JP6604215B2 - 撮像装置 - Google Patents

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本発明は、撮像装置に関し、特に、グローバルシャッタ方式で画素信号読出し可能な撮像素子を用いた露出制御に関する。
CMOS型イメージセンサなどの撮像素子では、ライン毎に画素信号を読み出すローリングシャッタ方式によって露光動作を通常行うが、全画素同時に電子シャッタ動作を行うグローバルシャッタ方式で画素信号を読み出すことも可能である。そこでは、画素ごとにメモリ機能をもつ光信号保持部(電荷蓄積領域)を形成し、全画素同時に電荷をメモリへ転送する。そして、メモリで一時的に保持した画素信号をラインごとに出力する。
入射光によって基板深部に光電荷が生成され、この光電荷が光信号保持部に流入すると、疑似信号となって画質が劣化する。これを防ぐため、光信号保持部の下部にバリヤ領域を設け、不要な光電荷が光信号保持部に混入するのを防ぐ(特許文献1参照)。
特許第5709099号公報
光信号保持部に対してバリヤ領域などを設けても遮光は不十分であり、シャッタを閉じている期間に不要な光信号が光信号保持部に混入し、クロストークなどが生じるのを完全に抑えることはできず、その結果画質が劣化する。
したがって、グローバルシャッタ方式の撮像素子に対しても、光信号保持部への不要な光信号混入を抑え、画質劣化を抑えることが求められる。
本発明の撮像装置は、光電変換部と、光電変換部で生成された光信号を保持する光信号保持部とを有する撮像素子と、グローバルシャッタ方式で撮像素子を駆動可能な撮像素子駆動部と、撮影時に露出制御を実行する露出制御部とを備え、露出制御部が、定められた画質に対し撮像素子の寄生感度から求められる露出時間を下回らないように、露出制御を行う。
ここで、「定められた画質」とは、撮影モードなどにおいて設定される画質に関連した値を意味し、例えばS/N比が挙げられる。所定のあるいはユーザの所望するS/N比が設定されると、そのS/N比を満足する露出時間を寄生感度から求めることができる。
露出制御部は、所定のSN比に対する寄生感度と1フレーム期間における露出時間の割合を示す1フレーム露出時間割合との対応関係に基づき、定められたSN比を満たす露出時間の中で最も短い許容最短露出時間を定め、許容最短露出時間以上の露出時間を設定することが可能である。
例えば、露出制御部は、露出演算処理によって求められた露出時間が許容最短露出時間より小さい場合、露出時間を許容最短露出時間に変更することができる。また、露出制御部は、許容最短露出時間が設定されると、露出演算処理における露出条件を満たすように、撮像素子へ入射する光量を調整すればよい。例えば、露出制御部が、絞りおよびフィルタの少なくともいずれか1つを制御することにより、撮像素子に入射する光量を調整することが可能である。
露出制御部は、フレームレートに応じて露出時間を定めることが可能である。また、S/N比の変更など画質の変更に応じて露出時間を変更することもできる。さらに、露出制御部は、撮影関連モードの設定に応じて、露出時間を定めることができる。例えば、静止画像撮影モードと動画像撮影モードの切り替えに応じて、露出時間を切り替える。あるいは、画質モードにおいて設定された画質に応じて、露出時間を定める。
露出制御部は、露出時間を高画質露出時間以上に設定できない場合、撮像素子駆動部を制御し、ローリングシャッタ方式で撮像素子を駆動させればよい。また、露出制御部は、露出時間を撮像素子の寄生感度から求められる露出時間以上に設定できない場合、フレーム周期を短くすることも可能である。露出制御部は、フレーム周期の値を実際に短くすることも可能であり、あるいは、画素信号読出し方式を変更することによって、フレーム周期を実質的に短くすることもできる。露出制御部は、シャッタスピード優先モードにおいて設定された露出時間が、撮像素子の寄生感度から求められる露出時間より短く、かつその露出時間以上に変更できない場合、求められた露出時間を変更してフレーム周期を短くすればよい。
本発明の露出制御方法は、光電変換部と、光電変換部で生成された光信号を保持する光信号保持部とを有する撮像素子を、グローバルシャッタ方式で駆動し、撮影時に露出制御を実行する露出制御方法であって定められた画質に対し撮像素子の寄生感度から求められる露出時間を下回らないように、露出制御を行う。
本発明によれば、グローバルシャッタ方式の撮像素子を用いた撮影において、ノイズを抑えた高画質の画像を得ることができる。
第1の実施形態であるデジタルカメラのブロック図である。 撮像素子の受光面上に配置された画素の概略的ブロック図である。 SN比に対する寄生感度と、1フレーム露出時間割合との関係を示したグラフである。 グローバルシャッタ方式に基づいた露出制御のフローチャートである。 第2の実施形態における露出制御のフローチャートである。 第3の実施形態における露出制御のフローチャートである。 第4の実施形態における露出制御のフローチャートである。 第5の実施形態における露出制御のフローチャートである。 第6の実施形態における露出制御のフローチャートである。 第7の実施形態における露出制御のフローチャートである。 第8の実施形態における露出制御のフローチャートである。 第9の実施形態における露出制御のフローチャートである。 第10の実施形態であるデジタルカメラのブロック図である。 第11の実施形態における露出制御のフローチャートである。 被写体の明るさと露出時間との対応関係を示した図である。
以下では、図面を参照して本実施形態であるデジタルカメラについて説明する。図1は、第1の実施形態であるデジタルカメラのブロック図である。
デジタルカメラ10は、カメラ本体30と、カメラ本体30に着脱自在な交換レンズ20とを備える。カメラCPUを含むシステムコントロール回路40は、電源ボタン、レリーズボタン、モード選択ダイヤル(いずれも図示せず)などに対する入力操作に従い、レンズ制御回路56、画像処理回路34などに制御信号を出力し、焦点調整、撮影制御、画像処理、記録処理、再生表示処理など一連のカメラ動作制御を行う。
システムコントロール回路40は、演算部、ROM、RAM、インターフェイス回路など(いずれも図示せず)を有し、カメラ動作制御のプログラムは、ROMなどの記録媒体(図示せず)に記憶されている。操作スイッチ群38は、電源スイッチ、撮影モード選択スイッチ、レリーズスイッチなどによって構成されている。
撮影モードでは、撮影光学系22を通った被写体からの光が撮像素子32の受光面に結像し、被写体像が撮像素子32に形成される。撮像素子32は、ここでは(M×N)の画素配列をさせた2次元単板式のCMOS型イメージセンサによって構成されている。また、ベイヤー配列などによる原色カラーモザイクフィルタアレイがオンチップで設けられている。撮像素子駆動回路36は撮像素子32を駆動し、1フィールドあるいは1フレーム分の画素信号を撮像素子32から所定時間間隔で読み出す。
撮像素子32から読み出された1フィールド/フレーム分の画素信号は、AD変換器33によってデジタル信号に変換された後、画像メモリ35へ一時的に格納される。画像処理回路34は、1フィールド/フレーム分の画素信号に対して色補間処理、ガンマ補正処理、ホワイトバランス調整などを施し、カラー画像信号を生成する。システムコントロール回路40は、カラー画像信号に基づいてLCDなどの表示器37を駆動し、これによってスルー画像が表示器37に表示される。
レリーズボタンが半押しされると、焦点調節が行われる。レンズCPU28は、カメラ側マウント接点およびレンズ側マウントを介してレンズ制御回路56と通信可能であり、レンズ制御回路56からの指令に基づきレンズ駆動機構26を制御する。レンズ駆動機構26は、レンズCPU28からの制御信号に従って撮影光学系22のフォーカシングレンズを光軸方向に沿って移動させる。また、レリーズボタン半押しに従い、システムコントロール回路40は撮像素子32から読み出された画素信号に基づいて被写体の明るさを検出し、露出値(シャッタスピード、絞り値など)を算出する。
レリーズボタンが全押しされると、システムコントロール回路40は露出制御を行う。ここでは、撮像素子32の電子シャッタ機能によってシャッタスピード、すなわち露出時間を調整し、システムコントロール回路40が撮像素子駆動回路36を制御する。レンズCPU28は、送られてくる絞り値データに応じて絞り23の開口度合いを調整し、撮像素子32へ入射する光量を調整する。
1フレーム分の画素信号が撮像素子32から読み出されると、画像処理回路34は、色変換処理、ホワイトバランス処理、γ補正処理などを1フレーム分の画素信号に対して実行し、静止画像データを生成する。静止画像データは、圧縮処理された後あるいは非圧縮状態で画像メモリ35へ一時的に格納された後、メモリカードなど着脱自在な記録媒体54に記録される。
カメラ本体30上部に設けられたフラッシュ60は、フラッシュ撮影モードが設定されると、設定された露出値に従って撮影時に閃光する。フラッシュ駆動回路62は、フラッシュ60の発光制御を行う。また、撮影モードとしては、動画像記録、静止画像記録いずれも可能であり、モードダイヤル操作に従っていずれかの記録方式が設定される。さらに、撮影モードにおいてシャッタスピード優先モードを設定することが可能である。
図2は、撮像素子32の受光面上に配置された画素の概略的ブロック図である。
撮像素子32の各画素32Aは、フォトダイオードなどの光電変換部132と、光信号保持部134と、増幅器136とを備えている。光電変換部132に蓄積された電荷は、転送スイッチ135がON状態になることによって光信号保持部134に転送される。
光信号保持部134は、接合ダイオードなどによって構成されていて、その上部は遮光膜(図示せず)によって覆われている。また、その下部には高不純物密度のバリヤ領域(図示せず)が形成されている。光信号保持部134に格納された電荷は、選択スイッチ138がON状態になると読み出され、増幅器136で増幅処理された後、出力される。光信号保持部134に格納された電荷は、ライン(行)ごとに読み出される。
撮像素子32の駆動に関しては、ローリングシャッタ方式あるいはグローバルシャッタ方式いずれかによって画素信号を読み出し可能であり、システムコントロール回路40が撮像素子駆動回路36を制御して読み出し方式を切り替える。グローバルシャッタ方式が選択されると、露出期間経過に伴って光電変換部132に蓄積された光電荷を全画素一括に転送し、光信号保持部134に格納する。一方、ローリングシャッタ方式が選択された場合、1ラインごとに光電荷が転送され、光信号保持部134に格納されるとともに、選択スイッチ138がON状態となって選択行が順次読み出される。
メモリ機能を果たす光信号保持部134は、上述したように遮光膜とバリヤ領域によって覆われており、入射光が光電変換部132だけに入射して光信号保持部134へ入射するのを防ぐとともに、入射光によって基板深部に発生した光電荷が光信号保持部134に混入するのを防ぐ。
しかしながら、実際には、光電変換部132からの電荷漏れとともに、光信号保持部134が入射光に対する感度特性をもつため、各画素から出力される画素信号には、シャッタが開いていない期間、すなわち露出期間(以下では、露光時間ともいう)外での蓄積信号(疑似信号)が含まれる。これは、グローバルシャッタ方式を選択したときに影響が出やすい。
ここで、シャッタが開いていた露出期間に得られる画素信号と、実際に画素から出力される画素信号との割合を示すシャッタ効率は、電子シャッタの有効性を表す性能指標であり、疑似信号が多いほどシャッタ効率が低下する。
このシャッタ効率は、寄生感度(Parasitic Light Sensitivity:PLS)を用いて定義することができる。寄生感度(PLS)は、メモリの感度をSMEM、光電変換部132の感度をSPDとすると、以下の式によって表される。
Figure 0006604215
一方、疑似信号は、電荷信号を光信号保持部134へ格納させてから読み出されるまでの時間に生じることから、シャッタ効率は読み出し時間にも依存する。通常、画素信号の読み出し時間はフレーム周期と一致することから、シャッタ効率は、以下の式で定義することができる。ただし、ηSEはシャッタ効率を表し、Tはシャッタの開いている露光期間を表し、Tはフレーム周期を表す。
Figure 0006604215
ここで、シャッタ効率低下に伴うノイズ成分は1−ηSEであるから、その時のS/N比(以下では、SN比ともいう)は、以下の式で表される。ただし、SNRは、SN比の値を表す。
Figure 0006604215
そして、(3)式から寄生感度PLSを以下の(4)式が導かれるととともに、(4)式から、シャッタ開時間Tを以下の(5)式で求めることができる。
Figure 0006604215
Figure 0006604215
SN比は、(3)式から明らかなように、撮像素子32の寄生感度PLSと、シャッタ開時間Taとフレーム周期Tfとの比、すなわち1フレーム期間における露出時間の割合(以下、1フレーム露出時間割合ともいう)に依存する。したがって、寄生感度PLSの特性をもつ撮像素子32をフレーム周期Tfで駆動した場合、所望のSN比を得るためには、シャッタ開時間Taを、(5)式から算出されるシャッタ開時間(以下、許容最短シャッタ開時間あるいは許容最短露出時間という)以上に設定し、これを下回らないようにすることが必要となる。
図3は、SN比に対する寄生感度PLSと、1フレーム露出時間割合(シャッタ開時間Taとフレーム周期Tfとの比)との関係を示したグラフである。
図3に示すように、S/N比を定めると、寄生感度PLSと、1フレーム露出時間割合Ta/Tfは、比例関係にある。例えば、所望するS/N比を40dBとした場合、撮像素子32の寄生感度が−80dBであると、シャッタ開時間Taをフレーム周期Tfの約1/100以上に設定する必要がある(図3のラインL3参照)。例えばフレームレートが30fpsであれば、許容最短シャッタ開時間Taは0.33msとなる。
他のSN比についても、同じように、寄生感度PLSからシャッタ開時間Taの許容範囲、すなわち許容される露出時間の範囲で最短のシャッタ開時間を定めることができる。本実施形態では、撮影時、通常の露出演算処理によって求められた露出時間(シャッタ開時間)と許容最短シャッタ開時間とを比較し、必要に応じて露出時間を変更する。以下、これについて詳述する。
図4は、グローバルシャッタ方式に基づいた露出制御のフローチャートである。ここでは、フレームレート(フレーム周期)および要求されるSN比があらかじめ一定値に定められているものとする。なお、シャッタ開時間(露出時間)について、以下では符号“Ta”で表す。
ステップS101では、ROMに格納されている撮像素子32の寄生感度PLS、初期設定されているフレーム周期Tf0、初期設定されているSN比の値SNR0が読み出される。そしてステップS102では、(5)式に対し、寄生感度PLSの値、初期設定されているフレーム周期の値Tf0、初期SN比の値SNR0を代入することによって、許容最短シャッタ開時間Txが算出される。ステップS103では、1フレーム分の画像を取得してプログラム線図に基づいた露出演算処理を実行する。露出演算処理により、露出時間(シャッタスピード)Ta、絞り値Fが算出される。
ステップS104では、算出された露出時間Taが許容最短シャッタ開時間Txよりも短いか否かが判断される。露出時間Taが許容最短シャッタ開時間Tx以上である場合、露出時間Taでの撮影が可能であるため、処理は終了する。一方、露出時間Taが許容最短シャッタ開時間Txより短い場合、初期設定のSN比の値SNR0を満たすように、露出時間Taを許容最短シャッタ開時間Txに変更するため、その場合の絞り値F’を算出する(S105)。絞り値F’は、プログラム線図に従って求められる。
ステップS106では、絞り値F’への変更が可能であるか否かが判断される。露出条件などを満たすことなどの条件に基づいて絞り値F’への変更が可能である、すなわち絞り23によって入射光量を調整可能であると判断した場合、露出時間TaからTxへの変更、および絞り値FからF’への変更を決定する(S107)。一方、絞り値F’への変更が可能でない場合、グローバルシャッタ方式からローリングシャッタ方式に変更される(S108)。
このように本実施形態によれば、露出演算処理によって得られた露出時間Taが所望のSN比に対して寄生感度から求められる許容最短露出時間Txより短い場合、SN比を満たすために露出時間を許容最短露出時間Txに変更するとともに、露出条件を満たすように絞り値Fを変更する。
これにより、様々な撮影状況、露出条件に対しても、グローバルシャッタ方式において画質の優れた撮影画像を得ることができる。また、絞り値を変更できない場合にはローリングシャッタ方式に切り替えるため、適正露出とすることができる。
なお、撮影シーケンスの間に露出制御処理を行うことも可能であり、レリーズボタン半押しに応じて露出値が演算されるのに合わせてステップS101〜S108を実行することができる。あるいは、ステップS101、S102のみ電源ON時に演算し、レリーズボタン半押しに応じてステップS103〜S108を実行してもよい。
次に、図5を用いて、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、絞り値を変更できない場合、フレーム周期を変更する。それ以外の構成については、実質的に第1の実施形態と同じである。
図5は、第2の実施形態における露出制御のフローチャートである。
ステップS201〜S206の実行は、図4のステップS101〜S106の実行と同じである。すなわち、寄生感度値PLS、初期フレーム周期Tf0、所望のSN比の値SNR0から許容最短露出時間Txを算出し、プログラム線図から求められる露出時間Taが許容最短露出時間Txよりも短いか否かを判断する。ステップS206において、絞り値が変更可能であると判断されると、露出時間TaをTxに変更し、絞りを露出演算処理で求められた露出条件を満たすように絞り値が変更される(S207)。
一方、ステップS206において、絞り値が変更可能でないと判断されると、Ta≧Txを満たすフレーム周期Tfを算出する(S208)。具体的には、フレーム周期Tf0よりも短いフレーム周期Tfを算出する。短いフレーム周期の算出方法については、あらかじめ経験的にその変更度合を決定し、メモリなどに記憶させておけばよい。あるいは、Ta=Txとなるフレーム周期Tfを算出してもよい。フレーム周期をTf0からTfへ変更可能な場合(S209)、フレーム周期Tfを設定する(S210)。一方、フレーム周期をTf0からTfへ変更可能でないと判断されると、画素信号読出し方式を変更する(S211)。具体的には、画素信号読出し方式を行加算方式あるいは行間引き方式に変更し、許容最短露出時間Tx以上の露出時間Taとなるようにし、実質的にフレーム周期を短くする。
このように第2の実施形態によれば、フレーム周期を短くすることにより、絞り調整できない場合でもグローバルシャッタ方式による撮影を実行することができる。また、画素信号読み出し方式の調整によって実行フレーム周期を短くすることにより、シャッタスピード(露出時間)を変更することなく適切な露出制御をすることができる。また、動いている被写体に対してローリングシャッタによる歪みが生じてしまうことを防ぐことができる。
次に、図6を用いて、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、動画像モード、静止画像モードそれぞれに応じたフレーム周期に従って露出制御を行う。それ以外の構成については、第1の実施形態と実質的に同じである。
図6は、第3の実施形態における露出制御のフローチャートである。
図4のステップS101と同様に一連の初期値が読み出されると(S301)、撮影画像の記録方式として動画像を記録する動画像モードか否かが判断される(S302)。オペレータによるダイヤル、ボタン等の操作によって動画像モードが設定されている場合、動画像記録用のフレーム周期Tfmに設定される(S303)。一方、静止画像を記録する静止画像モードが設定されている、すなわち通常の撮影モードが設定されている場合、静止画像記録に応じたフレーム周期Tfsに設定されている(S304)。ステップS305では、フレーム周期Tf(=TfsもしくはTfm)に従って許容最短露出時間Txが算出される。ステップS306〜S311の実行は、図4のステップS103〜S108の実行と同じである。
このように第3の実施形態によれば、動画像記録においても、画質の優れた撮影画像を得ることができる。
次に、図7を用いて、第4の実施形態であるデジタルカメラについて説明する。第4の実施形態では、動画像モード、静止画像モードに応じてフレーム周期と設定するとともに、絞り値を変更できない場合には静止画像モードあるいは動画像モードに応じて設定されたフレーム周期を変更する。
図7は、第4の実施形態における露出制御のフローチャートである。ステップS401〜S406の実行は、図6のステップS301〜S306の実行と同じである。ステップS407〜S414は、図5のステップS204〜S211の実行と実質的に同じである。このように第4の実施形態によれば、動画像モードにおいてもフレーム周期を変更することができる。
次に、図8を用いて、第5の実施形態であるデジタルカメラについて説明する。第5の実施形態では、画質モードに応じて露出制御を行う。それ以外については、第1の実施形態と同じである。
図8は、第5の実施形態における露出制御のフローチャートである。
図4のステップS101と同様に一連の初期値が読み出されると(S501)ユーザによって設定されている画質モードに応じたSN比の値SNRが設定される(S502)。例えば、高画質モードの場合には、標準の画質モードと比べてSN比の値が高い。設定されたSN比値SNRから許容最短露光時間Txを算出する(S503)。ステップS504〜S509の実行は、図4のステップS103〜S108の実行と同じである。
このように第5の実施形態によれば、ユーザの設定した画質に適切な露出制御を行うことが可能であり、画質変更があってもそれに対処することが可能となる。
次に、図9を用いて、第6の実施形態であるデジタルカメラについて説明する。第6の実施形態では、画質モードに応じてSN比値を設定するとともに、絞り値変更不能である場合には、フレーム周期を変更する。すなわち、第2の実施形態と第5の実施形態とを組み合わせた構成となっている。
図9は、第6の実施形態における露出制御のフローチャートである。
ステップS601〜S603の実行は、図8のステップS501〜S503の実行と同じである。そして、ステップS604〜S612の実行は、図5のステップS204〜S211の実行と同じである。
次に、図10を用いて、第7の実施形態であるデジタルカメラについて説明する。第7の実施形態では、画質モードに応じてSN比値を設定するとともに、動画像あるいは静止画像モードに応じてフレーム周期を設定する。すなわち、第3の実施形態と第5の実施形態とを組み合わせた構成である。
図10は、第7の実施形態における露出制御のフローチャートである。ステップS701、S702の実行は、図8のステップS501、S502の実行と同じである。そして、ステップS703〜S712の実行は、図6のステップS302〜S311の実行と同じである。
次に、図11を用いて、第8の実施形態であるデジタルカメラについて説明する。第8の実施形態では、画質モードに応じてSN比値を設定するとともに、動画像あるいは静止画像モードに応じてフレーム周期を設定し、さらに、絞り値を変更できない場合には、フレーム周期を変更する。すなわち、第2の実施形態、第3の実施形態、第5の実施形態とを組み合わせた構成である。
図11は、第8の実施形態における露出制御のフローチャートである。ステップS801、S802の実行は、図8のステップS501、502の実行と同じである。ステップS803〜S806の実行は、図6のステップS302〜S305の実行と同じである。そして、ステップS807〜S815の実行は、図5のステップS203〜S211の実行と同じである。
次に、図12を用いて、第9の実施形態について説明する。第9の実施形態では、シャッタスピード優先モードが設定された状態で絞り値変更できない場合、電子シャッタ方式を変更する代わりにフレーム周期を変更する。それ以外の構成については、第8の実施形態と同じである。
図12は、第9の実施形態における露出制御のフローチャートである。ステップS901〜S906は、図11のステップS801〜S806の実行と同じである。
ステップS907では、シャッタスピード優先モードにおいて設定されたシャッタスピード、すなわち露出時間Taを設定する。ステップS908〜S913の実行は、図11のステップS808〜S813の実行と同じである。
ステップS913においてフレーム周期変更できないと判断されると、画素信号読出し方式を変更する(S915)。具体的には、画素信号読出し方式を行加算方式あるいは行間引き方式に変更し、許容最短露出時間Tx以上の露出時間Taとなるようにし、実質的にフレーム周期を短くする。
このように第9の実施形態では、画素信号読み出し方式の調整によって実行フレーム周期を短くすることにより、シャッタスピード(露出時間)を変更することなく適切な露出制御をすることができる。また、動いている被写体に対してローリングシャッタによる歪みが生じてしまうことを防ぐことができる。
次に、図13を用いて第10の実施形態について説明する。第10の実施形態では、絞りに加えてフィルタによる光量制御を行う。それ以外の構成については、第1の実施形態と同じである。
図13は、第10の実施形態であるデジタルカメラのブロック図である。カメラ本体30は、撮像素子32の前方(レンズ側)に液晶NDフィルタ64を備えている、液晶NDフィルタ64は、撮影光学系22を通過する光の量を調整可能であり、液晶NDフィルタ駆動回路62からの駆動信号によって光量を所定量減衰させる。
第10の実施形態によれば、絞りに加えてフィルタによる光量調整を行うことにより、絞りで行える光量減少範囲を超える場合には、NDフィルタを駆動して光量を減少させることができる。これによれば、フレーム周期変更などしなくてもよい。なお、メカシャッタをカメラ本体に備えている場合、メカシャッタによって光量調整を行ってもよい。
次に、図14、15を用いて、第11の実施形態であるデジタルカメラについて説明する。第11の実施形態では、フラッシュ撮影に応じて露出時間を設定する。それ以外の構成については、第1の実施形態と同じである。
図14は、第11の実施形態における露出制御のフローチャートである。ステップS1101〜S1103の実行は、図4のステップS101〜S103の実行と同じである。
ステップS1104では、フラッシュ撮影モードに設定されているか否かが判断される。フラッシュ撮影モードに設定されている場合、ステップS1110へ進み、露出時間Taが許容最短露出時間Txよりも短いか否かが判断される。露出時間Taが許容最短露出時間Tx以上である場合、露出時間Taをフラッシュ発光時間に対応した露出時間Tsに設定する(S1111)。
図15は、被写体の明るさと露出時間との対応関係を示した図である。図15(A)に示すように、第1〜10の実施形態では、被写体の明るさが大きくなるに従って露出時間Taを短くする一方、露出時間Taが許容最短露出時間Tx以下とならないように制御されている(ラインA参照)。
一方、フラッシュ撮影が行われる場合、許容最短露出時間Tx以上の範囲にある露出時間Taをそのまま使用すると、光量オーバとなって画質低下につながる。そのため、フラッシュ発光時間にシンクロさせた露出時間Tsに設定される(S1110、S1112)。この露出時間Tsは、許容最短露出時間Txよりも短い。
一方、露出時間Taが許容最短露出時間Txより短い場合、許容最短露出時間Txに設定される(S1110、S1112)。図15(B)には、本実施形態における露出時間Taの設定値が、ラインBによって表されている。ステップS1105〜S1109の実行は、図4のステップS104〜S108の実行と同じである。
このように第11の実施形態によれば、Ta≧Tx、すなわち被写体の明るさが所定値より暗い場合、露出時間をフラッシュ撮影に応じた露出時間に設定し、被写体の明るさが所定値以上の場合、露出時間を許容最短露出時間に設定する。これにより、日中シンクロ撮影において被写体が明るい場合においても、露出オーバにならず、適正露出による撮影画像を得ることができる。
第1〜第11の実施形態では、所望するSN比に対する許容最短露出時間を寄生感度から算出しているが、SN比以外の画質に関連する値に応じて算出してもよい。また、許容最短露出時間よりも長い露出時間をTxとして定め、それに応じて露出制御を行ってもよい。
10 デジタルカメラ
32 撮像素子
36 撮像素子駆動回路(撮像素子駆動部)
40 システムコントロール回路(露出制御部)
132 光電変換部
134 光信号保持部


Claims (15)

  1. 光電変換部と、前記光電変換部で生成された光信号を保持する光信号保持部とを有する撮像素子と、
    グローバルシャッタ方式で前記撮像素子を駆動可能な撮像素子駆動部と、
    撮影時に露出制御を実行する露出制御部とを備え、
    前記露出制御部が、定められた画質に対し前記撮像素子の寄生感度から求められる露出時間を下回らないように、露出制御を行うことを特徴とする撮像装置。
  2. 前記露出制御部が、所定のSN比に対する寄生感度と1フレーム期間における露出時間の割合を示す1フレーム露出時間割合との対応関係に基づき、定められたSN比を満たす露出時間の中で最も短い許容最短露出時間を定め、許容最短露出時間以上の露出時間を設定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記露出制御部が、露出演算処理によって求められた露出時間が許容最短露出時間より小さい場合、露出時間を許容最短露出時間に変更することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記露出制御部が、許容最短露出時間が設定されると、前記露出演算処理における露出条件を満たすように、前記撮像素子へ入射する光量を調整することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  5. 前記露出制御部が、フレームレートに応じて露出時間を定めることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の撮像装置。
  6. 前記露出制御部が、画質の変更に応じて露出時間を変更することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の撮像装置。
  7. 前記露出制御部が、撮影関連モードの設定に応じて、露出時間を定めることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の撮像装置。
  8. 前記露出制御部が、静止画像撮影モードと動画像撮影モードの切り替えに応じて、露出時間を切り替えることを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
  9. 前記露出制御部が、画質モードにおいて設定された画質に応じて、露出時間を定めることを特徴とする請求項7乃至8のいずれかに記載の撮像装置。
  10. 前記露出制御部が、露出時間を高画質露出時間以上に設定できない場合、前記撮像素子駆動部を制御し、ローリングシャッタ方式で前記撮像素子を駆動させることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の撮像装置。
  11. 前記露出制御部が、露出時間を前記撮像素子の寄生感度から求められる露出時間以上に設定できない場合、フレーム周期を短くすることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の撮像装置。
  12. 前記露出制御部が、画素信号読出し方式を変更することによって、フレーム周期を短くすることを特徴とする請求項11に記載の撮像装置。
  13. 前記露出制御部が、シャッタスピード優先モードにおいて設定された露出時間が、前記撮像素子の寄生感度から求められる露出時間より短く、かつその露出時間以上に変更できない場合、求められた露出時間を変更してフレーム周期を短くすることを特徴とする請求項11に記載の撮像装置。
  14. 前記露出制御部が、絞りおよびフィルタの少なくともいずれか1つを制御することにより、前記撮像素子に入射する光量を調整することを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の撮像装置。
  15. 光電変換部と、前記光電変換部で生成された光信号を保持する光信号保持部とを有する撮像素子を、グローバルシャッタ方式で駆動し、
    撮影時に露出制御を実行する露出制御方法であって、
    定められた画質に対し前記撮像素子の寄生感度から求められる露出時間を下回らないように、露出制御を行うことを特徴とする露出制御方法。
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