JP7314597B2 - 撮像装置 - Google Patents
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Description
図1は、発明の一実施の形態によるカメラシステム1の要部構成を説明する模式図である。カメラシステム1は、カメラボディ2に着脱可能な撮影レンズ(交換レンズ3と称する)を装着した例を説明するが、カメラボディ2と交換レンズ3を一体に構成したカメラとしても構わない。
なお、図1において交換レンズ3の光軸Oと交差する面内の水平方向をX軸とし、鉛直方向をY軸とする。また、Y軸の+方向を上方向、Y軸の‐方向を下方向とする。
カメラボディ2は、ボディ側制御部230、ボディ側通信部240、シャッタ装置250、撮像素子260、信号処理部270、操作部材280、および表示部290を有する。ボディ側制御部230は、ボディ側通信部240、シャッタ装置250、撮像素子260、信号処理部270、操作部材280および表示部290と接続される。
ボディ側制御部230は、記憶部235に記憶されている制御プログラムを実行してカメラボディ2内の各部を制御する。記憶部235は、ボディ側制御部230によってデータの記録と読み出しが制御される。
撮像素子260から出力される信号は、信号処理部270によってライブビュー画像の画像データ、動画像の画像データ、および静止画の画像データの生成に用いられる。撮像素子260は、ボディ側制御部230と接続される。
光学ファインダーを備える一眼レフカメラにて、撮像素子260が遮光されている方が好ましい時は、レリーズボタンによる撮影の指示が行われる前のシャッタ装置250は、先幕250aで開口部200を閉じている状態とするとよい。
交換レンズ3は、レンズ側制御部330、レンズ側通信部340、撮影光学系360、レンズ駆動部370、および絞り駆動部380を有する。レンズ側制御部330は、レンズ側通信部340、レンズ駆動部370、絞り駆動部380と接続される。
フォーカスレンズ361は、レンズ駆動部370により、光軸O方向に移動が可能に構成されている。フォーカスレンズ361が移動することにより、撮影光学系360により形成される被写体の像の光軸O方向の位置が変更される。これにより被写体の像を撮像素子260の撮像面260Sに移動させる合焦動作が行われる。
上述したように、カメラシステム1は、操作部材280によって露光制御方式を選択する指示を行うことが可能である。本実施の形態では、(A)シャッタ装置250(メカニカルシャッタとも称される)を用いる露光制御と、(B)ハイブリッド露光制御とのうち一方の露光制御方式に設定される。はじめに、各露光制御方式について説明する。
シャッタ装置を用いる露光制御は、シャッタ装置の先幕250aおよび後幕250bにより撮像素子260を露光および遮光することで露光制御を行う。
図2は、撮像素子260の撮像面260Sと、シャッタ装置250の先幕250aおよび後幕250bとを示す模式図である。図2において、撮像素子260の短辺方向をY軸とし、Y軸の+方向を上方向、Y軸の-方向を下方向とする。撮像面260Sの光軸Oに対応する位置を像高Y=0とする。また、撮像面260Sの短辺方向(画像の縦方向)はY=-aから+aまでとする。
先幕250aは、シャッタリリース前に撮像面260Sの全面を覆って遮光しており、先幕250aの上端はY=+aよりも高い(上方向)位置にある。ボディ側制御部230からシャッタ装置250に先幕250aをリリースする信号が入力されると、先幕250aが下方へ移動し始める。そして、先幕250aの上端が撮像面260Sの上端(像高Y=+a)の位置を通過し、その後、撮像面260Sの中央(像高Y=0)の位置を通過し、さらに、撮像面260Sの下端(像高Y=-a)を通過して(Y=-aよりも低い(下方向)位置まで移動)停止する(図2の状態)。
ハイブリッド露光制御は、後述する電子先幕走行により撮像を開始し、シャッタ装置250の後幕250bの走行による撮像素子260の遮光により撮像を終了させる制御である。
ハイブリッド露光制御では、シャッタ装置250の先幕250aおよび後幕250bが図2に示す状態、すなわち開口部200が開いた状態に制御される。
撮像素子260において、複数の画素の各FD領域と光電変換部に蓄積されている電荷を排出するリセット動作をすることが可能に構成されている。蓄積制御部230bは、撮像素子260に対し、所定のタイミングで上記FD領域と光電変換部とをリセットさせる。リセット後の光電変換部は、再び電荷の蓄積を始める。
蓄積制御部230bは、レリーズボタンが全押し操作されると、電子先幕走行を開始させる。これにより、時刻t1において電子先幕が撮像面260Sの上端(像高Y=+a)の位置を通過する。その後、時刻t2において電子先幕は撮像面260Sの中央(像高Y=0)の位置を通過し、時刻t3において電子先幕は撮像面260Sの下端(像高Y=-a)の位置へ到達する。時刻t1から時刻t3までの時間は、電子先幕が撮像面260Sの全面を通過する時間である。
後幕250bの下端は、シャッタリリース前は、Y=+aよりも上にある。ボディ側制御部230からシャッタ装置250に後幕250bをリリースする信号が入力されると、時刻t11において後幕250bが下方に移動を始める。そして、時刻t12において後幕250bの下端が撮像面260Sの上端(像高Y=+a)の位置を通過する。その後、時刻t13において後幕250bの下端は撮像面260Sの中央(像高Y=0)の位置を通過し、時刻t14において後幕250bの下端は撮像面260Sの下端(像高Y=-a)の位置へ到達する。後幕250bの最先端はさらに、Y=-aよりも下まで移動して時刻t15において停止する。時刻t12から時刻t14までの時間は、後幕250bが撮像面260Sの全面を通過する時間である。
撮像素子260は、露光が終了すると次の撮像までに撮像素子260で蓄積された電荷に応じた電圧の信号が読み出される。なお、電子先幕走行は、予め実験などにより得られた後幕250bの走行に合わせて制御されると良い。
上述した(A)シャッタ装置を用いる露光制御では、以下の問題が発生する。先幕250aの走行に伴う振動及び先幕250aの停止時に発生する振動により撮像中の被写体の像が振れ、画像の像ブレの要因になることがある。とくに、撮像の時間が上記振動の周期に比べて長い場合には、上記振動に起因する像ブレの影響を受けやすくなり問題となる。一方、(B)ハイブリッド露光制御では、先幕250aが動かない為この問題は起こらない。
図6(a)および図6(b)は、電子先幕と後幕250bとがY軸方向に一定の間隔Sで走行したときの撮像素子260に入射する光束を示した図で、露光むらについて説明する図である。Y軸は撮像素子260の短辺方向を示し、電子先幕と後幕250bとは、+から‐方向に走行する。図の符号360’は撮影光学系360の射出瞳を示す。図6(a)は電子先幕がY=h1にあるときの図である。後幕250bは、Y=h1からY軸方向に間隔S離れた位置にある。この時、撮像面260SのY=h1の位置には、射出瞳360’を通過した全ての光束が入射する。図6(b)は電子先幕がY=‐h1にあるときの図である。後幕250bは、Y=‐h1よりもY軸方向に間隔S離れた位置にあるとする。この時、撮像面260SのY=‐h1には、射出瞳360’を通過した光束の一部が後幕250bにより遮られ、一部の光束が入射する。つまり、Y=‐h1では、暗い像となる。このように、撮像面260SのY軸方向の位置により像の明るさが異なる露光むらが生じる。
電子先幕走行は、後幕250bの走行に合わせた上で、撮影光学系360の射出瞳に関する情報を得られる場合には、露光むらを軽減するように適切に補正して制御することが可能であるが、撮影光学系360の射出瞳に関する情報を得られない場合には、上述の露光むらが生じてしまう。
本実施形態では、上記(A)シャッタ装置を用いる露光制御と上記(B)ハイブリッド露光制御とのいずれかを、撮像の時間(シャッタスピード)に応じて設定する制御を行う。つまり、撮像の開始を先幕250aの走行により制御するか、電子先幕走行により制御するかのいずれかの設定を行う。前述したように、シャッタスピードとはユーザまたは露出演算部230cにより設定された被写体の像の撮像の時間である。
ただし、切替時間(例えば、1/500秒)は、露出演算部230cが演算を行う露出演算方式(シャッタ速度優先自動露出モード、マニュアル設定モード、絞り優先自動露出モード、プログラム自動露出モードなど)により異なる値に変更してもよい。このように構成することにより、それぞれの露出演算方式におけるシャッタスピードに適した露光制御に設定することができる。例えば、特に「ボケ欠け」が目立つ撮影である場合は、切替時間を1/125秒とし、シャッタスピードが1/125秒より速い場合に(A)シャッタ装置を用いる露光制御を行うようにしてもよい。また、特にブレが目立つ撮影である場合は、切替時間を1/2000秒としてもよい。
シャッタスピードが露出演算部230cによる露出演算の結果に基づいて決定され、被写体の明るさに応じてシャッタスピードが変化する場合の制御について説明する。
設定部230aは、複数コマの撮影を続けて行う場合には、1コマ目だけでなく2コマ目以降も各コマの撮影ごとに、(A)シャッタ装置を用いる露光制御と(B)ハイブリッド露光制御とのいずれかを、設定されたシャッタスピードに応じて設定する。
設定部230aは、露光制御の設定の他に、露光制御を設定するための切替時間の設定も行う。連写における1コマ目の切替時間は、単写における切替時間と同じに値に設定する。2コマ目以降の切替時間は、1コマ目の切替時間と異なる値に設定する。設定部230aは、2コマ目以降の切替時間を前のコマで設定されている露光制御に応じて設定する。具体的には、前コマの撮影が(A)シャッタ装置を用いる露光制御が設定されている場合と、(B)ハイブリッド露光制御が設定されている場合とで、切替時間を異なる値にする。
しかしながら、第1時間と第2時間とを異ならせることにより、2コマ目以降にコマごとのシャッタスピードが1/500秒付近でばらついたとしても、露光制御の設定が頻繁に行われなくなるために、先幕250aの走行音が聞こえる状態と聞こえない状態とが頻繁に入れ替わることを防止できる。
上述したように複数コマを続けて撮影することには、連写撮影する場合とブラケット撮影する場合とを含む。連写撮影は、レリーズボタンの全押し操作が継続されている間に複数コマの撮影を続けて行うことをいう。ブラケット撮影は、あらかじめ決められた条件で設定を変えながら複数コマの撮影を続けて行うことをいう。ブラケット撮影には、コマごとに露出値をずらす露出ブラケット撮影、コマごとにピント位置をずらすフォーカスブラケット撮影、コマごとにホワイトバランス調整値をずらす色温度ブラケット撮影などがある。連写撮影するモードおよび各種ブラケット撮影するモードを選択する指示は、例えば、ユーザが操作部材280を操作することによって行うことができる。
(1)撮像装置としてのカメラシステム1は、被写体からの光を光電変換した電荷を蓄積する複数の画素を有し、被写体の像を撮像する撮像素子260と、連続した複数回の撮像を、操作することにより指示する操作部材280と、撮像素子260へ入射する光を遮る先幕250a、後幕250bを有し、先幕250a、後幕250bを移動させて撮像素子260への光の入射を制御するシャッタ装置250と、画素の電荷の蓄積を制御する蓄積制御部230bと、連続した複数回の撮像において、シャッタ装置250により撮像素子260への光の入射を開始させることで撮像を開始する、(A)シャッタ装置250を用いる露光制御(第1制御と称する)と、蓄積制御部230bにより電荷の蓄積を開始することにより撮像を開始する、(B)ハイブリッド露光制御(第2制御と称する)とのいずれかを設定する設定部230aとを備える。
このように構成したので、例えば、連写中における各コマで露光制御方式としての上記第1制御と上記第2制御との設定を適切に行うことができる。
(変形例1)
<ブラケット撮影の場合の変形>
設定部230aは、ブラケット撮影において複数コマの撮影を続けて行う場合には、全コマを同じ露光制御方式により撮像することが好ましいという考え方に基づき、1コマ目において設定した露光制御方式を2コマ目以降の撮像に採用してもよい。この場合、露出制御方式を1コマ目と2コマ目以降に設定された複数の撮像の時間に基づいて決定する。
(1)設定部230aは、複数回の撮像による画像を合成することで1つのHDR画像を出力するモードにおける連写撮影の場合は、(A)シャッタ装置を用いる露光制御、および、(B)ハイブリッド露光制御のいずれかの制御による撮像を行う。このように構成したので、全コマを同じ露光制御方式により撮像することが好ましいという考え方に基づいて、1コマ目において設定した露光制御方式を2コマ目以降の撮像にも適用することができる。
<絞り値による切替時間の変更>
設定部230aは、切替時間を、絞り362の開口径(絞り値)に応じて変化させてもよい。上述したように、射出瞳径が大きくなるほど、撮像面260Sにおいて「ボケ欠け」が生じやすくなる。絞り362を開き開口径を大きくするほど撮影光学系360の射出瞳径が大きくなるので、設定部230aは、絞り362を開くほど切替時間を低速側に変更してもよい。このようにすることで、シャッタスピードがより低速である場合でも、(A)シャッタ装置を用いる露光制御となる。
<射出瞳による切替時間の変更>
交換レンズ3から撮影光学系360の射出瞳に関する情報を取得できたかできないかにより、切替時間を異ならせてもよい。交換レンズ3から射出瞳の情報を取得できると、電子先幕及び後幕250bの走行を射出瞳の情報により最適化し、露光むらの現象を少なくすることができる。設定部230は、交換レンズ3から撮影光学系360の射出瞳に関する情報を取得できる場合は、切替時間(第1時間および第2時間を含む)を射出瞳の情報を取得できない場合よりも高速側に設定する。すなわち、射出瞳に関する情報を取得できると、より高速側のシャッタスピードが設定された場合でも(B)ハイブリット露光制御を行う。
交換レンズ3から撮影光学系360の射出瞳に関する情報を取得できたかできないか、に代えて、交換レンズ3から電子先幕走行に関する情報を取得できるかできないかにより、切替時間を変えてもよい。また、交換レンズ3が切替時間に関する情報を保持している場合は交換レンズ3からの情報に応じて切替時間を設定してもよい。
<防振機能の有無及び防振機能の性能による変更>
交換レンズ3が、カメラシステム1に加えられる振れにより生じる被写体の像の振れを防ぐように駆動する防振機構を備えて防振機能を利用している場合と、防振機能を利用していない場合とで切替時間を異なる値に設定してもよい。交換レンズ3から防振機能を備えていると、先幕250aの走行に伴い生じる振動による像ブレを少なくすることができる。設定部230は、防振機能を有効にしている場合は、切替時間(第1時間および第2時間を含む)を有効にしていない場合よりも低速側に設定する。すなわち、防振機能が有効であると、より低速側のシャッタスピードが設定された場合でも(A)シャッタ装置を用いる露光制御を行う。撮像素子260を駆動することによる防振機能でも同様である。
Claims (8)
- 被写体から入射した光を光電変換した電荷を蓄積する複数の画素を有し、前記被写体の像を撮像する撮像部と、
連続した複数回の前記撮像を、操作することにより指示する操作部と、
前記撮像部へ入射する光を遮る幕を有し、前記幕を移動させて前記撮像部への光の入射を制御するシャッタと、
前記画素の電荷の蓄積を制御する制御部と、
前記連続した複数回の撮像において、前記シャッタにより前記撮像部への前記光の入射を開始させることで前記撮像を開始する第1制御と、前記制御部により電荷の蓄積を開始することにより前記撮像を開始する第2制御とのいずれかを設定する設定部と、
前記被写体の明るさに基づいて前記撮像の時間を演算する演算部と、
を備え、
前記設定部は、演算された前記撮像の時間が所定の時間より短いと前記第1制御を設定し、前記撮像の時間が前記所定の時間よりも長いと前記第2制御を設定し、前記複数回の撮像のうち、最初の撮像と2回目以降の撮像とで前記所定の時間を変更する撮像装置。 - 請求項1に記載の撮像装置において、
前記設定部は、前記第1制御による撮像の次の撮像における前記所定の時間である第1時間を、前記第2制御による撮像の次の撮像における前記所定の時間である第2時間よりも長くする撮像装置。 - 請求項2に記載の撮像装置において、
前記設定部は、前記複数回の撮像のうち最初の撮像における前記所定の時間を、前記第2時間以上かつ前記第1時間以下とする撮像装置。 - 請求項2または3に記載の撮像装置において、
前記撮像部は、光学系を通過した前記被写体からの光を撮像し、
前記設定部は、前記光学系の特性により前記第1時間および前記第2時間の少なくとも一つを変更する撮像装置。 - 請求項2から4のいずれか一項に記載の撮像装置において、
前記設定部は、前記演算部が前記演算に用いる演算方式により前記第1時間および前記第2時間の少なくとも一つを変更する撮像装置。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載の撮像装置において、
前記複数回の撮像による画像を合成することで1つの画像を生成し、
前記設定部は、前記合成することで1つの画像を生成するための撮像において、前記第1制御と前記第2制御とを設定する撮像装置。 - 請求項6に記載の撮像装置において、
前記設定部は、画像を合成する前記複数回の撮像に対してそれぞれに設定された撮像の時間の中央値および前記所定の時間に基づいて、前記第1制御と前記第2制御とを設定する撮像装置。 - 請求項1から7までのいずれか一項に記載の撮像装置において、
前記シャッタは、移動することにより前記撮像部を遮光するシャッタ先幕とシャッタ後幕とを有し、
前記制御部は、前記第1制御において前記シャッタ先幕により前記光電変換を開始させ、前記シャッタ後幕で前記撮像部を遮光する撮像装置。
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