン信号及び左ターン信号に基づいて、ウインカとして機能しているか、ハザードとして機能しているかを判定する。このため、踏み間違い加速抑制装置1を車両に後付けする際に有利であり、踏み間違い加速抑制装置1の汎用性を高めることができる。
(3e)踏み間違い加速抑制装置1は、アクセルペダルが踏み間違えられたか否かを判定する踏み間違い判定部12を更に備える。車両制御部11は、踏み間違い判定部12によりアクセルペダルが踏み間違えられた可能性があると判定される場合に、機能検出部13による検出結果に応じて車両の加速を抑制する。これにより、より安全に寄与するように、車両の加速を抑制する制御を行うことができる。
(3f)踏み間違い加速抑制装置1は、車両に後付けで搭載される。踏み間違い加速抑制装置1は後付けで搭載できるため、踏み間違いによる加速を抑制する機能を備えていない車両においても、踏み間違いによる加速を抑制する機能を追加することができる。
なお、上記実施形態において、踏み間違い加速抑制装置1が加速抑制装置に相当する。上述の点滅周期がハザードの点滅周期に相当し、基準時間が消灯検出時間に相当する。
[4.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
(4a)上記実施形態において、機能検出部13は、例えば、ハザード検出処理のS145にて、更に抑制フラグをセットし、ハザード検出処理のS180にて、更に抑制フラグをリセットしてもよい。この場合、抑制要否処理では、S202-S204が削除されてもよく、車両制御部11はS201にて否定判定された後に抑制要否処理を終了してもよい。これにより、ハザード確定フラグのセット及びリセットに伴い、抑制フラグのセット及びリセットが速やかに実行される。
なお、上記実施形態それぞれにおける各種フラグ及び各種カウント値等はメモリに記憶されている。また、上述の踏み間違い通知はメモリに記憶されてもよい。
(4b)上記実施形態において、機能検出部13は、右ターン信号及び左ターン信号のうち少なくとも一方について、電圧がHiの状態のまま維持されるHi継続時間が予め定められた異常基準時間以上であるかを判定してもよい。そして、機能検出部13は、Hi継続時間が異常基準時間以上である場合に、右指示灯51及び左指示灯61のうち少なくとも一方について、電圧がHiの状態のまま維持されるという異常が生じていると判定してもよい。
異常基準時間は、点滅周期よりも大きい(すなわち、例えば1secよりも大きい)時間に設定され得る。具体的には、機能検出部13は、S25の後に右ターン信号がHiである状態が異常基準時間以上継続しているか否かを判定し、異常基準時間以上継続していないと判定された場合に処理をS30へ移行してもよい。又、機能検出部13は、機能検出部13は、S45の後に左ターン信号がHiである状態が異常基準時間以上継続しているか否かを判定し、異常基準時間以上継続していないと判定された場合に処理をS50へ移行してもよい。
また、機能検出部13は、S140の後に右ターン信号及び左ターン信号の両方がHiである状態が異常基準時間以上継続しているか否かを判定し、異常基準時間以上継続していないと判定された場合に処理をS145へ移行してもよい。機能検出部13は、右ターン信号及び左ターン信号のうち少なくとも一方がHiである状態が常基準時間以上継続していると判定した場合に、例えば、フェールセーフ処理を実行してもよい。
ここでいうフェールセーフ処理は、例えば、車両を安全に停止させるように走行制御装置40に対する指示を出力する処理であり得る。また、フェールセーフ処理は、例えば、方向指示器に異常が生じた旨を報知する処理であり得る。報知には、表示装置を用いた視覚に基づく報知、音声出力等の聴覚に基づく報知、等が含まれ得る。
(4c)上記実施形態では、右ターンセンサ35及び左ターンセンサ36は、検出した右ターン信号及び左ターン信号をそれぞれ装置本体10に出力するように構成されていたが、本開示はこれに限定されるものではない。例えば、右ターンセンサ35、左ターンセンサ36は、装置本体10に含まれ、検出結果を機能検出部13に出力するように構成されてもよい。この場合、右ターン信号入力端子25に右指示灯51に繋がる信号線が直付けされ、左ターン信号入力端子26に左指示灯61に繋がる信号線が直付けされてもよい。
(4d)アクセルペダルセンサ1、シフトレバーセンサ32、車速センサ33、障害物センサ34からの信号は、各センサから直接信号線によって装置本体10に入力されなくてもよい。例えば、これらの信号が車両における他のECUに入力されている場合、これらの信号は他のECUから装置本体10に入力されてもよい。また、他のECUは、例えばCAN等といった、車両に搭載されるネットワークに接続されていてもよい。
(4e)上記実施形態では、踏み間違い加速抑制装置1は、車両に後付けされるものであったが、本開示はこれに限定されるものではない。踏み間違い加速抑制装置1は、出荷時から車両に搭載されていてもよい。
(4f)上記実施形態では、アクセルペダルセンサ31は、アクセル開度を検出しているが、例えば、アクセル開度に加えて又は代えて、アクセルペダルの踏み込み速度を検出してもよい。この場合、踏み間違い判定部12が実行する踏み間違い判定処理において、例えば、第1アクセル開度が基準アクセル開度以上であることという要件に加えて又は代えて、アクセルペダルの踏み込み速度が予め定められた基準踏み込み速度以上であることという要件が設けられてもよい。
(4g)上記実施形態では、障害物センサ34は、車両の前方に存在する障害物を検出しているが、例えば、車両の前方及び後方にそれぞれ存在する障害物を検出してもよい。また、例えば、障害物センサ34は、車両の後方に存在する障害物のみを検出してもよい。障害物センサ34が車両の後方に存在する障害物を検出する場合、車両が後方へ進行している、すなわちシフトレバーの操作位置がリバースである状態において、アクセルペダルが誤って踏み込まれたときにも、踏み間違い判定部12は、アクセルペダルが踏み間違えられたと判定することができる。
(4h)上記実施形態では、踏み間違い判定部12が実行する踏み間違い判定処理において、車両の進行方向に障害物が存在することという要件が設けられているが、例えば、車両が後方へ進行している場合、踏み間違い判定部12は、障害物の有無によらず、アクセルペダルが踏み間違えられたと判定してもよい。つまり、踏み間違い判定部12は、例えば、第1アクセル開度が基準アクセル開度以上であること、シフトレバーの操作位置がリバースであること、及び車両の走行速度が基準速度以下であること、という要件が全て満たされたと判定した場合に、アクセルペダルが踏み間違えられたと判定してもよい。
(4i)上記実施形態では、踏み間違い加速抑制装置1は、車両制御部11が第1アクセル信号に代えて第2アクセル信号を走行制御装置40に出力し、車両の駆動力を制御することにより、車両の加速を抑制させるが、例えば、車両の駆動力に加えて又は代えて車両の制動力を制御することにより、車両の加速を抑制させてもよい。車両の制動力を制御する走行制御装置40としては、例えばブレーキを制御するECUが該当する。
(4j)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。